JP4623358B2 - 光散乱型液晶デバイス、及び調光層形成材料 - Google Patents
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Description
該デバイスには、
(1)低電圧駆動であること(例えば汎用ICが使えること)、且つ
(2)幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さいこと、
更に液晶デバイスが、アクティブ素子の場合には、
(3)高い電圧保持率を有すること
が求められている。
該(メタ)アクリレートは多官能化合物であるので、未重合の化合物の低減を図ることができる。
即ち、前記(1)、(2)及び(3)の課題をすべて解決した光散乱型液晶デバイスは、得られていないのが現状である。
(1)低電圧駆動であり(例えば汎用ICが使えること)、且つ
(2)幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さく、
(3)高い電圧保持率を有する、
経時変化等の生じない、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を有する光散乱型液晶デバイスを提供することにある。
光散乱型液晶デバイスの駆動電圧に関する記述として、特開平6−222320号公報において次式の関係が示されている。
これによると、光散乱型液晶デバイスの駆動電圧は、ポリマーマトリックス界面の平均空隙間隔、基板間の距離、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物とポリマーマトリックスのアンカリングエネルギーによって決定される。この中で温度により変化をするパラメーターは、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物とポリマーマトリックス間のアンカリングエネルギーであるが、低温域では誘電率異方性は増加する為、低温域で駆動電圧を上昇させる要因となるのは、液晶組成物の弾性定数と液晶組成物とポリマーマトリックス間のアンカリングエネルギーとなる。
即ち、液晶分子との相互作用の小さいポリマーマトリックスを設計し、かつ、ポリマーマトリックスとアンカリングエネルギーが小さい液晶組成物を見いだすことが必要と考えた。
ポリマーマトリックスは環境温度によってその弾性率が変化する。ガラス転移点以上ではポリマーマトリックス分子鎖のミクロブラウン運動により、ポリマーマトリックスは常に熱振動していると考えられ、これが液晶分子とポリマーマトリックスとの相互作用を抑制するものと考えられる。
一方、ガラス転移点(以下、Tgと略す)付近及び以下ではガラス化が生じポリマーマトリックス分子鎖の運動は殆ど生じない。そのため、液晶分子とポリマーマトリックスとの相互作用が大きくなってしまい、低温域での駆動電圧が上昇してしまうものと考えられる。従って、−20℃〜70℃の幅広い温度範囲内で、液晶分子と分子鎖との相互作用の変化が小さいポリマーマトリックスを設計し、かつ幅広い液晶温度範囲、特に低温領域でのネマティック安定性に優れる液晶組成物を見いだすことが必要と考えた。
アクティブ素子で駆動させるためには、液晶化合物として、高い比抵抗値、高い誘電率異方性を有し、且つ耐熱性、耐光性に優れることは必須条件である。更にポリマーマトリックスとしては、高い比抵抗値を有することが必要である。
(式中、a1は炭素原子数4〜40のアルキル基を表す。但し、
1)該アルキル基中の炭素原子は、
1-1)酸素原子が相互に直接に結合しないものとして−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、−OCONH−、又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていてもよく、
1-2)置換基として炭素原子数1〜15のアルキル基を有していても良く、
2)a1が結合している炭素原子からa1の末端の炭素原子までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数a1Mは40以下であり(但し、a1が置換基を有する場合は、もっとも原子数の多い末端までの結合に含まれる原子数をa1Mとする。)、
a2は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
b1は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b1が結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b1Mが1〜60である連結基を表す。また、複数ある繰り返し単位のa1、a2、及びb1は、同じであっても異なっていてもよい。)からなり、
液晶組成物が、一般式(I−a)及び一般式(I−b)
A1及びA2はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
X1及びX7はそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
X2からX6及びX8からX12はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z1及びZ3はそれぞれ独立して、単結合又は−CH2−CH2−を表し、
Z2及びZ4はそれぞれ独立して、単結合、−CH2−CH2−又は−CF2O−を表し、n1及びn2は0又は1である。)
で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物を含有する光散乱型液晶デバイスを提供する。
b3及びb4は、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b2の結合を辿ったときの最小の原子数の総和b3M及びb4Mが1〜40の連結基を表す。但し、b3M及びb4Mは下記式を満たす。
(1)低電圧駆動であり(例えば汎用ICが使える)、且つ
(2)使用する液晶化合物の種類には左右されず、幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さく、
(3)高い電圧保持率を有し、
経時変化等を生じない。
本発明の光散乱型液晶デバイスは、透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスであり、そのポリマーマトリックスは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる。
排除体積効果は、側鎖の運動性に起因するため、隣り合う運動性の側鎖間の距離、つまり隣り合うa1が結合している炭素原子間の距離と、a1の長さとが関係すると考えられる。
低電圧駆動の液晶デバイスを得るためには、一般式(1)中の側鎖a1が結合している炭素から一番長い側鎖の末端までの距離d1と、隣り合うa1が結合している炭素間の距離d2との比が、d1:d2=1:5 〜 5:2であることが好ましい。
また、b2が式(5)
b1Mが短すぎると側鎖の運動性が損なわれるおそれがあり、また、b1Mが長すぎると側鎖同士の相互作用が大きくなるおそれがあり、いずれも駆動電圧をあげる要因になると考えられる。
本発明では、a1で表される側鎖の結合している炭素原子に、a2で表されるアルキル基を付けることで、a1で表される側鎖のガラス化を低減させることを可能にした。a2で表されるアルキル基は炭素原子数1〜5と短いので、主鎖がガラス化しても運動性を保ちやすい。この運動性がa1で表される側鎖に伝播することで、低温域でもa1で表される側鎖の運動性を保つことができると推定できる(参考:「高分子物理学(改訂版)」昭和48年5月15日発行、P371−376)これにより(2)幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧が安定な素子を得ることが可能になる。
図1に、a2として、メチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスと、a2の部位に水素原子を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスの、各々の温度と駆動電圧との関係について示す。a2が存在することで、幅広い温度範囲において安定な駆動電圧(ΔVが0.3以内である)の素子が得られる。a2で表される基は、メチル基で十分な効果を示す。
前記一般式(1)の具体的なポリマー材料としては、マクロモノマーのようなメタアクリレートの重合物、ジメチロールオクタン、ブチルエチルプロパンジオールを用いたポリエステルおよび、そのアクリル変性化合物等が挙げられる。中でも、a1で表される長鎖側鎖、及び、a2で表されるアルキル基を置換基として有する炭素原子をもつ多官能重合性化合物を原料として得たポリマーマトリックスが好ましい。多官能重合性化合物としては、例えば、一般式(2)で表される重合性化合物が挙げられる。
一般式(6)中、a3は単結合、又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表す。中でも、単結合又は炭素原子数1のメチレン基が好ましい。
a4は単結合、−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、又は−OCONH−を表す。中でも、−O−、−CO−O−、又は−OCO−が好ましい。
a5及びa5の置換基に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていても良い。
a5は、具体的には、ノルマルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ノルマルウンデシル基、ノルマルトリデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルオクタデシル基、2−n−ヘプチルノニル基、イソミリスチル基、2−エチルヘキシル基、ブトキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、ノルマルブトキシエトキシメチル基、シクロヘキシル基、ポリエチレングリコールモノエーテル基、4−ノニルフェニレン基、4−オクチルシクロヘキシル基等があげられる。中でも、炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、更に、アルキル基が直鎖アルキル基の場合は、炭素数7〜14の直鎖アルキル基がより好ましい、アルキル鎖が分岐鎖の場合は、炭素数9〜18の分岐アルキル基がより好ましい。
a5が、例えば、ノルマルウンデシル基、ノルマルトリデシル基等の炭素数6〜20の直鎖アルキル基であると、より低電圧で駆動可能な液晶デバイスを得ることができる。また。a5が、例えば、2−ノルマルヘプチル−ノニル基等の分岐アルキル基であると、駆動電圧の温度による変化の少ない液晶デバイスを得ることができる。
a2の部位に炭素数1〜5のアルキル基を導入することにより、0℃以下の極低温でも前記一般式(1)における−R1−X1−R2で表される基の運動性を保つことができる。更に、a2を有することにより、前記R2が分岐アルキル基でも低駆動電圧化が図れる。従って、より低駆動電圧で、且つ、低温域における駆動電圧の上昇の少ない光散乱型液晶デバイスを得ることができる。
a2の炭素数が5よりも大きくなるとアクリル基の重合性を阻害する恐れがある。
b3及びb4は、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、炭素原子数、酸素原子数及び窒素原子数の総和b3M及びb4Mがそれぞれ1〜40の連結基を表す。
一般式(1)におけるb1は、一般式(2)においては、
−b2−OC−CR2−CH2CH2−CR2−CO−b2−、及び、
−b3−b4−b3−で表される。b1Mが1〜60であるので、b2Mは最大26となる。また、b3M及びb4Mは下記式を満たす。
b2が−O−CH2−、−O−CH2−CH2−CO−O−CH2−、−O−CH2−CH2O−、又は−O−CH2−CH(CH3)O−であり、
b3が−CH2−O−、−CH2−OCO−、−CH2−CO−O−又は−CH2−であり、
b4が、mが2のときは、炭素数2〜30のアルキレン基(但し、該基中に存在し、b3と直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、又は、−Y−R4−Y− (但し、Yはアリーレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基を表し、R4は単結合又は炭素数1〜15のアルキレン基(但し、アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)を表す。)を表す。mが3のときは、炭素数2〜30のアルキルトリイル基(但し、該基中に存在し、b3と直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)を表す。mが4のときは、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、該基中に存在し、b3と直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)であることが好ましい。
また、前記b4の、mが3のときの具体例としては、
また、前記b4の、mが4のときの具体例としては、
一般式(2)においてmは2であるとなお好ましい。また、その場合におけるa1の好ましい例としては、a3がメチレン基、a4が−O−、−CO−O−、又は−OCO−、a5が炭素数2〜30のアルキレン基の組み合わせが最も好ましい。
また、一般式(1)のa3が炭素原子数4であるブチレン基の場合は、オキセタン基の代わりにフラン基を複数有する化合物を用いることによる得ることができる。更に、一般式(1)のa3が炭素原子数5であるペンチレン基の場合は、オキセタン基の代わりにピラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。
更に一般式(2)で表される重合性化合物が、下記化合物の場合は
重合性化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリテトラエチレングリコールジマレイミド等が挙げられる。これらの重合性化合物の配合率としては、一般式(1)の重合性化合物の合計量に対して、1〜30%が好ましく、5〜20%が最も好ましい。
本発明で使用する液晶組成物は、前記一般式(I−a)及び前記一般式(I−b)で表される化合物群から一種類以上を含有する。この液晶組成物としては、幅広い液晶温度範囲を有するのみならず、高い比抵抗値、高い誘電率異方性、高い屈折率異方性、低い粘性を有することが好ましい。更に、液晶組成物としての、耐熱性、耐光性に優れることも好ましい条件である。特にアクティブ素子で駆動させるためには、高い比抵抗値、高い誘電率異方性を有し、且つ耐熱性、耐光性に優れることは必須条件である。一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物は相溶性が高いため幅広い液晶温度範囲、特に低温域でのネマティック安定性に優れ、且つ高誘電率、高い比抵抗値を有する化合物である。
一般式(I−a)及び一般式(I−b)において、R1及びR2としては、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)が好ましく、該アルケニル基は式(V−a)
A1及びA2としては、1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、
Z1 及びZ2としては、単結合が好ましく、
X1及びX2としては、フッ素原子もしくはトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子がより好ましく、
具体的には一般式(V−1)から一般式(V−33)で表される化合物が好ましい。
本発明で使用する液晶組成物は、更に、一般式(I−c)で表される化合物を一種類以上含有するとなお好ましい。
X51は、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又は一般式(I−d)を表す。
X61からX66はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はメチル基を表し、
X71からX76はそれぞれ独立して、水素原子、又はフッ素原子を表す。)
で表される化合物が好ましく、これらの中でも、X61からX66の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子、又はメチル基であるもの、及びX71からX76の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子であるものがより好ましい。
具体的には一般式(I−51)から一般式(I−59)
X81、X84、X85及びX86はそれぞれ独立して水素原子、又はフッ素原子を表し、X82及びX83はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はメチル基を表すが、式(I−55)及び式(I−56)中のX82からX86の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子、又はメチル基を表し、
X87及びX88はそれぞれ独立して、水素原子、又はフッ素原子を表す。)
で表される化合物が更により好ましい。
Z5及びZ6はそれぞれ独立して単結合又は−CH2−CH2−を表し、n3は、0、1又は2を表す。ただし、n3=2の場合、複数存在するA3及びZ5は同一であっても異なっていても良い。
特に液晶温度範囲を拡大するには、n3が0又は1を表し、A3及びA4が、トランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、A5が1,4フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表し、Z5が単結合又は−CH2CH2−を表し、Z6が単結合を表すことが好ましく、
特に高屈折率を得るためには、n3が1を表し、A3がトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は1,4フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表し、A4及びA5が、1,4フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表すことが好ましい。
具体的には一般式(III−1)から一般式(III−5)で表される化合物が好ましい。
Z7及びZ8はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−又は−CF2O−を表す。
n4は、0、1又は2を表す。ただし、n4=2の場合、複数存在するA6及び各Z7は同一であっても異なっていても良い。
特に液晶温度範囲を拡大するには、n3が2を表し、A6がトランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、A7がトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表し、A8が2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表し、Z7及びZ8が単結合又は−CH2CH2−を表すことが好ましい。
具体的には一般式(IV−1)から一般式(IV−4)で表される化合物が好ましい。
これら(IV−1〜4)の中でも(IV−5〜7)の化合物がより好ましい。
これらの液晶組成物は不純物等を除去する、又は比抵抗値を更に高くする目的で、シリカ、アルミナ等による精製処理を施しても良い。比抵抗値としては1012Ω・cm以上が好ましく、1013Ω・cm以上がより好ましい。
更に、目的に応じて液晶組成物中に、キラル化合物、染料等のドーパントを添加することもできる。
重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を用いることが可能であるが、ラジカル重合により重合することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。具体的には以下の化合物が好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、ο−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。
この中でも、ベンジルジメチルケタールが最も好ましい。
−a3−a4−a5
本発明においては、前記一般式(1)で表される繰り返し単位のa1即ち一般式(6)で表される基 −a3−a4−a5 の構造と液晶組成物を適宜変化させることで、液晶デバイスの用途や使用する液晶組成物の種類に応じ適応させることができる。例えば、反射型液晶ディスプレイやデジタルペーパーのような白色度の高い光散乱型液晶デバイスの場合は、一般式(I−a)、(I−b)に一般式(I−c)で表されるトラン系液晶を含んだ液晶組成物が有効であり、調光層形成材料には、一般式(6)のa5が直鎖のアルキル基である重合性化合物を選択するのがより好ましい。例えば、a2がエチル基であり、a5が直鎖の炭素原子数13のノルマルミリスチル基であり、a3がメチレン基、a4が−OCO−である一般式(2)で表される化合物を、調光層形成材料として使用した光散乱型液晶デバイスは、a2のエチル基の存在により、0℃以下の極低温でも−CH2−OCO−C13H27で表される側鎖の揺らぎが抑制され難い。このため、0℃以下の極低温域でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、該基板上には、必要に応じて、高分子膜や、配向膜やカラーフィルターを配置することもできる。配向膜としては、例えば、ポリイミド配向膜、光配向膜等が使用できる。配向膜の形成方法としては、例えばポリイミド配向膜の場合、ポリイミド樹脂組成物を該透明基板上に塗布し、180℃以上の温度で熱硬化させ、更に綿布やレーヨン布でラビング処理することで得ることができる。また、ラビング処理を施していないポリイミド膜等の高分子膜も用いることもできる。更に、片側の基板にはシリコン等の不透明な材料でも良い。
液晶組成物、重合性化合物、光重合開始剤からなる調光層形成材料を真空注入法でセル厚5μmのITO付きガラスセル内に注入した。この時、調光層形成材料が常に均一状態となるよう、真空注入装置内の温度をコントロールした。また真空度は2パスカルとなるよう設定した。注入後ガラスセルを取り出し、注入口を封口剤3026E(スリーボンド社製)で封止した後、調光層形成材料のアイソトロピック−ネマチック転移点より1から2℃高い温度にコントロールし、紫外線カットフィルターUV−35(東芝硝子社製)を介した照射強度が10mW/cm2となるように調整されたメタルハライドランプを120秒間照射して、光散乱型液晶デバイスを得た。実施例中に示される液晶組成物の特性の略号、及び意味は以下の通りである。
T→N :固体相又はスメクチック相-ネマチック相転移温度(℃)
また、液晶温度範囲(ネマチック液晶温度範囲)とは特に指定がない限り、固体相又はスメクチック相-ネマチック相転移温度からネマチック相-アイソトロピック相転移温度までを意味する。
V10:電圧無印加時の光散乱型液晶デバイスの光透過率(T0)を0%とし、印加電圧を増加させていき光透過率がほとんど変化しなくなった時の光透過率(T100)を100%とした時、光透過率が10%となる印加電圧値(V)。
Vr90:電圧無印加時の光散乱型液晶デバイスの光透過率(T0)を0%とし、印加電圧を増加させていき光透過率がほとんど変化しなくなった時の光透過率(T100)を100%とした時、光透過率が90%となる印加電圧値(V)。
ΔV:デバイス1μmあたりの電圧変化量
−20℃のVr90−70℃のVr90/セル厚(V/μm)
電圧保持率(VHR)は、液晶電圧保持率測定システムVHR−A1(東陽テクニカ社製)を用いて測定し、パルス幅は64μsec、フレーム周期は16.67ミリ秒、印加電圧は5Vとし、面積比で求めた。
(中間体の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた反応容器に、中間体1の1,6−ジブロモヘキサン29g(0.12モル)、トテラブチルアンモニウムブロミド4g、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製:OXT−101)41g(0.35モル)、およびジメチルスルオキシド150mlを加え、50℃で溶解させた後に、粒状の水酸化ナトリウム 18.7g(0.47モル)を5回に分けて1時間かけて添加した。添加終了後に反応容器を80℃に加熱して3時間撹拌して反応を終了した。反応液に酢酸エチルを1L加えた後に5%炭酸ナトリウム、純水、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧留去して、式(7)で表される3,3−(1,6−ヘキサンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)を26g得た。
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:4.45−4.40(dd,8H),3.56(s,4H),3.45(t、4H),1.70(m,4H),1.60(m,4H),1.38(m,4H),0.88(t,6H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:73.4,71.5,44.3,43.4,32.7,29.5,26.8,26.2,26.0,25.5,8.2
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、上記の中間体で合成した3,3−(1,6−ヘキサンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)20g(0.064モル)、ヨウ化ナトリウム22.9g(0.152モル)、およびアセトニトリルを300ml入れ、5℃以下になるように氷水バスで冷却しながら撹拌した。ラウリル酸クロリド29.4(0.134モル)を30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌した後に、更に室温で3時間撹拌して反応を終了した。反応容器に少量の水を加えた後に酢酸エチルを加え、10%亜硫酸水素ナトリウムでヨウ素を分解した。更に純水、飽和食塩水の順で有機層を洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、有機溶媒を減圧留去し中間体M−1を51g合成した。
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.42(d,2H),6.12(q,2H),5.84(d,2H),4.10(s,4H)3.99(s,4H),3.34(t,4H),3.29(s,4H),2.29(t,4H),1.62(m,4H),1.6−1.4(m,8H),1.25(m,36H),0.87(t,12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.6,165.9,130.6,128.3,71.5,70.4,64.7,64.3,41.4,34.3,31.9,29.7−29.1,25.9,24.9,23.0,22.6,14.0,7.4
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr):2925,2855,1733,1652−1622,1190,808.9
中間体の合成において3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製:OXT−101)の代わりに3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを用いた、同様の合成方法により「M−2」「M−3」を合成した。
液晶組成物(A)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(A)の液晶温度範囲は−43℃から85.2℃であり、この素子のVHRは99.1%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
液晶組成物(B)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(B)の液晶温度範囲は−36℃から96.5℃であり、この素子のVHRは99.0%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は−41℃から94.1℃であり、この素子のVHRは99.3%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M−2)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は−41℃から94.1℃であり、この素子のVHRは99.0%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M−3)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は−41℃から94.1℃であり、この素子のVHRは99.2%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
液晶組成物(D)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(D)の液晶温度範囲は−44℃から94.7℃であり、この素子のVHRは99.2%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
液晶組成物(E)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(E)の液晶温度範囲は−41から92.9℃であり、この素子のVHRは98.9%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
液晶組成物(F)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(F)の液晶温度範囲は−48℃から88.3℃であり、この素子のVHRは99.4%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
液晶組成物(G)が70%、ラジカル重合性化合物(M−4)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(G)の液晶温度範囲は0から103℃であり、この素子のVHRは98.8%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
液晶組成物(H)が70%、ラジカル重合性化合物(M−4)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(H)の液晶温度範囲は−24から109.5℃であり、この素子のVHRは62.3%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
液晶組成物(G)が70%、ラジカル重合性化合物A−OCD(新中村化学社製)17.67%、ラウリルアクリレート(LA)11.76%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(H)の液晶温度範囲は0から103℃であり、この素子のVHRは98.5%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
これらに較べ、実施例1から8の光散乱型液晶デバイスは、−20〜70℃における駆動電圧が低く電圧保持率(VHR)が高いことがわかる。
Claims (6)
- 透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスにおいて、ポリマーマトリックスが、実質的に、一般式(1)で表される繰り返し単位
(式中、a1は炭素原子数4〜40のアルキル基を表す。但し、
1)該アルキル基中の炭素原子は、
1-1)酸素原子が相互に直接に結合しないものとして−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、−OCONH−、又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていてもよく、
1-2)置換基として炭素原子数1〜15のアルキル基を有していても良く、
2)a1が結合している炭素原子からa1の末端の炭素原子までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数a1Mは40以下であり(但し、a1が置換基を有する場合は、もっとも原子数の多い末端までの結合に含まれる原子数をa1Mとする。)、
a2は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
b1は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b1が結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b1Mが1〜60である連結基を表す。また、複数ある繰り返し単位のa1、a2、及びb1は、同じであっても異なっていてもよい。)
からなり、
液晶組成物が、一般式(I−a)及び一般式(I−b)
A1及びA2はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
X1及びX7はそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
X2からX6及びX8からX12はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z1及びZ3はそれぞれ独立して、単結合又は−CH2−CH2−を表し、
Z2及びZ4はそれぞれ独立して、単結合、−CH2−CH2−又は−CF2O−を表し、
n1及びn2は0又は1である。)
で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物を含有することを特徴とする光散乱型液晶デバイス。 - 前記調光層が、一般式(2)で表される重合性化合物、及び前記液晶組成物を含有する調光層形成材料を重合させて得られたものである、請求項1に記載の光散乱型液晶デバイス。
(式中、a1およびa2は、一般式(1)におけるa1およびa2と同じ基を表す。
b2は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b2が結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b2Mが1〜26の連結基を表す。
b3及びb4は、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、
b3及びb4が結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b3M及びb4Mが1〜40の連結基を表す。但し、b3M及びb4Mは下記式を満たす。
- 前記一般式(2)において、b2が−O−CH2−、−O−CH2−CH2−CO−O−CH2−、−O−CH2−CH2O−、又は−O−CH2−CH(CH3)O−であり、
b3が−CH2−O−、−CH2−OCO−、−CH2−CO−O−又は−CH2−であり、b4が、mが2のときは、炭素数2〜40のアルキレン基(但し、該基中に存在し、b3と直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、又は、−Y−R4−Y− (但し、Yはアリーレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基を表し、R4は単結合又は炭素数1〜15のアルキレン基(但し、アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)を表す。)を表す。mが3のときは、炭素数2〜30のアルキルトリイル基(但し、該基中に存在し、b3と直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)を表す。mが4のときは、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、該基中に存在し、b3と直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)である、請求項2に記載の光散乱型液晶デバイス。 - 前記液晶組成物が、一般式(I−c)
A21は1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
Z21は単結合又は−CH2−CH2−を表し、
X51は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又は一般式(I−d)を表し、
X60は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はジフルオロメトキシ基基を表す。)
X52からX57はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、メトキシ基又はエチル基を表し、
n10は0又は1を表す。)
で表される化合物群から選ばれる化合物を少なくとも一種類含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光散乱型液晶デバイス。 - 一般式(I−a)および一般式(I−b)
A 1 及びA 2 はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
X 1 及びX 7 はそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
X 2 からX 6 及びX 8 からX 12 はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
Z 1 及びZ 3 はそれぞれ独立して、単結合又は−CH 2 −CH 2 −を表し、
Z 2 及びZ 4 はそれぞれ独立して、単結合、−CH 2 −CH 2 −又は−CF 2 O−を表し、
n 1 及びn 2 は0又は1である。)で表される化合物群から少なくとも一種類以上を含有し、且つ一般式(2)
(式中、a 1 は炭素原子数4〜40のアルキル基を表す。但し、
1)該アルキル基中の炭素原子は、
1-1)酸素原子が相互に直接に結合しないものとして−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、−OCONH−、又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていてもよく、
1-2)置換基として炭素原子数1〜15のアルキル基を有していても良く、
2)a 1 が結合している炭素原子からa 1 の末端の炭素原子までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数a 1 Mは40以下であり(但し、a 1 が置換基を有する場合は、もっとも原子数の多い末端までの結合に含まれる原子数をa 1 Mとする。)、
a 2 は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
b 1 は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b 1 が結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b 1 Mが1〜60である連結基を表す。また、複数ある繰り返し単位のa 1 、a 2 、及びb 1 は、同じであっても異なっていてもよい
b 2 は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b 2 が結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b 2 Mが1〜26の連結基を表す。
b 3 及びb 4 は、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、
b 3 及びb 4 が結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数b 3 M及びb 4 Mが1〜40の連結基を表す。但し、b 3 M及びb 4 Mは下記式を満たす。
で表される重合性化合物を含有することを特徴とする調光層形成材料。 - 一般式(I−c)
A 21 は1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
Z 21 は単結合又は−CH 2 −CH 2 −を表し、
X 51 は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH 2 基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又は一般式(I−d)を表し、
X 60 は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH 2 基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はジフルオロメトキシ基基を表す。)
X 52 からX 57 はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、メトキシ基又はエチル基を表し、
n 10 は0又は1を表す。)で表される化合物群から少なくとも一種類以上を含有する請求項5に記載の調光層形成材料。
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