JP4403362B2 - 光散乱型液晶デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光散乱型の液晶デバイスに関し、更に詳しくは、幅広い温度範囲において低電圧駆動が可能で電気光学特性に優れる液晶デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報化社会の進展に伴い、情報通信材料の需要がますます高まっている。特に、光散乱型の液晶デバイスは、偏光板が不要なことや視野角依存性が少ないことから、広告板、装飾表示板、時計、コンピューター、プロジェクション、デジタルペーパー、携帯用情報端末、光シャッター、などの液晶表示素子又は光学素子として大きく期待されている。
【0003】
光散乱型液晶デバイスとして、ラジカル重合性組成物と液晶組成物とからなる調光層形成材料に光照射又は加熱して、ラジカル重合性組成物と液晶組成物とを相分離させた状態でラジカル重合性組成物を硬化させ、ポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスが知られている。
該デバイスには、使用する液晶化合物の種類には左右されず、幅広い温度範囲(例えば0℃〜70℃位の温度範囲)において駆動電圧が安定であること、且つ、駆動電圧の絶対値は5Vrms程度であることが求められている。また、TFT駆動できることや、ペーパーライクディスプレイなどの表示媒体に用いる場合には白色度の高い液晶デバイスが望まれている。
【0004】
白色度の高い光散乱型液晶デバイスとして、(1)温度上昇に伴い駆動電圧が低下する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成するポリマーマトリックスを形成する重合性化合物と、(2)温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成するポリマーマトリックスを形成する重合性化合物とを含有する重合性組成物の重合体からなるポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスが知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【0005】
(1)の重合性化合物として具体的には、2−オクチルデシルアクリレートや2−ヘプチルノニルアクリレート等の分岐アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを使用し、(2)の重合性化合物として具体的には、炭素原子数7〜12の直鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを使用し、これらを組み合わせることで、液晶と接しているポリマーマトリックス表面のアルキル側鎖の密度・長さ等を制御することができ、ポリマーマトリックス表面と液晶との親和性を調整することができる。この方法により、誘電率異方性が7〜9程度の液晶組成物を使用し、白色度が高く、15〜40℃の温度範囲において駆動電圧約4〜10Vrmsを達成している。
【0006】
しかし、単官能(メタ)アクリレートはゲル化率が低く、そのため調光層内に未反応(メタ)アクリレートが残存してしまい、得られた液晶デバイスは光、熱等により劣化が生じ、経時的に駆動電圧が変化してしまうといった問題点があった。
【0007】
これに対し、一分子内に炭素原子数4〜20の直鎖又は分岐アルキル基を有する側鎖型多官能(メタ)アクリレートの重合体からなるポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスが知られている。(例えば、特許文献2参照。)単官能(メタ)アクリレートよりもゲル化率の高い多官能(メタ)アクリレートを使用しており、具体的には、誘電率異方性が27.8であり極性の高いシアノ系液晶組成物と、長鎖の直鎖アルキル基を有する多官能(メタ)アクリレートのみを使用した液晶デバイスで、0〜50℃の範囲において駆動電圧約7Vrmsを達成した。
【0008】
しかしシアノ系液晶組成物は、光散乱型液晶デバイスをTFT駆動させて使用した場合、液晶の抵抗が低く電荷が保持できなくなり画像表示が不可能になるおそれがある。フッ素系液晶組成物を使用すればそのような不具合は生じないが、フッ素系液晶組成物は一般に誘電率異方性が10以下と低いので、液晶組成物のしきい値電圧が1.7Vrms程度以上と高くなる傾向にある。特に、誘電率異方性が6程度のフッ素系液晶組成物を使用すると、しきい値電圧が2Vrmsを越えてしまうことがあった。従って、上記長鎖の直鎖アルキル基を有する多官能(メタ)アクリレートのみを使用した液晶デバイスは、フッ素系液晶組成物を使用すると、室温以上では駆動電圧7Vrms前後を達成できるが、室温以下では、温度の低下に伴い急激に上昇する傾向があり、特に0℃近辺では10Vrmsを大きく越える傾向があった。
【0009】
また、長鎖の分岐アルキル基を有する多官能(メタ)アクリレートのみを使用した液晶デバイスは、直鎖アルキル基と比較して温度変化は小さく、0℃の近辺でも駆動電圧が急激に変化することがないが、駆動電圧の絶対値は10Vrms以上と高くなる傾向があった。
【0010】
一方、1分子中に、側鎖として炭素原子数4〜25の直鎖アルキル基と炭素原子数4〜26の分岐アルキル基の両方を有する多官能(メタ)アクリレートとの重合体からなるポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスが知られている。(例えば、特許文献3参照。)ポリマーマトリックス中に、直鎖アルキル基と分岐アルキル基の両方を、ある一定の範囲の割合で組み込めるので、誘電率異方性が29.6の液晶組成物を使用して駆動電圧5Vrmsを達成できる。またモノマーが残存しにくいので、光、熱等による劣化を防ぐことができる。
【0011】
しかし、分子に組み込める直鎖アルキル基と分岐アルキル基の比率が限られるので、ポリマーマトリックス中に組み込める直鎖アルキル基と分岐アルキル基の比率が限られ、駆動電圧の温度変化の調整に限界があった。
また、側鎖として炭素原子数4〜25の直鎖アルキル基と炭素原子数4〜26の分岐アルキル基の両方を有する多官能(メタ)アクリレートの合成行程が多いために、製造コストが高いといった欠点があった。
【0012】
従って、TFT駆動可能な、誘電率異方性及び極性の低いフッ素系液晶化合物を使用しても、駆動電圧5Vrms以下の低電圧駆動が可能で、且つ、電気光学特性に優れ、幅広い温度範囲においてその特性が変化せず、白色度の高い液晶デバイスの開発が望まれていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−329781号公報
【特許文献2】
特開平11−29527号公報
【特許文献3】
特開2002−293827号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、TFT駆動可能な、誘電率異方性の低い液晶組成物、特に誘電率異方性が11以下の低極性のフッ素系液晶組成物を使用しても、0℃〜70℃の幅広い温度範囲において5Vrms程度の低電圧駆動が可能で、且つ駆動電圧が安定であり、経時変化等の生じない、ポリマーマトリックスと液晶組成物からなる白色度の高い調光層を有する光散乱型液晶デバイスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低温域で駆動電圧が上昇する傾向を有する長鎖の直鎖アルキル基を有する多官能(メタ)アクリレートに、特定の割合で長鎖の分岐アルキル基を有する多官能(メタ)アクリレートを特定量配合したラジカル重合性組成物をポリマーマトリックスの原料として使用し、ポリマーマトリックス表面に直鎖アルキル基とかさ高い分岐アルキル基とを適当に分布させることで、ポリマーマトリックス表面と液晶との親和性を調整することができ、上記課題を解決した。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の分布は、上記モノマーの配合比率を変えることで簡単に調整することができる。
【0016】
即ち、本発明は、透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスにおいて、ポリマーマトリックスが、一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物を95〜50質量%、及び一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物を5〜50質量%含有するラジカル重合性組成物の重合体からなり、且つ、液晶組成物が、実質的にシアノ系液晶化合物を含まない、11以下の正の誘電率異方性を有する液晶組成物である光散乱型液晶デバイスを提供する。
【0017】
【化3】
Figure 0004403362
一般式(1)
【0018】
【化4】
Figure 0004403362
一般式(2)
【0019】
(式中、X及びYは、各々独立して、−O−、−O−CH−、−O−CH−CH−CO−O−CH−、−O−CHCH−CO−O−を表し、R及びRは、置換基を有していてもよく、各々独立して、炭素数2〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルキルトリイル基、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、これらの基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)、アリーレン基、シクロアルキレン基、2個以上の芳香環又脂環が、単結合又はアルキレン基(但し、アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)で連結された基を表す。Rは、炭素数4〜30の直鎖アルキル基を表し(但し、直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又はアリーレン基で置き換えられていても良い)、Rは、炭素数4〜30の分岐アルキル基を表し(但し、分岐アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又はアリーレン基で置き換えられていても良い)、R、R、R、及びRは、各々独立して、水素又はメチル基を表し、X及びYは、各々独立してメチレン基、エーテル結合又はエステル結合を表し、X及びYは、各々独立して単結合、メチレン基、エーテル結合又はエステル結合を表し、m及びnは、各々独立して2〜4の整数を表し、a、b、c、及びdは、0又は1を表す。)
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する、前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物及び(2)で表されるラジカル重合性化合物において、X及びYは、−O−CH−、−O−CHCH−CO−O−CH−、−O−CHCH−CO−O−が特に好ましい。
【0021】
及びRは、炭素数2〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルキルトリイル基、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、これらの基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)が特に好ましい。R及びRは置換基を有していても良く、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルカノイル基等が挙げられる。
及びRの具体的な例としては、ブチレン基、ヘキシレン基、7,12−ジメチルオクタデシレン基、7−エチルヘキサデシレン基、2,2’−ジメチル−プロピレン基、繰り返し数が2〜10のポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリオキシテトラメチレン基、シクロヘキシレン基、6−フェニルドデシレン基、ビフェニレンジイル基等が挙げられる。
【0022】
は、炭素数4〜30の直鎖アルキル基を表す。但し、直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又はアリーレン基で置き換えられていても良い。具体的には、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ブトキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、ノルマルブトキシエトキシメチル基、シクロヘキシル基、ポリエチレングリコール基、4−ノニルフェニレン基、4−オクチルシクロヘキシル基等があげられる。中でも、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基等の炭素数6〜25の直鎖アルキル基が、より低電圧で駆動可能な液晶デバイスを得ることができ、好ましい。
【0023】
は、具体的には、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、2−n−ヘプチルウンデシル基、3,3,5−トリメチル−1−ヘキシル基、2−ドデシルテトラデシル基、3−ノニルドデシル基、3−ヘプチルデシル基、(2−エチルヘキシル)エトキシエチル基、2−n−ヘプチルウンデシルオキシエチル基、4−ブチル−3−プロピルフェニル基、ターシャリーブチルフェニル基、ポリブチレングリコール基等が挙げられる。中でも、イソオクチル基、2−n−ヘプチルウンデシル基等の炭素数6〜25の分岐アルキル基がより好ましい。またRは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルカノイル基等の置換基を有していても良い。
【0024】
およびRは、水素原子であることが反応性が高いことや合成のしやすさから特に好ましい。m及びnは、合成のしやすさから、2の整数が好ましい。
【0025】
前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物は、丹羽らによる「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett)30巻、4985頁、1989年」に開示されているような公知の方法で合成することができる。具体的には、エポキシ基を複数有する化合物と、エポキシ基と反応し得る活性水素を有するラジカル重合性化合物とを反応させ、水酸基を有するラジカル重合性化合物を合成し、次に、Rで表される基、及び水酸基と反応し得る基を有する化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0026】
例えば、一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物が、aが0、bが1、mが2、Xがエステル結合、Xが−O−CH−、Xがエーテル結合、Rがヘキサメチレン基、Rがヘプチル基、R及びRが水素原子であるラジカル重合性化合物である場合は、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとアクリル酸とを、トリフェニルフォスフィンやN,N−ジメチルベンジルアミンの存在下、80〜120℃で反応させて、水酸基を有するラジカル重合性化合物を合成し、次に、水酸基を有するラジカル重合性化合物とカプロン酸をエステル化反応させて得ることができる。
【0027】
前記一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物は、前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物と同様の方法で合成できるほか、複数のエポキシ基を有する化合物と、Rで表される基、及びエポキシ基と反応し得る基を有する化合物とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に、Rで表される基、及び水酸基と反応し得る基を有するラジカル重合性化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0028】
例えば、一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物が、cが1、dが1、nが2、Yがエステル結合、Yが−O−、Yがエーテル結合、Rがヘキサメチレン基、Rが2−デシルドデシル基、R及びRが水素原子であるラジカル重合性化合物である場合は、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと2−デシルドデカン酸とをトリフェニルフォスフィンやN,N−ジメチルベンジルアミンの存在下80〜120℃で反応させて、水酸基を有するラジカル重合性化合物を合成し、次に、アクリル酸塩化物をトリエチルアミンの存在下で反応させることにより得ることができる。
【0029】
前記複数のエポキシ基を有する化合物は、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル以外に、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリングリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ダイマー酸ジオールジグリシジルエーテル等を使用することができる。
【0030】
前記エポキシ基と反応し得る活性水素を有するラジカル重合性化合物としては、アクリル酸やアクリル酸塩化物以外に、例えば、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、メタクリル酸塩化物、アクリル酸ダイマー及びメタクリル酸ダイマーの酸塩化物等を使用することができる。
【0031】
前記Rで表される基、及び水酸基と反応し得る基を有する化合物としては、カプロン酸以外に、カプリル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ノルマルブチル安息香酸、ラウリル酸クロリド、ミリスチン酸クロリド、塩化ラウリロイル、塩化カプリロイル等を使用することができる。
【0032】
前記Rで表される基、及び水酸基と反応し得る基を有する化合物としては、2−デシルドデカン酸以外に、イソミリスチル酸、イソステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、2−ドデシルテトラデカン酸、3−ペンチルオクタン酸、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル等を使用することができる。
【0033】
一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物が有する直鎖アルキル基と、(2)で表されるラジカル重合性化合物が有する分岐アルキル基との組み合わせとしては、例えば、炭素数11〜13の直鎖アルキル基と炭素数13〜18の分岐アルキル基との組み合わせが好ましく、更に、炭素数11〜13の直鎖アルキル基と炭素数13の分岐アルキル基との組み合わせや、炭素数11〜13の直鎖アルキル基と炭素数18の分岐アルキル基がより好ましい。
【0034】
一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物の特に好ましい態様として、下記構造の化合物があげられる。
【0035】
【化5】
Figure 0004403362
【0036】
【化6】
Figure 0004403362
【0037】
また、一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物の特に好ましい態様として、下記構造の化合物があげられる。
【0038】
【化7】
Figure 0004403362
【0039】
【化8】
Figure 0004403362
【0040】
本発明で使用するラジカル重合性組成物は、前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物、及び一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物を含有する以外は特に限定されず、公知慣用のラジカル重合性化合物や重合開始剤を含有することができる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリテトラエチレングリコールジマレイミド等が挙げられる。これらのラジカル重合性化合物の配合率としては、一般式(1)及び一般式(2)のラジカル重合性化合物の合計量に対して、1〜30%が好ましく、5〜20%が最も好ましい。
【0041】
また、重合開始剤としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−イソプロピルチオキサントン等の光重合開始剤や、ベンゾイルパーオキサイド、N−N’−アゾビスイソブチロニトリル等の熱重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤の添加率はラジカル重合性組成物に対し0.01〜10%が好ましく、1〜5%がより好ましい。
【0042】
その他、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、非反応性のオリゴマーや無機充填剤、有機充填剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、シランカップリング剤等を適宜、添加しても良い。
【0043】
本発明で使用する液晶組成物は、実質的にシアノ系液晶化合物を含まない、11以下の正の誘電率異方性を有する液晶組成物である。(なお、本発明において、実質的にシアノ系液晶化合物を含まない液晶組成物とは、シアノ系液晶化合物が10質量%以下しか含まれない液晶組成物を言う。)
11以下の正の誘電率異方性を有する液晶組成物に特に限定はなく、公知慣用の液晶組成物を使用することができる。中でも、正の誘電率異方性を有するフッ素系液晶化合物を含有する液晶組成物が好ましい。本発明で使用する好適なフッ素系液晶化合物としては、例えば、一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
【0044】
【化9】
Figure 0004403362
(3)
【0045】
(式中、Rは、フッ素置換されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表し、A及びAは、それぞれ独立して1,4−フェニレン基、2又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2又は3−クロロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジクロロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−メチル−1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、フルオレン−2,7−ジイル基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ジヒドロフェナトレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基またはピリダジン−2,5−ジイル基を表し、これらの基は更に1〜3のフッ素原子又は重水素原子により置換されていてもよく、mは0、1又は2を表し、Z及びZはそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−N=CH−または−C≡C−を表し、Bはフッ素原子、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、または3,3,3−トリフルオロエトキシ基を表し、R10、R11は水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。但し、mが2の場合、2個のZ及びAは、それぞれ独立に同じであっても良く、異なっていても良い。)
【0046】
一般式(3)で表される化合物としては、A及びAが1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。Rは、炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。Z及びZは単結合または−CHCH−、−C≡C−が好ましい。単結合及び−CHCH−は、化学的安定性に優れるため、添加により液晶材料の化学安定性を損ない難い。また、液晶のΔnを高くする場合は−C≡C−を用いることが好ましい。R10、R11は少なくとも一方はフッ素原子であることが好ましく、両方がフッ素原子である、3,4,5−トリフェニルベンゼンを有する化合物が更に好ましい。Bはフッ素原子が好ましい。
一般式(3)で表される化合物から選んだ液晶化合物を使用し、本発明に使用する誘電率異方性が11以下の液晶組成物を作製することができる。本発明においては、全液晶組成物中にフッ素系液晶化合物が50質量%以上の割合で含まれた組成物を使用するのが好ましい。
【0047】
フッ素系液晶化合物以外の化合物としては、例えば、一般式(4)で表される誘電率異方性が小さい化合物を上げることができる。
【0048】
【化10】
Figure 0004403362
(4)
【0049】
(式中、R12及びR13は、それぞれ独立してフッ素置換されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表し、A〜Aは、それぞれ独立して1,4−フェニレン基、2又は3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2又は3−クロロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジクロロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−メチル−1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、フルオレン−2,7−ジイル基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基またはピリダジン−2,5−ジイル基を表し、これらの基は更に1〜3のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよく、nは0〜2を表し、Z及びZはそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−N=CH−または−C≡C−を表す。但し、nが2の場合、2個のZ及びAは、それぞれ独立に同じであっても良く、異なっていても良い。)
【0050】
一般式(4)で表される化合物としては、A〜Aが1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。R12及びR13は、炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。Z及びZは単結合、−CHCH−、または−COO−が好ましい。単結合は、化学的安定性に優れるため、添加により液晶材料の化学安定性を損ない難い。
【0051】
本発明で使用する液晶組成物は、その他、光学活性化合物や染料などを含んでいてもよい。その場合は、誘電率異方性が11を越えないように配合する。
【0052】
前記液晶組成物とラジカル重合性組成物との配合比は、所望の電気光学特性に応じて調整することができ、50:50〜97:3の範囲が好ましく、60:40〜85:15の範囲がより好ましい。
【0053】
光散乱型液晶デバイスにおいて、駆動電圧は、ポリマーマトリックスが有する側鎖と液晶分子との分子間相互作用力と密接に関係していると考えられる。従って、ポリマーマトリックスの弾性率、ガラス転移点、表面エネルギー、あるいは液晶組成物との親和性等が直接影響するものと考えられ、次のように推定している。
たとえば側鎖が直鎖アルキル基の場合は、温度がポリマーのガラス転移点以上に高くなると、直鎖アルキル基は熱による揺らぎが大きくなり、自由に動くようになる。そして、液晶分子に対して排除体積効果が大きくなるので、液晶分子は、直鎖アルキル基からの分子間相互作用を受けなくなり、液晶分子は界面に平行に向く。更に、排除体積効果の影響で液晶分子はポリマーマトリックスの主鎖(以下、「主鎖」と略す)に束縛されず、結果として駆動電圧が低くなる。
一方温度が低くなると、直鎖アルキル基の熱の揺らぎは小さくなるので、液晶分子に対する排除体積効果が小さくなる。従って、液晶分子は、主鎖からの分子間相互作用と直鎖アルキル基からの分子間相互作用の影響を受けることになり、駆動電圧が高くなる。
【0054】
温度が駆動電圧に及ぼす影響は、直鎖アルキル基の長さを変えることである程度制御できることが確認されている。
図1に、液晶として誘電率異方性の低いフッ素系液晶組成物を使用し、炭素原子数が10、12、及び14の長鎖の直鎖アルキル基を側鎖に有するラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を示す。
側鎖が炭素原子数10のラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスは、0〜40℃の範囲における駆動電圧の温度依存性は小さいが、駆動電圧の絶対値は15Vrms以上と高い。これは、直鎖アルキル基の長さが短くなると側鎖基の効果が小さくなり、炭素原子数10の直鎖アルキル基では液晶分子に対する体積排除効果は小さいので、液晶分子は主鎖からの影響が大きくなる結果、駆動電圧の絶対値は高いものと推定される。
【0055】
一方、炭素原子数14のラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスは、直鎖アルキル基が長いので、熱の揺らぎが大きく排除体積効果が強く、高温域において液晶分子との分子間相互作用力が弱まる。従って、40℃の高温側では、駆動電圧6Vrmsを達成できる。しかし、低温域では熱の揺らぎが減少するので、液晶分子は主鎖と直鎖アルキル基の両方から分子間相互作用を強く受け、駆動電圧は増加し、10℃以下では約15Vrmsを越えてしまう。
炭素原子数が10と14の間である12のラジカル重合性化合物を使用することで、主鎖、及び側鎖からの分子間相互作用のバランスや、側鎖の熱の揺らぎに伴う排除体積効果の度合いの相乗効果で駆動電圧の温度依存性が小さく、且つ駆動電圧の絶対値が10Vrms前後の液晶デバイスを得ることができる。
【0056】
この様に、長鎖の直鎖アルキル基の炭素原子数を変えるだけで、駆動電圧の温度依存性と駆動電圧の絶対値を、ある程度制御することができる。しかしこの方法では、0℃近辺の駆動電圧を10Vrmsより低い値に、好ましくは5Vrms前後より低い値に維持することが困難である。
【0057】
本発明では、Rで表される長鎖の直鎖アルキル基を側鎖に有する一般式(1)で表される化合物に、Rで表される長鎖の分岐アルキル基を側鎖に有する一般式(2)で表される化合物を、全重合性化合物量の50質量%を超えない範囲で特定の割合で添加したラジカル重合性組成物を使用し、直鎖アルキル基にかさ高い分岐アルキル基を適当に分布させたポリマーマトリックスを得ることができる。この方法により、直鎖アルキル基の結晶性を低下させ、更にポリマーマトリックスの表面エネルギーや弾性率等の物性を変化させることができ、液晶との親和性を調整することができる。
【0058】
従って、前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物を95〜50質量%、及び前記一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物を5〜50質量%含有する(以下、本発明において%は全て質量換算とする)ラジカル重合性組成物の重合体からなるポリマーマトリックスを有することで、室温以上で3〜6Vrms程度の低い駆動電圧を示し、0℃〜70℃の幅広い温度範囲において駆動電圧の温度依存性が小さく、白色度の高い光散乱型液晶デバイスが得られる。
【0059】
図2に、液晶組成物として、誘電率異方性が6.7の低極性のフッ素系液晶組成物を使用し、一般式(1)で表される化合物として、式「MC−1」で表される化合物を使用した液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を示す。
【0060】
【化11】
Figure 0004403362
(MC−1)
【0061】
一般式(2)で表される化合物として、式「MB−3」で表される化合物を使用したときの、光散乱型液晶デバイスの駆動電圧と温度と関係の一例を示す。
【0062】
【化12】
Figure 0004403362
(MB−3)
【0063】
式「MC−1」で表される化合物を100%使用した液晶デバイスは、温度40℃以上では駆動電圧が3Vrms以下であるが、温度が下がるに伴い駆動電圧は単調に増加し、0℃で駆動電圧が20Vrmsにも達する。一方「MB−3」で表される化合物を100%使用した液晶デバイスは、温度依存性は小さいが駆動電圧の絶対値は高く、60℃において12.5Vrmsである。
これに対し、「MC−1」で表される化合物と「MB−3」で表される化合物の比80:20の組成物を使用した液晶デバイスは、0℃〜60℃の範囲において10Vrms以下、平均5〜6Vrmsと安定した駆動電圧を示す。
このように本発明の一般式(1)直鎖アルキル側鎖を有するラジカル重合性化合物と一般式(2)分岐アルキル側鎖を有するラジカル重合性化合物を組み合わせ一般式(1)と(2)の配合比を調整することにより駆動電圧の温度依存性を小さくして実用的な駆動特性が得られる。
【0064】
ポリマーマトリックスが有する長鎖の分岐アルキル基の数が多すぎると、該ポリマーマトリックスと液晶との分子間力が大きすぎて、駆動電圧が上昇するおそれがある。そのため、前記一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物は50%を超えない範囲で添加する。一方、前記一般式(2)で表される化合物が少なすぎると、低温域における駆動電圧を下げる効果が十分ではないため、5%以上含有することが望ましい。中でも、前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物を90〜60%、及び前記一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物を10〜40%含有することが好ましく、前記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物を85〜70%、及び前記一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物を15〜30%含有することが最も好ましい。
【0065】
一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物は、側鎖骨格の分子量を主鎖骨格の分子量で除した値(以下、側鎖比率と定義する。)が1以上で、且つ、側鎖の炭素数が主鎖よりも長いと、より駆動電圧が低くなる傾向にある。
【0066】
一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物と、一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物と、前記液晶組成物との混合物(以下、調光層形成材料と略す。)を、透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態でスペーサー等を使用して一定間隔を保った2枚の基板間に挟持させ、光照射又は加熱することで、本発明の光散乱型液晶デバイスを得ることができる。
【0067】
透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムチンオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。また、低波長分散の透明性基板を用いることにより本発明のデバイスの光散乱能が高まり反射率やコントラストが向上してより好ましい。低波長分散の透明性基板としては、ホウケイ酸硝子や、ポリエチレンテレフタレートまたはポリカーボネート等のプラスチック透明フィルム、1/4λの光干渉条件を使用した誘電体多層膜をコートした透明性基板が挙げられる。
また、該基板上には、必要に応じて、高分子膜や、配向膜やカラーフィルターを配置することもできる。配向膜としては、例えば、ポリイミド配向膜、光配向膜等が使用できる。配向膜の形成方法としては、例えばポリイミド配向膜の場合、ポリイミド樹脂組成物を該透明基板上に塗布し、180℃以上の温度で熱硬化させ、更に綿布やレーヨン布でラビング処理することで得ることができる。また、ラビング処理を施していないポリイミド膜等の高分子膜も用いることもできる。
【0068】
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法、又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
本発明の光散乱型液晶デバイスとして、前記基板上の個々の画素の印加電圧を切り替えるための集積非線形素子を有する光散乱型液晶デバイスが特に好ましい。
【0069】
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが5〜100μm、中でも6〜50μmとなるように、該基板の間隔を調整することが好ましい。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
【0070】
得られた液晶セルに前記調光層形成材料を封入し、調光層形成材料中の液晶組成物を等方性液体状態に保持した状態で光照射又は加熱することで、本発明の光散乱型液晶デバイスを作成することができる。光照射又は加熱の方法としては特に限定はなく、紫外線、可視光線、高周波等のエネルギー線を利用することができる。中でも紫外線は、液晶組成物を等方性液体状態に保持した状態で瞬間的にラジカル重合性組成物の重合を進行させるので、調光層内の平均空隙間隔を均一な大きさにでき、且つ3次元ネットワーク状のポリマーマトリックスを得ることができるので、より好ましい。該ポリマーマトリックスが3次元ネットワーク状となることで、得られる液晶デバイスの電気光学特性がより向上する。
【0071】
また、本発明の液晶デバイスの裏面側に光吸収層を配置することもでき、反射率とコントラストの高い反射型光散乱型液晶デバイスが得られる。また、シアン・マゼンタ・イエロー等の光吸収波長の異なる光吸収層を各色別に分割した画素電極の位置に一致するように配置すると、カラー表示が可能である。
【0072】
本発明の光散乱型液晶デバイスは低電圧駆動が可能であり、0℃〜70℃の幅広い温度範囲において駆動電圧の変動が小さい。駆動電圧の変動値は、0℃におけるVr90と70℃におけるVr90の差の絶対値(以下、ΔVと略す)で表され、1Vrms以下であることが好ましいが、本発明の光散乱型液晶デバイスはこれを満たす。また電気光学特性に優れる。
【0073】
本発明の光散乱型液晶デバイスは、駆動回路として低価格のICドライバーを使用することができ、屋外で使用するような建築物の窓やショーウィンドウ等の視野遮断のスクリーン、採光コントロールのカーテン、文字や図形を表示し高速応答性で電気的に表示を切り換える広告板や装飾表示板として特に有用である。勿論、時計、コンピューター末端等の表示素子やデジタルペーパー、ICカードの情報表示、電子ブックやPDAなどの携帯情報端末やプロジェクション等の表示装置、光シャッターなどの光学素子としても有用である。また、低極性のフッ素系液晶化合物を使用すれば、TFT駆動が可能であるので、光散乱型の直視・反射型ペーパーライクディスプレイにも使用することができる。
【0074】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」は特に断りのない限り「%」を表す。
実施例は、電気光学特性として表1に示した内容について評価した。
【0075】
【表1】
[表1 電気光学特性]
Figure 0004403362
【0076】
[合成例1]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ナガセ化成工業社製のネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル「EX−211」100g(0.46mol)、アクリル酸90g(1.2mol)、p−メトキシフェノール200mg、及び触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン1gを入れ、80℃で撹拌した。次いで反応液を100℃に昇温し、温度を保ちながら5時間撹拌した後反応を終了した。次にトルエン300mlを加え、5%水酸化ナトリウム溶液300ml、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧留去して、淡褐色透明液状の化合物A170gを得た。
【0077】
次に、撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、塩化メチレン300ml、ラウリン酸55g(0.27mol)、p−メトキシフェノール20mg、同仁化学社製の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩「ドータイトWSC」53g(0.27mol)、及び触媒として4−ジメチルアミノピリジン3.3gを入れ、5℃に保ちながら、前記化合物A50gを溶解させた塩化メチレン溶液50ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で10時間撹拌した後反応を終了した。1/10Nの塩酸溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、側鎖としてドデカノイルオキシ基(aが0、Xがエステル結合であり、炭素数が11である)を2こ有するラジカル重合性化合物「MC−1」を約60g得た。
【0078】
【化13】
Figure 0004403362
【0079】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.17(2H),5.87(2H),5.28(2H),4.41(2H),4.37(2H),3.6(4H),3.2(4H),2.34(4H),1.6(4H),1.25(16H),0.87(12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.0,165.6,131.1,128.0,69.9,69.5,63.1,36.4,34.3,31.8,29.5−29.0,24.9,22.6,21.8,14.0
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=67.5%(67.9),H=9.8%(10.0)
【0080】
[合成例2]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、塩化メチレン300ml、イソミリスチン酸76g(0.33mol)、p−メトキシフェノール20mg、「ドータイトWSC」64g(0.33mol)及び触媒として4−ジメチルアミノピリジン4.0gを加え、5℃に保ちながら、前記化合物A60gを溶解させた塩化メチレン溶液50ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で10時間撹拌した後反応を終了した。1/10Nの塩酸溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2−(3−メチル)ブチル−7−メチル−オクタノイルオキシ基(cが0、Yがエステル結合であり、炭素数が13である)を2こ有するラジカル重合性化合物「MB−1」を約40g得た。
【0081】
【化14】
Figure 0004403362
MB−1
【0082】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.17(2H),5.87(2H),5.28(2H),4.41(2H),4.37(2H),3.6(4H),3.2(4H),2.30(2H),1.5−1.0(14H),0.87(12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.0,165.6,131.1,128.2,128.0,69.9,69.7,63.3,46.3,39.0−19.4,14.3
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=69.1%(69.2),H=10.2%(10.3)
【0083】
[合成例3]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に共栄社製の1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル「エポライト1600」60g(0.26mol)、アクリル酸41g(0.57mol)、p−メトキシフェノール200mg、及び触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン0.5gを入れ、80℃で撹拌した。次いで反応液を100℃に昇温し、5時間撹拌した後反応を終了した。次いでトルエン500ml加え、5%水酸化ナトリウム溶液300ml、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧留去して淡褐色透明液状の化合物B80g得た。
【0084】
次に、撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、塩化メチレン300ml、ミリスチン酸51g(0.23mol)、p−メトキシフェノール20mg、「ドータイトWSC」43g(0.23mol)及び触媒として4−ジメチルアミノピリジン2.7gを加え、5℃に保ちながら、前記化合物B40gを溶解させた塩化メチレン溶液50ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で10時間撹拌した後反応を終了した。1/10Nの塩酸溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、テトラデカノイルオキシ基(aが0、Xがエステル結合であり、炭素数が13である)を2こ有するラジカル重合性化合物「MC−2」を約67g得た。
【0085】
【化15】
Figure 0004403362
MC−2
【0086】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.17(2H),5.87(2H),5.28(2H),4.41(2H),4.37(2H),3.6(4H),3.4(4H),2.32(4H),1.7−1.55(8H),1.25(44H),0.88(6H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.0,165.6,131.1,128.0,128.0,71.5,70.5,699,68.9,63.0,62.6,34.3,34.0,31.8,29.6−29.0,24.9,22.6,21.8,14.0
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=69.6%(69.5),H=10.5%(10.4)
【0087】
[合成例4]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、塩化メチレン300ml、イソミリスチン酸29g(0.13mol)、p−メトキシフェノール10mg、「ドータイトWSC」24g(0.13mol)及び触媒として4−ジメチルアミノピリジン4.0gを加え、5℃に保ちながら、前記化合物B20gを溶解させた塩化メチレン溶液50ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で10時間撹拌した後反応を終了した。1/10Nの塩酸溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2−(3−メチル)ブチル−7−メチル−オクタノイルオキシ基(cが0、Yがエステル結合であり、炭素数が13である)を2こ有するラジカル重合性化合物「MB−2」を約18g得た。
【0088】
【化16】
Figure 0004403362
MB−2
【0089】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.17(2H),5.87(2H),5.28(2H),4.4−4.2(4H),3.6(4H),3.4(4H),2.30(2H),1.5−1.0(14H),0.87(12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.0,165.6,131.1,128.2,128.0,71.6,70.6,69.7,69.0,68.9,63.3,46.3,39.0−19.4,14.3
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=69.7%(69.5),H=10.6%(10.4)
【0090】
[合成例5]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、塩化メチレン300ml、ステアリン酸40g(0.14mol)、p−メトキシフェノール20mg、「ドータイトWSC」27g(0.14mol)及び触媒として4−ジメチルアミノピリジン1.7gを加え、5℃に保ちながら、岡村製油社製の長鎖二塩基酸のエポキシアクリレート「IPS−22GA」43.8gを溶解させた塩化メチレン溶液50ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で10時間撹拌した後反応を終了した。1/10Nの塩酸溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、オクタデカノイルオキシ基(aが0、Xがエステル結合であり、炭素数が17である)を2こ有するラジカル重合性化合物「MC−3」を約41g得た。
【0091】
【化17】
Figure 0004403362
MC−3
【0092】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.17(2H),5.67(2H),5.30(2H),4.33(2H),4.25(2H),4.21(4H),2.34(4H),2.32(4H),1.7−1.55(8H),1.53(2H),1.25(80H),0.88(12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.5,173.2,165.9,131.5,128.4,128.0,71.6,69.9,68.9,68.8,63.0,62.6,42.4,34.9,34.0,31.8,29.6−29.0,24.9,22.6,21.8,14.0
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=72.0%(72.5),H=10.5%(10.9)
【0093】
[合成例6]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に「エポライト1600」15g(65mmol)、2−nヘプチルウンデカン酸54g(191mmol)、p−メトキシフェノール200mg、及び触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン0.5gを入れ、80℃で撹拌した。次いで反応液を100℃に昇温させ温度を保ち、5時間撹拌した後反応を終了した。次いでトルエン300ml加え、5%水酸化ナトリウム溶液300ml、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧留去して、淡褐色透明液状の化合物Cを46g得た。
【0094】
次に、撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に前記化合物C40g(0.05mol)、p−メトキシフェノール10mg、トリエチルアミン11g(0.11mol)、テトラヒドロフラン(THF)200mlを入れ、5℃に保ちながら、アクリル酸クロライド10g(0.11ml)を溶解させたTHF溶液10ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、50℃で4時間撹拌し反応を終了した。反応液を濾過し、濾液にトルエン500ml加えた後、飽和食塩水で洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去して、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2−n−ヘプチルウンデカノイルオキシ基(cが1、Yがエステル結合であり、炭素数が17である)を2こ有するラジカル重合性化合物「MB−3」を約47g得た。
【0095】
【化18】
Figure 0004403362
MB−3
【0096】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.14(2H),5.87(2H),5.30(2H),4.37(2H),4.27(2H),3.6(4H),3.4(4H),2.35(2H),1.56−1.24(64H),0.87(12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.5,165.9,131.53,131.3,
128.2,128.0,71.6,70.6,68.9,62.5,45.7,32.4,31.8,29.6−29.1,27.4,25.8,22.6,14.1,14.0
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=71.3%(71.5),H=10.5%(10.9)
【0097】
[合成例7]
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に「エポライト1600」60g(0.26mol)、アクリル酸41g(0.57mol)、p−メトキシフェノール200mg、及び触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン0.5gを入れ、80℃で撹拌した。次いで反応液を100℃に昇温させ、温度を保ちながら5時間撹拌した後反応を終了した。次いでトルエン500ml加え、5%水酸化ナトリウム溶液300ml、飽和食塩水の順に洗浄し。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機溶媒を減圧留去して、淡褐色透明液状の化合物Dを80g得た。
【0098】
次に、撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、塩化メチレン300ml、2−エトキシブトキシ酢酸41g(0.23mol)、p−メトキシフェノール20mg、「ドータイトWSC」43g(0.23mol)及び触媒として4−ジメチルアミノピリジン2.7gを加え、5℃に保ちながら、前記化合物D40gを溶解させた塩化メチレン溶液50ml溶液を1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で10時間撹拌した後反応を終了した。1/10Nの塩酸溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2−エトキシブトキシアセチルオキシ基を2こ有するラジカル重合性化合物「MC−4」を約51g得た。
【0099】
【化19】
Figure 0004403362
MC−4
【0100】
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.45(2H),6.17(2H),5.87(2H),5.33(2H),4.47(2H),4.40(2H),4.16(4H),3.774H),3.71(8H),3.46(8H),1.63−1.52(8H),1.42−1.32(8H),0.88(6H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.0,165.6,131.1,127.9,71.6,71.3,70.9,70.7,70.1,68.8,68.5,62.9,31.7,29.5,25.8,19.3,13.9
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr)cMC−1:2930,2861,1744,1652−1622,1176,807.5
元素分析:C=59.7%(59.1),H=8.8%(8.5)
【0101】
[実施例1]
フッ素系液晶化合物からなる液晶組成物A(誘電率異方性:7.7)を72%と、合成例1で合成した化合物「MC−1」19.0%、合成例2で合成した化合物「MB−1」8.2%、(MC−1:MB−1=70:30)、チバスペシャリティーケミカルズ社製の光重合開始剤「イルガキュアー651」0.8%からなるラジカル重合性組成物とを、11.0μmのガラスファイバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラス基板に挟み込み、均一な溶液状態に保つように基板全体を温度コントロールし、40mW/cmの紫外線を60秒照射し厚さ約11μmの光散乱型液晶デバイスを得た。得られたデバイスの電気光学特性を評価し、結果を表2に示した。
【0102】
【化20】
Figure 0004403362
【0103】
【化21】
Figure 0004403362
液晶組成物A
【0104】
[実施例2]
液晶組成物A70%と、合成例3で合成した化合物「MC−2」20.4%、合成例3で合成した化合物「MB−2」8.7%、(MC−2:MB−2=70:30)、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0105】
[実施例3]
液晶組成物A70%と、合成例3で合成した化合物「MC−2」23.3%、合成例2で合成した化合物「MB−1」5.8%、(MC−2:MB−1=80:20)、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0106】
[実施例4]
液晶組成物A68%と、合成例5で合成した化合物「MC−3」21.7%、合成例4で合成した化合物「MB−2」9.3%、(MC−3:MB−2=70:30)、「イルガキュアー651」1%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0107】
[実施例5]
液晶組成物A70%と、合成例3で合成した化合物「MC−2」20.4%、合成例6で合成した化合物「MB−3」8.7%、(MC−2:MB−3=70:30)、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0108】
[実施例6]
液晶組成物A74%と、合成例1で合成した化合物「MC−1」21.4%、合成例4で合成した化合物「MB−2」3.8%、(MC−1:MB−2=85:15)、「イルガキュアー651」0.8%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0109】
[実施例7]
液晶組成物A70%と、合成例1で合成した化合物「MC−1」23.3%、合成例6で合成した化合物「MB−3」5.8%、(MC−1:MB−3=80:20)、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0110】
[比較例1]
液晶組成物A80%と、ラジカル重合性化合物として、日本化薬社製の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート「HDDA」19.4%、「イルガキュアー651」0.6%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0111】
[比較例2]
液晶組成物A70%と、合成例1で合成した化合物「MC−1」29.1%、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0112】
[比較例3]
液晶組成物A70%と、合成例3で合成した化合物「MC−2」29.1%、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0113】
[比較例4]
液晶組成物A70%と、合成例6で合成した化合物「MB−3」29.1%、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0114】
[比較例5]
液晶組成物A70%と、合成例3で合成した化合物「MC−2」8.8%、合成例4で合成した化合物「MB−2」20.3%、(MC−2:MB−2=30:70)、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0115】
[比較例6]
液晶組成物A70%と、合成例1で合成した化合物「MC−1」28.2%、合成例6で合成した化合物「MB−3」0.9%、(MC−1:MB−3=97:3)、「イルガキュアー651」0.9%からなるラジカル重合性組成物とを用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製し、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0116】
[比較例7]
シアノ系液晶化合物からなる液晶組成物B(誘電率異方性:13)80%、合成例7で合成した化合物「MC−4」16.5%、合成例4で合成した化合物「MB−2」2.9%、(MC−4:MB−2=85:15)、「イルガキュアー651」0.6%からなるラジカル重合性組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ11μmの光散乱型液晶デバイスを作製して、電気光学特性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0117】
【化22】
Figure 0004403362
液晶組成物B
【0118】
【表2】
[表2 電気光学特性結果 フッ素系液晶組成物を使用]
Figure 0004403362
【0119】
表2の結果より、実施例1〜7の光散乱型液晶デバイスは、0℃においても駆動電圧は10Vrms以下であり、0〜70℃の温度範囲において安定した駆動電圧を示した。これに対し、比較例で得られた光散乱型液晶デバイスは、0℃における駆動電圧は全て10Vrms以上の高い値を示し、0〜70℃の温度範囲における駆動電圧は不安定であった。比較例1は測定温度域における飽和電圧が50Vrms以上であり、ΔVは7Vrms以上であった。比較例2、3の、ポリマーマトリックス中に直鎖アルキル基のみを有する液晶デバイスは、特に0℃における飽和電圧が高くなり、ΔVは7Vrms以上であった。比較例4のポリマーマトリックス中に分岐アルキル基のみを有する液晶デバイスは、測定温度域における飽和電圧が全て10Vrms以上と高く、特に0℃では20Vrmsを越えていた。ΔVは約11Vrmsであった。比較例5は、ポリマーマトリックス中の分岐アルキル基が多すぎる例である。ΔVは1Vrms以下と、0〜70℃の温度範囲において安定した駆動電圧を示したが、駆動電圧の絶対値は全て15Vrmsを越えていた。比較例6は、ポリマーマトリックス中の分岐アルキル基が少なすぎる例であるが、分岐アルキル基の0℃での飽和電圧を下げる効果がみられず、0℃での飽和電圧は20Vrmsを越えていた。ΔVは10Vrms以上であった。比較例7は液晶組成物として、シアノ系液晶組成物を使用した例である。ΔVは約3Vrmsと、0〜70℃の温度範囲において安定した駆動電圧を示したが、駆動電圧の絶対値は全て15Vrmsを越えていた。
【0120】
(実施例8)
実施例7で得た光散乱型液晶デバイス(MC−1:MB−3=80:20)、実施例7における「MC−1」と「MB−3」の割合を85:15とした光散乱型液晶デバイス、及び、実施例7における「MC−1」と「MB−3」の割合を75:25とした光散乱型液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を、図3に示した。
【0121】
「MB−3」を15%添加すると、0℃で6Vrmsであるが20℃で約3Vrmsと駆動電圧が最小になる。温度の増加とともに電圧は5Vrms程度に増加するが40℃以上60℃以下では変動が殆ど見られなくなる。「MB−3」を20%に増やすと0℃の低温度でも駆動電圧は3.8Vrmsと低くなり10℃で駆動電圧が3Vrmsと最小になる。ここから駆動電圧は増加するが40℃で5Vrms程度になり60℃までは平衡を保っている。「MB−3」を25%に増やすと0℃では4.5Vrmsと低駆動電圧であるが温度上昇と伴に単調に増加し40℃で6Vrmsに達する60℃になると逆に駆動電圧が4Vrmsまで下がる。このように、「MB−3」の含有量で温度特性を調整することができる。
【0122】
【発明の効果】
本発明の光散乱型液晶デバイスはTFT駆動が可能であり、また、0℃〜70℃の幅広い温度範囲において駆動電圧が大きく変化せず、低電圧駆動が可能である。
本発明の光散乱型液晶デバイスは、駆動回路として低価格のICドライバーを使用することができ、屋外で使用するような建築物の窓やショーウィンドウ等の視野遮断のスクリーン、採光コントロールのカーテン、文字や図形を表示し高速応答性で電気的に表示を切り換える広告板や装飾表示板として特に有用である。勿論、時計、コンピューター末端等の表示素子やデジタルペーパー、プロジェクション等の表示装置、光シャッターなどの光学素子、光散乱型の直視・反射型ペーパーライクディスプレイにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶組成物として誘電率異方性の低いフッ素系液晶組成物を使用し、炭素原子数が10、12、及び14の長鎖の直鎖アルキル基を側鎖に有するラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を示すグラフである。
【図2】液晶組成物として誘電率異方性が6.7の低極性のフッ素系液晶組成物を使用し、一般式(1)で表される化合物として、式「MC−1」で表される化合物を使用した液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を示すグラフである。
【図3】実施例7で得た光散乱型液晶デバイス(MC−1:MB−3=80:20)、実施例7における「MC−1」と「MB−3」の割合を85:15とした光散乱型液晶デバイス、及び、実施例7における「MC−1」と「MB−3」の割合を75:25とした液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 炭素原子数が10の直鎖アルキル基を側鎖に有するラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
2 炭素原子数が12の直鎖アルキル基を側鎖に有するラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
3 炭素原子数が14の直鎖アルキル基を側鎖に有するラジカル重合性化合物を使用した液晶デバイスの、駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
4 式「MC−1」で表される化合物を100%使用した液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
5 「MC−1」で表される化合物と「MB−3」で表される化合物の比が80:20の組成物を使用した液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
6 「MB−3」で表される化合物を100%使用した液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
7 実施例7(「MC−1」と「MB−3」の割合が80:20)の液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
8 実施例7における「MC−1」と「MB−3」の割合を85:15とした液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を表すグラフ
9 実施例7における「MC−1」と「MB−3」の割合を75:25とした液晶デバイスの駆動電圧と温度との関係を表すグラフ

Claims (3)

  1. 透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスにおいて、ポリマーマトリックスが、一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物を95〜50質量%、及び一般式(2)で表されるラジカル重合性化合物を5〜50質量%含有するラジカル重合性組成物の重合体からなり、且つ、液晶組成物が、シアノ系液晶化合物を含まない、11以下の正の誘電率異方性を有する液晶組成物であることを特徴とする光散乱型液晶デバイス。
    Figure 0004403362
    一般式(1)
    Figure 0004403362
    一般式(2)
    (式中、X及びYは、各々独立して、−O−、−O−CH−、−O−CH−CH−CO−O−CH−、−O−CHCH−CO−O−を表し、R及びRは、置換基を有していてもよく、各々独立して、炭素数2〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルキルトリイル基、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、これらの基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)、アリーレン基、又はシクロアルキレン基を表す。Rは、炭素数4〜30の直鎖アルキル基を表し(但し、直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又はアリーレン基で置き換えられていても良い)、Rは、炭素数4〜30の分岐アルキル基を表し(但し、分岐アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又はアリーレン基で置き換えられていても良い)、R、R、R、及びRは、各々独立して、水素又はメチル基を表し、X及びYは、各々独立してメチレン基、エーテル結合又はエステル結合を表し、X及びYは、各々独立して単結合、メチレン基、エーテル結合又はエステル結合を表し、m及びnは、各々独立して2〜4の整数を表し、a、b、c、及びdは、0又は1を表す。)
  2. 前記一般式(1)のRが炭素数4〜30の直鎖アルキル基であり、一般式(2)のRが炭素数4〜30の分岐アルキル基である請求項1に記載の光散乱型液晶デバイス。
  3. 前記調光層が液晶組成物の連続層中に三次元網目状の透明性高分子からなる請求項1又は2記載の光散乱型液晶デバイス。
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