JP4671093B2 - 高分子分散型液晶表示素子用組成物及び高分子分散型液晶表示素子 - Google Patents
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すなわち、一般式(I-a)
A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、インダン-2,5-ジイル基、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、該インダン-2,5-ジイル基及び1,4-フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
X1はフッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
Z1及びZ2はそれぞれ独立して、単結合、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−COO−又は−CF2O−を表し、
n1は0、1又は2を表す。ただし、n1=2の場合、複数存在するA1及びZ1は同一であっても異なっていても良い。)
で表される化合物を少なくとも一種類以上を含有し、
一般式(II-b)
B2は、水素原子又は炭素数1から30のアルキル基を表し、該アルキル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子を有していても良く、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子、−CO−、−COO−、−OCO−、1,4-フェニレン基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、1,4-シクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基又は3,3'-スピロビシクロブチレンで置換されていても良い。)
で置換され、B5、B6及びB7の炭素原子数の合計は5以上であり、
B3及びB4はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
m及びnはそれぞれ独立して1、2又は3を表す。)
で表される重合性化合物を含有し、
さらに重合開始剤を含有することを特徴とする高分子分散型液晶素子用組成物及び当該組成物を構成部材とした高分子分散型液晶素子を提供する。
これによると、高分子分散型液晶表示素子の駆動電圧は、透明性高分子物質界面の平均空隙間隔、基板間の距離、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物と透明性高分子物質間のアンカリングエネルギーによって決定される。この中で温度により変化をするパラメーターは、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物と透明性高分子物質間のアンカリングエネルギーであるが、低温域では誘電率異方性は増加する為、低温域で駆動電圧を上昇させる要因となるのは、液晶組成物の弾性定数と液晶組成物と透明性高分子物質間のアンカリングエネルギーとなる。そのため、低温域での低電圧駆動を達成するには、幅広い液晶温度範囲、特に低温領域でのネマティック安定性に優れる液晶組成物を用いなければならず、且つ低温域での液晶組成物と透明性高分子物質間のアンカリングエネルギーが小さい組み合わせを見出さなければならない。
A1、A2及びA3としては、1,4-フェニレン基(該1,4-フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子を有することができる)、1,4-シクロヘキシレン基が好ましく、
Z1及びZ2としては、単結合、−CF2O−又は−CH2−CH2−が好ましく、
X1としては、フッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメトキシ基が好ましい。
さらに、一般式(V-20)から一般式(V-30)で表される化合物がより好ましい。
また、更なる液晶温度領域の拡大、高屈折率異方性又は低粘性を得るため、さらに一般式(I-b)
Z5及びZ6はそれぞれ独立して、単結合、−C≡C−、−COO−、−CH=CH−又は−CH2CH2−を表し、
R3及びR4はそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていても良く、n2は、0、1又は2を表すが、n2=2の場合に複数存在するA3及びZ5は同一であっても異なっていても良い。ただし、R3又はR4が、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表す場合、Z5及びZ6の少なくとも一方は−C≡C−を表す。)で表される化合物を含有することも好ましい。
また、高屈折率異方性を得るためには、一般式(I-b)におけるR3及びR4として、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)を表すことが好ましく、該アルケニル基としては式群(V-a)で表されるものが好ましい。
n2=0の場合はZ6としては、−C≡C−を表すことが好ましく、n2=1又は2の場合はZ5、Z6としては、一方が−C≡C−を表し、もう一方が単結合又は−CH2CH2−を表すことが好ましい。
具体的には一般式(III-21)から(III-27)
X61からX66はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基を表し、
X71からX76はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。)
で表される化合物が好ましく、これらの中でも、X61からX66の少なくとも1つ以上がフッ素原子又はメチル基である化合物及びX71からX76の少なくとも1つ以上がフッ素原子である化合物が相溶性に優れるためより好ましい。
X81、X84、X85及びX86はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、X82及びX83はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基を表すが、一般式(I-35)及び一般式(I-36)中のX82~X86の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子又はメチル基を表し、
X87及びX88はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。)
で表される化合物が更により好ましい。
B3及びB4は水素原子を表すことが好ましい。
B11及びB13はそれぞれ炭素原子数2から25のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、
B12及びB14はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1から25のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良い。)
が好ましい。
一般式(II-c)において、B8、B9及びB10の炭素原子数の合計が8から15であり、B11及びB13が炭素原子数8から16の直鎖状のアルキル基を表し、該アルキル基中の一つのCH2基が−COO−で置換されている、もしくはB11及びB13が分岐型のアルキル基であり、該アルキル基の主鎖の炭素原子数が8から16のアルキル基であり、該アルキル基中の一つのCH2基が−COO−で置換されており、B12及びB14が水素原子又は炭素原子数1から5のアルキル基を表すことが更に好ましい。
高分子分散型液晶の透明性高分子物質を形成する重合性化合物としては、上記多官能重合性化合物を1種類又は2種類以上用いることができ、単官能重合性化合物と併用することもできるが、単官能重合性化合物と併用すると、未重合重合性化合物が残存する可能性があり、それにより特性の経時変化、信頼性悪化等が懸念される為、一般式(II-b)で表される化合物のみで構成されるものが好ましく、一般式(II-c)で表される化合物のみで構成されるものがより好ましく、一般式(II-d)で表される化合物のみで構成されるものが更により好ましい。
また、高分子分散型液晶表示素子の製造工程中の真空注入条件による重合性化合物の揮発が起こらないという条件を考慮すると、重合性化合物の分子量は、300から1500が好ましく、500から1000がより好ましい。更に、重合性化合物を硬化させた透明性高分子物質の表面エネルギーが20から40mN/m2となることが好ましく、27から37mN/m2となることがより好ましい。
これらの重合性化合物は不純物等を除去する又は高比抵抗値を大きくする目的で、シリカ、アルミナ等による精製処理を施しても良い。比抵抗値としては1011Ω・cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好ましく、1013Ω・cm以上が最も好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1,2−ジフェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、ο−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。
この中でも、2−メチル−1,2−ジフェニルプロパン−1−オンが最も好ましい。
2枚の基板はガラス、プラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。また光吸収、鏡面反射、拡散反射、再帰性反射、ホログラム反射等の機能を付加することもできる。またガラス基板表面にはポリイミド等によるコーティングを施すこともできる。
2枚の基板間には、周知の液晶デバイスと同様、間隔保持用のスペーサーを介在させることができる。基板間の厚み、すなわち調光層の厚みは、2から30μmが好ましく、2から10μmがより好ましく3から6μmが更により好ましい。
2枚の基板間に高分子分散型液晶表示素子用組成物を狭持させるに方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。この時、高分子分散型液晶表示素子用組成物は均一なアイソトロピック状態であることが好ましい。
照射する紫外線の強度は、目的とする調光層を得るため適宜調整することができるが、1から200mw/cm2が好ましく、2から100mw/cm2がより好ましい。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10から600秒が好ましい。
また、紫外線照射の時の温度は、調光層の特性を決める重要な要素となるが、高分子分散型液晶表示素子用組成物のアイソトロピック−ネマティック転移点よりわずかに高い温度が好ましく、具体的には転移点+0.1から3℃が好ましい。
ネットワーク構造の平均空隙間隔は高分子分散型液晶表示素子の特性に大きく影響し、平均空隙間隔としては、0.2から2μmが好ましく、0.2から1μmがより好ましく、0.3から0.7μmが最も好ましい。
本発明の高分子分散型液晶表示素子は低温における駆動電圧が小さいことを特徴とするが、セル厚5μmにおけるV90が7.5V以下であることが好ましく、7.0V以下であることがより好ましい。
実施例中の高分子分散型液晶表示素子は以下の方法で作製した。
液晶組成物、重合性化合物、光重合開始剤からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を真空注入法でセル厚5μmのITO付きガラスセル内に注入した。この時、高分子分散型液晶表示素子用組成物が常に均一状態となるよう、真空注入装置内の温度をコントロールした。また真空度は2パスカルとなるよう設定した。注入後ガラスセルを取り出し、注入口を封口剤3026E(スリーボンド社製)で封止した後、高分子分散型液晶表示素子用組成物のアイソトロピック−ネマチック転移点より1から2℃高い温度にコントロールし、紫外線カットフィルターUV-35(東芝硝子社製)を介した照射強度が10mw/cm2となるように調整されたメタルハライドランプを120秒間照射して、高分子分散型液晶表示素子を得た。
実施例中に示される液晶組成物の特性の略号、及び意味は以下の通りである。
T→N :固体相又はスメクチック相-ネマチック相転移温度(℃)
また、液晶温度範囲(ネマチック液晶温度範囲)とは特に指定がない限り、固体相又はスメクチック相-ネマチック相転移温度からネマチック相-アイソトロピック相転移温度までを意味する。
V10:電圧無印加時の高分子分散型液晶表示素子の光透過率(T0)を0%とし、印加電圧を増加させていき光透過率がほとんど変化しなくなった時の光透過率(T100)を100%とした時、光透過率が10%となる印加電圧値。
V90:電圧無印加時の高分子分散型液晶表示素子の光透過率(T0)を0%とし、印加電圧を増加させていき光透過率がほとんど変化しなくなった時の光透過率(T100)を100%とした時、光透過率が90%となる印加電圧値。
電圧保持率(VHR)は、液晶電圧保持率測定システムVHR-A1(東陽テクニカ社製)を用いて測定し、パルス幅は64μsec、フレーム周期は16.67msec、印加電圧は5Vとし、面積比で求めた。
(実施例1)
液晶組成物(A)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(A)の液晶温度範囲は-42から84.0℃であり、この素子のV90は25℃で6.1V、0℃で6.3V、-10℃で6.5Vであった。また電圧保持率(VHR)は99.1%であった。
液晶組成物(B)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(B)の液晶温度範囲は-28から92.5℃であり、この素子のV90は25℃で6.2V、0℃で6.3V、-10℃で6.6Vであった。また電圧保持率(VHR)は99.1%であった。
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は-30から86.5℃であり、この素子のV90は25℃で5.0V、0℃で5.1V、-10℃で5.3Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.8%であった。
液晶組成物(D)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(D)の液晶温度範囲は-33から94.7℃であり、この素子のV90は25℃で5.1V、0℃で5.2V、-10℃で5.5Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.7%であった。
液晶組成物(E)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(E)の液晶温度範囲は-38から90.3℃であり、この素子のV90は25℃で6.4V、0℃で6.6V、-10℃で6.9Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.8%であった。
液晶組成物(F)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(F)の液晶温度範囲は-35から82.7℃であり、この素子のV90は25℃で6.2V、0℃で6.5V、-10℃で6.8Vであった。また電圧保持率(VHR)は99.0%であった。
液晶組成物(G)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(G)の液晶温度範囲は-25から81.0℃であり、この素子のV90は25℃で6.0V、0℃で6.1V、-10℃で6.5Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.6%であった。
液晶組成物(B)が70%、ラジカル重合性化合物(N)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で6.4V、0℃で6.6V、-10℃で6.8Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.5%であった。
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(N)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で5.5V、0℃で5.7V、-10℃で6.0Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.8%であった。
(参考例5)
液晶組成物(D)が70%、ラジカル重合性化合物(N)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で5.4V、0℃で5.5V、-10℃で5.7Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.6%であった。
参考例6)
液晶組成物(F)が70%、ラジカル重合性化合物(N)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で6.5V、0℃で6.7V、-10℃で6.9Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.5%であった。
(比較例1)
液晶組成物(L)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(L)の液晶温度範囲は0から103℃であり、この素子のV90は25℃で6.0V、0℃で6.8V、-10℃で18.5Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.8%であった。
液晶組成物(A)が70%、ラジカル重合性化合物HX-220(日本化薬社製)29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で29.5V、0℃で31.8V、-10℃で40.2Vであった。また電圧保持率(VHR)は79.6%であった。
(比較例3)
液晶組成物(L)が70%、ラジカル重合性化合物A-OCD(新中村化学社製)17.64%、ラウリルアクリレート(LA)11.76%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で3.6V、0℃で4.5V、-10℃で18.3Vであった。また電圧保持率(VHR)は98.5%であった。
(比較例4)
液晶組成物(K)が70%、ラジカル重合性化合物(M)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。液晶組成物(K)の液晶温度範囲は-24から109.5℃であり、この素子のV90は25℃で5.1V、0℃で5.3V、-10℃で6.5Vであった。また電圧保持率(VHR)は60.3%であった。
液晶組成物(A)が70%、ラジカル重合性化合物HX-220(日本化薬社製)17.64%、ラウリルアクリレート(LA)11.76%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる高分子分散型液晶表示素子用組成物を調合し、前述の手法で高分子分散型液晶表示素子を得た。この素子のV90は25℃で5.8V、0℃で7.2V、-10℃で19.8Vであった。また電圧保持率(VHR)は83.3%であった。
Claims (9)
- 一般式(I-a)
A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、インダン-2,5-ジイル基、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、該インダン-2,5-ジイル基及び1,4-フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
X1はフッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
Z1及びZ2はそれぞれ独立して、単結合、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−COO−又は−CF2O−を表し、
n1は0、1又は2を表す。ただし、n1=2の場合、複数存在するA1及びZ1は同一であっても異なっていても良い。)
で表される化合物を少なくとも一種類以上を含有し、
一般式(II-b)
B2は、水素原子又は炭素数1から30のアルキル基を表し、該アルキル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子を有していても良く、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良い。)
で置換され、B5、B6及びB7の炭素原子数の合計は5以上であり、
B3及びB4はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
m及びnは1を表す。)
で表される重合性化合物を含有し、
さらに重合開始剤を含有し、一般式(I-a)で表される化合物の含有率が59から89質量%であり、一般式(II-b)で表される化合物の含有率が10から40質量%であり、重合開始剤の含有率が0.1から2質量%であることを特徴とする高分子分散型液晶素子用組成物。 - 一般式(II-b)で表される化合物が一般式(II-c)
B11及びB13はそれぞれ独立して炭素原子数2から25のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、
B12及びB14はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1から25のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良い。)
で表される、請求項1記載の高分子分散型液晶素子用組成物。 - 一般式(I-a)において、A2及びA3が1,4-フェニレン基を表し、該1,4-フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、A3が1,4-フェニレン基を表し、X1がトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表す請求項1又は2記載の高分子分散型液晶素子用組成物。
- 一般式(I-b)
Z5及びZ6はそれぞれ独立して、単結合、−C≡C−、−COO−、−CH=CH−又は−CH2CH2−を表し、
R3及びR4はそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていても良く、n2は、0、1又は2を表すが、n2=2の場合に複数存在するA3及びZ5は同一であっても異なっていても良い。ただし、R3又はR4が、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表す場合、Z5及びZ6の少なくとも一方は−C≡C−を表す。)
で表される化合物を含有する、請求項1、2又は3記載の高分子分散型液晶素子用組成物。 - 一般式(I-b)において、A6及びA7が1,4-フェニレン基を表し、該1,4-フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、Z6が−C≡C−を表す請求項4記載の高分子分散型液晶素子用組成物。
- 一般式(I-b)において、A6及びA7が1,4-フェニレン基を表し、該1,4-フェニレン基の少なくとも一方は置換基として少なくとも1個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有する請求項5記載の高分子分散型液晶素子用組成物。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の高分子分散型液晶表示素子用組成物を用いたアクティブ駆動高分子分散型液晶表示素子。
- 電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板と、この基板間に支持された調光層を有し、該調光層が請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物に紫外線を照射することによって得られたアクティブ駆動高分子分散型液晶表示素子。
- 調光層が液晶の連続層中に透明性高分子物質の3次元網目構造を形成して成る、請求項8記載の高分子分散型液晶表示素子。
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