JP2005250223A - 光散乱型液晶デバイス、及び調光層形成材料 - Google Patents

光散乱型液晶デバイス、及び調光層形成材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 低電圧駆動であり、幅広い温度範囲において駆動電圧の変化が小さく、経時変化等の生じない光散乱型液晶デバイスを提供することにある。
【解決手段】 ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスにおいて、ポリマーマトリックスが一般式(1)で表される繰り返し単位からなり、
【化0】
Figure 2005250223

(1)
(式中、aは炭素原子数4〜40のアルキル基を表す。aは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。bは、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、bが結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bMが1〜60である連結基を表す。)液晶組成物が縮合環を有する化合物を含有する、光散乱型液晶デバイス。
【選択図】 なし



Description

本発明は光散乱型の液晶デバイスに関し、更に詳しくは、幅広い温度範囲において低電圧駆動が可能で電気光学特性に優れる液晶デバイスに関する。
情報化社会の進展に伴い、情報通信材料の需要がますます高まっている。特に、光散乱型の液晶デバイスは、偏光板が不要なことや視野角依存性が少ないことから、広告板、装飾表示板、時計、コンピューター、プロジェクション、デジタルペーパー、携帯用情報端末、光シャッター、などの液晶表示素子又は光学素子として大きく期待されている。
光散乱型液晶デバイスとして、ラジカル重合性組成物と液晶組成物とからなる調光層形成材料に光照射又は加熱して、ラジカル重合性組成物と液晶組成物とを相分離させた状態でラジカル重合性組成物を硬化させ、ポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスが知られている。
該デバイスには、
(1)低電圧駆動であること(例えば汎用ICが使えること)、且つ
(2)幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さいこと、
更に液晶デバイスが、アクティブ素子の場合には、
(3)高い電圧保持率を有すること
が求められている。
前記(1)〜(3)の課題に対するアプローチとして、例えば、温度上昇に伴い駆動電圧が低下する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成するポリマーマトリックスを形成する重合性化合物(A)と、温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成するポリマーマトリックスを形成する重合性化合物(B)とを含有する重合性組成物の重合体からなるポリマーマトリックス、及び、液晶組成物からなる調光層を有する、光散乱型液晶デバイスが知られている。(例えば、特許文献1参照。)
重合性化合物(A)として、2−オクチルデシルアクリレートや2−ヘプチルノニルアクリレート等の分岐アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを使用し、重合性化合物(B)として、炭素原子数7〜12の直鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを使用し、これらを組み合わせて、液晶と接しているポリマーマトリックス表面のアルキル側鎖の密度・長さ等を制御し、ポリマーマトリックス表面と液晶との親和性を調整する。この方法により、誘電率異方性が7〜9程度の液晶組成物を使用し、15〜40℃の温度範囲において駆動電圧約4〜10Vrmsを達成している。
しかし、単官能(メタ)アクリレートを多く用いた重合性組成物は、調光層内に未重合の単官能(メタ)アクリレートが残存してしまい、得られた液晶デバイスは光、熱等により劣化が生じ、経時的に駆動電圧が変化してしまうといった問題点があった。
これに対し、一分子内に炭素原子数4〜20の直鎖又は分岐アルキル基を有する側鎖型多官能(メタ)アクリレートの重合体からなるポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスが知られている。(例えば、特許文献2参照。)側鎖型多官能(メタ)アクリレートとして下記一般式のマーカッシュ化合物が開示されている。下記一般式中、Rbは炭素原子数4〜20の直鎖又は分岐アルキル基を示し、Rdは水素原子又はメチル基を示す。また。該化合物において側鎖と称する部分は−(CHa−Y−Rbである。
該(メタ)アクリレートは多官能化合物であるので、未重合の化合物の低減を図ることができる。
Figure 2005250223
具体的には、Rbとして直鎖アルキル基を有し、Rdとして水素原子を有する上記(メタ)アクリレートと、誘電率異方性が27.8であり極性の高いシアノ系液晶組成物との組み合わせにおいて、前記(1)の課題を解決している。即ち、0〜50℃の範囲において駆動電圧約7Vrmsを達成できる。しかしこの組み合わせは、0℃以下の極低温域では駆動電圧が上昇する傾向にあり、前記(2)の課題は解決できていない。
また、Rbとして分岐アルキル基を有し、Rdとして水素原子を有する上記(メタ)アクリレートと、前記シアノ系液晶組成物との組み合わせにおいて、前記(2)の課題を解決している。即ち、0℃の近辺でも駆動電圧が急激に変化することのない液晶デバイスが得られる。しかし、駆動電圧の絶対値は10Vrms以上と高くなる傾向にあり、前記(1)の課題は解決できていない。
また、1分子中に、側鎖として炭素原子数4〜25の直鎖アルキル基と炭素原子数4〜26の分岐アルキル基の両方を有する多官能(メタ)アクリレートの重合体からなるポリマーマトリックスと液晶組成物とからなる調光層を有する液晶デバイスも知られている(例えば、特許文献3参照。)。ポリマーマトリックス中に、直鎖アルキル基と分岐アルキル基の両方を、ある一定の範囲の割合で組み込むことで、誘電率異方性が29.6のシアノ系液晶組成物を使用して駆動電圧5Vrmsを達成している。しかし、該化合物においても、駆動電圧の温度変化の調整には限界があり、前記(2)の課題は解決できていない。
また(3)の課題についても、使用する液晶組成物がシアノ系化合物であるため高い電圧保持率を達成することは困難であり、解決できていない。
また、前記公報に開示されている具体的な化合物はRが水素の場合のみであり、Rがメチル基である化合物については、構造も物性もなんら開示されていない。
一方、低電圧駆動が可能で且つ電圧保持率が高いフッ素系の液晶組成物を用いて、高電圧保持率及び低駆動電圧を達成した例が開示されている。(例えば、特許文献4参照)しかし、該液晶組成物は結晶化温度が−10℃程度であるため、事実上の低電圧可能な動作下限温度は0℃程度である。
即ち、前記(1)、(2)及び(3)の課題をすべて解決した光散乱型液晶デバイスは、得られていないのが現状である。
特開平9−329781号公報 特開平11−29527号公報 特開2002−293827号公報 特開平9−255954号公報
本発明が解決しようとする課題は、
(1)低電圧駆動であり(例えば汎用ICが使えること)、且つ
(2)幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さく、
(3)高い電圧保持率を有する、
経時変化等の生じない、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を有する光散乱型液晶デバイスを提供することにある。
本発明者らは、前記(1)〜(3)の課題を解決するためには、調光層内の液晶分子が、幅広い温度範囲内でポリマーマトリックスに必要以上に拘束されないことが必須であり、そのような液晶分子との相互作用の小さいポリマーマトリックスを設計し、且つ幅広い液晶温度範囲、特に低温領域でのネマティック安定性に優れる液晶組成物を用いることが必要と考えた。
課題(1)低電圧駆動である。
光散乱型液晶デバイスの駆動電圧に関する記述として、特開平6−222320号公報において次式の関係が示されている。
Figure 2005250223
(Vthはしきい値電圧を表わし、1Kii及び2Kiiは弾性定数を表わし、iは1、2又は3を表わし、△εは誘電率異方性を表わし、<r>はポリマーマトリックス界面の平均空隙間隔を表わし、Aは液晶組成物に対するポリマーマトリックスのアンカリングエネルギーを表わし、dは透明性電極を有する基板間の距離を表わす。)
これによると、光散乱型液晶デバイスの駆動電圧は、ポリマーマトリックス界面の平均空隙間隔、基板間の距離、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物とポリマーマトリックスのアンカリングエネルギーによって決定される。この中で温度により変化をするパラメーターは、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物とポリマーマトリックス間のアンカリングエネルギーであるが、低温域では誘電率異方性は増加する為、低温域で駆動電圧を上昇させる要因となるのは、液晶組成物の弾性定数と液晶組成物とポリマーマトリックス間のアンカリングエネルギーとなる。
即ち、液晶分子との相互作用の小さいポリマーマトリックスを設計し、かつ、ポリマーマトリックスとアンカリングエネルギーが小さい液晶組成物を見いだすことが必要と考えた。
課題(2)使用する液晶化合物の種類には左右されず、幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さい。
ポリマーマトリックスは環境温度によってその弾性率が変化する。ガラス転移点以上ではポリマーマトリックス分子鎖のミクロブラウン運動により、ポリマーマトリックスは常に熱振動していると考えられ、これが液晶分子とポリマーマトリックスとの相互作用を抑制するものと考えられる。
一方、ガラス転移点(以下、Tgと略す)付近及び以下ではガラス化が生じポリマーマトリックス分子鎖の運動は殆ど生じない。そのため、液晶分子とポリマーマトリックスとの相互作用が大きくなってしまい、低温域での駆動電圧が上昇してしまうものと考えられる。従って、−20℃〜70℃の幅広い温度範囲内で、液晶分子と分子鎖との相互作用の変化が小さいポリマーマトリックスを設計し、かつ幅広い液晶温度範囲、特に低温領域でのネマティック安定性に優れる液晶組成物を見いだすことが必要と考えた。
(3)高い電圧保持率を有すること
アクティブ素子で駆動させるためには、液晶化合物として、高い比抵抗値、高い誘電率異方性を有し、且つ耐熱性、耐光性に優れることは必須条件である。更にポリマーマトリックスとしては、高い比抵抗値を有することが必要である。
本発明者らはこれらの推定に基づき鋭意研究を行った結果、ポリマーマトリックスの主鎖に、長鎖の側鎖a、及び、該側鎖aの運動性を制御できるようなアルキル側鎖aを導入し、更に、側鎖a及びaが、ポリマーマトリックスの主鎖に特定の間隔で配置されるようにポリマーマトリックスを設計し、かつ、ポリマーマトリックスとアンカリングエネルギーが小さく、高い比抵抗値、高い誘電率異方性を有し、且つ耐熱性、耐光性に優れる幅広い液晶温度範囲、特に低温領域でのネマティック安定性に優れる特定の液晶組成物を組み合わせることで、課題を解決することができ、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスにおいて、ポリマーマトリックスが、実質的に、一般式(1)で表される繰り返し単位
Figure 2005250223
(1)
(式中、aは炭素原子数4〜40のアルキル基を表す。但し、
1)該アルキル基中の炭素原子は、
1-1)酸素原子が相互に直接に結合しないものとして−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、−OCONH−、又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていてもよく、
1-2)置換基として炭素原子数1〜15のアルキル基を有していても良く、
2)aが結合している炭素原子からaの末端の炭素原子までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数aMは40以下であり(但し、aが置換基を有する場合は、もっとも原子数の多い末端までの結合に含まれる原子数をaMとする。)、
は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、bが結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bMが1〜60である連結基を表す。また、複数ある繰り返し単位のa、a、及びbは、同じであっても異なっていてもよい。)からなり、
液晶組成物が、一般式(I−a)及び一般式(I−b)
Figure 2005250223
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよく、
及びAはそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
及びXはそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
からX及びXからX12はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
及びZはそれぞれ独立して、単結合又は−CH−CH−を表し、
及びZはそれぞれ独立して、単結合、−CH−CH−又は−CFO−を表し、n及びnは0又は1である。)
で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物を含有する光散乱型液晶デバイスを提供する。
ここで、ポリマーマトリックスが、実質的に、一般式(1)で表される繰り返し単位からなるとは、ポリマーマトリックスを構成する繰り返し単位の90%以上が一般式(1)で表される繰り返し単位であることを意味する。
また、本発明は、前記一般式(I−a)および一般式(I−b)で表される化合物群から少なくとも一種類以上を含有し、且つ、一般式(2)で表される重合性化合物、
Figure 2005250223
(2)
(式中、aは、前記一般式(1)と同じ基を表す。aは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。bは、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、bの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数の総和bMが1〜26の連結基を表す。
及びbは、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、bの結合を辿ったときの最小の原子数の総和bM及びbMが1〜40の連結基を表す。但し、bM及びbMは下記式を満たす。
Figure 2005250223
は水素原子又はメチル基を表す。mは2〜4の整数を表す。)を含有する調光層形成材料を提供する。
本発明の光散乱型液晶デバイスは、
(1)低電圧駆動であり(例えば汎用ICが使える)、且つ
(2)使用する液晶化合物の種類には左右されず、幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧の変化が小さく、
(3)高い電圧保持率を有し、
経時変化等を生じない。
(ポリマーマトリックス)
本発明の光散乱型液晶デバイスは、透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスであり、そのポリマーマトリックスは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる。
前記一般式(1)において、aが結合している炭素原子からaの末端の炭素原子までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数aMは40以下である。但し、aが置換基を有する場合は、aが結合している炭素原子からaの末端までの結合を辿ったときに含まれるもっとも原子数の多い末端までの結合に含まれる原子数をaMとする。aMは、10〜30の範囲がより好ましく、12〜20の範囲が最も好ましい。
は中でも、炭素原子数2〜5であることが好ましい。
は、bが結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数、つまり隣合うaが結合している炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bMが1〜60である連結基を表す。中でも、bMが8〜40の範囲が好ましく、10〜30の範囲がなお好ましく、10〜26の範囲がもっとも好ましい。
ポリマーマトリックスに側鎖が存在することで、ポリマーマトリックスと液晶分子との相互作用が抑制できる理由としては、側鎖の熱運動による排除体積効果が考えられる。即ち、ポリマーマトリックス主鎖をとりまくように長鎖側鎖が存在し、その運動性により、液晶分子とポリマーマトリックスとの間に斥力が生じ、相互作用が弱まっていると考えられる。
排除体積効果は、側鎖の運動性に起因するため、隣り合う運動性の側鎖間の距離、つまり隣り合うaが結合している炭素原子間の距離と、aの長さとが関係すると考えられる。
低電圧駆動の液晶デバイスを得るためには、一般式(1)中の側鎖aが結合している炭素から一番長い側鎖の末端までの距離dと、隣り合うaが結合している炭素間の距離dとの比が、d:d=1:5 〜 5:2であることが好ましい。
このときの距離dは、aが結合している炭素原子からaの末端までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数aMに近似的に比例すると仮定できる。更に詳しくは、距離dは上記結合に含まれる原子間の距離の和d’に近似的に比例する。この際に、改訂5版化学便覧基礎編II 16.1 801頁から809頁に記載されている原子間距離を用いることができる。例えば、aが式(3)
Figure 2005250223

(3)
で表される場合は、化学便覧に記載されている原子間距離;C−C:1.52Å、C−O:1.35Å、より距離d’=1.52×12+1.35×2=20.94Åと計算できる。
同様に距離dは、隣合うaが結合している2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数、つまり、bが結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bMに近似的に比例すると仮定できる。更に詳しくは、距離dは上記結合に含まれる原子間の距離の和d’に近似的に比例する。また、原子間の距離は、上記の距離d’と同様に計算することができる。例えば、bが式(4)
Figure 2005250223

(4)
で表される場合は、化学便覧に記載されている原子間距離;C−C:1.52Å、C−O:1.35Å、より距離d=1.52×9+1.35×4=19.08Åと計算できる。(このとき、bM=2bM+bM=13)
また、bが式(5)
Figure 2005250223

(5)
で表される場合は、化学便覧に記載されている原子間距離;C−C:1.52Å、C−O:1.35Å、ベンゼン環由来のC-C:1.4Å、より距離d=1.52×8+1.35×4=1.4×6=25.96Åと計算できる。(このとき、bM=2bM+bM=18)
上記の範囲内であれば大きな排除体積効果が得られ、(1)低電圧駆動の液晶デバイスが得られる。
Mが短すぎると側鎖の運動性が損なわれるおそれがあり、また、bMが長すぎると側鎖同士の相互作用が大きくなるおそれがあり、いずれも駆動電圧をあげる要因になると考えられる。
また、上記の側鎖の熱運動による排除体積効果を考えたポリマーマトリックスの構造は、低温域での液晶分子との相互作用にも影響がある。側鎖は、高分子主鎖よりも熱振動を生じさせる活性化エネルギー量が小さいため、該主鎖がガラス化してもある程度の運動性を有するといわれている。しかし、aで表される側鎖のみでは、その運動性は主鎖とあまり変わらないと考えられ、低温域では運動性が落ちるものと考えられる。即ち低温域では長鎖側鎖の熱振動が弱くなるので、液晶分子との相互作用が大きくなり、駆動電圧が上がると推定される。
本発明では、aで表される側鎖の結合している炭素原子に、aで表されるアルキル基を付けることで、aで表される側鎖のガラス化を低減させることを可能にした。aで表されるアルキル基は炭素原子数1〜5と短いので、主鎖がガラス化しても運動性を保ちやすい。この運動性がaで表される側鎖に伝播することで、低温域でもaで表される側鎖の運動性を保つことができると推定できる(参考:「高分子物理学(改訂版)」昭和48年5月15日発行、P371−376)これにより(2)幅広い温度範囲(例えば−20℃〜70℃の温度範囲)において駆動電圧が安定な素子を得ることが可能になる。
図1に、aとして、メチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスと、aの部位に水素原子を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスの、各々の温度と駆動電圧との関係について示す。aが存在することで、幅広い温度範囲において安定な駆動電圧(ΔVが0.3以内である)の素子が得られる。aで表される基は、メチル基で十分な効果を示す。
で表されるアルキル基は駆動電圧の低下にも効果がある。図2に、aとして、メチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスと、エチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスの、温度と駆動電圧との関係について示す。炭素原子数が増える程、低温での駆動電圧の上昇が抑制され、駆動電圧が下がることがわかる。
前記ポリマーマトリックスは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有すれば良く、未架橋のポリマーマトリックスでも架橋のポリマーマトリックスでも構わない。デバイス作製上、ポリマーマトリックスが3次元ネットワーク構造であることが好ましい。
前記一般式(1)の具体的なポリマー材料としては、マクロモノマーのようなメタアクリレートの重合物、ジメチロールオクタン、ブチルエチルプロパンジオールを用いたポリエステルおよび、そのアクリル変性化合物等が挙げられる。中でも、aで表される長鎖側鎖、及び、aで表されるアルキル基を置換基として有する炭素原子をもつ多官能重合性化合物を原料として得たポリマーマトリックスが好ましい。多官能重合性化合物としては、例えば、一般式(2)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2005250223
(2)
式中、aは、前記一般式(1)と同じ基を表す。中でも、下記一般式(6)
Figure 2005250223
(6)
で表される基であることが好ましい。
一般式(6)中、aは単結合、又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表す。中でも、単結合又は炭素原子数1のメチレン基が好ましい。
は単結合、−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、又は−OCONH−を表す。中でも、−O−、−CO−O−、又は−OCO−が好ましい。
は炭素原子数4〜30のアルキル基をあらわす。また、該アルキル基は、置換基として、炭素原子数1〜15であり、且つaを構成する炭素原子数と同じ又は少ない数のアルキル基を有していてもよい。
及びaの置換基に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていても良い。
は、具体的には、ノルマルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ノルマルオクチル基、ノルマルウンデシル基、ノルマルトリデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルオクタデシル基、2−n−ヘプチルノニル基、イソミリスチル基、2−エチルヘキシル基、ブトキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、ノルマルブトキシエトキシメチル基、シクロヘキシル基、ポリエチレングリコールモノエーテル基、4−ノニルフェニレン基、4−オクチルシクロヘキシル基等があげられる。中でも、炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、更に、アルキル基が直鎖アルキル基の場合は、炭素数7〜14の直鎖アルキル基がより好ましい、アルキル鎖が分岐鎖の場合は、炭素数9〜18の分岐アルキル基がより好ましい。
が、例えば、ノルマルウンデシル基、ノルマルトリデシル基等の炭素数6〜20の直鎖アルキル基であると、より低電圧で駆動可能な液晶デバイスを得ることができる。また。aが、例えば、2−ノルマルヘプチル−ノニル基等の分岐アルキル基であると、駆動電圧の温度による変化の少ない液晶デバイスを得ることができる。
は前記一般式(1)と同じ基であり、具体的には、エチル基、プロピル基、ノルマルブチル基、ノルマルペンチル基等の炭素数2〜5のアルキル基を表す。
の部位に炭素数1〜5のアルキル基を導入することにより、0℃以下の極低温でも前記一般式(1)における−R−X−Rで表される基の運動性を保つことができる。更に、aを有することにより、前記Rが分岐アルキル基でも低駆動電圧化が図れる。従って、より低駆動電圧で、且つ、低温域における駆動電圧の上昇の少ない光散乱型液晶デバイスを得ることができる。
の炭素数が5よりも大きくなるとアクリル基の重合性を阻害する恐れがある。
は水素原子又はメチル基を表す。中でも水素原子であることが、反応性の高さや合成のしやすさから特に好ましい。
は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、炭素原子数、酸素原子数及び窒素原子数の総和bMが1〜26の連結基を表す。
及びbは、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、炭素原子数、酸素原子数及び窒素原子数の総和bM及びbMがそれぞれ1〜40の連結基を表す。
一般式(1)におけるbは、一般式(2)においては、
−b−OC−CR−CHCH−CR−CO−b−、及び、
−b−b−b−で表される。bMが1〜60であるので、bMは最大26となる。また、bM及びbMは下記式を満たす。
Figure 2005250223
〜bで表される連結基は、低温域で分子運動しやすい基が好ましく、且つ、原料となる化合物の入手のしやすさから、
が−O−CH−、−O−CH−CH−CO−O−CH−、−O−CH−CHO−、又は−O−CH−CH(CH)O−であり、
が−CH−O−、−CH−OCO−、−CH−CO−O−又は−CH−であり、
が、mが2のときは、炭素数2〜30のアルキレン基(但し、該基中に存在し、bと直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、又は、−Y−R−Y− (但し、Yはアリーレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基を表し、Rは単結合又は炭素数1〜15のアルキレン基(但し、アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)を表す。)を表す。mが3のときは、炭素数2〜30のアルキルトリイル基(但し、該基中に存在し、bと直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)を表す。mが4のときは、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、該基中に存在し、bと直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)であることが好ましい。
前記bの、mが2のときの具体例としては、ブチレン基、ヘキシレン基、オクタメチレン基、7,12−ジメチルオクタデシレン基、7−エチルヘキサデシレン基、2,2’−ジメチル−プロピレン基、繰り返し数が2〜10のポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリオキシテトラメチレン基、シクロヘキシレン基、6−フェニルドデシレン基、ビフェニレンジイル基、
Figure 2005250223
(上記基中、p及びqは各々独立して1〜4の整数を表し、rは1〜3の整数を表す)等の基が挙げられる。
また、前記bの、mが3のときの具体例としては、
Figure 2005250223
Figure 2005250223
Figure 2005250223
(上記基中、s及びtは各々独立して1〜2の整数を表す)等の基が挙げられる。
また、前記bの、mが4のときの具体例としては、
Figure 2005250223
Figure 2005250223
(上記基中、uは1〜2の整数を表す)等の基が挙げられる。
一般式(2)においてmは2であるとなお好ましい。また、その場合におけるaの好ましい例としては、aがメチレン基、aが−O−、−CO−O−、又は−OCO−、aが炭素数2〜30のアルキレン基の組み合わせが最も好ましい。
一般式(2)で表される重合性化合物は、例えばTetrahedoron Letters,Vol.23,No6,pp681−684及び、Journal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry,Vol.34,pp217−225等の公知の方法で合成することができる。具体的に、一般式(2)のRが炭素原子数1であるメチレン基の場合は、オキセタン基を複数有する化合物と、オキセタン基と反応し得る脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、更に、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法や、オキセタン基を一つ有する化合物と、オキセタン基と反応し得る多価の脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、更に、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法等により得ることができる。
また、一般式(1)のaが炭素原子数4であるブチレン基の場合は、オキセタン基の代わりにフラン基を複数有する化合物を用いることによる得ることができる。更に、一般式(1)のaが炭素原子数5であるペンチレン基の場合は、オキセタン基の代わりにピラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。
例えば、一般式(2)で表される重合性化合物が下記化合物の場合は、
Figure 2005250223
1,6−ヘキサンジオールのスルホン酸エステルと3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを水酸化ナトリウムの存在下で反応させることにより3,3’−(1,6−ヘキサンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)を得ることができる。更にこの2官能のジオキセタン化合物とカプリン酸クロリドとをヨウ化ナトリウム、アセトニトリルの存在下、0℃で反応させ炭素数C9のメチレン鎖を有するヨード化合物を得る。次に、生成したヨード化合物とアクリル酸を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7の存在下でジメチルスルオキシドを溶媒に用い、90℃で12時間反応させることにより目的物を得ることができる。
また、一般式(2)で表される重合性化合物が下記化合物の場合は
Figure 2005250223
ラウリルアルコールのスルホン酸エステルと3−エチル−3ヒドロキシメチルオキセタンを水酸化ナトリウムの存在下で反応させることにより3−エチル−3−ドデシルオキシオキセタンを得ることができる。更にこのオキセタン化合物とセバシン酸クロリドとをヨウ化ナトリウム、アセトニトリルの存在下、0℃で反応させ炭素数C11のメチレン鎖を有するヨード化合物を得る。次に、生成したヨード化合物とアクリル酸を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7の存在下でジメチルスルオキシドを溶媒に用い、90℃、12時間反応させることにより目的物を得ることができる。
更に一般式(2)で表される重合性化合物が、下記化合物の場合は
Figure 2005250223
ノルマルヘキシルイソシアネートと3−エチル−3ヒドロキシメチルオキセタンをジブチル錫ラウリレートの存在下で反応させ、更にこの反応物にダイマー酸ジクロリドとをヨウ化ナトリウム、アセトニトリルの存在下、0℃で反応させる。次に、生成したヨード化合物とアクリル酸を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7の存在下でジメチルスルオキシドを溶媒に用い、90℃、12時間反応させることにより目的物を得ることができる。
前記オキセタン基を有する化合物は、ハロゲン化合物とオキセタンアルコールとの反応、カルボン酸とオキセタンアルコールとの反応、アルコールとオキセタンアルコールのスルホン酸エステルとの反応、アルコールとオキセタンを有するハロゲン化合物との反応、ジメチロール化合物と炭酸ジメチルとの反応、等により得ることができる。アルコールとしては、1,6−ヘキサンジオール以外に、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコール、ダイマー酸ジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、エチレンオキサイド変性ビスフェノール、デカノール、ドデカノール、ウンデカノール、等が挙げられる。カルボン酸としては、セバシン酸、アジピン酸、イタコン酸、長鎖二塩基酸、ダイマー酸、カプリル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、ウンデカン酸等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、1,6−ジブロモヘキサン、1,4−ジブロモブタン、1−クロロヘキサン、1−クロロデカン等が挙げられる。
オキセタン基と反応し得る脂肪酸塩化物や脂肪酸としては、カプリン酸クロリド以外に、カプリル酸クロリド、ラウリル酸クロリド、ステアリン酸クロリド、ミリスチン酸クロリド、イソミリスチン酸クロリド、パルミチン酸クロリド、ウンデカン酸クロリド、カプリル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、ウンデカン酸、セバシン酸、アジピン酸、ダイマー酸、イタコン酸、セバシン酸、アジピン酸、イタコン酸等を使用することができる。
前記活性水素を有する重合性化合物としては、アクリル酸以外に、例えば、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等を使用することができる。また、オキセタンと脂肪酸との反応の場合は、アクリル酸塩化物、メタクリル酸塩化物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等を使用することができる。
また、オキセタンアルコールの合成方法としては、例えば特開平11−012261号公報、特開平9−71545号公報等の公知の方法で合成することができる。具体的には、トリメチロールアルカンとジメチルカーボネートとを反応させる方法等により得ることができる。
例えばオキセタンアルコールが下記化合物の場合は、
Figure 2005250223
メチルターシャリーブチルエーテル中にヘキサナールとパラホルムアルデヒドとを水酸化ナトリウムの存在下で反応させ、トリメチロールブタンを合成する。更に、トリメチロールブタンと炭酸ジメチルを炭酸カリウムの存在下で反応させ、副生するメタノールを除去してカーボネート化を行った後に、200℃に加熱して脱炭酸することにより合成することができる。
また、前記一般式(2)で表される重合性化合物が、例えば下記化合物の場合は、
Figure 2005250223
ジブチル−1,3−プロパンジオールとアクリル酸クロリドをトリエチルアミンの存在下で反応させ、更にこの生成物とセバシン酸とを1−エチル−3−(3′−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩とジメチルアミノピリジンの存在下で塩化メチレン中に室温で8時間反応させることにより得ることができる。
本発明においては、前記一般式(2)で表される重合性化合物等の、aで表される長鎖側鎖、及び、aで表されるアルキル基を置換基として有する炭素原子をもつ多官能重合性化合物、及び液晶組成物からなる調光層形成材料を重合させて調光層を得るが、本発明の効果を損なわない範囲で、若干の公知慣用の重合性化合物を共重合させてもよい。
重合性化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリテトラエチレングリコールジマレイミド等が挙げられる。これらの重合性化合物の配合率としては、一般式(1)の重合性化合物の合計量に対して、1〜30%が好ましく、5〜20%が最も好ましい。
その他、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、非反応性のオリゴマーや無機充填剤、有機充填剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、シランカップリング剤等を適宜、添加しても良い。
(液晶組成物)
本発明で使用する液晶組成物は、前記一般式(I−a)及び前記一般式(I−b)で表される化合物群から一種類以上を含有する。この液晶組成物としては、幅広い液晶温度範囲を有するのみならず、高い比抵抗値、高い誘電率異方性、高い屈折率異方性、低い粘性を有することが好ましい。更に、液晶組成物としての、耐熱性、耐光性に優れることも好ましい条件である。特にアクティブ素子で駆動させるためには、高い比抵抗値、高い誘電率異方性を有し、且つ耐熱性、耐光性に優れることは必須条件である。一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物は相溶性が高いため幅広い液晶温度範囲、特に低温域でのネマティック安定性に優れ、且つ高誘電率、高い比抵抗値を有する化合物である。
一般式(I−a)及び一般式(I−b)において、R及びRとしては、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)が好ましく、該アルケニル基は式(V−a)
Figure 2005250223
(構造式は右端で直接もしくは酸素原子を介して環に連結しているものとする。)で表されるものが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基がより好ましい。
及びAとしては、1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、
及びZとしては、単結合が好ましく、
及びXとしては、フッ素原子もしくはトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子がより好ましく、
具体的には一般式(V−1)から一般式(V−33)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005250223
Figure 2005250223
(式中、R11は炭素原子数1から5のアルキル基を表す。)
本発明で使用する液晶組成物は、更に、一般式(I−c)で表される化合物を一種類以上含有するとなお好ましい。
Figure 2005250223
一般式(I−c)
式中、R21は炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。中でも、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基がより好ましい。
21は1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。
21は単結合又は−CH−CH−を表す。中でも単結合が好ましい。
51は、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又は一般式(I−d)を表す。
Figure 2005250223
(式中、A22は1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、X60は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はジフルオロメトキシ基基を表す。)中でも、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又はフッ素原子が好ましい。
52からX57はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、メトキシ基又はエチル基を表し、n10は0又は1を表す。)中でも、水素原子、フッ素原子又はメチル基が好ましく、X52からX57の中で1つ以上、3つ以下がフッ素原子、又はメチル基であるものがより好ましい。
具体的には、一般式(I−41)から一般式(I−47)
Figure 2005250223
(式中R31、R32、及びR33はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、
61からX66はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はメチル基を表し、
71からX76はそれぞれ独立して、水素原子、又はフッ素原子を表す。)
で表される化合物が好ましく、これらの中でも、X61からX66の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子、又はメチル基であるもの、及びX71からX76の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子であるものがより好ましい。
具体的には一般式(I−51)から一般式(I−59)
Figure 2005250223
(式中、R35、R36及びR37はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、
81、X84、X85及びX86はそれぞれ独立して水素原子、又はフッ素原子を表し、X82及びX83はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はメチル基を表すが、式(I−55)及び式(I−56)中のX82からX86の少なくとも1つ以上、3つ以下がフッ素原子、又はメチル基を表し、
87及びX88はそれぞれ独立して、水素原子、又はフッ素原子を表す。)
で表される化合物が更により好ましい。
また、更なる液晶温度領域の拡大、高誘電率、又は低粘性を得るため、一般式(I−a)、一般式(I−b)及び一般式(I−c)の化合物に加えて、一般式(III−a)、又は一般式(IV−a)で表される化合物を含有することも好ましい。
Figure 2005250223
一般式(III−a)において、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。中でも、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数2から6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)が好ましく、該アルケニル基は前記式(V−a)で表されるものが好ましい。
、A及びAはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。
及びZはそれぞれ独立して単結合又は−CH−CH−を表し、nは、0、1又は2を表す。ただし、n=2の場合、複数存在するA及びZは同一であっても異なっていても良い。
また、特に低粘性を得たい場合は、nが0を表し、A及びAが、トランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、Zが単結合を表すことが好ましく、
特に液晶温度範囲を拡大するには、nが0又は1を表し、A及びAが、トランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、Aが1,4フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表し、Zが単結合又は−CHCH−を表し、Zが単結合を表すことが好ましく、
特に高屈折率を得るためには、nが1を表し、Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は1,4フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表し、A及びAが、1,4フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表すことが好ましい。
具体的には一般式(III−1)から一般式(III−5)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005250223
(式中、R12及びR13はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)を表し、X21からX26はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子又はメチル基を表す。)
Figure 2005250223
一般式(IV−a)において、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。中でも、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)が好ましく、前記式(V−a)で表されるものがより好ましい。
、A及びAはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基又はインダン−2,5−ジイル基を表し、該1,4−フェニレン基、インダン−2,5−ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができる。
及びZはそれぞれ独立して、単結合、−CHCH−又は−CFO−を表す。
13はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はイソシアネート基を表す。中でも、フッ素原子又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
は、0、1又は2を表す。ただし、n=2の場合、複数存在するA及び各Zは同一であっても異なっていても良い。
また、特に高誘電率を得たい場合は、nが0又は1を表し、Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は1,4−フェニレン基(該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、メチル基を有することができる。)を表し、Aが2又は3−フルオロ1,4−フェニレン基又は2,6又は3,5ジフルオロ1,4−フェニレン基を表し、Z、及びZが単結合を表すことが好ましい。
特に液晶温度範囲を拡大するには、nが2を表し、Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表し、Aが2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表し、Z及びZが単結合又は−CHCH−を表すことが好ましい。
具体的には一般式(IV−1)から一般式(IV−4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005250223
(式中、R14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−で置換されていてもよい。)を表し、X31からX34はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子を表し、Z11は単結合、又は−CHCH−を表す。)
これら(IV−1〜4)の中でも(IV−5〜7)の化合物がより好ましい。
Figure 2005250223
(式中、R15は炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、X35からX37はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
これらの液晶組成物は不純物等を除去する、又は比抵抗値を更に高くする目的で、シリカ、アルミナ等による精製処理を施しても良い。比抵抗値としては1012Ω・cm以上が好ましく、1013Ω・cm以上がより好ましい。
更に、目的に応じて液晶組成物中に、キラル化合物、染料等のドーパントを添加することもできる。
一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群から選ばれる化合物及び一般式(I−c)で表される化合物を59から89質量%含有し、一般式(II−b)で表される重合性化合物を10から40質量%含有することが好ましく、一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群から選ばれる化合物及び一般式(I−c)で表される化合物を63から75質量%含有し、一般式(II−b)で表される重合性化合物を24から36質量%含有することが更に好ましい。液晶組成物としては、一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群の含有率が10から60%、一般式(I−c)で表される化合物の含有率が10から60%であるものが好ましく、一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群の含有率が15から50%、一般式(I−c)で表される化合物の含有率が20から50%であるものがより好ましい。
本発明の光散乱型液晶デバイスは、例えば、透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態でスペーサー等を使用して一定間隔を保った2枚の基板間に、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーマトリックスと、前記一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上を含有する液晶組成物との混合物を挟持させ、相分離させることで得られる。中でも、前記一般式(2)で表される重合性化合物と、前記一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上を含有する液晶組成物との混合物を挟持させ、光照射又は加熱する方法が、調光層内の平均空隙間隔を均一な大きさにでき、且つ3次元ネットワーク状のポリマーマトリックスを得ることができるので好ましい。(以下、前記一般式(2)で表される重合性化合物と前記一般式(I−a)及び一般式(I−b)で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上を含有する液晶組成物との混合物を、調光層形成材料と略す)
前記液晶組成物と重合性組成物との配合比は、所望の電気光学特性に応じて調整することができ、59:41〜89:11の範囲が好ましく、63:36〜75:25の範囲がより好ましい。
重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を用いることが可能であるが、ラジカル重合により重合することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。具体的には以下の化合物が好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、ο−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。
この中でも、ベンジルジメチルケタールが最も好ましい。



−a−a−a


本発明においては、前記一般式(1)で表される繰り返し単位のa即ち一般式(6)で表される基 −a−a−a の構造と液晶組成物を適宜変化させることで、液晶デバイスの用途や使用する液晶組成物の種類に応じ適応させることができる。例えば、反射型液晶ディスプレイやデジタルペーパーのような白色度の高い光散乱型液晶デバイスの場合は、一般式(I−a)、(I−b)に一般式(I−c)で表されるトラン系液晶を含んだ液晶組成物が有効であり、調光層形成材料には、一般式(6)のaが直鎖のアルキル基である重合性化合物を選択するのがより好ましい。例えば、aがエチル基であり、aが直鎖の炭素原子数13のノルマルミリスチル基であり、aがメチレン基、aが−OCO−である一般式(2)で表される化合物を、調光層形成材料として使用した光散乱型液晶デバイスは、aのエチル基の存在により、0℃以下の極低温でも−CH−OCO−C1327で表される側鎖の揺らぎが抑制され難い。このため、0℃以下の極低温域でも駆動電圧の上昇を抑制することができる。
一方、−20℃以下の低温域の動作や、高信頼性の液晶デバイスの場合は、液晶組成物として、一般式(I-a)、(I−b)を含んだ液晶組成物が有効であり、調光層形成材料には、一般式(6)のRが直鎖のアルキル基である重合性化合物を選択するのがより好ましい。例えば、aがエチル基であり、aが直鎖の炭素原子数9のノルマルノニル基や、2−ノルマルヘプチル−ノニル基であり、aがメチレン基、aが−OCO−である一般式(2)で表される化合物を、調光層形成材料として使用した光散乱型液晶デバイスは、−20℃以下の極低温でも側鎖の揺らぎが抑制され難く、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムチンオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。また、低波長分散の透明性基板を用いることにより本発明のデバイスの光散乱能が高まり反射率やコントラストが向上してより好ましい。低波長分散の透明性基板としては、ホウケイ酸硝子や、ポリエチレンテレフタレートまたはポリカーボネート等のプラスチック透明フィルム、1/4λの光干渉条件を使用した誘電体多層膜をコートした透明性基板が挙げられる。

また、該基板上には、必要に応じて、高分子膜や、配向膜やカラーフィルターを配置することもできる。配向膜としては、例えば、ポリイミド配向膜、光配向膜等が使用できる。配向膜の形成方法としては、例えばポリイミド配向膜の場合、ポリイミド樹脂組成物を該透明基板上に塗布し、180℃以上の温度で熱硬化させ、更に綿布やレーヨン布でラビング処理することで得ることができる。また、ラビング処理を施していないポリイミド膜等の高分子膜も用いることもできる。更に、片側の基板にはシリコン等の不透明な材料でも良い。
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法、又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが1〜100μm、中でも2〜50μmとなるように、該基板の間隔を調整することが好ましい。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
得られた液晶セルに前記調光層形成材料を封入し、調光層形成材料中の液晶組成物を等方性液体状態に保持した状態で光照射又は加熱、冷却することで、本発明の光散乱型液晶デバイスを作成することができる。調光層形成材料として重合性化合物を用いない場合は、調光層形成材料を等方性液体状態に保持した状態に加熱した後、冷却して液晶組成物とポリマーマトリックスとが相分離を起こすことにより光散乱型液晶デバイスが作製される。調光層形成材料として重合性化合物を用いる場合は、光照射又は加熱して作製される。作製方法としては、特に限定はなく、紫外線、可視光線、高周波等のエネルギー線を利用することができる。中でも紫外線を用いた重合性化合物の重合を利用する方法は、調光層形成材料を等方性液体状態に保持した状態で瞬間的に重合性化合物の重合を進行させるので、調光層内の平均空隙間隔を均一な大きさにでき、且つ3次元ネットワーク状のポリマーマトリックスを得ることができるので、より好ましい。すなわち、該ポリマーマトリックスが3次元ネットワーク状となることで、得られる液晶デバイスの電気光学特性がより向上する。
また、本発明の液晶デバイスの裏面側に光吸収層や、拡散反射板等を配置することもでき、反射率とコントラストの高い反射型光散乱型液晶デバイスが得られる。また、シアン・マゼンタ・イエロー等の光吸収波長の異なる光吸収層を各色別に分割した画素電極の位置に一致するように配置すると、カラー表示が可能である。鏡面反射、拡散反射、再帰性反射、ホログラム反射等の機能を付加することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中の光散乱型液晶デバイスは以下の方法で作製した。
液晶組成物、重合性化合物、光重合開始剤からなる調光層形成材料を真空注入法でセル厚5μmのITO付きガラスセル内に注入した。この時、調光層形成材料が常に均一状態となるよう、真空注入装置内の温度をコントロールした。また真空度は2パスカルとなるよう設定した。注入後ガラスセルを取り出し、注入口を封口剤3026E(スリーボンド社製)で封止した後、調光層形成材料のアイソトロピック−ネマチック転移点より1から2℃高い温度にコントロールし、紫外線カットフィルターUV−35(東芝硝子社製)を介した照射強度が10mW/cmとなるように調整されたメタルハライドランプを120秒間照射して、光散乱型液晶デバイスを得た。実施例中に示される液晶組成物の特性の略号、及び意味は以下の通りである。
TN−I :ネマチック相-等方性液体相転移温度(℃)
T→N :固体相又はスメクチック相-ネマチック相転移温度(℃)
また、液晶温度範囲(ネマチック液晶温度範囲)とは特に指定がない限り、固体相又はスメクチック相-ネマチック相転移温度からネマチック相-アイソトロピック相転移温度までを意味する。
実施例中に示される光散乱型液晶デバイスの特性の略号、及び意味は以下に示す通りである。
V10:電圧無印加時の光散乱型液晶デバイスの光透過率(T0)を0%とし、印加電圧を増加させていき光透過率がほとんど変化しなくなった時の光透過率(T100)を100%とした時、光透過率が10%となる印加電圧値(V)。
Vr90:電圧無印加時の光散乱型液晶デバイスの光透過率(T0)を0%とし、印加電圧を増加させていき光透過率がほとんど変化しなくなった時の光透過率(T100)を100%とした時、光透過率が90%となる印加電圧値(V)。
ΔV:デバイス1μmあたりの電圧変化量
−20℃のVr90−70℃のVr90/セル厚(V/μm)
電圧保持率(VHR)は、液晶電圧保持率測定システムVHR−A1(東陽テクニカ社製)を用いて測定し、パルス幅は64μsec、フレーム周期は16.67ミリ秒、印加電圧は5Vとし、面積比で求めた。
(重合性化合物の合成例)
(中間体の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた反応容器に、中間体1の1,6−ジブロモヘキサン29g(0.12モル)、トテラブチルアンモニウムブロミド4g、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製:OXT−101)41g(0.35モル)、およびジメチルスルオキシド150mlを加え、50℃で溶解させた後に、粒状の水酸化ナトリウム 18.7g(0.47モル)を5回に分けて1時間かけて添加した。添加終了後に反応容器を80℃に加熱して3時間撹拌して反応を終了した。反応液に酢酸エチルを1L加えた後に5%炭酸ナトリウム、純水、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧留去して、式(7)で表される3,3−(1,6−ヘキサンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)を26g得た。
Figure 2005250223

(7)
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:4.45−4.40(dd,8H),3.56(s,4H),3.45(t、4H),1.70(m,4H),1.60(m,4H),1.38(m,4H),0.88(t,6H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:73.4,71.5,44.3,43.4,32.7,29.5,26.8,26.2,26.0,25.5,8.2
(重合性化合物の合成)
撹拌装置、窒素導入管、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、上記の中間体で合成した3,3−(1,6−ヘキサンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)20g(0.064モル)、ヨウ化ナトリウム22.9g(0.152モル)、およびアセトニトリルを300ml入れ、5℃以下になるように氷水バスで冷却しながら撹拌した。ラウリル酸クロリド29.4(0.134モル)を30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌した後に、更に室温で3時間撹拌して反応を終了した。反応容器に少量の水を加えた後に酢酸エチルを加え、10%亜硫酸水素ナトリウムでヨウ素を分解した。更に純水、飽和食塩水の順で有機層を洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、有機溶媒を減圧留去し中間体M−1を51g合成した。
次いで、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、上記の方法で合成した中間体M−1 51g(0.055モル)、アクリル酸15.7g(0.218モル)、p−メトキシフェノール 80mg、およびジメチルスルオキシド300gを入れ、室温で撹拌しながら1,8―ジアザビシクロ[5,4,0]7−ウンデセン(以下DBUと略す)を33.2g(0.218モル)を30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を90℃に加熱し、12時間撹拌して反応を終了した。反応容器に酢酸エチルを加え、1/10Nの塩酸溶液、5%水酸化ナトリウム溶液、純水、飽和食塩水の順で有機層を洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層の溶媒を減圧留去した後、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、ウンデシル基(X=エステル、X=エーテル、R=エチル基)を2個有する重合性化合物「M−1」を約25g得た。
Figure 2005250223
(M−1)
(物性値)
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:6.42(d,2H),6.12(q,2H),5.84(d,2H),4.10(s,4H)3.99(s,4H),3.34(t,4H),3.29(s,4H),2.29(t,4H),1.62(m,4H),1.6−1.4(m,8H),1.25(m,36H),0.87(t,12H)
13C−NMR(溶媒:重クロロホルム):δ:173.6,165.9,130.6,128.3,71.5,70.4,64.7,64.3,41.4,34.3,31.9,29.7−29.1,25.9,24.9,23.0,22.6,14.0,7.4
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr):2925,2855,1733,1652−1622,1190,808.9
中間体の合成において3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製:OXT−101)の代わりに3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを用いた、同様の合成方法により「M−2」「M−3」を合成した。
Figure 2005250223

(M−2)
Figure 2005250223

(M−3)
(実施例1)
液晶組成物(A)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(A)の液晶温度範囲は−43℃から85.2℃であり、この素子のVHRは99.1%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
Figure 2005250223

(実施例2)
液晶組成物(B)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(B)の液晶温度範囲は−36℃から96.5℃であり、この素子のVHRは99.0%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
Figure 2005250223
(実施例3)
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は−41℃から94.1℃であり、この素子のVHRは99.3%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
Figure 2005250223
(実施例4)
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M−2)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は−41℃から94.1℃であり、この素子のVHRは99.0%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
(実施例5)
液晶組成物(C)が70%、ラジカル重合性化合物(M−3)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(C)の液晶温度範囲は−41℃から94.1℃であり、この素子のVHRは99.2%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
(実施例6)
液晶組成物(D)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(D)の液晶温度範囲は−44℃から94.7℃であり、この素子のVHRは99.2%であった。
駆動電圧の評価結果を表−1に示した。
Figure 2005250223
(実施例7)
液晶組成物(E)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(E)の液晶温度範囲は−41から92.9℃であり、この素子のVHRは98.9%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
Figure 2005250223
(実施例8)
液晶組成物(F)が70%、ラジカル重合性化合物(M−1)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(F)の液晶温度範囲は−48℃から88.3℃であり、この素子のVHRは99.4%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
Figure 2005250223
(比較例1)
液晶組成物(G)が70%、ラジカル重合性化合物(M−4)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(G)の液晶温度範囲は0から103℃であり、この素子のVHRは98.8%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
Figure 2005250223
Figure 2005250223

(M−4)
(比較例2)
液晶組成物(H)が70%、ラジカル重合性化合物(M−4)が29.4%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(H)の液晶温度範囲は−24から109.5℃であり、この素子のVHRは62.3%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
Figure 2005250223
(比較例3)
液晶組成物(G)が70%、ラジカル重合性化合物A−OCD(新中村化学社製)17.67%、ラウリルアクリレート(LA)11.76%、光重合開始剤イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が0.6%からなる光散乱型液晶デバイス用組成物を調合し、前述の手法で光散乱型液晶デバイスを得た。液晶組成物(H)の液晶温度範囲は0から103℃であり、この素子のVHRは98.5%であった。
駆動電圧の評価結果を表−2に示した。
Figure 2005250223

Figure 2005250223
表1,2の結果より、aの部位が水素原子である重合性化合物と、トラン系の液晶化合物とを用いた比較例1、3の光散乱型液晶デバイスは、0℃以下のVr90が高くなってしまった。また、aの部位が水素原子である重合性化合物と、シアノ系の液晶化合物とを用いた比較例2の光散乱型液晶デバイスは、電圧保持率が著しく低くアクティブ駆動用としての使用は困難である。
これらに較べ、実施例1から8の光散乱型液晶デバイスは、−20〜70℃における駆動電圧が低く電圧保持率(VHR)が高いことがわかる。
本発明の光散乱型液晶デバイスは、駆動回路として低価格のICドライバーを使用することができ、また、アクティブ駆動が可能であるためPDAなどの携帯情報端末の表示素子や光散乱型の直視・反射型ペーパーライクディスプレイにも使用することができる。またデジタルペーパー、ICカードの情報表示、電子ブックや、光シャッターなどの光学素子としても有用である。
としてメチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスと、aの部位に水素原子を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスの、各々の温度と駆動電圧との関係を表す図である。 としてメチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスと、エチル基を有する重合性化合物を使用した液晶デバイスの、温度と駆動電圧との関係を表す図である。

Claims (6)

  1. 透明電極層を有し少なくとも片方が透明であり、該透明電極層を対向させた状態で一定間隔を保った2枚の基板間に、ポリマーマトリックス及び液晶組成物からなる調光層を挟持させてなる光散乱型液晶デバイスにおいて、ポリマーマトリックスが、実質的に、一般式(1)で表される繰り返し単位
    Figure 2005250223

    (1)
    (式中、aは炭素原子数4〜40のアルキル基を表す。但し、
    1)該アルキル基中の炭素原子は、
    1-1)酸素原子が相互に直接に結合しないものとして−O−、−CO−O−、−OCO−、−NHCO−O−、−OCONH−、又は炭素原子数6〜12のアリーレン基で置き換えられていてもよく、
    1-2)置換基として炭素原子数1〜15のアルキル基を有していても良く、
    2)aが結合している炭素原子からaの末端の炭素原子までの結合を辿ったときに含まれる最小の原子数aMは40以下であり(但し、aが置換基を有する場合は、もっとも原子数の多い末端までの結合に含まれる原子数をaMとする。)、
    は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
    は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、bが結合する2つの炭素原子間結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bMが1〜60である連結基を表す。また、複数ある繰り返し単位のa、a、及びbは、同じであっても異なっていてもよい。)
    からなり、
    液晶組成物が、一般式(I−a)及び一般式(I−b)
    Figure 2005250223

    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよく、
    及びAはそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
    及びXはそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基を表し、
    からX及びXからX12はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
    及びZはそれぞれ独立して、単結合又は−CH−CH−を表し、
    及びZはそれぞれ独立して、単結合、−CH−CH−又は−CFO−を表し、
    及びnは0又は1である。)
    で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物を含有することを特徴とする光散乱型液晶デバイス。
  2. 前記調光層が、一般式(2)で表される重合性化合物、及び前記液晶組成物を含有する調光層形成材料を重合させて得られたものである、請求項1に記載の光散乱型液晶デバイス。
    Figure 2005250223

    (2)
    (式中、aおよびaは、一般式(1)におけるaおよびaと同じ基を表す。
    は、水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、bが結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bMが1〜26の連結基を表す。
    及びbは、各々独立して水素原子、炭素原子、酸素原子又は窒素原子で構成され、b及びbが結合する2つの炭素原子間の結合を辿ったときに含まれる最小の原子数bM及びbMが1〜40の連結基を表す。但し、bM及びbMは下記式を満たす。
    Figure 2005250223
    は水素原子又はメチル基を表す。mは2〜4の整数を表す。)
  3. 前記一般式(2)において、bが−O−CH−、−O−CH−CH−CO−O−CH−、−O−CH−CHO−、又は−O−CH−CH(CH)O−であり、bが−CH−O−、−CH−OCO−、−CH−CO−O−又は−CH−であり、bが、mが2のときは、炭素数2〜40のアルキレン基(但し、該基中に存在し、bと直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、又は、−Y−R−Y− (但し、Yはアリーレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基を表し、Rは単結合又は炭素数1〜15のアルキレン基(但し、アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−で置き換えられていても良い)を表す。)を表す。mが3のときは、炭素数2〜30のアルキルトリイル基(但し、該基中に存在し、bと直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)を表す。mが4のときは、炭素数2〜30のアルキルテトライル基(但し、該基中に存在し、bと直接結合しない1個又は2個以上のメチレン基は、場合によりそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、アリーレン基、又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基で置き換えられていても良い)である、請求項2に記載の光散乱型液晶デバイス。
  4. 前記液晶組成物が、一般式(I−c)
    Figure 2005250223

    (式中、R21は炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよく、
    21は1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
    21は単結合又は−CH−CH−を表し、
    51は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又は一般式(I−d)を表し、
    Figure 2005250223
    (式中、A22は1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表し、該1,4−フェニレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を有することができ、
    60は、炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい。)、フッ素原子、塩素原子、イソシアネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はジフルオロメトキシ基基を表す。)
    52からX57はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、メトキシ基又はエチル基を表し、
    10は0又は1を表す。)
    で表される化合物群から選ばれる化合物を少なくとも一種類含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光散乱型液晶デバイス。
  5. 前記一般式(I−a)および一般式(I−b)で表される化合物群から少なくとも一種類以上を含有し、且つ前記一般式(2)で表される重合性化合物を含有することを特徴とする調光層形成材料。
  6. 前記一般式(I−c)で表される化合物群から少なくとも一種類以上を含有する請求項5に記載の調光層形成材料。

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