JP4621720B2 - ガスコンロ - Google Patents
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Description
このものでは、天板(10)の下方に、送風ファン(72)から送風ガイド(90)を経由し、さらに、温度センサ(S)から液晶表示装置(13)の配設部に繋がる冷却用通風路(8)が形成されている。
天板(10)には、液晶表示装置(13)に臨む透明な表示部(16)が形成されていると共に、前記冷却用通風路(8)の隣接部には誘導加熱コイル(11)が配設されている。
このものでは、誘導加熱コイル(11)の上方に鍋(9)を載置して加熱調理を開始すると、温度センサ(S)の検知温度が閾値温度まで上昇したときに送風ファン(72)が作動して液晶表示装置(13)が冷却され、これにより、熱に弱い液晶表示装置(13)の耐久性の低下が防止される。
しかしながら、上記冷却構造を適用した場合、温度センサ(S)の検知温度が前記閾値温度になるまで送風ファン(72)が作動しないから、温度センサ(S)の経年的な性能低下に起因し、液晶表示装置(13)の冷却動作が遅れる場合がある。又、器具内に熱が篭って場所的に温度差が生じることがあるので、送風ファン(72)の作動時に、液晶表示装置(13)上の温度センサ(S)から最も離れている部位が高温になる場合があり、この場合も、液晶表示装置(13)の冷却動作が遅れる。
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、天板(10)の下方に配設された液晶表示装置(13)の早期冷却を可能にしても、ガスバーナへの円滑な点火が担保できるガスコンロを提供することを課題とする。
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『本体ケース(1)の上方開放部を覆う天板(10)に形成された表示部(16)と、
前記本体ケース(1)の内部に形成され、且つ、前記表示部(16)越しに視認可能な表示装置と、
前記表示装置を空冷する送風ファン(72)と、
前記本体ケース(1)内に配設されたガスバーナを点火させる点火操作部と、
前記ガスバーナの炎を検知したときに炎検知信号を出力する炎検知器と、
前記炎検知信号に応答して前記送風ファン(72)を作動させる制御装置とを具備し、
前記表示装置と前記送風ファンは、前記本体ケースの外部に繋がる流入口と流出口を繋ぐ冷却用通風路に設けられ、
前記冷却用通風路は、本体ケースの正面側構成壁に沿って左右に延ばされて正面側構成壁の左右にそれぞれ設けられた流入口と流出口とに連通され、且つ流出口に接続される排気接続口に近付くに従って側方外方向に傾斜する整流板が配設されている』ことである。
上記解決手段によれば、点火操作部の操作によってガスバーナに点火すると、該ガスバーナに炎が生成される。すると、炎検知器は、前記生成された炎を検知して炎検知信号を出力し、該炎検知信号に応答して送風ファン(72)が作動し始めて表示装置が空冷される。
又、炎検知信号に応答して送風ファンが作動するから、既述従来のように温度センサ(S)の検知温度が閾値温度になるまで送風ファン(72)が作動しないものに比べ、表示装置の早期冷却が可能になる。
さらに、前記冷却用通風路は、本体ケースの正面側構成壁に沿って左右に延ばされて正面側構成壁の左右にそれぞれ設けられた流入口と流出口とに連通され、且つ流出口に接続される排気接続口に近付くに従って側方外方向に傾斜する整流板が配設されているので、流出口からの排出空気が本体ケースの正面で作業する器具使用者に吹き付けられることがなく、器具使用者に不快感を与えないように配慮されている。
請求項1に係る発明に於いて、
『前記表示装置の近傍に第1温度センサが配設されており、
前記第1温度センサの検知温度が、前記表示装置の耐熱温度以下の第1安全温度まで昇温した場合も前記送風ファン(72)を作動させ、
ガスバーナの燃焼時間に応じて送風ファンの延長運転時間が設定され、ガスバーナの消火後も前記延長運転時間が経過するまで送風ファンを運転継続させる』ものでは、ガスバーナが消火状態にあるときに、高温の鍋が表示装置の上方の天板(10)上に載置されると、送風ファン(72)が作動する。これにより、熱に弱い表示装置が冷却される。
請求項1又は2に係る発明に於いて、
『前記送風ファン(72)の近傍に第2温度センサが配設されており、
前記第2温度センサの検知温度が、前記送風ファン(72)の耐熱温度以下の第2安全温度まで昇温した場合も前記送風ファン(72)を作動させる』ものでは、ガスバーナが消火状態にあるときに、高温の鍋が送風ファン(72)の上方の天板(10)上に載置されると、送風ファン(72)が作動する。従って、熱に弱い送風ファン(72)自体が冷却される。
又、炎検知信号に応答して送風ファン作動するから、既述従来のように温度センサ(S)の検知温度が閾値温度になるまで送風ファン(72)が作動しないものに比べ、表示装置の早期冷却が可能になる。
本発明の実施の形態に係るガスコンロは、図1に示すように、システムキッチンのカウンタートップ(K)に開設された開口(K1)に落とし込み状態に装着される形式のドロップインコンロである。
このドロップインコンロは、上端開放部の外周にフランジ(20)が張り出した本体ケース(1)と、本体ケース(1)の上方開放部を覆うガラス製の天板(10)と、本体ケース(1)の正面側の構成壁(21)に沿って左右に延びる横冷却通路(17)とこれに続く後方冷却通路(61)から成るL型の冷却用通風路(8)と、本体ケース(1)内に配設されたコンロ用のガスバーナ(31)(32)(33)と、グリル扉(41)で開閉されるグリル(42)を備えており、グリル(42)の左右には器具操作部(43)(44)が設けられている。又、前記ガスバーナ(31)(32)(33)の近傍には、これらの燃焼を監視する炎検知器たる熱電対(31a)(32a)(33a)が配設されている。以下、各部の詳細を説明する。
本体ケース(1)の上方開放部を覆う天板(10)は、前記ガスバーナ(31)(32)(33)に臨む位置にバーナ用開口(51)(52)(53)が開設されていると共に、該バーナ用開口(51)(52)(53)には、五徳(54)(55)(56)が配設されている。
又、天板(10)には、後辺に沿った長方形の排気開口(57)が形成されていると共に、該排気開口(57)は、本体ケース(1)に設けられたグリル(42)から延びるグリル排気筒(40)の上方に位置している。更に、排気開口(57)は多数の透孔(580)(580)が貫通した排気口カバー(58)で覆われている。
天板(10)の前辺部の近傍には、左右のバーナ用開口(51)(52)の中央部に位置する透明な表示部(16)が設けられており、該表示部(16)を介して後述の液晶表示盤(18)の表示が視認できるようになっている。
本体ケース(1)は、図1,2に示すように、上方が開放した矩形箱状に形成されており、正面側の構成壁(21)には、冷却用通風路(8)の上流部を構成する後述の横冷却通路(17)の流入口(14)と流出口(15)が開設されている。
本体ケース(1)の前面のグリル(42)の左右に形成された器具操作部(43)(44)には、前記コンロ用のガスバーナ(31)(32)(33)やグリル(42)内を加熱するグリルバーナ(図示せず)を点・消火する点火操作部たるプッシュプッシュ式の操作ツマミ(81)〜(84)が配設されている。
本体ケース(1)内に形成された冷却用通風路(8)は、本体ケース(1)の正面側の構成壁(21)に沿って左右方向に延びる横冷却通路(17)と、その下流端から後方に屈曲する後方冷却通路(61)とから構成されている。
横冷却通路(17)は、冷却用通風路(8)のうち、本体ケース(1)の正面側の構成壁(21)に開設された流入口(14)から流出口(15)に繋がる領域である。
図2,3,5に示すように、横冷却通路(17)は、液晶表示装置(13)及び送風ファン(72)を収納する逆U字状断面の樹脂カバー(170)と、樹脂カバー(170)の下流端に接続される樹脂製の通路接続部材(174)(下方が開放している)と、樹脂カバー(170)及び通路接続部材(174)の下方開放部を閉塞する金属製底板(171)から構成されている。そして、樹脂カバー(170)及び通路接続部材(174)の上面と背面は金属製上板(172)と金属製後ろ板(173)で覆われている。尚、本実施の形態では、上記液晶表示装置(13)が既述発明特定事項たる「表示装置」に対応している。
図3,5に示すように、横冷却通路(17)の下流端に続く後方冷却通路(61)は、通路接続部材(174)の下流端開口(60)に接続される断面コ字状の金属製の通気ガイド(62)と、該通気ガイド(62)の側方開放部を覆う本体ケース(1)の側面構成壁(22)で包囲された空間である。そして、後方冷却通路(61)の下流端の流出口(610)は、天板(10)に開設された排気開口(57)に連通している。これにより、流出口(610)から流出した空気が、前記排気開口(57)を介して器具本体後部の上方に排出される。
次に、冷却用通風路(8)の機能を説明する。
送風ファン(72)が作動すると、流入口(14)から横冷却通路(17)に吸引された空気が、液晶表示装置(13)の配設部を通過するときにこれを空冷し、その後、流出口(15)から外部に排出される。又、横冷却通路(17)から後方冷却通路(61)に流入した空気は、その下流端の流出口(610)から流出して天板(10)に開設された排気開口(57)から外部に排出される。この場合、横冷却通路(17)及び後方冷却通路(61)は、これらの通路構成壁によって、ガスバーナ(31)(32)(33)の配設部と区画されている。従って、液晶表示装置(13)を空冷するために冷却用通風路(8)を流れる空気が燃焼開始後のガスバーナ(31)(32)(33)の配設部に流れ込むことがなく、その燃焼性を阻害する心配がない。
制御装置(図示せず)に内蔵されたマイクロコンピュータには、送風ファン(72)等の動作を制御する制御プログラムが格納されている。
以下、前記制御プログラムを説明する図7のフローチャートに従って、送風ファン(72)等の制御動作を詳述する。
先ず、前記マイクロコンピュータのメモリ内のテーブルには、図6に示すように、ガスバーナ(31)(32)(33)の燃焼時間(ガスバーナ(31)(32)(33)の何れかが同時使用された場合は、最初のガスバーナへの点火時から最後のガスバーナが消火するまでの時間)たるコンロ使用時間T1に応じて設定された、送風ファン(72)の延長運転時間ti1が記憶されている。又、グリル(42)内を加熱するグリルバーナ(図示せず)の燃焼時間たるグリル使用時間T2に応じて設定された、送風ファン(72)の延長運転時間ti2が記憶されている。図6のテーブルから明らかなように、コンロ使用時間T1が2分以下の場合、及び2〜15分の場合は、夫々、延長運転時間ti1が9分と25分に設定される。又、グリル使用時間T2が5分以下の場合、及び5分以上の場合は、夫々、延長運転時間ti2が20分と30分に設定される。
先ず、ステップ(ST1)で液晶表示装置(13)の後方近傍に配設された第1温度センサ(92)の検知温度を判断し、該検知温度が、液晶表示装置(13)の耐熱温度以下に設定された第1安全温度たる62℃より低いと判断されると、ステップ(ST2)で送風ファン(72)の近傍に配設された第2温度センサ(93)の検知温度を判断する。そして、第2温度センサ(93)の検知温度が、送風ファン(72)の耐熱温度以下に設定された第2安全温度たる50℃より低い場合は、ステップ(ST3)を実行し、グリル(42)内を加熱するグリルバーナやコンロ用ガスバーナ(31)(32)(33)の、何れかのバーナへの点火操作がされたか否か(操作ツマミ(81)〜(84)が操作されたか否か)を判断する。
そして、何れかのバーナへの点火操作がされたことが確認できると、ステップ(ST4)で、点火操作がされたバーナに点火する。
又、炎検知信号に応答して送風ファン(72)が作動するから、既述従来のように温度センサ(S)の検知温度が閾値温度になるまで送風ファン(72)が作動しないものに比べ、液晶表示装置(13)の早期冷却が可能になる。
次に、ステップ(ST8)で、ガスバーナ(31)(32)(33)及びグリルバーナの全てのバーナが消火されたことが確認できると、ガスバーナ(31)(32)(33)の燃焼時間たるコンロ使用時間T1を記憶する。尚、ガスバーナ(31)(32)(33)の何れかが同時使用された場合は、最初のガスバーナへの点火時から最後のガスバーナが消火するまでの時間がコンロ使用時間T1であることは既述したとおりである。又、ステップ(ST9)では、グリルバーナの燃焼時間たるグリル使用時間T2を記憶する。
ガスバーナ(31)(32)(33)やグリルバーナが消火状態にあるときに、高温の鍋が液晶表示装置(13)や送風ファン(72)の上方の天板(10)上に載置されると、その近傍に配設されている第1温度センサ(92)の検知温度が62℃以上になり、又、第2温度センサ(93)の検知温度が50℃以上になることがある。すると、ステップ(ST1)(ST2)の判断で、夫々の条件が成立せず、ステップ(ST13)で送風ファン(72)が作動し、その後、ステップ(ST11)で第1温度センサ(92)の検知温度が55℃未満で、且つ、第2温度センサ(93)の検知温度が47℃未満であることが確認されるまで送風ファン(72)が作動される(ステップ(ST12))。これにより、熱に弱い液晶表示装置(13)や送風ファン(72)自体が冷却されて熱的損傷から保護される。
1.上記実施の形態では、炎検知器として熱電対を使用したが、フレームロッドを使用してもよい。
2.上記実施の形態では、液晶表示装置(13)を送風ファン(72)で冷却するようにしたが、該液晶表示装置(13)に代えて、又は、液晶表示装置(13)と共に、7セグメントLEDを配設し、該7セグメントLEDを送風ファン(72)で冷却するようにしてもよい。この場合、前記7セグメントLEDは、既述発明特定事項たる「表示装置」に対応する。
(8)・・・冷却通路
(10)・・・天板(10)
(13)・・・液晶表示装置(13)
(14)・・・流入口
(15)(610)・・・流出口
(16)・・・表示窓
(31)(32)(33)・・・ガスバーナ
(72)・・・送風ファン
Claims (3)
- 本体ケースの上方開放部を覆う天板に形成された表示部と、
前記本体ケースの内部に形成され、且つ、前記表示部越しに視認可能な表示装置と、
前記表示装置を空冷する送風ファンと、
前記本体ケース内に配設されたガスバーナを点火させる点火操作部と、
前記ガスバーナの炎を検知したときに炎検知信号を出力する炎検知器と、
前記炎検知信号に応答して前記送風ファンを作動させる制御装置とを具備し、
前記表示装置と前記送風ファンは、前記本体ケースの外部に繋がる流入口と流出口を繋ぐ冷却用通風路に設けられ、
前記冷却用通風路は、本体ケースの正面側構成壁に沿って左右に延ばされて正面側構成壁の左右にそれぞれ設けられた流入口と流出口とに連通され、且つ流出口に接続される排気接続口に近付くに従って側方外方向に傾斜する整流板が配設されている、ガスコンロ。 - 請求項1に記載のガスコンロに於いて、
前記表示装置の近傍に第1温度センサが配設されており、
前記第1温度センサの検知温度が、前記表示装置の耐熱温度以下の第1安全温度まで昇温した場合も前記送風ファンを作動させ、
ガスバーナの燃焼時間に応じて送風ファンの延長運転時間が設定され、ガスバーナの消火後も前記延長運転時間が経過するまで送風ファンを運転継続させる、ガスコンロ。 - 請求項1又は請求項2に記載のガスコンロに於いて、
前記送風ファンの近傍に第2温度センサが配設されており、
前記第2温度センサの検知温度が、前記送風ファンの耐熱温度以下の第2安全温度まで昇温した場合も前記送風ファンを作動させる、ガスコンロ。
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