JP4614002B2 - クロマトグラフ質量分析用データ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)や液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)など、クロマトグラフと質量分析装置とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置で得られたデータを処理するためのデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、質量分析装置において所定の質量範囲を繰り返し走査するスキャン測定を実行するクロマトグラフ質量分析用データ処理装置に関する。
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)、或いは超臨界クロマトグラフ質量分析装置(SFC/MS)では、クロマトグラフにより試料成分を時間軸方向に分離し、分離された各成分を質量分析部によりそれぞれイオン化して質量に応じて分離して検出する。質量分析部で所定の質量範囲を走査するスキャン測定を行うことで得られたデータに基づいて、或る時点における質量(厳密にはm/z)と相対強度(イオン強度)との関係を示すマススペクトルを得ることができる。さらに、所定質量範囲の質量走査を繰り返すことにより時間軸方向に例えば所定時間間隔でそれぞれマススペクトルを得ることができ、それに基づいてトータルイオンクロマトグラムやマスクロマトグラムを作成することもできる。
理想的にはマススペクトル上には測定対象物から生成したイオン種のピークのみが現れていることが望ましいが、実際には様々な要因により不所望のピークが現れる。例えばLC/MSでは、分離カラム液相からの遊離物、試料溶媒、移動相溶媒、或いは試料に含まれる夾雑物など、測定対象物以外の化合物に由来するピークが混じることが多い。また、検出器におけるノイズによるピークが含まれることもある(例えば特許文献1など参照)。
そこで、従来のクロマトグラフ質量分析装置では、上述のようなノイズの影響やそれ以外の各種の変動要因の影響を軽減するために次のような処理が行われている。即ち、時間経過に伴って検出対象のイオンの質量は例えば図4(a)に示すようにM1〜M2の範囲で変化するように走査される。1回の質量走査の期間例えば時刻t1〜t2の範囲では、質量分析装置のイオン検出器により、例えば図4(b)に示すような信号波形(以下、質量プロファイルと呼ぶ)を構成するデータが得られる。この質量プロファイルに対し、目的とする質量の前後の所定微小質量範囲に含まれる複数のデータに平均化等のフィルタリング処理を行うことでノイズ等の影響を軽減する。その処理後にピーク検出を実行してピークを見つけ、そのピークに対応した線を質量軸上に描くことで図4(c)に示すようなマススペクトルを作成する。なお、1回の質量走査ではなく複数回の質量走査で得られたデータを積算することで質量プロファイルを作成し、これに基づいてマススペクトルを作成する場合もある。
さらに、例えば特定の質量Mに着目したマスクロマトグラムを作成する際には、時間経過に伴って上述したようにして得られるマススペクトル上の質量Mの信号強度に対し今度は時間軸方向にフィルタリング処理を実行することで、さらにノイズ等の影響を低減させることも行われている。
しかしながら、上記のような従来のデータ処理方法では次のような問題がある。即ち、マススペクトルを作成するために質量プロファイルに対し質量軸方向にフィルタリング処理を行うときに、ノイズが重畳していると波形の重心位置が質量軸上でずれる。そのため、これに対してピーク検出を実行するとピークが出現する質量がずれることになる。異なる時点で得られた質量プロファイルに対してはそれぞれ独立に質量軸方向のフィルタリング処理が実行されるため、同一質量のイオンに対するピークであっても上述のようにノイズが重畳している場合と重畳していない場合とではマススペクトル上での質量がずれる可能性があり、時間毎に、検出された質量にばらつきが生じることになる。こうした原因により、マススペクトルの質量分解能が低下するとともにマスクロマトグラムの精度も悪くなる。
特開2005−221276号公報(段落[0002])
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、質量走査を繰り返しを行ってそれぞれマススペクトルを作成するような場合に、各質量走査時点での質量のばらつきを抑制することができ、それによってピーク検出精度や質量分解能の向上を図ることができるクロマトグラフ質量分析用データ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、クロマトグラフにより時間方向に分離した試料成分を質量分析部に導入し、所定の質量範囲に亘るスキャン測定を繰り返し実行するクロマトグラフ質量分析装置で得られるデータを処理するデータ処理装置において、
a)所定の質量範囲に対応する質量プロファイルを構成する多数のデータを、時間軸方向に複数の質量プロファイルについて収集するデータ収集手段と、
b)前記データ収集手段により収集された、質量軸方向及び時間軸方向の2次元的に仮想的に配列された各データについて、質量軸方向に隣接又は近接する、及び時間軸方向に隣接する又は近接する複数のデータを利用した所定の演算処理を実行することで目的のデータを修正するフィルタリング処理を実行する2次元フィルタリング処理手段と、
c)前記2次元フィルタリング処理手段により修正されたデータから成る質量プロファイルに対してピーク検出を行ってピークを見い出すピーク検出手段と、
d)前記ピーク検出手段により検出されたピークに基づいてマススペクトルを作成するマススペクトル作成手段と、
を備えることを特徴としている。
即ち、従来のデータ処理装置では、まず質量プロファイルを構成する各データについて質量軸方向の1次元フィルタリング処理を実行して質量プロファイルを修正し、それに基づいてピーク検出を行ってマススペクトルを作成し、該マススペクトルを構成するデータに対し時間軸方向のフィルタリング処理を実行していたのに対し、本発明に係るデータ処理装置では、質量軸方向と時間軸方向のフィルタリング処理を同時に、つまり2次元的に行う。そして、その両軸方向にフィルタリング処理された結果である質量プロファイルを用いてピーク検出を行い、それによって見い出されたピークが描出されたマススペクトルを作成する。2次元フィルタリング処理手段における具体的な演算としては、例えば、目的データの値に隣接又は近接データの値を加算する処理、又はその加算により得た値を元のデータ点数で除して平均化する処理などとすることができる。
このように質量軸方向と時間軸方向との2次元的にフィルタリング処理された、つまり両軸方向にそれぞれノイズ等の影響が軽減された質量プロファイルが得られ、この質量プロファイルに対しピーク検出を実行するため、ピークの検出精度が向上する。これにより、マススペクトル上に描出されるピークの質量について時間軸方向でのばらつきが抑制され、質量分解能が向上する。また、複数のマススペクトルにおける質量軸の安定性が向上するためにマスクロマトグラムの精度も向上する。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析用データ処理装置においては、質量軸方向及び時間軸方向に適宜の数の隣接データ及び近接データを用いて目的データを修正することができるが、一例として、前記2次元フィルタリング処理手段は、目的データに対し質量軸方向の前後に同数の隣接データを選択するものとすることができる。この場合、用いるデータ点数を増やせばノイズ低減というフィルタリングの効果は上がるものの、質量プロファイルが平坦化されて却ってピーク検出が難しくなるおそれがある。したがって、質量軸方向の前後に選択する隣接データの数は数個以内とすることが望ましい。
また2次元フィルタリング処理手段は、目的データに対し時間軸方向の前後にも同数の隣接データを選択する構成とするとよい。
また2次元フィルタリング処理手段では、1つの質量プロファイルを構成する同一時間上の複数の各データについてフィルタリング処理を行う場合に、質量軸上で1個ずつデータをずらしながら移動平均を計算する又は加算を行うようにするとよい。これにより、各データに対し同じ演算処理が行われるので、処理後の質量プロファイルの波形の精度が向上し、ピーク検出精度を高めることができる。また時間軸上についても同様の移動平均又は加算の処理を行えばよい。
また、上述のように目的データに隣接又は近接データの値を加算する際に、各データの値を同等に扱うのではなく、例えば時間的に前後のデータについては重み付けを下げる等の重み付け処理を行うようにすることができる。重み付けにより、時間的に前後のデータの信号強度の影響が強くなり過ぎることを抑えることができ、特にマスクロマトグラムで時間的な強度変化が大きくなるような場合にその変化が極端に小さくなることを回避することができる。
本発明の一実施例であるデータ処理装置を備えるガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)の全体構成図。 本実施例のデータ処理装置における特徴的なデータ処理の手順を示すフローチャート。 本実施例のデータ処理装置におけるフィルタリング処理動作を説明するための模式図。 質量走査に対する質量プロファイルとマススペクトルとの関連を示す説明図。 本発明の効果を説明するための実験結果を示す図。 本発明の効果を説明するための実験結果を示す図。 本発明の効果を説明するための実測によるマススペクトルの一例を示す図。
以下、本発明に係るクロマトグラフ質量分析用データ処理装置の一実施例について図面を参照して説明する。図1は本実施例のデータ処理装置を備えるガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)の全体構成図である。
図1において、ガスクロマトグラフ(GC)部10では、カラムオーブン14により適度の温度に加熱されるカラム15の入口に試料気化室11が設けられ、その試料気化室11にはキャリアガス流路13を通して所定流量でキャリアガス(ここではヘリウムHe)が供給されカラム15へと流れ込む。その状態でマイクロシリンジ12により試料気化室11内に少量の液体試料が注入されると、液体試料は即座に気化しキャリアガス流に乗ってカラム15内に送られる。カラム15を通過する間に試料ガス中の各成分は時間的に分離されてその出口に到達し、インターフェイス部20においてヒータ22により加熱される試料導入管21を通って質量分析(MS)部30のイオン化室31に導入される。
MS部30において、イオン化室31に導入された試料分子は例えば熱電子との接触によってイオン化される。発生したイオンはイオン化室31の外側に引き出され、レンズ電極32により収束されて4本のロッド電極から構成される四重極質量フィルタ33の長軸方向の空間に導入される。四重極質量フィルタ33には電源部36から直流電圧と高周波電圧とを重畳した電圧が印加され、その印加電圧に応じた質量を有するイオンのみがその長軸方向の空間を通過し、イオン検出器34に到達して検出される。イオン化室31、レンズ電極32、四重極質量フィルタ33、及びイオン検出器34は、図示しない真空ポンプにより真空吸引される真空容器35内に配設されている。
イオン検出器34による検出信号はA/D変換器40によりデジタルデータに変換されて本発明に係るデータ処理装置としてのデータ処理部44に送られる。データ処理部44は所定の演算処理を行うことによりマススペクトル、マスクロマトグラム、或いはトータルイオンクロマトグラムを作成し、さらに定量分析や定性分析などを実行する。GC部10、インターフェイス部20及びMS部30を構成する各ブロックの動作は、分析制御部43により統括的に制御される。データ処理部44や分析制御部43の機能はパーソナルコンピュータ41に搭載された専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより具現化され、パーソナルコンピュータ41に含まれる中央制御部42はキーボードやマウス等のポインティングデバイスを含む操作部45や表示部46などの入出力制御など、基本的な制御を実行するものである。
このGC/MSにおいてスキャン測定を行う場合には、電源部36から四重極質量フィルタ33に印加する電圧を走査する。具体的には、一般に、四重極質量フィルタ33の4本のロッド電極の中で、中心軸を挟んで対向する2本のロッド電極に+(U+V・cosωt)、他の2本のロッド電極に−(U+V・cosωt)なる、直流電圧(U)に高周波電圧(V・cosωt)を重畳させた電圧を印加するが、U/Vを一定に保ってUとVとを時間経過に伴って変化させることにより、例えば図4(a)に示したように質量M1〜M2の質量範囲を走査することができる。
次に、このGC/MSにおいてスキャン測定を実行する際の特徴的なデータ処理動作について図2、図3を参照して詳細に説明する。図2はこのデータ処理の手順を示すフローチャート、図3はフィルタリング処理動作を説明するための模式図である。
分析が開始されると、GC部10では試料気化室11内に試料が注入され、キャリアガス流に乗って気化試料がカラム15に導入され、カラム15を通過する間に試料中の含有成分が分離されて時間差を以てイオン化室31に導入される。質量分析部30では、四重極質量フィルタ33において上述したように選別する質量の走査を繰り返し行いつつイオン検出器34により検出信号を取得する。データ処理部44では時間経過に伴って得られる質量走査毎のデータを収集して記憶装置に一旦保存する(ステップS1)。例えば図4(a)に示す時刻t1〜t2の期間に図4(b)に示すような質量プロファイルを構成する多数のデータがデータ処理部44に入力されるが、1回の質量走査で得られたデータ(又は複数回の質量走査で得られたデータを積算したデータ)は同一時刻に得られたデータとして取り扱うものとする。
即ち、図3(a)に示すように、或る時刻T1に1つの質量プロファイルを構成する多数のデータD10、D11、D12、D13、…が得られたものとみなす。さらに、次に所定時間後の時刻T2には別の質量プロファイルを構成する多数のデータD20、D21、D22、D23、…が得られたものとみなせる。したがって、所定時間間隔で以て得られるデータは、図3(b)に示すように、時間軸方向と質量軸方向との2次元的に仮想的に配列されているものと考えることができる。
上記のようにデータ収集を行って時間軸上のデータの配列数が設定値に達したならば(ステップS2)、収集したデータに対する2次元フィルタリング処理を実行する(ステップS3)。いま、ここでは一例としてステップS2での設定値は「3」であるとすると、図3(b)に示すように時刻T1、T2、T3における質量プロファイルを構成するデータが得られたならばステップS3の処理を実行する。
2次元フィルタリング処理は質量軸方向と時間軸方向との両軸方向に同時にフィルタリングを行うものであり、図3(b)に示すように或る1個の目的データ(ここではD23)に対し質量軸上及び時間軸上で隣接する、具体的には質量軸上で前後2個ずつ、時間軸上で前後1個ずつの範囲に含まれる14個の周辺データと上記目的データとの合計15個のデータ、つまりD11、D12、D13、D14、D15、D21、D22、D23、D24、D25、D31、D32、D33、D34、D35、を利用して、目的データD23に相当する位置のデータS23を求める(換言すれば目的データD23の値を修正してS23を算出する)。一例としては、目的データ及び周辺データの計15個のデータの加算値又は単純平均値をS23とする。即ち、
S23=D11+D12+D13+D14+D15+D21+D22+D23+D24+D25+D31+D32+D33+D34+D35 …(1)
又は、
S23=(D11+D12+D13+D14+D15+D21+D22+D23+D24+D25+D31+D32+D33+D34+D35)/15 …(2)
とする。
上記2次元フィルタリング処理を、同一時刻上(図3では縦方向)に配列された各データについてそれぞれ実行する。つまり、図3(b)中に一点鎖線の矩形で示すように、2次元フィルタリング処理の対象とする15個のデータの範囲を質量軸方向にずらしながらその範囲内に含まれる15個のデータの加算又は単純平均の処理を繰り返し、その範囲の中心である目的データの値を求めるようにする。但し、質量範囲の下端及び上端や処理の開始時点及び終了時点については上記のような2次元的な15個のデータを確保できないので、利用するデータ数を減らした上でその影響が現れないように補正を行うか、或いは15個のデータを確保できる範囲でのみ中心データを求める等の適宜の処理を行うものとする。こうして、時刻T2における質量プロファイルを構成するデータD20、D21、D22、D23、…が全てS20、S21、S22、S23、…に修正される。
データ処理部44では、上記のように修正された質量プロファイルに対し、従来と同様の方法によりピーク検出を実行する(ステップS4)。これにより、それぞれ質量が確定したピークが求まり、マススペクトルとしての質量軸も確定するから、それにより得られるマススペクトルデータを記憶装置に保存する(ステップS5)。その後に分析終了(フィルタリング処理終了)か否かを判定し、終了でなければステップS1に戻る。したがって、例えば時刻T2における質量プロファイルが2次元フィルタリング処理により修正されてそれに基づく質量軸が確定したマススペクトルデータが記憶装置に保存されると、次に時刻T4の質量プロファイルを構成するデータが集まるまで待つことになる。一方、時刻T2の質量プロファイルに対するフィルタリング処理が終了したならば時刻T1のデータD10、D11、D12、D13、…は計算上不要になるため廃棄することができる(もちろん、生データとして保存しておくこともできる)。
上記説明のフィルタリング処理では、目的データを求める際の周囲の各データを同等に扱ったが、その場合、時間軸方向については前後のデータの値の影響が強く出過ぎる傾向にある。そこで、例えば時間軸方向においてデータに重み付けを行うようにするとよい。例えば、上記(1)式に代えて、
S23=(D11+D12+D13+D14+D15)×α1+(D21+D22+D23+D24+D25)×α2+(D31+D32+D33+D34+D35)×α3 …(3)
とし、重み付け係数であるα1、α2、α3を適宜に設定する。例えば重み付け係数をα1=α3<α2とすることで、時間軸方向に前後のデータの値の影響を相対的に抑えることができる。
また、上記実施例では、質量軸上で前後方向に2個ずつ、時間軸上で前後方向に1個ずつの周辺データを加えて目的データを修正するようにしているが、周辺データの個数は適宜に変更してもよい。
次に、上記のような2次元フィルタリング処理を行った場合と従来のように1次元フィルタリング処理を行う場合との比較結果について説明する。本発明のような2次元フィルタリング処理の効果を検証するために、実際にGC/MSで収集したデータを用いて2次元フィルタリング処理(重み付け有り)と質量軸方向の1次元フィルタリング処理を行った場合の結果の比較を図5に示す。2次元フィルタリング処理によれば、ピークの信号強度は若干下がるもののそれ以上に大幅にノイズが抑制されるため、S/N比は質量軸方向のフィルタリング処理を行った場合よりも50%程度向上することが分かる。
図6は、本発明のような2次元フィルタリング処理と質量軸方向の1次元フィルタリング処理を行った後に時間軸方向の1次元フィルタリング処理を行った場合との比較である。質量軸方向のノイズのばらつきに時間依存性がなければ両者の結果は同じになる筈であるが、2次元同時のフィルタリング処理のほうがノイズの抑制効果が大きくS/N比も良好であることが分かる。このように上述したような本発明に係るデータ処理装置によれば、従来よりもピークのS/N比の改善効果も得られることが分かる。
図7は実際のマススペクトルにおいて本発明のような2次元フィルタリング処理の効果を示したものであり、(a1)、(b1)はスキャン速度が相対的に遅い場合、(a2)、(b2)、(a3)、(b3)はスキャン速度が相対的に速い場合の例である。一般にスキャン速度が速いほうがノイズ等によるピークの質量ずれの影響が顕著に現れ易い。例えば図7(a2)中に矢印で示すように、スキャン速度が速い場合にフィルタリング処理を行わないと、スキャン速度が速い場合(図7(a1)参照)に最大ではないm/z212のピークが最大となってしまっている。これはその周囲の他の質量の信号強度がm/z212のピークに加算されてしまっているか、逆に最大となるべきm/z214のピークの信号強度が他の質量に分散してしまっているかのいずれかであると考えられる。これに対し、2次元フィルタリング処理を行った場合には、図7(a3)に示すようにm/z214のピークが最大となっており、全体の各ピークの傾向がスキャン速度が相対的に遅い図7(a1)の状態に近づいていることが分かる。
また図7(b1)では明確に現れているm/z252のピークが図7(b2)では殆ど見えなくなっているのに対し、2次元フィルタリング処理を行った場合には、図7(b3)に示すようにm/z252のピークが明確に現れている。このように本発明のような2次元フィルタリング処理を行うことにより、ピークの質量ずれが起こり易いスキャン速度が速い条件の下でも正確なピーク検出が行えることが分かる。
なお、上記実施例はいずれも一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行えることは明らかである。

Claims (5)

  1. クロマトグラフにより時間方向に分離した試料成分を順次質量分析部に導入し、所定の質量範囲に亘るスキャン測定を繰り返し実行するクロマトグラフ質量分析装置で得られるデータを処理するデータ処理装置において、
    a)スキャン測定により所定の質量範囲に対応する質量プロファイルを構成する多数のデータを、時間軸方向に複数の質量プロファイルについて収集するデータ収集手段と、
    b)前記データ収集手段により収集された、質量軸方向及び時間軸方向の2次元的に仮想的に配列された各データについて、質量軸方向に前後及び時間軸方向に前後の複数のデータを利用して所定のフィルタリング処理を実行することで目的データを求める2次元フィルタリング処理手段と、
    c)前記2次元フィルタリング処理手段により修正されたデータから成る質量プロファイルに対してピーク検出を行ってピークを見つけるピーク検出手段と、
    d)前記ピーク検出手段により検出されたピークに基づいてマススペクトルを作成するマススペクトル作成手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析用データ処理装置。
  2. 前記フィルタリング処理は、目的データに隣接又は近接データを加算する処理又はその加算値を元のデータ点数で除する平均化処理であることを特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフ質量分析用データ処理装置。
  3. 前記2次元フィルタリング処理手段は、目的データに対し質量軸方向の前後に同数の隣接データを選択してフィルタリング処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフ質量分析用データ処理装置。
  4. 前記2次元フィルタリング処理手段は、目的データに対し時間軸方向の前後に同数の隣接データを選択してフィルタリング処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析用データ処理装置。
  5. 前記2次元フィルタリング処理手段は、加算処理又は平均化処理の際に所定の重み付けを行うことを特徴とする請求項2に記載のクロマトグラフ質量分析用データ処理装置。
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