JP2001028252A - 質量分析方法 - Google Patents
質量分析方法Info
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Abstract
しても感度良く精密質量マスクロマトグラムを測定する
ことのできる質量分析方法を提供する。 【解決手段】試料中の成分を時間の関数として分離する
成分分析手段と、該分離された試料成分を順次イオン化
して繰り返しそのマススペクトルを測定する質量分析計
とを組み合わせた質量分析方法において、質量数既知の
標準物質を前記試料成分と共にイオン化してマススペク
トルを測定し、標準物質由来のシグナルに基づいて該マ
ススペクトルの質量校正を行なう場合に、時間的に接近
して得られた複数のマススペクトルで観測された標準物
質由来のシグナルを参照して質量校正を行なうようにし
た。
Description
し、特に、クロマトグラフィー等で分離された試料成分
の精密質量測定を好適に行なうことのできる質量分析方
法に関する。
グラフィー、電気泳動など、試料中の各種成分を時間の
関数として分離する成分分析手段と、該分離された試料
成分を連続的にイオン化して繰り返しそのマススペクト
ルを測定する質量分析計とを組み合わせた質量分析方法
は、優れた分析手法として広く知られている。
置構成を模式的に示したものである。図中1は、ガスク
ロマトグラフ装置、液体クロマトグラフ装置、電気泳動
装置などの試料成分分析装置である。1で分離された各
種試料成分は、図示しないインターフェイス部を介して
質量分析計2に導入される。質量分析計2でイオン化さ
れ、質量分析された結果は、データシステム3に取り込
まれて解析される。
試料成分分離装置1から流出する様子、すなわち各種試
料成分のクロマトグラフィー的挙動を確認するために
は、通常、マスクロマトグラムが用いられる。マスクロ
マトグラムは、ガスクロマトグラフ装置、液体クロマト
グラフ装置、電気泳動装置などの試料成分分析装置1か
ら試料成分が流出している間、質量分析計2を繰り返し
走査して、連続して観測されるマススペクトルをデータ
システム3に次々に記憶させ、測定終了後、記憶させた
各マススペクトルから任意の質量範囲に属するイオンの
強度のみを取り出して、そのイオン強度の時間的な変化
をクロマトグラムとして再構成させることで得られる。
そして、ここで言う任意の質量範囲の幅は、一般に1u
とすることが多い。
ている場合は、その元素組成から算出される理論的質量
数の周囲の非常に狭い範囲を観測質量範囲として指定す
ることで、所定の元素組成を持ったイオンのみのマスク
ロマトグラムを得ることが理論上可能である。これを実
現させるためには、 1.質量分析計の分解能が、目的のイオンを他の夾雑イ
オンから分離するのに充分なほど高いこと。
目的のイオンと他の夾雑イオンを混同しない程度に高い
こと。が必要である。このようなマスクロマトグラム
は、高分解能マスクロマトグラム、あるいは精密質量ク
ロマトグラムと呼ばれ、これを得るためには、適当な内
部標準物質を連続的にイオン源に導入し、この内部標準
物質に由来する質量数既知のイオンを用いて、各マスス
ペクトル毎に質量校正、あるいは質量校正の補正を行な
って、必要な質量測定精度を確保するのが普通である。
て、各マススペクトルの質量校正、あるいは質量校正の
補正の精度を高く保つためには、充分な量の内部標準物
質を質量分析計に導入する必要がある。ところが、多量
の内部標準物質を質量分析計に導入すると、観測対象と
する目的成分のイオン化が抑制されたり、あるいは内部
標準物質に由来するイオンが質量分析計内部で散乱し
て、観測対象とする目的イオンの精密質量マスクロマト
グラムのケミカルノイズとなったりして、充分な質量精
度と検出感度を両立させることが困難であった。
質量測定に必要な内部標準物質の量を低減しても感度良
く精密質量マスクロマトグラムを測定することのできる
質量分析方法を提供することにある。
め、本発明にかかる質量分析方法は、試料中の成分を時
間の関数として分離する成分分析手段と、該分離された
試料成分を順次イオン化して繰り返しそのマススペクト
ルを測定する質量分析計とを組み合わせた質量分析方法
において、質量数既知の標準物質を前記試料成分と共に
イオン化してマススペクトルを測定し、標準物質由来の
シグナルに基づいて該マススペクトルの質量校正を行な
う場合に、時間的に接近して得られた複数のマススペク
トルで観測された標準物質由来のシグナルを参照して質
量校正を行なうようにしたことを特徴としている。
のマススペクトルで観測された標準物質由来のシグナル
の参照方法は、そのシグナルの位置を複数のマススペク
トル間で平均し、該平均的位置と標準物質の既知質量数
とからマススペクトルの質量校正を行なわせるようにし
たことを特徴としている。
のマススペクトルで観測された標準物質由来のシグナル
の参照方法は、そのシグナルの強度に関連した重み付け
を行なった上で、そのシグナルの位置を複数のマススペ
クトル間で平均し、該平均的位置と標準物質の既知質量
数とからマススペクトルの質量校正を行なわせるように
したことを特徴としている。
のマススペクトルで観測された標準物質由来のシグナル
の参照方法は、そのマススペクトル毎に予め指定した所
定の規則に基づく重み付けを行なった上で、そのシグナ
ルの位置を複数のマススペクトル間で平均し、該平均的
位置と標準物質の既知質量数とからマススペクトルの質
量校正を行なわせるようにしたことを特徴としている。
実施の形態を説明する。図2は、本発明にかかる質量分
析方法の一実施例を示したものである。図中4は、ガス
クロマトグラフ装置、液体クロマトグラフ装置、電気泳
動装置などの試料成分分析装置から時間の関数として分
離・流出した試料成分を質量分析計で質量分析した際の
トータルイオンクロマトグラム(TIC)を表わしたも
のである。これは、試料成分分析装置によって時間的に
分離された試料成分を質量分析計によってトータルイオ
ン量として観測したもので、横軸は試料成分分析装置か
らその試料成分が流出するまでの時間、縦軸はその試料
成分由来のイオン強度を示している。
ペクトルであり、横軸はイオンの質量電荷比(m/
z)、縦軸はイオン強度を表わしている。これらは、試
料成分分析装置から流出する試料成分を質量分析計によ
って繰り返し質量走査することによって得られたマスス
ペクトルを、時間の経過に従って並べたものである。図
中、アスタリスク(*)を付したピークが、添加した内
部標準物質に由来するマススペクトルの信号である。
m/zの値を校正することにより、精密質量測定を行な
うことができる。通常は、内部標準物質に由来する複数
本のマススペクトルの信号を利用して、該信号間を内挿
することによってm/zを正確に校正する。また、校正
後、所定のm/zの値を持ったイオンピークを各マスス
ペクトルから抽出して、時間の経過に従って線で結ぶこ
とにより、目的イオンの精密質量マスクロマトグラムを
得ることができる。
ロマトグラムを生成するために、従来は、個々のマスス
ペクトル内において観測された内部標準物質由来の信号
位置情報のみに基づいてm/zの校正を行なっていた。
それを本発明では、各マススペクトルの質量校正、ある
いは質量校正の補正を行なうときに、そのマススペクト
ルの情報のみでなく、その前後に測定された複数のマス
スペクトルの情報を用いて質量校正、あるいは質量校正
の補正を行なうようにする。
計によって測定されたマススペクトル群の内の第n番目
のマススペクトルの質量校正を行なおうとするときに、
(n−m)番目、(n−m+1)番目、(n−m+2)
番目、・・・、(n−2)番目、(n−1)番目、n番
目、(n+1)番目、(n+2)番目、・・・、(n+m
−2)番目、(n+m−1)番目、(n+m)番目の合
計(2m+1)個の各マススペクトルに含まれている内
部標準物質の情報を用いるようにする。
定されて、バーグラフの形で記録されている場合は、
(2m+1)個の各マススペクトルに含まれている内部
標準物質由来の信号位置を平均し、その平均的位置と内
部標準物質の既知質量数から測定試料の質量数の校正、
あるいは質量数の校正の補正を行なうようにする。な
お、ここで言う信号位置とは、磁場型質量分析計の場合
はスキャンの開始からそのマススペクトルが出現するま
での時間、飛行時間型質量分析計の場合はそのマススペ
クトルピークの飛行時間を意味する。
れず、プロファイルの形で記録されている場合は、(2
m+1)個のマススペクトルを全て加算した後、内部標
準物質由来のピークを判定して位置を求め、その位置情
報と既知質量数とから個々のマススペクトルの質量校
正、あるいは質量校正の補正を行なうようにする。
/N比が多少良くない場合でも、正確な質量校正が可能
となるので、内部標準物質の質量分析計への導入量を減
らすことができ、目的とする分析成分のイオン化が抑制
されたり、あるいは内部標準物質に由来するイオンが質
量分析計の内部で散乱して目的とするイオンの精密質量
マスクロマトグラム上のケミカルノイズとなったりする
ことを、予め回避することが可能となる。
ススペクトル間で平均化するに当たっては、様々な変形
が可能である。例えば、マススペクトルがバーグラフの
形で記録されている場合に、(2m+1)個の各マスス
ペクトルに含まれている各々の内部標準物質由来のピー
クについて、その位置を平均するに際し、単純に加算す
るのではなく、各マススペクトル中の各々の内部標準物
質由来のピークの強度に比例して重み付けを行ない、そ
の後、平均位置を求め、該平均位置と既知質量数とから
質量校正、あるいは質量校正の補正を行なうようにして
も良い。このように重み付けすることにより、S/N比
の良いマススペクトルの情報を重視した形で、m/zの
校正を行なわせることができる。
がプロファイルの形で記録されている場合に、(2m+
1)個の各マススペクトルに含まれている各々の内部標
準物質由来のピークについて、その位置を平均するに際
し、単純に加算するのではなく、予め指定した所定の重
み付け係数に基づいてピークに重み付けを行なった上で
加算しても良い。例えば、m=2の場合には、次のよう
な重み付けを行なう。
マススペクトルにとって時間的により近い位置にあるマ
ススペクトルの中の内部標準物質の位置情報を重視した
形で、内部標準物質由来の信号の平均的位置を計算させ
ることができる。
記録されている場合に、前述した2つの変形例を併用し
た形で、内部標準物質由来のピークに重み付けを行なっ
ても良いことは言うまでもない。
法によれば、精密質量マスクロマトグラムを測定するに
際して、そのマススペクトルの前後に測定した複数枚の
マススペクトルの内部標準物質に関する情報を用いて質
量校正、あるいは質量校正の補正を行なうようにしたの
で、測定時の内部標準物質の導入量を減らしても従来と
同じ精度の質量校正、あるいは質量校正の補正が行な
え、結果的に、内部標準物質に由来するケミカルノイズ
や目的成分のイオン化の抑制現象を低減することができ
るので、実質的な感度の向上が図れる。
ある。
ム、4・・・トータルイオンクロマトグラム(TIC)、
5・・・マススペクトル。
Claims (4)
- 【請求項1】試料中の成分を時間の関数として分離する
成分分析手段と、該分離された試料成分を順次イオン化
して繰り返しそのマススペクトルを測定する質量分析計
とを組み合わせた質量分析方法において、質量数既知の
標準物質を前記試料成分と共にイオン化してマススペク
トルを測定し、標準物質由来のシグナルに基づいて該マ
ススペクトルの質量校正を行なう場合に、時間的に接近
して得られた複数のマススペクトルで観測された標準物
質由来のシグナルを参照して質量校正を行なうようにし
たことを特徴とする質量分析方法。 - 【請求項2】前記時間的に接近して得られた複数のマス
スペクトルで観測された標準物質由来のシグナルの参照
方法は、そのシグナルの位置を複数のマススペクトル間
で平均し、該平均的位置と標準物質の既知質量数とから
マススペクトルの質量校正を行なわせるようにしたこと
を特徴とする請求項1記載の質量分析方法。 - 【請求項3】前記時間的に接近して得られた複数のマス
スペクトルで観測された標準物質由来のシグナルの参照
方法は、そのシグナルの強度に関連した重み付けを行な
った上で、そのシグナルの位置を複数のマススペクトル
間で平均し、該平均的位置と標準物質の既知質量数とか
らマススペクトルの質量校正を行なわせるようにしたこ
とを特徴とする請求項1記載の質量分析方法。 - 【請求項4】前記時間的に接近して得られた複数のマス
スペクトルで観測された標準物質由来のシグナルの参照
方法は、そのマススペクトル毎に予め指定した所定の規
則に基づく重み付けを行なった上で、そのシグナルの位
置を複数のマススペクトル間で平均し、該平均的位置と
標準物質の既知質量数とからマススペクトルの質量校正
を行なわせるようにしたことを特徴とする請求項1記載
の質量分析方法。
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