JP4973628B2 - クロマトグラフ質量分析データ解析方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)や液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)などのクロマトグラフ質量分析装置で取得されたデータに基づいて、試料中の目的化合物を同定するクロマトグラフ質量分析データ解析方法及び装置に関する。
GC/MSやLC/MSなどのクロマトグラフ質量分析装置では、前段のクロマトグラフにより目的試料に含まれる各種成分を時間方向に分離し、その分離された成分を含む試料に対し時間経過に従って所定のm/z値範囲のマススペクトルを繰り返し取得する。そして、各マススペクトルに現れているピークのパターンを調べ、それを同定用データベースに保存されている各種化合物のピークパターンと比較することで、試料に含まれる化合物の同定を行う。
試料に多数の成分が含まれている場合、クロマトグラフで各成分を十分に分離することができず、質量分析装置で複数の成分を同時に分析することにより、マススペクトル上で複数の成分由来のピークが重なってしまうことがある。同定対象の化合物が決まっている場合、ピークが重なる他の成分は夾雑成分であり、同定に支障をきたすノイズである。そこで、従来の化合物同定方法では、目的化合物の保持時間付近で得られたマスクロマトグラムに対しピーク検出を行うとともに波形処理により重なったピークの分離を行い、これに基づき、クロマトグラフから送られてくる移動相(GCの場合にはキャリアガス)や未知化合物の影響を除去したマススペクトルを算出する。その後に、このマススペクトルと目的化合物の標準マススペクトルとのピークパターンの類似度を計算し、類似度が閾値以上である場合に目的化合物が存在すると判定する。
マスクロマトグラム上で重なっているピークの分離手法やマススペクトルの算出手法として、従来より様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1には、時間方向にマススペクトルを積算することでマススペクトルを求める方法が記載されている。非特許文献1には、特定のm/z値におけるマスクロマトグラムのピークをモデルとして他のマスクロマトグラム上でピーク分離を行い、その結果からマススペクトルを算出する方法が記載されている。特許文献2には、マスクロマトグラムに対するデコンボリューションと因子分析とを併用して、マススペクトルとマスクロマトグラムとを推定する方法が記載されている。しかしながら、こうした従来の方法でも、目的化合物の保持時間に近い保持時間を持つ未知の化合物が試料中に存在し、マスクロマトグラムにおいて目的化合物のピークに未知化合物のピークが重なってしまう場合には、十分なピーク分離が行えず、目的化合物の同定が困難になる場合があった。
一方、自動的な化合物同定が困難である場合でも、分析者がマススペクトル、マスクロマトグラム等を目視で観察し目的化合物を同定できることがある。しかしながら、このように分析者が直接実測データを見て目的化合物の有無を判断する場合、複数のマスクロマトグラムを参照しながら目的化合物由来のピークの有無を判断しなければならず、作業が面倒であるとともに判断に熟練、経験が必要であった。
特願平7−101828号公報 特願平7−166799号公報 ステイン(Stein S.E.)、「アン・インテグレーテッド・メソッド・フォー・スペクトラム・イクストラクション・アンド・コンパウンド・アイデンティフィケイション・フロム・ガス・クロマトグラフィ/マス・スペクトロメトリー・データ(An integrated method for spectrum extraction and compound identification from gas chromatography/mass spectrometry data)」、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ソサイエティ・フォー・マス・スペクトロメトリー(Journal of the American Society for Mass Spectrometry)、Vol. 10、No. 8、1999年8月、pp.770-781
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、クロマトグラフでは分離することが困難である目的化合物以外の未知化合物などの夾雑成分の影響を排除し、その目的化合物を高い精度で同定することができる化合物同定のためのクロマトグラフ質量分析データ処理方法及び装置を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた第1発明は、試料中の目的化合物を同定するために、試料中の各成分をクロマトグラフにより時間方向に分離した後に所定の時間間隔で所定のm/z値範囲に亘る質量分析を繰り返し実行するクロマトグラフ質量分析装置により収集された、m/z値、強度、及び時間をディメンジョンとするデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析データ解析方法であって、
目的化合物の既知である標準マススペクトルに現れるピークと、前記目的化合物が出現する時間付近の所定の時間範囲内の各時間における実測マススペクトルに現れる、前記ピークと同じm/z値を持つピークとを対比し、各時間におけるそのピークの強度比を利用して該目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定し、
推定されたクロマトグラムピークの形状に基づいて目的化合物の有無を判定することを特徴としている。
上記課題を解決するためになされた第2発明は、上記第1発明に係るデータ解析方法を具現化したものであり、試料中の目的化合物を同定するために、試料中の各成分をクロマトグラフにより時間方向に分離した後に所定の時間間隔で所定のm/z値範囲に亘る質量分析を繰り返し実行するクロマトグラフ質量分析装置により収集された、m/z値、強度、及び時間をディメンジョンとするデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析データ解析装置であって、
目的化合物の既知である標準マススペクトルに現れるピークと、前記目的化合物が出現する時間付近の所定の時間範囲内の各時間における実測マススペクトルに現れる、前記ピークと同じm/z値を持つピークとを対比し、各時間におけるそのピークの強度比を利用して該目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定するクロマトグラムピーク推定手段を備え、
前記クロマトグラムピーク推定手段により推定されたクロマトグラムピークの形状に基づいて目的化合物の有無を判定するようにしたことを特徴としている。
第2発明に係るデータ解析装置は、コンピュータをハードウエア資源とし、このコンピュータ上で所定のプログラムを実行することにより、上述した及び後述する各種手段が実現されるものとすることができる。
上記「目的化合物」とはユーザが同定したい化合物のことである。また、「同定」とは試料中に目的化合物が存在するか否か、或いは、存在する可能性を調べることをいう。また、上記「目的化合物が出現する時間」とは、その目的化合物の既知の保持時間、又は予備的な測定により求められた目的化合物の検出時間である。
目的化合物は既知であるから、目的化合物の標準マススペクトルや保持時間は予め知られている。例えば、そうした情報を予めデータベースに格納しておき、目的化合物が指定されるとそれに対応した標準マススペクトルと保持時間(又は検出時間)とが得られるようにしておくとよい。保持時間はクロマトグラフの移動相の流速等の分析条件に依存するため、こうした分析条件に依存しない保持指標をデータベースに記憶しておき、その保持指標から保持時間を求めるようにしてもよい。
試料中に目的化合物が存在する場合、特定のm/z値におけるマスクロマトグラム上で保持時間の前後に目的化合物由来のピークが現れる。仮にこの保持時間の前後に他の化合物が存在しないとすると、つまり目的化合物単体のクロマトグラムピークしか存在しないとすると、目的化合物の保持時間付近の各時間におけるマススペクトルは該目的化合物の標準マススペクトルの定数倍で表すことができる。これに対し、目的化合物の保持時間の前後に他の化合物やノイズといった夾雑成分が存在する場合、実測マススペクトルのピーク強度は夾雑成分の分だけ増加する。但し、通常、目的化合物の標準マススペクトルには多数のピークが存在するため、或る時間における実測マススペクトル中の多数のピークの全てに夾雑成分の影響が及ぶことは考えにくい。
したがって、各時間のマススペクトルにおいて、少なくとも一部のm/z値では夾雑成分の影響を受けない、純粋に目的化合物由来のピークが現れていると推測できる。つまり、目的化合物の保持時間(又は検出時間)付近の各時間でそれぞれ、夾雑成分の影響を受けないm/z値におけるピークの強度比を求めるようにすれば、夾雑成分の影響を除いた目的化合物のクロマトグラムピーク形状を推定することができる。
夾雑成分の影響は正である、つまり、夾雑成分が重なっているピークでは夾雑成分がない場合よりも強度が大きい、と考えることができる。そこで、本発明に係るデータ解析方法の一態様として、目的化合物の標準マススペクトルに現れる全て又は一部の複数のピークのm/z値毎に、或る時間における実測マススペクトルに現れる同一m/z値を持つピークとの強度比Ps/Pr(但し、Ps:実測マススペクトル中のピーク強度、Pr:標準マススペクトル中のピーク強度)を求め、複数の強度比Ps/Prの中で最小のものをその時間における強度比として定め、各時間毎に求めた該強度比を時系列順に並べることで、目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定することができる。ここで、「一部の複数のピーク」とは、例えば強度が所定値以上であるピーク、或いは強度が大きい順に選んだ所定個数のピーク、などとすることができる。
また、本発明に係るデータ解析方法の別の態様として、目的化合物の標準マススペクトルに現れる各ピークの強度を定数倍して或る時間の実測マススペクトルに現れる同一m/z値のピークの強度と対比したときに、前者が後者を超えないように定数倍の倍率を定め、各時間毎に求めた該倍率を時系列順に並べることで目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定することもできる。このようにした場合、実測マススペクトルの中で夾雑成分の影響が現れないピークによりその時間における倍率(一種の強度比)が決まるから、上記態様と結果的に同じことである。
通常、上記のように推定したクロマトグラムピークの形状は、目的化合物が存在する場合にはガウス分布形状を示し、目的化合物が存在しない場合には単なるノイズ形状となる。そこで、推定したクロマトグラムピークを表示画面上に描出し、これをユーザ(分析者)が目視で確認して波形形状を判断することにより、目的化合物を同定するようにすることができる。この場合、本発明に係るデータ解析方法及び装置は、ユーザに対し化合物同定に有用な情報を提供し、その同定の最終的な判断はユーザに委ねることになる。
これに対し、目的化合物の同定を自動的に実行するために、第1発明に係るクロマトグラフ質量分析データ解析方法では、
目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定するクロマトグラムピーク推定ステップのほか、
予め定められた関数に基づき目的化合物の計算上のクロマトグラムピークを求める参照クロマトグラムピーク取得ステップと、
前記クロマトグラムピーク推定ステップで推定されたクロマトグラムピークの形状と前記参照クロマトグラムピーク取得ステップで得られたクロマトグラムピークの形状との類似性を判断することにより目的化合物の有無を判定する化合物同定ステップと、
を有するものとすることができる。
また、第2発明に係るクロマトグラフ質量分析データ解析装置では、
予め定められた関数に基づき目的化合物の計算上のクロマトグラムピークを求める参照クロマトグラムピーク取得手段と、
前記クロマトグラムピーク推定手段で推定されたクロマトグラムピークの形状と前記参照クロマトグラムピーク取得ステップで得られたクロマトグラムピークの形状との類似性を判断することにより目的化合物の有無を判定する化合物同定手段と、
をさらに備える構成とすることができる。
例えば参照クロマトグラムピーク取得ステップでは、典型的にはガウス関数を利用して参照ピークを作成すればよいが、三角形状や台形状など他のピーク形状を表す関数を用いてもよい。試料中に目的化合物が存在すれば、推定クロマトグラムピークと参照クロマトグラムピークとの形状の類似性は高い。そこで、化合物同定ステップは、推定クロマトグラムピークと参照クロマトグラムピークとの形状の類似性を例えば相関係数などにより評価し、類似性が高いと判定された場合に目的化合物が試料中に存在すると判断する。
特に、相関係数を用いてクロマトグラムピーク形状の類似性を判断することで、推定した目的化合物のマスクロマトグラムピークにベースラインが乗っている場合であっても、精度を低下させることなく同定を行うことができる。
なお、目的化合物に異性体が存在する場合、そうした異性体は目的化合物と構造が近くマススペクトルも類似しているため、推定したクロマトグラムピークにも異性体由来のピークが重畳している可能性が高い。そこで、異性体の情報(異性体の数や保持時間など)を取得し、これに基づいて参照クロマトグラムピークにも異性体のピークを加えるようにすることが好ましい。これにより、目的化合物に異性体が存在する場合にも、その同定精度を向上させることができる。
第1発明に係るデータ解析方法及び第2発明に係るデータ処理装置によれば、クロマトグラフで十分な成分分離ができずに目的化合物と未知の化合物とが混じった状態で質量分析に供されるような場合でも、得られたデータから未知化合物などの夾雑成分の影響を的確に除去し、目的化合物のクロマトグラムピークの形状を高い精度で推定することができる。それにより、クロマトグラフでの成分分離性が良好でない場合や、或いは、試料に含まれる成分の数が非常に多く各成分を十分に分離することがもともと困難であるような場合であっても、目的化合物単体のクロマトグラムピークを正確に推定し、これに基づいて目的化合物の同定を精度よく行うことができる。
さらにまた、第2発明に係るデータ解析装置において、夾雑成分の影響を排除した目的化合物単体のクロマトグラムのピークを表示することで、従来のように分析者が複数のマスクロマトグラムを参照する必要がなくなり、表示された1つのクロマトグラムのピーク形状を確認するだけで、化合物の同定を行ったり自動的に実行された同定結果の妥当性を判断したりすることができる。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析データ解析方法では、目的化合物の既知である標準マススペクトルを利用して、分析により収集されたデータから目的化合物由来のクロマトグラムピークを推定する。そして、その推定クロマトグラムピークが純粋なクロマトグラムピークを理論的に又は近似的に表す関数に基づく形状に類似していれば試料中に目的化合物が存在すると判断し、類似していなければ目的化合物が存在しないと判断する。
まず、本発明に係るクロマトグラフ質量分析データ解析方法において最も特徴的な、目的化合物単体のクロマトグラムピーク推定の原理を、図2及び図3を参照して説明する。
いま、マススペクトル上の或るm/z値=Mにおけるピークの強度をIstd (M)で表すものとすると、目的化合物の標準マススペクトルMSstdは、強度のベクトルとして次の(1)式のように表すことができる。
MSstd=(Istd(M1 std),Istd(M2 std),…,Istd(Mn std)) …(1)
ここで、nは標準マススペクトルに現れるピークの個数、Mi std(i=1,…,n)は各ピークが存在するm/z値である。また、クロマトグラフ質量分析装置(ここではGC/MSを想定する)により実測された、時間(試料注入時点を基準とした経過時間)tに対するマススペクトル上でm/z値=Mにおけるピークの強度をI(t,M)で表すものとすると、上記標準マススペクトルMSstdに対応する時間tの実測マススペクトルMS(t)も同じくベクトルで表すことができ、次の(2)式で表される。
MS(t)=(Istd(t,M1 std),Istd(t,M2 std),…,Istd(t,Mn std)) …(2)
(2)式で表されるMS(t)が目的化合物のみを質量分析した理想的なマススペクトルであるとすると、つまり後述するような夾雑成分の影響が全くないものとすると、各m/z値におけるピークの強度は標準マススペクトルMSstdの同じm/z値のピーク強度の定数倍となる。そこで、時間tにおけるこの定数倍の倍率を実数係数a(t)として、
MS(t)=a(t)・MSstd …(3)
という関係が成り立つ。この実数係数a(t)を時系列順に並べたものが、目的化合物由来のマスクロマトグラムのピーク形状を表すことになる。
簡略化した例を挙げると、目的化合物の標準マススペクトルが図2(a)に示す状態である場合、目的化合物の保持時間前後の理想的なマスクロマトグラムは、図2(b)に示すようになる。即ち、標準マススペクトル中に現れるm/z値=M1、M2、M3の3本のピークの強度の相対比を維持した状態のマススペクトルが時間軸方向(図2(b)ではt1、t2、t3のみを記載)に並び、m/z値=M1、M2、M3において各時間のマススペクトル上のピーク強度を時間軸方向に繋ぐことにより、マスクロマトグラムのピークが形成される。この場合、m/z値=M1、M2、M3における3つのマスクロマトグラムピークの形状は相似形である。
しかしながら、図2はきわめて理想的な場合であって、現実の実測データには、目的化合物以外に、クロマトグラフから送られて来る移動相の成分、分析条件の変動などに伴うベースラインのドリフト、各種のノイズ、試料中に存在する未知化合物、といった様々な干渉(以下、これらをまとめて「夾雑成分」という)があり得る。目的化合物以外の不所望の夾雑成分由来のマススペクトルをベクトルX(t)=(x1,x2,…,xn)(但し、xi≧0)で表すと、(3)式は次の(4)式のように書き換えられる。
MS(t)=a(t)・MSstd +X(t) …(4)
一般に各種化合物の標準マススペクトルのピーク個数nは或る程度大きな値をとり、その全てのピークに上記のような夾雑成分の影響が及ぶというケースは稀であると考えられる。換言すれば、各時間tにおいてそれぞれ得られる実測マススペクトル上で、n個のピークのm/z値の少なくともいずれか1つについてはX(t)の成分が0であると考えることが妥当である。X(t)の成分は負の値とはならないから、X(t)の成分が0であるm/z値のピークに対する倍率(実数係数)は同じマススペクトル上の他のm/z値のピークに対する倍率よりも小さくなる筈である。こうしたことから、次の(5)式により実数係数a(t)を求めることができる。
a(t)=min{I(t,Mi std)/Istd(Mi std)} …(5)
ここで min[*]は1≦i≦nの範囲における*の最小値である。つまり、a(t)は目的化合物の標準マススペクトルのピーク強度に対する実測マススペクトルのピーク強度の強度比の最小値である。このことから、各時間tの実測マススペクトルの中で一箇所でも夾雑成分が重なっていないピークが存在すれば、それを用いて目的化合物由来のマスクロマトグラムのピーク形状を推定できることが分かる。
目的化合物に未知の化合物が重なっている場合の実測マススペクトルとマスクロマトグラムの一例を図3に示す。図3(a)に示すように、マススペクトル上で目的化合物由来のm/z値=M1、M3のピークに他の化合物のピークが重なり、その分、ピーク強度は大きくなってしまっている。これによって、図3(b)に示すように、目的化合物の保持時間付近の時間範囲のマスクロマトグラムでも、ピークの形状が変形している。この例では、各時間tにおいてm/z値=M2には他の化合物のピークが重なっておらず、m/z値=M2のマスクロマトグラムには他の化合物の重なりの影響を受けない目的化合物単体のピーク形状が現れている。実際には、各時間t毎に異なるm/z値(標準マススペクトルでピークが存在するm/z値)において他の化合物の重なりがなければ、それを選択することにより、他の化合物の重なりの影響を受けない目的化合物単体のクロマトグラムピーク形状を求めることができる。このクロマトグラムは特定のm/z値に対応したものではないから、マスクロマトグラムではなく単なるクロマトグラムである。これを見い出すことが、(5)式の意味するところである。
また、目的化合物の標準マススペクトルに現れる複数のm/z値において実測されたピーク強度を上回らないように標準マススペクトルの各ピークの強度を定数倍し、その倍率を各時間t毎に求めても、(5)式と同じように、他の化合物の重なりの影響を受けない目的化合物単体のピーク形状を求めることができる。
上記手法によれば、目的化合物と他の化合物等の夾雑成分が重なってしまった場合でも、その夾雑成分の影響を適切に除去して、目的化合物単体のクロマトグラムのピーク形状を精度よく推定することができる。
次に、上記のクロマトグラムピーク推定原理を利用した本発明に係るデータ解析方法の一例である化合物同定アルゴリズムを、図4により説明する。図4は本実施例による化合物同定アルゴリズムを後述するようなデータ処理装置で実行する際のフローチャートである。
同定対象の目的化合物が既知であることが前提である。したがって、目的化合物の保持時間Tret、つまりクロマトグラム上でピークが出現する時間は既知であり、これが与えられるものとする。この保持時間Tretに基づいて、クロマトグラムピーク形状の推定を行う時間範囲[Ts, Te]をデータ処理条件の1つとして決定する(ステップS1)。例えば、予め決められた又はユーザにより入力設定された時間幅ΔTを用い、Ts=Tret−ΔT、Te=Tret+ΔT、を計算することで時間範囲[Ts, Te]を決めることができる。
次に、クロマトグラフ質量分析装置で収集された実測データをデータ処理装置に読み込む(ステップS2)。この実測データは、m/z値、強度、時間の3つのディメンジョンを有するものである。
次いで、読み込んだ実測データと目的化合物の標準マススペクトルとを用いて、上記時間範囲[Ts, Te]内の各時間tに対し、(5)式により実数係数a(t)を求めることで目的化合物のクロマトグラムのピーク形状を推定する(ステップS3)。求められた実数係数a(t)により形成される推定クロマトグラムピークの一例を図5(a)に示す。
このように推定されたクロマトグラムピークの形状は、試料中にその目的化合物が存在すれば山型形状を呈し、目的化合物が存在しなければノイズ状となる。そこで、この推定クロマトグラムピークa(t)と比較するために、理論的なピーク形状をモデルピークとして想定し、このモデルピークを表す関数g(t)を参照クロマトグラムピークとして計算する(ステップS4)。理想的なピーク形状が山型であることを考慮すれば、代表的な関数g(t)として次のガウス関数を用いることが適当であることが分かる。
g(t)= a(Tret)・exp{−(t−Tret)2/2σ2 } …(6)
ここでσは標準偏差であり、これによりピーク幅が決まる。ピーク幅はピーク検出の結果を用いて適宜求められ、これからσを設定することができる。またピーク検出を行わない場合には、定数や時間の関数としてピーク幅を与えてもよい(何故なら、ピーク幅は時間の経過に伴って広がってゆくため)。
図5(a)に示した推定クロマトグラムピークに対し、(6)式のガウス関数を用いて作成した理論的な参照クロマトグラムピークの形状を図5(b)に示す。なお、関数g(t)としてガウス関数を用いることは必須ではなく、より近似的に、三角形状、台形状などを表す関数でもよい。また、時間的に前後対称の波形ではなく、クロマトグラムピーク波形のリーディングやテーリングの一方又は両方を考慮した関数としてもよい。どのような関数を利用するのかを、目的化合物に応じて或いは分析条件等に応じて変更することも考えられる。
続いて、目的化合物に異性体が存在するか否かを判定する(ステップS5)。目的化合物に異性体が存在する場合、異性体同士のマススペクトルは類似しているため、ステップS3で求まる推定クロマトグラムにも異性体由来のピークが現れていると考えられる。そこで、目的化合物に異性体が存在する場合には、ステップS4で計算した関数g(t)に基づくクロマトグラムピークに異性体のピークに相当する波形(例えばガウス波形)を加算する(ステップS6)。目的化合物に異性体が存在しなければ(或いは異性体に関する情報が与えられていなければ)、ステップS6をパスしてステップS7へと進む。
例えば、存在する異性体の数をm、i番目の異性体のクロマトグラムピークの保持時間Tret(i)が与えられている場合、次の(7)式によりg(t)を更新する。
g(t)←g(t)+Σa(Tret(i))・exp{−(t−Tret)2/2σ2 } …(7)
ここで、Σはi=1からmまでの総和である。なお、目的化合物に異性体が存在するか否か、及び存在する場合のm、Tret(i)といった情報は、目的化合物の保持時間などとともに事前に与えられるものとする。目的化合物に異性体が存在する場合の推定クロマトグラムピークa(t)と比較のための参照クロマトグラムピークg(t)の一例を図6に示す。
そのあと、ステップS3、S4(場合によってはS6も)で求めたa(t)とg(t)との類似性を評価する指標として両者の相関係数を周知の手法により計算する(ステップS7)。そして、求めた相関係数が予め定めた閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上であれば試料中に目的化合物が存在すると判断する(ステップS8)。こうして、試料中の目的化合物の有無を高い精度で判定することができる。なお、相関係数以外の別の類似度を用いてもよい。
ステップS8において、クロマトグラムピーク形状の類似性だけでなく、目的化合物の標準マススペクトルと実測マススペクトルとの類似度(相関係数)を計算し、これを利用することにより、目的化合物の同定の確度を一層高めることができる。
また、ステップS1では目的化合物の既知の保持時間を元にクロマトグラムピーク推定の時間範囲を設定していたが、例えば目的化合物が含まれるテスト試料を予備的に測定し、この際に得られる結果(目的化合物のピーク検出時間)を元にクロマトグラムピーク推定の時間範囲を決めてもよい。これは、分析条件の相違などにより、特に目的化合物が出現する時間が保持時間からずれる可能性が高い場合に有用である。
また目的化合物に関する異性体情報が与えられない場合にはステップS5、S6を省くか、又は上記のような予備測定の際に異性体に対するピーク検出を行って異性体情報を補うようにしてもよい。
次に、上述の化合物同定アルゴリズムを実施するデータ処理装置を備えたGC/MSの一実施例について、図1により説明する。
このGC/MSは、試料気化室10、インジェクタ11、カラム12を含むGC部1と、イオン源20、四重極質量フィルタ21、イオン検出器22を含むMS部2と、を備え、イオン検出器22による検出信号がA/D変換器30でデジタルデータに変換されてデータ処理部31に入力される。
GC部1において、ヘリウム等のキャリアガスが一定流量で試料気化室10を経てカラム12に供給される。図示しない制御部の指示により所定のタイミングでインジェクタ11から試料気化室10に微量の試料が注入されると、該試料は短時間で気化し、キャリアガス流に乗ってカラム12に導入される。そして、カラム12を通過する間に、試料に含まれる各種成分は分離され、時間的にずれてカラム12の出口から流出する。但し、カラム12の分離能が高い場合であっても、残留農薬検査などに要求される数百種類もの多成分同時分析においては、全ての成分を十分に分離することは困難であり、上述したようにカラム12の出口において目的化合物に別の化合物が重なることはよくある。
GC部1のカラム12から流出する試料ガスはMS部2においてイオン源20に導入され、試料ガスに含まれる成分分子は例えば電子イオン化法や化学イオン化法などによりイオン化される。発生したイオンは四重極質量フィルタ21に導入され、四重極質量フィルタ21に印加される電圧に応じて特定のm/z値を持つイオンのみが選択的に通過してイオン検出器22に到達する。図示しない四重極駆動部は四重極質量フィルタ21への印加電圧を所定範囲で繰り返し走査することで、質量走査(m/z値の走査)を行う。これにより、所定のm/z値範囲のスキャン測定が実行され、データ処理部31には、m/z値、強度、時間をディメンジョンとするデータが入力される。
データ処理部31はGC/MS分析の実施に伴って入力されるデータをデータ記憶部33に格納する。そして、分析終了後に、入力部35を介してデータ解析処理(目的化合物の同定処理)の実行の指示を受けると、化合物同定部32がデータ記憶部33からデータを読み込むとともに、化合物データベース34から目的化合物に関する各種情報(保持時間、異性体情報など)を読み込み、上述したような化合物同定アルゴリズムを実行して試料中の目的化合物を同定する。その同定結果は表示部36に表示される。また、図5(a)に例示したような推定クロマトグラムピーク波形を表示部36の画面上に表示し、ユーザがこれを目視で確認できるようにすることにより、ユーザが自らの判断で目的化合物を同定できるようにすることもできる。
なお、データ処理部31(及び図示しない制御部の機能)の実体はパーソナルコンピュータであり、そのコンピュータに予めインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより、化合物同定部32などの機能を実現するものとすることができる。
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本願発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析データ解析装置を適用したGC/MSの一実施例の全体構成図。 目的化合物の標準マススペクトルと理想的なマスクロマトグラムの一例を示す図。 目的化合物に未知の化合物が重なってしまった場合の実測マススペクトルとマスクロマトグラムの一例を示す図。 本実施例による化合物同定処理のフローチャート。 実際に得られる推定クロマトグラムピークと参照クロマトグラムピークの一例を示す図。 異性体が存在する場合に実際に得られる推定クロマトグラムピークと参照クロマトグラムピークの一例を示す図。
符号の説明
1…GC部
10…試料気化室
11…インジェクタ
12…カラム
2…MS部
20…イオン源
21…四重極質量フィルタ
22…イオン検出器
30…A/D変換器
31…データ処理部
32…化合物同定部
33…データ記憶部
34…化合物データベース
35…入力部
36…表示部

Claims (9)

  1. 試料中の目的化合物を同定するために、試料中の各成分をクロマトグラフにより時間方向に分離した後に所定の時間間隔で所定のm/z値範囲に亘る質量分析を繰り返し実行するクロマトグラフ質量分析装置により収集された、m/z値、強度、及び時間をディメンジョンとするデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析データ解析方法であって、
    目的化合物の既知である標準マススペクトルに現れるピークと、前記目的化合物が出現する時間付近の所定の時間範囲内の各時間における実測マススペクトルに現れる、前記ピークと同じm/z値を持つピークとを対比し、各時間におけるそのピークの強度比を利用して該目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定し、
    推定されたクロマトグラムピークの形状に基づいて目的化合物の有無を判定することを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析方法。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析方法であって、
    目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定するクロマトグラムピーク推定ステップのほか、
    予め定められた関数に基づき目的化合物の計算上のクロマトグラムピークを求める参照クロマトグラムピーク取得ステップと、
    前記クロマトグラムピーク推定ステップで推定されたクロマトグラムピークの形状と前記参照クロマトグラムピーク取得ステップで得られたクロマトグラムピークの形状との類似性を判断することにより目的化合物の有無を判定する化合物同定ステップと、
    を有することを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析方法。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析方法であって、
    目的化合物の標準マススペクトルに現れる全て又は一部の複数のピークのm/z値毎に、或る時間における実測マススペクトルに現れる同一m/z値を持つピークとの強度比Ps/Pr(但し、Ps:実測マススペクトル中のピーク強度、Pr:標準マススペクトル中のピーク強度)を求め、複数の強度比Ps/Prの中で最小のものをその時間における強度比として定め、各時間毎に求めた該強度比を時系列順に並べることで目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定することを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析方法。
  4. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析方法であって、
    目的化合物の標準マススペクトルに現れる各ピークの強度を定数倍して或る時間の実測マススペクトルに現れる同一m/z値のピークの強度と対比したときに、前者が後者を超えないように定数倍の倍率を定め、各時間毎に求めた該倍率を時系列順に並べることで目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定することを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析方法。
  5. 試料中の目的化合物を同定するために、試料中の各成分をクロマトグラフにより時間方向に分離した後に所定の時間間隔で所定のm/z値範囲に亘る質量分析を繰り返し実行するクロマトグラフ質量分析装置により収集された、m/z値、強度、及び時間をディメンジョンとするデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析データ解析装置であって、
    目的化合物の既知である標準マススペクトルに現れるピークと、前記目的化合物が出現する時間付近の所定の時間範囲内の各時間における実測マススペクトルに現れる、前記ピークと同じm/z値を持つピークとを対比し、各時間におけるそのピークの強度比を利用して該目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定するクロマトグラムピーク推定手段を備え、
    前記クロマトグラムピーク推定手段により推定されたクロマトグラムピークの形状に基づいて目的化合物の有無を判定するようにしたことを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析装置。
  6. 請求項5に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析装置であって、
    予め定められた関数に基づき目的化合物の計算上のクロマトグラムピークを求める参照クロマトグラムピーク取得手段と、
    前記クロマトグラムピーク推定手段で推定されたクロマトグラムピークの形状と前記参照クロマトグラムピーク取得ステップで得られたクロマトグラムピークの形状との類似性を判断することにより目的化合物の有無を判定する化合物同定手段と、
    をさらに備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析装置。
  7. 請求項5又は6に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析装置であって、
    前記クロマトグラムピーク推定手段は、目的化合物の標準マススペクトルに現れる全て又は一部の複数のピークのm/z値毎に、或る時間における実測マススペクトルに現れる同一m/z値を持つピークとの強度比Ps/Pr(但し、Ps:実測マススペクトル中のピーク強度、Pr:標準マススペクトル中のピーク強度)を求め、複数の強度比Ps/Prの中で最小のものをその時間における強度比として定め、各時間毎に求めた該強度比を時系列順に並べることで目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定することを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析装置。
  8. 請求項5又は6に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析装置であって、
    前記クロマトグラムピーク推定手段は、目的化合物の標準マススペクトルに現れる各ピークの強度を定数倍して或る時間の実測マススペクトルに現れる同一m/z値のピークの強度と対比したときに、前者が後者を超えないように定数倍の倍率を定め、各時間毎に求めた該倍率を時系列順に並べることで目的化合物のクロマトグラムピークの形状を推定することを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析装置。
  9. 請求項5に記載のクロマトグラフ質量分析データ解析装置であって、
    前記クロマトグラムピーク推定手段により推定された目的化合物のクロマトグラムピークを表示画面上に描出する表示手段をさらに備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析データ解析装置。
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