JPWO2015092862A1 - 質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents

質量分析装置及び質量分析方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015092862A1
JPWO2015092862A1 JP2015553258A JP2015553258A JPWO2015092862A1 JP WO2015092862 A1 JPWO2015092862 A1 JP WO2015092862A1 JP 2015553258 A JP2015553258 A JP 2015553258A JP 2015553258 A JP2015553258 A JP 2015553258A JP WO2015092862 A1 JPWO2015092862 A1 JP WO2015092862A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
voltage
ions
intermediate vacuum
vacuum chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015553258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6202103B2 (ja
Inventor
夏世 朝野
夏世 朝野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2015092862A1 publication Critical patent/JPWO2015092862A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6202103B2 publication Critical patent/JP6202103B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/004Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn
    • H01J49/0045Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/004Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn
    • H01J49/0045Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction
    • H01J49/005Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction by collision with gas, e.g. by introducing gas or by accelerating ions with an electric field
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N30/72Mass spectrometers
    • G01N30/7233Mass spectrometers interfaced to liquid or supercritical fluid chromatograph
    • G01N30/724Nebulising, aerosol formation or ionisation
    • G01N30/7266Nebulising, aerosol formation or ionisation by electric field, e.g. electrospray
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0031Step by step routines describing the use of the apparatus
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/062Ion guides
    • H01J49/063Multipole ion guides, e.g. quadrupoles, hexapoles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/165Electrospray ionisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

比較的真空度の低い第1中間真空室(212)内で生じるイオンの解離の度合いは、エネルギ依存性を有するとともにイオンの大きさ等にも依存する。そこで、試料中の目的化合物由来のイオンはあまり解離せず、該目的化合物を観測する際にノイズとなる夾雑物由来のイオンの解離は促進されるような直流電場を第1中間真空室(212)内に形成するべく、イオンガイド(24)に所定の最適直流バイアス電圧を印加する。最適直流バイアス電圧は、直流バイアス電圧を変化させた条件の下で収集したデータに基づく抽出イオンクロマトグラムを用いてSN比を評価することで、予め求めておく。これにより、目的化合物の信号強度にのみ着目していた従来の装置に比べて、定量の精度や感度が一層向上する。

Description

本発明は質量分析装置及び質量分析方法に関し、特に、液体クロマトグラフ(LC)と質量分析装置とを組み合わせた液体クロマトグラフ質量分析装置に好適な質量分析装置及び質量分析方法に関する。なお、ここでいう質量分析装置は、タンデム四重極型質量分析装置などのMS/MS分析が可能な質量分析装置を含む。
一般に、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)を用いて試料中の目的成分の定量分析を行う際には、その目的成分が溶出する保持時間の近傍で該目的成分由来のイオンに対応した質量電荷比を対象とする選択イオンモニタリング(SIM)測定や多重反応イオンモニタリング(MRM)測定を実施し、その測定により得られたデータに基づいて抽出イオンクロマトグラムを作成する。そして、その抽出イオンクロマトグラムにおいて目的成分に対応するピークの面積値を求め、予め求めておいた検量線を利用してそのピーク面積値から目的成分の量や濃度を算出する。
液体クロマトグラフ質量分析装置に用いられる大気圧イオン化質量分析装置では、イオンレンズやイオンガイドなどと呼ばれるイオン輸送光学系への印加電圧、大気圧イオン源におけるイオン化プローブやイオンを輸送するための加熱キャピラリなどの温度、といった様々な制御パラメータによって、イオンの生成効率や通過効率が変化する。また、最良のイオン生成効率、イオン通過効率を達成し得る制御パラメータの最適値は、測定対象である目的成分由来のイオンの質量電荷比にも依存する。そのため、目的成分の定量精度を高めたり定量下限値を改善したり(該下限値を下げたり)するには、測定実行時に、測定対象である目的成分に応じて上記のような様々な制御パラメータをそれぞれ適切な値に設定する必要がある。そこで、従来の質量分析装置には、目的成分毎に最適な制御パラメータ値を予め(つまりは目的試料の測定に先立って)自動的に探索する自動チューニングの機能が備えられている。
特許文献1、2などに記載されているように、一般に、自動チューニングは、制御パラメータ値を変化させながら試料中の目的成分を実際に測定し、それによって得られた測定結果を自動的に処理することで実施される。試料として目的成分のみを含む試料が用いられる場合には、通常、インフュージョン法又はフローインジェクション法により質量分析装置に試料が導入される。また、目的成分以外に複数の成分を含む試料が用いられる場合には、カラムで分離された各成分を含む試料が質量分析装置に導入される。
自動チューニングを行う理由は、専ら微量成分を感度よく検出することにあるため、従来一般に、目的成分由来のイオンの信号強度が最大となるように各部の制御パラメータ値が調整されている。しかしながら、こうして設定された制御パラメータの下で測定が実行されても、必ずしも定量精度、定量感度が最良になるとは限らない。何故なら、目的成分が溶出する時間範囲で夾雑成分などに起因するバックグラウンドノイズが増加していると、目的成分由来のイオンの信号強度が最大であったとしてもSN比が最良とはならないことがあり、その場合、抽出イオンクロマトグラムにおけるピーク面積値の精度は下がってしまうからである。
国際公開第2012/108034号 国際公開第2012/124020号
即ち、液体クロマトグラフ質量分析装置における従来の自動チューニングでは、必ずしも定量精度、定量感度が最良になるように制御パラメータが設定されているとはいえず、その点で定量精度や定量感度を改善する余地がある。本発明はこうした課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、質量分析装置における制御パラメータを目的成分毎により的確に設定することで、定量精度や定量下限値などを従来よりも向上させることができる質量分析装置及び質量分析方法を提供することにある。
エレクトロスプレーイオン源等を用いた大気圧イオン化質量分析装置では、四重極マスフィルタ等の質量分析部が配置された分析室を高い真空雰囲気に維持するために、いわゆる多段差動排気系の構成が採られることが多い。こうした質量分析装置では、イオン化室の次の段の中間真空室内の残留ガス濃度が高いため、或る程度のエネルギを持つイオンは中間真空室内で残留ガスに衝突して衝突誘起解離による解離を生じ易い。この解離の起こり易さは、イオンが持つエネルギだけでなく、残留ガスとの衝突のし易さにも依存する。そのため、例えば質量電荷比がほぼ同一であっても、組成や立体構造が相違するためにイオンの大きさが異なると、衝突誘起解離が起こる確率が変わる。異なる種類のイオン同士の質量電荷比が同一又は近い場合、質量分析部ではそれらイオンを分離することはできないが、第1中間真空室内でそれらイオンの一方の種類を解離させれば、質量分析部においてそれらイオンを分離することが可能となる。
上述したように衝突誘起解離を生じさせるには、イオンに或る程度の大きさ以上のエネルギを与えて残留ガスに衝突させる必要がある。そのため、第1中間真空室内における直流電場の強さを調整すると、大きさ等が相違する異なる種類のイオンに対する衝突誘起解離の起こり易さを調整することができる。本発明に係る質量分析装置及び質量分析方法は、こうした原理を利用して、観測したい目的成分由来のイオンについてはできるだけ解離させることなく第1中間真空室を通過させ、一方、目的成分を観測する上でノイズとなり得る夾雑成分由来のイオンについてはできるだけ解離させるように、第1中間真空室内の直流電場を設定するようにしている。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置は、大気圧雰囲気中で試料中の成分をイオン化するイオン化室と、イオンを質量電荷比に応じて分離し検出する質量分析部が配置された高真空雰囲気である分析室と、前記イオン化室と前記分析室との間に設けられた1又は複数の中間真空室と、前記イオン化室から次の第1中間真空室内へイオンを導入する開口が設けられたイオン導入部と、該第1中間真空室から次の段の中間真空室又は前記分析室へとイオンを導入する開口が設けられたイオン輸送部と、を具備する質量分析装置において、
a)前記第1中間真空室の内部に配置され、前記イオン導入部を通して該第1中間真空室へ導入されたイオンを高周波電場によって収束させつつ前記イオン輸送部を通して後段へと輸送するイオンガイドと、
b)前記イオン導入部、前記イオンガイド、前記イオン輸送部の少なくともいずれか一つに、前記第1中間真空室内における、目的成分由来のイオンに対する衝突誘起解離の効率よりも、少なくとも一部の夾雑成分由来のイオンに対する衝突誘起解離の効率が高くなるような直流電場を該第1中間真空室内に形成するべく設定された直流電圧を印加する電圧発生部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析方法は、大気圧雰囲気中で試料中の成分をイオン化するイオン化室と、イオンを質量電荷比に応じて分離し検出する質量分析部が配置された高真空雰囲気である分析室と、前記イオン化室と前記分析室との間に設けられた1又は複数の中間真空室と、前記イオン化室から次の第1中間真空室内へイオンを導入する開口が設けられたイオン導入部と、該第1中間真空室から次の段の中間真空室又は前記分析室へとイオンを導入する開口が設けられたイオン輸送部と、前記第1中間真空室の内部に配置され、前記イオン導入部を通して該第1中間真空室へ導入されたイオンを高周波電場によって収束させつつ前記イオン輸送部を通して後段へと輸送するイオンガイドと、を具備する質量分析装置を用いた質量分析方法であって、
前記第1中間真空室内で衝突誘起解離によるイオンの解離が生じるような直流電場を該第1中間真空室内に形成するべく、前記イオン導入部、前記イオンガイド、前記イオン輸送部の少なくともいずれか一つに、所定の直流電圧を印加し、成分の相違による前記衝突誘起解離の起こり易さの相違を利用して、目的成分由来のイオンに対する検出信号のSN比が高くなるように前記直流電圧の値を設定するようにしたことを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置は、例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法、大気圧化学イオン化(APCI)法、大気圧光イオン化(APPI)法などの大気圧イオン化法を用いた大気圧イオン化質量分析装置である。また、イオン導入部やイオン輸送部は、イオンが通過し得る開口を有する筒状のパイプやスキマーなどである。また、イオンガイドは従来知られている様々な構造とすることができる。
本発明に係る質量分析装置及び質量分析方法では、第1中間真空室内に、イオン導入部、イオンガイド、イオン輸送部が配置されており、それらに印加される直流電圧によって第1中間真空室内にイオンを加速したり減速したりする直流電場が形成される。そこで、少なくともその一つに印加する直流電圧の値を適宜に調整することで、目的成分由来のイオンに対する衝突誘起解離の効率よりも、少なくとも一部の夾雑成分由来のイオンに対する衝突誘起解離の効率が高くなるような直流電場を形成する。ここでいう「少なくとも一部の夾雑成分由来のイオン」とは、後段の質量分析部では目的成分由来のイオンとの分離ができない又は難しい夾雑成分由来のイオンである。これにより、目的成分を観測する上でノイズとなり得る夾雑成分由来のイオンは、第1中間真空室内での衝突誘起解離によって質量電荷比がより小さなイオンに分解されるので、質量分析部において除去される。その結果、目的成分由来のイオンが高い純度でイオン検出器に到達するので、検出信号のSN比は良好になる。
なお、第1中間真空室内に形成される一部の直流電場の強さが変わると、異なる種類のイオンに対する衝突誘起解離の起こり易さがそれぞれ変化するから、上記電圧発生部は、イオン導入部、イオンガイド、及びイオン輸送部のうちの二つに印加する直流電圧を固定し、他の一つに印加する直流電圧を変化させることで、第1中間真空室内における衝突誘起解離の起こり易さを調整するようにすることができる。もちろん、イオン導入部、イオンガイド、及びイオン輸送部のうちの二つ以上に印加する直流電圧を変化させることで、第1中間真空室内における衝突誘起解離の起こり易さを調整するようにしてもよい。
また本発明に係る質量分析装置において、好ましくは、目的成分由来のイオンの検出信号のSN比が最良又はそれに近い状態となるような上記直流電圧の値を最適電圧として探索する最適電圧探索部をさらに備える構成とするとよい。
また、この構成において、上記最適電圧探索部は、
上記直流電圧の値が段階的に変化するように上記電圧発生部を制御する探索時制御部と、
該探索時制御部による制御の下で上記直流電圧の値が段階的に変化する毎に、目的成分由来のイオンに対する検出信号を取得し、異なる直流電圧の値の下で得られた検出信号のSN比を算出して比較するSN比比較部と、
を含む構成とするとよい。
さらに、本発明に係る質量分析装置において、
上記最適電圧探索部により得られた最適電圧に関する情報を記憶する記憶部と、
試料中の目的成分に対する測定実行時に、上記記憶部に記憶されている情報に基づいて、イオン導入部、イオンガイド、イオン輸送部の少なくともいずれか一つに最適電圧が印加されるように上記電圧発生部を制御する測定時制御部と、
をさらに備える構成とするとよい。
なお、目的成分由来のイオンに対する検出信号のSN比は、従来から知られている手法により算出すればよい。例えば目的成分由来のイオンの検出信号の時間的な変化を示すクロマトグラムを作成することができる場合には、そのクロマトグラムに現れる目的成分に対応するピークのピークトップの信号強度を「S」、そのピーク期間(ピーク開始点からピーク終了点までの時間範囲)以外の時間範囲における信号強度の平均値などを「N」として、SN比を求めればよい。
例えば液体クロマトグラフ質量分析装置では、クロマトグラフ分離条件等によって目的成分や夾雑成分の溶出状態が変わるが、上記構成によれば、測定実行時のクロマトグラフ分離条件等に応じた適切な直流電圧値を求めることができるので、目的成分に対するSN比を的確に最良にすることができる。
また本発明に係る質量分析装置では、
上記記憶部は、成分毎にそれぞれ最適電圧に関する情報を記憶するものであり、
上記測定時制御部は、測定対象である成分の種類に応じた最適電圧に関する情報を上記記憶部から取得し、該情報に基づいて上記電圧発生部を制御する構成とすることが好ましい。
本発明に係る質量分析装置が、クロマトグラフのカラムで成分分離された試料を上記イオン化室に配置されたイオン化プローブに導入して質量分析する質量分析装置である場合には、
上記測定時制御部は、測定実行中に、導入される試料に含まれる成分毎に、上記記憶部に記憶されている情報に基づいて最適電圧を変化させるように上記電圧発生部を制御する構成とするとよい。
この構成によれば、複数の目的成分が試料に含まれる場合でも、目的成分毎にそれぞれ検出信号のSN比が最良になる。それによって、いずれの成分についても高い精度及び感度の定量を行うことができる。
本発明に係る質量分析装置及び質量分析方法によれば、試料中の目的成分に対する検出信号のSN比が向上する。それにより、例えば目的成分に対応するクロマトグラムに基づく定量分析の精度や感度を向上させることができ、従来は検出することができなかった微量成分の定量も可能となる。
本発明の一実施例であるLC−MSの要部の構成図。 本実施例のLC−MSにおける第1中間真空室内の要素に関連する構成図。 本実施例のLC−MSにおけるイオンガイドの最適直流バイアス電圧探索のためのチューニング動作のフローチャート。 図3に示したチューニング動作を説明するための概念図。 イオンガイドの直流バイアス電圧最適化を実行した場合の効果を説明するためのクロマトグラムを示す図。
以下、本発明に係る質量分析装置を含む液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)の一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のLC−MSの要部の構成図である。
液体クロマトグラフ部1は、移動相容器11、ポンプ12、インジェクタ13、及び、カラム14、を備える。この液体クロマトグラフ部1において、ポンプ12は、移動相容器11から移動相を吸引して一定流量でカラム14に送給する。インジェクタ13は、所定のタイミングで一定量の試料を移動相中に注入する。注入された試料は、移動相の流れに乗ってカラム14に導入され、カラム14を通過する間に、試料に含まれる複数の化合物(試料成分)は分離され、時間的にずれてカラム14の出口から溶出する。
液体クロマトグラフ部1の検出器として機能する質量分析部2は、略大気圧であるイオン化室211と図示しない高性能の真空ポンプにより真空排気される高真空の分析室214との間に、段階的に真空度が高められた第1、第2中間真空室212、213を備えた多段差動排気系の構成である。イオン化室211には、試料溶液に電荷を付与しながら噴霧するESI用イオン化プローブ22が設置され、イオン化室21と次段の第1中間真空室212との間は細径の加熱キャピラリ(本発明におけるイオン導入部に相当)23を通して連通している。第1中間真空室212と第2中間真空室213との間は頂部に小孔を有するスキマー(本発明におけるイオン輸送部に相当)25で隔てられ、第1中間真空室212と第2中間真空室213にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へ輸送するためのイオンガイド24、26が配置されている。分析室214には、質量電荷比に応じてイオンを分離する四重極マスフィルタ27とイオン検出器28が配置されている。
質量分析部2においては、カラム14の出口から溶出する溶出液がESI用イオン化プローブ22に到達すると、該プローブ25先端から電荷が付与された試料液が噴霧される。噴霧された帯電液滴は静電気力により分裂しながら微細化され、その過程で試料中の化合物由来のイオンが生成される。このイオンは加熱キャピラリ23を通して第1中間真空室212に送られ、イオンガイド24で収束されてスキマー25頂部の小孔を経て第2中間真空室213に送られる。このイオンはイオンガイド26により分析室214に送られ、四重極マスフィルタ27の長軸方向の空間に導入される。なお、イオン化室211においては、ESIに限らず、APCIやAPPIなどの他の大気圧イオン化法によりイオン化を行ってもよい。
四重極マスフィルタ27を構成する4本のロッド電極には電圧発生部29からそれぞれ所定の電圧が印加され、その電圧に応じた特定の質量電荷比m/zを有するイオンのみが四重極マスフィルタ27を通過しイオン検出器28に到達する。イオン検出器28は到達したイオン量に応じた検出信号を出力する。この検出信号はアナログデジタル変換器(ADC)30においてデジタルデータに変換され、データ処理部4に入力される。
データ処理部3はチューニング時データ処理部31を機能ブロックとして含み、チューニング時データ処理部31は、クロマトグラム作成部32、ピーク検出部33、ピークSN比計算部34、最適バイアス電圧選定部35、及び制御パラメータ記憶部36、を機能ブロックとして含む。各部の動作をそれぞれ制御する分析制御部4は、チューニング時制御部41を機能ブロックとして含む。中央制御部5には入力部6及び表示部7が付設され、中央制御部5は入出力のインタフェイスやシステム全体の統括的な制御を行う。
なお、中央制御部5、分析制御部4、データ処理部3などの機能の少なくとも一部は、汎用のパーソナルコンピュータをハードウエア資源とし該コンピュータに予めインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアをコンピュータ上で実行することにより実現されるようにすることができる。
図2は第1中間真空室212内に配置された構成要素に関連する概略構成図である。
イオンガイド24は、イオン光軸C方向に配設された複数の電極板からなる仮想ロッド電極を、イオン光軸Cの周りに4本配置した構成である。イオン光軸Cの周りに隣接する2本の仮想ロッド電極にそれぞれ含まれる電極板には、振幅及び周波数が同一で位相が180°異なる高周波電圧が印加される。これにより、4本の仮想ロッド電極で囲まれる空間には四重極高周波電場が形成され、この電場によってイオンをイオン光軸C近傍に収束させつつ輸送することができる。これは、特許文献1、2等にも開示されている、従来の質量分析装置におけるイオンガイドの一般的な機能である。
本実施例のLC−MSでは、この高周波電圧とは別に、電圧発生部29に含まれる第2直流電圧源292からイオンガイド24を構成する電極板に所定の直流バイアス電圧Vqbが印加される。また、加熱キャピラリ23には第1直流電圧源291から、スキマー25には第3直流電圧源293から、それぞれ所定の直流バイアス電圧Vcb、Vsbが印加される。加熱キャピラリ23、イオンガイド24、及びスキマー25にそれぞれ印加される直流バイアス電圧Vcb、Vqb、Vsbによって、第1中間真空室212内には直流電場が形成される。直流バイアス電圧Vcb、Vqb、Vsbの電圧値に応じて直流電場は、イオンを加速する加速電場又はイオンを減速させる減速電場となる。
第1中間真空室212は真空排気されているものの、加熱キャピラリ23を通してイオン化室211からガス(空気)が連続的に流れ込むため、真空度は低く、多くの残留ガスが存在する。第1中間真空室212内に導入されたイオンが或る程度のエネルギを持って残留ガスに衝突すると、衝突誘起解離(CID)と同様の作用によってイオンが開裂を生じる。これは、イオン源内部での発生ではないものの、インソース分解といわれる現象である。インソース分解の起こり易さはイオンが持つエネルギに依存するため、第1中間真空室212内に形成される直流電場の強さを変化させるとインソース分解の効率が変化する。また、インソース分解の起こり易さはイオンの質量電荷比や大きさなどにも依存する。そのため、例えば、或る決まった直流バイアス電圧Vcb、Vqb、Vsbを加熱キャピラリ23、イオンガイド24、及びスキマー25にそれぞれ印加したときに、或る化合物由来のイオンはインソース分解が起こり易いのに対し、別の化合物由来のイオンはインソース分解が起こりにくいということがある。
そこで、本実施例のLC−MSでは、このようにインソース分解の起こり易さの相違を利用して、観測したい目的化合物由来のイオンはあまり解離することなく、その目的化合物由来のイオンと質量電荷比が近く(又は同一で)四重極マスフィルタ27によっては十分に分離できないような別の化合物(夾雑物)由来のイオンの解離を促進することにより、その別の化合物に起因するノイズを低減する。
次に、本実施例のLC−MSにおける、イオンガイドの最適直流バイアス電圧探索のためのチューニングを行う際のデータ処理及び制御動作について、図3、図4を参照して説明する。図3は本実施例のLC−MSにおけるチューニング動作のフローチャート、図4はこのチューニング動作を説明するための概念図である。
なお、この例では、チューニングの際に目的化合物を複数含む試料を用いるが、1種類の目的化合物のみを高い純度で含む試料を用いてチューニングを実行してもよい。その場合には、カラム14を用いて化合物を分離する必要はなく、カラム14を取り除いてフローインジェクション法又はインフュージョン法による試料導入を行えばよい。
イオンガイド24へ印加する直流バイアス電圧Vqbの最適化処理の実行が指示されると、チューニング時制御部41の制御の下に、所定の試料がインジェクタ13から移動相に注入され、測定が開始される(ステップS1)。チューニング時制御部41は、目的化合物の保持時間を含む所定の時間範囲内でその目的化合物由来のイオンの質量電荷比を対象とするSIM測定を実行するように、質量分析部2の各部を制御する。また、このSIM測定の実行中に、イオンガイド24へ印加する直流バイアス電圧Vqbを所定の電圧範囲内で所定の電圧ステップで段階的に変化させるように電圧発生部29を制御する。
図4に示す例では、質量電荷比m/zがM1であるイオンに対するSIM測定の実行中に、5段階の直流バイアス電圧Vqbの変化が実施されるようになっているが、直流バイアス電圧Vqbをより細かく多段階で変化させるようにしてもよいのは当然である。この直流バイアス電圧Vqbの変化は、図4に示すように、繰り返し実行される。したがって、或る一つの目的化合物に対応する測定時間範囲では、一つの直流バイアス電圧値毎にそれぞれ、質量電荷比がM1であるイオンに対する信号強度データが繰り返し得られる。目的化合物が複数である場合には、その目的化合物が溶出するタイミングで同様の測定が実施される(ステップS2)。
測定終了後、チューニング時データ処理部31においてクロマトグラム作成部32は、SIM測定により収集されたデータに基づいて、直流バイアス電圧の値毎に、抽出イオンクロマトグラムを作成する(ステップS3)。図4に示した例では、直流バイアス電圧を5段階に変化させているので、一つの目的化合物当たり五つの抽出イオンクロマトグラムが作成される。通常、それら抽出イオンクロマトグラムには、いずれも目的化合物由来のイオンのピークが現れている筈である。
上述したように、加熱キャピラリ23を通して第1中間真空室212に導入されたイオンが或る程度大きなエネルギを有して残留ガスと衝突すると、該イオンはインソース分解により開裂する。目的化合物由来のイオンと夾雑物由来のイオンとはいずれもインソース分解により開裂し得るが、それぞれのインソース分解の効率のエネルギ依存性は相違するため、直流バイアス電圧を或る電圧値に設定したときに目的化合物由来のイオンのインソース分解は比較的少なく、夾雑物由来のイオンのインソース分解は多くなる。夾雑物由来のイオンの質量電荷比と目的化合物由来のイオンの質量電荷比が同一又はきわめて近い状態であっても、その夾雑物由来のイオンがインソース分解により開裂すれば、質量電荷比が変化する(通常は小さくなる)ので四重極マスフィルタ27により分離可能となり、目的化合物由来のイオンの選択性が向上する。このとき、目的化合物由来のイオンの一部がインソース分解により開裂して四重極マスフィルタ27を通過できなくなったとしても、その開裂の度合いが夾雑物の開裂の度合いよりも少なければ、目的化合物由来のイオンに対する検出信号のSN比は向上する。そこで、ピーク検出部33は異なる直流バイアス電圧値に対応する抽出イオンクロマトグラム毎に、目的化合物に対応するピークを検出し、ピークSN比計算部34は検出されたピークのSN比を計算する(ステップS4)。
ピークのSN比の計算方法は、従来一般的なクロマトグラム上のピークのSN比の計算方法を用いることができる。例えば、SN比の「S」としては、目的化合物に対応するピークのピークトップの信号強度を使用する。また、SN比の「N」は、目的化合物のピーク区間(ピーク開始点からピーク終了点までの時間範囲)を除外し、目的化合物が溶出する時間(保持時間)前後の任意の時間範囲±ΔT(0<ΔT≦Te−Ts、ただし、Ts:測定開始時間、Te:測定終了時間)の信号値を用い、例えばその信号値の平均値などを用いることができる。なお、このようなSN比を計算するために、一つの目的化合物に対するSIM測定は、その目的化合物の保持時間を中心として該化合物が溶出しない時間範囲が含まれるように十分な時間的余裕を持った時間範囲に亘って実行されることが望ましい。
一つの目的化合物について作成された複数の抽出イオンクロマトグラムにおける、その目的化合物に対するピークSN比がそれぞれ算出されたならば、最適バイアス電圧選定部35はそのピークSN比を比較し、最大のピークSN比を与える直流バイアス電圧値を選定する(ステップS5)。この選定された電圧値がその目的化合物に対応する最適直流バイアス電圧であるから、その最適直流バイアス電圧値を目的化合物に対応付けて制御パラメータ記憶部36に記憶する(ステップS6)。このとき、図1中に示したように、目的化合物に対する保持時間や質量電荷比と併せて、最適直流バイアス電圧値を記憶するようにしてもよい。
そして、最適直流バイアス電圧をまだ求めていない別の目的化合物があるか否かを判定し(ステップS7)、別の目的化合物がある場合にはステップS3へと戻り、ステップS3〜S6の処理を繰り返す。そうして試料に含まれていた全ての目的化合物について最適直流バイアス電圧が得られたならば(ステップS7においてYes)、イオンガイド24の最適直流バイアス電圧探索のためのチューニング処理を終了する。こうした処理の結果、制御パラメータ記憶部36には、複数の化合物に対応してそれぞれ最適直流バイアス電圧が保存される。
本実施例のLC−MSを用いて既知の目的化合物の定量分析を実行する場合、ユーザは測定対象の目的化合物の種類などを入力部6により設定し、さらに必要な測定条件を設定したうえで測定開始を指示する。すると、予め用意された、目的化合物を含む試料がインジェクタ13から移動相に注入され、その目的化合物の保持時間を含む所定の時間範囲で該目的化合物に対応した質量電荷比を対象とするSIM測定が実施される。このとき、分析制御部4は制御パラメータ記憶部36から読み出した、その目的化合物に対応した直流バイアス電圧がイオンガイド24に印加されるように電圧発生部29を制御する。それによって、その目的化合物に対するピークのSN比が最良になるような条件の下でのSIM測定が実行される。そうして得られたデータに基づいて作成された抽出イオンクロマトグラムでは目的化合物に対するピークに重なるノイズが抑制されるため、ピーク面積値の精度が高まり、定量精度を向上させることができる。
図5は、イオンガイド24に直流バイアス電圧を印加しない場合(a)と最適化された直流バイアス電圧を印加した場合(b)との抽出イオンクロマトグラムの比較を示す図である。イオンガイド24に適切な直流バイアス電圧を印加することでインソース分解を生じさせると、図5に示すように、保持時間がRT1である目的成分由来のピークに重なっているノイズのレベルが低下する。このとき、目的成分由来のピークの信号強度自体も少し下がるものの、ノイズレベルの低下のほうが大きいので、目的成分由来のピークのSN比は向上する。これによって、このピークの面積値の精度は向上する。
また、試料に含まれる複数の目的化合物の定量分析の際には、目的化合物が溶出する時間範囲毎に、イオンガイド24に印加されるように直流バイアス電圧が切り替えられる。それによって、試料に含まれる複数の化合物のいずれについても高い定量性を実現することができる。
なお、上記実施例では、チューニング結果を制御パラメータ記憶部36に保存し、同じ化合物を含む試料を測定する際に制御パラメータ記憶部36に保存されている直流バイアス電圧値が分析条件として自動的に設定されるようにしていたが、上述したチューニング動作の過程で得られた抽出イオンクロマトグラムを目的化合物の定量に利用してもよい。即ち、直流バイアス電圧を変えて得られた複数の抽出イオンクロマトグラムの中で、最大のピークSN比を与える直流バイアス電圧値の下で得られた抽出イオンクロマトグラムを選定し、その抽出イオンクロマトグラムにおいて目的化合物に対応するピークの面積値を求める。そして、そのピーク面積値から目的化合物の定量値を算出するようにしてもよい。
また、上記実施例において質量分析装置はシングルタイプの四重極マスフィルタを用いた質量分析装置であるが、タンデム四重極型質量分析装置を用いてもよいことは明らかである。その場合には、SIM測定ではなくMRM測定を実施することで、目的化合物由来のイオンに対する選択性を一層向上させることができる。
また、上記実施例は本発明の一例であるから、上記記載以外の点において、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…液体クロマトグラフ部
11…移動相容器
12…ポンプ
13…インジェクタ
14…カラム管
2…質量分析部
211…イオン化室
212、213…中間真空室
214…分析室
22…イオン化プローブ
23…加熱キャピラリ
24…イオンガイド
25…スキマー
26…多重極イオンガイド
27…四重極マスフィルタ
28…検出器
29…電圧発生部
30…アナログデジタル変換器
3…データ処理部
31…チューニング時データ処理部
32…クロマトグラム作成部
33…ピーク検出部
34…ピークSN比計算部
35…最適バイアス電圧選定部
36…制御パラメータ記憶部
4…分析制御部
41…チューニング時制御部
5…中央制御部
6…入力部
7…表示部

Claims (8)

  1. 大気圧雰囲気中で試料中の成分をイオン化するイオン化室と、イオンを質量電荷比に応じて分離し検出する質量分析部が配置された高真空雰囲気である分析室と、前記イオン化室と前記分析室との間に設けられた1又は複数の中間真空室と、前記イオン化室から次の第1中間真空室内へイオンを導入する開口が設けられたイオン導入部と、該第1中間真空室から次の段の中間真空室又は前記分析室へとイオンを導入する開口が設けられたイオン輸送部と、を具備する質量分析装置において、
    a)前記第1中間真空室の内部に配置され、前記イオン導入部を通して該第1中間真空室へ導入されたイオンを高周波電場によって収束させつつ前記イオン輸送部を通して後段へと輸送するイオンガイドと、
    b)前記イオン導入部、前記イオンガイド、前記イオン輸送部の少なくともいずれか一つに、前記第1中間真空室内における、目的成分由来のイオンに対する衝突誘起解離の効率よりも、少なくとも一部の夾雑成分由来のイオンに対する衝突誘起解離の効率が高くなるような直流電場を該第1中間真空室内に形成するべく設定された直流電圧を印加する電圧発生部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    目的成分由来のイオンの検出信号のSN比が最良又はそれに近い状態となるような前記直流電圧の値を最適電圧として探索する最適電圧探索部をさらに備えることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記最適電圧探索部は、
    前記直流電圧の値が段階的に変化するように前記電圧発生部を制御する探索時制御部と、
    該探索時制御部による制御の下で前記直流電圧の値が段階的に変化する毎に、目的成分由来のイオンに対する検出信号を取得し、異なる直流電圧の値の下で得られた検出信号のSN比を算出して比較するSN比比較部と、
    を含むことを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項2又は3に記載の質量分析装置であって、
    前記最適電圧探索部により得られた最適電圧に関する情報を記憶する記憶部と、
    試料中の目的成分に対する測定実行時に、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記イオン導入部、前記イオンガイド、前記イオン輸送部の少なくともいずれか一つに最適電圧が印加されるように前記電圧発生部を制御する測定時制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項4に記載の質量分析装置であって、
    前記記憶部は、成分毎にそれぞれ最適電圧に関する情報を記憶するものであり、
    前記測定時制御部は、測定対象である成分の種類に応じた最適電圧に関する情報を前記記憶部から取得し、該情報に基づいて前記電圧発生部を制御することを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項5に記載の質量分析装置であって、
    クロマトグラフのカラムで成分分離された試料を前記イオン化室に配置されたイオン化プローブに導入して質量分析する質量分析装置において、
    前記測定時制御部は、測定実行中に、導入される試料に含まれる成分毎に、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて最適電圧を変化させるように前記電圧発生部を制御することを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の質量分析装置であって、
    前記電圧発生部は、前記イオン導入部、前記イオンガイド、及び前記イオン輸送部のうちの二つに印加する直流電圧を固定し、他の一つに印加する直流電圧を変化させることで、前記第1中間真空室内における衝突誘起解離の起こり易さを調整することを特徴とする質量分析装置。
  8. 大気圧雰囲気中で試料中の成分をイオン化するイオン化室と、イオンを質量電荷比に応じて分離し検出する質量分析部が配置された高真空雰囲気である分析室と、前記イオン化室と前記分析室との間に設けられた1又は複数の中間真空室と、前記イオン化室から次の第1中間真空室内へイオンを導入する開口が設けられたイオン導入部と、該第1中間真空室から次の段の中間真空室又は前記分析室へとイオンを導入する開口が設けられたイオン輸送部と、前記第1中間真空室の内部に配置され、前記イオン導入部を通して該第1中間真空室へ導入されたイオンを高周波電場によって収束させつつ前記イオン輸送部を通して後段へと輸送するイオンガイドと、を具備する質量分析装置を用いた質量分析方法であって、
    前記第1中間真空室内で衝突誘起解離によるイオンの解離が生じるような直流電場を該第1中間真空室内に形成するべく、前記イオン導入部、前記イオンガイド、前記イオン輸送部の少なくともいずれか一つに、所定の直流電圧を印加し、成分の相違による前記衝突誘起解離の起こり易さの相違を利用して、目的成分由来のイオンに対する検出信号のSN比が高くなるように前記直流電圧の値を設定するようにしたことを特徴とする質量分析方法。
JP2015553258A 2013-12-17 2013-12-17 質量分析装置及び質量分析方法 Active JP6202103B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/083702 WO2015092862A1 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 質量分析装置及び質量分析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015092862A1 true JPWO2015092862A1 (ja) 2017-03-16
JP6202103B2 JP6202103B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=53402258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015553258A Active JP6202103B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 質量分析装置及び質量分析方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9734997B2 (ja)
EP (1) EP3086114A4 (ja)
JP (1) JP6202103B2 (ja)
CN (1) CN105829880B (ja)
WO (1) WO2015092862A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3483601A4 (en) * 2016-07-11 2019-06-19 Shimadzu Corporation ANALYSIS DEVICE
GB2561378B (en) * 2017-04-12 2022-10-12 Micromass Ltd Optimised targeted analysis
US11031226B2 (en) * 2017-10-25 2021-06-08 Shimadzu Corporation Mass spectrometer and mass spectrometry
DE112019001764T5 (de) * 2018-04-05 2020-12-17 Shimadzu Corporation Massenspektrometrievorrichtung und Massenspektrometrieverfahren
JP7010373B2 (ja) * 2018-05-30 2022-01-26 株式会社島津製作所 スペクトルデータ処理装置及び分析装置
WO2020054013A1 (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 株式会社島津製作所 質量分析装置
EP3889997A4 (en) * 2018-11-29 2022-04-20 Shimadzu Corporation MASS SPECTROMETRY
CN112595801B (zh) * 2020-12-31 2024-05-10 公安部物证鉴定中心 含有机体指印待测样品中降血脂药物的检测方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002525801A (ja) * 1998-09-16 2002-08-13 ユニカム リミテッド イオン移動システムと質量分析計から不要なイオンを除去する手段
JP2004514263A (ja) * 2000-11-30 2004-05-13 エムディーエス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス アズ エムディーエス サイエックス 大気圧イオン化質量分析法のための信号対雑音比改善方法
WO2011161788A1 (ja) * 2010-06-24 2011-12-29 株式会社島津製作所 大気圧イオン化質量分析装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0511386D0 (en) * 2005-06-03 2005-07-13 Shimadzu Res Lab Europe Ltd Method for introducing ions into an ion trap and an ion storage apparatus
WO2007057623A1 (en) * 2005-11-16 2007-05-24 Shimadzu Corporation Mass spectrometer
CN102308361B (zh) * 2009-02-05 2014-01-29 株式会社岛津制作所 Ms/ms型质谱分析装置
GB0907619D0 (en) * 2009-05-01 2009-06-10 Shimadzu Res Lab Europe Ltd Ion analysis apparatus and method of use
JP5527438B2 (ja) 2011-02-10 2014-06-18 株式会社島津製作所 質量分析装置
JP5675442B2 (ja) * 2011-03-04 2015-02-25 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析方法及び質量分析装置
EP2685487B1 (en) 2011-03-11 2018-05-09 Shimadzu Corporation Mass spectrometer
GB201208733D0 (en) * 2012-05-18 2012-07-04 Micromass Ltd Excitation of reagent molecules within a rf confined ion guide or ion trap to perform ion molecule, ion radical or ion-ion interaction experiments

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002525801A (ja) * 1998-09-16 2002-08-13 ユニカム リミテッド イオン移動システムと質量分析計から不要なイオンを除去する手段
JP2004514263A (ja) * 2000-11-30 2004-05-13 エムディーエス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス アズ エムディーエス サイエックス 大気圧イオン化質量分析法のための信号対雑音比改善方法
WO2011161788A1 (ja) * 2010-06-24 2011-12-29 株式会社島津製作所 大気圧イオン化質量分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN105829880A (zh) 2016-08-03
WO2015092862A1 (ja) 2015-06-25
US9734997B2 (en) 2017-08-15
EP3086114A1 (en) 2016-10-26
JP6202103B2 (ja) 2017-09-27
CN105829880B (zh) 2019-01-22
EP3086114A4 (en) 2016-11-30
US20160314949A1 (en) 2016-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6202103B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP6176049B2 (ja) タンデム四重極型質量分析装置
JP5772971B2 (ja) 質量分析装置
WO2012124020A1 (ja) 質量分析装置
JP6176334B2 (ja) 質量分析方法、質量分析装置、及び質量分析データ処理プログラム
JP6107978B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP5900631B2 (ja) 質量分析装置
JP6540298B2 (ja) 質量分析を用いた多成分一斉分析方法及び質量分析装置
JPWO2015132901A1 (ja) 質量分析方法及び質量分析装置
US20150340212A1 (en) Tandem quadrupole mass spectrometer
JP5780312B2 (ja) 質量分析装置
WO2014132387A1 (ja) タンデム四重極型質量分析装置
WO2016092696A1 (ja) 質量分析装置
JP5904300B2 (ja) 質量分析装置
US9983180B2 (en) Mass spectrometry method, chromatograph mass spectrometer, and program for mass spectrometry
US10748751B2 (en) Method for simultaneous multicomponent analysis using mass spectrometry and mass spectrometer
JP6649642B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析装置用プログラム
JP7435905B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
US20240038515A1 (en) Mass Spectrometer and Mass Spectrometry Method
JP2008089543A (ja) イオントラップ形質量分析装置およびその質量分析方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170814

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6202103

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151