JP5422485B2 - ガス分析計 - Google Patents

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Description

本発明は、四重極質量分析法等を用いたガス分析計に関するものである。
この種のガス分析計として、例えば特許文献1又は非特許文献1に示すように、イオン化部、四重極部、イオン検出部及び交流発生器部を備えるセンサユニットと、このセンサユニットに対してケーブル接続される装置本体とを備えるものがある。
そしてこのガス分析計は、まず、イオン化部に導入された残留ガスは、高温のフィラメントから放出された熱電子によりイオン化される。生成されたイオンは、イオン引き出し電極で加速・収束されて、四重極部に導かれる。四重極部では、例えば4本の円柱形電極に直流及び交流電圧を印加し、イオンがふるいにかけられる。分類されたイオンは、イオン検出部のファラデーカップで電流として検出される。このイオン電流は、残留ガスの量(分圧)に応じて変化するため、残留ガスを精度良く測定することができる。
しかしながら、このガス分析計のイオン電流は、四重極部が配置された雰囲気圧力が高くなると、四重極部内を飛行するイオンと気体との衝突確率が高くなり、イオンが検出部に到達しにくくなり、また、空間電荷の影響などにより検出感度が変化するという問題がある。そのため、雰囲気圧力が所定値(例えば約1×10−2〜1×10−1Pa)より高くなると、イオン電流の増加が鈍る。そして、イオン電流は、ピーク値を超えると、減少してしまう(図12参照)。このピーク値を示す雰囲気圧力を最大使用圧力という。
ここで、測定値が雰囲気圧力の変化に比例して増加しなくなった領域においてガス分析計を使用すると、正確な測定値を得ることができないという問題がある。また、近年の半導体プロセスにおいては、ガス分析計の最大使用圧力(約1Pa)よりも大きい圧力(例えば1.2Pa)下で行われることが主流になりつつある。そうすると、ガス分析計が、その最大使用圧力近傍又はそれ以上の圧力の下で使用されることになり、半導体プロセスを正確に行うことが難しいという問題がある。なお、測定値を補正することによって対応することも考えられるが根本的な解決とはならず、補正の精度により測定値が左右してしまうという問題がある。
特表平8−510084号公報 池田亨、「特集論文 超小型残留ガス分析計PressureMaster RGAシリーズ」、HORIBA Technical Reports、株式会社堀場製作所、2004年3月、第28号、p.12−15
一方、本願発明者は、補正演算に頼ることなく、ガス分析計の構成を見直すことで最大使用圧力を高圧化することができるのではないかと鋭意検討した結果、図4のイオン検出部の感度と最大使用圧力との相関関係図を実験により得た。そして、本願発明者は、図4に示すように、四重極部に導入するイオン量を少なくしてイオン検出部の信号値(感度)を小さくことによって、最大使用圧力が大きくなることを初めて見出した。
そして本発明は、上記問題点を解決すべく、四重極部に導入されるイオン量と最大使用圧力との関係を用いることによって初めてなされたものであり、最大使用圧力を高圧化することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るガス分析計は、真空チャンバに取り付けられて、当該真空チャンバ内の試料ガスを分析するものであり、試料ガスをイオン化するとともに、そのイオンを外部に導出するためのイオン導出口を有するイオン化部と、前記イオン化部のイオン導出口の外側に設けられて、イオンを引き出すイオン引き出し電極と、前記イオン引き出し電極によりイオン化部から導出されたイオンを選択的に通過させる四重極部と、前記四重極部を通過したイオンを検出するイオン検出部とを備え、前記イオン化部、前記イオン引き出し電極、前記四重極部及び前記イオン検出部が、前記真空チャンバ内の雰囲気圧力に晒されるように配置されており、前記イオン導出口の開口サイズが、前記イオン検出部により得られる信号値がピーク値となる雰囲気圧力を示す最大使用圧力を上げるべく、前記四重極部を構成する4つのポール電極全てに内接する仮想内接円よりも小さく構成されていることを特徴とする。
このようなものであれば、イオン導出口の開口サイズをポール電極全てに内接する仮想内接円よりも小さくすることによって、四重極部に導入されるイオン量が少なくなりイオン検出部により得られる信号値が小さくなる結果、最大使用圧力を高圧化することができる。具体的には、最大使用圧力を低真空領域まで上げることができる。このようにイオン導出口の開口サイズを小さくすることによって最大使用圧力を低真空領域まで上げることができるのは、図4に示すイオン検出部の感度と最大使用圧力との相関関係図に基づくものである。また、イオン導出口の開口サイズが仮想内接円よりも小さいことから、イオン導出口から出るイオンを四重極部内に導入し易くすることができるので、イオン導出口から出るイオン量そのものが減少しても、そのイオンを有効に活用することができる。さらに、イオン化部、イオン引き出し電極、四重極部及びイオン検出部が、真空チャンバ内の雰囲気圧力に晒されるように配置される構成であることから、差動排気機構が不要であり、ガス分析計をコンパクトに構成することができる。
前記イオン引き出し電極が、イオンが通過する開口部を有しており、当該開口部の開口サイズが、前記仮想内接円よりも小さく、さらに、前記イオン導出口の開口サイズよりも小さく構成されていることが望ましい。上記の通り、イオン導出口を小さくすることによってイオン電流が小さくなることから、イオン検出部により得られる信号のベースラインが低下してしまう問題がある。このベースラインの低下は、四重極部にイオンと同様に導入される電子によって生じると考えられる。このようにイオン引き出し電極の開口部をイオン導出口よりも小さくすることによって、四重極部に導入される電子の量を可及的に小さくすることができ、ベースラインを向上させることができる。
四重極部に導入されるイオンがイオン導出口により制限されることから、その範囲内でできるだけ多くのイオンを導入することがSN比向上の観点から必要である。このときイオン化部内で生成されたイオンを無駄なくイオン導出口に導くことができるようにするためには、前記イオン化部が、当該イオン化部の外部に設けられたグランド電位の周辺部材によって、前記イオン化部に設けられたガス導入部近傍に生じる不等電位領域を低減する不等電位低減構造を有することが望ましい。
このように構成した本発明によれば、補正演算に頼ることなく最大使用圧力を高圧化することができる。
本発明の一実施形態に係るガス分析計の模式的構成図である。 同実施形態におけるセンサ部の内部構成図である。 同実施形態におけるポール電極、イオン導出口及び開口部の位置関係を示す図である。 イオン検出部の感度と最大使用圧力との相関関係を示す図である。 イオン導出口の開口径と最大使用圧力の関係を示す図である。 イオン引き出し電極の開口部の開口径と最大使用圧力の関係を示す図である。 従来のガス分析計の最大使用圧力と本実施形態のガス分析計の最大使用圧力との比較を示す図である。 従来のガス分析計の最小使用圧力と本実施形態のガス分析計の最小使用圧力との比較を示す図である。 開口部の開口径を変化させた場合のベースライン電圧を示す図である。 イオン化部内の電位を示す図である。 不等電位低減構造の有無によるSN比を示す図である。 従来のガス分析計の測定結果を示す図である。
以下に、本発明に係るガス分析計の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<装置構成>
本実施形態に係るガス分析計100は、例えば半導体製造プロセス中及び装置クリーニング後の真空チャンバVC内のガスモニタに用いられ、図1に示すように、真空チャンバVCに取り付けられて、当該真空チャンバVC内の試料ガスである残留ガスを分析するものである。具体的にこのものは、真空チャンバVC内のプロセスガス又は残留ガス等の試料ガスを検知するセンサ部21と、センサ部21を制御するとともに、当該センサ部21の出力に基づいて残留ガスの分析処理等を行う演算部22とを有するセンサユニット2を備えている。なお、符号3はセンサユニット2に電力を供給する電源である。
以下にセンサユニット2について説明する。
センサユニット2は、図1に示すように、センサ部21と当該センサ部21の後端部に設けられた交流発生器部としての機能を有する演算部22を備えている。
センサ部21は、図2に示すように、試料ガスである残留ガスをイオン化するとともに、そのイオンを外部に導出するためのイオン導出口211Aを有するイオン化部211と、イオン化部211のイオン導出口211Aの外側に設けられて、イオンを引き出すイオン引き出し電極212と、イオン引き出し電極212によりイオン化部211から導出されたイオンを選択的に通過させる四重極部213と、四重極部213を通過したイオンを検出するイオン検出部214とを備えている。なお、センサ部21は、イオン化部211、イオン引き出し電極212、四重極部213及びイオン検出部214を先端側からこの順で収容して保護する保護カバー215を備えている。保護カバー215内において、イオン化部211、イオン引き出し電極212、四重極部213及びイオン検出部214は一直線上に配置されている。この保護カバー215の先端壁には、真空チャンバVCに取り付けられた際に、真空チャンバVC内の残留ガスをセンサ部21内に導入するためのガス導入口215Hが設けられている。なお、保護カバー215が真空チャンバVCに設けられた取付孔(不図示)にシール部材等を介して気密に取り付けられる。これにより、保護カバー215内がガス導入口215Hを介して真空チャンバVC内の雰囲気圧力と同一圧力なり、イオン化部211、イオン引き出し電極212、四重極部213及びイオン検出部214は真空チャンバVC内の雰囲気圧力に晒されることになる。
イオン化部211は、内部にフィラメントを備え、フィラメントから放出される熱電子により試料ガスをイオン化するものである。そして、イオン化部211により、生成されたイオンは、略円形状をなすイオン導出口211Aからイオン引き出し電極212によって外部に引き出される。
イオン引き出し電極212は、単一又は複数の電極により構成されている。イオン引き出し電極212は、イオン化部211と四重極部213との間に設けられ、イオン化部211により生成されたイオンを四重極部213及びイオン検出部214側に引き出すとともに、そのイオンを加速・収束させるものである。
四重極部213は、イオン引き出し電極212で加速・収束されたイオンビームをイオンの電荷対質量比に応じて分離するものである。具体的には、四重極部213は、90°間隔で配置した2組の対向電極(ポール電極213P)からなり、対向するもの同士を同電位とした上で、90°異なるそれぞれの組の間に直流電圧Uと高周波電圧Vcosωtとを重畳した電圧を印加し、そのU/V比を一定にするとともにVを変化させて、その対向電極内に入射したイオンを(質量/電荷数)の比に応じて選択通過させるものである。
イオン検出部214は、四重極部213により分離されたイオンを捕らえてイオン電流として検出するファラデーカップである。具体的にイオン検出部214は、四重極部213により分離された特定成分のイオンを検出して、その特定成分の試料ガスにおける分圧の絶対値を検出するためのものである。また、イオン化部211によりイオン化された試料ガスのイオンを全て検出して、試料ガスの全圧の絶対値を検出するためのものでもある。
演算部22は、上述の通り、演算処理機能及び制御機能を有し、さらに交流発生器としての機能を有する。つまり演算部22は、イオン検出部212で検出したイオン電流を、電圧値を示すデジタル電圧信号に変換して、その電圧信号を出力するものである。
演算部22は、CPUや内部メモリ等を搭載した回路部(図示せず)を内蔵し、その内部メモリに記憶されたプログラムにしたがって、前記CPUや周辺機器を作動する。そして、当該演算ユニット3が、前記センサ部21の出力に基づいて試料ガスの分析処理等を行う。
しかして本実施形態のガス分析計100において、イオン導出口211Aの開口サイズは、図3に示すように、イオン検出部211により得られる信号値がピーク値となる雰囲気圧力を示す最大使用圧力(図12参照)を上げるべく、四重極部213を構成する4つのポール電極213P全てに内接する仮想内接円IC(本実施形態では0.886mm)よりも小さく構成されている。このようにイオン導出口211Aの開口サイズを仮想内接円ICよりも小さくする構成は、図4に示すイオン検出部の感度と最大使用圧力との相関関係を見出したことに起因する。具体的にイオン導出口211Aの開口径(直径)は、仮想内接円ICの直径(0.886mm)に対して、90%以下となるように構成されている。なお、イオン導出口221Aを小さくしすぎると、感度が小さくなりすぎて十分な分解能を得ることができないことから、仮想内接円ICの直径に対して例えば30%以上とすることが考えられる。
また、イオン引き出し電極212の開口部212Hの開口サイズは、仮想内接円ICよりも小さく、且つ、イオン導出口211Aの開口サイズよりも小さく構成されている。具体的にイオン引き出し電極212の開口部212Hの開口径が、仮想内接円ICの直径に対して例えば70%以下となるように構成されている。
次に、イオン引き出し電極212の開口部212Hの開口径を一定(0.8mm)に固定して、イオン化部211のイオン導出口211Aの開口径を変化させた場合の最大使用圧力(UPL)及び感度を図5に示す。この図5に示すように、イオン化部211のイオン導出口211Aの開口径を1.2mmから徐々に小さくしていくと、感度が徐々に低下していく一方で、最大使用圧力(UPL)が徐々に大きくなっていることが分かる。
なお、図6には、イオン化部211のイオン導出口211Aの開口径を一定(1.2mm)に固定して、イオン引き出し電極212の開口部212Hの開口径を変化させた場合の最大使用圧力(UPL)及び感度を示す。この図6に示すように、イオン化部211のイオン導出口211Aの開口径を固定してイオン引き出し電極212の開口部212Hの開口径を小さくしても最大使用圧力(UPL)が高圧化しない。つまり、ガス分析計100の最大使用圧力の高圧化には、イオン化部211のイオン導出口211Aの開口径が起因していることが分かる。
また、イオン導出口211Aの開口径が1.2mm(仮想内接円ICより大径)であり、開口部212Hの開口径が0.8mmである従来のガス分析計の最大使用圧力と、イオン導出口211Aの開口径が0.8mm(仮想内接円ICより小径)であり、開口部212Hの開口径が0.1mmである本実施形態のガス分析計の最大使用圧力との比較を図7に示す。この図7から分かるように、従来のガス分析計では、最大使用圧力が0.5Pa〜0.8Pa程度であるが、本実施形態のガス分析計100では、最大使用圧力が1.0Pa〜1.3Pa程度である。このように本実施形態のガス分析計100では、最大使用圧力を高圧化することができる。
なお、図8には、ガス分析計を用いて測定することができる最小の雰囲気圧力である最小使用圧力(LOD)について示している。従来のガス分析計においては、最小使用圧力が1.0×10−6Pa〜1.5×10−6Paであるが、本実施形態のガス分析液においては、最小使用圧力が8.4×10−7Pa〜5.0×10−6Paとなる。このようにガス導出口211Aの開口径を小さくして最大使用圧力を高圧化しても、従来とほぼ同様に、高真空領域(例えば5.0×10−6Pa)下においても使用可能である。
次に、イオン検出のバックグラウンド信号となるベースライン電圧に対して、イオン引き出し電極212の開口部212Hの開口径が与える影響について図9を参照して説明する。
図9は、イオン導出口211Aを直径0.8mmに固定して、開口部212Hの開口径(直径)を0.8mm、0.6mm、0.4mm、0.3mm、0.1mmとした場合のベースライン電圧を示す。図8から分かるように、開口部212Hの開口径を小さくすればするほど、ベースライン電圧が、質量/電荷数(m/z)に関わらず一定となっている。この図9から、開口部212Hの開口径は、0.1mm〜0.3mmが好ましく、0.1mmが最も好ましい。このように開口部212Hの開口径が小さいほど、ベースライン電圧が安定する理由としては、四重極部213に導入される電子の量を可及的に小さくすることができ、電子のベースライン電圧が受ける影響を可及的に小さくできるからであると考えられる。
さらに本実施形態のガス分析計100において、イオン化部211は、図2に示すように、イオン化部211の外部に設けられたグランド電位の周辺部材(保護カバー215)によって、イオン化部211に設けられたガス導入部211B近傍に生じる不等電位領域を低減する不等電位低減構造216を有する。
本実施形態の不等電位低減構造216であるガス導入部211Bを封じた構造は、イオン化部211のガス導入部211B全体を覆うように設けられた構造である。この構造は閉塞板216により形成されており、閉塞板216には、イオン化部211のケーシングと同電圧(例えば70V)が印加される。これによって、イオン化部211のケーシングに形成されたガス導入部211B近傍に生じる不等電位領域が解消されて、イオン化部211内で生成されたイオンが、不等電位領域に停滞すること又は不等電位領域を介してガス導入部211bから外部に出ることを防止できる。
次に、不等電位低減構造216の効果について図10を参照して説明する。図10の(A)は、不等電位低減構造216を有さない場合のイオン化部211内の等電位面を示す図(上段)及びイオン化部211のケーシング内の電位を示す図(下段)であり、(B)は、不等電位低減構造216を有する場合のイオン化部211内の等電位面を示す図(上段)及びイオン化部211のケーシング内の電位を示す図(下段)である。なお、図10において位置0mmは、グランド電位である保護カバー215の位置である。また、イオン化部211のケーシングに70Vを印加し、イオン引き出し電極212及び四重極部213のポール電極213Pに64Vを印加している。この図10の(A)から、ガス導入部211B近傍((A)下段において22mm付近)において不等電位領域が形成されていることが分かる。一方で、図10(B)では、ガス導入部211の位置からケーシング内部に亘って等電位であることが分かる。
ここで、図11に不等電位低減構造216の有無におけるSN比の比較を示す。図11に示すように、不等電位低減構造216を有さない場合には、SN比が0.5であるにも関わらず、不等電位低減構造216を有する場合には、SN比が5.6に向上されていることが分かる。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のガス分析計100によれば、イオン導出口211Aの開口サイズをポール電極213P全てに内接する仮想内接円ICよりも小さくすることによって、四重極部213に導入されるイオン量が少なくなりイオン検出部214により得られる信号値が小さくなる結果、最大使用圧力を高圧化することができる。具体的には、最大使用圧力を低真空領域(例えば1.3Pa)まで上げることができる。また、イオン導出口211Aの開口サイズが仮想内接円ICよりも小さいことから、イオン導出口211Aから出るイオンを四重極部213内に導入し易くすることができるので、イオン導出口211Aから出るイオン量そのものが減少しても、そのイオンを有効に活用することができる。さらに、イオン化部211、イオン引き出し電極212、四重極部213及びイオン検出部214が、真空チャンバVC内の雰囲気圧力に晒されるように配置される構成であることから、差動排気機構が不要であり、ガス分析計100をコンパクトに構成することができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態の四重極部は4つのポール電極からなるものであったが、16本のポール電極を縦横4本ずつ配置して9つの四重極部を形成するものであっても良い。この場合、9つの四重極部それぞれに対応してイオン導出口が形成されるとともに、イオン引き出し電極の開口部が形成される。
また、前記実施形態の不等電位低減構造は、ガス導入部を覆うように設けられた遮蔽板に限られず、不等電位がイオン検出信号(イオン電流)に与える影響を実質的に無視できる程度に小径に形成されたガス導入部により構成しても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100 ・・・ガス分析計
211 ・・・イオン化部
211A・・・イオン導出口
211B・・・ガス導入部
212 ・・・イオン引き出し電極
212H・・・開口部
213 ・・・四重極部
213P・・・ポール電極
IC ・・・仮想内接円
214 ・・・イオン検出部
215 ・・・保護カバー(周辺部材)
216 ・・・不等電位低減構造

Claims (3)

  1. 真空チャンバに取り付けられて、当該真空チャンバ内の試料ガスを分析するものであり、
    試料ガスをイオン化するとともに、そのイオンを外部に導出するためのイオン導出口を有するイオン化部と、
    前記イオン化部のイオン導出口の外側に設けられて、イオンを引き出すイオン引き出し電極と、
    前記イオン引き出し電極によりイオン化部から導出されたイオンを選択的に通過させる四重極部と、
    前記四重極部を通過したイオンを検出するイオン検出部とを備え、
    前記イオン化部、前記イオン引き出し電極、前記四重極部及び前記イオン検出部が、前記真空チャンバ内の雰囲気圧力に晒されるように配置されており、
    前記イオン導出口の開口サイズが、前記イオン検出部により得られる信号値がピーク値となる雰囲気圧力を示す最大使用圧力を上げるべく、前記四重極部を構成する4つのポール電極全てに内接する仮想内接円よりも小さく構成されているガス分析計。
  2. 前記イオン引き出し電極が、イオンが通過する開口部を有しており、当該開口部の開口サイズが、前記イオン化部から出る電子量を低減すべく、前記イオン導出口の開口サイズよりも小さく構成されている請求項1記載のガス分析計。
  3. 前記イオン化部が、当該イオン化部の外部に設けられたグランド電位の周辺部材により前記イオン化部のガス導入部近傍に生じる不等電位領域を低減する不等電位低減構造を有する請求項1又は2記載のガス分析計。
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