JP4610712B2 - 水性エマルジョン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維、紙、毛髪、皮膚、金属、木材、ガラス、セラミックス等の表面処理に有用な、オルガノポリシロキサンの水性エマルジョン及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
オルガノポリシロキサンは、繊維、紙、毛髪、皮膚、金属、木材、ガラス、セラミックス等の表面処理剤に用いられており、水性エマルジョンとして用いられることが多い。この場合、繊維、紙、毛髪、皮膚、金属、木材、ガラス、セラミックス等(これらをまとめて処理対象と略記する)の表面はアニオン性であることが多いために、その表面への親和性を高める目的で、カチオン性を有するエマルジョンが用いられることが多い。
【0003】
オルガノポリシロキサンのカチオン性エマルジョンは多くの場合、極性基を有さないジメチルポリシロキサン等かあるいはアミノアルキル基やポリオキシアルキレン基で変性されたオルガノポリシロキサンを、カチオン性界面活性剤を含む界面活性剤で乳化して調製されたものである。これら従来のカチオン性エマルジョンを処理対象に適用した場合、カチオン性界面活性剤単独とカチオン性を帯びたオルガノポリシロキサン粒子とが競争的に処理対象表面に吸着するために、オルガノポリシロキサンの残留率が低く、処理効率が悪かった。しかも、共に吸着するカチオン性界面活性剤の影響で、処理後に得られる特徴(なめらかな風合い、潤滑性、光沢、撥水性など)の耐久性が低くなっていた。また、オルガノポリシロキサンのカチオン性エマルジョンには、第4級アンモニウム基を持つオルガノポリシロキサンのソープフリーエマルジョンも知られているが、安定なエマルジョンとなるために必要な数の第4級アンモニウム基を導入されたオルガノポリシロキサンには、なめらかな風合い、潤滑性、光沢などの特徴が弱く、また耐熱性、耐候性も低下して、経時的に変色や匂い悪化を起こすことが多かった。
【0004】
本発明の課題は、経時的に安定で、処理対象に適用した場合、なめらかな風合い、潤滑性、光沢等を付与することのできる新規なオルガノポリシロキサンのカチオン性水性エマルジョンを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アニオン性基を分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサンと、カチオン性界面活性剤とを含有し、オルガノポリシロキサンのアニオン性基の当量数(A)に対するカチオン性基の当量数(C)の比、C/Aが1より大きい水性エマルジョン、及びアニオン性基を分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサンと、カチオン性界面活性剤とを混合して得られる水性エマルジョンであって、上記C/Aが1より大きい、水性エマルジョン、並びにこれらの製造法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
[オルガノポリシロキサン]
本発明のオルガノポリシロキサンは、アニオン性基、好ましくはカルボキシル基及び/又はその塩(−COOM)、スルホン酸基及び/又はその塩(−SO3M)、硫酸基及び/又はその塩(−OSO3M)、ホスホン酸基及び/又はその塩(−PO32)、リン酸基及び/又はその塩(−OPO32又は−O2PO2M)[ここで、Mは水素原子又はカチオンであり、カチオンとしては特に限定されず、アンモニウムイオン、金属イオン(アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン等)、炭素数1〜6のアルカノールアンモニウムイオン又はアルカノールアミン等が挙げられる。]の中から選ばれる少なくとも1個のアニオン性基(これらは解離していても良い)、さらに好ましくはカルボキシル基及び/又はその塩を、分子中に有するオルガノポリシロキサンであり、その構造は特に限定されないが、これらアニオン性基とケイ素原子とが、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、又はエステルもしくはアミド結合を含む飽和もしくは不飽和の炭化水素基により連結されていることが好ましい。
【0007】
アニオン性基が、カルボキシル基及び/又はその塩の場合は、本発明のオルガノポリシロキサンは、カルボキシル基及び/又はその塩とケイ素原子との間に、一般式(1)又は(2)で表わされる連結基の少なくとも一方を有することがさらに好ましい。
【0008】
【化3】
Figure 0004610712
【0009】
[式中、R1、R2:同一又は異なって、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示す。
X:−O−又は−NH−基を示す。]
【0010】
【化4】
Figure 0004610712
【0011】
[式中、R1、R2、X:前記の意味を示す。
3、R4:同一又は異なって、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示す。]
一般式(1)及び(2)中、R1は、好ましくは炭素数2〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR4は、好ましくは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、あるいはフェニレン基であり、R3は、好ましくは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基であり、より好ましくはエチレン基である。R1〜R4において、ヘテロ原子を含む置換基としては、エステル基、エーテル基、アミド基、ウレイレン基等が挙げられる。
【0012】
かかるカルボキシル基及び/又はその塩を有するオルガノポリシロキサンは、水酸基及び/又はアミノ基を有するオルガノポリシロキサンと酸無水物又は酸塩化物とを反応させることにより得られ、酸無水物を反応させるのがさらに好ましい。酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸の中から選ばれる1種以上が好ましい。水酸基及び/又はアミノ基を有するオルガノポリシロキサンの水酸基、アミノ基の部分の構造は特に限定されないが、一般式(3)又は(4)で表されるものが好ましい。
【0013】
【化5】
Figure 0004610712
【0014】
アニオン性基を有するオルガノポリシロキサン中のアニオン性基は、ポリシロキサン鎖の末端であっても側鎖であっても良い。ポリシロキサン鎖としては、[R2SiO]単位(ここで、Rはメチル基等の低級アルキル基、フェニル基又はビニル基を示す。)が直鎖状又は分岐鎖状に結合している構造を有するものが挙げられ、これらは架橋していても、架橋していなくてもよい。オルガノポリシロキサンの粘度は30〜10万mPa・sの範囲のものが好ましい。
【0015】
[カチオン性界面活性剤]
カチオン性界面活性剤としては、モノ、ジ、もしくはトリ中〜長鎖アルキル又はアルケニル型第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、イミダゾリン塩、イミダゾリニウム塩、アミノ酸系カチオン性界面活性剤等から選ばれる1種又は2種以上が好適に使用される。この中〜長鎖アルキル又はアルケニル基は、炭素数8〜28、好ましくは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖であってもよく、−O−,−CONH−,−COO−等のエーテル基、エステル基もしくはアミド基で分断、又は−OH等で置換されていてもよい。
【0016】
その対となるアニオンは特に限定されず、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン;メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが挙げられる。
【0017】
カチオン性界面活性剤の好ましい具体例として、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、カプリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ステアリル−N,N,N−トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(エチレンオキサイド合計3モル付加)、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリエチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアラミドプロピルジメチルアミンや、その他アルキル(アルキル基の炭素数8〜28)ジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキル(アルキル基の炭素数8〜28)メチルヒドロキシエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0018】
[水性エマルジョン]
アニオン性基を分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサンとカチオン性界面活性剤とを混合することで本発明の水性エマルジョン(以下、エマルジョンという。)を製造する。その混合方法は特に限定されないが、該ポリシロキサンをソープフリーエマルジョン又は非イオン性界面活性剤を共存させたエマルジョンにし、その後、このエマルジョンをカチオン性界面活性剤水溶液(あるいは水分散液)と混合する方法が好ましく、特にこのエマルジョンをカチオン性界面活性剤水溶液に添加する方法が好ましい。この際、必要に応じて高圧剪断や超音波照射を施して粒子を微細にすることもできる。
【0019】
エマルジョン中のアニオン性基を分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサンとカチオン性界面活性剤との当量割合は、オルガノポリシロキサンのアニオン性基の当量数(A)よりもカチオン性界面活性剤のカチオン性基の当量数(C)の方が多く含まれる(C/A>1)ことが必要であり、C/Aが3以上、さらに3〜1000、特に3〜100であることが好ましい。こうして生成したエマルジョンは、その表面にカチオン性界面活性剤が吸着されていてカチオン性である。そのカチオン性は、電気泳動実験によって、正のゼータ電位が観測されることで確認でき、好ましくは+5mV以上、更に好ましくは+10mV以上、特に好ましくは+30mV以上である。エマルジョンの平均体積粒径は、好ましくは0.01〜100μm、更に好ましくは0.01〜30μm、特に好ましくは0.01〜10μmである。
【0020】
[その他の成分]
本発明のエマルジョンにさらなる安定性あるいは機能を持たせるために、非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤を共存させても良い。共存させる非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤の種類や量は特に限定されないが、実用に際し、シリコーン類の良好な感触を妨げない程度の量や性質であることが必要である。
【0021】
非イオン性界面活性剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルやポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合体、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。これらは2種以上を併用しても構わないが、総計で、共存するカチオン性界面活性剤の3倍重量以下であることが好ましく、2倍重量以下であることがさらに好ましい。
【0022】
また、アニオン性界面活性剤としては、アルキル(又はアルケニル)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(又はアルケニル)ナフチルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンモノアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの塩はナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム,モノエタノールアンモニウム等の有機アンモニウム塩等が例示される。これらは2種以上を併用しても構わないが、総計で、共存するカチオン性界面活性剤の0.3倍イオン当量以下であることが好ましく、0.1倍イオン当量以下であることがさらに好ましい。
【0023】
また、酸化防止剤、染料、顔料、蛍光化合物、有機塩類、無機塩類、紫外線吸収剤、抗菌剤、香料等が共存しても構わない。
【0024】
【実施例】
以下の例において、部及び%は特記しない限り、重量部、重量%である。またエマルジョンの平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所製)を用いて測定した体積平均粒径であり、ゼータ電位はNICOMP 380ZLS(PSS・NICOMP PARTICLE SIZINGSYSTEMS)によって測定した値である。いずれの場合も希釈にはイオン交換水を用いた。また、分散機には特殊機化工業(株)製T.K.ROBO MICSを用いた。
【0025】
また以下の合成例において、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基は以下の方法で定量した。
【0026】
<アミノ基の定量>
クロロホルム・メタノール混合溶媒(容量比1:1)の中で、過塩素酸の酢酸溶液を用いて電位差滴定によって分析した。
【0027】
<カルボキシル基の定量>
クロロホルム・メタノール混合溶媒(容量比1:1)の中で、フェノールフタレインを指示薬とし、水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて滴定した。
【0028】
<水酸基の定量>
クロロホルム溶媒中、無水酢酸のピリジン溶液で処理し、水を加えて過剰の無水酢酸を酢酸に変え、フェノールフタレインを指示薬として、生成した酢酸を水酸化カリウムで逆滴定した。得られた値からカルボキシル基の滴定値を差し引いて、残存している水酸基量に換算した。
【0029】
合成例1(連結基にアミド結合を含むもの)
KF−8002(信越化学工業(株)製、アミノ基含有ポリジメチルシロキサン)200部と無水コハク酸(和光純薬工業製)12.0部とを混合して、窒素雰囲気下、85〜88℃で4時間攪拌し、カルボキシル基を有するポリジメチルシロキサンを薄黄色の糊状物として得た。
【0030】
このポリジメチルシロキサンは、元のアミノ基の92%が消失していた。また、カルボキシル基の定量の結果は、22.5mg水酸化カリウム当量/gサンプルであった。液膜法で赤外線吸収スペクトルを測定した結果、1708cm-1にカルボキシル基の吸収が、1641cm-1にアミド基の吸収が観測された。
【0031】
合成例2(連結基にエステル結合を含むもの)
KF−6003(信越化学工業(株)製、水酸基含有ポリジメチルシロキサン)200部と無水コハク酸(和光純薬工業製)7.14部とを混合して、窒素雰囲気下、90〜95℃で9時間攪拌し、カルボキシル基を有するポリジメチルシロキサンを無色の糊状物として得た。
【0032】
このポリジメチルシロキサンは、元の水酸基の93%が消失しており、カルボキシル基の定量の結果は、18.8mg水酸化カリウム当量/gサンプルであった。液膜法で赤外線吸収スペクトルを測定した結果、1716cm-1にカルボキシル基の吸収が、1730cm-1にエステル基の吸収が観測された。
【0033】
実施例1
水酸化ナトリウム3.5部のイオン交換水296部溶液を45℃以下に保って、分散機によって7000rpmで攪拌した。ここに、X22−162A(信越化学工業(株)製、カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン)100部を加え、さらに20分間攪拌を続けて、ポリシロキサンのアニオン性エマルジョンを乳濁液として得た。このエマルジョンの平均粒径は1.1μm、ゼータ電位は−32mVであった。
【0034】
この乳濁液100部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度30%、花王(株)製コータミン60W)169部に2分かけて添加し、45℃以下に保ち、さらに攪拌を2時間続けて、ポリシロキサンのカチオン性エマルジョンを半透明乳濁液として得た。このエマルジョンの、C/Aは6.1、平均粒径は1.3μm、ゼータ電位は+31mVであった。
【0035】
実施例2
合成例1で得たカルボキシル基を有するポリジメチルシロキサン100部に、未変性99.5%エタノール400部を室温で加えて攪拌し、懸濁させた。ここに、水酸化ナトリウム1.0部のイオン交換水560部溶液を1分かけて加え、攪拌しながら10,600〜13,300Pa(80〜100torr)に減圧して加熱し、全体量が470部になるまで濃縮した。これに、イオン交換水300部を加えて再び同様に濃縮し、全体量を410部にして、アニオン性のポリシロキサンエマルジョンを乳濁液として得た。このエマルジョンの平均粒径は1.9μm、ゼータ電位は−47mVであった。
【0036】
この乳濁液100部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度30%、花王(株)製コータミン60W)250部に2分かけて加え、45℃以下に保ってさらに攪拌を2時間続けて、ポリシロキサンのカチオン性エマルジョンを半透明乳濁液として得た。このエマルジョンの、C/Aは23.4、平均粒径は3.1μm、ゼータ電位は+51mVであった。
【0037】
実施例3
水酸化ナトリウム0.96部のイオン交換水299部溶液を45℃以下に保って、分散機によって7000rpmで攪拌した。ここに、合成例2で得たカルボキシル基を有するポリジメチルシロキサン100部を加え、さらに20分間攪拌を続けて、ポリシロキサンのアニオン性エマルジョンを乳濁液として得た。このエマルジョンの平均粒径は0.9μm、ゼータ電位は−27mVであった
この乳濁液100重郎部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度15%、花王(株)製コータミン60W)169部に2分かけて加え、45℃以下に保ってさらに攪拌を2時間続けて、ポリシロキサンのカチオン性エマルジョンを半透明乳濁液として得た。このエマルジョンの、C/Aは10、平均粒径は0.7μm、ゼータ電位は+34mVであった。
【0038】
実施例4
塩化ヘキサデシルオクタデシルジメチルアンモニウムの2−プロパノール溶液(濃度75%、花王(株)製コータミンD86P)100部に水900部を加えて、50〜60℃で分散機によって3000rpmで攪拌し、塩化ヘキサデシルオクタデシルジメチルアンモニウムの10%水分散液を白色半透明液として得た。これを第1液とする。
【0039】
実施例2の中で調製したアニオン性のポリシロキサンエマルジョン100部を、50〜60℃で分散機によって3000rpmで攪拌されている第1液725部に2分かけて添加し、さらにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン106)36.5部を一気に加え、約5分間攪拌を続けてから室温で静置して、乳白色エマルジョンを得た。このエマルジョンの、C/Aは23.4、平均粒径は2.2μm、ゼータ電位は+37mVであった。
【0040】
比較例1
実施例1の中で調製したポリシロキサンのアニオン性エマルジョン100部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度10%、花王(株)製コータミン60W)85部に2分かけて添加し、45℃以下に保ってさらに攪拌を2時間続けてから静置したところ、2時間以内に凝固を起こした(C/A=1)。
【0041】
比較例2
実施例2の中で調製したアニオン性のポリシロキサンエマルジョン100部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度3.9%、花王(株)製コータミン60W)83部に2分かけて添加し、45℃以下に保ってさらに攪拌を2時間続けてから静置したところ、2時間以内に凝固を起こした(C/A=1)。
【0042】
比較例3
実施例3の中で調製したポリシロキサンのアニオン性エマルジョン100部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度3%、花王(株)製コータミン60W)85部に2分かけて添加し、45℃以下に保ってさらに攪拌を2時間続けてから静置したところ、2時間以内に凝固を起こした(C/A=1)。
【0043】
比較例4
ポリジメチルシロキサンをアニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩)で乳化したエマルジョン(GE東芝シリコーン(株)製、YMR−7212、不揮発分32%)100部を、分散機によって3000rpmで攪拌されている塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液(濃度30%、花王(株)製コータミン60W)250部に2分かけて添加し、45℃以下に保ってさらに攪拌を2時間続けてから静置したところ、2時間以内に分層を起こした。
【0044】
上記実施例及び比較例から明らかなように、本発明のエマルジョンは、製造後も安定に存在したのに対し、カチオン当量とアニオン当量が等しい比較のエマルジョンは、凝固した。また、アニオン性界面活性剤で分散した非イオン性オルガノポリシロキサンとカチオン性界面活性剤との水性エマルジョンは分離した。
【0045】
【発明の効果】
本発明の水性エマルジョンは、安定であり、繊維、紙、毛髪、皮膚、金属、木材、ガラス、セラミックス等の表面処理に実用的に用いることが出来る。

Claims (5)

  1. アニオン性基を分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサンと、カチオン性界面活性剤とを含有し、オルガノポリシロキサンのアニオン性基の当量数(A)に対するカチオン性基の当量数(C)の比、C/Aが1より大きい、水性エマルジョンの製造法であって、アニオン性基を分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサンのエマルジョンと、カチオン性界面活性剤とを混合する、水性エマルジョンの製造法
  2. アニオン性基がカルボキシル基及び/又はその塩である、請求項記載の製造法
  3. オルガノポリシロキサンが、カルボキシル基及び/又はその塩とケイ素原子との間に、一般式(1)又は(2)で表わされる連結基の少なくとも一方を有する、請求項1又は2記載の水性エマルジョンの製造法
    Figure 0004610712
    [式中、R1、R2:同一又は異なって、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示す。
    X:−O−又は−NH−基を示す。]
    Figure 0004610712
    [式中、R1、R2、X:前記の意味を示す。
    3、R4:同一又は異なって、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示す。]
  4. カルボキシル基及び/又はその塩を有するオルガノポリシロキサンが、水酸基及び/又はアミノ基を有するオルガノポリシロキサンと酸無水物又は酸塩化物とを反応させて得られるものである、請求項又は記載の水性エマルジョンの製造法
  5. 酸無水物が、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸の中から選ばれる1種以上である、請求項記載の水性エマルジョンの製造法
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