JP4100689B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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本発明は毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、組成物の安定性、すすぎ時の滑らかさ・しなやかさ、ドライ後の使用感(しっとり感、滑らかさ、しなやかさ)に優れる毛髪化粧料に関する。
ヘアリンスやヘアトリートメント等の毛髪化粧料には、すすぎ時および乾燥(ドライ)後の毛髪に対するコンディショニング効果(柔軟性や平滑性)が求められており、従来、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等のモノアルキルトリメチルアンモニウムクロライドや、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド等のジアルキルジメチルアンモニウムクロライドに代表されるカチオン性界面活性剤が使用されてきた。また、エステルクワットを用いた毛髪化粧料も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年ヘアカラー人口の増加に伴い、毛髪のダメージ度がアップしており、以前にもましてヘアリンスやヘアトリートメントによる毛髪に対するコンディショニング効果が求められている。
しかし、従来使用されてきた上記のカチオン性界面活性剤や、エステルクワットの使用だけでは、毛髪に対して十分な柔軟性と平滑性、疎水化効果を付与することはできず、特に乾燥(ドライ)後の櫛通りや髪の滑らかさの付与が十分ではなかった。
特開2002−255751号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決し、髪質に関係なく、すすぎ時の滑らかさ・しなやかさ、ドライ後の使用感(しっとり感、滑らかさ、しなやかさ)に優れるとともに、組成物の安定性にも優れる毛髪化粧料(ヘアリンス、ヘアトリートメント等)を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定のアミノ変性シリコーンと、特定のエステルクワットを組合せ配合することにより、上記従来の問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)下記一般式(I)で示されるエステルクワットを0.01〜10質量%と、(b)下記一般式(II)で示され、エマルションの形態で配合されるアミノ変性シリコーンを0.001〜5質量%(固形分)含有する、毛髪化粧料を提供する。
Figure 0004100689
(式(I)中、R1COは、炭素原子数が12〜22で、二重結合を0、1、2または3個有する脂肪族アル基を示し、kは2または3の数を示し、Xはハロゲン化合物、メトスルフェートまたはメトホスフェートを示す。
Figure 0004100689
(式(II)中、Qは−Hまたは−(CH22NH2を示し、m=100〜5000の数を示し、n=1〜100の数を示し、m+n=110〜5000の数を示す。)
また本発明は、さらに(c)高級アルコールを含有する、上記毛髪化粧料を提供する。
また本発明は、(c)成分を1〜20質量%含有する、上記毛髪化粧料を提供する。
本発明により、組成物の安定性、すすぎ時の滑らかさ・しなやかさ、ドライ後の使用感(しっとり感、滑らかさ、しなやかさ)に優れる毛髪化粧料に関する。本発明毛髪化粧料は特に、ダメージヘア(ブリーチヘアなど)に対して優れた機能を有する。
本発明毛髪化粧料において、(a)成分として下記一般式(I)で示されるエステルクワットが用いられる。
Figure 0004100689
式(I)中、R1COは、炭素原子数が12〜22で、二重結合を0、1、2または3個有する脂肪族アル基を示す。
kは2または3の数を示す。
Xはハロゲン化合物、メトスルフェートまたはメトホスフェートを示す。
(a)成分としては、ヤシ油脂肪酸系エステルクワットのハロゲン化物またはメトスルフェートが特に好ましい。
(a)成分の配合量は、毛髪化粧料全量に対し、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜6質量%である。0.01質量%未満では、組成物の安定性の点で好ましくなく、一方、10質量%を超えて配合すると、すすぎ時にぬるつく、ドライ後にごわつく等、感触の点で好ましくない。
本発明毛髪化粧料において、(b)成分として、下記一般式(II)で示されるシリコーンが用いられる。
Figure 0004100689
上記式(II)中、Qは−Hまたは−(CH22NH2を示す。
mは100〜5000の数を示し、好ましくは1000〜3000の数を示す。
nは1〜100の数を示し、好ましくは1〜10の数を示す。
m+nは110〜5000の数を示し、好ましくは110〜3000、より好ましくは1000〜3000の数を示す。m+nが110未満ではドライ後の使用感(しっとり感、しなやかさ)が不十分となり、一方、5000超では組成物の安定性、特に高温安定性の点で、好ましくない。
b)成分の毛髪化粧料中への配合方法は、特に制限されるものではないが、本発明では、(b)成分をあらかじめ乳化しエマルションとして添加する方法が用いられる。このような方法を用いることにより、組成物中に分散される(b)成分の粒子径の制御が容易となり、付与する触感が調整しやすくなる。
エマルションの製造には、公知の方法を用いることができ、例えば、コロイドミル、ラインミル、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの乳化機や、アンカーミキサーと、ホモミキサーまたはディスパーミキサーが一体となった乳化機などを用いて行うことができる。
エマルションの製造には界面活性剤および水が使用される。界面活性剤には、特に限定されるものではないが、本発明毛髪化粧料では、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤の中から選ばれる1種または2種以上が好適に用いられる。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジステアリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが例示的に挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、POEラウリルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEソルビトール脂肪酸エステルなどが例示的に挙げられる。両性界面活性剤としては、ラウリルアミンオキシド、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタインなどが例示的に挙げられる。
これら界面活性剤の配合量は、エマルション全体の1〜40質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。1質量%未満では、各成分を良好に分散させることが困難になり、また40質量%を超えるとエマルションの安定性が低下する。
また、エマルションの分散媒としての水の配合量は、エマルション全体の20〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましくは40〜80質量%である。
またエマルションの安定性を改善するため、エマルション中に酸を配合してもよい。酸としては、酢酸、乳酸などの有機酸;塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸が使用される。このような酸は、アミノ基を含有するポリオルガノシロキサンのアミノ基部分を酸で中和し、エマルションの安定性を改善する。
(b)成分の配合量(固形分)は、毛髪化粧料全量に対し、0.001〜5質量%であり、好ましくは0.01〜3質量%である。0.001質量%未満では、感触(ドライ後のしなやかさ、滑らかさ)の点で好ましくなく、一方、5質量%を超えて配合すると、組成物の安定性、特に高温安定性の点で好ましくない。
本発明毛髪化粧料では、さらに所望により(c)成分として高級アルコールを配合してもよい。高級アルコールとしては、一般に化粧料に配合され得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば、飽和直鎖一価アルコール、不飽和一価アルコールなどが挙げられる。飽和直鎖一価アルコールとしては、ドデカノール(=ラウリルアルコール)、トリデカノール、テトラデカノール(=ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(=セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(=ステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(=アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(=ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(=カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(=セリルアルコール)等が挙げられる。(c)成分は1種または2種以上を用いることができる。
(c)成分を配合する場合、毛髪化粧料全量に対し、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。(c)成分を上記範囲で配合することによりすすぎ時の滑らかさをより一層高めることができる。
本発明の毛髪化粧料には、本願発明の効果を損なわない範囲において、他の添加成分を任意に配合し得る。このような成分としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ラノリン誘導体、各種エステル油などの油分;ヒアルロン酸、コンドロイチン酸、ピロリドンカルボン酸、イソプレングリコールなどの保湿剤;pH調整剤;紫外線吸収剤などが配合される。
本発明の毛髪化粧料は、例えばヘアリンス、ヘアトリートメント等として好適に用いられる。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
まず本実施例で用いた試験法、評価基準を以下に示す。
[組成物の安定性]
被験試料100gを市販スクリュー管100mL容器に充填し、50℃の高温槽に2ヶ月間放置した後の外観を観察し、以下の通り評価した。
(評価)
○:下部に透明部分がみられなかった
△:下部に厚さ2mm未満の透明層がみられた
×:下部に厚さ2mm未満の透明層がみられた
[すすぎ時の滑らかさ]
被験試料の洗髪実使用テストを専門パネル(女性20名)によりしてもらい、すすぎ時の髪の滑らかさについて、評価した。
(評価)
◎:20名中、17名以上が、滑らかであると回答
○:20名中、13〜16名が、滑らかであると回答
△:20名中、7〜12名が、滑らかであると回答
×:20名中、6名以下が、滑らかであると回答
[すすぎ時のしなやかさ]
被験試料の洗髪実使用テストを専門パネル(女性20名)によりしてもらい、すすぎ時の髪のしなやかさについて、評価した。
(評価)
◎:20名中、17名以上が、しなやかであると回答
○:20名中、13〜16名が、しなやかであると回答
△:20名中、7〜12名が、しなやかであると回答
×:20名中、6名以下が、しなやかであると回答
[ドライ後のしっとり感]
被験試料で洗髪、乾燥後の髪のしっとり感の有無を専門パネル(女性20名。ダメージヘア(ブリーチヘア))により実使用テストしてもらい、洗髪後自然乾燥させた後の髪のしっとり感と洗髪前の状態を比較法により官能評価した。
(評価)
◎:20名中、17名以上が、洗髪前よりもしっとり感があると回答
○:20名中、13〜16名が、洗髪前よりもしっとり感があると回答
△:20名中、7〜12名が、洗髪前よりもしっとり感があると回答
×:20名中、6名以下が、洗髪前よりもしっとり感があると回答
[ドライ後の滑らかさ]
被験試料で洗髪、乾燥後の髪の滑らかさの有無を専門パネル(女性20名。ダメージヘア(ブリーチヘア))により実使用テストしてもらい、洗髪後自然乾燥させた後の髪の滑らかさと洗髪前の状態を比較法により官能評価した。
(評価)
◎:20名中、17名以上が、洗髪前よりも滑らかであると回答
○:20名中、13〜16名が、洗髪前よりも滑らかであると回答
△:20名中、7〜12名が、洗髪前よりも滑らかであると回答
×:20名中、6名以下が、洗髪前よりも滑らかであると回答
[ドライ後のしなやかさ]
被験試料で洗髪、乾燥後の髪のしなやかさの有無を専門パネル(女性20名。ダメージヘア(ブリーチヘア))により実使用テストしてもらい、洗髪後自然乾燥させた後の髪のしなやかさと洗髪前の状態を比較法により官能評価した。
(評価)
◎:20名中、17名以上が、洗髪前よりもしなやかさがあると回答
○:20名中、13〜16名が、洗髪前よりもしなやかさがあると回答
△:20名中、7〜12名が、洗髪前よりもしなやかさがあると回答
×:20名中、6名以下が、洗髪前よりもしなやかさがあると回答
(実施例1〜2、比較例1〜6)
下記表1に示す組成の洗浄料組成物を調製した。これらを被検試料として、上記試験法、評価基準に基づき、各項目を評価した。結果を表1に示す。
なお表1中、エマルションの形態で配合されているシリコーン類(高重合メチルポリシロキサンエマルション、高重合アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション(*)、高重合アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション(**)、高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体エマルション(***))の各配合量は、エマルションとしての配合量で示した。したがって、例えば実施例1において、「高重合アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション(重合度:約1500、純分:70.0質量%)」の配合量「1.0(質量%)」は、固形分配合量(=実分、純分)0.7質量%である。
また表1中、高重合アミノ変性シリコーンエマルションは、それぞれ以下のものを用いた。
《高重合アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション(*)
上記一般式(II)(式(II)式中、m=1000〜1500、n=2〜5、Qは−(CH22NH2を示す)で表されるアミノ変性シリコーン(70.0質量%)をカチオン界面活性剤(4級化アンモニウム塩)にて乳化したエマルションを用いた。
《高重合アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション(**)
下記一般式(III)(式(III)中、r=100、s=3)で表されるアミノ変性シリコーン(40.0質量%)をカチオン界面活性剤(4級化アンモニウム塩)にて乳化したエマルションを用いた。
Figure 0004100689
《高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体エマルション(***)
下記一般式(IV)(式(IV)中、t=10000、u=10)で表されるアミノ変性シリコーン(14.6質量%)をカチオン界面活性剤(4級化アンモニウム塩)にて乳化したエマルションを用いた。
Figure 0004100689
Figure 0004100689
表1に示す結果から明らかなように、本願発明構成要件を満足する実施例1、2の系では、組成物の安定性、すすぎ時の滑らかさ・しなやかさ、ドライ後のしっとり感・滑らかさ・しなやかさのいずれの点においても、優れた効果を得ることができた。これに対し、本願発明の構成要件を満足しない比較例1〜6では、これら効果をすべて併せもつことができなかった。

Claims (4)

  1. (a)下記一般式(I)で示されるエステルクワットを0.01〜10質量%と、(b)下記一般式(II)で示され、エマルションの形態で配合されるアミノ変性シリコーンを0.001〜5質量%(固形分)含有する、毛髪化粧料。
    Figure 0004100689
    (式(I)中、R1COは、炭素原子数が12〜22で、二重結合を0、1、2または3個有する脂肪族アル基を示し、kは2または3の数を示し、Xはハロゲン化合物、メトスルフェートまたはメトホスフェートを示す。)

    Figure 0004100689
    (式(II)中、Qは−Hまたは−(CH 2 2 NH 2 を示し、m=100〜5000の数を示し、n=1〜100の数を示し、m+n=110〜5000の数を示す。)
  2. 上記一般式(II)中、m=100〜3000の数を示し、n=1〜100の数を示し、m+n=110〜3000の数を示す、請求項1記載の毛髪化粧料。
  3. さらに(c)高級アルコールを含有する、請求項1または2記載の毛髪化粧料。
  4. (c)成分を1〜20質量%含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
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