JP4603471B2 - センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法 - Google Patents

センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法 Download PDF

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本発明は、ガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法に関する。
従来より、第1測定室、第1酸素イオンポンプセル、第2測定室、第2酸素イオンポンプセル、基準酸素室、酸素分圧検知セルを備えるガスセンサ素子が知られている。
そして、このようなガスセンサ素子の状態を判定する装置としては、ガスセンサ素子を構成する各種セルに流れる電流値や、セルから出力される電圧値、セルのインピーダンスなどを測定し、これらの測定結果が許容範囲内にあるか否かに基づいて、ガスセンサ素子の故障状態を判定するものが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平11−014589号公報 国際公開第03/083465号パンフレット
しかし、上記従来の装置においては、ガスセンサ素子の各種状態のうち、断線やショート等の致命的な故障状態を判定することはできるが、セルの感度が悪くなる等のガスセンサ素子の劣化状態までは判定できないという問題点があった。
つまり、致命的な故障状態に到ったガスセンサ素子においては、各種セルの電流値、電圧値、インピーダンス等の値が、正常状態のガスセンサ素子とは明らかに異なる範囲の数値を示す。このことから、上記従来の装置を用いることで、ガスセンサ素子の故障状態を判定することは可能である。
これに対して、劣化状態のガスセンサ素子においては、各種セルの電流値、電圧値、インピーダンス等の値が、正常状態のガスセンサ素子と略同様の範囲に含まれる数値を示すことから、上記の各値に基づいて正常状態と劣化状態とを区別することは難しく、上記従来の装置では、ガスセンサ素子の劣化状態を判定することは困難であった。
なお、劣化状態のガスセンサ素子は、正常状態のガスセンサ素子と比べてガス検知特性が変化するため、正常状態のガスセンサ素子と同様のガス検知結果を得ることができず、ガス検知精度が低下する虞がある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、各種セルを備えるガスセンサ素子における劣化状態を判定できるセンサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が第1測定室の外かつ第2測定室の外かつ基準酸素室の外に配置されて、第1測定室に導入された測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極のうち一方が第2測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が基準酸素室に配置されて、第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置され、他方の電極が基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定装置であって、第2測定室における酸素分圧が特定ガスの検知時よりも高い劣化判定用酸素分圧となる状況下において、第2測定室の酸素分圧に応じて第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出する第2ポンプ電流検出手段と、第2ポンプ電流検出手段により検出された第2ポンプ電流と予め定められた劣化判定用閾値とを比較し、第2ポンプ電流が劣化判定用閾値よりも小さい場合には、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であると判定する状態判定手段と、を備えたことを特徴とするセンサ素子劣化判定装置である。
また、上記目的を達成するためになされた請求項7に記載の発明方法は、第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が第1測定室の外かつ第2測定室の外かつ基準酸素室の外に配置されて、第1測定室に導入された測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極のうち一方が第2測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が基準酸素室に配置されて、第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置され、他方の電極が基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定方法であって、第2測定室における酸素分圧が特定ガスの検知時よりも高い劣化判定用酸素分圧となる状況下において、第2測定室の酸素分圧に応じて第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出し、検出された第2ポンプ電流と予め定められた劣化判定用閾値とを比較し、第2ポンプ電流が劣化判定用閾値よりも小さい場合には、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であると判定すること、を特徴とするセンサ素子劣化判定方法である。
第2測定室の酸素分圧が劣化判定用酸素分圧となる状況下においては、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態ではなく正常状態であれば、第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流は、劣化判定用酸素分圧に応じた電流値となる。しかし、第2酸素イオンポンプセルの劣化が進行すると、第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流は、劣化判定用酸素分圧に応じた電流値よりも小さくなる。
このため、第2ポンプ電流検出手段により検出された第2ポンプ電流と予め定められた劣化判定用閾値とを比較することで、第2酸素イオンポンプセルが許容できない程度の劣化状態であるか否かを判定することができる。
よって、本発明のセンサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法によれば、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であることを判定できることから、各種セルを備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定することが出来る。
そして、上記のセンサ素子劣化判定装置においては、第2測定室の酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更する酸素分圧変更手段を備え、第2ポンプ電流検出手段は、酸素分圧変更手段により第2測定室の酸素分圧が劣化判定用酸素分圧に変更された状態において、第2測定室の酸素分圧に応じて第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出するよう構成してもよい。
このように、酸素分圧変更手段を備えることで、任意のタイミングで第2測定室の酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更することができる。つまり、劣化判定が必要なタイミングで第2測定室の酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更し、第2ポンプ電流検出手段にて第2ポンプ電流を検出することで、検出した第2ポンプ電流に基づき状態判定手段にて劣化判定を行うことが可能となる。
よって、本発明によれば、劣化判定が必要なタイミングにおいて、積極的にガスセンサ素子の劣化判定を実行することが出来る。
そして、酸素分圧変更手段は、例えば、第1測定室に酸素が導入されている状況下において、第1酸素イオンポンプセルによる第1測定室からの酸素の汲み出しを停止して、第1測定室から第2測定室に導入される酸素を増加させることにより、第2測定室における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更するように構成しても良い。
つまり、第1測定室に酸素が導入されている状況下において、第1酸素イオンポンプセルによる第1測定室からの酸素の汲み出しを停止することで、第1測定室の酸素分圧を上昇させることができる。そして、第1測定室の酸素分圧を上昇させて、第1測定室から第2測定室に導入される酸素を増加させることで、第2測定室における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更するのである。
よって、本発明によれば、第2測定室における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更することができ、劣化判定が必要なタイミングにおいて、積極的にガスセンサ素子の劣化判定を実行することが出来る。
なお、このときの酸素分圧変更手段は、第1測定室に酸素が導入されているか否かの判定にあたり、例えば、第1測定室の酸素分圧が予め定められた濃度判定基準値を超えているか否かを判断し、第1測定室の酸素分圧が濃度判定基準値を超えている場合に、第1測定室に酸素が導入されていると判定することが出来る。
また、酸素分圧変更手段は、例えば、第1測定室へ酸素を汲み入れるように第1酸素イオンポンプセルを駆動制御し、第1測定室における酸素分圧を上昇させて、第1測定室から第2測定室に導入される酸素を増加させることにより、第2測定室における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更するよう構成しても良い。
つまり、酸素分圧変更手段が第1酸素イオンポンプセルを駆動制御して、第1測定室に対する酸素の汲み入れ動作を行うことで、第1測定室の酸素分圧を上昇させることができる。そして、第1測定室の酸素分圧を上昇させて、第1測定室から第2測定室に導入される酸素を増加させることで、第2測定室における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更するのである。
このように、第1測定室に対する酸素の汲み入れ動作を行うことで、第1測定室の酸素分圧を上昇させるのに要する時間を短縮することができる。
よって、本発明によれば、第2測定室における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更する時間を短縮でき、ガスセンサ素子の劣化判定に要する時間を短縮できる。
ところで、酸素分圧変更手段による酸素分圧の変更開始時点から、第2測定室の酸素分圧が安定するまでには、一定の時間を要することがある。
そこで、上記のセンサ素子劣化判定装置においては、第2ポンプ電流検出手段は、酸素分圧変更手段による酸素分圧の変更開始時を起点として第2測定室の酸素分圧が安定するまでの安定化待機時間が経過した後に、変更時第2ポンプ電流値を検出するように構成しても良い。
このように、酸素分圧変更手段による酸素分圧の変更開始時を起点として安定化待機時間が経過した後であれば、確実に第2測定室の酸素分圧を第1測定室と同等の酸素分圧に設定でき、第2測定室の酸素分圧を特定ガス検知時の酸素分圧よりも高くすることができる。
よって、本発明によれば、より精度良く第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であるかを判定でき、ガスセンサ素子の劣化状態を判定する際の判定精度の向上を図ることが出来る。
次に、上記のセンサ素子劣化判定装置においては、ガスセンサ素子の起動直後であるか否かを判定する起動後判定手段と、起動後判定手段において肯定判定されると、第1酸素イオンポンプセルによる第1測定室からの酸素の汲み出し動作を停止させるポンピング停止手段と、を備え、第2ポンプ電流検出手段は、ポンピング停止手段により第1酸素イオンポンプセルによる酸素の汲み出し動作が停止された後、ガスセンサ素子が活性化状態である時に、第2測定室の酸素分圧に応じて第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出するよう構成しても良い。
つまり、動作停止状態のガスセンサ素子においては、第1測定室および第2測定室に大気が導入されることから、第2測定室の酸素分圧は大気と同等の酸素分圧となる。そのため、ガスセンサ素子の起動直後は、第2測定室に大気と同等の酸素が存在することから、第2測定室における酸素分圧が特定ガスの検知時よりも高い酸素分圧(劣化判定用酸素分圧)となる。
このような状況下において、ポンピング停止手段が第1酸素イオンポンプセルによる第1測定室からの酸素の汲み出し動作を停止させることで、第2測定室の酸素分圧が低下するのを防止でき、第2測定室の酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に維持することができる。
つまり、センサ素子劣化判定装置は、起動判定手段を備えることで、第2測定室の酸素分圧が劣化判定用酸素分圧となる時期(起動直後)を判定することが出来ると共に、ポンピング停止手段を備えることで、第2測定室の酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に維持した状態で、第2ポンプ電流を検出することができる。
よって、本発明によれば、ガスセンサ素子の劣化判定が可能な時期(タイミング)を判定して、ガスセンサ素子の劣化判定を実行することが出来る。
なお、起動後判定手段において否定判定された場合には、ガスセンサ素子の劣化判定を行わずに処理を終了してもよく、あるいは、劣化判定処理が実行不可能であることを使用者に通知する処理を実行してもよい。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用されたガスセンサ制御装置190を備えるガス検出装置1の概略構成を示す構成図である。
ガス検出装置1は、ガスセンサ制御装置190と、NOxガスセンサ素子10と、を備えており、自動車の内燃機関やボイラ等の各種燃焼機器の排気ガス中の特定ガス(本実施形態では、NOx)を検出する用途などに用いられる。
ガスセンサ制御装置190は、中央演算処理装置(CPU)、RAM、ROM、信号入出力部等を備えるマイクロコンピュータを主要部として構成されている。そして、ガスセンサ制御装置190は、NOxガスセンサ素子10を駆動制御する処理やNOxガスセンサ素子10による検出信号に基づき排気ガス中の特定ガスを検出する処理や、NOxガスセンサ素子10の劣化状態を判定するセンサ診断処理(On Board Diagnosis処理(OBD処理))などを実行する。
なお、図1では、NOxガスセンサ素子10については、内部構造を示す断面図として記載している。以下の説明では、図1に示すNOxガスセンサ素子10のうち左側を先端側として、右側を後端側として説明する。また、図1では、NOxガスセンサ素子10のうち先端側部分における内部構成を示しており、後端部分は図示を省略している。
まず、NOxガスセンサ素子10について説明する。
NOxガスセンサ素子10は、第1ポンプセル111,酸素分圧検知セル112,第2ポンプセル113を、アルミナを主体とする絶縁層114,115を介して積層した構造を有する。また、NOxガスセンサ素子10においては、第2ポンプセル113側に、ヒータ部180が積層されている。
このうち、第1ポンプセル111は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアからなる第1固体電解質層131と、第1固体電解質層131を挟み込むように配置された第1ポンプ用第1電極135と第1ポンプ用第2電極137とからなる第1多孔質電極121とを備えて形成されている。なお、第1ポンプ用第1電極135および第1ポンプ用第2電極137は、白金、白金合金、白金とセラミックス(例えば、固体電解質体)を含むサーメットなどで形成されており、それぞれの表面には、多孔質体からなる保護層122が形成されている。
酸素分圧検知セル112は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアからなる検知用固体電解質層151と、検知用固体電解質層151を挟み込むように配置された検知用電極155と基準用電極157とからなる検知用多孔質電極123とを備えて形成されている。なお、検知用電極155および基準用電極157は、白金、白金合金、白金とセラミックス(例えば、固体電解質体)を含むサーメットなどで形成されている。
第2ポンプセル113は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアからなる第2固体電解質層141と、第2固体電解質層141の表面のうち絶縁層115に面する表面に配置された第2ポンプ用第1電極145および第2ポンプ用第2電極147からなる第2多孔質電極125とを備えて形成されている。
なお、第2ポンプ用第1電極145、第2ポンプ用第2電極147は、白金、白金合金、白金とセラミックス(例えば、固体電解質体)を含むサーメットなどで形成されている。
そして、NOxガスセンサ素子10の内部には、測定対象ガスが導入される第1測定室159が形成されている。第1測定室159には、第1ポンプセル111と酸素分圧検知セル112との間に配置された第1拡散抵抗体116を介して、外部から測定対象ガスが導入される。
第1拡散抵抗体116は、多孔質体で構成されており、NOxガスセンサ素子10のうち先端側開口部から第1測定室159に至る測定対象ガスの導入経路14に配置されて、第1測定室159への単位時間あたりの測定対象ガスの導入量(通過量)を制限している。
なお、導入経路14は、第1ポンプセル111および酸素分圧検知セル112に包囲される空間のうち、第1測定室159よりも先端側(図における左側)の領域である。また、第1ポンプセル111の第1ポンプ用第1電極135(詳細には、保護層122で覆われた第1ポンプ用第1電極135)、および酸素分圧検知セル112の検知用電極155は、第1測定室159に面するように配置されている。
また、第1測定室159の後端側(図における右側)には、多孔質体からなる第2拡散抵抗体117が備えられており、第2ポンプ用第1電極145と第2拡散抵抗体117との間には、第2測定室161が形成されている。なお、第2測定室161は、酸素分圧検知セル112を積層方向に貫通する状態で形成される。
さらに、NOxガスセンサ素子10の内部のうち、酸素分圧検知セル112の検知用固体電解質層151と第2ポンプセル113の第2固体電解質層141との間には、第2測定室161の他に基準酸素室118が形成されている。なお、第2測定室161、基準酸素室118は、この順に後端側から先端側にかけて第2ポンプセル113に沿って形成されている。また、基準酸素室118は、所定の酸素分圧雰囲気(濃度検知の基準となる酸素分圧雰囲気)に設定される。
そして、酸素分圧検知セル112の基準用電極157と、第2ポンプセル113の第2ポンプ用第2電極147とが、基準酸素室118に面するように配置されている。
ヒータ部180は、例えばアルミナ等の絶縁性セラミックスからなるシート状の絶縁層171,173を積層することにより構成されている。そして、このヒータ部180は、各絶縁層171,173の間に、Ptを主体とするヒータ175を備えている。
このように構成されたNOxガスセンサ素子10は、第1ポンプセル111により第1測定室159の内部に存在する酸素のポンピング(汲み出し、汲み入れ)が可能であり、酸素分圧検知セル112により、酸素濃度(酸素分圧)を一定に制御された基準酸素室118と第1測定室159との酸素濃度差(酸素分圧差)、つまり第1測定室159の内部の酸素濃度(酸素分圧)を測定可能である。
なお、このNOxガスセンサ素子10は、別途備えられるガスセンサ制御装置190により駆動されるものであり、ガスセンサ制御装置190がヒータ175を駆動することにより、各セル(第1ポンプセル111、第2ポンプセル113、酸素分圧検知セル112の)を活性化温度まで加熱する。
そして、ガスセンサ制御装置190は、ヒータ175を駆動制御してNOxガスセンサ素子10を活性化温度(例えば750℃)まで加熱し、この状態で、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め設定された一定電圧(例えば425mV)となるように、第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を制御する。
また、ガスセンサ制御装置190は、第1ポンプ電流Ip1を制御すると共に、第2ポンプセル113に対して、予め定められた第2ポンプ電圧Vp2(例えば450mV)を印加する。これにより、第2測定室161では、第2ポンプセル113を構成する第2多孔質電極125の触媒作用によって、NOxが解離(還元)され、その解離により得られた酸素イオンが第2ポンプ用第1電極145と第2ポンプ用第2電極147との間の第2固体電解質層141を移動することにより第2ポンプ電流Ip2が流れる。つまり、第2ポンプセル113は、第2測定室161に存在する特定ガス成分(NOx(窒素酸化物))を解離させて、第2測定室161から基準酸素室118に酸素を汲み出す。
なお、第2測定室161の第2ポンプ用第1電極145で解離された酸素イオン(O2-)は、第2固体電解質層141を介して第2ポンプ用第2電極147に移動し、第2ポンプ用第2電極147において酸素(O2 )として基準酸素室118に放出される。
つまり、ガスセンサ制御装置190は、NOxガスセンサ素子10に接続された状態で、第1ポンプセル111のポンピング動作により第1測定室159の酸素濃度(酸素分圧)を調整し、第2測定室161の酸素濃度(酸素分圧)をNOx検知が可能なNOx検知用濃度に設定して、第2ポンプ電流Ip2の大きさや積分値などに基づいてNOxを検出する処理を行う。
次に、ガスセンサ制御装置190で実行されるセンサ診断処理(On Board Diagnosis処理(OBD処理))の処理内容について説明する。図2に、センサ診断処理の処理内容を表すフローチャートを示す。
なお、センサ診断処理は、ガスセンサ制御装置190の起動直後やフューエルカット運転時など、排気ガス中の酸素濃度(酸素分圧)が高い状態となるタイミングで実行することが望ましい。
センサ診断処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め定められた一定電圧(例えば、425mV)となるように、第1ポンプセル111に電流を流し、このときに第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を検出する処理を実行する。
これにより、第1ポンプ電流Ip1に基づいて測定対象ガスの酸素濃度(酸素分圧)を検出することができる。
次のS120では、S110で検出した第1ポンプ電流Ip1に基づき測定対象ガスの酸素分圧(酸素濃度)を特定し、特定した測定対象ガスの酸素分圧が予め定められた濃度判定基準値であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS130に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
なお、濃度判定基準値は、第1測定室159に酸素が導入されているか否かの判定が可能な数値範囲に設定されており、本実施形態では、「0%を超える範囲」が設定されている。つまり、S120では、測定対象ガスの酸素分圧が0%を超える場合には、第1測定室159に酸素が導入されていると判定して肯定判定し、測定対象ガスの酸素分圧が0%である場合には、第1測定室159に酸素が導入されていないと判定して否定判定する。
S120で肯定判定されてS130に移行すると、S130では、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素のポンピング(汲み出しまたは汲み入れ)を停止させる処理を実行する。これにより、第1測定室159から酸素が汲み出されることが無くなり、酸素を含む排気ガスが第1測定室159に導入されることに伴い、第1測定室159の酸素濃度(酸素分圧)がNOx検知時よりも増大する。
次のS140では、経過時間を計測するためのタイマ処理を開始する。
続くS150では、タイマ処理による時間計測の開始時点から安定化待機時間が経過したか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS160に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
なお、本実施形態では、安定化待機時間として、1.0[sec]が設定されている。
ここで、第1ポンプセル111による酸素の汲み出し動作を停止させた状況下で、第1測定室159に大気(酸素分圧:20%)を導入した場合において、汲み出し停止時期を起点とした経過時間と第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2との相関関係について測定した測定結果を、図5に示す。
なお、本測定では、4個のNOxガスセンサ素子を用いて測定を行っており、図5では、縦軸を第2ポンプ電流Ip2とし、横軸を経過時間とする座標平面において、測定結果の波形を示している。
図5に示すように、第1ポンプセル111による酸素のポンピング停止時(時刻=0[sec])から少なくとも10[msec]が経過するまでの間に、全てのガスセンサ素子について、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値を上回る値を示している。
つまり、図5に示す測定結果によれば、第1ポンプセル111による酸素のポンピング停止時点から少なくとも10[msec]経過することで、第2測定室161のガス雰囲気(酸素分圧)が第1測定室159と同等のガス雰囲気(酸素分圧)となることが判る。
また、第1ポンプセル111による酸素の汲み出し動作を停止させた状況下で、第1測定室159に大気(酸素分圧:20%)を導入した場合において、汲み出し停止時期を起点とした経過時間とNOxガスセンサ素子10のライトオフ時間との相関関係について測定した測定結果を、図6に示す。
なお、ここでのライトオフ時間とは、第1ポンプセル111による酸素の汲み出し動作を再起動した後、NOxガスセンサ素子10がNOx検知可能な状態になるまで(換言すれば、第2測定室161の酸素分圧がNOx検知用の酸素分圧となるまで)の所要時間を意味している。また、図6では、縦軸をライトオフ時間とし、横軸を経過時間とする座標平面において、測定結果の波形を示している。さらに、図6では、ライトオフ時間の許容上限値を規格値として示している。
図6に示すように、経過時間が5[sec]を超えるとライトオフ時間が規格値(許容上限値)を超えることから、ライトオフ時間を規格値以下とするためには、安定化待機時間は5[sec]以下に設定することが望ましい。
そして、図5および図6に示す測定結果によれば、安定化待機時間は、10[msec]以上5[sec]以下の範囲内で設定することが望ましい。
なお、図5に示す劣化判定用閾値は、正常状態のガスセンサ素子に流れる第2ポンプ電流Ip2のうち、目標検出濃度の特定ガスを検出したときに流れる電流値であり、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値を上回るガスセンサ素子については、劣化していない正常状態であると判定できる。
そして、NOxガスセンサ素子10の劣化判定用閾値は、例えば、[数1]に示す計算式で算出することができる。
ここで、定数Aは、NOxセンサ素子の構造などによって定まる定数であり、本実施形態のNOxガスセンサ素子10では、0.005[μA/ppm]である。
例えば、目標検出濃度が50[ppm]のNOxガスセンサ素子における劣化判定用閾値は、[数1]によれば、0.25[μA](=0.005[μA/ppm]×50[ppm])となる。
ここで、第2ポンプ電圧Vp2と第2ポンプ電流Ip2との関係について、4本のNOxガスセンサ素子を用いて測定した測定結果を図7に示す。
図7に示すように、第2ポンプ電流Ip2にはNOxガスセンサ素子ごとに個体差が生じる場合があり、NOx検出用電圧の印加時においては、第2ポンプ電流が最も大きくなるセンサ素子と第2ポンプ電流が最も小さくなるセンサ素子との間では、電流変化量に4倍程度のバラツキが生じることがある。
そのため、バラツキを考慮する必要がある場合には、[数1]に基づき算出される劣化判定用閾値に対して安全係数を乗じた値を、劣化判定用閾値として用いると良い。なお、安全係数は、第2ポンプ電流Ip2のバラツキに応じて設定すれば良く、例えば、第2ポンプ電流Ip2について電流変化量に4倍のバラツキが生じる場合には、安全係数として4を設定すると良い。
図2に戻り、S150で肯定判定されてS160に移行すると、S160では、経過時間を計測するタイマ処理を停止する。
次のS170では、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2を検出する処理を実行する。なお、第2ポンプセル113には第2ポンプ電圧Vp2が印加されており、第2ポンプ電流Ip2は、第2測定室161の酸素分圧に応じた電流値を示す。
次のS180では、S170で検出した第2ポンプ電流Ip2が予め定められた劣化判定用閾値以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS190に移行し、否定判定する場合にはS200に移行する。
つまり、S180では、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上である場合には、第2ポンプセル113が正常状態であると判定し、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上ではない場合には、第2ポンプセル113が劣化状態であると判定している。
なお、S180での判定に用いる劣化判定用閾値は、本実施形態では、0.25[μA]に設定されている。個体差によるバラツキを考慮する場合には、安全係数(=4)を乗じた1.00[μA]を劣化判定用閾値としてもよい。
S180で肯定判定されてS190に移行すると、S190では、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素のポンピング(汲み出しまたは汲み入れ)を再び起動させる処理を実行する。つまり、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め設定された一定電圧(例えば425mV)となるように、第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を制御する処理を再開する。
これにより、第1測定室159の酸素分圧が特定ガス検知用濃度(例えば、低濃度)に設定されると共に、第2測定室161の酸素分圧が特定ガス検知用濃度に設定されることになり、NOxガスセンサ素子10がNOx検出の可能な状態に設定される。
なお、ガスセンサ制御装置190は、センサ診断処理とは別の内部処理としてNOx検出処理を実行することで、NOxガスセンサ素子10の第2ポンプ電流Ip2を検出し、検出した第2ポンプ電流Ip2に基づきNOx検出を行う。
S180で否定判定されてS200に移行すると、S200では、第2ポンプセル113が劣化状態であることを表す異常発生信号を、ガスセンサ制御装置190の出力端子(図示省略)から外部機器に対して出力する処理を行う。
そして、異常発生信号を受け取った外部機器は、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを使用者に通知するための処理を行う。具体的な処理としては、例えば、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す警告ランプを点灯する処理や、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す音声メッセージを出力する処理などを挙げることができる。
S190またはS200が終了すると、本制御処理(センサ診断処理)は終了する。
以上説明したように、本実施形態のガス検出装置1に備えられるガスセンサ制御装置190は、第1測定室159に酸素が導入されている時に(S120で肯定判定)、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素の汲み出しを停止することで、第1測定室159の酸素分圧を上昇させている。ガスセンサ制御装置190は、このように第1測定室159の酸素分圧を上昇させて、第1測定室159から第2測定室161に導入される酸素を増加させることで、第2測定室161における酸素分圧をNOx検知時の酸素分圧よりも高い値に変更するのである。
そして、第2測定室161の酸素分圧がNOx検知時の酸素分圧よりも高い値(劣化判定用酸素分圧)となる状況下においては、第2ポンプセル113が劣化状態ではなく正常状態であれば、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2は、劣化判定用酸素分圧に応じた電流値となる。しかし、第2ポンプセル113の劣化が進行すると、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2は、劣化判定用酸素分圧に応じた電流値よりも小さくなる。
このため、ガスセンサ制御装置190は、S170での処理で検出された第2ポンプ電流Ip2と予め定められた劣化判定用閾値とを比較することで、第2ポンプセル113が許容できない程度の劣化状態であるか否かを判定することができ、S180において第2ポンプ電流Ip2と劣化判定用閾値との比較処理を行う。つまり、S180での判定処理では、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上である場合には、第2ポンプセル113が正常状態であると判定し、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上ではない場合には、第2ポンプセル113が劣化状態であると判定している。
なお、本実施形態では、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素の汲み出しを停止することで、第2測定室161における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更することができる。よって、ガスセンサ制御装置190は、劣化判定が必要なタイミングにおいて、第1測定室159からの酸素の汲み出しを停止して第2測定室161の酸素分圧を変更することで、NOxガスセンサ素子10の劣化判定を実行することが出来る。
よって、本実施形態のガスセンサ制御装置190によれば、第2ポンプセル113が劣化状態であるか否かを判定でき、NOxガスセンサ素子10の劣化状態を判定することが出来る。
また、本実施形態のガスセンサ制御装置190は、S150での処理において、安定化待機時間を経過したか否かを判断することで、第1測定室159からの酸素の汲み出し動作の停止時点から少なくとも安定化待機時間を経過したか否かを判断している。つまり、ガスセンサ制御装置190は、第1測定室159からの酸素の汲み出し動作を停止した時点(S130)から少なくとも安定化待機時間を経過した後で(S150で肯定判定)、第2ポンプ電流Ip2の検出を行う(S170)。
このように、第1測定室159からの酸素の汲み出し動作を停止した時点から少なくとも安定化待機時間を経過した後であれば、確実に第2測定室161の酸素分圧を第1測定室159と同等の酸素分圧に設定でき、第2測定室161の酸素分圧をNOx検知時の酸素分圧よりも高くすることができる。
なお、本実施形態においては、ガスセンサ制御装置190が特許請求の範囲に記載のセンサ素子劣化判定装置に相当し、第1ポンプセル111が第1酸素イオンポンプセルに相当し、第2ポンプセル113が第2酸素イオンポンプセルに相当し、S150およびS170での処理が第2ポンプ電流検出手段に相当し、S180での処理が状態判定手段に相当し、S120およびS130での処理が酸素分圧変更手段に相当している。
上記の実施形態(以下、第1実施形態ともいう)では、第1測定室に酸素が導入されている状況下において、第1測定室からの酸素の汲み出し動作を停止することで、第2測定室の酸素分圧を上昇させる構成のガスセンサ制御装置190(センサ素子劣化判定装置)について説明したが、本発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではない。
そこで、第2実施形態として、第1測定室に酸素を汲み入れる動作を実行することで、第2測定室の酸素分圧を上昇させる構成のガスセンサ制御装置(センサ素子劣化判定装置)について説明する。
なお、第2実施形態のガスセンサ制御装置は、第1実施形態と同様に、図1に示すようなNOxガスセンサ素子10と共にガス検出装置を構成するものであるが、第1実施形態とはセンサ診断処理の処理内容が異なっている。したがって、以下の説明では、センサ診断処理の処理内容を中心に説明する。
第2実施形態におけるセンサ診断処理の処理内容を表すフローチャートを図3に示す。
なお、センサ診断処理は、ガスセンサ制御装置の起動直後やフューエルカット運転時など、排気ガス中の酸素濃度(酸素分圧)が高い状態となるタイミングで実行することが望ましい。
センサ診断処理が開始されると、まず、S310(Sはステップを表す)では、第1ポンプセル111による酸素のポンピング動作(汲み出しまたは汲み入れ)を、「酸素の汲み入れ動作」に設定する処理を実行する。これにより、第1拡散抵抗体116を介した酸素(排気ガスに含まれる酸素)の導入に加えて、第1測定室159に対する酸素の汲み入れ動作を行うことから、効率良く第1測定室159の酸素濃度(酸素分圧)が増大する。
次のS320では、経過時間を計測するためのタイマ処理を開始する。
続くS330では、タイマ処理による時間計測の開始時点から安定化待機時間が経過したか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS340に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
なお、第2実施形態では、安定化待機時間として、0.5[sec]が設定されている。第2実施形態では、第1拡散抵抗体116を介した酸素(排気ガスに含まれる酸素)の導入に加えて、第1測定室159に対する酸素の汲み入れ動作を行うことから、第1実施形態に比べて、短い時間で酸素分圧を上昇させることができるため、安定化待機時間を第1実施形態よりも小さい値に設定することができる。
S330で肯定判定されてS340に移行すると、S340では、経過時間を計測するタイマ処理を停止する。
次のS350では、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2を検出する処理を実行する。なお、第2ポンプセル113には第2ポンプ電圧Vp2が印加されており、第2ポンプ電流Ip2は、第2測定室161の酸素分圧に応じた電流値を示す。
次のS360では、S350で検出した第2ポンプ電流Ip2が予め定められた劣化判定用閾値以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS370に移行し、否定判定する場合にはS380に移行する。
つまり、S360では、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上である場合には、第2ポンプセル113が正常状態であると判定し、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上ではない場合には、第2ポンプセル113が劣化状態であると判定している。
なお、S360での判定に用いる劣化判定用閾値は、本実施形態では、0.25[μA]に設定されている。
S360で肯定判定されてS370に移行すると、S370では、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素のポンピング動作(汲み出しまたは汲み入れ)を通常制御動作に設定する処理を実行する。つまり、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め設定された一定電圧(例えば425mV)となるように、第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を制御する処理を再開する。
これにより、第1測定室159の酸素分圧が特定ガス検知用濃度(例えば、低濃度)に設定されると共に、第2測定室161の酸素分圧が特定ガス検知用濃度に設定されることになり、NOxガスセンサ素子10がNOx検出の可能な状態に設定される。
なお、第2実施形態のガスセンサ制御装置においても、第1実施形態と同様に、センサ診断処理とは別の内部処理としてNOx検出処理を実行することで、NOxガスセンサ素子10の第2ポンプ電流Ip2を検出し、検出した第2ポンプ電流Ip2に基づきNOx検出を行う。
S360で否定判定されてS380に移行すると、S380では、第2ポンプセル113が劣化状態であることを表す異常発生信号を、ガスセンサ制御装置の出力端子(図示省略)から外部機器に対して出力する処理を行う。
そして、異常発生信号を受け取った外部機器は、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを使用者に通知するための処理を行う。具体的な処理としては、例えば、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す警告ランプを点灯する処理や、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す音声メッセージを出力する処理などを挙げることができる。
S370またはS380が終了すると、本制御処理(センサ診断処理)は終了する。
以上説明したように、第2実施形態のガスセンサ制御装置は、S310での処理により第1ポンプセル111を駆動制御して、第1測定室159に対する酸素の汲み入れ動作を行うことで、第1測定室159の酸素分圧を上昇させている。そして、第1測定室159の酸素分圧を上昇させて、第1測定室159から第2測定室161に導入される酸素を増加させることで、第2測定室161における酸素分圧をNOx検知時の酸素分圧よりも高い値(劣化判定用酸素分圧)に変更するのである。
このように、第2実施形態では、第1拡散抵抗体116を介した酸素(排気ガスに含まれる酸素)の導入に加えて、第1ポンプセル111を駆動制御して第1測定室159に対する酸素の汲み入れ動作を行うことで、第1測定室159の酸素分圧を上昇させるのに要する時間を短縮することができる。このため、第2実施形態のガスセンサ制御装置190では、第2測定室161における酸素分圧を劣化判定用酸素分圧に変更する時間を短縮できることから、NOxガスセンサ素子10の劣化判定に要する時間を短縮できる。
なお、第2実施形態においては、ガスセンサ制御装置が特許請求の範囲に記載のセンサ素子劣化判定装置に相当し、S330およびS350での処理が第2ポンプ電流検出手段に相当し、S360での処理が状態判定手段に相当し、S310での処理が酸素分圧変更手段に相当している。
上記の第1実施形態および第2実施形態では、第2測定室の酸素分圧を変更してガスセンサ素子の劣化状態を判定する構成のガスセンサ制御装置(センサ素子劣化判定装置)について説明したが、第3実施形態として、第2測定室の酸素濃度を変更することなく劣化状態を判定する構成のガスセンサ制御装置(センサ素子劣化判定装置)について説明する。
なお、一定の停止期間を経た後に起動されたガスセンサ素子においては、起動直後には第2測定室にも大気と同等の酸素が存在することから、起動直後における第2測定室の酸素分圧は、NOx検知時の酸素分圧に比べて高い値となる。このため、第3実施形態のガスセンサ制御装置(センサ素子劣化判定装置)は、ガスセンサ素子の起動直後に劣化状態を判定するよう構成されている。
また、第3実施形態のガスセンサ制御装置は、第1実施形態と同様に、図1に示すようなNOxガスセンサ素子10と共にガス検出装置を構成するものであるが、第1実施形態とはセンサ診断処理の処理内容が異なっている。したがって、以下の説明では、センサ診断処理の処理内容を中心に説明する。
第3実施形態におけるセンサ診断処理の処理内容を表すフローチャートを図4に示す。
なお、第3実施形態においては、センサ診断処理は、ガスセンサ制御装置の起動直後に実行される。
センサ診断処理が開始されると、まず、S410(Sはステップを表す)では、イグニッションKeyがON状態であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS420に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
なお、イグニッションKeyは、内燃機関あるいは燃焼機器の起動操作・停止操作を行うためのものであり、イグニッションKeyがON状態に設定されると、内燃機関あるいは燃焼機器が起動され、イグニッションKeyがOFF状態に設定されると、内燃機関あるいは燃焼機器が停止する。
S410で肯定判定されてS420に移行すると、S420では、今回の起動が長期停止後の起動であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS430に移行し、否定判定する場合にはセンサ診断処理を終了する。
なお、S420では、具体的には、NOxガスセンサ素子10の温度を検出して、検出した温度が予め定められた非活性温度であるか否かを判断し、検出した温度が非活性温度であり肯定判定する場合にはS430に移行し、検出した温度が非活性温度ではなく否定判定する場合にはセンサ診断処理を終了する。つまり、長期停止している場合には、NOxガスセンサ素子10の温度が低下することから、長期停止後の起動であれば、NOxガスセンサ素子10の温度は充分には上昇しておらず低い値を示すことになり、素子の温度に基づいて長期停止後の起動であるか否かを判断することが出来る。
そして、NOxガスセンサ素子10の温度検出方法としては、NOxガスセンサ素子10の近傍に温度センサを設けておき、その温度センサを用いて温度検出する方法や、NOxガスセンサ素子10における酸素分圧検知セル112の電気抵抗値Rpvsを検出し、電気抵抗値Rpvsから素子温度を換算する方法などを用いることができる。また、本実施形態では、非活性温度を600[℃]以下の温度範囲としている。
S420で肯定判定されてS430に移行すると、S430では、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素のポンピング(汲み出しまたは汲み入れ)を停止させる処理を実行する。これにより、第1測定室159から酸素が汲み出されることが無くなり、第2測定室161の酸素が第1測定室159を介して汲み出されるのを防止することができる。つまり、S430において第1ポンプセル111によるポンピング動作を停止させることで、第2測定室161の酸素濃度が低下するのを防止している。
次のS440では、NOxガスセンサ素子10が活性化状態であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS450に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
NOxガスセンサ素子10は、起動後にヒータ部180による加熱が開始されて、ヒータ部180により所定の活性化温度まで加熱されることで活性化状態となる。このため、S440では、具体的には、NOxガスセンサ素子10の温度を検出して、検出した温度が予め定められた活性化温度であるか否かを判断し、検出した温度が活性化温度であり肯定判定する場合にはS430に移行し、検出した温度が活性化温度ではなく否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
なお、本実施形態では、活性化温度を「700[℃]以上の温度範囲」としている。
次のS450では、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2を検出する処理を実行する。
なお、第2ポンプセル113には第2ポンプ電圧Vp2が印加されており、第2ポンプ電流Ip2は、第2測定室161の酸素分圧に応じた電流値を示す。
次のS460では、S450で検出した第2ポンプ電流Ip2が予め定められた劣化判定用閾値以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS470に移行し、否定判定する場合にはS480に移行する。
つまり、S460では、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上である場合には、第2ポンプセル113が正常状態であると判定し、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上ではない場合には、第2ポンプセル113が劣化状態であると判定している。
なお、S460での判定に用いる劣化判定用閾値は、本実施形態では、0.25[μA]に設定されている。
S460で肯定判定されてS470に移行すると、S470では、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素のポンピング(汲み出しまたは汲み入れ)を再び起動させる処理を実行する。つまり、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め設定された一定電圧(例えば425mV)となるように、第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を制御する処理を再開する。
これにより、第1測定室159の酸素分圧が特定ガス検知用濃度(例えば、低濃度)に設定されると共に、第2測定室161の酸素分圧が特定ガス検知用濃度に設定されることになり、NOxガスセンサ素子10がNOx検出の可能な状態に設定される。
なお、第3実施形態のガスセンサ制御装置においても、第1実施形態と同様に、センサ診断処理とは別の内部処理としてNOx検出処理を実行することで、NOxガスセンサ素子10の第2ポンプ電流Ip2を検出し、検出した第2ポンプ電流Ip2に基づきNOx検出を行う。
S460で否定判定されてS480に移行すると、S480では、第2ポンプセル113が劣化状態であることを表す異常発生信号を、ガスセンサ制御装置190の出力端子(図示省略)から外部機器に対して出力する処理を行う。
そして、異常発生信号を受け取った外部機器は、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを使用者に通知するための処理を行う。具体的な処理としては、例えば、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す警告ランプを点灯する処理や、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す音声メッセージを出力する処理などを挙げることができる。
S470またはS480が終了すると、本制御処理(センサ診断処理)は終了する。
以上説明したように、第3実施形態のガスセンサ制御装置は、S410での判定処理によりNOxガスセンサ素子10が起動状態であるか否かを判定し、S420での判定処理により今回の起動が長期停止後の起動であるか否かを判定している。そして、S410およびS420のそれぞれで肯定判定された場合に、第2ポンプ電流Ip2を検出して、NOxガスセンサ素子10の劣化判定を行う。
つまり、動作停止状態のNOxガスセンサ素子10においては、第1測定室159および第2測定室161に大気が導入されることから、第2測定室161の酸素分圧は大気と同等の酸素分圧となる。このように、NOxガスセンサ素子10の起動直後は、第2測定室161に大気と同等の酸素が存在することから、第2測定室161における酸素分圧がNOx検知時よりも高い酸素分圧(劣化判定用酸素分圧)となる。
なお、NOxガスセンサ素子10の動作停止状態が短時間である場合には、第2測定室161の酸素分圧が大気と同等ではなく低い状態となっている可能性があることから、S420での判定処理を行うことで、第2測定室161の酸素分圧が大気と同等である状況下で劣化判定を行うことができる。
このような状況下において、S430での処理により、第1ポンプセル111による第1測定室159からの酸素の汲み出し動作を停止させることで、第2測定室161の酸素分圧が低下するのを防止でき、第2測定室161の酸素分圧をNOx検知時よりも高い酸素分圧(劣化判定用酸素分圧)に維持することができる。
よって、第3実施形態のガスセンサ制御装置によれば、第2測定室161の酸素分圧を変更する動作を実行することなく、第2測定室161の酸素分圧が高い状況であるか否かを判定することで、NOxガスセンサ素子10の劣化判定が可能な時期である場合に、NOxガスセンサ素子10の劣化判定を実行することが出来る。
なお、第3実施形態においては、ガスセンサ制御装置が特許請求の範囲に記載のセンサ素子劣化判定装置に相当し、S410およびS420での処理が起動後判定手段に相当し、S430での処理がポンピング停止手段に相当し、S440およびS450での処理が第2ポンプ電流検出手段に相当し、S460での処理が状態判定手段に相当している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、S120での濃度判定基準値が「0%を超える範囲」に設定されているが、濃度判定基準値はこの数値範囲に限られることはなく、5%以上の範囲、10%以上の範囲、15%以上の範囲、20%以上の範囲など、他の数値範囲に設定しても良い。
また、S150またはS330での安定化待機時間は、上記実施形態では1.0[sec]または0.5[sec]に設定されているが、これらの数値に限定されることはなく、第2測定室の酸素濃度を劣化判定用酸素分圧に設定でき、かつ、ライトオフ時間が許容上限値以下となる範囲において、安定化待機時間を設定すればよい。つまり、図5および図6に示す測定結果によれば、安定化待機時間は、10[msec]以上5[sec]以下の範囲内で設定することが望ましい。
さらに、NOxガスセンサ素子が検出濃度範囲における上限濃度のNOxを検出した際、第2ポンプセルに流れる第2ポンプ電流(第2ポンプ電流の最大値)に所定の係数(例えば、自然数)を乗じた値を、劣化判定用閾値に設定しても良い。
ガスセンサ制御装置を備えるガス検出装置の概略構成を示す構成図である。 第1実施形態におけるセンサ診断処理の処理内容を表すフローチャートである。 第2実施形態におけるセンサ診断処理の処理内容を表すフローチャートである。 第3実施形態におけるセンサ診断処理の処理内容を表すフローチャートである。 汲み出し停止時期を起点とした経過時間と第2ポンプセルに流れる第2ポンプ電流との相関関係について測定した測定結果である。 汲み出し停止時期を起点とした経過時間とNOxガスセンサ素子のライトオフ時間との相関関係について測定した測定結果である。 第2ポンプ電圧と第2ポンプ電流との関係について、4本のNOxガスセンサ素子を用いて測定した測定結果である。
符号の説明
1…ガス検出装置、10…NOxガスセンサ素子、111…第1ポンプセル、112…酸素分圧検知セル、113…第2ポンプセル、118…基準酸素室、159…第1測定室、161…第2測定室、180…ヒータ部、190…ガスセンサ制御装置、

Claims (7)

  1. 第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、
    前記第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた前記測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、
    基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記第1測定室の外かつ前記第2測定室の外かつ前記基準酸素室の外に配置されて、前記第1測定室に導入された前記測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極のうち一方が前記第2測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記基準酸素室に配置されて、前記第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置され、他方の電極が前記基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、
    を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定装置であって、
    前記第2測定室における酸素分圧が前記特定ガスの検知時よりも高い劣化判定用酸素分圧となる状況下において、前記第2測定室の酸素分圧に応じて前記第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出する第2ポンプ電流検出手段と、
    前記第2ポンプ電流検出手段により検出された前記第2ポンプ電流と予め定められた劣化判定用閾値とを比較し、前記第2ポンプ電流が前記劣化判定用閾値よりも小さい場合には、前記第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であると判定する状態判定手段と、
    を備えたことを特徴とするセンサ素子劣化判定装置。
  2. 前記第2測定室の酸素分圧を前記劣化判定用酸素分圧に変更する酸素分圧変更手段を備え、
    前記第2ポンプ電流検出手段は、前記酸素分圧変更手段により前記第2測定室の酸素分圧が前記劣化判定用酸素分圧に変更された状態において、前記第2測定室の酸素分圧に応じて前記第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出すること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ素子劣化判定装置。
  3. 前記酸素分圧変更手段は、前記第1測定室に酸素が導入されている状況下において、前記第1酸素イオンポンプセルによる前記第1測定室からの酸素の汲み出しを停止して、前記第1測定室から前記第2測定室に導入される酸素を増加させることにより、前記第2測定室における酸素分圧を前記劣化判定用酸素分圧に変更すること、
    を特徴とする請求項2に記載のセンサ素子劣化判定装置。
  4. 前記酸素分圧変更手段は、前記第1測定室へ酸素を汲み入れるように前記第1酸素イオンポンプセルを駆動制御し、前記第1測定室における酸素分圧を上昇させて、前記第1測定室から前記第2測定室に導入される酸素を増加させることにより、前記第2測定室における酸素分圧を前記劣化判定用酸素分圧に変更すること、
    を特徴とする請求項2に記載のセンサ素子劣化判定装置。
  5. 前記第2ポンプ電流検出手段は、前記酸素分圧変更手段による前記酸素分圧の変更開始時を起点として前記第2測定室の酸素分圧が安定するまでの安定化待機時間が経過した後に、前記第2ポンプ電流値を検出すること、
    を特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のセンサ素子劣化判定装置。
  6. 前記ガスセンサ素子の起動直後であるか否かを判定する起動後判定手段と、
    前記起動後判定手段において肯定判定されると、前記第1酸素イオンポンプセルによる前記第1測定室からの酸素の汲み出し動作を停止させるポンピング停止手段と、
    を備え、
    前記第2ポンプ電流検出手段は、前記ポンピング停止手段により前記第1酸素イオンポンプセルによる酸素の汲み出し動作が停止された後、前記ガスセンサ素子が活性化状態である時に、前記第2測定室の酸素分圧に応じて前記第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出すること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ素子劣化判定装置。
  7. 第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、
    前記第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた前記測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、
    基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記第1測定室の外かつ前記第2測定室の外かつ前記基準酸素室の外に配置されて、前記第1測定室に導入された前記測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極のうち一方が前記第2測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記基準酸素室に配置されて、前記第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置され、他方の電極が前記基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、
    を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定方法であって、
    前記第2測定室における酸素分圧が前記特定ガスの検知時よりも高い劣化判定用酸素分圧となる状況下において、前記第2測定室の酸素分圧に応じて前記第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流を検出し、
    検出された前記第2ポンプ電流と予め定められた劣化判定用閾値とを比較し、前記第2ポンプ電流が前記劣化判定用閾値よりも小さい場合には、前記第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であると判定すること、
    を特徴とするセンサ素子劣化判定方法。
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