JP5212574B2 - ガスセンサの異常診断装置 - Google Patents
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Description
この発明は、ガスセンサの異常診断装置に係り、特に、エンジンから排出される排気ガス中の特定ガスの濃度を検出するガスセンサの異常有無を判定するガスセンサの異常診断装置に関する。
内燃機関の排気ガスのNOx濃度を検出するNOxセンサが知られている。このNOxセンサとして、測定対象ガス中の酸素を汲み出す主ポンプセルと、測定対象ガスから酸素を更に汲み出す補助ポンプセルと、酸素が汲み出された測定対象ガスに含まれるNOxの濃度を検出する検出セルとを備えたものがある。各セルには、固体電解質が用いられている。各セルが正常な特性を発揮するには、固体電解質の温度が一定温度以上になることが必要である。
内燃機関のエミッションを更に改善するためには、エンジン始動後、なるべく早期に、NOxセンサで検出されるNOx濃度の情報をエンジン制御に利用することが望まれている。そのためには、NOxセンサの活性を精度良く判定することが重要である。
しかしながら、各セルの活性速度(活性完了までの速さ)は、同じではない。この原因は、各セルの材質が役割に応じて異なることや、各セルとヒータとの距離が異なることなどにある。
特開2004−132840号公報には、主ポンプセル(同公報では「第1セル」)の活性判定と検出セル(同公報では「第2セル」)の活性判定とを個別に行い、且つ、主ポンプセルの活性化が完了したと判定された後、検出セルの活性判定を行うガス濃度検出装置が開示されている。この装置によれば、検出セルの活性完了を待つことなく、主ポンプセルにより検出される酸素濃度信号を早期に利用することができる。
ところで、ガスセンサは高温の排気ガスに晒される環境下に配置される。このため、ガスセンサを構成する検出セル、主ポンプセル、および補助ポンプセルは、被水等に起因するクラックや経年劣化等が発生するおそれがある。このような劣化異常が発生すると、正確なセル出力を検出することができないことが懸念される。上記従来の技術に開示されているように、セル出力は活性判定や種々の制御に使用される。このため、各セルの劣化等の異常のOBD(On-Board Diagnostic)をできるだけ早い段階で行うことが望まれていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ガスセンサの暖機時における出力特性に基づいて、該ガスセンサの異常を診断することのできるガスセンサの異常診断装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、測定対象ガス中の酸素を汲み出す主ポンプセルと、測定対象ガスから酸素を更に汲み出す補助ポンプセルと、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルにより酸素が汲み出された測定対象ガスに含まれる特定ガス成分の濃度を検出する検出セルと、を有するガスセンサの異常診断装置であって、
前記ガスセンサの暖機中に、前記検出セルのセル出力の検出を開始した直後の該セル出力の立ち上がり特性、ピーク値、およびその後の立ち下がり特性の少なくとも1つに基づいて、前記検出セル、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルの少なくとも1つの異常を診断する異常診断手段を備え、
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がり後のピーク値が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記検出セルに対する異常の発生を判定することを特徴とする。
前記ガスセンサの暖機中に、前記検出セルのセル出力の検出を開始した直後の該セル出力の立ち上がり特性、ピーク値、およびその後の立ち下がり特性の少なくとも1つに基づいて、前記検出セル、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルの少なくとも1つの異常を診断する異常診断手段を備え、
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がり後のピーク値が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記検出セルに対する異常の発生を判定することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がりの速度が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記検出セルに対する異常の発生を判定することを特徴とする。
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がりの速度が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記検出セルに対する異常の発生を判定することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がり後の立ち下がりの速度が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルの少なくとも1つに対する異常の発生を判定することを特徴とする。
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がり後の立ち下がりの速度が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルの少なくとも1つに対する異常の発生を判定することを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記異常診断手段は、前記ガスセンサのレンジ外れの異常の有無を判定することを特徴とする。
前記異常診断手段は、前記ガスセンサのレンジ外れの異常の有無を判定することを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記異常診断手段は、前記ガスセンサの応答性低下の異常の有無を判定することを特徴とする。
前記異常診断手段は、前記ガスセンサの応答性低下の異常の有無を判定することを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、
前記異常診断手段は、前記ガスセンサの断線による異常の有無を判定することを特徴とする。
前記異常診断手段は、前記ガスセンサの断線による異常の有無を判定することを特徴とする。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記異常診断手段は、前記ガスセンサのショートによる異常の有無を判定することを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の何れか1つの発明において、
前記ガスセンサの暖機中に、前記主ポンプセルの出力と前記補助ポンプセルの出力との偏差が所定のしきい値よりも大きい場合に、前記補助ポンプセルに対する異常の発生を判定する第2の異常診断手段を更に備えることを特徴とする。
前記異常診断手段は、前記ガスセンサのショートによる異常の有無を判定することを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の何れか1つの発明において、
前記ガスセンサの暖機中に、前記主ポンプセルの出力と前記補助ポンプセルの出力との偏差が所定のしきい値よりも大きい場合に、前記補助ポンプセルに対する異常の発生を判定する第2の異常診断手段を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、ガスセンサの暖機中にセル出力特性に基づいて、主ポンプセル、補助ポンプセル、および検出セルの少なくとも1つの異常を診断することができる。このため、本発明によれば、ガスセンサの暖機中の段階でガスセンサのOBDを行うことができる。
また、本発明によれば、セル出力の立ち上がり後のピーク値が、所定のしきい値よりも小さい場合に、検出セルの異常が判定される。このピーク値は、検出セルに劣化等の異常が発生している場合に小さくなる傾向がある。このため、本発明によれば、セル出力のピーク値に基づいて、検出セルの異常を有効に診断することができる。
また、本発明によれば、セル出力の立ち上がり後のピーク値が、所定のしきい値よりも小さい場合に、検出セルの異常が判定される。このピーク値は、検出セルに劣化等の異常が発生している場合に小さくなる傾向がある。このため、本発明によれば、セル出力のピーク値に基づいて、検出セルの異常を有効に診断することができる。
第2の発明によれば、ガスセンサの暖機中に、セル出力の検出を開始した直後の該セル出力の立ち上がりの速度が、所定のしきい値よりも小さい場合に、検出セルの異常が判定される。このセル出力の立ち上がりは、該ガスセンサ内の酸素が検出セルの電極上で反応することで発生する出力変化であり、検出セルに劣化等の異常が発生している場合にはその出力変化が緩慢になる。このため、本発明によれば、セル出力の立ち上がりの速度に基づいて、検出セルの異常を有効に診断することができる。
第3の発明によれば、セル出力の立ち上がり後の立ち下がりの速度が、所定のしきい値よりも小さい場合に、主ポンプセルおよび補助ポンプセルの少なくとも1つの異常が判定される。このセル出力の立ち下がりは、主ポンプセルおよび補助ポンプセルが該ガスセンサ内の酸素を除去することで発生する出力変化であり、これらのポンプセルに劣化等の異常が発生している場合にはその出力変化が緩慢になる。このため、本発明によれば、セル出力の立ち下がりの速度に基づいて、主ポンプセルおよび補助ポンプセルの異常を有効に診断することができる。
第4の発明によれば、ガスセンサのレンジ外れ異常の発生有無を、ガスセンサの暖機中の早い時期に診断することができる。
第5の発明によれば、ガスセンサの応答性低下異常の発生有無を、ガスセンサの暖機中の早い時期に診断することができる。
第6の発明によれば、ガスセンサの断線異常の発生有無を、ガスセンサの暖機中の早い時期に診断することができる。
第7の発明によれば、ガスセンサのショート異常の発生有無を、ガスセンサの暖機中の早い時期に診断することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
[実施の形態の構成]
図1は、本発明の実施の形態のガス濃度検出装置10の構成を説明するための図である。本実施形態のガス濃度検出装置10は、内燃機関(以下、「エンジン」とも称する)の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)の濃度を検出する装置である。このガス濃度検出装置10は、NOxセンサ1を有している。
[実施の形態の構成]
図1は、本発明の実施の形態のガス濃度検出装置10の構成を説明するための図である。本実施形態のガス濃度検出装置10は、内燃機関(以下、「エンジン」とも称する)の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)の濃度を検出する装置である。このガス濃度検出装置10は、NOxセンサ1を有している。
NOxセンサ1は、主ポンプセル2および補助ポンプセル3の下方に、スペーサ4、検出セル(センサセル)5、スペーサ6、ヒータ7を順次積層することにより形成されている。
スペーサ4には、第1室41と、第2室42とが形成されている。スペーサ4の構成材料としては、例えばアルミナ等を用いることができる。第1室41および第2室42は、連通孔43を介して連通している。これらの第1室41、第2室42および連通孔43は、スペーサ4に抜き穴を設けることにより形成することができる。
主ポンプセル2は、第1室41に流入した測定対象ガス中の余剰酸素を汲み出して除去する機能を有している。この主ポンプセル2は、固体電解質21と、一対のポンプ電極22,23とで構成されている。素子である固体電解質21は、酸素イオン導電性を有しており、例えば、シート状に成形されたZrO2,HfO2,ThO2,BiO3等で構成されている。この固体電解質21を上下から挟むポンプ電極22,23は、例えば、スクリーン印刷等の方法により形成することができる。
固体電解質21の表面に形成された第1ポンプ電極22は、測定対象ガスである排気ガスが存在する空間、すなわち、エンジンの排気通路内に面している。この第1ポンプ電極22としては、例えば、Pt等の貴金属を含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
一方、固体電解質21を挟んで第1ポンプ電極22の反対側に設けられた第2ポンプ電極23は、第1室41に面している。この第2ポンプ電極23としては、NOxに対して不活性な電極、例えば、Pt−Au合金と、ジルコニアやアルミナ等のセラミックスとを含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
主ポンプセル2には、固体電解質21とポンプ電極22,23とを貫通する導入孔としてのピンホール24が形成されている。測定対象ガスである排気ガスは、後述する多孔質保護層8を透過し、ピンホール24を通って、第1室41に流入する。ピンホール24の孔径は、第1室41に導入される排気ガスの拡散速度が所定速度となるように設計されている。
補助ポンプセル3は、第1室41から第2室42に流入した測定対象ガス中の酸素濃度を検出するとともに、当該ガス中の余剰酸素を更に汲み出して除去する機能を有している。この補助ポンプセル3は、固体電解質31と、一対のポンプ電極32,33とで構成されている。素子である固体電解質31は、酸素イオン導電性を有しており、例えば、シート状に成形されたZrO2,HfO2,ThO2,BiO3等で構成されている。この固体電解質31を上下から挟むポンプ電極32,33は、例えば、スクリーン印刷等の方法により形成することができる。
固体電解質31の表面に形成された第1ポンプ電極32は、内燃機関の排気通路内に面している。この第1ポンプ電極32としては、例えば、Pt等の貴金属を含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
一方、固体電解質31を挟んで第1ポンプ電極32の反対側に設けられた第2ポンプ電極33は、第2室42に面している。この第2ポンプ電極33としては、NOxに対して不活性な電極、例えば、Pt−Au合金と、ジルコニアやアルミナ等のセラミックスとを含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
主ポンプセル2および補助ポンプセル3の第1ポンプ電極22,32は、多孔質保護層8により覆われている。多孔質保護層8は、例えば多孔質アルミナ等で構成される。この多孔質保護層8により、第1ポンプ電極22,32の被毒を防止することができると共に、排気ガスに含まれるスス等によるピンホール24の目詰まりを防止することができる。
検出セル5は、NOの還元分解により生じる酸素量からNOx濃度を検出する機能を有している。検出セル5は、固体電解質51と、この固体電解質51を上下から挟む一対の検出電極52,53とを有している。これらの検出電極52,53は、例えば、スクリーン印刷等の方法により形成することができる。
固体電解質51の表面に形成された第1検出電極52は、第2室42に面している。この第1検出電極52として、例えば、Pt−Rh合金と、ジルコニアやアルミナ等のセラミックスとを含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
一方、固体電解質51を挟んで第1検出電極52の反対側に設けられた第2検出電極53は、スペーサ6に形成された大気ダクト61に面している。大気ダクト61には、大気が導入される。この第2検出電極53として、例えば、Pt等の貴金属を含む多孔質サーメット電極を用いることができる。大気ダクト61は、スペーサ6に切り欠きを設けることにより形成することができる。
ヒータ7は、シート状の絶縁層72,73と、これらの絶縁層72,73間に設けられたヒータ電極71とを有している。絶縁層72,73は、例えば、アルミナ等のセラミックスにより構成される。ヒータ電極71は、例えば、Ptとアルミナ等のセラミックスとのサーメットにより構成される。
本実施形態のガス濃度検出装置10は、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)9を備えている。ECU9は、主ポンプセル制御手段91と、補助ポンプセル制御手段92と、検出セル制御手段93と、ヒータ制御手段94とを有している。このECU9は、エンジンECUと別個に構成されていてもよく、エンジンECUの一部として構成されていてもよい。
主ポンプセル制御手段91は、主ポンプセル2の第1ポンプ電極22および第2ポンプ電極23に接続されている。主ポンプセル制御手段91は、第1ポンプ電極22および第2ポンプ電極23に電圧を印加するとともに、主ポンプセル2に流れる電流値を検出可能になっている。
補助ポンプセル制御手段92は、補助ポンプセル3の第1ポンプ電極32および第2ポンプ電極33に接続されている。補助ポンプセル制御手段92は、補助ポンプセル3の第1ポンプ電極32および第2ポンプ電極33に電圧を印加するとともに、補助ポンプセル3に流れる電流値を検出可能になっている。
検出セル制御手段93は、検出セル5の第1検出電極52および第2検出電極53に接続されている。検出セル制御手段93は、第1検出電極52および第2検出電極53に電圧を印加するとともに、検出セル5に流れる電流値を検出可能になっている。
ヒータ制御手段94は、ヒータ電極71に接続されている。ヒータ制御手段94は、ヒータ電極71に電力を供給するものである。
上述したようなNOxセンサ1では、主ポンプセル2、補助ポンプセル3、検出セル5の各セルがそれぞれ正常な特性を発揮するためには、それらの固体電解質21,31,51の温度が活性温度以上であることが必要である。しかしながら、エンジンが停止しているときや燃料カットが長時間行われたときなどには、各セルの温度は低下する。このため、エンジン始動時や、長時間の燃料カットからの復帰時には、各セルの温度を早期に活性温度以上に上昇させるため、ヒータ7に通電することにより、NOxセンサ1を暖機する制御が実行される。
[実施の形態の動作]
(ガス濃度検出装置10の基本動作)
先ず、NOxセンサ1の暖機完了後におけるガス濃度検出装置10の動作について説明する。測定対象ガスとしての排気ガスは、多孔質保護層8とピンホール24とを通って、第1室41に導入される。この第1室41に導入される測定対象ガスの量は、多孔質保護層8およびピンホール24の拡散抵抗に応じて定まる。
(ガス濃度検出装置10の基本動作)
先ず、NOxセンサ1の暖機完了後におけるガス濃度検出装置10の動作について説明する。測定対象ガスとしての排気ガスは、多孔質保護層8とピンホール24とを通って、第1室41に導入される。この第1室41に導入される測定対象ガスの量は、多孔質保護層8およびピンホール24の拡散抵抗に応じて定まる。
主ポンプセル制御手段91により主ポンプセル2に電圧が印加されると、第1室41内の酸素が第2ポンプ電極23上で酸素イオンO2−に還元される。この酸素イオンO2−は、固体電解質21を透過して第1ポンプ電極22側に排出される。主ポンプセル2の作動は、測定対象ガスの残留酸素濃度が所定の目標濃度となるように制御される。
第1室41において酸素濃度が十分に低減された測定対象ガスは、第2室42に流入する。補助ポンプセル制御手段92により補助ポンプセル3に所定電圧が印加されると、第2室42内の残留酸素が第2ポンプ電極33上で酸素イオンO2−に還元される。この酸素イオンO2−は、固体電解質31を透過して第1ポンプ電極32側に排出される。この際、補助ポンプセル3には、第2室42内の残留酸素濃度に応じた電流が流れる。よって、補助ポンプセル3の出力(以下、「補助ポンプ出力」と称する)によれば、測定対象ガス中の残留酸素濃度を検出することができる。
主ポンプセル2のポンプ能力(酸素汲み出し能力)は、主ポンプセル2への印加電圧に応じて決まる。ECU9は、補助ポンプセル3によって検出される残留酸素濃度が目標濃度となるように、補助ポンプ出力を主ポンプセル2の印加電圧にフィードバックして制御することができる。これにより、第2室42に流入する測定対象ガスの酸素濃度を目標濃度に精度良く維持することができる。
上記の制御においては、補助ポンプセル3によって検出される残留酸素濃度が目標濃度まで低下していない場合には、主ポンプセル2の印加電圧を高め、主ポンプセル2による酸素排出量を増大させることにより、酸素濃度を目標濃度に低下させようとする制御が行われる。尚、このような制御に代えて、ECU9は、補助ポンプセル3によって検出される残留酸素濃度が目標濃度まで低下していない場合に、補助ポンプセル3の印加電圧を高め、補助ポンプセル3による酸素排出量を増大させることによって、酸素濃度を目標濃度に低下させようとする制御を行うようにしてもよい。
上述したようにして主ポンプセル2および補助ポンプセル3によって酸素が除去され、測定対象ガス中の酸素濃度が十分に低減されると、2NO2→2NO+O2なる反応が生じ、NOxがNOに単ガス化される。そして、検出セル制御手段93により検出セル5に所定電圧が印加されると、第2室42内のNOが第1検出電極52上で分解され酸素イオンO2−が発生する。この酸素イオンO2−は、固体電解質51を透過して、第2検出電極53から大気ダクト61に排出される。このとき、検出セル5には、第2室42内のNO濃度に応じた電流が流れる。このようにして、検出セル5の出力(以下、「NOx出力」と称する)によれば、排気ガス中のNOx濃度を検出することができる。
(NOxセンサの暖機時における出力特性)
次に、図2を参照して、NOxセンサ1の暖機時における出力特性について説明する。エミッションを改善するためには、NOxセンサ1で検出されるNOx濃度を、なるべく早期にエンジン制御に利用したいという要望がある。しかしながら、NOxセンサ1は、全てのセル温度が活性温度に到達(完全活性)しなければ、上述したNOx濃度の検出を行うことができない。そこで、エンジンの冷間始動時には、ヒータ7に通電することにより、NOxセンサ1を暖機する制御が行われる。
次に、図2を参照して、NOxセンサ1の暖機時における出力特性について説明する。エミッションを改善するためには、NOxセンサ1で検出されるNOx濃度を、なるべく早期にエンジン制御に利用したいという要望がある。しかしながら、NOxセンサ1は、全てのセル温度が活性温度に到達(完全活性)しなければ、上述したNOx濃度の検出を行うことができない。そこで、エンジンの冷間始動時には、ヒータ7に通電することにより、NOxセンサ1を暖機する制御が行われる。
図2は、NOxセンサ1の暖機中におけるNOx出力の挙動を示す図である。尚、図2では、NOxを300ppm含む実際のエンジンの排気ガスを測定対象ガスとした場合のNOx出力の変化を示している。
この図に示す場合には、時間t0において該NOxセンサ1の暖機を開始している。そして、時間t1においてセンサを起動してNOx出力の検出を開始している。ここで、時間t1は、検出セル5の暖機が進行して第1検出電極52近傍の酸素(すなわち第2室42内の酸素)によってNOx出力を検出することができる時間に設定されている。このため、この図に示すとおり、時間t1においてNOx出力の検出を開始すると、NOx出力は第1検出電極52近傍の酸素によって急激に上昇する。
また、図2に示すとおり、時間t1において急激に上昇したNOx出力は、その直後急激にマイナス側に落ち込む。この理由は、次のようなものであると考えられる。すなわち、エンジンの排気ガスの酸素濃度は、大気に比して大幅に少ない。このため、主ポンプセル2の暖機が進行してポンプ能力が上がると、第2室42内の酸素が適正値よりも除去されてしまう。その結果、NOの分解によって生じた酸素までもが主ポンプセル2によって除去されてしまい、NOx出力がマイナス側の下限値に張り付いてしまう。
その後、補助ポンプセル3の暖機が進行し、補助ポンプ出力が主ポンプセル2の印加電圧にフィードバックされ始めると、主ポンプセル2のポンプ能力が適切な値に制御されていく。これにより、NOx出力は上昇して正しい値である300ppmに収束する。
このように、NOx出力は、NOxセンサ1の暖機中において独特の出力特性を示す。この出力特性は、特にNOxセンサ1のセル能力に大きく依存している。そこで、本実施の形態では、該NOxセンサ1の暖機開始後のNOx出力特性を利用して、センサOBDを実行することとする。より具体的には、NOxセンサ1の暖機中における、NOx出力の立ち上がり特性、立ち下がり特性、ピーク値等に基づいて、主ポンプセル2、補助ポンプセル3、および検出セル5の異常診断を実行することとする。以下、このNOx出力特性を利用した幾つかの異常診断について更に詳細に説明する。
(NOx出力の立ち上がり特性を利用した異常診断)
先ず、NOx出力の暖機時における立ち上がり特性を利用した異常診断について説明する。図3は、NOxセンサ1の暖機中において、NOx出力の検出を開始した場合の出力特性を示す図である。尚、この図では、測定対象ガスのNOx濃度状態(高NOx時および低NOx時)、およびNOxセンサ1内の酸素濃度状態(高酸素濃度時と低酸素濃度時)についての出力特性をそれぞれ示している。この図に示すとおり、NOx出力の検出を開始すると、NOx出力は急上昇する。上述したとおり、この出力上昇は、検出セル5に電圧が印加された直後に、第2室42内の酸素が該検出セル5の電極で反応することにより発生する。このため、NOx出力の上昇速度(傾き)は、該検出セル5のセル能力に大きく依存する。
先ず、NOx出力の暖機時における立ち上がり特性を利用した異常診断について説明する。図3は、NOxセンサ1の暖機中において、NOx出力の検出を開始した場合の出力特性を示す図である。尚、この図では、測定対象ガスのNOx濃度状態(高NOx時および低NOx時)、およびNOxセンサ1内の酸素濃度状態(高酸素濃度時と低酸素濃度時)についての出力特性をそれぞれ示している。この図に示すとおり、NOx出力の検出を開始すると、NOx出力は急上昇する。上述したとおり、この出力上昇は、検出セル5に電圧が印加された直後に、第2室42内の酸素が該検出セル5の電極で反応することにより発生する。このため、NOx出力の上昇速度(傾き)は、該検出セル5のセル能力に大きく依存する。
ここで、検出セル5のセルの能力は、劣化等の異常度合によって変化する。より具体的には、例えば、検出セル5に経時劣化、素子割れ、硫黄被毒、鉛被毒、または電極被毒等に起因するレンジ外れ異常や、経時劣化、PM等による目詰まり、素子割れ、硫黄被毒、鉛被毒、または電極被毒等に起因する応答性低下の異常等が発生している場合には、NOx出力の傾きが小さくなる。また、検出セル5にハーネス断線、コントローラ故障、または素子割れ等に起因する断線やショートが発生している場合には、NOx出力の傾きが略ゼロのまま変化しない。
そこで、本実施の形態では、NOx出力の立ち上がりの傾きが所定のしきい値よりも小さい場合に、検出セル5に対する上記異常の発生を判定することとする。所定のしきい値は、検出セル5に異常が発生した場合の立ち上がりの傾きとして予め設定された固定値が使用される。尚、NOx出力の立ち上がりの傾きは、第2室42内の初期の酸素濃度によっても変化する。このため、該酸素濃度をエンジンの運転状態等から推定し或いは空燃比センサ等で検出し、当該酸素濃度に応じて当該しきい値を可変に設定することとしてもよい。
このように、NOxセンサ1の暖機中において、NOx出力の検出を開始した直後の立ち上がり特性を利用することで、該NOxセンサ1の暖機中の早い時期にセンサOBDを有効に行うことができる。
(NOx出力の立ち下がり特性を利用した異常診断)
次に、図3を参照して、NOx出力の暖機時における立ち下がり特性を利用した異常診断について説明する。上述したとおり、NOx出力の検出を開始すると、NOx出力は急上昇する。そして、この図に示すとおり、この出力上昇の直後に、該NOx出力はマイナス側に大きく下降する。これは、上述したとおり、主ポンプセル2および補助ポンプセル3が第2室42内の酸素を過剰に除去することにより発生する。このため、このNOx出力の下降速度(傾き)は、該主ポンプセル2および補助ポンプセル3のセル能力に大きく依存する。
次に、図3を参照して、NOx出力の暖機時における立ち下がり特性を利用した異常診断について説明する。上述したとおり、NOx出力の検出を開始すると、NOx出力は急上昇する。そして、この図に示すとおり、この出力上昇の直後に、該NOx出力はマイナス側に大きく下降する。これは、上述したとおり、主ポンプセル2および補助ポンプセル3が第2室42内の酸素を過剰に除去することにより発生する。このため、このNOx出力の下降速度(傾き)は、該主ポンプセル2および補助ポンプセル3のセル能力に大きく依存する。
ここで、主ポンプセル2または補助ポンプセル3のセル能力は、劣化等の異常度合によって変化する。より具体的には、例えば、これらのポンプセル2,3に経時劣化、素子割れ、硫黄被毒、鉛被毒、または電極被毒等に起因するレンジ外れ異常や、経時劣化、PM等による目詰まり、素子割れ、硫黄被毒、鉛被毒、または電極被毒等に起因する応答性低下の異常等が発生している場合には、NOx出力の傾きの絶対値が小さくなる。また、これらのポンプセル2,3にハーネス断線、コントローラ故障、素子割れ等に起因する断線やショートが発生している場合には、NOx出力の傾きが略ゼロのまま変化しない。
そこで、本実施の形態では、NOx出力の立ち下がりの傾き(絶対値)が所定のしきい値よりも小さい場合に、主ポンプセル2および補助ポンプセル3の少なくとも何れかに対する上記異常の発生を判定することとする。所定のしきい値は、これらのセルに異常が発生した場合の立ち下がりの傾きとして予め設定された固定値が使用される。尚、NOx出力の立ち下がりの傾きは、第2室42内の初期の酸素濃度によっても変化する。このため、該酸素濃度をエンジンの運転状態等から推定し或いは空燃比センサ等で検出し、当該酸素濃度に応じてしきい値を可変に設定することとしてもよい。
このように、NOxセンサ1の暖機中において、NOx出力の検出を開始した直後の立ち下がり特性を利用することで、該NOxセンサ1の暖機中の早い時期にセンサOBDを有効に行うことができる。
尚、補助ポンプセル出力の異常診断については、主ポンプセル出力と補助ポンプセル出力とを比較することで判定することもできる。より具体的には、両者の出力値が乖離している場合には、補助ポンプセル3を用いたフィードバックが適正に行われていないと判断できるため、該補助ポンプセル3に対する異常を判定することができる。
(NOx出力のピーク値を利用した異常診断)
次に、図3を参照して、NOx出力の暖機時におけるピーク値を利用した異常診断について説明する。この図に示すとおり、NOx出力の検出を開始すると、NOx出力は急上昇する。この上昇後のNOx出力のピーク値は、検出セル5のセル能力に依存する。
次に、図3を参照して、NOx出力の暖機時におけるピーク値を利用した異常診断について説明する。この図に示すとおり、NOx出力の検出を開始すると、NOx出力は急上昇する。この上昇後のNOx出力のピーク値は、検出セル5のセル能力に依存する。
ここで、検出セル5のセル能力は、劣化等の異常度合によって変化する。より具体的には、例えば、検出セル5に経時劣化、素子割れ、硫黄被毒、鉛被毒、または電極被毒等に起因するレンジ外れ異常や、経時劣化、PM等による目詰まり、素子割れ、硫黄被毒、鉛被毒、または電極被毒等に起因する応答性低下の異常等が発生している場合には、NOx出力のピーク値が小さくなる傾向がある。
そこで、本実施の形態では、NOx出力のピーク値が所定のしきい値よりも小さい場合に、検出セル5に対する上記異常の発生を判定することとする。所定のしきい値は、該検出セル5に異常が発生した場合のピーク値として予め設定された固定値が使用される。尚、NOx出力のピーク値は、第2室42内の初期の酸素濃度によっても変化する。このため、該酸素濃度をエンジンの運転状態等から推定し或いは空燃比センサ等で検出し、当該酸素濃度に応じてしきい値を可変に設定することとしてもよい。
このように、NOxセンサ1の暖機中において、NOx出力の検出を開始した直後のNOx出力のピーク値を利用することで、該NOxセンサ1の暖機中の早い時期にセンサOBDを有効に行うことができる。
(NOx出力の積算出力を利用した異常診断)
次に、図3を参照して、NOx出力の暖機時における積算出力を利用した異常診断について説明する。上述したとおり、NOx出力の立ち下がりの傾き(絶対値)がしきい値より小さい場合に、主ポンプセル2および補助ポンプセル3の少なくとも何れかに対する異常の発生を判定することとしている。
次に、図3を参照して、NOx出力の暖機時における積算出力を利用した異常診断について説明する。上述したとおり、NOx出力の立ち下がりの傾き(絶対値)がしきい値より小さい場合に、主ポンプセル2および補助ポンプセル3の少なくとも何れかに対する異常の発生を判定することとしている。
ここで、NOx出力の立ち下がりの傾きが小さくなると、NOx出力の積算出力は大きくなる。そこで、本実施の形態では、NOx出力の積算出力が所定のしきい値よりも大きい場合に、主ポンプセル2および補助ポンプセル3の少なくとも何れかに対する異常の発生を判定することとする。但し、NOx出力の積算出力は、第2室42内の初期の酸素濃度に依存している。すなわち、図3に示すとおり、酸素濃度が高い場合には、NOx出力の立ち下がりまでの時間が長期化する。そこで、所定のしきい値は、酸素濃度に応じて可変に設定することとする。尚、酸素濃度は、上述したとおり、エンジンの運転状態等から推定してもよいし、また、空燃比センサ等で検出することとしてもよい。
このように、NOxセンサ1の暖機中において、NOx出力の検出を開始した直後のNOx出力の積算値を利用することで、該NOxセンサ1の暖機中の早い時期にセンサOBDを有効に行うことができる。
[実施の形態における具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態の具体的処理について説明する。図4は、本実施の形態において、ECU9が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンによれば、先ず、通電遅延処理の実行判定が行われる(ステップ100)。ここでは、具体的には、NOxセンサ1の異常診断を実行するための事前情報として、NOxセンサ1への通電遅延処理の実行有無が取得される。
次に、図4を参照して、本実施の形態の具体的処理について説明する。図4は、本実施の形態において、ECU9が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンによれば、先ず、通電遅延処理の実行判定が行われる(ステップ100)。ここでは、具体的には、NOxセンサ1の異常診断を実行するための事前情報として、NOxセンサ1への通電遅延処理の実行有無が取得される。
次に、NOx排出量が取得される(ステップ102)。ここでは、具体的には、エンジンの運転状態等に基づいて、排気ガス中のNOx濃度が推定される。
図4に示すルーチンでは、次に、NOxセンサ1内部の酸素濃度が取得される(ステップ104)。ここでは、具体的には、第2室42内の酸素濃度が、エンジンの運転状態等に基づいて推定される。
次に、異常判定のしきい値が設定される(ステップ106)。ここでは、具体的には、上記ステップ104において取得された酸素濃度に基づいて、後述する各種異常判定に用いるしきい値がそれぞれ設定される。
次に、NOxセンサ1の異常診断が実行される(ステップ108)。ここでは、具体的には、NOxセンサ1の暖機中におけるNOx出力特性に基づいて、主ポンプセル2、補助ポンプセル3、および検出セル5の異常診断が行われる。尚、異常診断は、上述したNOx出力の立ち上がり特性を利用した異常診断、NOx出力の立ち下がり特性を利用した異常診断、NOx出力のピーク値を利用した異常診断、およびNOx出力の積算出力を利用した異常診断が実行される。次に、上記異常診断の結果、これらのセルに異常が発生しているか否かが判定される(ステップ110)。その結果、これらのセルの何れかに異常が発生していると判定された場合には、次のステップに移行し、運転者へ異常発生を告知するためのMILが点灯される(ステップ112)。
一方、上記ステップ110において、NOxセンサ1の異常発生が判定されない場合には、次のステップに移行し、主ポンプセル出力と補助ポンプセル出力とが乖離しているか否かが判定される(ステップ114)。ここでは、具体的には、主ポンプセル出力と補助ポンプセル出力との偏差が所定のしきい値よりも大きいか否かが判定される。その結果、かかる偏差がしきい値よりも大きい場合には、補助ポンプセル3を用いたフィードバックが適正に行われていないと判断されて、次のステップに移行し、運転者へ補助ポンプセル3の異常発生を告知するためのMILが点灯される(ステップ116)。
以上説明したように、本実施の形態のガス濃度検出装置10によれば、NOxセンサ1の暖機中におけるNOx出力特性に基づいて、該NOxセンサ1の各セルの異常発生有無を診断することができる。これにより、NOxセンサ1の暖機中の早い時期にセンサOBDを有効に実行することができる。
尚、上述した実施の形態においては、NOxセンサ1が、前記第1の発明における「ガスセンサ」に相当しているとともに、ECU9が、上記ステップ108の処理を実行することにより前記第1の発明における「異常診断手段」が実現されている。
1 NOxセンサ
2 主ポンプセル
21 固体電解質
22 第1ポンプ電極
23 第2ポンプ電極
3 補助ポンプセル
31 固体電解質
32 第1ポンプ電極
33 第2ポンプ電極
4 スペーサ
41 第1室
42 第2室
43 連通孔
5 検出セル
51 固体電解質
52 第1検出電極
53 第2検出電極
6 スペーサ
61 大気ダクト
7 ヒータ
71 ヒータ電極
72,73 絶縁層
8 多孔質保護層
10 ガス濃度検出装置
2 主ポンプセル
21 固体電解質
22 第1ポンプ電極
23 第2ポンプ電極
3 補助ポンプセル
31 固体電解質
32 第1ポンプ電極
33 第2ポンプ電極
4 スペーサ
41 第1室
42 第2室
43 連通孔
5 検出セル
51 固体電解質
52 第1検出電極
53 第2検出電極
6 スペーサ
61 大気ダクト
7 ヒータ
71 ヒータ電極
72,73 絶縁層
8 多孔質保護層
10 ガス濃度検出装置
Claims (8)
- 測定対象ガス中の酸素を汲み出す主ポンプセルと、測定対象ガスから酸素を更に汲み出す補助ポンプセルと、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルにより酸素が汲み出された測定対象ガスに含まれる特定ガス成分の濃度を検出する検出セルと、を有するガスセンサの異常診断装置であって、
前記ガスセンサの暖機中に、前記検出セルのセル出力の検出を開始した直後の該セル出力の立ち上がり特性、ピーク値、およびその後の立ち下がり特性の少なくとも1つに基づいて、前記検出セル、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルの少なくとも1つの異常を診断する異常診断手段を備え、
前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がり後のピーク値が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記検出セルに対する異常の発生を判定することを特徴とするガスセンサの異常診断装置。 - 前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がりの速度が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記検出セルに対する異常の発生を判定することを特徴とする請求項1記載のガスセンサの異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、前記セル出力の立ち上がり後の立ち下がりの速度が所定のしきい値よりも小さい場合に、前記主ポンプセルおよび前記補助ポンプセルの少なくとも1つに対する異常の発生を判定することを特徴とする請求項1または2記載のガスセンサの異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、前記ガスセンサのレンジ外れの異常の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のガスセンサの異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、前記ガスセンサの応答性低下の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のガスセンサの異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、前記ガスセンサの断線による異常の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のガスセンサの異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、前記ガスセンサのショートによる異常の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のガスセンサの異常診断装置。
- 前記ガスセンサの暖機中に、前記主ポンプセルの出力と前記補助ポンプセルの出力との偏差が所定のしきい値よりも大きい場合に、前記補助ポンプセルに対する異常の発生を判定する第2の異常診断手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のガスセンサの異常診断装置。
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