JP5007666B2 - ガス濃度検出装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献3においてセンサ活性判定の指標とされる素子インピーダンス等は、センサ個体差がある。このため、ガス濃度検知セルによりガス濃度を高精度に検出し始める時期に的確にセンサ活性判定を行うことができない可能性がある。また、ガス濃度センサの早期活性化を実現できない場合がある。
被測定ガス中の余剰酸素を除去する余剰酸素除去手段と、
前記余剰酸素除去手段により余剰酸素が除去された後のガスから特定ガス成分の濃度を検知し、該濃度に応じた電流値を出力するガス濃度検知セルと、
所定時間毎に前記ガス濃度検知セルの出力の変化量を算出する変化量算出手段と、
前記余剰酸素除去手段及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の除去中に、前記変化量が基準値を下回る時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する活性判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
電圧印加に伴って被測定ガス中の余剰酸素を排出する酸素ポンプセルと、
前記酸素ポンプセルにより余剰酸素が排出された後のガスから特定ガス成分の濃度を検知し、該濃度に応じた電流値を出力するガス濃度検知セルと、
所定時間毎に前記ガス濃度検知セルの出力の変化量を算出する変化量算出手段と、
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記変化量が基準値を下回る第1の時期を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記第1の時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する活性判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記変化量の正負が反転する第2の時期を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された前記第2の時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する第2の活性判定手段と、
を更に備えることを特徴とする。
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記ガス濃度検知セルの出力が基準値以下になった第3の時期を取得する第3の取得手段を更に備え、
前記第3の取得手段により取得された前記第3の時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する第3の活性判定手段と、
を更に備えることを特徴とする。
前記酸素ポンプセルは、排出する余剰酸素量に応じた電流値を出力するものであり、
前記取得手段は、前記酸素ポンプセルの出力と前記ガス濃度検知セルの出力との相関関係を考慮して、前記酸素ポンプセルの出力の変化に基づいて、前記第1の時期を推定することを特徴とする。
前記取得手段は、
所定時間毎に前記酸素ポンプセルの出力の変化量を算出する第2の変化量算出手段と、
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記前記酸素ポンプセルの出力の変化量が基準値を下回る第4の時期を取得する第4の取得手段と、
を含み、前記第4の取得手段により取得された前記第4の時期に所定時間を加算した時期を、前記第1の時期として取得することを特徴とする。
前記被測定ガスの空燃比に応じた電流値を出力する空燃比検知セルを更に備え、
前記取得手段は、前記空燃比検知セルの出力と前記ガス濃度検知セルの出力との相関関係を考慮して、前記空燃比検知セルの出力の変化に基づいて、前記第1の時期を推定することを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態1によるガス濃度検出装置10の構成を説明するための図である。図1に示すガス濃度検出装置10は、例えば、エンジンから排出された排ガス中の窒素酸化物(以下「NOx」という。)の濃度を検出するNOx濃度検出装置である。
ヒータ制御手段83は、ヒータ電極61に接続されている。ヒータ制御手段83は、ヒータ電極61に電力を供給するものである。
保護層7上方の空間には、エンジン排気通路を流れる被測定ガスとしての排ガスが存在している。この排ガス中には、酸素、NOx、CO2、H2O等が含まれている。排ガスは、保護層7とピンホール24を介して、第1内部空間31に導入される。この第1内部空間31に導入される排ガス量は、保護層7とピンホール24の拡散抵抗により決まる。
ところで、エミッションを低減するため、NOxセンサ1を早期に活性化させる要求がある。すなわち、早期にNOxセンサ1のNOxセンサセル4を活性判定し、NOxセンサセル出力を各種制御に用いるという要求がある。NOxセンサ1の早期活性化を実現するためには、NOxセンサ1の状態を迅速かつ高精度に把握することが重要である。
既述した特許文献3の装置によれば、素子インピーダンスに基づいて活性判定が行われる。その他に、ヒータへの供給電力やヒータ抵抗等に基づき、ガス濃度センサの活性判定を行う装置が知られている。
図2は、NOxセンサ暖機時の酸素ポンプセル出力の変化とNOxセンサセル出力の変化を示す図である。図2における破線Lpは酸素ポンプセル出力の変化を、実線LsはNOxセンサセル出力の変化を、それぞれ示している。
NOxセンサ1の暖機は、エンジン始動時以外にも、所定時間以上(長時間)の燃料カットからの復帰時に行われる場合がある。なお、長時間の燃料カットからの復帰時であっても、NOxセンサ1の暖機が行われない場合もある。
図3は、NOxセンサセル出力の変曲点を特定する第1の方法を説明するための図である。
先ず、所定間隔毎にNOxセンサセル出力Nを取得すると共に、各時刻においてNOxセンサセル出力の変化量ΔNを算出する。ここで、時刻tにおける変化量ΔN(t)は、次式(1)に従って算出される。そして、この算出された変化量ΔN(t)が所定の基準値ΔNthよりも小さくなったとき、その時刻tでのNOxセンサセル出力N(t)を変曲点と特定する。
ΔN(t)=N(t-1)-N(t)・・・(1)
図3に示す例では、時刻t10から時刻t14までの間、NOxセンサセル出力Nは減少している。このため、各時刻t11〜時刻t14において上式(1)により算出された変化量ΔN(t11)〜ΔN(t14)は、全て正の値をとる。変化量ΔN(t11)〜ΔN(t13)は予め定められた基準値ΔNth以上であるが、変化量ΔN(t14)は基準値ΔNthよりも小さい。このため、時刻t14でのNOxセンサセル出力N(t14)が、変曲点と特定される。よって、NOxセンサセル出力に変曲点が現れた時刻t14に、NOxセンサ1の活性判定が行われる。
図4に示す例では、時刻t10から時刻t13までの間は、NOxセンサセル出力Nが減少している。これに対し、時刻t13以降は、NOxセンサセル出力Nが増加している。ここで、各時刻t11〜時刻t13において算出された変化量ΔN(t11)〜ΔN(t13)は基準値ΔNth以上である。このため、図4に示す例では、図3に示したような変曲点が特定される前に、NOxセンサセル出力Nが増加に転じている。かかるNOxセンサセル出力の変化は、排ガス中のNOx濃度が増加した場合に生じる。図4に示す例では、時刻t13以降の排ガス中のNOx濃度の増加をNOxセンサセル4により検出できているため、NOxセンサ1の活性判定を行うことができる。ここで、時刻t13のNOxセンサセル出力N(t13)よりも時刻t14のNOxセンサセル出力N(t14)が大きいため、変化量ΔN(t14)は負の値をとり、上記基準値ΔNthよりも小さくなる。よって、時刻t14でのNOxセンサセル出力N(t14)が変曲点とみなされ、時刻t14にNOxセンサ1の活性判定が行われる。
図5に示す例では、時刻t10以降、NOxセンサセル出力Nが減少している。ここで、各時刻t11〜時刻t13において算出された変化量ΔN(t11)〜ΔN(t13)は基準値Nthよりも大きい。このため、図5に示す例では、図3に示したような変曲点が特定される前に、NOxセンサセル出力Nが低下している。かかるNOxセンサセル出力の変化は、NOxセンサセル4の活性化が早い場合に生じる。NOxセンサセル出力が基準値Nthよりも小さくなる前提としては、NOxセンサ1の暖機前から残存する酸素が除去される必要がある。よって、NOxセンサセル4が残存酸素の影響を受けることなくNOx濃度を検知可能である。このため、基準値Nthよりも小さくなる時刻t13のNOxセンサセル出力N(t13)が変曲点とみなされ、時刻t13にNOxセンサ1の活性判定が行われる。
図6は、本実施の形態1において、ECU8が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定間隔毎に起動するものである。この所定間隔は、例えば、図3に示す時刻t10〜時刻t11の間隔,時刻t11〜時刻t12の間隔等に対応する。
また、本実施の形態1においては、ECU8が、ステップ104の処理を実行することにより第1及び第2の発明における「変化量算出手段」が、ステップ108,110の処理を実行することにより第2の発明における「取得手段」が、ステップ106,114,110の処理を実行することにより第3の発明における「第2の取得手段」が、ステップ116,110の処理を実行することにより第4の発明における「第3の取得手段」が、それぞれ実現されている。
次に、図7から図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態2のガス濃度検出装置は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU8に、後述する図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上記実施の形態1では、NOxセンサセル出力の変化量ΔN(t)と基準値ΔNthとの比較結果等に基づいて変曲点を特定し、該変曲点が現れる時期にNOxセンサ1の活性判定を行った。
そこで、本実施の形態2では、NOxセンサセル出力の変曲点を特定するために、かかる相関関係を利用する。
図7に示すように、NOxセンサセル出力の変曲点だけでなく、酸素ポンプセル出力にも変曲点が現れる。この酸素ポンプセル出力の変曲点は、第1内部空間31に残存する酸素が排出されたときに現れる。本発明者は、酸素ポンプセル出力の変化と、NOxセンサセル出力の変化との間には相関関係があることを見いだした。換言すれば、酸素ポンプセル出力の変曲点が現れる時刻21と、NOxセンサセル出力の変曲点が現れる時刻t22との間には、相関関係があることを見いだした。
ΔP(t)=P(t)-P(t-1)・・・(2)
図9は、本実施の形態2において、ECU8が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定間隔毎に起動するものである。この所定間隔は、例えば、図8における時刻t30と時刻t31の間隔に対応する。
以下、図10及び図11を参照して、上記実施の形態2の変形例について説明する。
上記実施の形態2では、酸素ポンプセル出力PとNOxセンサセル出力Nとの相関関係を考慮して、NOxセンサセル出力Pに変曲点が現れる時期を推定した。
図10は、本実施の形態2の変形例によるガス濃度検出装置の要部を説明するためのブロック図である。図10に示すガス濃度検出装置は、NOxセンサ1Aを有している。このNOxセンサ1Aは、図1に示すNOxセンサ1内に、空燃比センサセル8を更に備えたものである。この空燃比センサセル8は、図示しない固体電解質体を有し、セル内を酸素イオンO2−が流れるときの電流値を出力している。空燃比センサセル8の出力は、ECU8Aの空燃比センサセル制御手段84により検出される。その他のガス濃度検出装置の構成は、図1に示すガス濃度検出装置10の構成と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
上記実施の形態1では、NOxセンサセル出力に変曲点が現れる時期に、NOxセンサ1の活性判定が行われている。このため、変曲点を特定しやすいNOxセンサセル出力を得ることが望ましい。
図12は、本実施の形態3によるNOxセンサ1の構成を説明するための図である。詳細には、図12(A)はNOxセンサ1の断面図であり、図12(B)はNOxセンサ1内のヒータ電極61の上面図である。
図12(B)に示すように、酸素ポンプセル2側のヒータ電極61の幅W1が、NOxセンサセル2側のヒータ電極61の幅W2よりも太くされている。このようなパターンのヒータ電極61を用いることにより、酸素ポンプセル2に供給される熱量が、NOxセンサセル4に供給される熱量よりも大きくされる。その結果、均一な幅のヒータ電極を用いる場合に比して、酸素ポンプセル2を早期に活性化させることができる。すなわち、酸素ポンプセル2とNOxセンサセル4の活性差を、上記実施の形態1よりも大きくすることができる。よって、例えば、図2の時刻t4から時刻t5にかけて見られるNOxセンサセル出力の立ち下がりが、より急峻になる。このため、NOxセンサセル出力の変曲点を精度良く特定することができる。従って、NOxセンサセル4が残存酸素の影響を受けることなくNOx濃度を検出し始める時期を精度良く特定することができる。
以下、図13を参照して、上記実施の形態3の変形例について説明する。
上記実施の形態3では、酸素ポンプセル2への供給熱量がNOxセンサセル4への供給熱量よりも大きくなるように、ヒータ電極61のパターンが設計されている。
図13は、本実施の形態3の変形例によるNOxセンサ1Bを説明するための断面図である。図13に示すように、固体電解質体41のうち連通孔33下方に位置する部分41aに、熱伝導率を下げるための仕切部材44が設けられている。すなわち、この仕切部材44の熱伝導率が、固体電解質体41の熱伝導率よりも低くされている。これにより、酸素ポンプセル2での消費熱量が、NOxセンサセル4での消費熱量よりも大きくされる。従って、本変形例によれば、上記実施の形態3と同様に、NOxセンサ出力の変曲点を精度良く特定することができる。よって、NOxセンサセル4が残存酸素の影響を受けることなくNOx濃度を検出し始める時期を精度良く特定することができる。
2 酸素ポンプセル
4 NOxセンサセル
6 ヒータ
8 ECU
21,41 固体電解質体
Claims (7)
- 被測定ガス中の余剰酸素を除去する余剰酸素除去手段と、
前記余剰酸素除去手段により余剰酸素が除去された後のガスから特定ガス成分の濃度を検知し、該濃度に応じた電流値を出力するガス濃度検知セルと、
所定時間毎に前記ガス濃度検知セルの出力の変化量を算出する変化量算出手段と、
前記余剰酸素除去手段及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の除去中に、前記変化量が基準値を下回る時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する活性判定手段と、
を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。 - 電圧印加に伴って被測定ガス中の余剰酸素を排出する酸素ポンプセルと、
前記酸素ポンプセルにより余剰酸素が排出された後のガスから特定ガス成分の濃度を検知し、該濃度に応じた電流値を出力するガス濃度検知セルと、
所定時間毎に前記ガス濃度検知セルの出力の変化量を算出する変化量算出手段と、
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記変化量が基準値を下回る第1の時期を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記第1の時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する活性判定手段と、
を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。 - 請求項2に記載のガス濃度検出装置において、
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記変化量の正負が反転する第2の時期を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された前記第2の時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する第2の活性判定手段と、
を更に備えることを特徴とするガス濃度検出装置。 - 請求項2又は3に記載のガス濃度検出装置において、
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記ガス濃度検知セルの出力が基準値以下になった第3の時期を取得する第3の取得手段を更に備え、
前記第3の取得手段により取得された前記第3の時期を、前記ガス濃度検知セルの活性時期と判定する第3の活性判定手段と、
を更に備えることを特徴とするガス濃度検出装置。 - 請求項2に記載のガス濃度検出装置において、
前記酸素ポンプセルは、排出する余剰酸素量に応じた電流値を出力するものであり、
前記取得手段は、前記酸素ポンプセルの出力と前記ガス濃度検知セルの出力との相関関係を考慮して、前記酸素ポンプセルの出力の変化に基づいて、前記第1の時期を推定することを特徴とするガス濃度検出装置。 - 請求項5に記載のガス濃度検出装置において、
前記取得手段は、
所定時間毎に前記酸素ポンプセルの出力の変化量を算出する第2の変化量算出手段と、
前記酸素ポンプセル及び前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ、余剰酸素の排出中に、前記前記酸素ポンプセルの出力の変化量が基準値を下回る第4の時期を取得する第4の取得手段と、
を含み、前記第4の取得手段により取得された前記第4の時期に所定時間を加算した時期を、前記第1の時期として取得することを特徴とするガス濃度検出装置。 - 請求項2に記載のガス濃度検出装置において、
前記被測定ガスの空燃比に応じた電流値を出力する空燃比検知セルを更に備え、
前記取得手段は、前記空燃比検知セルの出力と前記ガス濃度検知セルの出力との相関関係を考慮して、前記空燃比検知セルの出力の変化に基づいて、前記第1の時期を推定することを特徴とするガス濃度検出装置。
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