JP2007132798A - NOx検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象ガスにおける酸素濃度が変動した場合でも、NOx検出精度の低下を抑制できるNOx濃度検出装置を提供する。
【解決手段】NOx検出装置1においては、ガス検出セル30の起電力Vsが酸素判定基準値になると(S450で肯定判定)、ガス検出室19からのNOxのポンピング動作(汲み出し動作)を開始する(S470)。つまり、このNOx検出装置1においては、排気ガスの酸素濃度が変化した場合でも、ガスポンプセル11によるNOx排出開始時点におけるガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となる。このように、NOx検出装置1は、ガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となる条件下でNOx排出を開始し、NOxの排出に要する時間(第1経過時間TLR)に基づいてNOx濃度を検出することから、排気ガスの酸素濃度が変化した場合であっても、NOx濃度を精度良く検出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx検出装置に関する。
従来より、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx検出装置としては、測定室を2個備えたものが知られている(特許文献1、2参照)。
このような2個の測定室を備える従来のNOx検出装置では、第1測定室において、測定対象ガスから酸素(O2 )を汲み出して酸素濃度を一定濃度に制御した後、第2測定室において、酸素濃度が一定濃度に制御された測定対象ガスにおけるNOxを検出することで、NOxを検出するように構成されている。
なお、酸素はNOxに比べて解離し易い性質を有しており、第2測定室ではNOxのみならず酸素までをも検出してしまうことから、測定対象ガスの酸素濃度を一定濃度に制御しておき、第2測定室での検出信号(換言すれば、酸素およびNOxの検出信号)に酸素検出分が含まれることを考慮して演算処理を行うことで、NOxが検出可能となる。
特開平9−113482号公報(図1) 特開2000−88796号公報(図3)
しかし、上記従来のNOx検出装置においては、酸素濃度に対して微小な濃度のNOxを検出する場合には、測定対象ガスにおける酸素濃度の変動により第1測定室での酸素濃度の制御精度が低下すると、NOx検出精度が低下する虞がある。
つまり、測定対象ガスにおける酸素濃度が急激に変動すると、第1測定室における酸素濃度の制御に遅れが生じて第2測定室に導入される測定対象ガスの酸素濃度が変動することがある。このように、酸素濃度が変動すると、第2測定室での検出信号から差し引く酸素検出分に誤差が生じてしまい、NOx検出精度が低下することがある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、測定対象ガスにおける酸素濃度が変動した場合でも、NOx検出精度の低下を抑制できるNOx濃度検出装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx検出装置であって、測定対象ガスが導入される測定室と、測定室から酸素またはNOxを排出するポンプ手段と、前記測定室において酸素およびNOxの検出量に応じたガス検出信号を出力するガス検出部と、測定室から酸素を排出するようにポンプ手段を駆動制御して、ガス検出信号が予め定められた酸素排出判定値になるまで測定室から酸素を排出した後、測定室からNOxを排出するようにポンプ手段を駆動制御して、ガス検出信号が予め定められたNOx排出判定値になるまで測定室からNOxを排出するポンプ排出制御手段と、ポンプ排出制御手段により測定室から酸素およびNOxを順次排出するにあたり、ガス検出信号が酸素排出判定値となる酸素排出完了時点と、ガス検出信号がNOx排出判定値となるNOx排出完了時点と、の時間差を検出し、検出した時間差に基づいて測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx濃度時間検出手段と、を備えることを特徴とするNOx検出装置である。
このNOx検出装置においては、ポンプ排出制御手段によるポンプ手段の制御により、ガス検出部のガス検出信号が酸素排出判定値になるまで測定室から酸素を排出した後に、ポンプ手段が測定室からNOxを排出する。このため、ポンプ手段によるNOx排出開始時点における測定室の酸素濃度は、測定対象ガスにおける酸素濃度変化に影響されることなく、酸素排出判定値に応じた一定濃度となる。
つまり、このNOx検出装置においては、測定対象ガスにおける酸素濃度が変化した場合であっても、ポンプ手段によるNOx排出開始時点における測定室の酸素濃度が一定濃度となることから、測定室の酸素濃度が一定濃度となる条件下で、NOxの排出を開始することができる。
また、酸素排出完了時点とNOx排出完了時点との時間差は、ポンプ手段によるNOx排出開始時点からNOx排出完了時点までの経過時間と略等しいものであり、換言すれば、ポンプ手段が測定室からNOxを排出するのに要したNOx排出所要時間に応じた値となる。
そして、NOx排出所要時間は、測定対象ガスにおけるNOx濃度が高くなるほど大きい値を示し、測定対象ガスにおけるNOx濃度が低くなるほど小さい値を示すものであり、測定対象ガスにおけるNOx濃度に応じた値となる。このため、NOx濃度時間検出手段は、酸素排出完了時点(あるいは、NOx排出開始時点)とNOx排出完了時点との時間差に基づいて、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出することが出来る。
このように、このNOx検出装置は、測定室の酸素濃度が一定濃度となる条件下でNOx排出を開始し、酸素排出完了時点(あるいは、NOx排出開始時点)とNOx排出完了時点との時間差に基づいてNOx濃度を検出することから、測定対象ガスの酸素濃度が変化した場合であっても、NOxを精度良く検出することができる。
よって、本発明によれば、測定対象ガスにおける酸素濃度が変動した場合でも、NOx検出精度の低下を抑制できる。
また、上記目的を達成するためになされた請求項2に記載の発明は、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx検出装置であって、測定対象ガスが導入される測定室と、測定室から酸素またはNOxを排出するポンプ手段と、前記測定室において酸素およびNOxの検出量に応じたガス検出信号を出力するガス検出部と、測定室から酸素を排出するようにポンプ手段を駆動制御して、ガス検出信号が予め定められた酸素排出判定値になるまで測定室から酸素を排出した後、測定室からNOxを排出するようにポンプ手段を駆動制御して、ガス検出信号が予め定められたNOx排出判定値になるまで測定室からNOxを排出するポンプ排出制御手段と、ポンプ排出制御手段により測定室から酸素およびNOxを順次排出するにあたり、ガス検出信号が酸素排出判定値となる酸素排出完了時点からガス検出信号がNOx排出判定値となるNOx排出完了時点までの期間内において、ガス検出信号の積分値を検出し、検出した積分値に基づいて測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx濃度積分検出手段と、を備えることを特徴とするNOx検出装置である。
このNOx検出装置は、請求項1に係るNOx検出装置と同様に、測定対象ガスにおける酸素濃度が変化した場合であっても、ポンプ手段によるNOx排出開始時点における測定室の酸素濃度が一定濃度となることから、測定室の酸素濃度が一定濃度となる条件下で、NOxの排出を開始することができる。
そして、酸素排出完了時点(あるいは、NOx排出開始時点)からNOx排出完了時点までの期間内におけるガス検出信号の積分値は、測定対象ガスにおけるNOx濃度が高くなるほど大きい値を示し、測定対象ガスにおけるNOx濃度が低くなるほど小さい値を示すものであることから、測定対象ガスにおけるNOx濃度に応じた値となる。このため、NOx濃度積分検出手段は、ガス検出信号の積分値に基づいて、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出することが出来る。
このように、このNOx検出装置は、測定室の酸素濃度が一定濃度となる条件下でNOx排出を開始し、ガス検出信号の積分値に基づいてNOx濃度を検出することから、測定対象ガスの酸素濃度が変化した場合であっても、NOxを精度良く検出できる。
よって、本発明によれば、測定対象ガスにおける酸素濃度が変動した場合でも、NOx検出精度の低下を抑制できる。
次に、上記のNOx検出装置においては、ガス検出部は、例えば、酸素濃淡電池素子で構成してもよい。そして、その酸素濃淡電池素子における電極のうち測定対象ガスに接触する検出電極は、NOx検出能力を有するNOx検出部と、NOx検出能力を有さず酸素検出能力を有する酸素検出部と、が並列接続された構成としてもよい。
このように、NOx検出部と酸素検出部とが並列接続されて構成された酸素濃淡電池素子は、NOxを検出せず酸素を検出する場合には、NOx検出部はガス検出信号を出力せず、酸素検出部が酸素の検出量に応じたガス検出信号を出力する状態となる。これに対して、NOxおよび酸素を検出する場合には、NOx検出部および酸素検出部がNOxの検出量および酸素の検出量に応じたガス検出信号を出力する状態となる。
つまり、この酸素濃淡電池素子は、酸素検出時(NOxを検出せず酸素を検出する場合)には、酸素検出部が出力するガス検出信号のみを出力し、NOx検出時(NOxおよび酸素を検出する場合)には、NOx検出部のガス検出信号と酸素検出部のガス検出信号とを合成したガス検出信号を出力する。
よって、このような酸素濃淡電池素子で構成されたガス検出部は、酸素およびNOxを検出すると共に、酸素およびNOxの検出量に応じたガス検出信号を出力できる。
そして、上記のNOx検出装置においては、例えば、NOx検出部をRhが添加されたPtで構成し、酸素検出部をPtで構成することができる。
つまり、Ptで構成される電極は、酸素検出能力を有するがNOx検出能力を有しておらず、Rhが添加されたPtで構成される電極は、NOx検出能力(NOx還元能力)を有する。
よって、Ptで構成される酸素検出部と、Rhが添加されたPtで構成されるNOx検出部と、が並列接続されて構成された酸素濃淡電池素子は、酸素およびNOxを検出すると共に、酸素およびNOxの検出量に応じたガス検出信号を出力でき、ガス検出部として利用できる。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用されたNOx検出装置1の概略構成を示す構成図である。
なお、このNOx検出装置1は、自動車等の内燃機関やボイラ等の各種燃焼機器の排気ガス等におけるNOx濃度を検出する用途などに用いられる。より具体的には、排気系統におけるNOx触媒下流のような大量の酸素残存状況下での低濃度(例えば、10[ppm]以下)のNOxを検出するために用いられる。
NOx検出装置1は、NOxセンサ10、制御装置31、ヒータ41、ヒータ電圧供給装置43を備えている。
NOxセンサ10は、ガスポンプセル11(以下、Ipセル11ともいう)と、ガス検出セル30(以下、Vsセル30ともいう)と、ガス検出室19と、酸素基準室25と、を備えている。また、ガス検出セル30は、第1検出セル15(以下、第1Vsセル15ともいう)と、第2検出セル20(以下、第2Vsセル20ともいう)と、を備えて構成されている。なお、図1では、NOxセンサ10の内部構成を表している。
ガスポンプセル11は、ジルコニアを主体とする固体電解質体12と、固体電解質体12の両側面に形成される多孔質電極13,14と、を備えており、ガス検出室19に対する酸素(O2 )およびNOxのポンピング動作(汲み出し動作または汲み入れ動作)を行う。そして、多孔質電極13,14は、ロジウム(Rh)が10%以上添加された白金(Pt)で形成されている。
第1検出セル15は、ジルコニアを主体とする固体電解質体16と、固体電解質体16の両側面に形成される多孔質電極17,18と、を備えており、ガス検出室19における酸素(O2 )濃度を検出するために備えられている。そして、多孔質電極17,18は、白金(Pt)で形成されている。
第2検出セル20は、ジルコニアを主体とする固体電解質体16と、固体電解質体16の両側面に形成される多孔質電極22,18と、を備えており、ガス検出室19におけるNOx濃度を検出するために備えられている。そして、多孔質電極22は、ロジウム(Rh)が10%以上添加された白金(Pt)で形成されている。
なお、ロジウム(Rh)が10%以上添加された白金(Pt)で形成された多孔質電極22は、白金(Pt)で形成された多孔質電極17に比べて、NOx触媒能(NOx検出能)に優れた特性を有している。つまり、第2検出セル20の多孔質電極22は、酸素検出のみならずNOx検出が可能な多孔質電極であり、第1検出セル15の多孔質電極17は、NOxは検出できず酸素(O2 )の検出が可能な多孔質電極である。
また、固体電解質体16および多孔質電極18は、第1検出セル15および第2検出セル20に共用される構成要素として備えられている。
ガス検出室19は、固体電解質体12と固体電解質体16との間において、ガス拡散多孔質層21に包囲される形態で形成されており、ガス拡散多孔質層21を介して測定対象ガス(排気ガス)が導入される。なお、ガス検出室19には、ガスポンプセル11の多孔質電極14と、第1検出セル15の多孔質電極17と、第2検出セル20の多孔質電極22と、が配置されている。
酸素基準室25は、固体電解質体16と基準室形成層23との間において、基準質形成層24に包囲される形態で形成されており、図示しない大気導入口から大気が導入されることで、大気中と同等の酸素濃度に保たれている。なお、酸素基準室25には、多孔質電極18が配置されている。
そして、第1検出セル15は、ガス検出室19の内部の酸素濃度をモニタするために備えられており、第1検出セル15の多孔質電極17−18間に、ガス検出室19の酸素濃度に応じた第1起電力Vs1が発生する。
また、第2検出セル20は、ガス検出室19の内部のNOx濃度をモニタするために備えられており、第2検出セル20の多孔質電極22−18間に、ガス検出室19のNOx濃度に応じた第2起電力Vs2が発生する。
なお、NOxセンサ10は、外部機器との接続に用いる端子電極として、4個の端子電極26,27,28,29を備えている。図1では、これらの端子電極を模式的に表している。
そして、端子電極26は、多孔質電極18に接続されており、端子電極27は、多孔質電極17および多孔質電極22に接続されており、端子電極28は、多孔質電極13に接続されており、端子電極29は、多孔質電極14に接続されている。
つまり、ガス検出セル30は、第1検出セル15および第2検出セル20が並列接続された酸素濃淡電池素子として構成されている。そして、多孔質電極17および多孔質電極22は、排気ガス(測定対象ガス)に接触する検出電極として備えられており、多孔質電極22はNOx検出能力(NOx還元能力)を有するものであり、多孔質電極17はNOx検出能力(NOx還元能力)を有さず酸素検出能力を有するものである。
このため、ガス検出セル30は、第1起電力Vs1および第2起電力Vs2に応じて変化する起電力Vs(酸素およびNOxの検出量に応じた起電力Vs)を出力するものであり、酸素検出時とNOx検出時とで起電力Vsが異なる値となる特性を有している。つまり、ガス検出セル30は、ガス検出室19の内部における酸素濃度およびNOx濃度をモニタするために備えられている。
なお、第1検出セル15および第2検出セル20は、それぞれの表面積の比率(構成割合)が「1:1」である。
さらに、ガスポンプセル11は、制御装置31から印加されるIp電圧(以下、ポンプ電圧Vipともいう)に応じて、ガス検出室19に対する酸素(O2 )およびNOxのポンピング動作(汲み出し動作または汲み入れ動作)を行う。なお、ガスポンプセル11による汲み出し動作と汲み入れ動作との切替は、ポンプ電流Ipの通電方向を切り替えることで実現できる。
つまり、NOxセンサ10は、NOx触媒能(NOx検出能)の異なる2つのセル(第1検出セル15、第2検出セル20)が並列接続されて構成されるガス検出セル30を備えることで、ガス検出室19の酸素濃度およびNOx濃度をそれぞれ検出可能に構成されると共に、ガスポンプセル11のポンピング動作によりガス検出室19の酸素濃度およびNOx濃度を変更可能に構成されている。
このような構成のNOxセンサ10は、排気管の内部に備えられて測定対象ガスである排気ガスをガス検出室19に導入し、NOx濃度を検出するために用いられる。
次に、制御装置31は、CPU,RAM,ROMおよび入出力部を有するマイクロコンピュータを備えて構成されており、NOxセンサ10よるNOx検出に関する各種制御処理を行うものである。
なお、制御装置31は、起電力Vsに基づいてNOx濃度を判定するNOx濃度判定処理や、抵抗値信号Srをヒータ電圧供給装置43に対して出力する抵抗値信号出力処理などの各種制御処理を実行している。
例えば、抵抗値信号出力処理は、測定電流Irpvsをガス検出セル30に通電したときの多孔質電極間(詳細には、多孔質電極17−18および多孔質電極22−18の並列回路)の電圧値の変化量に基づいて、ガス検出セル30の多孔質電極間の電気抵抗値Rpvsを検出し、検出した電気抵抗値Rpvsに応じた抵抗値信号Srをヒータ電圧供給装置43に対して出力する処理である。なお、NOx濃度判定処理については、後述する。
ヒータ41は、外部からの通電により発熱する発熱抵抗体を備えており、ヒータ電圧供給装置43から印加電圧VHが印加されると、印加電圧VHの大きさに応じた熱量を発生し、NOxセンサ10を加熱する。
ヒータ電圧供給装置43は、制御装置31からの抵抗値信号Srに基づいて、NOxセンサ10(詳細には、ガス検出セル30)の温度Tcを判定し、判定した温度Tcに基づきNOxセンサ10の温度が目標温度に近づくようにヒータ41への印加電圧を制御している。
次に、制御装置31で実行されるNOx濃度判定処理の処理内容について説明する。なお、NOx濃度判定処理は、制御装置31が起動されると共に処理が開始される。
ここで、NOx濃度判定処理の処理内容を表すフローチャートを図2に示し、NOx検出装置1の各部の状態を示すタイミングチャートを図3に示す。なお、図3では、ガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipの波形(図中上側)と、ガス検出セル30から出力される起電力Vsの波形(図中下側)とを表している。
NOx濃度判定処理が起動されると、S410(Sはステップを表す)では、NOxセンサ10のガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipを0[V]に設定し、ガスポンプセル11によるガス検出室19に対する酸素(O2 )およびNOxのポンピング動作(汲み出し動作または汲み入れ動作)を停止させる処理を行う。
次のS420では、NOxセンサ10におけるガス検出セル30の起電力Vsを検出し、起電力Vsが酸素判定基準値未満であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS440に移行し、否定判定する場合にはS430に移行する。
なお、ガス検出セル30の起電力Vsは、上述したように、ガス検出室19の酸素濃度およびNOx濃度に応じて変化している。そして、ガス検出セル30の起電力Vsがガス検出室19の酸素濃度に応じて変化するに際しては、ガス検出室19の酸素濃度が高くなるほど起電力Vsは小さい値を示し、ガス検出室19の酸素濃度が低くなるほど起電力Vsは大きい値を示す。そして、酸素判定基準値は、ガス検出室19に酸素が存在する時の起電力Vsの値とガス検出室19に酸素が存在しない時の起電力Vsの値との境界値に設定されており、本実施形態では、0.30[V]に設定されている。
つまり、S420では、ガス検出セル30の起電力Vsに基づき、ガス検出室19に導入された排気ガスに酸素が存在するか否かを判定している。
S420で否定判定されてS430に移行すると、S430では、測定対象ガスである排気ガスのNOx濃度を約0[ppm]と判定する。つまり、酸素が存在しない排気ガスは、NOxがほぼ存在しない状態となることから、S420で否定判定された場合には、排気ガス中に酸素が存在しないと判定できると共に、NOx濃度を約0[ppm]と判定することが出来る。
S420で肯定判定されてS440に移行すると、S440では、ガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipを酸素排出電圧VO2に設定変更し、ガスポンプセル11によるガス検出室19に対する酸素(O2 )のポンピング動作(汲み出し動作)を実行させる処理を行う。
つまり、S440では、ガスポンプセル11による酸素のポンピング動作(汲み出し動作)を実行させることで、ガス検出室19の酸素濃度を低下させる処理を開始する。
なお、図3では、時刻t0において、ポンプ電圧Vipが酸素排出電圧VO2に設定変更されている。
次のS450では、ガス検出セル30の起電力Vsを検出し、起電力Vsが酸素判定基準値以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS460に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
つまり、S450では、ガスポンプセル11のポンピング動作(汲み出し動作)によりガス検出室19の酸素濃度を低下させるにあたり、ガス検出セル30の起電力Vsに基づき、ガス検出室19の酸素濃度が酸素判定基準値に達したか否かを判定している。
S450で肯定判定されてS460に移行すると、S460では、この時の時刻t1を記憶する。
次のS470では、ガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipを酸素排出電圧VO2からNOx排出電圧VNOx に設定変更し、ガスポンプセル11によるガス検出室19に対するNOxのポンピング動作(汲み出し動作)を実行させる処理を行う。
なお、NOx排出電圧VNOx は、酸素排出電圧VO2よりも高い電圧値が設定されており、酸素排出電圧VO2が印加されたガスポンプセル11は、ガス検出室19から酸素を汲み出す動作を行うのに対して、NOx排出電圧VNOx が印加されたガスポンプセル11は、ガス検出室19から酸素およびNOxを汲み出す動作を行う。
図3では、時刻t1において、ガス検出セル30の起電力Vsが酸素判定基準値(0.30[V])に達しており、ポンプ電圧Vipが酸素排出電圧VO2からNOx排出電圧VNOx に設定変更されている。
つまり、S470では、ガスポンプセル11によるNOxのポンピング動作(汲み出し動作)を実行させることで、ガス検出室19のNOx濃度を低下させる処理を開始する。
次のS480では、ガス検出セル30の起電力Vsを検出し、起電力VsがNOx判定基準値以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS490に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
ここで、NOx判定基準値は、ガス検出室19にNOxが存在する時の起電力Vsの値とガス検出室19にNOxが存在しない時の起電力Vsの値との境界値に設定されており、本実施形態では、0.70[V]に設定されている。
つまり、S480では、ガスポンプセル11のポンピング動作(汲み出し動作)によりガス検出室19のNOx濃度を低下させるにあたり、ガス検出セル30の起電力Vsに基づき、ガス検出室19のNOx濃度がNOx判定基準値に達したか否かを判定している。
S480で肯定判定されてS490に移行すると、S490では、この時の時刻t2を記憶する。
次のS500では、予め定められた待機時間が経過するまで待機した後、ガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipを排出停止電圧V0に設定し、ガスポンプセル11による酸素およびNOxのポンピング動作(汲み出し動作)を停止させる。
なお、排出停止電圧V0は、酸素排出電圧VO2よりも低い電圧値が設定されており、排出停止電圧V0が印加されたガスポンプセル11は、ガス検出室19に対する酸素およびNOxのポンピング動作(汲み出し動作または汲み入れ動作)を行わない状態となる。
このようにガスポンプセル11によるポンピング動作が停止した状態においては、ガス拡散多孔質層21を介してガス検出室19に排気ガスが導入されることに伴い、酸素およびNOxがガス検出室19に蓄積されていき、ガス検出室19における酸素濃度およびNOx濃度が上昇していく。
なお、図3では、時刻t2において、起電力VsがNOx判定基準値(0.70[V])に達しており、時刻taにおいて、ポンプ電圧VipがNOx排出電圧VNOx から排出停止電圧V0に設定変更されている。
次のS510では、ガス検出セル30の起電力Vsを検出し、起電力VsがNOx判定基準値未満であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS520に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
つまり、S510では、ガスポンプセル11のポンピング動作を停止させた状態で排気ガスを導入することによりガス検出室19のNOx濃度を上昇させるにあたり、ガス検出セル30の起電力Vsに基づき、ガス検出室19のNOx濃度がNOx判定基準値に達したか否かを判定している。
S510で肯定判定されてS520に移行すると、S520では、この時の時刻t3を記憶する。
なお、図3では、時刻t3において、ガス検出セル30の起電力VsがNOx判定基準値(0.70[V])まで低下している。
次のS530では、ガス検出セル30の起電力Vsを検出し、起電力Vsが酸素判定基準値未満であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS540に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
つまり、S530では、ガスポンプセル11のポンピング動作を停止させた状態で排気ガスを導入することによりガス検出室19の酸素濃度を上昇させるにあたり、ガス検出セル30の起電力Vsに基づき、ガス検出室19の酸素濃度が酸素判定基準値に達したか否かを判定している。
S530で肯定判定されてS540に移行すると、S540では、この時の時刻t4を記憶する処理と、ガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipを酸素排出電圧VO2に設定変更する処理と、を行う。
なお、図3では、時刻t4において、ガス検出セル30の起電力Vsが酸素判定基準値(0.30[V])まで低下している。
また、このとき、ポンプ電圧Vipの切替時期からガス検出セル30の起電力Vsが上昇開始する時期までには一定の遅れ時間が生じるため、図3においては、時刻t4から一定時間が経過した時刻t5が、起電力Vsの上昇開始時期である。
次のS550では、時刻t1と時刻t2との時間差である第1経過時間TLR(=t2−t1)を演算する処理を行い、続くS560では、S550で得られた第1経過時間TLRに基づきNOx濃度を演算する処理を行う。
なお、ガス検出室19に導入された排気ガス中のNOx濃度が高いほど、NOxの汲み出し動作に要する時間が長くなることから、NOx濃度が高いほど第1経過時間TLRは大きい値を示す。反対に、ガス検出室19に導入された排気ガス中のNOx濃度が低いほど、NOxの汲み出し動作に要する時間が短くなることから、NOx濃度が低いほど第1経過時間TLRは小さい値を示す。
このことから、第1経過時間TLRと排気ガス中のNOx濃度(ガス検出室19のNOx濃度)との間には相関関係があり、S550で得られた第1経過時間TLRに基づきNOx濃度を検出(判定)することが可能である。
なお、演算処理は、例えば、マップあるいは演算式などを用いて実行できる。すなわち、実際の測定などにより第1経過時間TLRとガス検出室19のNOx濃度との相関関係を特定し、その相関関係に基づき定められたマップあるいは演算式などを用いることで、第1経過時間TLRに基づいてガス検出室19のNOx濃度を演算することができる。
次のS570では、時刻t3と時刻t4との時間差である第2経過時間TRL(=t4−t3)を演算する処理を行い、続くS580では、S570で得られた第2経過時間TRLに基づきNOx濃度を演算する処理を行う。
なお、ガス検出室19に導入される排気ガス中のNOx濃度が高いほど、排気ガスの導入に伴うNOx濃度の上昇に要する時間が短くなることから、図3に示す波形のうち時刻taから時刻t3までの所要時間が短くなる。そして、排気ガス中の酸素濃度が一定である場合、図3に示す波形のうち時刻taから時刻t4までの所要時間は一定となることから、NOx濃度が高いほど時刻t3から時刻t4までの所要時間が長くなるため、NOx濃度が高いほど第2経過時間TRLは大きい値を示す。
反対に、ガス検出室19に導入される排気ガス中のNOx濃度が低いほど、排気ガスの導入に伴うNOx濃度の上昇に要する時間が長くなることから、図3に示す波形のうち時刻taから時刻t3までの所要時間が長くなる。そして、排気ガス中の酸素濃度が一定である場合、図3に示す波形のうち時刻taから時刻t4までの所要時間は一定となることから、NOx濃度が低いほど時刻t3から時刻t4までの所要時間が短くなるため、NOx濃度が高いほど第2経過時間TRLは小さい値を示す。
このことから、第2経過時間TRLと排気ガスのNOx濃度(ガス検出室19のNOx濃度)との間には相関関係があり、S570で得られた第2経過時間TRLに基づきNOx濃度を検出(判定)することが可能である。
なお、演算処理は、例えば、マップあるいは演算式などを用いて実行できる。すなわち、第2経過時間TRLとガス検出室19のNOx濃度との相関関係に基づき定められたマップあるいは演算式などを用いることで、第2経過時間TRLに基づいてガス検出室19のNOx濃度を演算することができる。
次のS590では、S560での演算で得られたNOx濃度とS580での演算で得られたNOx濃度との平均値を算出して、得られた平均値を測定対象ガスである排気ガス中のNOx濃度と判定する処理を実行する。
S590の処理が終了すると、再びS450に移行する。
図3では、時刻t6において、起電力Vsが酸素判定基準値以上となり、S450で肯定判定される。そして、S450からS590までの処理を繰り返し実行することで、測定対象ガスである排気ガスのNOx濃度を繰り返し検出する。
以上説明したように、本実施形態のNOx検出装置1においては、ガスポンプセル11によるガス検出室19に対する酸素(O2 )のポンピング動作(汲み出し動作)を開始して(S440またはS540)、ガス検出セル30の起電力Vsが酸素判定基準値になるまで(S450で肯定判定)、ガス検出室19から酸素を排出する。そして、ガス検出セル30の起電力Vsが酸素判定基準値になると(S450で肯定判定)、ガス検出室19からのNOxのポンピング動作(汲み出し動作)を開始する(S470)。
このため、ガスポンプセル11によるNOx排出開始時点(時刻t1)におけるガス検出室19の酸素濃度は、排気ガスの酸素濃度変化に影響されることなく、S450で用いる酸素判定基準値に応じた一定濃度となる。
つまり、このNOx検出装置1においては、排気ガスの酸素濃度が変化した場合でも、ガスポンプセル11によるNOx排出開始時点におけるガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となる。このことから、NOx検出装置1は、ガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となる条件下でNOxの排出を開始するように構成されている。
また、酸素排出完了時点(S450で肯定判定される時点)とNOx排出完了時点(S480で肯定判定される時点)との時間差は、ガスポンプセル11によるNOx排出開始時点(S470)からNOx排出完了時点(S480で肯定判定される時点)までの経過時間と略等しいものである。そして、ガスポンプセル11によるNOx排出開始時点は時刻t1と略同時期であり、NOx排出完了時点は時刻t2と略同時期であることから、時刻t1と時刻t2との時間差である第1経過時間TLRは、ガスポンプセル11がガス検出室19からNOxを排出するのに要したNOx排出所要時間に応じた値となる。
そして、NOx排出所要時間は、ガス検出室19に導入された排気ガス中のNOx濃度が高くなるほど大きい値を示し、NOx濃度が低くなるほど小さい値を示すものであり、排気ガス中のNOx濃度に応じた値となる。つまり、第1経過時間TLRは、NOx排出所要時間に応じた値を示すと共に、排気ガス中のNOx濃度に応じた値となることから、第1経過時間TLRに基づいて、排気ガス中のNOx濃度を検出することが出来る。
このように、NOx検出装置1は、ガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となる条件下でNOx排出を開始し、NOxの排出に要する時間(第1経過時間TLR)に基づいてNOx濃度を検出することから、排気ガスの酸素濃度が変化した場合であっても、NOx濃度を精度良く検出することができる。
また、NOx検出装置1は、ガス検出室19のNOx濃度が一定濃度となるタイミング(S480で肯定判定される時期)で、ガスポンプセル11による酸素およびNOxのポンピング動作(汲み出し動作)を停止し、ポンピング動作を停止した状態で排気ガスを導入することで、ガス検出室19の酸素濃度およびNOx濃度を上昇させている。そして、ガス検出室19のNOx濃度がNOx判定基準値に達した時期(時刻t3)とガス検出室19の酸素濃度が酸素判定基準値に達した時期(時刻t4)との時間差である第2経過時間TRLを算出している(S570)。
そして、この第2経過時間TRLは、排気ガス中のNOx濃度が高いほど大きい値を示し、排気ガス中のNOx濃度が低いほど小さい値を示す。つまり、第2経過時間TRLは、排気ガス中のNOx濃度との間に相関関係があることから、第2経過時間TRLに基づいて、排気ガスのNOx濃度を検出(判定)することが出来る。
また、第2経過時間TRLの開始時期(時刻t3)でのガス検出室19のNOx濃度は、NOx判定基準値に応じた一定濃度であり、また、第2経過時間TRLの終了時期(時刻t4)でのガス検出室19の酸素濃度は、排気ガスの酸素濃度変化に影響されることなく、酸素判定基準値に応じた一定濃度となる。
つまり、NOx検出装置1は、排気ガスの酸素濃度が変化した場合でも、第2経過時間TRLの終了時期(時刻t4)でのガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となることから、排気ガスの酸素濃度変化に影響されることなく、NOx濃度に応じて値が定まる第2経過時間TRLを検出する。
このことから、NOx検出装置1は、排気ガスの酸素濃度変化の影響を受けることなく、排気ガスの導入に伴うNOx濃度の上昇に要する所要時間(第2経過時間TRL)に基づいてNOx濃度を検出(判定)することができる。
そして、NOx検出装置1は、第1経過時間TLRに基づき得られるNOx濃度と、第2経過時間TRLに基づき得られるNOx濃度との平均値を演算し、NOx濃度を検出(判定)している。このように、複数の要素に基づきNOx濃度を検出(判定)することで、第1経過時間TLRのみ、または、第2経過時間TRLのみに基づきNOx濃度を検出(判定)する場合に比べて、NOx濃度の検出精度をより向上させることが出来る。
なお、本実施形態においては、ガス検出室19が特許請求の範囲に記載の測定室に相当し、ガスポンプセル11がポンプ手段に相当し、ガス検出セル30がガス検出部に相当し、起電力Vsがガス検出信号に相当し、多孔質電極22がNOx検出部に相当し、多孔質電極17が酸素検出部に相当している。また、S440、S450、S470、S480、S540の処理を実行する制御装置31がポンプ排出制御手段に相当し、S460、S490、S550、S560を実行する制御装置31がNOx濃度時間検出手段に相当している。さらに、S450での酸素判定基準値が酸素排出判定値に相当し、S480でのNOx判定基準値がNOx排出判定値に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態(以下、第1実施形態ともいう)では、酸素濃淡電池素子としてのガス検出部(ガス検出セル)の検出電極が、NOx検出部(第2検出セル20)と酸素検出部(第1検出セル15)とが2個に分離形成される構成のNOx検出装置について説明した。しかし、酸素濃淡電池素子としてのガス検出部の検出電極は、上記の構成に限られることなく、NOx検出部としての領域と酸素検出部としての領域とが併存する1個の電極として形成しても良い。
具体的には、白金(Pt)を主体に形成される検出電極において、ロジウム(Rh)が添加された領域とロジウム(Rh)が添加されていない領域とを併存させて構成することで、酸素検出時とNOx検出時とで起電力(ガス検出信号)が異なる値となるガス検出部を実現できる。なお、酸素濃淡電池素子としてのガス検出部における検出電極を1個の電極として備えるセンサの一例としては、全領域空燃比センサを挙げることが出来る。
また、NOx検出部と酸素検出部との構成割合(表面積割合または体積割合)は、「1:1」に限られることはなく、酸素検出時とNOx検出時とでガス検出信号が異なるように構成割合を適宜設定すればよい。
さらに、第1実施形態では、酸素排出完了時点(あるいは、NOx排出開始時点)とNOx排出完了時点との時間差に基づいてNOx濃度を検出する構成であるが、時間差に代えて、ガス検出信号の積分値に基づいてNOx濃度を検出することが可能である。
つまり、ガス検出セル30の起電力Vs(ガス検出信号)の積分値は、測定対象ガスにおけるNOx濃度が高くなるほど大きい値を示し、測定対象ガスにおけるNOx濃度が低くなるほど小さい値を示すものであり、測定対象ガスにおけるNOx濃度に応じた値となる。このため、酸素排出完了時点(あるいは、NOx排出開始時点)とNOx排出完了時点との時間差に代えて、ガス検出信号の積分値に基づいて、測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出することが出来る。
例えば、第1実施形態でのNOx濃度判定処理のうち、S460、S490、S520、S540、S560、S580の処理内容を変更し、S550、S570の処理を省略することで、ガス検出信号の積分値に基づいてNOx濃度を検出することが出来る。
ここで、図4に、ガス検出信号の積分値に基づいてNOx濃度を判定するNOx濃度判定処理の処理内容を表すフローチャートを示す。
なお、このNOx濃度判定処理のうちS461、S491、S521、S541、S561、S581は、それぞれS460、S490、S520、S540、S560、S580の代替ステップであり、これら以外のステップにおける処理内容については、第1実施形態と同様である。
そして、S461では、起電力Vs(ガス検出信号)の積分処理を開始する処理を行い、S491では、起電力Vs(ガス検出信号)の積分処理を終了すると共に起電力Vsの積分値(第1積分値Sv1)を記憶部に記憶する処理を行う。また、S521では、起電力Vs(ガス検出信号)の積分処理を開始する処理を行い、S541では、起電力Vs(ガス検出信号)の積分処理を終了すると共に起電力Vsの積分値(第2積分値Sv2)を記憶部に記憶する処理と、ガスポンプセル11に印加するポンプ電圧Vipを酸素排出電圧VO2に設定変更する処理と、を行う。
さらに、S561では、S461からS491までの積分処理により得られた第1積分値Sv1に基づいてNOx濃度を演算する処理を実行し、S581では、S521からS541までの積分処理により得られた第2積分値Sv2に基づいてNOx濃度を演算する処理を実行する。
なお、演算処理は、例えば、マップあるいは演算式などを用いて実行できる。すなわち、実際の測定などにより起電力Vs(ガス検出信号)の積分値とガス検出室19のNOx濃度との相関関係を特定し、その相関関係に基づき定められたマップあるいは演算式などを用いることで、積分値に基づいてガス検出室19のNOx濃度を演算することができる。
そして、S590では、S561での演算で得られたNOx濃度とS581での演算で得られたNOx濃度との平均値を算出して、得られた平均値を測定対象ガスである排気ガスのNOx濃度として検出(判定)する処理を実行する。
このように構成されるNOx検出装置によれば、ガス検出室19の酸素濃度が一定濃度となる条件下でNOx排出を開始し、起電力Vs(ガス検出信号)の積分値に基づいてNOx濃度を検出することから、測定対象ガスの酸素濃度が変化した場合であっても、NOxを精度良く検出できる。
なお、このNOx検出装置においては、S461、S491、S561を実行する制御装置31が、特許請求の範囲に記載のNOx濃度積分検出手段に相当している。
次に、他の実施形態としては、第1実施形態においては、S450での酸素判定基準値とS530での酸素判定基準値とが同一値であるが、それぞれ異なる値を判定基準値としてもよく、また、S480でのNOx判定基準値とS510でのNOx判定基準値とが同一値であるが、それぞれ異なる値を判定基準値としてもよい。
また、図2のNOx濃度判定処理のうち、S590の後に一定時間待機するステップを追加して、NOx検出の繰り返し周期を調整するように構成しても良い。このように構成されたNOx検出装置によれば、NOx検出の繰り返し周期を長く設定することで、制御装置31でのCPUの処理負荷が軽減できる。
さらに、第1実施形態では、第1経過時間TLRおよび第2経過時間TRLに基づきNOx濃度を検出(判定)しているが、NOx検出精度が許容される用途においては、第1経過時間TLRのみ、あるいは第2経過時間TRLのみに基づきNOx濃度を検出(判定)してもよい。
また、第1実施形態でのS590においては、S560およびS580で得られた2個のNOx濃度の平均値を最終的にNOx濃度として検出(判定)しているが、単純平均に限られることはなく、2個のNOx濃度のうち一方の割合を大きくし他方の割合を小さくする加重平均を最終的なNOx濃度として検出(判定)しても良い。
さらに、NO検出装置は、ガス拡散多孔質層を介して測定対象ガスが導入される測定室(ガス検出室)を備えるものに限られることはなく、弁機構の開閉動作によって測定対象ガスが導入される測定室を備えるものであってもよい。つまり、弁機構を開状態として測定対象ガスを導入した後に弁機構を閉状態として、上述したNOx濃度判定処理を実行することでNOx濃度を検出する構成のNO検出装置としてもよい。
NOx検出装置の概略構成図である。 NOx濃度判定処理の処理内容を表すフローチャートである。 NOx検出装置の各部の状態を示すタイミングチャートである。 ガス検出信号の積分値に基づいてNOx濃度を判定するNOx濃度判定処理の処理内容を表すフローチャートである。
符号の説明
1…NOx検出装置、10…NOxセンサ、11…ガスポンプセル、15…第1検出セル、19…ガス検出室、20…第2検出セル、21…ガス拡散多孔質層、25…酸素基準室、30…ガス検出セル、31…制御装置、41…ヒータ、43…ヒータ電圧供給装置。

Claims (4)

  1. 測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx検出装置であって、
    前記測定対象ガスが導入される測定室と、
    前記測定室から酸素またはNOxを排出するポンプ手段と、
    前記測定室において酸素およびNOxの検出量に応じたガス検出信号を出力するガス検出部と、
    前記測定室から酸素を排出するように前記ポンプ手段を駆動制御して、前記ガス検出信号が予め定められた酸素排出判定値になるまで前記測定室から酸素を排出した後、前記測定室からNOxを排出するように前記ポンプ手段を駆動制御して、前記ガス検出信号が予め定められたNOx排出判定値になるまで前記測定室からNOxを排出するポンプ排出制御手段と、
    前記ポンプ排出制御手段により前記測定室から酸素およびNOxを順次排出するにあたり、前記ガス検出信号が前記酸素排出判定値となる酸素排出完了時点と、前記ガス検出信号が前記NOx排出判定値となるNOx排出完了時点と、の時間差を検出し、検出した前記時間差に基づいて前記測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx濃度時間検出手段と、
    を備えることを特徴とするNOx検出装置。
  2. 測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx検出装置であって、
    前記測定対象ガスが導入される測定室と、
    前記測定室から酸素またはNOxを排出するポンプ手段と、
    前記測定室において酸素およびNOxの検出量に応じたガス検出信号を出力するガス検出部と、
    前記測定室から酸素を排出するように前記ポンプ手段を駆動制御して、前記ガス検出信号が予め定められた酸素排出判定値になるまで前記測定室から酸素を排出した後、前記測定室からNOxを排出するように前記ポンプ手段を駆動制御して、前記ガス検出信号が予め定められたNOx排出判定値になるまで前記測定室からNOxを排出するポンプ排出制御手段と、
    前記ポンプ排出制御手段により前記測定室から酸素およびNOxを順次排出するにあたり、前記ガス検出信号が前記酸素排出判定値となる酸素排出完了時点から前記ガス検出信号が前記NOx排出判定値となるNOx排出完了時点までの期間内において、前記ガス検出信号の積分値を検出し、検出した積分値に基づいて前記測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出するNOx濃度積分検出手段と、
    を備えることを特徴とするNOx検出装置。
  3. 前記ガス検出部は、酸素濃淡電池素子で構成されており、
    前記酸素濃淡電池素子における電極のうち前記測定対象ガスに接触する検出電極は、NOx検出能力を有するNOx検出部と、NOx検出能力を有さず酸素検出能力を有する酸素検出部と、が並列接続されて構成されたこと、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のNOx検出装置。
  4. 前記NOx検出部は、Rhが添加されたPtで構成され、
    前記酸素検出部は、Ptで構成されたこと、
    を特徴とする請求項3に記載のNOx検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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