JP2005055395A - ガス濃度センサのヒータ制御装置 - Google Patents

ガス濃度センサのヒータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外乱が加わってもセンサ素子の温度状態を高精度に制御し、ひいてはガス濃度の検出精度向上に貢献し得ること。
【解決手段】 ガス濃度センサ100は、ポンプセル110、モニタセル120及びセンサセル130よりなるセンサ素子とヒータ152とを備える。センサECU10は、センサ素子の温度状態を検出して該温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいてフィードバック項を算出し、そのフィードバック項を用いてヒータ152の通電をフィードバック制御する。また、目標値を基準とする前記温度状態の変化の状況に応じてフィードバック項のゲインを大小可変に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス濃度センサのヒータ制御装置に関するものである。
例えば自動車用エンジンにおいては、当該エンジンより排出される排ガスの特定成分濃度がガス濃度センサにより検出され、その検出結果に応じて排気エミッション低減等のための各種制御が実施されるようになっている。一般にガス濃度センサはジルコニア製の固体電解質体を用いたセンサ素子を有し、このセンサ素子により特定のガス濃度が検出される。また、センサ素子によりガス濃度を精度良く検出するにはセンサ素子を所定の温度状態に維持する必要があり、通常は同センサにヒータを内蔵し当該ヒータへの通電を制御するようにしている。ヒータ通電制御の手法として、センサ素子を構成するセルの内部抵抗を検出し、該検出した内部抵抗が目標値に一致するようヒータ通電量をフィードバック制御するものが知られている(例えば特許文献1等)。
ところで、ガス濃度センサでは、周辺雰囲気の温度変化など、外乱の影響を受けてセンサ素子の温度状態が変動することが考えられる。上記の如く自動車用エンジンに適用される場合には、排ガスの温度変化や流量変化に伴いセンサ素子の温度状態が変動する。センサ素子の温度状態が変動すると、当該素子の活性状態が変わるため、ガス濃度の検出精度が悪化することが懸念される。特に、ガス濃度として排ガス中のNOx濃度を検出する場合には、その検出電流が微弱電流(nA〜μAオーダ)であり、センサ素子の温度状態の変動により検出精度に大きな影響が現れるおそれがあった。
特開2000−171439号公報
本発明は、外乱が加わってもセンサ素子の温度状態を高精度に制御し、ひいてはガス濃度の検出精度向上に貢献し得るガス濃度センサのヒータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明のガス濃度センサのヒータ制御装置では、温度状態検出手段によりセンサ素子の温度状態を検出する一方、ヒータ通電制御手段により前記温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいてフィードバック項を算出し、更にそのフィードバック項を用いてヒータの通電をフィードバック制御することを前提としている。また特に請求項1に記載の発明では、ヒータ通電制御手段により、前記目標値を基準とする前記温度状態の変化の状況に応じてフィードバック項のゲインを大小可変に設定する。前記フィードバック項は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいて算出される比例項、積分項の少なくとも何れかである(請求項11)。なお、センサ素子の温度状態は素子の内部抵抗により検出することが可能であり、前記温度状態検出手段は素子抵抗を検出するものであっても良い。
要するに、ガス濃度センサを構成するセンサ素子では、その使用環境における温度変化等が生じると、それが外乱となり温度状態が変動する。かかる事態に対して本発明では、目標値を基準とする温度変化の状況に応じてフィードバック項のゲインを大小可変に設定するため、目標値付近でフィードバック項のゲインを小さくすれば温度状態を細かい分解能で制御することができる。また、目標値から離れた状態でフィードバック項のゲインを大きくすれば温度状態の変化に対して目標値に対する収束性を向上させることができる。以上により、外乱が加わってもセンサ素子の温度状態を高精度に制御し、ひいてはガス濃度の検出精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が所定のしきい値より大きければ前記フィードバック項のゲインを大きくするので、センサ素子の温度状態が目標値から大きく離れた場合にのみゲインが大きくなる。例えば、定常値としてのゲインからそれよりも大きなゲインに切り替えられる。これにより、センサ素子の温度状態が目標値から大きく離れても比較的早いタイミングで目標値への復帰を果たすことができる。
請求項3に記載の発明では、前記温度状態の検出値が目標値から離れる場合にフィードバック項のゲインを切り替えるためのしきい値と、同検出値が目標値に近づく場合にフィードバック項のゲインを切り替えるためのしきい値とを各々設定し、前者の方を大きい値としている。すなわち、しきい値にヒステリシスを持たせている。これにより、不必要にゲインが切り替えられることが抑制でき、制御上のハンチングが防止できる。
請求項4に記載の発明では、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が大きくなるほど、前記フィードバック項のゲインを連続的に大きくするので、段階的にゲインを変更する場合に比べて急激な挙動の変化を抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、前記温度状態の検出値が前記目標値から離れる際その変化率が所定のしきい値よりも大きければ前記フィードバック項のゲインを大きくする。前記温度状態の検出値が目標値から離れる際その変化率が所定のしきい値よりも大きいと、その後センサ素子の温度状態が目標値から大きく離れる可能性がある。そこで、かかる場合にフィードバック項のゲインを大きくすることにより、センサ素子の温度状態が目標値から大きく離れる可能性があっても比較的早いタイミングで目標値への復帰を果たすことができる。またこの場合、センサ素子の温度状態が所定のしきい値以上に離れるまでゲイン変更を待たなくても良いため、より一層制御性が向上する。
請求項6に記載の発明では、前記温度状態の検出値が前記目標値に近づく際その変化率が所定のしきい値よりも小さければ前記フィードバック項のゲインを大きくする。前記温度状態の検出値が目標値に近づく際その変化率が所定のしきい値よりも小さいと、その後センサ素子の温度状態が目標値に達するまでの時間が長引く可能性がある。そこで、かかる場合にフィードバック項のゲインを大きくすることにより、センサ素子の温度状態が目標値に達するまでの時間を短縮させることができる。なお、請求項5,6の場合、ゲインを連続的に変化させる構成とすれば、急激な挙動の変化を抑制することも可能となる。
内燃機関の排気系に設けられ、該内燃機関から排出される排ガスを被検出ガスとするガス濃度センサの場合、内燃機関の運転状態に応じて排ガスの温度や流量が変化し、センサ素子の温度制御においてはこれが外乱となる。かかる場合、内燃機関の運転状態に応じて素子温度の変化がある程度予測できるため、温度変化の予測結果に応じて前記フィードバック項のゲインを大小可変に設定することが可能となる(請求項7)。
また、請求項8に記載の発明では、ヒータ通電制御手段により、前記温度状態の検出値が前記目標値を含む目標値近傍領域にあればフィードバック項のゲインを定常値とし、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域外にあれば、又は同検出値が目標値近傍領域外になると予測されるような変化率で変化していればフィードバック項のゲインを前記定常値よりも大きくする。前記フィードバック項は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいて算出される比例項、積分項の少なくとも何れかである(請求項11)。
要するに、ガス濃度センサを構成するセンサ素子では、その使用環境における温度変化等が生じると、それが外乱となり温度状態が変動する。かかる事態に対して本発明では、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域外にあれば、又は同検出値が目標値近傍領域外になると予測されるような変化率で変化していればフィードバック項のゲインを前記定常値よりも大きくするため、温度状態の変化に対して目標値に対する収束性を向上させることができる。また、前記温度状態の検出値が前記目標値を含む目標値近傍領域にあればフィードバック項のゲインを大きくせず定常値とするため、温度状態を細かい分解能で制御することができる。以上により、外乱が加わってもセンサ素子の温度状態を高精度に制御し、ひいてはガス濃度の検出精度を向上させることができる。
請求項9に記載の発明では、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域から離れるほど、前記フィードバック項のゲインを連続的に大きくするので、段階的にゲインを変更する場合に比べて急激な挙動の変化を抑制することができる。
請求項10に記載の発明では、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域外となった後に目標値近傍領域内に戻る際、当該検出値の変化率が所定のしきい値よりも大きければ前記フィードバック項のゲインを前記定常値に戻すようにしている。前記温度状態の検出値が目標値近傍領域の外から内へ変化する場合、当該検出値の変化率が大きければその後センサ素子の温度状態が目標値に達するまでにさほど時間を要しないと考えられる。そこで、かかる場合にフィードバック項のゲインを定常値に戻すことでそれ以降の制御性が向上する。また逆に、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域内に戻る際、当該検出値の変化率が所定のしきい値よりも小さければ前記フィードバック項のゲインが大きいままとされるため、センサ素子の温度状態が目標値に達するまでの時間を短縮させることができる。
また、請求項12,13に記載の発明では、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が所定のしきい値よりも大きければ、前記比例項、積分項の少なくとも何れかに加え、微分項を用いて前記ヒータの通電を制御する。前記温度状態の検出値と目標値との偏差が大きくなる場合に、新たに微分項を用いたフィードバック制御を実施することにより、センサ素子の温度変化を妨げるようにヒータの通電が制御され、センサ素子の温度状態の変動が抑制できる。
請求項14に記載の発明では、前記ガス濃度センサのセンサ素子は、各々に固体電解質体と該固体電解質体に配置された一対の電極とよりなる第1セル及び第2セルを有するものとし、これら各セルに所定電圧を印加した状態で、第1セルでガス室に導入した被検出ガス中の酸素量を所定の低濃度レベルに調整すると共に、第2セルで第1セルでの酸素量調整後のガスから特定成分のガス濃度を検出するようにしている。例えば、自動車用内燃機関から排出される排ガスを被検出ガスとする場合、前記センサ素子により特定成分のガス濃度としてNOx濃度が検出される。かかる場合、特定成分のガス濃度(NOx濃度)は微弱電流により検出され、センサ素子の温度状態が目標値に維持できないとガス濃度の検出精度が確保できないが、上述した各請求項の発明によれば、センサ素子の温度状態が高精度に制御されるため、ガス濃度の検出精度が確保できる。なお、更に前記ガス室内の残留酸素濃度を検出するための第3セルを構成要件とするガス濃度センサにも適用できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では自動車用ガソリンエンジンの制御システムに用いられるガス濃度検出装置に本発明を具体化しており、エンジンより排出された排ガスの特定成分濃度がガス濃度センサにより検出される。特に本実施の形態では、限界電流式ガス濃度センサを用い、被検出ガスである排ガスから、少なくとも特定成分濃度としてのNOx濃度を検出することとしている。
先ずはじめに、ガス濃度センサ100の構成を図1を用いて説明する。図1には、ガス濃度センサ100を構成するセンサ素子の先端部構造を断面図により示している。センサ素子は、いわゆる3セル構造を有し、「第1セル」としてのポンプセル、「第2セル」としてのセンサセル、及び「第3セル」としてのモニタセルを具備する。なお、モニタセルは、ポンプセル同様、ガス中の酸素排出の機能を具備するため、第2のポンプセルと称される場合もある。
ガス濃度センサ100において、ジルコニア等の酸素イオン導電性材料からなる固体電解質141,142は長尺シート状をなし、アルミナ等の絶縁材料からなるスペーサ143を介して図の上下に所定間隔を隔てて積層されている。このうち、図の上側の固体電解質141には排ガス導入口141aが形成されており、この排ガス導入口141aを介して当該センサ周囲の排ガスが第1チャンバ144内に導入される。第1チャンバ144は、絞り部145を介して第2チャンバ146に連通している。固体電解質141の図の上面には、排ガスを所定の拡散抵抗で出し入れするための多孔質拡散層147が設けられると共に、大気通路155を区画形成するための絶縁層154が設けられている。
図の下側の固体電解質142には、第1チャンバ144に対面するようにしてポンプセル110が設けられており、ポンプセル110は、第1チャンバ144内に導入された排ガス中の酸素を出し入れして残留酸素濃度を所定濃度に調整する。ポンプセル110は、固体電解質142を挟んで上下一対の電極111,112を有し、そのうち特に第1チャンバ144側の電極111はNOx不活性電極(NOxガスを分解し難い電極)となっている。ポンプセル110は、電極111,112間に電圧Vpが印加された状態で、第1チャンバ144内に存在する酸素を分解して電極112より大気通路151側に排出する。
また、図の上側の固体電解質141には、第2チャンバ146に対面するようにしてモニタセル120及びセンサセル130が設けられている。モニタセル120は、前記ポンプセル110により余剰酸素が排出された後に、第2チャンバ146内の残留酸素濃度に応じて起電力、又は電圧印加に伴い電流出力を発生する。センサセル130は、ポンプセル110を通過した後のガスからNOx濃度を検出する。
モニタセル120及びセンサセル130は近接した位置に並べて配置されると共に、これら各セル120,130の大気通路155側の電極が共通電極122となっている。すなわち、モニタセル120は、固体電解質141とそれを挟んで対向配置された電極121及び共通電極122とにより構成され、センサセル130は、同じく固体電解質141とそれを挟んで対向配置された電極131及び共通電極122とにより構成されている。モニタセル120の電極121(第2チャンバ146側の電極)はNOxガスに不活性なAu−Pt等の貴金属からなるのに対し、センサセル130の電極131(第2チャンバ146側の電極)はNOxガスに活性な白金Pt、ロジウムRh等の貴金属からなる。なお、便宜上図1ではモニタセル120及びセンサセル130を排ガスの流れ方向に対して前後に並べて示すが、実際には、図2(モニタセル120及びセンサセル130の電極配置を示す平断面図)に示すように、排ガスの流れ方向に対して同等位置になるよう各セル120,130が配置されるようになっている。
固体電解質142の図の下面にはアルミナ等よりなる絶縁層150が設けられ、この絶縁層150により大気通路151が形成されている。絶縁層150には、センサ全体を加熱するためのヒータ(発熱体)152が埋設されている。ヒータ152はポンプセル110、モニタセル120及びセンサセル130を含めたセンサ素子全体を活性状態にすべく、バッテリ電源等からの給電により熱エネルギを発生する。
上記構成のガス濃度センサ100において、排ガスは多孔質拡散層147及び排ガス導入口141aを通って第1チャンバ144に導入される。そして、この排ガスがポンプセル110近傍を通過する際、ポンプセル電極111,112間に電圧Vpを印加することで分解反応が起こり、第1チャンバ144内の酸素濃度に応じてポンプセル110を介して酸素が出し入れされる。なおこのとき、第1チャンバ144側の電極111がNOx不活性電極であるため、ポンプセル110では排ガス中のNOxは分解されず、酸素のみが分解されて電極112から第1大気通路151に排出される。こうしたポンプセル110の働きにより、第1チャンバ144内が所定の低酸素濃度の状態に保持される。
ポンプセル110近傍を通過した排ガスは第2チャンバ146に流れ込み、モニタセル120では、ガス中の残留酸素濃度に応じた出力が発生する。モニタセル120の出力は、モニタセル電極121,122間に所定の電圧Vmを印加することでモニタセル電流Imとして検出される。また、センサセル電極131,122間に所定の電圧Vsを印加することでガス中のNOxが還元分解され、その際発生する酸素が電極122から第2大気通路155に排出される。このとき、センサセル130に流れた電流(センサセル電流Is)により、排ガス中に含まれるNOx濃度が検出される。
センサECU10はガス濃度センサ100の制御や濃度演算を実施するものであり、センサECU10により排ガス中の酸素濃度(空燃比)やNOx濃度が演算され、その演算結果が図示しないエンジンECU等に適宜出力されるようになっている。すなわち、センサECU10はセンサ制御の主体となるマイコン11を有しており、このマイコン11により、ポンプセル110に印加するポンプセル電圧Vp、モニタセル120に印加するモニタセル電圧Vm、センサセル130に印加するセンサセル電圧Vsがそれぞれ制御される。マイコン10にはポンプセル電流Ip、モニタセル電流Im及びセンサセル電流Isの各々の計測値が逐次入力され、当該マイコン11ではそれらの入力値に基づいて酸素濃度値やNOx濃度値が演算される。
また、センサECU10にはヒータ制御回路12が設けられており、このヒータ制御回路12によりヒータ152への通電がON/OFF制御される。すなわちこのヒータ制御では、基本的に比例項(P項)や積分項(I項)といったフィードバック項を用いてPI制御が実施されるようになっており、ガス濃度センサ100の素子温に対応する素子抵抗の検出値と目標値との偏差に応じて比例項(P項)と積分項(I項)とが算出されると共に、これら比例項及び積分項により設定されたヒータ制御量(制御デューティ比)に基づいてヒータ152の通電がフィードバック制御される。こうしたヒータ制御により、センサ素子の温度状態が所定の目標温度に制御され、当該センサ素子が最適なる活性状態で維持できるようになる。
素子抵抗値の検出に関しては、いわゆる掃引法を用い、モニタセル120を対象に素子アドミタンス(以下、モニタセルアドミタンスMAdmという)が算出される。つまり、モニタセルアドミタンス検出時において、モニタセル電圧Vsが正側又は負側の少なくとも何れかに瞬間的に(例えば数10〜100μsec程度の時間で)切り替えられ、その時の電圧変化量と電流変化量とからモニタセルアドミタンスMAdmが算出される(MAdm=電流変化量/電圧変化量)。なお、素子抵抗値として、素子アドミタンスに代えてその逆数である素子インピーダンスを検出する構成であっても良い。また、モニタセルアドミタンス(又はインピーダンス)を検出することに代えて、ポンプセル110のアドミタンス(又はインピーダンス)を検出する構成や、センサセル130のアドミタンス(又はインピーダンス)を検出する構成としても良い。
ところで、本実施の形態のガス濃度センサ100では、排ガスの温度変化や流量変化といった外乱の影響により素子温が変動すること、素子温の変動によりNOx濃度の検出精度が低下することが懸念される。すなわち、図3の概略図に示すように、センサ素子Aは、その構造上長尺状のセルBを有するために素子表面から熱が逃げやすく、更に、センサ素子Aの基端部が金属製のハウジングCに連結されると共にハウジングC近くにまでセルBが延びているためにハウジングCへの熱引けの影響も大きくなる。故に、外乱等による素子温の変動が生じやすい。また、前記図1で説明したように、本ガス濃度センサ100ではヒータ152とモニタセル120とが離れているため、センサ素子の温度状態をモニタセルアドミタンスMAdmで検出する本構成にあってはヒータ152とモニタセル120との間の温度勾配が大きくなり、これが温度制御性の悪化を招く原因となっている。図4で説明すると、タイミングt1でヒータ通電量を増加側に変更した場合、それに伴いヒータ抵抗値は直ちに上昇し始めるのに対し、モニタセルアドミタンスMAdmは時間Tだけ遅れて上昇し始める。かかる場合、排ガスの温度変化や流量変化といった外乱の発生時にモニタセル120による温度制御が遅れてしまい、結果として素子温の変動を招く。NOx濃度を検出する場合にはppmオーダの濃度検出が必要であり、検出すべきセンサ電流はnA〜μAであることから、素子温の変動によりNOx濃度の検出精度悪化が生じるおそれがあった。
一方で、ガス濃度センサ100の素子温を制御する場合、外乱に対してはフードバックゲインを極力大きくして常に目標値付近から素子温度が外れないようにする必要がある。但しその反面、フィードバックゲインが高いと目標値付近での分解能が粗くなるため、目標値を挟んで素子温が常に細かく変動している状態となり、ppmオーダでみると検出精度を満足できなくなる。このため、目標値付近ではフードバックゲインを極力小さくして分解能を細かくすることで、素子温の変動を抑える必要がある。図5は、フィードバックゲインが大小異なる場合のモニタセルアドミタンス、ヒータ通電のための制御デューティ比、NOx濃度検出値の各変化を示すタイムチャートであり、同図の(a),(b)から分かるように、フィードバックゲインが大きい場合には小さい場合に比べて制御デューティ比の変動幅が大きく、NOx濃度の検出値も変動が大きくなる。それ故、NOx濃度の検出精度を高める上でフィードバックゲインを不必要に大きくするのは得策ではない。
本実施の形態では、目標値を基準とする素子温度(モニタセルアドミタンスMAdm)の変化の状況に応じてフィードバックゲイン、すなわちP項、I項ゲインを大小可変に設定することとする。具体的には、温度状態の検出値と目標値との偏差が所定のしきい値以下であればP項、I項ゲインを小さくし、同偏差がしきい値より大きければP項、I項ゲインを大きくする。
次に、センサECU10内のマイコン11により実施される制御処理について説明する。図6は、マイコン11により実施されるメインルーチンの概要を示すフローチャートであり、同ルーチンはマイコン11への電源投入に伴い起動される。
図6において、先ずステップS110では、前回のNOx濃度検出時から所定時間Taが経過したか否かを判別する。所定時間TaはNOx濃度の検出周期に相当する時間であって、例えばTa=4msec程度に設定される。そして、ステップS110がYESであることを条件に、後続のステップS120ではNOx濃度の検出処理を実施する。なおこのとき、センサセル電流Isの計測値とモニタセル電流Imの計測値がそれぞれ取り込まれ、センサセル電流Isとモニタセル電流Imとの差分値(Is−Im)がNOx検出電流とされる。そして、NOx検出電流がNOx濃度値に換算され、これが図示しないエンジンECU等に適宜出力される。
NOx濃度の検出後、ステップS130では、前回のモニタセルアドミタンス検出時から所定時間Tbが経過したか否かを判別する。所定時間Tbはモニタセルアドミタンスの検出周期に相当する時間であって、例えばエンジン運転状態に応じて128msec、2sec等の時間が選択的に設定される。そして、ステップS130がYESであることを条件に、ステップS140ではモニタセルアドミタンスMAdmを検出し、更に続くステップS150では、後述する図7の処理を呼び出してヒータ通電制御を実施する。なお本実施の形態では、ステップS140が「温度状態検出手段」に相当し、ステップS150(図7の処理)が「ヒータ通電制御手段」に相当する。
次に、ヒータ通電制御の詳細を図7のフローチャートに基づいて説明する。
図7において、先ずステップS201では、昇温時ヒータ制御の実施条件を判定する。具体的には、モニタセルアドミタンスMAdmが所定のしきい値以上であるか否か、或いはエンジン始動時からの経過時間が所定時間前であるか否かを判別する。例えば、エンジン始動直後でありガス濃度センサ100の素子温が未だ低い場合には、モニタセルアドミタンスMAdmがしきい値未満となりステップS201がYESとなる。この場合、ステップS202に進んで昇温時ヒータ制御を実施し、その後元の図6のルーチンに戻る。ステップS202では基本的に、デューティ比100%の全通電制御が実施される。
素子温が上昇するとステップS201がNOとなり、それ以後PI制御によるヒータフィードバック制御に移行する。ステップS203では、その時のモニタセルアドミタンスMAdmの検出値と目標値との偏差ΔAdmを算出し(ΔAdm=|MAdm検出値−MAdm目標値|)、続くステップS204では、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmが所定のしきい値K1未満であるか否かを判別する。この場合、ステップS204の判別結果に応じてP項、I項ゲインが大小異なる値に設定変更されるようになっており、モニタセルアドミタンスMAdmの検出値が目標値付近にあれば、素子温の制御精度が優先されてP項、I項ゲインが定常値(小さい値)とされ、モニタセルアドミタンスMAdmの検出値が目標値から離れていれば、素子温の収束性を優先してP項、I項ゲインが大きい値とされる。
すなわち、ΔAdm<K1であればステップS205に進み、比較的小さいP項、I項ゲイン(定常値)を用いてPI制御を実施する。また、ΔAdm≧K1であればステップS206に進み、比較的大きいP項、I項ゲインを用いてPI制御を実施する。特にステップS206では、P項、I項ゲインを規定の値に変更すればよいが、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmに応じて可変設定することも可能である。具体的には、図8の関係を用い、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmが大きいほど、P項、I項ゲインを大きい値とする。図8中、ΔAdm<aではP項、I項ゲインが定常値とされ、ΔAdm≧aでP項、I項ゲインが徐々に増大する。
上記ヒータ通電制御によるP項、I項ゲインの設定変更を図9のタイムチャートを参照しながらより具体的に説明する。図9では、排ガスの温度変化や流量変化といった外乱により素子温が上昇(すなわちモニタセルアドミタンスMAdmが増加)する事例を示している。なおここでは、説明の便宜上、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmがしきい値K1よりも大きいか否かで、大小2段のゲイン値を切り替える事例で説明する。
前記図7の説明では省略したが、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmを判定するためのしきい値K1にはヒステリシスが設けられており、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から離れていく場合と目標値に近づく場合とでK1値が変更されるようになっている。つまり、図9に示すように、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から離れる場合、しきい値K1a(例えば目標値の±0.8%)が用いられ、目標値に近づく場合、しきい値K1b(例えば目標値の±0.4%)が用いられる。
さて、図9では、タイミングt11でモニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmがしきい値K1aを越えると、P項、I項ゲインが定常値から大きい値に切り替えられる。その後、タイミングt12で、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値に対して収束し偏差ΔAdmがしきい値K1bよりも小さくなると、P項、I項ゲインが元の定常値に戻される。つまり、図のt11〜t12の期間において大ゲインによるPI制御が実施される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
目標値を基準とする素子温変化(モニタセルアドミタンスMAdmの変化)の状況に応じてヒータ通電制御に用いるP項、I項ゲインを大小可変に設定するようにしたため、外乱が加わってもセンサ素子の温度状態を高精度に制御し、ひいてはNOx濃度の検出精度を向上させることができる。
モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmに応じて該偏差ΔAdmが所定のしきい値K1より大きければP項、I項ゲインを大きくし、更に該偏差ΔAdmが大きくなるほどP項、I項ゲインを連続的に大きくしたので、センサ素子の温度状態が目標値から大きく離れても比較的早いタイミングで目標値への復帰を果たすことができる。またその際、急激な挙動の変化を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値を含む目標値近傍領域にあればヒータ通電制御のP項、I項ゲインを定常値とすると共に、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値近傍領域外にあれば、又は同MAdmが目標値近傍領域外になると予測されるような変化率で変化していればP項、I項ゲインを定常値よりも大きくする。
図10は、本実施の形態におけるヒータ通電制御処理を示すフローチャートであり、本処理は前記図7に置き換えて実施される。
図10において、先ずステップS301,S302では、昇温時ヒータ制御の実施条件が成立するエンジン始動直後等において昇温時ヒータ制御を実施する(前記図7のステップS201,S202と同様)。そして、素子温の上昇に伴い、ステップS303以後のPI制御によるヒータフィードバック制御に移行する。ステップS303では、その時のモニタセルアドミタンスMAdmの検出値と目標値との偏差ΔAdmを算出すると共に(ΔAdm=|MAdm検出値−MAdm目標値|)、モニタセルアドミタンスMAdmの変化率XAdmを算出する。特に変化率XAdmの算出について説明すれば、次のなまし演算式(1)により変化率XAdmを算出する。(1)式中、添え字i,i−1は今回値、前回値であり、nはなまし係数である。
XAdmi=XAdmi−1*(n−1)/n+MAdm*1/n …(1)
その後、ステップS304では、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmが所定のしきい値K1未満であるか否かを判別する。そして、ΔAdm≧K1であれば、ステップS305に進み、比較的大きいP項、I項ゲインを用いてPI制御を実施する(前記図7のステップS206と同様)。
また、ΔAdm<K1であればステップS306に進み、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から離れていく状況にあるか否かを判別する。モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から離れていく場合、ステップS307に進み、モニタセルアドミタンスの変化率XAdmが所定のしきい値K2よりも大きいか否かを判別する。この場合、前記ステップS304でΔAdm<K1が満たされた状態であっても、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から離れるように変化しており且つ変化率XAdm=大であれば(ステップS306,S307が共にYES)、ステップS305で比較的大きいP項、I項ゲインを用いてPI制御を実施する。但しこの場合、前記図8の関係を用いたのではゲインの切替が行えないため、これに代えて別にゲインの切替を行うようにしている。具体的には、P項、I項ゲインを定常値より大きな規定の値に変更する。或いは、P項、I項ゲインを変化率XAdmに応じて可変設定する。XAdm≦K2であればステップS310に進み、比較的小さいP項、I項ゲイン(定常値)を用いてPI制御を実施する(前記図7のステップS205と同様)。
一方、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値に対して近づいていく場合、ステップS308に進み、今現在P項、I項ゲインを大きくした状態でPI制御を実施しているか否かを判別する。P項、I項ゲインが大きいことは、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmが一旦はしきい値K1以上となり、ステップS305による大ゲインのPI制御が実施されている状態であることを示す。ステップS308がYESであれば、ステップS309でモニタセルアドミタンスの変化率XAdmが所定のしきい値K3未満であるか否かを判別する。この場合、前記ステップS304でΔAdm<K1が満たされた状態であっても、P項、I項ゲインが大きい状態でモニタセルアドミタンスMAdmが目標値に近づいており、更に変化率XAdm=小であれば(ステップS306がNO,ステップS308,S309が共にYES)、ステップS305で比較的大きいP項、I項ゲインを用いてPI制御を実施する。ステップS308,S309がNOであればステップS310に進み、比較的小さいP項、I項ゲイン(定常値)を用いてPI制御を実施する。
上記図10のヒータ通電制御によるP項、I項ゲインの設定変更を図11,図12のタイムチャートを参照しながらより具体的に説明する。図11,図12では、第1の実施の形態で説明した図9と同様、排ガスの温度変化や流量変化といった外乱により素子温が上昇(すなわちモニタセルアドミタンスMAdmが増加)し、大小2段のゲイン値を切り替える事例で説明する。また、図11,図12では、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmを判定するためのしきい値K1はヒステリシスを持たず、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から離れていく場合と目標値に近づく場合とで同じK1値としている(但し、前記図9同様、ヒステリシスを持つ構成でも可)。
さて、図11において、タイミングt21では偏差ΔAdm<K1であるが、モニタセルアドミタンスMAdm(検出値)が目標値から離れていく際の変化率XAdmが比較的大きいことから、P項、I項ゲインが定常値から大きい値に切り替えられる(図示は省略するが、XAdm>K2である)。図中、変化率XAdmはMAdm値の傾きである。これにより、大ゲインによるPI制御が開始される。つまりこの場合、モニタセルアドミタンスの変化率XAdmが大きければ、その後モニタセルアドミタンスMAdmが目標値から大きく離れる可能性がある。そこで、かかる場合にP項、I項ゲインを大きくする。その後、変化率XAdmは小さくなるが、偏差ΔAdm≧K1となることから大ゲインによるPI制御が継続される。
タイミングt22では、偏差ΔAdmがしきい値K1未満となる。このとき、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値に対して近づく際の変化率XAdmがしきい値K3よりも小さければ、そのまま大ゲインによるPI制御が継続されるが、変化率XAdmがしきい値K3以上であれば、図示の如く定常値のゲインによるPI制御に戻される。つまり、変化率XAdmが大きければその後モニタセルアドミタンスMAdmが目標値に達するまでにさほど時間を要しないと考えられる。そこで、かかる場合にP項、I項ゲインを定常値に戻すことでそれ以降の制御性が向上する。図11ではt21〜t22の期間において大ゲインによるPI制御が実施される。
また、図12において、タイミングt31では偏差ΔAdm<K1であるが、モニタセルアドミタンスMAdm(検出値)が目標値から離れていく際の変化率XAdmが比較的大きいことから、P項、I項ゲインが定常値から大きい値に切り替えられる(図示は省略するが、XAdm>K2である)。これにより、大ゲインによるPI制御が開始される。その後、偏差ΔAdmがしきい値K1に達することのないまま変化率XAdmが小さくなると、モニタセルアドミタンスMAdmが目標値に対して近づき始めるタイミングt32で、定常値のゲインによるPI制御に戻される。つまり、図12ではt31〜t32の期間において大ゲインによるPI制御が実施される。
以上第2の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様に、外乱が加わってもセンサ素子の温度状態を高精度に制御し、ひいてはNOx濃度の検出精度を向上させることができる。
目標値から離れる時のモニタセルアドミタンスの変化率XAdmによりゲインの切替を行うため、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmがしきい値K1に達するのを待たなくても大ゲインのPI制御が開始できる。そのため、より一層制御性が向上する。
なお、本発明は上記各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
モニタアドミタンスの偏差ΔAdmがしきい値以上となること、又は同変化率XAdmがしきい値以上となることに伴いP項、I項ゲインを大きくした後、所定時間が経過したことを条件に当該ゲインを定常値に戻すようにしても良い。この場合、前記所定時間は固定値でも良いし、変化率XAdm等によりその都度設定しても良い。
エンジンの運転状態に応じて排ガスの温度や流量が変化し、センサ素子の温度制御においてはこれが外乱となる。かかる場合、エンジンの運転状態に応じて素子温度の変化がある程度予測できるため、温度変化の予測結果に応じてP項、I項ゲインを大小可変に設定する。具体的には、エンジン負荷(例えば吸気管負圧やアクセル開度)に応じて素子温の変化(モニタセルアドミタンスMAdmの変化)を予測し、その予測結果をゲイン切替に反映させるようにすると良い。
ヒータ通電制御として、通常実施するPI制御をPID制御に適宜切り替える構成とする。具体的には、図13のフローチャートに示すように、ステップS401では、モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmが所定のしきい値K4未満であるか否かを判別し、ΔAdm<K4であればステップS402に進み、通常通りにPI制御を実施する。また、ΔAdm≧K4であればステップS403に進み、PI制御+I制御を実施する。なお図13の処理は、前記図7、図10の処理と組み合わせて実施されても良い。これにより、センサ素子の温度変化を妨げるようにヒータの通電が制御され、センサ素子の温度状態の変動が抑制できる。
ガス濃度センサとして、3つのセルを有するセンサ構造以外に、4つ以上のセルを有するセンサ構造を採用しても良く、このセンサを用いる場合にも既述の優れた効果を奏することができる。具体的には、ポンプセルを2つ以上に分割して設ける構造等であっても良い。NOx濃度を検出可能なガス濃度センサの他に、特定成分のガス濃度としてHC濃度やCO濃度を検出可能なガス濃度センサにも適用できる。この場合、ポンプセルにて被検出ガス中の酸素を排出し、センサセルにて酸素排出後のガス成分からHCやCOを分解してHC濃度やCO濃度を検出する。更に、自動車用以外のガス濃度検出装置に用いること、排ガス以外のガスを被検出ガスとすることも可能である。かかる構成においても、本発明を適用することによりガス濃度の検出精度が向上する。
排ガス中の酸素濃度を検出する空燃比センサ(A/Fセンサ)にも適用でき、そのセンサ構造は1セル構造、2セル構造のものなどが適用できる。また、積層型構造のA/Fセンサに限らず、コップ型構造のA/Fセンサに本発明を適用することも可能である。
発明の実施の形態におけるガス濃度検出装置の概略を示す構成図である。 モニタセル及びセンサセルの電極配置を示す平断面図である。 センサ素子の概略図である。 ヒータ通電量の変化に伴うヒータ抵抗値、モニタセルアドミタンスの変化を示すタイムチャートである。 ゲインの違いによるNOx濃度変動等を示す図である。 センサECUによるメインルーチンを示すフローチャートである。 ヒータ通電制御処理を示すフローチャートである。 モニタセルアドミタンスの偏差ΔAdmとP項、I項ゲインとの関係を示す図である。 P項、I項ゲインの設定変更を具体的に示すタイムチャートである。 ヒータ通電制御処理を示すフローチャートである。 P項、I項ゲインの設定変更を具体的に示すタイムチャートである。 P項、I項ゲインの設定変更を具体的に示すタイムチャートである。 ヒータ通電制御処理の一部を示すフローチャートである。
符号の説明
10…センサECU、
11…マイコン、
100…ガス濃度センサ、
110…ポンプセル、
120…モニタセル、
130…センサセル、
141,142…固体電解質、
144…第1チャンバ、
146…第2チャンバ、
152…ヒータ。

Claims (14)

  1. 固体電解質体を用いたセンサ素子及び該センサ素子を活性状態に加熱するためのヒータを有するガス濃度センサと、
    前記センサ素子の温度状態を検出する温度状態検出手段と、
    該温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいてフィードバック項を算出し、そのフィードバック項を用いて前記ヒータの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、
    前記ヒータ通電制御手段は、前記目標値を基準とする前記温度状態の変化の状況に応じて前記フィードバック項のゲインを大小可変に設定することを特徴とするガス濃度センサのヒータ制御装置。
  2. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が所定のしきい値より大きければ前記フィードバック項のゲインを大きくする請求項1記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  3. 前記温度状態の検出値が目標値から離れる場合にフィードバック項のゲインを切り替えるためのしきい値と、同検出値が目標値に近づく場合にフィードバック項のゲインを切り替えるためのしきい値とを各々設定し、前者の方を大きい値とした請求項2記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  4. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が大きくなるほど、前記フィードバック項のゲインを連続的に大きくする請求項1乃至3の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  5. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値が前記目標値から離れる際その変化率が所定のしきい値よりも大きければ前記フィードバック項のゲインを大きくする請求項1乃至4の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  6. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値が前記目標値に近づく際その変化率が所定のしきい値よりも小さければ前記フィードバック項のゲインを大きくする請求項1乃至5の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  7. 内燃機関の排気系に設けられ、該内燃機関から排出される排ガスを被検出ガスとするガス濃度センサに適用され、内燃機関の運転状態に基づいて前記センサ素子の温度状態の変化を予測する手段を備え、前記ヒータ通電制御手段は、温度変化の予測結果に応じて前記フィードバック項のゲインを大小可変に設定する請求項1乃至6の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  8. 固体電解質体を用いたセンサ素子及び該センサ素子を活性状態に加熱するためのヒータを有するガス濃度センサと、
    前記センサ素子の温度状態を検出する温度状態検出手段と、
    該温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいてフィードバック項を算出し、そのフィードバック項を用いて前記ヒータの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、
    前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値が前記目標値を含む目標値近傍領域にあれば前記フィードバック項のゲインを定常値とし、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域外にあれば、又は同検出値が目標値近傍領域外になると予測されるような変化率で変化していれば前記フィードバック項のゲインを前記定常値よりも大きくすることを特徴とするガス濃度センサのヒータ制御装置。
  9. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域から離れるほど、前記フィードバック項のゲインを連続的に大きくする請求項8記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  10. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値が目標値近傍領域外となった後に目標値近傍領域内に戻る際、当該検出値の変化率が所定のしきい値よりも大きければ前記フィードバック項のゲインを前記定常値に戻す請求項8又は9記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  11. 前記フィードバック項は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいて算出される比例項、積分項の少なくとも何れかである請求項1乃至10の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  12. 前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が所定のしきい値よりも大きければ、前記比例項、積分項の少なくとも何れかに加え、微分項を用いて前記ヒータの通電を制御する請求項11記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  13. 固体電解質体を用いたセンサ素子及び該センサ素子を活性状態に加熱するためのヒータを有するガス濃度センサと、
    前記センサ素子の温度状態を検出する温度状態検出手段と、
    該温度状態の検出値と目標値との偏差に基づいて比例項、積分項の少なくとも何れかを算出し、その比例項、積分項の少なくとも何れかを用いて前記ヒータの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、
    前記ヒータ通電制御手段は、前記温度状態の検出値と目標値との偏差が所定のしきい値よりも大きければ、前記比例項、積分項の少なくとも何れかに加え、微分項を用いて前記ヒータの通電を制御することを特徴とするガス濃度センサのヒータ制御装置。
  14. 前記ガス濃度センサのセンサ素子は、各々に固体電解質体と該固体電解質体に配置された一対の電極とよりなる第1セル及び第2セルを有し、これら各セルに所定電圧を印加した状態で、第1セルでガス室に導入した被検出ガス中の酸素量を所定の低濃度レベルに調整すると共に、第2セルで第1セルでの酸素量調整後のガスから特定成分のガス濃度を検出するものである請求項1乃至13の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
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