JP4598979B2 - アップコンバータ、ケーブルモデム、及び、棟内catvシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部の双方向CATVシステムからの引込線を建造物内に引き込み、建造物内の伝送線を介して、建造物内の加入者側の複数の端末端子と双方向CATVシステムの伝送線とを接続する棟内CATVシステムにおいて、加入者側装置から出力された上り信号若しくは送信用データを引込線まで伝送するのに使用されるアップコンバータ及びケーブルモデム、並びに、これらを用いた棟内CATVシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外部の双方向CATVシステムからの引込線を建造物内に引き込み、建造物内の伝送線を介して、建造物内の加入者側の複数の端末端子と双方向CATVシステムの伝送線とを接続する棟内CATVシステムにおいては、建造物内の各部で発生した雑音が加入者側の端末端子等を介して伝送線に重畳され、この雑音の内、上り信号と同じ周波数成分のものは、流合雑音として、上り信号と一緒に外部の双方向CATVシステムに出力されてしまうことがあった。
【0003】
そこで、近年では、外部の双方向CATVシステムへ流出する流合雑音を低減するため、ケーブルモデム等の加入者側端末装置にて生成された上り信号(双方向CATVシステムで伝送可能な周波数帯(例えば10MHz〜55MHz)の信号)を、アップコンバータにて、元の周波数よりも高く、しかも、下り信号の伝送周波数(例えば70MHz〜770MHz)と重複することのない、UHF帯(例えば821MHz〜866MHz)の上り信号(以下、棟内上り信号という)に周波数変換して、引込線まで伝送し、棟内の伝送線から引込線へ上り信号を出力する直前で、棟内上り信号を、ダウンコンバータを用いて、元の周波数(換言すれば、双方向CATVシステムでの上り信号の伝送周波数)に変換することが考えられている(例えば、特開平11−355738号公報、特開2000−253371号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記棟内CATVシステムを実際に構築した場合、アップコンバータの数が多い大規模な棟内CATVシステムでは、ダウンコンバータ側で元の上り信号を正確に復元できなくなることがあった。
【0005】
即ち、まず、10MHz〜55MHzの上り信号を、アップコンバータにて、821MHz〜866MHzの棟内上り信号に周波数変換するようにした場合、ダウンコンバータにて、棟内上り信号を元の周波数帯(10MHz〜55MHz)の上り信号に周波数変換するには、アップコンバータ及びダウンコンバータにて各信号を周波数変換するのに用いる高周波信号の周波数を、811MHz若しくは876MHzに設定すればよい。また、この場合、上り信号は下り信号よりも周波数が低く、棟内上り信号は下り信号よりも周波数が高いことから、周波数変換用の高周波信号の周波数としては、下り信号に影響を与えることのないように、下り信号や棟内上り信号よりも更に高い周波数(876MHz)に設定するのが一般的である。
【0006】
ところが、このように周波数が設定される周波数変換用の高周波信号は、棟内上り信号の周波数に近くなることから、周波数変換後の棟内上り信号を棟内CATVシステムの伝送線上に送出する際に、フィルタ等を用いて完全に除去することができず、アップコンバータから棟内CATVシステムの伝送線上に漏れ出してしまう。
【0007】
そして、棟内CATVシステムにおいては、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置との間で双方向通信を行う加入者側端末毎にアップコンバータが設置されることから、加入者側端末の数が多くなるほど(換言すれば、棟内CATVシステムの規模が大きくなるほど)、アップコンバータから伝送線上に漏れ出す高周波信号の数が多くなる。
【0008】
一方、各加入者側端末は、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置との間で時分割でデータ通信を行うことから、棟内CATVシステムにおいて、複数のアップコンバータが同時に棟内上り信号を出力することはない。
この結果、各アップコンバータから漏れ出した高周波信号は、伝送線上で合成されてダウンコンバータに入力され、その入力レベルは、棟内CATVシステムの規模が大きい程高くなり、場合によっては、棟内上り信号の入力レベルよりも高くなってしまう。
【0009】
また、このように伝送線を介してダウンコンバータに入力される高周波信号は、各アップコンバータから漏れ出した高周波信号が伝送線上で合成される際の位相差や、各アップコンバータ毎の高周波信号の周波数の微少なずれ等によって、正規の周波数(876MHz)を中心として、上下の周波数方向に広がりを持つ雑音信号(以下、位相雑音という)となる。
【0010】
そして、上記のように、アップコンバータ側で周波数変換に用いられる高周波信号が伝送線上に漏れ出し、その合成信号が位相雑音となって、本来伝送すべき棟内上り信号と一緒にダウンコンバータに入力されると、ダウンコンバータ内では、位相雑音と棟内上り信号とが周波数変換用の回路(一般にミキサ)に入力され、ダウンコンバータ内で生成された高周波信号と合成される。
【0011】
従って、ダウンコンバータにおいて、棟内上り信号は、ダウンコンバータ内で生成された高周波信号にて元の上り信号に周波数変換されるものの、端末側から一緒に伝送されてきた位相雑音とも合成されることから、周波数変換後の上り信号には、その上下の周波数方向に広がりを持つ位相雑音が付与され、特に、規模の大きいCATVシステムでは、上り信号が周囲の位相雑音に埋もれてしまうことがあるのである。
【0012】
尚、こうした問題を解決するには、各アップコンバータ側で発生する高周波信号の位相を調整したり、或いは、各アップコンバータから高周波信号の合流点までの伝送線の線路長を調整することにより、各アップコンバータから漏れ出した高周波信号が伝送線上で互いに打ち消し合うようにしてもよいが、実際にこのような対策を施すことは困難である。
【0013】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、端末側で上り信号を周波数変換することにより、端末からダウンコンバータまでの伝送線上に下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号を流す棟内CATVシステムにおいて、端末側から伝送線上に周波数変換用の高周波信号が漏れ出し、ダウンコンバータで上り信号を復元できなくなるのを防止することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載のアップコンバータにおいては、前述した従来のアップコンバータと同様、伝送線を介して端末端子まで伝送されてきた下り信号を、下り信号経路を介して端末装置側に出力し、端末装置から入力された上り信号については、周波数変換手段にて、高周波信号発生手段が発生した高周波信号を用いて、棟内上り信号に周波数変換する。
【0015】
また、本発明のアップコンバータには、端末装置から上り信号が入力されているか否かを判定する判定手段が設けられ、この判定手段にて上り信号が入力されていると判定されると、出力経路断続手段が、周波数変換手段から端末端子への棟内上り信号の出力経路を形成し、判定手段にて上り信号が入力されていないと判定されると、出力経路断続手段が、周波数変換手段から端末端子への棟内上り信号の出力経路を遮断する。
【0016】
このため、本発明のアップコンバータによれば、端末装置から上り信号が入力されておらず、これを棟内上り信号に周波数変換する必要のないときに、高周波信号発生手段が発生した周波数変換用の高周波信号が、棟内上り信号の出力経路を介して端末端子(延いては建造物内の伝送線)へと送出されるのを防止できる。
【0017】
従って、本発明のアップコンバータを用いて棟内CATVシステムを構築すれば、棟内CATVシステムの各端末端子に接続される多数のアップコンバータの内、端末装置から実際に上り信号が入力されて、これを棟内上り信号に周波数変換する必要のある特定のアップコンバータだけで、棟内上り信号の出力経路が形成され、他のアップコンバータでは、その出力経路が遮断されることになり、各アップコンバータから漏出した高周波信号の合成信号がダウンコンバータに入力されるのを防止できる。
【0018】
よって、本発明のアップコンバータによれば、ダウンコンバータに対して、棟内上り信号から元の上り信号を正確に復元させ、上り信号の品質を低下させることなく、外部の双方向CATVシステムに送出させることが可能となる。
ところで、本発明のアップコンバータにおいて、高周波信号発生手段が発生する周波数変換用の高周波信号は、ダウンコンバータ側で周波数変換に用いられる高周波信号と一致させることが望ましい。
【0019】
そして、本発明が適用される従来の棟内CATVシステムにおいては、ダウンコンバータ側で周波数変換用の高周波信号を生成するのに用いられた基準信号(CATVシステムにおいて増幅装置のレベル調整等のために伝送されるパイロット信号若しくはダウンコンバータに内蔵した発振器にて生成した基準信号)を、下り信号の一つとして端末側に伝送し、端末のアップコンバータ側で、この基準信号を用いて周波数変換用の高周波信号を生成することが考えられている(上記各公報参照)。
【0020】
そこで、本発明のアップコンバータを、このような棟内CATVシステムにおいて利用できるようにするには、請求項2に記載のように、高周波信号発生手段が、ダウンコンバータ側から伝送されてきた基準信号を取り込み、この基準信号を分周又は逓倍することにより、高周波信号を生成するように構成するとよい。
【0021】
つまり、アップコンバータをこのように構成すれば、上記棟内CATVシステムにおいて、ダウンコンバータとアップコンバータとが周波数変換に用いる高周波信号の周波数を一致させることができ、ダウンコンバータ側で、アップコンバータが周波数変換する前の元の上り信号を精度よく復元できることになる。
【0022】
次に、請求項3に記載のケーブルモデムにおいては、復調手段が、伝送線を介して端末端子まで伝送されてきた下り信号を復調することにより受信データを生成し、この受信データを加入者側の情報処理装置に出力すると共に、変調手段が、加入者側の情報処理装置から入力された送信データにて搬送波を変調することにより、上り信号を生成する。そして、変調手段にて生成された上り信号は、周波数変換手段において、高周波信号発生手段が発生した高周波信号を用いて棟内上り信号に周波数変換される。
【0023】
また、本発明のケーブルモデムには、出力経路遮断手段が設けられており、この出力経路遮断手段は、変調手段が動作していれば、周波数変換手段から端末端子への棟内上り信号の出力経路を形成し、変調手段が動作していなければ、その出力経路を遮断する。
【0024】
即ち、本発明のケーブルモデムは、復調手段と変調手段とを備えた一般的なCATV用のケーブルモデムに、請求項1に記載のアップコンバータとしての機能(高周波信号発生手段、周波数変換手段、及び出力経路断続手段)を付加したものである。
【0025】
このため、本発明のケーブルモデムによれば、加入者側の情報処理装置から送信データが入力されておらず、変調手段が送信データの変調動作を行っていないとき(換言すれば、周波数変換手段にて上り信号を棟内上り信号に周波数変換する必要がないとき)に、高周波信号発生手段が発生した周波数変換用の高周波信号が、棟内上り信号の出力経路を介して端末端子(延いては建造物内の伝送線)へと送出されるのを防止できる。
【0026】
よって、本発明のケーブルモデムを用いて棟内CATVシステムを構築すれば、棟内CATVシステムの各端末端子に接続される多数のケーブルモデムの内、加入者側の情報処理装置から実際に送信データが入力されて、これを棟内上り信号に変換して端末端子から伝送線上に送出する必要のある特定のケーブルモデムだけで、棟内上り信号の出力経路が形成され、他のケーブルモデムでは、その出力経路が遮断されることになり、各ケーブルモデルから漏出した高周波信号の合成信号がダウンコンバータに入力されるのを防止できる。
【0027】
従って、本発明のケーブルモデムによれば、請求項1記載のアップコンバータと同様、ダウンコンバータに対して、棟内上り信号から元の上り信号(この場合変調手段が生成した上り信号)を正確に復元させ、上り信号の品質を低下させることなく、外部の双方向CATVシステムに送出させることが可能となる。
【0028】
また、本発明のケーブルモデムを用いれば、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置と加入者側の情報処理装置との間のデータ通信を可能とする棟内CATVシステムを構築するに当たって、端末端子と加入者側の情報処理装置との間に、従来より使用されている一般的なケーブルモデムと、請求項1に記載のアップコンバータとの2つの機器を加入者側に設置する必要がないため、加入者側での機器の取り扱いが容易になり、しかも、加入者宅にケーブルモデムを設置する際に2つの機器を調整する必要がないため、その調整作業を簡単にすることができる。
【0029】
次に、請求項4記載のケーブルモデムは、請求項2に記載のアップコンバータと同様の機能を、請求項3に記載のケーブルモデムに付加したものであり、高周波信号発生手段が、ダウンコンバータ側から伝送されてきた基準信号を取り込み、この基準信号を分周又は逓倍することにより、高周波信号を生成する。
【0030】
従って、上記のように基準信号を端末側に伝送するようにした棟内CATVシステムにおいて、請求項4に記載のケーブルモデムを使用するようにすれば、ダウンコンバータとケーブルモデムとが周波数変換に用いる高周波信号の周波数を一致させることができ、ダウンコンバータ側で、ケーブルモデムが周波数変換する前の元の上り信号(換言すれば変調手段が生成した上り信号)を精度よく復元できることになる。
【0031】
一方、請求項5記載の棟内CATVシステムは、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置から伝送されてきた下り信号を、建造物内の伝送線を介して複数の端末端子まで伝送すると共に、各端末端子より入力された前記下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号を、建造物内若しくは前記双方向CATVシステムの伝送線上に配置されたダウンコンバータまで伝送し、該ダウンコンバータにより、前記棟内上り信号を、前記下り信号よりも周波数が低い上り信号に周波数変換させるように構成された棟内CATVシステムにおいて、各端末端子と加入者側装置との間に、夫々、請求項1又は請求項2に記載のアップコンバータ、若しくは、請求項3又は請求項4に記載のケーブルモデルを備えたことを特徴とする。
【0032】
即ち、加入者側装置が、一般的なケーブルモデムのように上り信号を出力する端末装置であれば、その端末装置と端末端子との間に、請求項1又は請求項2記載のアップコンバータを設けることで、ダウンコンバータまで棟内上り信号を伝送することができ、加入者側装置がパーソナルコンピュータのように送信データを出力する情報処理装置であれば、その情報処理装置と端末端子との間に、請求項3又は請求項4記載のケーブルモデムを設けることで、ダウンコンバータまで棟内上り信号を伝送することができる。
【0033】
そこで、請求項5に記載の棟内CATVシステムでは、利用者側端末と端末端子との間に、夫々、請求項1又は請求項2に記載のアップコンバータ、若しくは、請求項3又は請求項4に記載のケーブルモデルを設けることで、各端末端子からダウンコンバータに至る伝送線上に、周囲の雑音の影響を受けることのない棟内上り信号を伝送できるようにし、しかも、本発明のアップコンバータ若しくはケーブルモデムの機能によって、これら各部から周波数変換用の高周波信号が伝送線上に漏れ出すのを防止し、ダウンコンバータ側で、その漏れ出した高周波信号の影響を受けることなく、棟内上り信号から外部の双方向CATVシステムの伝送線上に送出すべき上り信号を復元できるようにしているのである。
【0034】
よって、本発明の棟内CATVシステムによれば、ダウンコンバータから、外部の双方向CATVシステムの伝送線上に、アップコンバータやケーブルモデムから漏れ出した周波数変換用高周波信号の合成信号による雑音成分(位相雑音)が、上り信号と同じ周波数帯の流合雑音として出力されるのを防止し、CATVシステム全体の上り信号の伝送品質を向上することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例の棟内CATVシステム全体の構成を表す構成図である。
【0036】
図1に示す如く、本実施例の棟内CATVシステムは、外部の双方向CATVシステムの伝送線(CATV伝送線)2から分岐装置4を介して分岐された引込線6を、保安器8を介して、マンション,アパート等の建造物内に引き込み、その建造物内に配線された同軸ケーブルからなる伝送線L、及び、この伝送線Lに設けられた双方向増幅器12,分岐器14,分配器16等を介して、引込線6から入力された双方向CATVシステムの下り信号(周波数:70MHz〜770MHz)を、建造物内の各加入者宅に設置された直列ユニット等からなる複数の端末端子18まで伝送すると共に、各種加入者側端末から後述のケーブルモデム(アップコンバータ内蔵型)20若しくはアップコンバータ24を介して端末端子18に入力された棟内上り信号を、引込線6まで伝送するものである。
【0037】
そして、本実施例の棟内CATVシステムでは、加入者側で外部の双方向CATVシステムが提供するインターネットサービスを利用する際には、パーソナルコンピュータ等からなる情報処理装置26が、アップコンバータ内蔵型のケーブルモデム20を介して、加入者側の端末端子18に接続されるか、或いは、情報処理装置26が、一般的なケーブルモデム22と、アップコンバータ24とを介して、加入者側の端末端子18に接続される。また、加入者が、システム専用の端末装置(STB:セットトップボックス)28を利用して、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置に対して有料番組の視聴予約等を行う際には、その端末装置と加入者側の端末端子18との間に、アップコンバータ24が設置される。
【0038】
この結果、情報処理装置26から出力されたデータ通信用の送信データは、ケーブルモデム20において、一旦、外部の双方向CATVシステムで伝送可能な所定周波数帯(本実施例では、12MHz〜55MHz)の上り信号に変換された後、ケーブルモデム20のアップコンバータとしての機能によって、更に、所定周波数帯(本実施例では、821MHz〜864MHz)の棟内上り信号に周波数変換されて、端末端子18に入力されるか、或いは、ケーブルモデム22において所定周波数帯(12MHz〜55MHz)の上り信号に変換され、更に、アップコンバータ24において、所定周波数帯(821MHz〜864MHz)の棟内上り信号に周波数変換されて、端末端子18に入力される。また、システム専用のSTB28から出力された所定周波数帯(12MHz〜55MHz)の上り信号は、アップコンバータ24にて、所定周波数帯(821MHz〜864MHz)の棟内上り信号に周波数変換されて、端末端子18に入力される。尚、図1において、符号29は、STB28に接続されたテレビ受信機を表す。
【0039】
このように、本実施例の棟内CATVシステムにおいては、加入者側端末から端末端子18に入力される上り方向の伝送信号は、全て、下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号であることから、棟内CATVシステムの伝送線Lと、外部の双方向CATVシステムからの引込線6との接続部分には、各端末端子18から伝送線Lを介して伝送されてきた棟内上り信号(周波数:821MHz〜864MHz)を、外部の双方向CATVシステムで伝送可能な上り信号(周波数:12MHz〜55MHz)に周波数変換するためのダウンコンバータ10が設けられている。
【0040】
また、本実施例の棟内CATVシステムにおいては、アップコンバータ内蔵型のケーブルモデム20やアップコンバータ24が周波数変換に用いる高周波信号と、ダウンコンバータ10が周波数変換に用いる高周波信号との周波数を一致させるために、これら各部10,20,24を、基準信号を用いて周波数変換用の高周波信号を生成するように構成し、しかも、その基準信号をダウンコンバータ10から端末側へと伝送することで、ケーブルモデム20やアップコンバータ24がダウンコンバータ10と同じ基準信号を用いて、周波数変換用の高周波信号を生成できるようにしている。
【0041】
そして、本実施例では、その基準信号の伝送線Lでの伝送損失を少なくするために、基準信号の周波数を10MHz帯(詳しくは10MHz〜12MHz内の任意の周波数)に設定し、これを、下り信号の一つとして端末側に伝送するために、ダウンコンバータ10よりも下流の伝送線L上に配置される伝送機器(双方向増幅器12,分岐器14,分配器16等)での下り信号の信号通過帯域を、10MHz〜770MHzに設定している。
【0042】
尚、ダウンコンバータ10よりも下流の伝送線L上に配置される伝送機器(双方向増幅器12,分岐器14,分配器16等)での上り信号の信号通過帯域は、当然のことながら、棟内上り信号の周波数(821MHz〜864MHz)に対応して設定されている。
【0043】
次に、本実施例の棟内CATVシステムで用いられるダウンコンバータ10、アップコンバータ内蔵型のケーブルモデム20、及び、アップコンバータ24の構成を説明する。
[ダウンコンバータ]
図2に示すように、ダウンコンバータ10には、外部の双方向CATVシステムからの引込線6を接続するための外部接続端子T1と、建造物内の伝送線Lを接続するための内部接続端子T2とが備えられている。そして、外部接続端子T1に入力された下り信号は、ハイパスフィルタ(以下、HPFと記載する)31を介して、ダウンコンバータ10内に取り込まれ、ローパスフィルタ(以下、LPFと記載する)32、HPF33、及び、内部接続端子T2を介して、端末側の伝送線L上に送出される。
【0044】
また、内部接続端子T2に入力される端末側からの棟内上り信号は、HPF33を介して、ダウンコンバータ10内に取り込まれ、更に、HPF34を介して、周波数変換部35に入力される。周波数変換部35は、棟内上り信号と、逓倍部37にて生成された周波数変換用の高周波信号(本実施例では、周波数:876MHz)とを混合することにより、棟内上り信号(周波数:821MHz〜864MHz)を、上り信号(周波数:12MHz〜55MHz)に周波数変換するためのものである。そして、周波数変換部35で周波数変換された上り信号は、LPF36、及び、外部接続端子T1を介して、引込線6(延いては外部の双方向CATVシステムの伝送線2)へと送出される。
【0045】
また、ダウンコンバータ10には、上述した基準信号(周波数10MHz帯)を発生する発振器30が内蔵されており、この発振器30からの基準信号は、上記逓倍部37に入力されて、876MHzの高周波信号に変換されると共に、バンドパスフィルタ(以下、BPFと記載する)38、LPF39、及び、内部接続端子T2を介して、端末側の伝送線L上に送出される。
【0046】
尚、逓倍部37は、内部に周波数可変型の発振器(例えばVCO)を備え、この発振器からの出力(若しくはこの出力を分周・逓倍した信号)と、基準信号を分周・逓倍した信号との位相が一致するように、発振器の発振周波数を制御することにより、周波数変換用の高周波信号を生成するものであり、周知のPLL回路から構成されている。
【0047】
また、ダウンコンバータ10に設けられた上記各フィルタの目的及びそのカットオフ周波数は、夫々、下記の通りである。
即ち、HPF31は、下り信号を通過させ、上り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば70MHzに設定されている。また、LPF32は、下り信号を通過させ、棟内上り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば770MHzに設定されている。また、HPF33は、下り信号及び棟内上り信号を通過させ、基準信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば70MHzに設定されている。
【0048】
一方、HPF34は、棟内上り信号を通過させ、下り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば821MHzに設定されている。また、LPF36は、上り信号を通過させ、下り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば、55MHzに設定されている。
【0049】
また、BPF38は、基準信号を選択的に通過させるためのものであり、その信号通過帯域の中心周波数は、基準信号の周波数に設定され、その帯域幅は、極めて狭く設定されている(例えば中心周波数±30kHz)。また、LPF39は、基準信号を通過させ、下り信号や棟内上り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば12MHzに設定されている。
【0050】
以上のように、本実施例のダウンコンバータ10は、外部の双方向CATVシステムから入力された下り信号をそのまま通過させて、伝送線L上に送出すると共に、伝送線Lを介して端末側より伝送されてきた棟内上り信号を、外部の双方向CATVシステムで伝送可能な上り信号に周波数変換して、外部の双方向CATVシステムの伝送線2上に送出し、更に、周波数変換用の高周波信号を生成するのに用いた基準信号を、伝送線L上に送出する。
[ケーブルモデム(アップコンバータ内蔵型)]
図3に示すように、ケーブルモデム20には、同軸ケーブル等を介して端末端子18に接続するためのCATV接続端子T3と、マイクロコンピュータ等の情報処理装置との間でイーサネット(Ethernet)によりデータ通信を行うためのイーサネット用接続端子T4とが備えられている。
【0051】
そして、伝送線Lを介してダウンコンバータ10から端末端子18へと伝送されてきた下り信号(周波数:10MHz〜770MHz)の内、10MHz帯の基準信号を除く下り信号(周波数:70MHz〜770MHz)は、CATV接続端子T3から、HPF41及びLPF42を介して、受信部43に入力され、10MHz帯の基準信号は、CATV接続端子T3から、LPF53及びBPF54を介して、逓倍部55に入力される。
【0052】
受信部43は、入力された下り信号(周波数:70MHz〜770MHz)の中から、ファイルのダウンロードやWWW(World Wide Web)情報表示等のために外部のCATVセンターを介して伝送されてきた下り信号(周波数は、例えば650MHz〜770MHz)を受信信号として選択し、これを中間周波信号(IF)に変換して、復調手段としての復調部44へ出力する。また、この受信部43は、AGC(自動利得制御機能)やAFC(自動周波数制御機能)を備えており、これらの機能は、いずれもメディアアクセスコントロール部(以下、MACという)45により制御される。
【0053】
次に、復調部44は、受信部にて中間周波信号(IF)に周波数変換された受信信号(一般に、QAM変調(直交振幅変調)されている)を、パルス状の下りデータ信号(ベースバンド信号)に復調して、MAC45へ出力する。MAC45は、上述した受信部43の制御を行うだけでなく、復調部44から入力された下りデータ信号から、外部の双方向CATVシステムのセンタモデムから送信されてきた上り信号に関する周波数や変調方式、データ伝送速度等の各種制御情報を取得し、これらの制御情報に基づき後述の変調部48や送信部49を制御する。そして、MAC45は、復調部44から入力された下りデータ信号の内、端末側の情報処理装置26に送信すべき下りデータ信号については、CPU46に出力する。
【0054】
次に、CPU46は、MAC45から入力された下りデータ信号を、イーサネット用のインターフェース47に出力することで、インターフェース47に対して、下りデータ信号をイーサネット規格に則った信号形式に変換させる。そして、その変換された下り信号は、イーサネット用接続端子T4を介して、情報処理装置26に出力される。
【0055】
一方、情報処理装置26から出力された双方向データ通信用の上りデータ信号は、イーサネット用接続端子T4を介してインターフェース47に入力され、インターフェース47にて、イーサネット規格の上りデータ信号から外部のセンタモデムへ伝送すべき規格に則った信号形式に変換される。そして、この変換された上りデータ信号は、CPU46を介して、MAC45に入力され、MAC45で各種処理が施された後、変調手段としての変調部48へ出力される。
【0056】
変調部48では、上りデータ信号にて搬送波を変調(例えば、QPSK/16QAM変調)することにより、外部の双方向CATVシステムで伝送可能な上り信号(周波数:12MHz〜55MHz)を生成し、送信部49に出力する。すると、送信部49では、上り信号が所定レベルまで増幅される。尚、上述したように、変調部48及び送信部49は、MAC45の制御の下に動作する。
【0057】
次に、送信部49にて増幅された上り信号は、周波数変換手段としての周波数変換部50に入力される。周波数変換部50は、送信部49から入力された上り信号と、高周波信号発生手段としての逓倍部55にて生成された周波数変換用の高周波信号(周波数は、ダウンコンバータ10で生成される高周波信号と同じ876MHz)と、を混合することにより、上り信号(周波数:12MHz〜55MHz)を、棟内上り信号(周波数:821MHz〜864MHz)に周波数変換するためのものである。
【0058】
そして、周波数変換部50で周波数変換された棟内上り信号は、高周波スイッチ(RFスイッチ)51、HPF52、HPF41、及び、CATV接続端子T3を介して、端末端子18(延いては伝送線L上)に送出される。
ここで、逓倍部55は、ダウンコンバータ10の逓倍部37と同様にPLL回路にて構成されており、LPF53及びBPF54を介して選択的に取り込まれた基準信号(周波数:10MHz帯)に基づき、ダウンコンバータ10側で周波数変換に用いられる高周波信号と同じ周波数の高周波信号を生成する。つまり、この逓倍部55は、請求項4に記載の高周波信号発生手段として機能する。
【0059】
また、RFスイッチ51は、変調部48がMAC45の制御の下に上りデータ信号の変調動作を実行しているとき(つまり、上り信号を生成しているとき)に変調部48から出力される切替信号によってオン状態となり、変調部48が動作を停止しているとき(換言すれば、変調部48から切替信号が出力されていないとき)にはオフ状態となるように構成されている。
【0060】
この結果、周波数変換部50から、HPF52及びHPF41を介して、CATV接続端子T3に至る、棟内上り信号の出力経路は、RFスイッチ51により断続され、この経路は、送信部49から上り信号が出力されているときにだけ、形成されることになる。つまり、このRFスイッチ51は、本発明(請求項3に記載)の出力経路断続手段として機能する。
【0061】
尚、ケーブルモデム20に設けられた各フィルタの目的及びそのカットオフ周波数は、夫々、下記の通りである。
即ち、HPF41は、外部の双方向CATVシステムから棟内CATVシステムに入力された周波数70MHz以上の下り信号と棟内上り信号とを通過させ、下り信号に含まれる基準信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば70MHzに設定されている。また、LPF42は、HPF41を通過した下り信号を通過させ、棟内上り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば770MHzに設定されている。また、HPF52は、RFスイッチ51を通過した棟内上り信号を通過させ、下り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば821MHzに設定されている。
【0062】
一方、LPF53は、基準信号を通過させ、他の下り信号や棟内上り信号の通過を阻止するためのものであり、カットオフ周波数は、例えば12MHzに設定されている。また、BPF54は、基準信号のみを選択的に通過させるためのものであり、ダウンコンバータ10内のBPF38と同様、基準信号の周波数に対応した狭帯域フィルタにて構成されている。
【0063】
以上のように、本実施例のケーブルモデム20においては、受信部43、復調部44、MAC45、CPU46、インターフェース47、変調部48、及び、送信部49等にて実現される一般的なケーブルモデム22としての機能(送受信データの変調復調機能)に加えて、高周波信号発生手段としての逓倍部55及び周波数変換手段としての周波数変換部50により実現されるアップコンバータ24としての機能を有する。
【0064】
そして、周波数変換部50からCATV接続端子T3に至る棟内上り信号の出力経路上には、変調部48が動作しているときにだけオン状態となるRFスイッチ51が設けられていることから、送信部49から周波数変換部50に上り信号が入力されていないときには、棟内上り信号の出力経路が遮断され、逓倍部55にて生成された周波数変換用の高周波信号が、CATV接続端子T3から端末端子18、延いては伝送線L上へと漏れ出すのを防止できる。
[アップコンバータ]
アップコンバータ24は、基本的には、上述したケーブルモデム20からアップコンバータとしての機能を取り出したものであり、その構成要素は、ケーブルモデム20と重複する部分が多いことから、以下の説明では、ケーブルモデム20と同じ部分については同じ符号を付与し、その部分の詳細な説明は省略する。
【0065】
図4に示すように、アップコンバータ24には、同軸ケーブル等を介して端末端子18に接続するためのCATV接続端子T3と、上り信号を出力してくるケーブルモデム22やSTB28等の端末装置に接続するための端末接続端子T5と、テレビ受信機29等に下り信号をそのまま出力するための下り出力端子T6が備えられている。そして、端末端子18からCATV接続端子T3に入力された下り信号の内、外部の双方向CATVシステムから入力された下り信号(周波数:70MHz〜770MHz)は、HPF41、LPF42を介して、下り出力端子T6までそのまま伝送され、下り出力端子T6から、これに接続されたテレビ受信機29等の受信端末に送出される。
【0066】
また、LPF42から下り出力端子T6に至る下り信号の伝送経路(請求項1記載の下り信号経路に相当する)には、分岐回路61が設けられており、この経路を通過する下り信号の一部が、分岐回路61にて分岐される。そして、その分岐された下り信号は、端末接続端子T5から周波数変換部50に至る上り信号の伝送経路に設けられた方向性結合器62を介して、上り信号の伝送経路まで伝送され、この経路を通って、端末接続端子T5から、ケーブルモデム22等の端末装置へと送出される。
【0067】
一方、ケーブルモデム22等の端末装置から端末接続端子T5に入力された上り信号は、上記方向性結合器62が設けられた伝送経路を通って、周波数変換手段としての周波数変換部50に入力され、周波数変換部50にて、高周波信号発生手段としての逓倍部55で生成された高周波信号と混合されることにより、所定周波数帯(821MHz〜864MHz)の棟内上り信号へと周波数変換される。
【0068】
そして、この周波数変換部50から出力された棟内上り信号は、RFスイッチ51、HPF52、HPF41を通って、CATV接続端子T3まで伝送され、CATV接続端子T3から端末端子18(延いては伝送線L上)へと送出される。
【0069】
尚、逓倍部55には、端末端子18からCATV接続端子T3に入力された下り信号の内、10MHz帯の基準信号だけが、LPF53及びBPF54を介して、入力され、逓倍部55では、この基準信号に基づき、ダウンコンバータ10で周波数変換に用いられる高周波信号と同じ周波数(876MHz)の高周波信号を生成する。
【0070】
また、端末接続端子T5から周波数変換部50に至る上り信号の伝送経路上には、上り信号の一部を分岐させる分岐回路63が設けられており、この分岐回路63にて分岐された上り信号は、上り信号検出部65に入力される。
上り信号検出部65は、本発明(請求項1記載)の判定手段に相当するものであり、分岐回路63を介して入力される上り信号を検波し、その電圧レベル(換言すれば信号レベル)が所定レベル以上か否かを判定することにより、ケーブルモデム22等の端末装置から端末接続端子T5に上り信号が入力されているか否かを判定する。
【0071】
そして、上り信号検出部65は、端末装置から端末接続端子T5に上り信号が入力されていると判定すると、出力経路断続手段としてのRFスイッチ51をオンさせる切替信号を出力し、端末装置から端末接続端子T5に上り信号が入力されていないと判定すると、その切替信号の出力を停止して、RFスイッチ51をオフさせる。
【0072】
このように、本実施例のアップコンバータ24においては、CATV接続端子T3に入力された下り信号の内、外部の双方向CATVシステムから当該棟内CATVシステムに伝送されてきた下り信号(周波数:70MHz〜770MHz)を、下り出力端子T6及び端末接続端子T5まで夫々伝送して(この伝送経路は、本発明の下り信号経路に相当する)、各端子T6,T5に接続された加入者側端末へと送出すると共に、ケーブルモデム22等の端末装置から端末接続端子T5に入力された上り信号を周波数変換部50にて棟内上り信号に周波数変換して、CATV接続端子T3から端末端子18(延いては伝送線L上)へと送出し、しかも、その周波数変換に用いる高周波信号は、逓倍部55にて、ダウンコンバータ10側から伝送されてきた基準信号を用いて生成するようにされている。
【0073】
そして、特に、周波数変換部50からCATV接続端子T3に至る棟内上り信号の出力経路上には、端末接続端子T5に上り信号が入力されているときにだけオン状態となるRFスイッチ51が設けられていることから、端末接続端子T5に上り信号が入力されていないときには、棟内上り信号の出力経路が遮断され、逓倍部55にて生成された周波数変換用の高周波信号が、CATV接続端子T3から端末端子18、延いては伝送線L上へと漏れ出すのを防止できる。
【0074】
以上説明したように、本実施例の棟内CATVシステムにおいては、複数の端末端子18からダウンコンバータ10に至る伝送線L上に棟内上り信号を送出するために用いられるケーブルモデム20及びアップコンバータ24において、その内部の周波数変換部50に上り信号が入力されないときには、RFスイッチ51をオフすることにより、周波数変換部50からCATV接続端子T3に至る棟内上り信号の出力経路を遮断するようにしている。
【0075】
このため、本実施例の棟内CATVシステムにおいては、伝送線Lに端末端子18を介して接続されるケーブルモデム20やアップコンバータ24の数が多くなっても、周波数変換用の高周波信号が伝送線L上に漏れ出すのは、上り信号の周波数変換を行っている最大1個のケーブルモデム20若しくはアップコンバータ24だけとなる。
【0076】
この結果、本実施例の棟内CATVシステムによれば、ケーブルモデム20やアップコンバータ24から同時に高周波信号が漏れ出すのを防止し、その高周波信号の合成信号がダウンコンバータ10に入力されるのを防止でき、ダウンコンバータ10が、その合成信号の影響を受けて、棟内上り信号から元の上り信号を復元できなくのを防止し、延いては、その合成信号が、棟内CATVシステムから外部の双方向CATVシステムの伝送線2上に流合雑音として漏れ出すのを防止できる。よって、本実施例の棟内CATVシステムによれば、外部の双方向CATVシステムを含めて、上り信号の伝送品質を向上することが可能となる。
【0077】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、棟内上り信号生成用の機器として、アップコンバータ24とケーブルモデム20との2種類の機器が用いられた棟内CATVシステムについて説明したが、アップコンバータ24及びケーブルモデム20の何れか一方を用いて、棟内CATVシステムを構築しても、上記実施例と同様の効果を得ることができる
また、例えば、上記実施例では、ダウンコンバータ10は、引込線6よりも下流の伝送線L上に設けられるものとして説明したが、このダウンコンバータ10は、例えば、外部の双方向CATVシステムの伝送線2上に設置し、このダウンコンバータ10よりも下流の伝送線に、下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号を流すようにした棟内CATVシステムであっても、本発明を適用して、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、上記実施例では、ダウンコンバータ10に基準信号生成用の発振器30を内蔵するものとして説明したが、この発振器30は、ダウンコンバータ10とは別体で構成し、基準信号を伝送線L上に送出するようにしてもよい。そして、このようにすれば、ダウンコンバータ10には、内部接続端子T2を介して、基準信号が入力されることになるが、その入力された基準信号は、LPF39及びBPF38を介して、逓倍部37に入力されることから、ダウンコンバータ10は、上記実施例と同様に動作することができる。
【0079】
また上記実施例では、棟内CATVシステム内での下り信号の伝送帯域を10MHz〜770MHzに設定し、基準信号の周波数を10MHz〜12MHz内の任意の周波数に設定するものとして説明したが、基準信号の周波数としては、棟内CATVシステム内での基準信号の伝送損失がシステムの動作(詳しくは端末側での上り信号の周波数変換動作)に影響を与えなければ、下り伝送帯域外の周波数(例えば、10MHzよりも低い周波数)に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の棟内CATVシステムの構成を表す構成図である。
【図2】 ダウンコンバータの構成を表すブロック図である。
【図3】 アップコンバータ内蔵型のケーブルモデムの構成を表すブロック図である。
【図4】 アップコンバータの構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
2…伝送線(双方向CATVシステム)、4…分岐装置、6…引込線、8…保安器、10…ダウンコンバータ、12…双方向増幅器、14…分岐器、16…分配器、18…端末端子、20…ケーブルモデム(アップコンバータ内蔵型)、22…ケーブルモデム(一般)、24…アップコンバータ、26…情報処理装置、28…STB(セットトップボックス)、29…テレビ受信機、30…発振器、35,50…周波数変換部、37,55…逓倍部、43…受信部、44…復調部、45…MAC(メディアアクセスコントロール部)、46…CPU、47…インターフェース、48…変調部、49…送信部、51…RFスイッチ、61,63…分岐回路、62…方向性結合器、65…上り信号検出部、L…伝送線。

Claims (5)

  1. 外部の双方向CATVシステムのセンタ装置から伝送されてきた下り信号を、建造物内の伝送線を介して複数の端末端子まで伝送すると共に、各端末端子より入力された前記下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号を、建造物内若しくは前記双方向CATVシステムの伝送線に配置されたダウンコンバータまで伝送し、該ダウンコンバータにより、前記棟内上り信号を、前記下り信号よりも周波数が低い上り信号に周波数変換させるように構成された棟内CATVシステムにおいて、前記端末端子と加入者側の端末装置との間に設けられるアップコンバータであって、
    前記伝送線を介して前記端末端子まで伝送されてきた前記下り信号を前記端末装置側に出力する下り信号経路と、
    前記端末装置から入力された上り信号を前記棟内上り信号に周波数変換するための高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、
    前記端末装置から入力された上り信号を、前記高周波信号発生手段が発生した高周波信号を用いて、前記棟内上り信号に周波数変換する周波数変換手段と、
    前記端末装置から前記上り信号が入力されているか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段にて前記上り信号が入力されていると判定されると、前記周波数変換手段から前記端末端子への前記棟内上り信号の出力経路を形成し、前記判定手段にて前記上り信号が入力されていないと判定されると、該出力経路を遮断する出力経路断続手段と、
    を備えたことを特徴とするアップコンバータ。
  2. 前記高周波信号発生手段は、前記ダウンコンバータ側から伝送されてきた一定周波数の基準信号を分周又は逓倍することにより、前記高周波信号を生成することを特徴とする請求項1記載のアップコンバータ。
  3. 外部の双方向CATVシステムのセンタ装置から伝送されてきた下り信号を、建造物内の伝送線を介して複数の端末端子まで伝送すると共に、各端末端子より入力された前記下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号を、建造物内若しくは前記双方向CATVシステムの伝送線上に配置されたダウンコンバータまで伝送し、該ダウンコンバータにより、前記棟内上り信号を、前記下り信号よりも周波数が低い上り信号に周波数変換させるように構成された棟内CATVシステムにおいて、前記端末端子と加入者側の情報処理装置との間に設けられるケーブルモデムであって、
    前記伝送線を介して前記端末端子まで伝送されてきた前記下り信号を復調して受信データを生成し、該受信データを前記情報処理装置側に出力する復調手段と、
    前記情報処理装置から入力された送信データにて搬送波を変調することにより前記上り信号を生成する変調手段と、
    該変調手段にて生成された上り信号を前記棟内上り信号に周波数変換するための高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、
    前記変調手段にて生成された上り信号を、前記高周波信号発生手段が発生した高周波信号を用いて、前記棟内上り信号に周波数変換する周波数変換手段と、
    前記変調手段が動作しているときに、前記周波数変換手段から前記端末端子への前記棟内上り信号の出力経路を形成し、前記変調手段が動作していなければ、該出力経路を遮断する出力経路断続手段と、
    を備えたことを特徴とするケーブルモデム。
  4. 前記高周波信号発生手段は、前記ダウンコンバータ側から伝送されてきた一定周波数の基準信号を分周又は逓倍することにより、前記高周波信号を生成することを特徴とする請求項3記載のケーブルモデム。
  5. 外部の双方向CATVシステムのセンタ装置から伝送されてきた下り信号を、建造物内の伝送線を介して複数の端末端子まで伝送すると共に、各端末端子より入力された前記下り信号よりも周波数が高い棟内上り信号を、建造物内若しくは前記双方向CATVシステムの伝送線上に配置されたダウンコンバータまで伝送し、該ダウンコンバータにより、前記棟内上り信号を、前記下り信号よりも周波数が低い上り信号に周波数変換させるように構成された棟内CATVシステムにおいて、
    前記各端末端子と加入者側装置との間に、夫々、請求項1又は請求項2に記載のアップコンバータ、若しくは、請求項3又は請求項4に記載のケーブルモデルを備えたことを特徴とする棟内CATVシステム。
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