JP4596764B2 - 含フッ素フラレノール誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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1.下記一般式(1):
〔式中、BはC20+m(但し、{20+m}は、36、60、70、76、78、80、82または84)で表わされるフラーレン単位を示す。n+pは1〜30の数(但し、1≦n≦30、0≦p≦29、及び1≦n+p≦20+mを満たす)を示す。〕
で表わされる含フッ素フラレノール誘導体であって、上記Aが、
1)CaF2a-1O−(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケニルオキシ基、又は
2)CaF2a-1OXCOO−〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニレン基又はナフチレン基を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基
であることを特徴とする含フッ素フラレノール誘導体。
2. B(OH)q〔式中、BはC20+m(但し、{20+m}は、36、60、70、76、78、80、82または84)で表わされるフラーレン単位を示す。qは1〜30の整数(但し、1≦q≦20+m)を示す。〕で表わされるフラレノールと、
1)CaF2a(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケンとを、フラレノールを非水極性溶媒中に分散又は溶解後、塩基性条件下においてパーフルオロアルケンと反応させるか、或いは
2)CaF2a-1OXCOY〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニレン基又はナフチレン基を示す。Yはヒドロキシル基またはハロゲン原子を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基とを、
Y=ヒドロキシル基の場合、そのまま加熱させるか、又は酸触媒の存在下において無溶媒下若しくは溶媒中において加熱反応させ、または
Y=ハロゲン原子の場合、脱酸剤の存在下、溶媒中で反応させる
ことを特徴とする項1に記載の含フッ素フラレノール誘導体の製造方法。
3. Yが、ヒドロキシル基又は塩素原子である上記項2記載の製造方法。
4. 上記項2又は3記載の製造方法により製造される含フッ素フラレノール誘導体。
本発明の含フッ素フラレノール誘導体は、下記一般式(1):
〔式中、BはC20+m(但し、{20+m}は、36、60、70、76、78、80、82または84)で表わされるフラーレン単位を示す。n+pは1〜30の数(但し、1≦n≦30、0≦p≦29、及び1≦n+p≦20+mを満たす)を示す。〕
で表わされる含フッ素フラレノール誘導体であって、上記Aが、
1)CaF2a-1O−(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケニルオキシ基、又は
2)CaF2a-1OXCOO−〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニレン基又はナフチレン基を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基
であることを特徴とする。
C60(OC6F11)n(OH)p
C70(OC6F11)n(OH)p
C60(OC9F17)n(OH)p
C70(OC9F17)n(OH)p
本発明の含フッ素フラレノール誘導体の製造方法は特に限定的ではないが、例えば、
B(OH)q〔式中、BはC20+m(但し、mは1〜100の整数)で表わされるフラーレン単位を示す。qは1〜30の整数(但し、1≦q≦20+m)を示す。〕で表わされるフラレノールと、
1)CaF2a(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケン、又は
2)CaF2a-1OXCOY〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニル基又はナフチル基を示す。Yは脱離基を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基
とを反応させることにより好適に製造できる。
〔フラレノール〕
B(OH)qで表わされる上記フラレノール中、BはC20+m(但し、mは1〜100の整数)で表わされるフラーレン単位である。炭素数(20+m)としては、通常36、60、70、76、78、80、82及び84である。このうち、炭素数60及び70が好ましい。qはフラレノールのヒドロキシル基の数であり、通常1〜30、好ましくは10〜20である。但し、qは1≦q≦20+mの範囲内である。
(Chiang,L.Y.;Wang,L.Y.;et al.,J.Org.Chem.1994,59,3960)
また、フラーレン及びハロゲン原子を反応させてハロゲン化フラーレンを得た後、金属水酸化物と反応させることにより製造できる。この製造方法は、例えば、特開2002−193861号公報に記載されている。
〔パーフルオロアルケン〕
CaF2a(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケンは、炭素数6〜10のパーフルオロアルケンである。例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン又はそのオリゴマー等が挙げられる。このうち、特にヘキサフルオロプロペンの2量体又は3量体が好ましい。重合度が大きいものは粘度が高くなるため、取扱いの容易性の点からも3量体程度までが好ましい。
〔パーフルオロアルケニルを含有する基〕
CaF2a-1OXCOYで表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基において、CaF2a-1で示される部分がパーフルオロアルケニルであり、Yは脱離基である。脱離基Yの種類は限定的ではないが、例えば、ヒドロキシル基又はハロゲン原子が好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられるが、特に塩素原子が好ましい。脱離基Yがヒドロキシル基である場合には、パーフルオロアルケニルを含有する基として、例えば、パーフルオロノネニルオキシ安息香酸、パーフルオロノネニルオキシイソフタル酸等が挙げられる。以下、好適な態様である脱離基Yがヒドロキシル基(以下、「パーフルオロアルケニルオキシ基含有カルボン酸」と称する。)及び塩素原子(以下、「パーフルオロアルケニル基含有カルボン酸の酸クロライド」と称する。)であるパーフルオロアルケニルを含有する基を例に挙げて説明する。
〔式中、BはC20+m(但し、{20+m}は、36、60、70、76、78、80、82または84)で表わされるフラーレン単位を示す。n+pは1〜30の数(但し、1≦n≦30、0≦p≦29、及び1≦n+p≦20+mを満たす)を示す。〕
で表わされる含フッ素フラレノール誘導体であって、上記Aが、
1)CaF2a-1O−(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケニルオキシ基、又は
2)CaF2a-1OXCOO−〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニレン基又はナフチレン基を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基
である含フッ素フラレノール誘導体が得られる。
C60(OC6F11)n(OH)p
C70(OC6F11)n(OH)p
C60(OC9F17)n(OH)p
C70(OC9F17)n(OH)p
等の含フッ素フラレノール誘導体が例示される。
温度計、冷却管及び滴下ロートを備えた100mlの3つ口フラスコに、フラレノール混合物0.5g(本荘ケミカル株式会社製、C60(OH)10〜12(90重量%)及びC70(OH)10〜12(10重量%)の混合物)、トリエチルアミン1.0g及びN,N−ジメチルホルムアミド50mlを入れて、マグネティックスターラーで撹拌しながら50℃まで加温した。50℃を保持したまま滴下ロートからヘキサフルオロプロペン2量体2.5gを徐々に滴下した。8時間後、室温まで放冷し、塩酸酸性にした後、水洗を繰り返し、次いで固体をろ過・乾燥した。生成物の収量は1.8gであった。生成物のIR測定結果を下記表1に示す。また、参考のため、原料フラレノールのIR測定結果も下記表1に示す。
ヘキサフルオロプロペン2量体2.5gをヘキサフルオロプロペン3量体3.5gに代える以外は、実施例1に準拠して反応を行った。生成物の収量は1.0gであった。生成物のIR測定結果を下記表1に示す。
温度計、冷却管及び滴下ロートを備えた100mlの3つ口フラスコに、実施例1で用いたフラレノール混合物0.5g、トリエチルアミン1.0g及びトルエン50mlを入れて、マグネティックスターラーで撹拌しながら50℃まで加温した。50℃を保持したまま滴下ロートから下記構造式で示される4−(パーフルオロノネニルオキシ)−安息香酸クロライド3.8gを徐々に滴下した。8時間後、室温まで放冷し、塩酸酸性にした後、水洗を繰り返し、次いで固体をろ過・乾燥した。生成物の収量は0.9gであった。生成物のNMR及びIR測定結果を下記表2に示す。また、参考のため、下記構造式で示される4−(パーフルオロノネニルオキシ)−安息香酸クロライドのIR測定結果を下記表3に示す。
Claims (4)
- 下記一般式(1):
で表わされる含フッ素フラレノール誘導体であって、上記Aが、
1)CaF2a-1O−(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケニルオキシ基、又は
2)CaF2a-1OXCOO−〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニレン基又はナフチレン基を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基
であることを特徴とする含フッ素フラレノール誘導体。 - B(OH)q〔式中、BはC20+m(但し、{20+m}は、36、60、70、76、78、80、82または84)で表わされるフラーレン単位を示す。qは1〜30の整数(但し、1≦q≦20+m)を示す。〕で表わされるフラレノールと、
1)CaF2a(但し、aは6〜10の整数)で表わされるパーフルオロアルケンとを、フラレノールを非水極性溶媒中に分散又は溶解後、塩基性条件下においてパーフルオロアルケンと反応させるか、或いは
2)CaF2a-1OXCOY〔式中、aは前記と同じである。Xはフェニレン基又はナフチレン基を示す。Yはヒドロキシル基またはハロゲン原子を示す。〕で表わされるパーフルオロアルケニルを含有する基とを、
Y=ヒドロキシル基の場合、そのまま加熱させるか、又は酸触媒の存在下において無溶媒下若しくは溶媒中において加熱反応させ、または
Y=ハロゲン原子の場合、脱酸剤の存在下、溶媒中で反応させる
ことを特徴とする請求項1に記載の含フッ素フラレノール誘導体の製造方法。 - Yが、ヒドロキシル基又は塩素原子である請求項2記載の製造方法。
- 請求項2又は3記載の製造方法により製造される含フッ素フラレノール誘導体。
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