JP2006232704A - 新規なフルオロスルホニル基含有化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 式CH2ClCHClCH2OCF2CF2SO2Fで表される化合物(1)、および該化合物(1)を液相フッ素化等の方法でフッ素化した後、脱塩素化することによる化合物(2)CF2=CFCF2OCF2CF2SO2Fの製造方法。
【選択図】なし
Description
(式(3)において、Yはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1であり、m+p>0である。)
本発明の目的は、発煙硫酸を用いる工程を経ずに、上記式(2)で表されるペルフルオロアリルエーテルの合成中間体である新規化合物を提供することである。
本発明の別の目的は、上記中間体から上記式(2)で表されるペルフルオロアリルエーテルを合成する方法を提供することである。
<1> 下式(1)で表されるフルオロスルホニル基含有化合物。
CH2ClCHClCH2OCF2CF2SO2F ・・・ (1)
<2> 下式(1)で表されるフルオロスルホニル基含有化合物をフッ素化した後、脱塩素化することを特徴とする、下式(2)で表されるペルフルオロアリルエーテルの製造方法。
CH2ClCHClCH2OCF2CF2SO2F ・・・ (1)
CF2=CFCF2OCF2CF2SO2F ・・・ (2)
溶媒は、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム系溶媒やアセトニトリル、アジポニトリル等のニトリル系溶媒が好ましく、特にグライム系溶媒が好ましい。
反応温度は0〜150℃が好ましい。MFとしてKF、CsFを使用する場合は50〜150℃がより好ましい。
MFとしてAgFを使用することが好ましく、この場合には、0〜60℃で反応させることができる。
反応時の圧力は特に制御する必要はないが、常圧での還流温度よりも反応温度が高い場合には、オートクレーブを用いて加圧系で反応を実施することが好ましい。
反応時間は、KF、CsFの場合は、5〜100時間が好ましく、AgFの場合は、1〜24時間が好ましい。
この際、必ずしも溶媒は必要でない。塩素ガスを用いた塩素化反応においては溶媒を用いてもよく、用いなくてもよい。溶媒を用いる場合には塩素ガスに不活性な溶媒として、ペルフルオロカーボン溶媒やクロロフルオロカーボン溶媒等を用いるのが好ましい。
式(5)で表される化合物に接触させる塩素ガスの量は、式(5)で表される化合物1当量に対し、0.5〜2当量が好ましく、0.8〜1.5当量がより好ましい。
塩素ガスを導入する温度は、−80〜+50℃が好ましく、塩素化の選択率を高めるに
は、−60℃〜−20℃の低温で塩素ガスを導入するのがより好ましい。例えば、塩素ガスを低温で導入後、温度を上昇させ常温になった時点で反応を完結させる方法が挙げられる。
反応は通常常圧で実施することができる。
反応時間は、1分〜24時間が好ましく、10分〜120分がより好ましい。
電気化学的フッ素化については米国特許第2713593号明細書および国際公開第98/50603号パンフレットに記載の方法を用いることができる。直接フッ素化については液相中でフッ素(F2)と反応させる液相フッ素化によるのが好ましい。
液相フッ素化法を用いる場合、フッ素化反応の反応温度は、通常は−60℃以上かつ式(1)で表される化合物の沸点以下が好ましく、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から−50℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃がとりわけ好ましい。
フッ素化反応の反応圧力は特に限定されず、大気圧〜2MPa(ゲージ圧)が、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から特に好ましい。
反応時間は、反応の形式、式(1)で表される化合物量、フッ素ガス濃度、および滞留時間により適宜変更される。
に塩酸と接触させたり、反応液に臭素、ヨウ素、ジブロモエタン、水銀やHgCl2などを添加してもよい。また、LiAlH4とTiClx(x=3または4)を混合して脱塩素反応を行うこともできる。脱塩素化反応には溶媒を用いてもよい
溶媒としてはアセトニトリル、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等を用いることができる。金属として亜鉛を用いる場合には、溶媒として水、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒を用いることができる。また溶媒として水を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤を用いるのが好ましく、C7F15CO2NH4,C8F17CO2NH4等を使用できる。
反応温度は、25〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
反応時の圧力は、制御する必要がなく、還流温度以下であれば、常圧で実施することができる。反応温度が高く、反応混合物の蒸気圧が常圧よりも高い場合には、オートクレーブを用いて成り行き圧力で実施できる。
反応時間は、5分〜24時間が好ましく、10分〜6時間がより好ましい。
脱塩素化反応によって生成する式(2)で表される化合物は、式(6)で表される化合物よりも沸点が低くなることを利用し、原料を反応系中に添加しながら生成物を蒸留する反応蒸留による方法を採用してもよい。
このようにして式(2)で表される化合物とテトラフルオロエチレンの共重合体から誘導される−SO3H基含有の固体高分子型燃料電池用高分子電解質ポリマーは、式(3)で表される化合物、例えばFSO2CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2とテトラフルオロエチレンの共重合体から誘導される従来の固体高分子型燃料電池用高分子電解質ポリマーよりも軟化温度が高いため、従来よりも高い温度で燃料電池を運転することが可能になり、燃料電池の高出力化や冷却効率向上に寄与できる。
温度計、ドライアイス冷却器、吹き込み管を装着した1L丸底フラスコに、式(5)で表される化合物を760g(3.17モル/L)入れた。窒素雰囲気下で、撹拌子で撹拌しながら冷媒でフラスコの内温が−30℃になるまで冷却した。−30〜−40℃にて、80分かけて塩素ガス2.24モル/Lを吹き込んだ。冷媒をはずして内温が−27℃になったとき、窒素ガスの吹込みを開始し、窒素ガスを吹き込みながら30分かけて7℃まで昇温した。その後、窒素の吹き込みを停止して室温に戻した。式(1)で表される化合物を含む無色透明の液体962gを得た。ガスクロマトグラフで分析したところ、式(1)で表される化合物の純度は90.1%であった。蒸留により815gの式(1)で表される化合物を得た。得られた式(1)で表される化合物の沸点は、56−57℃/0.67kPa(絶対圧)であった。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3)δ(ppm)4.4(m,2H)、4.3(m,1H)、3.8(m,2H).
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm)43.7(1F)、−84.0〜−85.2(2F)、−111.6(2F)。
500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113を312g加えた後に撹拌して25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。オートクレーブに窒素ガスを室温で1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、20%希釈フッ素ガスという。)を室温で流速12.72L/時間で1時間吹き込んだ。つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、合成例1で得た式(1)で表される化合物5gをR−113の50gに溶解した溶液を2.2時間かけて注入した。
つぎに、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.15MPa(ゲージ圧)まで昇圧して、ベンゼン濃度が0.01g/mLのR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
つぎに反応器内圧力を0.15MPa(ゲージ圧)に、反応器内温度を40℃に保ちながら、前記ベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を1回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.21g、R−113の注入総量は21mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら1時間撹拌を続けた。つぎに、反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。生成物を19F−NMRで分析した結果、式(6)で表される化合物が収率91%で含まれていることを確認した。
得られた式(6)で表される化合物のNMRデータは、下記の通りであった。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):45.5(1F)、−64.2〜−65.6(2F)、−78.4(2F)、−82.6(2F)、−112.5(2F)、−133.6(1F)。
3L丸底4口フラスコに撹拌機、温度計、DeanStarkトラップを装着し、系内を窒素置換した。
最初にn−C8F17CO2NH4を1.50g加えた。次にZn粉末127g(1.95モル)とHCl(1モル/L)211gを混合してよく撹拌した混合物を添加し、その後、水を合計で300gになるまで反応容器に加えた。
次に滴下ロートを装着し、合成例2で得た式(2)で表される化合物を滴下ロートに加えた。フラスコを撹拌しながら86℃付近まで加熱した。滴下ロートから式(2)で表される化合物300g(0.748モル)を反応容器内へゆっくり加えた。
滴下開始してから12分後、式(2)で表される化合物の10%を添加したところで、DeanStarkトラップへの留出が開始した。DeanStarkトラップの下層を回収しながら187分かけて滴下を行った。滴下終了時の内温は84℃であった。滴下終了後30分間還流をした。還流終了後徐々に昇温し、50分かけてフラスコ内から粗生成物を抜き出した。この時内温は103.5℃まで上昇した。
DeanStarkトラップより回収した液状の粗生成物は219gであり、ガスクロマトグラフで分析したところ、式(2)で表される化合物の純度は93.5%であった。
この粗生成物を減圧蒸留し、67℃/33kPaにて式(2)で表される化合物を得た。収率は69%であった。
得られた式(2)で表される化合物のNMRデータは、下記の通りであった。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):45.2(1F)、−71.5(2F)、−82.7(2F)、−89.6(1F)、−103.5(1F)、−112.5(2F)、−190.6(1F)。
Claims (2)
- 下式(1)で表されるフルオロスルホニル基含有化合物。
CH2ClCHClCH2OCF2CF2SO2F ・・・ (1) - 下式(1)で表されるフルオロスルホニル基含有化合物をフッ素化した後、脱塩素化することを特徴とする、下式(2)で表されるペルフルオロアリルエーテルの製造方法。
CH2ClCHClCH2OCF2CF2SO2F ・・・ (1)
CF2=CFCF2OCF2CF2SO2F ・・・ (2)
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2005
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