JP2010195937A - 含フッ素有機過酸化物、重合開始剤および含フッ素重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素有機過酸化物、重合開始剤および含フッ素重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱安定性に優れ、かつ白濁、着色、発泡が抑制された、透明な重合体を合成できる新規な含フッ素有機過酸化物を提供する。
【解決手段】式R−CH−C(=O)O−O−Rで表される含フッ素有機過酸化物。
は、ペルフルオロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基等であり、かつ、炭素数3〜8の基。 Rは、基(A):式−(CHで表される基等(xは1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8の含フッ素アルキル基等)、基(B):式−C(=O)−Rで表される基(Rは、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基等)、基(C):式−C(=O)−O−Rで表される基(Rは、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基等)。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素有機過酸化物、重合開始剤、および該重合開始剤を用いた重合体の製造方法に関する。
有機過酸化物をラジカル重合開始剤として用い、重合性不飽和結合を有するモノマーをラジカル付加重合させる方法は広く知られている。ラジカル付加重合のモノマーの種類や重合温度により、有機過酸化物の一部のみが重合に寄与し、残部は重合体の白濁および発泡の原因となる場合があった。また、重合体を溶融成形したときに、白濁、着色、発泡の原因になることもあった。
含フッ素重合体の合成に用いられる含フッ素有機過酸化物としては、[F(CFC(O)O]や[CC(O)O]などのペルフルオロ(ジアシルペルオキシド)が知られている。しかし、これらは化合物の10時間半減期温度は45℃以下であることから、爆発を防止するために溶媒で希釈して用いなければならないため、取り扱いがしにくい問題があった。また、用いた溶媒が重合体中に残存し、重合体の物性を低下させる問題があった。
特許文献1には、10時間半減期温度が30℃以上である含フッ素有機過酸化物として、CF(CFCHC(O)O−O−基(n=0、1)を持つ含フッ素ペルオキシエステル化合物が記載されている。
特開2000−1511号公報
該化合物の分解物は、含フッ素モノマーおよび含フッ素重合体との相溶性が低いため、白濁や発泡の原因になる。また、ペルフルオロ(ジアルキルペルオキシド)、カルボニル基の隣の炭素原子にメチル基またはH原子が結合した含フッ素有機過酸化物の例示もあるが、原料が高価で量産できない化合物であった。
また、[CC(O)O](ペルフルオロベンゾイルペルオキシド)も記載されているが、該化合物を用いて製造した重合体の末端には、熱や光に対して不安定なCCOO−基が結合することから、重合体の化学的安定性が低くなる原因になる。また、[CF(CFCHOC(O)O]、[(CFCHOC(O)O]、[CFOCFCFC(O)O]は、原料の合成工程が煩雑で経済性が不十分であった。
本発明は、熱安定性に優れかつ透明性の高い含フッ素重合体を製造するために用いることができ、工業的な量産が可能な新規な含フッ素有機過酸化物を提供する。また、含フッ素有機過酸化物を重合開始剤として用いた含フッ素重合体の製造方法を提供する。
本発明は、以下の発明を包含する。
<1> 下式(1)で表される含フッ素有機過酸化物。
−CH−C(=O)O−O−R・・・(1)
ただし、
:ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
は、下記基(A)、下記基(B)、または下記基(C)。
基(A):Rで表される基(ただし、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基、または式−(CHで表される基(ただし、xは1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基を示す。)。
基(B):式−C(=O)−Rで表される基(ただし、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、または該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基。)。
基(C):式−C(=O)−O−Rで表される基(ただし、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、または該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基。)。
<2> 下式(A−1)で表される含フッ素有機過酸化物。
−CH−C(=O)O−O−RA1・・・(A−1)
ただし、
:ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
A1:アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基、または式−(CHで表される基(ただし、xは1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す。)。
<3> 下式(B−1)で表される含フッ素有機過酸化物。
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−RB1・・・(B−1)
ただし、
:ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
B1:アルキル基、シクロアルキル基、または式−(CHで表される基(ただし、yは0または1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す。)を示す。
<4> 下式(C−1)で表される含フッ素有機過酸化物。
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−RC1・・・(C−1)
ただし、
:ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
C1:アルキル基、シクロアルキル基、または式−(CHで表される基(ただし、yは0または1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す。)を示す。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれか1に記載の含フッ素有機過酸化物からなる重合開始剤。
<6> 上記<5>に記載の重合開始剤を用いて含フッ素モノマーの1種以上を含む重合性単量体を重合させる、含フッ素重合体の製造方法。
<7> 重合開始剤量が、重合性単量体の総量に対して0.1〜5質量%である上記<6>に記載の製造方法。
本発明の含フッ素有機過酸化物は新規な含フッ素有機過酸化物であり、不飽和モノマーの重合開始剤として用いた際には熱安定性に優れかつ透明性の高い重合体が得られる。また本発明の含フッ素有機過酸化物は製造しやすく、工業的な量産が可能な化合物である。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記すことがある。他の化合物においても同様である。また、明細書中の記号について特に記載していない場合には、前記と同じ意味を示す。
なお、本明細書における「ペルフルオロ」とは、炭素原子に結合した水素原子の全てがフッ素原子に置換されていることをいい、「含フッ素」とは炭素原子に結合した水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていることをいう。
本発明におけるアルキル基は、直鎖構造の基、分岐構造の基、または部分的に環構造を有する基である。例えば、式H(CH−(pは1以上の整数であり、1〜8が好ましく、3〜8が特に好ましい。)で表される直鎖の基が挙げられる。分岐構造のアルキル基の具体例としては、(CHC−等が挙げられる。
アルキル基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基におけるエーテル性酸素原子の数は1〜3が好ましい。
シクロアルキル基としては、炭素数3〜8の基が好ましい。すなわち3〜8員環のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基の具体例としては、4−テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
含フッ素シクロアルキル基とは、シクロアルキル基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された基である。炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基のうち、シクロアルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基を、ペルフルオロシクロアルキル基という。
炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロアルキル基が好ましく、3〜8員環のシクロアルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基が好ましく、ペルフルオロシクロヘキシル基が好ましい。
炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基とは、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が存在するシクロアルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基である。該基としては、3〜8員環の基が好ましい。エーテル性酸素原子の個数は、1〜3個が好ましい。該基の具体例としてはペルフルオロ(2−テトラヒドロピラニル)基等が挙げられる。
含フッ素アルキル基とは、アルキル基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された基である。含フッ素アルキル基のうち、アルキル基の水素原子の全てのがフッ素原子に置換された基は、ペルフルオロアルキル基と記す。含フッ素アルキル基が、アルキレン基に結合している場合においては、含フッ素アルキル基の結合末端の炭素原子にはフッ素原子が結合している。
含フッ素アルキル基としては、ペルフルオロアルキル基、または、(ペルフルオロアルキル)アルキル基が好ましい。本発明における炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基としては、式−C2n+1(nは3〜8の整数である。)で表される基であり、直鎖または分岐構造の基が好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、F(CF−(nは前記と同じ意味を示す。)、CFCF(CF)(CFn−3−、(CFC(CF−、CFCF(CF)−、CFCFCF(CF)−、CF(CFCF(CF)−、(CFC−、CF(CFC(CF−等が挙げられる。
炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された含フッ素アルキル基としては、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基が好ましい。エーテル性酸素原子の個数は限定されず、1〜3個が好ましい。
本発明においては、エーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基が好ましい。該基としては、CFCFCFOCF(CF)CFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、CFCFOCFCF−、CFOCFCF−、CF(CFn−3OCFCF−、CFOCFOCFCFOCFCF−、CFCF(CF)O(CFn−2−、CFCF(CF)(CFn−3等の基が挙げられる。
本発明における式−(CHで表される基(ただし、xは1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された含フッ素シクロアルキル基を示す。)において、xは1〜3の整数が好ましく、1が原料の入手しやすさの観点から好ましい。
で表される基は、Rで表される基(Rは、炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す)が好ましい。R基、またはR基部分に、炭素数3〜8のペルフルオロ基を採用することにより、本発明の化合物(1)を重合開始剤と生成する含フッ素樹脂との相容性が良好になり、無色透明で発泡等の少ない重合体が得られる利点がある。
本発明における式−(CHで表される基(ただし、yは0または1以上の整数を示し、Rは前記と同様である。)において、yは0〜3の整数が好ましく、1が原料の入手しやすさの観点から好ましい。
本発明の含フッ素有機過酸化物は、下記化合物(1)である。
−CH−C(=O)O−O−R・・・(1)
がペルフルオロアルキル基または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基である場合の炭素数は4〜6が好ましい。ペルフルオロアルキル基は直鎖構造の基が好ましく、エーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基は、直鎖構造または分岐構造の基が好ましく、原料入手のしやすさの観点から分岐構造が好ましい。
がペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基である場合は、4〜6員環の基が好ましく、5または6員環の基が好ましい。
は、炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、4〜6員環のペルフルオロシクロアルキル基、または、4〜6員環の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基が特に好ましい。
は、基(A)、基(B)、または基(C)である。これらの基がフッ素原子を含まない基である場合の炭素数は、含フッ素樹脂との相容性の観点から炭素数3〜20が好ましく、炭素数3〜8が特に好ましい。また、これらの基が含フッ素の基である、または、含フッ素の基を構造の一部として有する場合には、炭素数は3〜8であり、4〜6が好ましい。含フッ素の基が、環状の基である場合には、3〜8員環の基であるのが好ましい。
が基(A)である場合の化合物(1)とは、下式(A)で表される化合物であり、下式(A−1)で表される化合物が好ましい。
−CH−C(=O)O−O−R・・・(A)
−CH−C(=O)O−O−RA1・・・(A−1)
化合物(A)におけるRの好ましい態様は、前記のとおりである。
は、アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基、または式−(CHで表される基を示し、下記RA1が好ましい。x、Rの定義は前記と同様である。
A1は、アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基、または式−(CHで表される基を示す。x、Rの定義は前記と同様である。
が、アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基である場合の好ましい態様は、前記と同じである。式−(CHで表される基である場合、xは1〜3の整数が好ましい(以下、同様である)。
A1は、原料入手のしやすさ、および、製造のしやすさの観点から、フッ素原子を含まない基であるのが好ましく、3級アルキル基が好ましく、炭素数3〜8の3級アルキル基が特に好ましく、(CHC−(以下、該基をtBuと記すことがある。)がとりわけ好ましい。
化合物(A)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
F(CF−CH−C(=O)O−O−Bu (ただし、nは前記と同じ意味を示す)
が基(B)である場合の化合物(1)とは、下式(B)で表される化合物であり、下式(B−1)で表される化合物が好ましい。
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−R・・・(B)
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−CH−RB1 ・・・(B−1)
化合物(B)におけるRの好ましい態様は、前記のとおりである。
は、アルキル基、シクロアルキル基、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、または該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基を示し、下記RB1が好ましい。
B1は、アルキル基、シクロアルキル基、または式−(CHで表される基を示す。y、Rの定義は前記と同様である。化合物(B)におけるRB1は、製造における原料の入手のしやすさ、得られた化合物の有用性の観点から、含フッ素の基であるのが好ましく、式−(CHで表される基が特に好ましい。
化合物(B)としては、R−CH−で表される構造と、RB1の構造とが同一構造となる化合物(B−10)が好ましい。さらに、化合物(B)としては、RがRである場合の(または、RがRであり、RB1が−CHである場合の)化合物(B−11)が特に好ましい。
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−CH−R ・・・(B−10)
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−CH−R ・・・(B−11)
化合物(B)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−CH−(CFF、
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−CH−(CFF、
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)CF(CF)O(CFF、
F(CFOCF(CF)−CH−C(=O)−O−O−C(=O)−CH
−CF(CF)O(CFF、
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−Cy(ただし、Cyはペルフルオロシクロヘキシル基を示す。)、
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)CHCH
Figure 2010195937
が基(C)である場合の化合物(1)とは、化合物(C)であり、化合物(C−1)が好ましい。
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−R・・・(C)
−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−RC1・・・(C−1)
化合物(C)におけるRの定義および好ましい態様は、前記のとおりである。
は、アルキル基、シクロアルキル基、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、または該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基を示し、下記RC1が好ましい。
C1は、アルキル基、シクロアルキル基、または式−(CHで表される基を示す。y、Rの定義は前記と同様である。
化合物(C)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−C
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−CH(CH)CH
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−CHCH(CHCH)C(CH
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−(CH16H、
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−Cy−Bu(ただし、−Cy−Buは、4位にBuが結合したシクロヘキシル基を示す。)、
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−CF
F(CF−CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−CFOCF
上記の化合物(1)のうち、化合物(A)および化合物(C)は、両末端の基の構造が異なるヘテロ型モノアシルペルオキシドである。化合物(B)は、両末端の基の構造が同一のホモ型ジアシルペルオキシドとなりうる化合物であり、該ホモ型ジアシルペルオキシドは、製造容易性の観点から好ましい。
(含フッ素有機過酸化物の製造方法)
本発明の化合物の製造方法の具体例としては、下記製造方法1〜製造方法5によるのが好ましい。
[製造方法1]
下式(1X)で表される化合物と、下式(1B)で表される化合物と、過酸化水素とを、アルカリ化合物の存在下に反応させ、下式(B)で表される化合物を得る方法。
−CH−C(=O)−X・・・(1X)
−C(=O)−X・・・(1B)
−CH−C(=O)−O−O−C(=O)−R・・・(B)
ただし、RおよびRは前記と同じ意味を示し、XおよびXは、それぞれハロゲン原子を示し、フッ素原子、塩素原子または臭素原子が好ましく、フッ素原子または塩素原子がとりわけ好ましい。
製造方法1は、化合物(1)のRが基(B)である場合の製造方法である。
製造方法1における化合物(1X)と化合物(1B)は、市販品または公知の化合物から公知の製造方法を用いた誘導体化により入手できる。
過酸化水素は、過酸化水素水を用いるのが取り扱い性の点から好ましい。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群より選択される一種以上であるのが好ましい。アルカリ化合物は、水溶液として用いるのが、反応収率が高くなるため好ましい。水溶液とする場合、水に対して、アルカリ化合物を1〜20質量%とするのが好ましい。
製造方法1は、溶媒の存在下に実施するのが好ましい。溶媒を用いた場合には、生成した化合物(1X)の安定性が向上する利点がある。溶媒としては、化合物(1X)および過酸化水素が可溶な溶媒が好ましく、これらの化合物の溶解性が高く、化合物(1X)に対して不活性な溶媒であることから、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳香族溶媒が好ましい。溶媒は1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
ハロゲン化脂肪族溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ヘプタフルオロシクロペンタン等が挙げられる。
ハロゲン化芳香族溶媒の具体例としては、ベンゾトリフルオリド、ヘキサフルオロキシレン、ペンタフルオロベンゼン等が挙げられる。
製造方法1は、アルカリ化合物の水溶液に溶媒を添加し、つぎに過酸化水素の水溶液(以下、過酸化水素水という。)を添加した後、化合物(1X)を添加する方法によるのが好ましい。
製造方法1における、化合物(1X)と化合物(1B)の量比は、化合物(1X)に対して化合物(1B)を0.8〜1.2倍モル用いるのが好ましい。過酸化水素は、化合物(1X)および化合物(1B)の総量に対して0.3〜20倍モル用いるのが好ましく、0.5〜10倍モル用いるのが特に好ましい。アルカリ化合物は、化合物(1X)および化合物(1B)の総量に対して0.3〜10倍モルが好ましく、0.5〜7倍モルが特に好ましい。過酸化水素およびアルカリ化合物を前記の量で用いた場合には、短時間で、化合物(B)をより高収率で製造できる利点がある。
製造方法1における反応温度は−30〜+50℃が好ましい。反応温度を−30℃以上とすることにより反応時間が短縮でき、+50℃以下とすることにより化合物(1X)の分解が防止できるため収率が高くなる利点がある。
製造方法1における反応時間は0.5〜10時間が好ましい。該反応時間とすることにより高収率かつ高効率で反応を実施できる。
製造方法1において、反応溶媒を用いた場合には、反応終了後の反応粗液は水相および有機相に分離し、かつ、化合物(B)は有機相側に含まれる。よって、有機相を分離、回収、および通常の後処理操作を行うことにより、化合物(B)を得ることができる。後処理操作においては、有機相を水および炭酸水素ナトリウム等を用いて洗浄し、硫酸ナトリウム等の脱水剤で脱水することが好ましい。化合物(B)を溶媒溶液の形態で用いる場合には、反応溶媒の一部を分離することなく残してもよい。
[製造方法1−1]
下式(1X)で表される化合物と過酸化水素とをアルカリ化合物の存在下に反応させて下式(B−10)で表される化合物を得る方法
−CH−C(=O)−X・・・(1X)
−CH−C(=O)−O−O−C(=O)−CH−R・・・(B−10)
ただし、RおよびXは、前記と同じ意味を示す。Xはフッ素原子または塩素原子が好ましい。
製造方法1における化合物(1B)の代わりに化合物(1X)を用いた場合には、本発明の化合物(1)として、分子内で対称構造を有するホモ型のジアシルペルオキシド化合物が製造できる。
製造方法1−1は、製造方法1と同様に実施できる。過酸化水素は、化合物(1X)量に対して0.3〜20倍モル用いるのが好ましく、0.5〜10倍モル用いるのが特に好ましい。アルカリ化合物は、化合物(1X)量に対して0.3〜10倍モルが好ましく、0.5〜7倍モルが特に好ましい。
[製造方法2]
下式(1X)で表される化合物と、下式(1B)で表される化合物と、無機過酸化物とを反応させて、下式(B)で表される化合物を得る方法。
−CH−C(=O)−X・・・(1X)
−C(=O)−X・・・(1B)
−CH−C(=O)−O−O−C(=O)−R・・・(B)
、X、RおよびRは前記と同様の意味を表す。
製造方法2は、化合物(1)のRが基(B)である場合の製造方法である。
製造方法2における無機過酸化物としては、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化バリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウムおよび過炭酸バリウムからなる群より選択される一種以上であるのが好ましい。無機過酸化物も水溶液で用いるのが好ましい。水溶液とする場合には、水に対する無機過酸化物量を1〜20質量%とするのが好ましい。
製造方法2における反応は、溶媒の存在下に実施するのが好ましい。反応溶媒を用いた場合には、生成した化合物(B)の安定性が向上する利点がある。溶媒としては、製造方法1において用いうるものと、同様のものが挙げられる。
製造方法2は、無機過酸化物に溶媒を添加し、つぎに、化合物(1X)および化合物(1B)を添加する方法によるのが好ましい。
製造方法2においては、化合物(1X)および化合物(1B)の総量に対して無機過酸化物を0.3〜20倍モル用いるのが好ましく、0.5〜15倍モル用いるのが、短時間で高収率で反応が実施できることから好ましい。反応温度は−30〜+50℃が好ましい。また、反応時間は0.5〜10時間が好ましい。
反応により得た反応粗液は、水等を用いて洗浄して、未反応の無機過酸化物を除去しておくことが好ましい。
[製造方法2−1]
下式(1X)で表される化合物と過酸化水素とをアルカリ化合物の存在下に反応させて下式(B−10)で表される化合物を得る方法
−CH−C(=O)−X・・・(1X)
−CH−C(=O)−O−O−C(=O)CH−R・・・(B−10)
およびXは前記と同様の意味を表す。
製造方法2における化合物(1B)の代わりに化合物(1X)を用いた場合には、本発明の化合物(1)として、分子内で対称構造を有するホモ型のジアシルペルオキシド化合物が製造できる。
製造方法2−1は、製造方法2と同様に実施できる。無機過酸化物は、化合物(1X)量に対して0.3〜20倍モル用いるのが好ましく、0.5〜10倍モル用いるのが特に好ましい。反応温度は−30〜+50℃が好ましい。また、反応時間は0.5〜10時間が好ましい。
[製造方法3]
下式(1X)で表される化合物と、下式(1C)で表される化合物と、過酸化水素とを、アルカリ化合物の存在下で反応させ、下式(C−1)で表される化合物を得る方法。
−CH−C(=O)−X・・・(1X)
−O−C(=O)−X・・・(1C)
−CH−C(=O)−O−O−C(=O)−O−R・・・(C−1)
ただし、X、RおよびRは前記と同様の意味を表す。Xはフッ素原子、塩素原子または臭素原子を示す。
製造方法3は、化合物(1)のRが基(C)である場合の製造方法である。
製造方法3は、製造方法1における化合物(1B)の代わりに化合物(1C)を用いることにより、同様に実施できる。製造方法3における化合物(1C)は、市販品または公知の化合物から公知の製造方法を用いた誘導体化により入手できる。
[製造方法4]
下式(1X)で表される化合物と下式(1C)で表される化合物と、無機過酸化物とを反応させて、下式(C−1)で表される化合物を得る方法。
−CH−C(=O)−X・・・(1X)
−O−C(=O)−X・・・(1C)
−CH−C(=O)−O−O−C(=O)−O−R・・・(C−1)
、X、RおよびRは前記と同様の意味を表す。
製造方法4は、化合物(1)のRが基(C)である場合の製造方法である。製造方法4は、製造方法2における化合物(1X)の代わりに化合物(1C)を用いることにより、同様に実施できる。
[製造方法5]
式(4X)で表される化合物と、式(1A)で表される化合物とを有機塩基の存在下に反応させて、下式(A)で表される化合物を得る方法。
−CH−C(=O)−X・・・(4X)
−OOH・・・(1A)
−CH−C(=O)−O−O−R・・・(A)
ただし、RおよびRは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示し、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
製造方法5は、化合物(1)におけるRが基(A)である場合の製造方法である。
製造方法5における化合物(4X)は市販品を用いることができる。製造方法5における化合物(1A)は、市販品または公知の化合物から公知の製造方法を用いた誘導体化により入手できる。
有機塩基としては、有機アミン類、フォスファゼン誘導体が好ましく、有機アミン類が特に好ましい。有機アミン類としては、トリアルキルアミン等の脂肪族アミンが好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリイソブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、2−フェニルピリジン、テトラメチルピペリジン、ジ−t−ブチルピリジンなどが挙げられる。
製造方法5は、溶媒の存在下に実施するのが好ましい。該溶媒としては、製造方法1における溶媒と同様である。
製造方法5は、化合物(4X)と溶媒に、化合物(1A)を加えて撹拌し、つぎに、有機塩基を滴下して加えることにより実施できる。化合物(1A)は、そのまま用いる、または、水溶液として用いるのが好ましく、そのまま用いるのが好ましい。水溶液とする場合、化合物(1A)に対する水の量は0超〜50質量%が好ましい。
製造方法5における化合物(4X)と化合物(1A)の量比は、化合物(4X)に対して化合物(1A)が0.3〜20倍モルが好ましく、0.5〜15倍モルが特に好ましい。該範囲とすることにより化合物(A)を短時間かつ高収率で製造できる。有機塩基は、化合物(4X)に対して0.3〜20倍モル用いることが好ましく、0.5〜15倍モル用いることが特に好ましい。反応温度は−30〜+50℃が好ましい。反応時間は0.5〜10時間が好ましい。
反応により得た反応粗液は、水等を用いて洗浄し、未反応の化合物(1A)と有機塩基を除去することが好ましい。
本発明の化合物(1)は、入手容易な原料を用いて、短い工程で製造できる化合物である。
(含フッ素重合体の製造方法)
本発明の化合物は、通常のペルオキシド化合物の用途として知られる用途に用いうるが、重合体末端への含フッ素基導入剤、芳香族環への含フッ素基導入剤、架橋前のプレポリマーを含む樹脂の硬化剤、重合開始剤などに使用され、特に重合開始剤として有用であり、含フッ素の重合性単量体を重合させる際に用いる重合開始剤としてとりわけ有用である。
すなわち、本発明は式(1)で表される含フッ素有機過酸化物からなる重合開始剤を用いて、含フッ素モノマーの1種以上を含む重合性単量体を重合させる、含フッ素重合体の製造方法を提供する。
該製造方法としては、式(1)で表される含フッ素有機過酸化物からなる重合開始剤を用いて、重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(以下、含フッ素モノマーとも記す。)の1種以上を含む重合性不飽和基を有する化合物をラジカル重合させる、含フッ素重合体の製造方法が好ましい。
本発明の重合開始剤を用いた製造方法においては、含フッ素重合体と重合開始剤との相溶性が高いことから、白濁、着色、発泡が抑制され、均一かつ透明性の高い重合体が得られる。
含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ペルフルオロ(アルケニルビニルエーテル)、含フッ素環状オレフィン等の、官能基を持たない含フッ素モノマー、これらの化合物の水素原子またはフッ素原子の1個以上が官能基に置換された、官能基を持つ含フッ素モノマー等が挙げられる。
官能基を持たない含フッ素モノマーの例としては、つぎの例が挙げられる。
テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフルオリド、トリフルオロエチレン、1、2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、3、3、3−トリフルオロプロパン、2−トリフルオロメチル−3、3、3−トリフルオロ−1−プロペン、ペルフルオロ(ブチルエチレン)等のフルオロオレフィン。
ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)。
ペルフルオロ(1、3−ジオキソール)、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等のペルフルオロ(アルケニルビニルエーテル)。
ペルフルオロ(2、2−ジメチル−1、3−ジオキソール)、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1、3−ジオキソラン)等のエーテル性酸素原子含有環状ペルフルオロオレフィン。
(ペルフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリレート、(ペルフルオロヘプチル)エチルアクリレート、(ペルフルオロオクチル)エチルアクリレート等のペルフルオロアルキル(メタ)アクリレート(ただし、本明細書における(メタ)アクリレートとは、アクリレートと(メタ)アクリレートとの総称である。)。
α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、α−トリフルオロメチルスチレン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、ペルフルオロ(スチレン)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−α−メチルスチレン等のフルオロスチレン。
官能基を持つ含フッ素モノマーとしては、下式(M)で表される化合物が好ましい。
CY=CY−Q−Z・・・(M)
ただし、Y、Y、およびYは、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を示す。
は、炭素数1〜20の含フッ素アルキレン基、または、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する含フッ素アルキレン基を示し、炭素数1〜20のペルフルオロアルキレン基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20のペルフルオロオキシアルキレン基が好ましい。
Zは、官能基、または、官能基を有する基を示し、−CHOH、−COOH、−SOF、−CHOCN、または−CHPOHが好ましい。
重合性単量体は、前記含フッ素モノマーの1種以上からなる、または、前記含フッ素モノマーの1種以上とフッ素を含まない化合物(以下、非フッ素系モノマーとも記す)の1種以上からなるのが好ましい。非フッ素系モノマーとしては、ラジカル重合性の不飽和基を有する非フッ素系モノマーとが特に好ましい。
非フッ素系モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、酢酸ビニル等のビニルエステル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類が挙げられる。
重合性単量体として、含フッ素モノマーの1種以上と非フッ素系モノマーとの1種以上を用いる場合においては、全モノマー量に対する含フッ素モノマーの割合を30モル%以上とすることが好ましく、45モル%以上とすることがより好ましく、50モル%以上とすることが、重合開始剤との相溶性が向上する点で特に好ましい。
重合開始剤の量は、全モノマー量に対して 0.1〜5質量%とするのが好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。
重合体の製造方法としては、重合開始剤を、含フッ素モノマー、または、含フッ素モノマーと非フッ素系モノマーに添加することにより実施する方法が好ましい。反応圧力は、常圧、または、加圧が好ましい。重合温度は0〜250℃が好ましく、30〜150℃とがより好ましい。重合温度が30℃以上であれば、重合時間を短くでき、重合体の生産性が向上し、150℃以下であれば、温度制御が容易になる。重合時間は、工業的な観点から、30分〜20時間が好ましく、1〜10時間がより好ましい。
本発明の重合開始剤をバルク重合に用いた場合には、白濁、着色、発泡が抑制され、均一かつ透明性の高い重合体が得られるため好ましい。また本発明の重合開始剤は、溶液重合に用いることもできる。溶液重合を実施する場合の溶媒としては、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳香族溶媒が好ましい。これらの溶媒の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。また溶媒は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。溶媒量は、溶媒と重合会資材の総量に対して0.1〜30質量%が好ましい。有機過酸化物の濃度が0.1質量%以上とすると重合体の生産性がより高くなり、30質量%以下とすると所望の分子量の重合体を容易に製造できる利点がある。
得られた重合体を含む反応粗生成物は、再沈殿法、カラムクロマトグラフィー等の公知の方法で精製することにより、高純度の重合体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[例1]F(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)−CH(CFFの合成例
温度計と滴下ロートを備えた3つ口フラスコ中で、イオン交換水(20.1g)に水酸化ナトリウム(1.2g、純度97%)を溶解させ、氷浴により該フラスコの温度を約0℃に調節した。ついで、フラスコ内に30質量%のH水溶液(4.5g)を導入した。次に、滴下ロートによりCFCFCHClとCFClCFCHFClとの混合溶媒(69.8g)にF(CFCHC(=O)Cl(5.1g、純度89%)を溶解させた溶液を導入した。滴下は8時間かけて行い、フラスコ内の温度は5℃以下となるよう氷浴を続けた。
さらに室温で1時間撹拌した後、水相と有機相が分離するまで静置した。有機相のガスクロマトグラフィー分析により、原料の消失を確認した。有機相を分液ロートにより分離、回収し、回収した有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液およびイオン交換水により洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水して、F(CFCHC(=O)O−O−C(=O)CH(CFFの溶液(50.1g)を得た。該溶液を例2において用いた。
得られた溶液においてヨードメトリー法により求めた収率は23%であった。溶液の一部を窒素ガスの流通により揮発させ、得られた固体の熱重量分析と示差熱分析を同時に行ったところ、143℃で重量が半減して鋭い発熱ピークが見られた。これら熱分析は乾燥空気下、昇温速度10℃/minで行った。得られた固体のNMRとIRの結果から、標記化合物の構造を同定した。
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CFClCFCl,内部標準:ニトロベンゼン 7.5ppm(パラ位))δ(ppm):3.22−3.40(t,4H)。
19F−NMR(282.65MHz, 溶媒:CFClCFCl,内部標準:ヘキサフルオロベンゼン −162.5ppm)δ(ppm):−81.2(6F),−111.0(4F),−121.9(4F),−122.9(8F),−126.4(4F)。
IR νC=O:1826cm−1、1805cm−1
[例2]F(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)−CH(CFFを重合開始剤として用いた重合体の合成例
例1で得たF(CFCHC(=O)O−O−C(=O)CH(CFFの溶液(5mL)をサンプル瓶に入れ、窒素ガスを流通させることにより乾燥させ、0.0077gの固体を得た。該固体に下式で表されるモノマー(0.36g)を加えて、サンプル瓶に蓋をした。このサンプル瓶を2日間70℃のオーブンに入れ、ガラス瓶を壊して重合体を取り出した。目視で無色透明であり、白濁も、発泡も認められない、円柱状の硬い固体を得た。
Figure 2010195937
[例3]F(CF−CH−C(=O)O−O−Bu(Buは、ターシャリーブチル基を示す)の合成例
撹拌子を入れた容積(20mL)のサンプル瓶にF(CF−CH−C(=O)−Cl(0.01mol)を入れ、CFCFCHClとCFClCFCHFClとの混合溶媒を(5g)入れる。さらにBuOOH(70%水溶液、0.9g)とイオン交換水(2mL)を加える。サンプル瓶を氷水で冷やしながら撹拌し、トリエチルアミン(0.5mL)を滴下する。滴下後、一晩室温で撹拌する。有機相をイオン交換水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。ヨードメトリー法、IR測定、NMR測定により標記化合物の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):3.3付近(t、2H),1.2付近(s、9H)。
19F−NMR δ(ppm):−81付近(3F),−111付近(2F),−122付近(2F),−123付近(4F),−126付近(2F)。
IR νC=O:1800cm−1付近。
[例4]F(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)OCの合成例
例1における「F(CF−CH−C(=O)−Cl(5.1g)」を、「F(CF−CH−C(=O)−Cl(2.5g)とClC(=O)OC(0.6g)との混合物」に変更すること以外は、同様に反応を行い、生成物の溶液を得る。該溶液のカラムクロマトグラフィーを行い標記化合物を単離する。ヨードメトリー法、IR測定、NMR測定により標記化合物の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):4.1付近(q、2H),3.3付近(t、2H),1.3付近(t、3H)。
19F−NMR δ(ppm):−81付近(3F),−111付近(2F),−122付近(2F),−123付近(4F),−126付近(2F)。
IR νC=O:1800cm−1付近、1700cm−1付近。
[例5]F(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)−CH(CFFの合成例
例1における「F(CF−CH−C(=O)−Cl」を、「F(CF−CH−C(=O)−Cl(3.4g)」に変更すること以外は、同様に反応を行い、生成物の溶液を得る。該溶液のカラムクロマトグラフィーを行い標記化合物を単離する。ヨードメトリー法、IR測定、NMR測定により標記化合物の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):3.3付近(4H)。
19F−NMR δ(ppm):−81付近(6F),−111付近(4F),−123付近(4F),−126(4F)。
IR νC=O:1825cm−1付近,1805cm−1付近。
[例6]F(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)−CH(CFFを開始剤として用いた重合体の合成例
例2において「F(CFCHC(=O)O−O−C(=O)CH(CFFの溶液」を、例5で得るF(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)−CH(CFFの溶液に変更すること以外は、同様に反応を行い、重合体を得る。得られる重合体は、目視では無色透明であり、白濁も、発泡も無い円柱状の硬い固体である。
[例7]F(CFCH−C(=O)O−O−C(=O)CF(CF)O(CFFの合成例
例4における「ClC(=O)OC」の代わりに「F(CFOCF(CF)C(=O)F(1.8g)」を用いて、生成物の溶液を得る。該溶液のカラムクロマトグラフィーを行い標記化合物を単離する。ヨードメトリー法、IR測定、NMR測定により標記化合物の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):3.3付近(2H)。
19F−NMR δ(ppm):−79付近(1F),−81付近(9F),−86付近(1F),−111付近(2F),−122付近(2F),−123付近(4F), −126付近(2F),−129付近(2F),−131付近(1F)。
IR νC=O:1825cm−1付近,1805cm−1付近。
[例8]F(CFOCF(CF)CHC(=O)O−OC(=O)CHCF(CF)O(CFFの合成例
F(CFOCF(CF)C(=O)F(67g)に、LiI(40g)を加え、170℃で20時間加熱し、F(CFOCF(CF)Iを得る。F(CFOCF(CF)I(12g)を耐圧容器に入れ、1gのCH=CHを加えて、200℃で10時間加熱し、F(CFOCF(CF)CHCHIを得る。
つぎにF(CFOCF(CF)CHCHI(4.4g)、N,N−ジメチルホルムアミド(22g)、水(2g)を100mL振騰管に入れ、140℃で6時間振騰しながら反応させる。反応混合物を冷却後に水洗し、油層を取り分けて蒸留し、F(CFOCF(CF)CHCHOHを単離する。
つぎにF(CFOCF(CF)CHCHOH(7g)を31gのアセトンに溶解し、溶液温度を5〜10℃に保ちながら、Jones試薬(酸化クロム(VI)5.9g、濃硫酸8.6g、イオン交換水16g)を滴下する。滴下後、室温で一晩撹拌する。2−プロパノール(2g)を加えて過剰の酸化剤を還元する。希塩酸を滴下し、減圧下でアセトンを除去し、エーテル抽出によりF(CFOCF(CF)CHC(=O)OHを得る。
つぎにF(CFOCF(CF)CHC(=O)OH(6g)、脱水ジエチルエーテルの混合物に五酸化リン3.7gを加えて3時間撹拌する。蒸留によりF(CFOCF(CF)CHC(=O)Clを単離する。
つぎに、例1における「F(CF−CH−C(=O)−Cl」を、「F(CFOCF(CF)CHC(=O)Cl」に変更して、例1と同様に反応を行い、標記化合物を得る。IR測定、NMR測定により標記化合物の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):3.3付近(4H)。
19F−NMR δ(ppm):−79付近(2F),−81付近(12F),−85付近(2F),−129付近(4F),−131付近(2F)
IR νC=O:1825cm−1付近,1805cm−1付近。
[例9](F(CFOCF(CF)−CH−C(=O)−O−)を開始剤として用いた重合体の合成例
例2におけるF(CFCHC(=O)O−O−C(=O)CH(CFFの溶液を、例8で得る(F(CFOCF(CF)−CH−C(=O)−O−)の溶液に変更して同様に反応を行い、重合体を得る。得られる重合体は、目視で無色透明で白濁も発泡も無い、円柱状の硬い固体である。
[例10]下記化合物(10−2)の合成例
例1における「F(CF−CH−C(=O)−Cl(5.1g)」を、「F(CF−CH−C(=O)−Cl(2.5g)と化合物(10−1)(1.6g)」に変更し、例1と同様の反応を行い、生成物の溶液を得る。該溶液のカラムクロマトグラフィーを行い化合物(10−2)を単離する。ヨードメトリー法、IR測定、NMR測定により標記化合物の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):3.3付近(t,2H)。
19F−NMR δ(ppm):−79付近(1F),−81付近(3F),−92付近(1F),−111〜−141付近(17F)。
IR νC=O:1825cm−1付近,1805cm−1付近。
Figure 2010195937
[例11]下記化合物(11−2)の合成例
例8における「F(CFOCF(CF)C(=O)F(67g)」を、下記化合物(11−1)に変更して同様に反応を行い、生成物の溶液を得る。該溶液のカラムクロマトグラフィーを行い標記化合物を単離する。IR測定、NMR測定により化合物(11−2)の生成を確認する。
H−NMR δ(ppm):3.3付近(t,4H)。
19F−NMR δ(ppm):−79付近(2F),−92付近(2F),−111〜−141付近(14F)。
IR νC=O:1825cm−1付近,1805cm−1付近。
Figure 2010195937
[例12]化合物(11−2)を重合開始剤として用いた重合体の合成例
例2におけるF(CFCHC(=O)O−O−C(=O)CH(CFFの溶液を、例11で得る化合物(11−2)に変更して同様に反応を行い、重合体を得る。得られる重合体は、目視で無色透明で白濁も発泡も無い、円柱状の硬い固体である。

Claims (7)

  1. 下式(1)で表される含フッ素有機過酸化物。
    −CH−C(=O)O−O−R・・・(1)
    ただし、
    :ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
    は、下記基(A)、下記基(B)、または下記基(C)。
    基(A):Rで表される基(ただし、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基、または式−(CHで表される基(ただし、xは1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基を示す。)。
    基(B):式−C(=O)−Rで表される基(ただし、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、または該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基。)。
    基(C):式−C(=O)−O−Rで表される基(ただし、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、炭素数3〜8の含フッ素アルキル基、および炭素数3〜8の含フッ素シクロアルキル基から選ばれる基、または該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基。)。
  2. 下式(A−1)で表される含フッ素有機過酸化物。
    −CH−C(=O)O−O−RA1・・・(A−1)
    ただし、
    :ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
    A1:アルキル基、シクロアルキル基、および炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基、該選ばれる基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基、または式−(CHで表される基(ただし、xは1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す。)。
  3. 下式(B−1)で表される含フッ素有機過酸化物。
    −CH−C(=O)O−O−C(=O)−RB1・・・(B−1)
    ただし、
    :ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
    B1:アルキル基、シクロアルキル基、または式−(CHで表される基(ただし、yは0または1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す。)を示す。
  4. 下式(C−1)で表される含フッ素有機過酸化物。
    −CH−C(=O)O−O−C(=O)−O−RC1・・・(C−1)
    ただし、
    :ペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されたペルフルオロシクロアルキル基から選ばれる基であり、かつ、炭素数3〜8の基。
    C1:アルキル基、シクロアルキル基、または式−(CHで表される基(ただし、yは0または1以上の整数を示し、Rは炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロアルキル基、炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基、または炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数3〜8のペルフルオロシクロアルキル基を示す。)を示す。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素有機過酸化物からなる重合開始剤。
  6. 請求項5に記載の重合開始剤を用いて含フッ素モノマーの1種以上を含む重合性単量体を重合させる、含フッ素重合体の製造方法。
  7. 重合開始剤量が、重合性単量体の総量に対して0.1〜5質量%である請求項6に記載の製造方法。
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