JP2003303513A - プロトン伝導体及びその製造方法、プロトン伝導性高分子及びその製造方法、プロトン伝導性高分子組成物、並びに電気化学装置 - Google Patents

プロトン伝導体及びその製造方法、プロトン伝導性高分子及びその製造方法、プロトン伝導性高分子組成物、並びに電気化学装置

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JP2003303513A JP2002175284A JP2002175284A JP2003303513A JP 2003303513 A JP2003303513 A JP 2003303513A JP 2002175284 A JP2002175284 A JP 2002175284A JP 2002175284 A JP2002175284 A JP 2002175284A JP 2003303513 A JP2003303513 A JP 2003303513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度のプロトン伝導性を有し、電気化学装置
で求められる条件のもとで、熱的ばかりでなく化学的に
も安定なフラーレン系プロトン伝導体、プロトン伝導性
高分子及びプロトン伝導性高分子組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 フラーレン分子と;前記フラーレン分子
に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてなるスペ
ーサー分子と;前記スペーサー分子に付加したプロトン
(H+)伝導性官能基と;からなる、プロトン伝導体。
複数のプロトン伝導体と、複数の前記プロトン伝導体の
間を連結した少なくとも1個の連結分子とからなり、前
記プロトン伝導体が、フラーレン分子と、前記フラーレ
ン分子に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてな
るスペーサー分子と、前記スペーサー分子に付加したプ
ロトン伝導性官能基とからなる、プロトン伝導性高分
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロトン伝導体及
びその製造方法、プロトン伝導性高分子及びその製造方
法、プロトン伝導性高分子組成物、並びに電気化学装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最も広く使用されているプロトン伝導体
の1つはNafion(パーフルオロスルホン酸樹脂、
DoPont社製)であり、これはパーフルオロ化され
たスルホン酸官能性高分子である。Nafionの構造
は図3に示されていて、本質的に2つのサブ構造体に分
割できる。i)パーフルオロ化された線状主鎖12、及
びii)スルホン酸官能基を含むパーフルオロ化された側
鎖14、即ちプロトン供与サイト。この構造は、許容で
きるプロトン伝導性が、化学的影響ばかりでなく熱的影
響に対しても極めて不活性となる組み合わせである。
【0003】さらに、図4に示すような、固体構造内で
プロトンを伝導できる硫酸エステル(−OSO3H)又
はスルホン酸基(−SO3H)のような酸性官能基を含
む1から6のフラーレン化合物((A)〜(F))が、
本出願人によって既に提案されている。このようなプロ
トン供与サイトは、直接でも、或いは種々のスペーサー
分子を経由してもフラーレン核に付加することができ
る。結晶内に含まれる水の量により、これらの化合物
は、10-2S/cm超のプロトン伝導率を発現する。
【0004】しかしながら、これらのフラーレン系材料
は幾つかの欠点を抱えている。最も大きい欠点は、熱的
及び/又は化学的分解に対する耐性に欠けることであ
る。1つの例として、図4の(F)に示すようなブチル
連結型フラーレロスルホン酸(butyl-linked fullerosu
lfonic acid)(図4Fの化合物)は、約100〜11
0℃で早くも分解し始める。しかし、熱的及び化学的安
定性は、燃料電池の用途に使用されるいずれの化合物に
も必須である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの目的
は、従来技術の前記の欠点を解決することであって、高
度のプロトン伝導性を有し、電気化学装置で求められる
条件のもとで、熱的ばかりでなく化学的にも安定なフラ
ーレン系プロトン伝導体、プロトン伝導性高分子及びプ
ロトン伝導性高分子組成物(以下、フラーレン系プロト
ン伝導性材料と称することがある。)を提供することが
本発明の1つの目的である。
【0006】本発明のもう1つの目的は、向上したプロ
トン伝導性能を有するフラーレン系プロトン伝導性材料
を提供することである。
【0007】本発明の尚、もう1つの目的は、電気化学
装置に求められる条件のもとで熱的及び化学的に安定な
フラーレン系プロトン伝導性材料を提供することであ
る。例えば、昇温脱離(TPD)による測定で約200
℃の熱安定性を有することにより、約80°ないし約9
0℃の使用環境で工業的に有用な寿命で使用できるフラ
ーレン系プロトン伝導性材料を提供することが本発明の
目的である。
【0008】本発明の別の目的は、前述のフラーレン系
プロトン伝導性材料ばかりでなく、その高分子フィルム
も製造する方法を提供することである。
【0009】そして、本発明の更に別の目的は、許容出
来る伝導率、自己加湿特性ばかりでなく、向上した熱的
及び化学的安定性も有する電気化学装置を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フラー
レン分子と;前記フラーレン分子に付加し、少なくとも
一部分がフッ素化されてなるスペーサー分子と;前記ス
ペーサー分子に付加したプロトン(H+)伝導性官能基
と;からなる、プロトン伝導体に係るものである。
【0011】また、複数のプロトン伝導体と、複数の前
記プロトン伝導体の間を連結した少なくとも1個の連結
分子とからなり、前記プロトン伝導体が、フラーレン分
子と、前記フラーレン分子に付加し、少なくとも一部分
がフッ素化されてなるスペーサー分子と、前記スペーサ
ー分子に付加したプロトン伝導性官能基とからなる、プ
ロトン伝導性高分子に係るものである。
【0012】また、前記のプロトン伝導性高分子と;水
分が存在することなくプロトン伝導性を高めることがで
きる化合物と;を含むことを特徴とする、プロトン伝導
性高分子組成物に係るものであり、さらに、前記のプロ
トン伝導性高分子と、ゲル物質とからなる、プロトン伝
導性高分子組成物に係るものである。
【0013】また、本発明は、フラーレン分子と、少な
くとも一部分がフッ素化され、酸前駆体基を有するスペ
ーサー分子前駆体とを組み合わせて第1反応生成物を形
成する第1工程と;前記第1反応生成物を加水分解して
第2反応生成物を形成する第2工程と;前記第2反応生
成物をプロトン化して、前記フラーレン分子と、前記フ
ラーレン分子に付加し、少なくとも一部分がフッ素化さ
れてなるスペーサー分子と、前記スペーサー分子に付加
したプロトン伝導性官能基とからなるプロトン伝導体を
形成する第3工程と;を有する、プロトン伝導体の製造
方法に係るものである。
【0014】また、フラーレン分子と、少なくとも一部
分がフッ素化され、酸前駆体を有するスペーサー分子前
駆体とを組み合わせて複数の第1反応生成物を形成する
第1工程と;前記第1反応生成物と連結分子前駆体を混
合し、前記連結分子前駆体の1種から形成される連結分
子により前記第1反応生成物同士が前記連結分子を介し
て結合されてなる、第2反応生成物を形成する第2工程
と;前記第2反応生成物をプロトン化して、複数のプロ
トン伝導体と、複数の前記プロトン伝導体の間を連結し
た少なくとも1個の連結分子とからなり、前記プロトン
伝導体が、前記フラーレン分子と、前記フラーレン分子
に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてなるスペ
ーサー分子と、前記スペーサー分子に付加したプロトン
伝導性官能基とからなる、網状構造のプロトン伝導性高
分子を形成する第3工程と;を有する、プロトン伝導性
高分子の製造方法に係るものである。
【0015】さらに、フラーレン分子と、少なくとも一
部分がフッ素化されたスペーサー分子前駆体と、連結分
子前駆体とを組み合わせて複数の架橋型第1反応生成物
を形成する第1工程と;前記架橋型第1反応生成物をプ
ロトン化して、複数のプロトン伝導体と、複数の前記プ
ロトン伝導体の間を連結した少なくとも1個の連結分子
とからなり、前記プロトン伝導体が、前記フラーレン分
子と、前記フラーレン分子に付加し、少なくとも一部分
がフッ素化されてなるスペーサー分子と、前記スペーサ
ー分子に付加したプロトン伝導性官能基とからなる、網
状構造のプロトン伝導性高分子を形成する第2工程と;
を有する、プロトン伝導性高分子の製造方法に係るもの
である。
【0016】本発明によれば、少なくとも一部分がフッ
素化された前記スペーサー分子により、前記プロトン伝
導性官能基を前記フラーレン分子と結合することにより
前記及びその他の目的並びに長所を達成する。
【0017】例えば、本発明のフラーレン系プロトン伝
導性材料によれば、単位原子量当たり極めて多数の前記
プロトン伝導性官能基を有するので、高度のプロトン伝
導性を達成する。即ち、Nafionは原子量約110
0単位当たり1個のプロトン供与サイトを含むのが普通
であるのに対して、平均10個のプロトン伝導基を有す
るC60等のフラーレン分子は、この割合が約3倍に増大
し(即ち、原子量約370単位当たり平均1個のプロト
ン供与サイトを有する)、重量に対する前記プロトン伝
導性官能基の比率が著しく高くなる。
【0018】さらに、本発明のフラーレン系プロトン伝
導性材料は、前記プロトン伝導性官能基を少なくとも一
部分がフッ素化された前記スペーサー分子を介して前記
フラーレン主鎖に結合することにより、上述したよう
な、従来のフラーレン系プロトン伝導体の熱的及び化学
的安定性よりも高度の熱的及び化学的安定性を達成す
る。
【0019】また、本発明は、第1極と、第2極と、前
記第1極と前記第2極との間に挟持されている、本発明
のプロトン伝導性高分子又はプロトン伝導性高分子組成
物とからなり、前記プロトン伝導性高分子又はプロトン
伝導性高分子組成物がプロトンを前記第1極から前記第
2極へ伝導する、電気化学装置に係るものである。
【0020】本発明の電気化学装置によれば、本発明の
フラーレン系プロトン伝導性材料を含むプロトン交換膜
を内部に利用することにより、向上した熱的及び化学的
安定性を有する電気化学装置を得る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて更に具体的に説明する。
【0022】本発明における前記した目的やその他の目
的及び長所は、図面を参照して本発明の好ましい例示の
実施形態を詳細に説明することにより更に明らかにす
る。
【0023】本発明に基づくプロトン伝導体は、前記プ
ロトン伝導性官能基に順次付加される少なくとも1個の
前記スペーサー分子に付加される前記フラーレン分子で
具体化される。例えば、前記フラーレン分子当たり2個
以上の前記スペーサー分子と2個以上の前記プロトン伝
導性官能基が存在することが可能である。
【0024】また、前記の各スペーサー分子と各プロト
ン伝導性官能基は、前記の各フラーレン分子において同
種であることが比較的普通であるけれども、そのような
ことは必須ではない。即ち、前記の各フラーレン分子
は、複数の異なる前記スペーサー分子を有していてもよ
い。また同様にして、複数の異なる前記プロトン伝導性
官能基が、同じタイプの前記スペーサー分子によって
も、或いは異なるタイプの前記スペーサー分子によって
も前記フラーレン分子に付加されてよい。
【0025】一般的に、前記フラーレン分子は炭素原子
から作られ、ほぼ球形を有する分子である。本発明に用
いられる前記フラーレン分子として、いずれの周知のフ
ラーレン分子も使用できる。例えば、フラーレン分子に
は、C36、C60、C70、C76、C78、C82、C84
90、C96、C266等が例として挙げられる。現在は、
フラーレン分子は妥当な価格で容易に購入できること、
そして一般的に、フラーレン分子の寸法が増すにつれ
て、その反応性は低下するのでC60及びC70又はそれら
の混合物が特に好適に使用可能である。前記フラーレン
分子は、プロトンキャリアが移動する方向とは無関係に
一様な形状を有するので、前記フラーレン分子を使用す
るとプロトンの向上した移動度が発現され、それによっ
て本発明では高度のプロトン伝導性能が得られる。さら
に、例えば前記フラーレン分子は単位原子量当たり極め
て多数のプロトン伝導基を有することができるので、本
発明では高度のプロトン伝導性を達成する。
【0026】また、前記フラーレン分子は、例えば、ハ
ロゲン化物(F、Cl、Br等)、アルキル基及び/又
はアリール基、完全に若しくは一部分がフッ素化された
炭化水素、フッ素化されていない炭化水素、又はエーテ
ル、エステル、アミド、及びケトンのような、その他の
追加の官能基を付加することもできる。このような追加
基は、燃料電池装置に存在する、例えば遊離基と比較し
て、この材料に安定化の効果を及ぼすことができる。
【0027】また、これらの追加基は、フッ素原子の電
気陰性度によって起こる影響により及び/又は固体中に
含まれる水を疎水性フッ素化部位から離れている酢酸基
の周りの親水性基に分離することにより、プロトン伝導
性を高めることができる。
【0028】しかしながら、これらの追加の官能基があ
ると、前記フラーレン分子に付加できる前記スペーサー
分子の数は減ると共に、前記フラーレン分子に付加でき
る前記プロトン伝導性官能基の数は減る。従って、本発
明においては、前記フラーレン分子に前記のような追加
の官能基を付加させないことが好ましく、これにより前
記スペーサー分子の数及び前記プロトン伝導性官能基を
最適化することができる。しかしながら、本発明に基づ
くプロトン伝導体は分子として極めて水溶性なので、前
記スペーサー分子及び前記プロトン伝導性官能基が付加
されている前記フラーレン分子を架橋することにより、
プロトン伝導性高分子を形成するのが有用である。従っ
て、前記フラーレン分子に付加した前記スペーサー分子
の数は、後で考察するように、架橋型高分子を形成する
ために連結分子を前記フラーレン分子に付加する必要性
ともバランスしなければならない。
【0029】前記スペーサー分子としては、アルキル又
はアリールでもよく、少なくとも一部分がフッ素化され
ていることが特徴である。本発明に基づくプロトン伝導
体の全体にわたって付与されている、少なくとも一部分
がフッ素化された前記スペーサー分子の存在により、熱
的及び化学的安定性の向上を図ることができる。
【0030】また、本発明の好ましい実施の形態におい
て、前記スペーサー分子は、その他の原子又は基を含む
ことができる、完全に又は一部分がフッ素化された炭化
水素鎖であることが好ましい。例えば、前記スペーサー
分子の具体例としては、一部分がフッ素化された炭化水
素鎖、パーフルオロ化された炭化水素鎖、Cn2n(但
し、nは自然数である)、完全に又は一部分がフッ素化
された芳香族構造体(即ち、前記スペーサー分子のフッ
素化部分はCF2アルキルタイプに限定されない)、及
び図1(A)の化合物7に示しているようなCF2−C
2−O−CF2−CF2等を挙げることができる。
【0031】一般的に、前記スペーサー分子中のフッ素
原子が多くなればなる程、前記スペーサー分子はそれだ
け安定するが、部分フッ素化の場合には、安定性はF原
子及びH原子の位置によっても左右される。現在では、
CF2−CF2−O−CF2−CF2は、極めて安定であり
容易に購入できるので好ましい。しかしながら、一部分
がフッ素化された前記スペーサー分子は、パーフルオロ
化スペーサー分子より、コスト的に安価にすることがで
き、しかも燃料電池で使用するのに充分な安定性を発現
することができるので、この一部分がフッ素化された前
記スペーサー分子が有利となる場合もある。
【0032】即ち、例えば、図1(B)〜(D)に示し
ているように、前記スペーサー分子には以下に挙げるも
のが含有されていてよい。例えば、図1(B)の化合物
8に示しているような、各末端部にCF2分子を有する
非フッ素化スペーサー部分、図1(C)の化合物9に示
しているような、フラーレン分子とCF2分子との間に
結合された非フッ素化スペーサー部分、又は図1(D)
の化合物10に示しているような、一方の末端部ではC
2分子によって前記フラーレン分子に結合され、もう
一方の末端部では前記プロトン伝導性官能基に直接結合
されている非フッ素化スペーサー部分などである。
【0033】さらに、前記スペーサー分子は、例えば、
エーテル、エステル又はケトンのようなその他の官能基
を有していてもよく、これらを必要に応じて付加するこ
とができる。
【0034】前記プロトン伝導性官能基としては、周知
のいずれのプロトン伝導性官能基であってもよい。例え
ば、前記プロトン伝導性官能基としては、酸性官能基、
又は硫酸エステル、スルホン酸基、リン酸エステル及び
カルボン酸基からなる群より選ばれる基、或いはスルホ
ンアミド(−SO2NH2)などが使用可能である。しか
しながら、一般的に、酸は強ければ強いほど、好まし
い。従って、スルホン酸基が特に好ましい。
【0035】本発明に基づくプロトン伝導体は、下記に
示すような製造方法によって作製することができる。以
下に、本発明に基づくプロトン伝導体の製造方法を例示
する。
【0036】まず、前記フラーレン分子を、スペーサー
分子前駆体と組み合わせて第1反応生成物を形成する。
一般的に、このスペーサー分子前駆体は、前記フラーレ
ン分子に付加する結合末端部及び前記プロトン伝導性官
能基が最終的に形成される官能基前駆体末端部を含む。
次に、この第1反応生成物が加水分解されると、プロト
ンを受け入れるための第2反応生成物が形成される。最
後に、この第2反応生成物がプロトン化されると、目標
の化合物、即ち本発明に基づくプロトン伝導体としての
第3反応生成物が生成する。
【0037】即ち、より具体的には、以下のプロセス段
階を続けると、本発明に基づくプロトン伝導体を合成す
ることが可能である。
【0038】第1に、前記フラーレン分子を溶媒の中で
前記スペーサー分子前駆体と組み合わせる。一般的に、
前記スペーサー分子前駆体は、下記一般式(12)で表
される。 一般式(12):X−RF−Y (但し、前記一般式(12)において、XはCl、Br
又はIであり、RFは完全に又は一部分がフッ素化され
たスペーサーである。また、前記フラーレン分子に付加
された状態で、エーテル、エステル、リン酸エステル及
び/又はカルボン酸のようなその他の官能基を含んでい
てもよい。Yは、更に反応を行なって前記プロトン伝導
性官能基に転化される官能基、である。)
【0039】また、一般的に、溶媒混合物は、所望の反
応生成物を溶解することができるが、前記フラーレン分
子や低度の付加物を簡単に溶解できないような混合物な
ので、所望の反応生成物は、濾過又は遠心分離技術によ
り副生物及び未反応フラーレン分子から容易に分離する
ことができる。
【0040】次に、前記フラーレン分子、前記スペーサ
ー分子前駆体及び溶媒から成る混合物に、予め定められ
た反応時間、予め定められた反応温度のような予め定め
られた活性化エネルギーを与える。この予め定められた
活性化エネルギーは、例えば、加熱、光(UVでも可視
でもよい)の適用等のような、いずれの好適な方法によ
って供給してもよい。こうして、前記第1反応生成物
は、前記スペーサー分子前駆体と前記フラーレン分子の
組み合わせによって生成される。即ち、この第1反応生
成物の一般式は[フラーレン分子−RF−Y]である。
【0041】次に、未反応フラーレン分子及び溶媒に不
溶の望ましくないあらゆる副生物(例えば、低度の付加
物)は濾別される。
【0042】第2に、濾過した前記第1反応生成物は、
例えば、次のような塩基で加水分解される:MOH(但
し、Mはアルカリである);M2CO3のような炭酸塩
(但し、Mはアルカリである);又はMCO3のような
炭酸塩(但し、Mはアルカリ土類である)。これによ
り、一般式[フラーレン分子−RF−加水分解型分子]
の第2反応生成物が生成する。加えて、この加水分解プ
ロセスの後には過剰量の塩基が残るが、これはクロマト
グラフィーによってこの第2反応生成物から除去され
る。
【0043】第3に、この第2反応生成物をプロトン化
すると一般式[フラーレン分子−RF−プロトン伝導性
官能基]の第3反応生成物が生成する。これが本発明に
基づく目標とするプロトン伝導体である。前記第2反応
生成物は、例えば、カチオン交換膜の使用又は強い無機
酸の使用のような、いずれの好適な方法によってもプロ
トン化することができる。
【0044】以下に、本発明に基づくプロトン伝導体の
製造方法をより具体的に説明するが、本発明はこれに限
られるものではない(以下、同様)。
【0045】第1に、1当量のC60を、24当量のI−
CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F(スペーサ
ー分子前駆体)及びC66/CS2の1:1の溶液混合
物と組み合わせた。CS2の量は約7.9ml/C60
gであり、C66の量はこれと同じとする。次に、溶液
温度を約94時間、約200℃に上げると、その結果、
70%超の反応物が反応する。C66/CS2溶媒混合
物は約50℃で沸騰するので、例えばオートクレーブの
中のような大気圧より高い圧力のもとでこの工程を行っ
た。前記スペーサー分子前駆体の内部では、I側は、こ
のIが外れると前記フラーレン分子に付加することにな
る結合側である。一方、前記スペーサー分子前駆体のS
2F側は、後の段階で更に反応を行なうことにより前
記プロトン伝導性官能基に変換される。溶媒がC66
けを含むと、前記フラーレン分子が沈殿して、極めて高
いパーセンテージのC60が未反応のまま残されることに
なる。従って、この溶媒は、前記フラーレン分子が溶解
するCS2のような成分も含む。また、第1反応生成物
はC66に可溶であるので、C66も使用して未反応の
60から前記第1反応生成物を分離し易くすることが好
ましい。
【0046】温度も反応時間も上記の例に限られるもの
ではなく、環境によって適宜変更することができる。従
って、反応が行なわれる限り、高温側では短時間を使
い、同様に、低温側では長時間を使うことができる。大
抵の場合、高温側では前記フラーレン分子当たりの前記
スペーサー分子の数が多くなる。しかし、いかなる場合
も反応温度は前記スペーサー分子前駆体が分解し始める
温度を超えてはならない。しかしながら、前記スペーサ
ー分子が余りにも多く前記フラーレン分子に付加するな
らば、後で考察するように、或る重合方法の過程では連
結分子の付加サイトの数が減る。また、反応温度が余り
高いと望ましくない副反応が起こる。更に、付加される
スペーサー分子が多ければ多いほど、プロトン伝導基は
多く存在し、これによってプロトン伝導性が高まること
になるばかりでなく、水溶性も増大する(これは望まし
くない)。
【0047】従って、温度は、プロトン伝導性及び分子
を連結するのに利用できるサイトの最適なバランスが得
られ、同時に副反応を最小限に抑えるように選ばれる。
分子を連結するのに十分なサイトがある場合、たとえ単
一のプロトン伝導体が水溶性であっても、高分子は水不
溶性にすることができる。反応温度は加熱によって得る
ことができる。それとは別に、加熱の代わりに、又は加
熱に加えて、例えば、可視光又は紫外光のような光エネ
ルギーのような別の適当な活性化エネルギーを使用する
ことができる。従って、前述の例示の反応の場合、好ま
しい温度範囲は約94時間の反応時間で約190℃〜2
40℃である。
【0048】この実施の形態では、第1工程終了後、下
記一般式(2)で表される複数の第1反応生成物が得ら
れ、未反応のC60は約5%〜7%である。なお、未反応
60及び溶媒に不溶のその他の望ましくない副生物は、
その時点で濾過して取り除けばよい。 一般式(2):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
2−SO2F)n (但し、前記一般式(2)において、nは最大約8の自
然数である。)
【0049】第2工程で、前記一般式(2)で表される
前記第1反応生成物をNaOHと反応させることにより
加水分解する。この工程で使用される溶液は、前記第1
反応生成物を加水分解するために、C66、THF(テ
トラヒドロフラン)及びNaOHで構成される。乾燥し
た前記第1反応生成物はTHFに容易に溶解しないの
で、この第1反応生成物を溶液にするためにC66を使
用することが好ましい。また、前記第1反応生成物を使
って充分に溶液が形成する限り、比率は特に限定される
べきものではなく、C66の量は適宜変更できる。水は
66には完全に不溶であるので、NaOHも前記第1
反応生成物も溶液にするには、THFはC 66、前記第
1反応生成物及びNaOHと組み合わせて使用するのが
よい。
【0050】特に好ましいものとしては、本工程で使用
した溶液は、前記第1反応生成物を溶液にするのに丁度
充分なC66、そのC66の中で前記第1反応生成物の
量の約10〜20倍に等しい量のTHF、及び1当量の
前記フラーレン分子(ここではC60)当たりNaOH1
リットル当たり1モルの(C60+THF)量の約1/1
0〜1/20容量を含んでいてよい。
【0051】考えられる(100%の反応を想定して)
NaOHの最小量は1個の−SO2F基当たり1個のN
aOHであり、即ちC60当たり付加した8個の−Rf
SO2F付加物で見積ると少なくとも8当量である。し
かしながら、比較的容易なので、100%の加水分解を
確実に行なうのに充分な過剰のNaOHを使い、一方、
過剰のNaOHでも簡単に取り除くには充分に少なくす
るのが常である。この反応を行なうには厳密な比率は必
要ではないので、この方法は簡単にスケールアップする
ことができることから、大量にプロトン伝導体の生産を
容易に行なうことができる。
【0052】この加水分解を行う第2工程により、下記
一般式(3)で表される複数の第2反応生成物、水及び
過剰のNaOHが生成する。 一般式(3):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
2−SO3Na)n (但し、前記一般式(3)において、nは最大約8の自
然数である。)
【0053】前記第2反応生成物及び副生物(過剰のN
aOHを含む)を、水だけを使ってシリカゲルカラムに
通すと、得られる溶液は塩基性であるので、これは望ま
しくない。従って、この溶液を1:1の割合のTHFと
水を含んでシリカゲルカラムに通すと、過剰のNaOH
が取り除かれ、そして極めて水溶性の所望の第2反応生
成物を含む中性の溶液を生成することができる。この時
点で、この溶媒(THFと水)を取り除くことが好まし
い。
【0054】第3工程で、前記第2反応生成物をプロト
ン化して第3反応生成物、即ち、本発明に基づくプロト
ン伝導体を生成することができる。溶媒を前記の工程で
取り除いたのち、前記第2反応生成物と水を用いて溶液
を作り、次に、この溶液をイオン交換カラムに注入する
と、このカラム内ではHは各第2反応生成物のNaと置
換することにより、下記一般式(4)で表される複数の
前記第3反応生成物を生成することができる。 一般式(4):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
2−SO3H)n (但し、前記一般式(4)において、nは最大約8の自
然数である。)
【0055】なお、プロトン化は、カチオン交換装置を
用いて、HCl、H2SO4、HClO4若しくはHNO3
のような強い無機酸を使用することによって行うことが
でき、或いはその他の任意の好適な方法を用いてもよ
い。
【0056】前記第3反応生成物である、本発明に基づ
くプロトン伝導体は、熱的及び化学的安定性がより優れ
た優秀なプロトン伝導体であるが、これらのプロトン伝
導体は水に極めて可溶である。従って、例えば、水が多
く含まれるような燃料電池に本発明に基づくフラーレン
系プロトン伝導性材料を使用する場合には、水中におけ
る前記の安定性を高めるために、本発明に基づくプロト
ン伝導体を重合して、プロトン伝導性高分子として使用
するのが有用である。
【0057】なお、前記した各一般式における、nの数
値は、前記フラーレン分子がC60の場合、nの平均値は
約6〜8であって、これによって優れたプロトン伝導性
が発現される。また、C60フラーレン分子当たりの約6
〜8の前記スペーサー分子は、C60フラーレン分子上
で、下記の重合方法でプロトン伝導体を重合するのに使
用される分子を連結するには充分なサイト数である。
【0058】ここでは、前記第3反応生成物は約170
℃〜180℃の分解温度(TPDによる測定)を示し、
この温度は、例えば図4(F)の化合物6(分解温度:
100〜110℃)の分解温度より高い。
【0059】また、前記第3反応生成物は、例えば、図
4(F)の化合物6のプロトン伝導率(全てS/cm単
位であり、20℃で2.1×10-6、85℃で4.8×
10 -4、95℃で3.8×10-4及び105℃で3.4
×10-4)より高いプロトン伝導率(全てS/cm単位
であり、20℃で2.4×10-5、85℃で2.0×1
-3、95℃で1.1×10-3及び105℃で7.9×
10-4)を示している。この場合、伝導率は油回転ポン
プによる真空(約0.001ミリバールを発生する)で
50℃で一晩、試料を乾燥した後に測定した。
【0060】前記第3反応生成物の分解温度はNafi
onの分解温度より低いけれども、前記第3反応生成物
の場合にはこの分解温度は分子としても測定され、一
方、Nafionの分解温度は高分子について測定され
る。従って、この比較は、必ずしも正確な比較であると
言う訳でなく、前記第3反応生成物が重合され、プロト
ン伝導性高分子として使用されるときは、向上した安定
性を示すことが期待される。また、高分子の形で使用さ
れる場合、このプロトン伝導体は旨く水不溶性になるこ
とが期待される。
【0061】高分子構成組成物の中で本発明に基づくプ
ロトン伝導体を使用するために、このプロトン伝導体は
架橋分子により架橋される。この架橋分子は、完全に又
は一部分がフッ素化された分子、アルキル及び/又はア
リール基、Cn2n(nは自然数)、CFn、プロトン化
前記スペーサー分子より長い分子、及びエーテル、エス
テル、アミド又はケトン及び酸性官能基からなる群より
選ばれるその他の官能基、のうちの少なくとも1種類、
特に好ましくは2種類以上を含有していることが好まし
い。
【0062】前述のように、重合において、全体とし
て、高分子のプロトン伝導性の最適化ばかりでなく、熱
的及び化学的安定性(水不溶性を含めて)も得られるよ
うに、前記フラーレン分子当たりの架橋分子の数と前記
フラーレン分子当たりの前記スペーサー分子(更に、前
記プロトン伝導性官能基に連結する)との数をバランス
させるのが有用である。
【0063】そして、本発明に基づくプロトン伝導体の
重合は、前記スペーサー分子前駆体を前記フラーレン分
子に付加する第1工程と、前記スペーサー分子前駆体を
プロトン化する第3工程の間で追加工程(第2工程)と
して行うことができる。また、それとは別に、重合は前
記スペーサー分子前駆体を前記フラーレン分子に添加す
る第1工程と一緒にワンポット(one−pot)反応
で行うこともできる。
【0064】前記追加工程による重合の例として、次の
プロセスは、本発明に基づくプロトン伝導体を製造する
前述の例示プロセスと関連して使用してもよい。前記第
1反応生成物としての、例えばC60−(CF2−CF2
O−CF2−CF2−SO2F)nが生成すると、下記一般
式(13)で表される二官能性連結分子前駆体と反応す
る。 一般式(13):X−R−X (但し、前記一般式(13)において、XはCl、Br
又はIであり、Rは次の2個以上の特性を有する分子で
ある:アルキル及び/又はアリール基;完全に又は一部
分がフッ素化されている;プロトン化スペーサー分子よ
り長い分子;並びに例えば、エーテル、エステル、アミ
ド、ケトン及び酸官能基のようなその他の官能基。)
【0065】前記二官能性分子が前記第1反応生成物と
反応すると、前記フラーレン分子の間に結合を形成する
ことにより、例えば2個の前記フラーレン分子を連結し
て高分子とする連結分子として作用することができる。
【0066】本実施の形態による、重合方法及びプロト
ン伝導体から形成される高分子は、略図の図5を参照さ
れたい。図5に示しているように、フラーレン分子30
はスペーサー分子32によってプロトン伝導基前駆体3
4に付加されている。プロトン伝導基前駆体34は−S
2Fであり、一方、スペーサー分子36は−CF2−C
2−O−CF2−CF2−である。連結分子36はフラ
ーレン分子30と結合して高分子になるが、この場合、
連結分子36は−(CF2n−であり、nは6以上、好
ましくは6〜8の自然数である。この反応は、反応を行
なうのに充分な活性化エネルギーを用いて行なわれ、こ
の場合、この活性化エネルギー、例えば加熱、UV光、
可視光、等のような任意の好適な方法で得ることができ
る。
【0067】そして、この高分子は上述のようにしてプ
ロトン化される。
【0068】プロトン伝導体の高分子網状構造を形成す
る方法の1つの例示の実施の形態としては、前記第1反
応生成物としてのC60−(CF2−CF2−O−CF2
CF2−SO2F)n100mgと、過剰の連結分子前駆
体としてのI−(C816)−Iとを反応させ、下記一
般式(5)で表される第2反応生成物を形成する。
【0069】
【化8】一般式(5): (但し、前記一般式(5)において、yは少なくとも2
の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
【0070】そして、前記第2反応生成物をプロトン化
する前記第3工程で、前記第2反応生成物をNaOHで
加水分解することにより、下記一般式(6)で表される
第3反応生成物を形成することができる。
【化9】一般式(6): (但し、前記一般式(6)において、yは少なくとも2
の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
【0071】前記第3工程で、前記第3反応生成物をプ
ロトン化することにより、下記一般式(7)で表される
本発明に基づくプロトン伝導性高分子を得ることができ
る。
【化10】一般式(7): (但し、前記一般式(7)において、yは少なくとも2
の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
【0072】前記C60−(CF2−CF2−O−CF2
CF2−SO2F)nには、前記連結分子前駆体としての
I−(C816)−Iを使用したけれども、例えばI−
(Cn 2n)−I(但し、nは6以上の自然数であ
る。)も使用することができ、これはプロトン化スペー
サー分子より長い連結分子を生成することができる。
【0073】一般的に、前記連結分子中に存在するフッ
素原子が多ければ多いほど、高分子網状構造はそれだけ
水不溶性となる。しかし、安定性は、一部分がフッ素化
された前記連結分子前駆体の場合にはF原子とH原子の
位置によっても決まる。さらに、前記連結分子前駆体の
どちらかの末端部にヨウ素原子を有するのではなく、例
えば、塩素又は臭素のような別のハロゲンを使用するこ
ともできる。前記連結分子前駆体を選ぶ場合に主に考慮
すべき問題は、1種以上の次の諸特性を挙げるべきであ
る:水不溶性を有する連結分子を生成する;燃料電池で
一般的に求められる熱的及び化学的環境で高度の安定性
を有する連結分子を生成する;自立型フィルムを形成す
る能力を有する連結分子を生成する;少なくとも2個の
結合サイト;及びフラーレン分子との容易な反応性。さ
らに、あらゆる長さの前記連結分子前駆体を使用できる
けれども、プロトン化スペーサー分子より長い連結分子
を生成するような前記連結分子前駆体を使用するのが好
ましい。
【0074】ここでは、(C816)連結分子を選んだ
が、この連結分子は典型的燃料電池に求められる熱的及
び化学的環境で安定であり、自立型フィルムを形成する
能力を有し、水不溶性を発現するからである。さらに、
前駆体分子I−(C816)−Iは市販されており、前
記フラーレン分子としてのC60と容易に反応して、プロ
トン伝導体の形成方法の前述の例示の実施の形態で使用
したI−CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2Fス
ペーサー分子前駆体によって生成されるプロトン化スペ
ーサー分子より長い連結分子を生成するからである。
【0075】ワンポット反応による重合の1つの例とし
て、次のプロセスは、プロトン伝導体を作る前述の例示
プロセスと関連して使用することができる。前記第1反
応生成物C60−(CF2−CF2−O−CF2−CF2−S
2F)nを生成する前記第1工程の過程で、下記一般式
(14)で表される二官能性連結分子前駆体を用いると
並発反応が起こる。 一般式(14):X−R−X (但し、前記一般式(14)において、XはCl、Br
又はIであり、Rは次の2個以上の特性を有する分子で
ある:アルキル及び/又はアリール基;完全に又は一部
分がフッ素化されている;プロトン化スペーサー分子よ
り長い分子;並びに例えば、エーテル、エステル、アミ
ド、ケトン及び酸官能基のようなその他の官能基、であ
る。)
【0076】即ち、前記フラーレン分子は前記スペーサ
ー分子前駆体とも、前記二官能性連結分子前駆体とも同
時に反応して、連結して高分子になる前記第1反応生成
物を形成する。再び書くが、この反応は、反応を行なう
のに充分な活性化エネルギーで行なわれ、この場合、こ
の活性化エネルギーは、例えば加熱、UV光、可視光、
等のような任意の好適な方法で得ることができる。
【0077】プロトン伝導体から生成される本重合方法
及び高分子を図6に示す。図6に示しているように、フ
ラーレン分子30は、スペーサー分子32によってプロ
トン伝導基前駆体34に付加される。連結分子36はフ
ラーレン分子30に結合する。連結して高分子になる第
1反応生成物は、次には加水分解され、そしてプロトン
化されてプロトン伝導性高分子を形成する。
【0078】プロトン伝導体の高分子網状構造を形成す
る上記のワンポット方法の例示の実施の形態では、40
mlのCS2に入れたC60357mgを、C6640m
l、I−CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F)n
5.0g(即ち、24当量)、及びI−(CF28−I
7.77g(即ち、24当量)と混合する。
【0079】次に、この溶液をオートクレーブの中で9
6時間、200℃に加熱する。反応混合物を冷却したの
ち、溶媒を取り除くことにより、上記一般式(5)で表
される架橋型第1反応生成物を形成することができる。
【0080】次に、この架橋型第1反応生成物を次のよ
うに加水分解する。この架橋型第1反応生成物はC66
を用いて溶液とし、約85mlのTHFで稀釈したの
ち、1MのNaOH6mlと共に一晩攪拌する。相分離
をした後、フラーレン分子含有有機液体(対照的に、非
架橋型で、従って水溶性のフラーレンのスルホン酸ナト
リウムは専ら水層に含まれている)は、僅かに残るNa
OHを取り除くために短いシリカゲルカラム(溶離液と
してTHFを用いる)を通して濾別する。溶媒を取り除
いた後に得られる加水分解された架橋型第1反応生成
物、即ち上記一般式(6)で表される架橋型第2反応生
成物は水不溶性であるが、メタノール、TH、F等のよ
うな極性の小さい溶媒には可溶である。
【0081】次に、前記架橋型第2反応生成物をMeO
H20mlに溶解し、H2O80mlで稀釈した(この
溶液混合物を使用しても沈殿物は観察されなかった)の
ち、イオン交換カラムによりプロトン化する。
【0082】80℃で一晩乾燥した後、上記一般式
(7)で表される酸性の水不溶性物質1.8gが得られ
る。これが目標の本発明に基づくプロトン伝導性高分子
である。
【0083】反応量が大きい場合、上記した追加工程、
又はワンポット方法のいずれの方法においても活性化エ
ネルギーを加える段階の後で、追加の精製段階を加える
ことが得策となることがある。多量のI2は真空で物質
を加熱するだけでは取り除くことはできないので、追加
の精製工程は、反応中の生成物と一緒に形成するヨウ素
を取り除くのに有用である。この追加の精製工程の例は
次の通りである。
【0084】得られた化合物を精製するために、C66
/THF溶液を、H2Oに入れた1Mのチオ硫酸ナトリ
ウム(Na223)と共に振とうする。C66/TH
F溶液は、フッ化フラーレンスルホニルを1MのNaO
Hで加水分解するために使用される溶液と同様にして調
製する。C66/THF/1MのNa223系は2相
系であり、この系では、反応後に、塩、即ち過剰のNa
223、NaI及びNa246(後方の2種類の化合
物はチオ硫酸ナトリウムとI2との反応により形成す
る)が水層に存在するので、この塩を取り除くのは容易
である。ヨウ素を含まないフッ化フラーレンスルホニル
を含む有機相は分離し、溶媒を取り除いた後、反応物質
を120℃で真空(0.001ミリバール)で一晩乾燥
する。
【0085】なお、C60−(CF2−CF2−O−CF2
−CF2−SO2F)nには、連結分子前駆体としてI−
(C816)−Iを使用したけれども、I−(Cn2n
−I(但し、nは6以上の自然数である。)も使用可能
であり、これはプロトン化スペーサー分子より長い連結
分子を生成することができる。事実、ワンポット反応重
合方法の場合、連結分子前駆体I−(C612)−Iは
I−(C816)−Iよりも好ましく、これは前者は高
分子の中で後者より高い伝導性を発現するからである。
【0086】さらに、連結分子前駆体のどちらかの末端
部にヨウ素原子を有するのではなく、例えば、塩素又は
臭素のような別のハロゲンを使用することもできる。連
結分子前駆体を選ぶ場合に主に考慮すべき問題には、1
種以上の次の諸特性を挙げるべきである:水不溶性を有
する連結分子を生成する;燃料電池で一般的に求められ
る熱的及び化学的環境で高度の安定性を有する連結分子
を生成する;自立型フィルムを形成する能力を有する連
結分子を生成する;少なくとも2個の結合サイト;及び
フラーレン分子との容易な反応性。さらに、あらゆる長
さの連結分子前駆体が使用できるけれども、プロトン化
スペーサー分子より長い連結分子を生成するような連結
分子前駆体を有するのが好ましい。
【0087】ここでは、(C816)連結分子が典型的
な燃料電池等の電気化学装置で見られる熱的及び化学的
環境で安定であり、自立型フィルムを生成する能力を有
し、水不溶性を発現するので、この連結分子を選んだ。
さらに、前駆体分子I−(C 816)−Iは市販されて
いて、C60と容易に反応し、プロトン伝導体を形成する
方法の前述の例示の実施の形態で使用したI−CF2
CF2−O−CF2−CF2−SO2Fにより生成されるプ
ロトン化スペーサー分子より長い連結分子を生成するの
で、前記の連結分子を選んだ。
【0088】また、前記追加工程による重合の別の例及
び強酸によるプロトン化の例として、次のプロセスを使
用してもよい。
【0089】第1に、一旦、前記第1反応生成物C60
(CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F)nを生成
し、次に、この生成物と、下記一般式(8)で表される
二官能性トリメチルシリルアミド連結分子前駆体とを反
応させる。
【0090】
【化11】一般式(8): (但し、前記一般式(8)において、R2はアルキル基
であり、R1はLi、Na、K、SiR2 3である。)
【0091】前記二官能性連結分子が前記第1反応生成
物と反応すると、前記フラーレン分子に付加している前
記スペーサー分子前駆体の間で結合を形成することによ
り、例えば、2個の前記フラーレン分子を連結して高分
子にする連結分子として作用する。
【0092】この反応は、反応を行なうのに充分な活性
化エネルギーで行なわれるが、その場合、この活性化エ
ネルギーは、例えば、加熱、UV光、可視光、等のよう
な任意の好適な方法で得ることができる。さらに、この
反応は、THF、ジオキサン、アセトニトリル、パーフ
ルオロベンゼン又は各試薬と溶液を生成できるその他の
任意の溶媒のような溶媒の中で行なわれる。この反応は
室温でも、高温でも、そして大気圧下でも高圧下でも実
施できて、下記一般式(9)で表される第2反応生成物
になる。
【0093】一般式(9): [Rf−フラーレン分子(例えばC60)−CF2CF2
CF2CF2SO2NR1SO2CF2CF2OCF2CF2
フラーレン分子(例えばC60)−Rfy (但し、前記一般式(9)において、Rfは、−CF2
2OCF2CF2SO2F、−CF2CF2OCF2CF2
2NH2又は−CF2CF2OCF2CF2SO2NR1Si
2 3であり、或いは−CF2CF2OCF2CF2SO2
1SO2CF2CF2OCF2CF2−C60−Rf'(但し、
f'はRfと同じである。)である。yは自然数であ
る。また、R2はアルキル基であり、R1はLi、Na、
K、SiR2 3である。)
【0094】即ち、前記の2個の例の二官能性連結分子
前駆体とは違って、この二官能性連結分子前駆体は、前
記フラーレン分子に付加する前記スペーサー分子前駆体
の間に連結分子を形成する。
【0095】即ち、この連結分子前駆体は前記フラーレ
ン分子自体には付加しない。前記フラーレン分子当たり
2個以上のRf分子が存在でき、そして一般的に存在す
る。従って、この第1段階の生成物は、いろいろな数の
未反応のRf基を含む−SO2NR1SO2−連結型フラー
レンサブユニットであり、前記一般式(9)中、Rf
には、フッ化スルホニルサイトばかりでなく、スルホア
ミド及び−SO2NR1SiR2 3のような副生物も挙げら
れる。
【0096】第2に、前記第2反応生成物に付いたフッ
化スルホニル官能基は、例えば、MOH(Mはアルカリ
である);炭酸塩(M2CO3(Mはアルカリであ
る));MCO3(Mはアルカリ土類である)のような
塩基を使用することにより、加水分解され、それによっ
て下記一般式(10)で表されるような第3反応生成物
が生成する。
【0097】一般式(10): [Rf2−フラーレン分子−CF2CF2OCF2CF2SO
2NNaSO2CF2CF2OCF2CF2−フラーレン分子
−Rf2y (但し、前記一般式(10)において、Rf2は、−CF
2CF2OCF2CF2SO 3Na、−CF2CF2OCF2
2SO2NH2又は−CF2CF2OCF2CF2SO2NN
aSiR2 3であり、或いは−CF2CF2OCF2CF2
2NR1SO2CF2CF2OCF2CF2−C60−R
f2'(但し、Rf2'はRf2と同じである。)である。yは
自然数である。また、R2はアルキル基であり、R1はL
i、Na、K、SiR2 3である。)
【0098】この反応工程は、塩基の水溶液の中で、又
は溶媒との混合物の中で行なうことができる。後者は、
1相を、そして前者と2相系を形成することがある。高
温を使用してもよい。
【0099】この重合方法及びプロトン伝導体から形成
される高分子の略図は図7を参照されたい。図7に示し
ているように、スペーサー分子32を介してプロトン伝
導基前駆体34が付加されているフラーレン分子30
は、トリメチルシリルアミド(−R2 3−Si−N−R1
−Si−R2 3−)と組み合わさって、
【化12】 で表されるスルホニルイミド連結体38により連結され
たフラーレン分子30の高分子を形成する。即ち、この
高分子の基本単位は、[フラーレン分子−スペーサー分
子−スルホニルイミド連結体−スペーサー分子−フラー
レン分子]の一般式を有する。
【0100】第3に、前記第3反応生成物はプロトン化
される。例えば、前記第3反応生成物は、イオン交換装
置、又はHCl、H2SO4、HClO4、HNO3等のよ
うな強い無機酸を使用してプロトン化することができ
る。この反応は室温でも高温でも行なうことができて、
下記一般式(11)で表される高分子を生成することが
できる。 一般式(11): [Rf3−フラーレン分子−CF2CF2OCF2CF2SO
2NHSO2CF2CF2OCF2CF2−フラーレン分子−
f3y (但し、前記一般式(11)において、Rf3は、−CF
2CF2OCF2CF2SO 3Hであり、或いは−CF2CF
2OCF2CF2SO2NHSO2CF2CF2OCF2CF2
−C60−Rf3'(但し、Rf3'はRf3と同じである。)で
ある。また、yは自然数である。)
【0101】先に上記で説明した2種類の重合方法とは
対照的に、この方法では余分の連結単位を使用すること
なく、結合サイトとして酸前駆体(即ち、−SO2F官
能基)を使用することにより架橋が得られる。得られる
スルホニルイミド(−SO2NHSO2−)自体は強い酸
性を示し、H+伝導性にはプロトン供与サイトとして作
用する。
【0102】前記第1工程から残された非未反応フッ化
スルホニル(−SO2F)ばかりでなく、得られる可能
性のある副生物(即ち、−SO2NH2、−SO2NR1
iR 2 3)も、合成過程でスルホン酸に転化されてプロト
ン伝導性に寄与する。予備測定では固体中に含まれる水
の量によるが、室温で最大約10-2S/cmの高いH +
伝導率を示した。この物質は燃料電池で使用するのに重
要な前提条件である、普通の溶媒、及び水には不溶であ
る。前記第1反応生成物の前記スペーサー分子の少なく
とも一部分のフッ素化に少なくとも一部は依るが、この
高分子は高度の熱安定性ばかりでなく化学的安定性も達
成する。TPD測定によると、最高少なくとも200℃
まで熱安定性を示したが、これはNafionによって
得られる安定性とほぼ同じである。
【0103】プロトン伝導体の高分子網状構造を形成す
る本実施の形態では、次の段階を実施することが好まし
い。
【0104】第1工程では、
【化13】 の1MのTHF溶液0.5mlを、N2雰囲気の中で氷
冷下で、固体第1反応生成物[C60−(CF2CF2OC
2CF2SO2F)n]0.2gに滴下しながら加えた
後、室温で5時間攪拌する。暗褐色の沈殿物が生成した
後、60℃で3時間真空中で乾燥する。こうして生成し
た固体をジオキサン8mlに溶解した後、THF2ml
に入れた第1反応生成物[C60−(CF2CF2OCF2
CF2SO2F)n]0.1gを滴下濾斗から加える。次
に、18時間還流した後、溶媒を取り除き、得られた固
体をTHFと水で洗浄すると、前述の第2反応生成物
0.13gが得られる。
【0105】第2工程、即ち加水分解では、前記第2反
応生成物を1MのNaOH水溶液に分散して、室温で1
6時間攪拌する。濾過したのち、水で洗浄すると、固体
の第3反応生成物が残る。
【0106】第3工程、即ちプロトン化では、この固体
第3反応生成物を10%のHClと共に12時間60℃
に加熱する。濾過したのち、引き続いて10%のHCl
及び水で洗浄すると、所望の本発明に基づくプロトン伝
導性高分子が得られる。
【0107】このスルホニルイミドを用いた架橋反応
は、前記第一反応生成物と前記二官能性トリメチルシリ
ルアミドの当量を制御することにより、架橋比を制御す
ることが可能である。前述の条件ではSO2Fはほとん
どがスルホニルイミド基に変換されているが、前記二官
能性トリメチルシリルアミドを例えば0.1mlで反応
させると収率を低下させることなく、前記フラーレン分
子に連結したSO2F基の半分程度を残すことが可能で
ある。この未反応SO2F基は、その後実施される加水
分解、プロトン化によりスルホン酸基(−SO3H)に
変換される。即ち、前記二官能性トリメチルシリルアミ
ドの量を変えることにより、スルホニルイミド基とスル
ホン酸基の量を制御することが可能である。前記二官能
性トリメチルシリルアミド0.01ml以下を反応させ
た場合は、十分な架橋構造が形成されず水溶性である
が、それ以上反応させた材料に関しては、水不溶性であ
る。
【0108】前述のように、この方法では、パーフルオ
ロ化スペーサーを有する前記第1反応生成物を使用する
ことを含む。しかしながら、それに代えて、前記第1反
応生成物には、一部分がフッ素化された前記スペーサー
分子を挙げてもよい。
【0109】本方法により得られる本発明に基づくプロ
トン伝導性高分子は、例えば、燃料電池、電解セル、及
び蓄電器でプロトン伝導膜として使用することができ
る。
【0110】また、フラーレン核は次のような追加基を
含むことができる:ハロゲン化物(F、Cl、Br);
アルキル及び/又はアリール基;非フッ素化、一部分又
は完全フッ素化分子;エーテル;エステル;アミド;及
び/又はケト官能基。
【0111】さらに、この高分子では、水が存在するこ
となく、プロトン伝導性を高めることが出来る化合物と
組み合わせて使用することができる。例えば、その化合
物には、ポリアルキルエーテル、ポリエチレンカーボネ
ート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び
ポリエチレンイミンのような高分子を挙げることができ
る。それとは別に、或いはポリマーの他に、この化合物
には、アルキルカーボネート、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート等のような極性溶媒を挙げるこ
とができる。なお、更に、これらの化合物の完全な又は
一部分がフッ素化された誘導体を使用することができ
る。
【0112】さらに、本方法による高分子は、シリカゲ
ルを含むコンポジットのようなゲル構造体の一部として
使用することができる。このゲル構造体(プロトン伝導
性高分子組成物)は、追加無機酸又は有機酸を含むこと
ができる。有機酸としては、例えば、HClO4、H2
4、H3PO4、ドデカタングストリン酸(H3PW12
40×40H2O)、カルボン酸等が可能である。
【0113】次に、本発明に基づくフラーレン系プロト
ン伝導性材料は、例えば、燃料電池のような電気化学装
置の中でプロトン交換膜として使用することができる。
燃料電池は図2に略図で示している。
【0114】燃料電池は、第1極20、第2極22及び
前記両電極20、22の間に配置されたプロトン伝導膜
24からなる。プロトン伝導体は、両電極20、22
を、例えば白熱電球、ウォークマン、電気又は電子器具
又は装置、電気回路等のような負荷26に接続する。水
素(H2のような)が第1極20に供給されると、水素
はプロトン(H+)と電子(e-)に分解される。電子は
伝導体に沿って第1極20から移動し、負荷を駆動させ
た後、第2極22まで移動を続ける。この間に、プロト
ンはプロトン伝導膜24を通って第2極22へ移動す
る。第2極22には、例えば、空気又は別の酸素源のよ
うな酸素が供給される。従って、プロトンと電子は酸素
が存在する第2極22に到達すると、これらは結合して
水(H2O)を生成する。
【0115】プロトン伝導膜24の厚さは、dである。
自己加湿性ばかりでなく、材料コストを低減するため
に、dは可能な限り薄くすることが望ましい。dが薄く
なるにつれて、プロトン伝導率は増大するので、水を容
易に吸収する能力は増加する。dが充分薄いと、第2極
22で生成する水によってこの膜が乾ききることはな
い。このことにより、所謂、自己加湿型燃料電池が作ら
れ、この燃料電池ではこの膜の湿分を保持するための外
部湿分源を必要としない。この膜が乾ききると、プロト
ンを伝導する能力が失われて、H2分子は通過しない、
即ち、燃料電池は適切に作動しない。従って、この膜の
密度は、膜の内部への水の吸収を妨げるような大きさで
あってはならない。再度書くが、厚さdが薄くなるにつ
れてプロトンを伝導する膜の能力は増大する。しかし、
プロトンを伝導するこのような向上した能力は、H2
通過を妨げる必要性とバランスしなければならない。も
し伝導膜がH2を通過させるならば、生成する電子の量
は少なくなり、燃料電池の効率は低下する。従って、プ
ロトンを通過させて水を吸収し、同時にH2の通過を効
果的に妨げる伝導膜の能力により、その所要の厚さが決
められる。
【0116】前述の例示のプロセスにより作られる高分
子(即ち、(C816)の分子によって架橋される一般
式C60−(CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO3
H)nを有するプロトン伝導体)を有する燃料電池で
は、約20μm〜30μmの伝導膜厚さ(約10-3S/
cmの許容できるプロトン伝導率を有する)によって優
れた伝導率を有する自己加湿型燃料電池が作られる。
【0117】
【実施例】本発明によるパーフルオロヘキシル架橋型材
料のプロトン伝導率を、下記の測定I〜IIIで説明してい
るように測定した。
【0118】測定I及びII:図5に示している材料(n
=6)(以後、図5の材料(n=6))及び図6に示し
ている材料(n=6)(以後、図6の材料(n=6))
の吸水量を、(19℃及び50℃)で測定した。測定前
に、次の事前処理を行なった。 測定Iの事前処理:室温(19℃)で乾燥空気流(湿度
15%)で一晩乾燥した。 測定IIの事前処理:室温(50℃)で乾燥空気流(湿度
1.3%)で一晩乾燥した。
【0119】図8及び9のt=0で乾燥空気流を水分飽
和空気流で置換し、乾燥空気流から水分飽和空気流へ切
り換えた後の伝導率対時間を記録した。測定は、図8に
示しているようにT=19℃(測定I)の温度で、更
に、図9に示しているようにT=50℃(測定II)の温
度で行なった。
【0120】図8及び9の結果で示されるように、これ
らの材料は素早く吸水することが判った。
【0121】測定III:いろいろな温度でプロトン伝導
率を測定した。また、空気相対湿度(R.H.)がプロ
トン伝導率に及ぼす影響を調べるために、R.H.を示
した。図10に示しているように、図5に示している材
料(n=6)(即ち、図5の材料(n=6))は、図6
に示している材料(n=6)(即ち、図6の材料(n=
6))より湿度変化を受け難いことが判った。
【0122】前述のように、測定I〜IIIは、概ね、2
段階プロセスによって調製された材料(図5の材料(n
=6))が、1段階プロセスで調製された材料(図6の
材料(n=6))より約2桁大きいプロトン伝導率を発
現することを示している。2種類の試料を測定する時は
同じ条件を使用した。
【0123】C70系パーフルオロ化架橋型材料も、C60
を使った架橋型材料の調製方法に関する前述の反応条件
と似た条件を使って調製及び試験を行なった。更に詳し
くは、1当量のC70を、スペーサー分子前駆体として2
4当量のI−CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2
F及びC66/CS2の1:1の溶媒混合物と組み合わ
せた。次に、溶液温度を約94時間、約240℃に上げ
ると、この時点で70%超の反応物が反応した(C60
使った時と本質的には同じ収率)。
【0124】C60で使用した反応温度(200℃)に対
して、C70で使用した反応温度が高い(240℃)と、
60と比較してC70の反応性を下げる一因となることが
ある。C70系パーフルオロ化架橋型材料を作る残りの製
造段階は、C60を使った時に説明した段階と同じであ
る。
【0125】図11は、C70系材料の試料のいろいろな
温度でのプロトン伝導率ばかりでなく、C70系試料のプ
ロトン伝導率を各C60系試料及びNafion試料と比
較したのも示している。空気相対湿度(R.H.)がプ
ロトン伝導性に及ぼす影響を調べるために、R.H.も
測定した。
【0126】この例では、t=−280分からt=0ま
で測定室を乾燥空気でパージした。図11に示している
ように、この期間、C70系試料の伝導率は、C60系試料
よりも低下が少なく、或るC70系試料(C70(Rf−S
3H)10/PVA)はNafion試料と比較する
と改善された挙動を示した。t=0では、乾燥空気流
を、諸試料のプロトン伝導率が増大することになる水飽
和空気流で置き換えた。図11は、C70系試料がC60
試料及びNafion系試料よりも湿分変化に対して鈍
感であった(少なくとも、PVA膜を使った場合には)
ことを示している。
【0127】本発明に基づくプロトン伝導体の湿度感度
を更に小さくするために、酸性基(プロトン伝導性官能
基)をフラーレン核に結合させるためにスペーサーモジ
ュール(spacer module)として短いリンカー(linke
r)を使用することができる。例えば、CF2CF2OC
2CF2SO3Hの中に使用されるリンカーの長さは約
8Åであるのに対して、CF2SO3Hの中で使用される
リンカーの長さは約3Åである。
【0128】短いリンカーを使った材料の合成(例え
ば、C60又はC70との組み合わせ)及びその材料を不溶
性にする方法(例えば、パーフルオロアルカンとスルホ
イミド結合体を使った架橋、及び結合剤(例えば、PV
Aの使用))は本明細書に記載されている通りである。
酸性基は材料の親水部を形成するので、短いリンカーを
使用すると、材料の中で水の保持を更によくする筈であ
る酸性基の容積密度を高めることができる(例えばcm
3当たり酸性基が多くなる)。水との相互作用がこのよ
うに高くなることは、材料は湿度変化の影響を受け難く
なることを意味する。また、短いリンカーを使った分子
は大幅に軽くなる。例えば、比較的長いリンカーをC60
のフラーレン核に使用すると、或る酸性基のEW値は3
90質量単位であり、一方、短いリンカーをC60のフラ
ーレン核に使用した第2の酸性基のEW値は220質量
単位である。この結果、短い方のリンカーを使用すると
材料の伝導率は高くなることになる。比較的短いリンカ
ーは、EW値を220質量単位よりも小さくすることが
出来る。また、短いリンカーを含んでいる、本発明に基
づくフラーレン系プロトン伝導性材料が燃料電池装置に
使用されると、このように短いリンカーの結果として、
比較的密な充填が可能となり燃料の漏れを減らすことが
できる。
【0129】本発明によるスルホニルイミド架橋型材料
のプロトン伝導率を測定IV〜VIで説明しているように測
定した。測定IV :まず、C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
2−SO2−F)n及びC70−(CF2−CF2−O−C
2−CF2−SO2−F)n0.2gに対して、二官能性
トリメチルシリルアミド0.5mlを反応させた高架橋
材料2種類のペレットと二官能性トリメチルシリルアミ
ド0.1mlを反応させた低架橋材料2種類のペレット
に対して、25℃の条件下で各相対湿度におけるプロト
ン伝導度を測定した。結果を図12に示す。
【0130】図12より明らかなように、C60系、C70
系の両者は、低下架橋体の方が幅広い湿度領域において
より高い伝導率を示し、高含水条件下ではNafion
以上の導電率を示した。
【0131】測定V:上記の測定IVで用いたサンプルに
ついて、相対湿度30%から加湿した時の伝導率の経時
変化を測定したところ、結果を図13に示すように、各
サンプルともNafionと同様に水を素早く吸収して
伝導率が向上した。
【0132】測定VI:上記の測定Vで用いたサンプルに
ついて、相対湿度94%から、乾燥空気を流した時の伝
導率の経時変化を測定したところ、結果を図14に示す
ように、各サンプルともNafionと同様の伝導率の
減少を示したが、C70系の低架橋材料はNafionよ
りも伝導率の低下が少なかった。
【0133】なお、本発明を実施の形態及び実施例につ
いて説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基
づき種々に変形が可能であると考えられる。
【0134】
【発明の作用効果】本発明によれば、高度の伝導性を有
し、電気化学装置で求められる条件のもとで熱的ばかり
でなく、化学的にも安定であるフラーレン系プロトン伝
導性材料を提供することができる。
【0135】また、最も広く使用されているプロトン伝
導体であるNafionの長所を、球状フラーレン分子
主鎖を使用する良い効果と組み合わせた新規のフラーレ
ン系プロトン伝導性材料を提供することができる。
【0136】さらに、例えば、このようなフラーレン系
プロトン伝導性材料が、原子量単位当たり極めて多くの
プロトン伝導基を有するので、高度のプロトン伝導性を
達成する。
【0137】さらに、本発明のフラーレン系プロトン伝
導性材料は、前記プロトン伝導性官能基を前記フラーレ
ン分子主鎖に結合する少なくとも一部分がフッ素化され
た前記スペーサー分子を有することにより、本発明は、
従来のフラーレン系プロトン伝導体の熱的及び化学的安
定性よりも高いこれらの安定性を達成する。
【0138】また、短いリンカーを使って酸性基をフラ
ーレン核と結合することにより、比較的低い湿度感度を
有する架橋型材料を得ることができる。
【0139】さらに、本発明の製造方法は、厳密な比率
を必要としない反応を提供することができる。従って、
これらの方法は、本発明のプロトン伝導体及びプロトン
伝導性高分子の大量生産のためのスケールアップが容易
にできる。
【0140】最後に、本発明は、プロトン交換膜として
本発明のフラーレン系プロトン伝導性材料を使用するこ
とにより、許容できる伝導率及び自己加湿性能ばかりで
なく、向上した熱的及び化学的安定性も有する電気化学
装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による種々の例示のプロトン伝導体であ
る。
【図2】燃料電池の略図である。
【図3】広く使用されているプロトン伝導性材料である
Nafionの構造の略図である。
【図4】種々のフラーレン系プロトン伝導性化合物であ
る。
【図5】追加段階による重合の第1方法の略図である。
【図6】ワンポット反応による重合方法の略図である。
【図7】追加段階による重合の第2方法の略図である。
【図8】19℃における水飽和空気流のもとでのパーフ
ルオロヘキシル架橋型材料のプロトン伝導率の変化を示
す。
【図9】50℃における水飽和空気流のもとでのパーフ
ルオロヘキシル架橋型材料のプロトン伝導率の変化を示
す。
【図10】いろいろな温度におけるパーフルオロヘキシ
ル架橋型材料のプロトン伝導率の変化を示す。
【図11】C70、C60及びNafion系の各パーフル
オロヘキシル架橋型材料のプロトン伝導率の変化の比較
である。
【図12】本発明の実施例による、本発明に基づくプロ
トン伝導性高分子の湿度による伝導率の変化を比較して
示すグラフである。
【図13】同、本発明に基づくプロトン伝導性高分子の
時間による伝導率の変化を比較して示すグラフである。
【図14】同、本発明に基づくプロトン伝導性高分子の
時間による伝導率の変化を比較して示すグラフである。
【符号の説明】
20…第1極、22…第2極、24…プロトン伝導膜、
26…負荷、30…フラーレン、32…スペーサー分
子、34…プロトン伝導基前駆体、36…連結分子、3
8…スルホニルイミド連結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 311/04 C07C 311/04 311/09 311/09 H01B 13/00 H01B 13/00 Z H01M 8/02 H01M 8/02 P 8/10 8/10 // C07F 7/10 C07F 7/10 P (72)発明者 コンスタンス・ロスト 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 植竹 猶基 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 ビヨルン・ピーツアック 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 常長 俊彦 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目4番4号 アクア堂島東館6階 株式会社ハイテック 内 (72)発明者 瀧澤 修一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AA03 AB78 AB91 4H049 VN01 VP10 VQ35 VQ55 VR23 VR51 VU24 5G301 CA30 CD01 5H026 AA02 AA06 BB08 BB10 CX05 EE18 EE19 HH05 HH08 HH10

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラーレン分子と;前記フラーレン分子
    に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてなるスペ
    ーサー分子と;前記スペーサー分子に付加したプロトン
    (H+)伝導性官能基と;からなる、プロトン伝導体。
  2. 【請求項2】 前記フラーレン分子がC60又はC70であ
    る、請求項1に記載したプロトン伝導体。
  3. 【請求項3】 前記スペーサー分子が、少なくとも一部
    分がフッ素化された炭化水素分子を有している、請求項
    1に記載したプロトン伝導体。
  4. 【請求項4】 前記スペーサー分子が、少なくとも一部
    分がフッ素化された鎖及びパーフルオロ化された鎖のど
    ちらか一方を含んでいる、請求項3に記載したプロトン
    伝導体。
  5. 【請求項5】 前記パーフルオロ化された鎖が、下記一
    般式(1)で表される鎖を有している、請求項4に記載
    したプロトン伝導体。 一般式(1):Cn2n (但し、前記一般式(1)において、nは自然数であ
    る。)
  6. 【請求項6】 前記パーフルオロ化された鎖が、CF2
    −CF2−O−CF2−CF2を有している、請求項4に
    記載したプロトン伝導体。
  7. 【請求項7】 前記パーフルオロ化された鎖が、CF2
    を有している、請求項4に記載したプロトン伝導体。
  8. 【請求項8】 さらに、前記フラーレン分子に付加した
    複数の前記スペーサー分子を有する、請求項1に記載し
    たプロトン伝導体。
  9. 【請求項9】 さらに、複数の前記スペーサー分子の各
    1個に付加したプロトン伝導性官能基を有する、請求項
    8に記載したプロトン伝導体。
  10. 【請求項10】 前記プロトン伝導性官能基の少なくと
    も1個が酸性官能基である、請求項9に記載したプロト
    ン伝導体。
  11. 【請求項11】 前記プロトン伝導性官能基の少なくと
    も1個が、硫酸エステル、スルホン酸、リン酸エステル
    及びカルボン酸からなる群より選ばれる基である、請求
    項9に記載したプロトン伝導体。
  12. 【請求項12】 前記プロトン伝導性官能基が酸性官能
    基である、請求項1に記載したプロトン伝導体。
  13. 【請求項13】 前記プロトン伝導性官能基が、硫酸エ
    ステル、スルホン酸基、リン酸エステル、カルボン酸基
    及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる基であ
    る、請求項12に記載したプロトン伝導体。
  14. 【請求項14】 複数のプロトン伝導体と、複数の前記
    プロトン伝導体の間を連結した少なくとも1個の連結分
    子とからなり、前記プロトン伝導体が、フラーレン分子
    と、前記フラーレン分子に付加し、少なくとも一部分が
    フッ素化されてなるスペーサー分子と、前記スペーサー
    分子に付加したプロトン伝導性官能基とからなる、プロ
    トン伝導性高分子。
  15. 【請求項15】 前記プロトン伝導体が、請求項2〜1
    3のいずれか1項に記載したプロトン伝導体である、請
    求項14に記載したプロトン伝導性高分子。
  16. 【請求項16】 前記連結分子が、少なくとも一部分が
    フッ素化された炭化水素分子である、請求項14に記載
    したプロトン伝導性高分子。
  17. 【請求項17】 前記連結分子が、少なくとも一部分が
    フッ素化された鎖及びパーフルオロ化された鎖のどちら
    か一方である、請求項16に記載したプロトン伝導性高
    分子。
  18. 【請求項18】 前記パーフルオロ化された鎖が、下記
    一般式(1)で表される鎖である、請求項17に記載し
    たプロトン伝導性高分子。 一般式(1):Cn2n (但し、前記一般式(1)において、nは自然数であ
    る。)
  19. 【請求項19】 前記パーフルオロ化された鎖がCF2
    を含んでいる、請求項17に記載した。プロトン伝導性
    高分子。
  20. 【請求項20】 前記連結分子が前記スペーサー分子よ
    り長い、請求項14に記載したプロトン伝導性高分子。
  21. 【請求項21】 前記連結分子が他の官能基を含有して
    いる、請求項14に記載したプロトン伝導性高分子。
  22. 【請求項22】 前記他の官能基がエーテル、エステ
    ル、アミド、ケトン及び酸性官能基からなる群より選ば
    れる基である、請求項21に記載したプロトン伝導性高
    分子。
  23. 【請求項23】 前記連結分子がアリール基を含んでい
    る、請求項14に記載したプロトン伝導性高分子。
  24. 【請求項24】 前記連結分子が、少なくとも一部分が
    フッ素化された分子である、請求項14に記載したプロ
    トン伝導性高分子。
  25. 【請求項25】 前記連結分子が、前記プロトン伝導体
    を構成する前記フラーレン分子に直接結合され、前記プ
    ロトン伝導体間を連結している、請求項14に記載した
    プロトン伝導性高分子。
  26. 【請求項26】 前記連結分子が、前記プロトン伝導体
    を構成する前記フラーレン分子に付加された前記スペー
    サー分子に結合され、前記プロトン伝導体間を連結して
    いる、請求項14に記載したプロトン伝導性高分子。
  27. 【請求項27】 複数の前記プロトン伝導体のうちの少
    なくとも1個を構成する前記フラーレン分子が、追加の
    官能基を有しており、前記追加の官能基がアルキル基、
    アリール基、非フッ素化分子、一部分がフッ素化された
    分子、パーフルオロ化された分子、エーテル基、エステ
    ル基、アミド基及びケトン基からなる群より選ばれた基
    である、請求項26に記載したプロトン伝導性高分子。
  28. 【請求項28】 前記連結分子が、一部分がフッ素化さ
    れた又はパーフルオロ化されたスルホニルイミド分子で
    ある、請求項26に記載したプロトン伝導性高分子。
  29. 【請求項29】 前記連結分子がエーテル、エステル、
    アミド及びケトン基から選ばれる別の官能基を含む、請
    求項28に記載したプロトン伝導性高分子。
  30. 【請求項30】 請求項14〜29のいずれか1項に記
    載したプロトン伝導性高分子と;水分が存在することな
    くプロトン伝導性を高めることができる化合物と;を含
    むことを特徴とする、プロトン伝導性高分子組成物。
  31. 【請求項31】 前記化合物が、ポリアルキルエーテ
    ル、ポリエチレンカーボネート、ポリアクリルアミド、
    ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、アルキル
    カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカー
    ボネート、及びそれらの完全に又は一部分がフッ素化さ
    れた誘導体からなる群より選ばれる、請求項30に記載
    したプロトン伝導性高分子組成物。
  32. 【請求項32】 第1極と、第2極と、前記第1極と前
    記第2極との間に挟持されている、請求項14〜31の
    いずれか1項に記載されたプロトン伝導性高分子又はプ
    ロトン伝導性高分子組成物とからなり、前記プロトン伝
    導性高分子又はプロトン伝導性高分子組成物がプロトン
    を前記第1極から前記第2極へ伝導する、電気化学装
    置。
  33. 【請求項33】 前記プロトン伝導性高分子又はプロト
    ン伝導性高分子組成物が、約20μm〜30μmの厚さ
    を有するフィルム状である、請求項32に記載した電気
    化学装置。
  34. 【請求項34】 水素燃料電池として構成されている、
    請求項32に記載した電気化学装置。
  35. 【請求項35】 前記プロトン伝導性高分子又はプロト
    ン伝導性高分子組成物が、自己加湿性(self-humidifyi
    ng)であるような厚さを有するフィルム状に形成された
    燃料電池である、請求項34に記載した電気化学装置。
  36. 【請求項36】 電解セルである、請求項32に記載し
    た電気化学装置。
  37. 【請求項37】 蓄電器である、請求項32に記載した
    電気化学装置。
  38. 【請求項38】 請求項14〜29のいずれか1項に記
    載したプロトン伝導性高分子と、ゲル物質とからなる、
    プロトン伝導性高分子組成物。
  39. 【請求項39】 前記ゲル物質が1種以上の酸を含有し
    ている、請求項38に記載したプロトン伝導性高分子組
    成物。
  40. 【請求項40】 前記酸がHClO4、H2SO4、H3
    4、ドデカタングストリン酸及びカルボン酸である、
    請求項39に記載したプロトン伝導性高分子組成物。
  41. 【請求項41】 前記ゲル物質がシリカゲルである、請
    求項38に記載したプロトン伝導性高分子組成物。
  42. 【請求項42】 フラーレン分子と、少なくとも一部分
    がフッ素化され、酸前駆体基を有するスペーサー分子前
    駆体とを組み合わせて第1反応生成物を形成する第1工
    程と;前記第1反応生成物を加水分解して第2反応生成
    物を形成する第2工程と;前記第2反応生成物をプロト
    ン化して、前記フラーレン分子と、前記フラーレン分子
    に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてなるスペ
    ーサー分子と、前記スペーサー分子に付加したプロトン
    伝導性官能基とからなるプロトン伝導体を形成する第3
    工程と;を有する、プロトン伝導体の製造方法。
  43. 【請求項43】 前記フラーレン分子としてC60を用
    い、前記スペーサー分子前駆体としてI−CF2−CF2
    −O−CF2−CF2−SO2Fを用いることにより、C
    60−(CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F)で
    表される前記第1反応生成物を得る、請求項42に記載
    したプロトン伝導体の製造方法。
  44. 【請求項44】 前記第1工程で、C66/CS2
    1:1溶液中、1当量の前記C60及び24当量の前記I
    −CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2Fを、約2
    00℃の温度で約94時間混合し、下記一般式(2)で
    表される複数の前記第1反応生成物を形成する、請求項
    43に記載したプロトン伝導体の製造方法。 一般式(2):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
    2−SO2F)n (但し、前記一般式(2)において、nは最大約8の自
    然数である。)
  45. 【請求項45】 前記第2工程で、前記第1反応生成物
    を、溶液を形成するのに充分なC66と組み合わせ、約
    10〜20容積当量のテトラヒドロフランを加え、さら
    に前記第1工程で使用される1当量の前記C60当たり1
    モル/リットルのNaOHを加えることにより、下記一
    般式(3)で表される複数の前記第2反応生成物を形成
    する、請求項44に記載したプロトン伝導体の製造方
    法。 一般式(3):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
    2−SO3Na)n (但し、前記一般式(3)において、nは最大約8の自
    然数である。)
  46. 【請求項46】 前記第2工程と第3工程との間で、前
    記第2工程で形成された溶液を、1:1の割合のテトラ
    ヒドロフランと水を有するシリカゲルカラムに通すこと
    によって過剰のNaOHを除去する工程と、前記テトラ
    ヒドロフラン及び水を除去する工程とを有する、請求項
    45に記載したプロトン伝導体の製造方法。
  47. 【請求項47】 前記第3工程で、前記第2反応生成物
    と水の溶液を形成し、次に前記溶液をイオン交換カラム
    に通すことにより、下記一般式(4)で表される複数の
    第3反応生成物を生成する、請求項46に記載したプロ
    トン伝導体の製造方法。 一般式(4):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
    2−SO3H)n (但し、前記一般式(4)において、nは最大約8の自
    然数である。)
  48. 【請求項48】 フラーレン分子と、少なくとも一部分
    がフッ素化され、酸前駆体を有するスペーサー分子前駆
    体とを組み合わせて複数の第1反応生成物を形成する第
    1工程と;前記第1反応生成物と連結分子前駆体を混合
    し、前記連結分子前駆体の1種から形成される連結分子
    により前記第1反応生成物同士が前記連結分子を介して
    結合されてなる、第2反応生成物を形成する第2工程
    と;前記第2反応生成物をプロトン化して、複数のプロ
    トン伝導体と、複数の前記プロトン伝導体の間を連結し
    た少なくとも1個の連結分子とからなり、前記プロトン
    伝導体が、前記フラーレン分子と、前記フラーレン分子
    に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてなるスペ
    ーサー分子と、前記スペーサー分子に付加したプロトン
    伝導性官能基とからなる、網状構造のプロトン伝導性高
    分子を形成する第3工程と;を有する、プロトン伝導性
    高分子の製造方法。
  49. 【請求項49】 前記第2反応生成物をプロトン化する
    前記第3工程で、前記第2反応生成物を加水分解して第
    3反応生成物を形成した後、前記第3反応生成物をプロ
    トン化する、請求項48に記載したプロトン伝導性高分
    子の製造方法。
  50. 【請求項50】 前記フラーレン分子としてC60を用
    い、また前記スペーサー分子前駆体としてI−CF2
    CF2−O−CF2−CF2−SO2Fを用い、前記第1工
    程で、C66/CS2の1:1溶液中、1当量の前記C
    60及び24当量の前記I−CF2−CF2−O−CF2
    CF2−SO2Fを、約200℃の温度で約94時間混合
    し、下記一般式(2)で表される前記第1反応生成物を
    形成し、前記第2工程で、前記連結分子前駆体としてI
    −(CF28−Iを用いて、下記一般式(5)で表され
    る前記第2反応生成物を形成する、請求項48に記載し
    たプロトン伝導性高分子の製造方法。 一般式(2):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
    2−SO2F)n (但し、前記一般式(2)において、nは最大約8の自
    然数である。) 【化1】一般式(5): (但し、前記一般式(5)において、yは少なくとも2
    の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
  51. 【請求項51】 前記第2反応生成物をプロトン化する
    前記第3工程で、前記第2反応生成物をNaOHで加水
    分解することにより、下記一般式(6)で表される第3
    反応生成物を形成する、請求項50に記載したプロトン
    伝導性高分子の製造方法。 【化2】一般式(6): (但し、前記一般式(6)において、yは少なくとも2
    の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
  52. 【請求項52】 前記第3工程で、前記第3反応生成物
    をプロトン化することにより、下記一般式(7)で表さ
    れるプロトン伝導性高分子を得る、請求項51に記載し
    たプロトン伝導性高分子の製造方法。 【化3】一般式(7): (但し、前記一般式(7)において、yは少なくとも2
    の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
  53. 【請求項53】 前記連結分子前駆体が少なくとも一部
    分がフッ素化された分子を有し、また、前記連結分子が
    少なくとも一部分がフッ素化された分子を有する、請求
    項48に記載したプロトン伝導性高分子の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記連結分子が−(C612)−を含
    んでいる、請求項48に記載したプロトン伝導性高分子
    の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記フラーレン分子としてC60を用
    い、前記スペーサー分子前駆体としてI−CF2−CF2
    −O−CF2−CF2−SO2Fを用いることにより、下
    記一般式(2)で表される前記第1反応生成物を生成
    し、また、前記連結分子前駆体として下記一般式(8)
    で表される化合物を用いることにより、下記一般式
    (9)で表される前記第2反応生成物を形成する、請求
    項48に記載したプロトン伝導性高分子の製造方法。 一般式(2):C60−(CF2−CF2−O−CF2−C
    2−SO2F)n (但し、前記一般式(2)において、nは最大約8の自
    然数である。) 【化4】一般式(8): 一般式(9): [Rf−C60−CF2CF2OCF2CF2SO2NR1SO2
    CF2CF2OCF2CF2−C60−Rfy (但し、前記一般式(8)及び(9)において、R
    fは、−CF2CF2OCF2CF2SO2F、−CF2CF2
    OCF2CF2SO2NH2又は−CF2CF2OCF2CF2
    SO2NR1SiR2 3であり、或いは−CF2CF2OCF
    2CF2SO2NR1SO2CF2CF2OCF2CF2−C60
    −Rf'(但し、Rf'はRfと同じである。)である。y
    は自然数である。また、R2はアルキル基であり、R1
    Li、Na、K、SiR2 3である。)
  56. 【請求項56】 前記第2工程で;1当量の固体の前記
    第1反応生成物を計量して、テトラヒドロフランに溶解
    したR2 3SiNNaSiR2 3(但し、R2はアルキル基
    である。)の1M溶液を大気中で滴状に加え、暗褐色の
    沈殿物が形成するまで室温で攪拌し、前記暗褐色の沈殿
    物を真空中で乾燥して第1固体を形成し、前記第1固体
    をジオキサンに溶解し、それに前記のテトラヒドロフラ
    ンに入れた1/2当量の前記第1反応生成物を加え、第
    2固体が得られるまで前記溶解した第1固体を還流し、
    その間に前記第2反応生成物を含有する前記第2固体を
    得る、請求項55に記載したプロトン伝導性高分子の製
    造方法。
  57. 【請求項57】 前記第3工程で、NaOHを用いて前
    記第2反応生成物を加水分解することにより、下記一般
    式(10)で表される第3反応生成物を形成する、請求
    項55に記載したプロトン伝導性高分子の製造方法。 一般式(10): [Rf2−C60−CF2CF2OCF2CF2SO2NNaS
    2CF2CF2OCF2CF2−C60−Rf2y (但し、前記一般式(10)において、Rf2は、−CF
    2CF2OCF2CF2SO 3Na、−CF2CF2OCF2
    2SO2NH2又は−CF2CF2OCF2CF2SO2NN
    aSiR2 3であり、或いは−CF2CF2OCF2CF2
    2NR1SO2CF2CF2OCF2CF2−C60−R
    f2'(但し、Rf2'はRf2と同じである。)である。yは
    自然数である。また、R2はアルキル基であり、R1はL
    i、Na、K、SiR2 3である。)
  58. 【請求項58】 前記第3工程で、前記第3反応生成物
    をプロトン化することにより、下記一般式(11)で表
    される高分子を生成する、請求項57に記載したプロト
    ン伝導性高分子の製造方法。 一般式(11): [Rf3−C60−CF2CF2OCF2CF2SO2NHSO2
    CF2CF2OCF2CF2−C60−Rf3y (但し、前記一般式(11)において、Rf3は、−CF
    2CF2OCF2CF2SO 3Hであり、或いは−CF2CF
    2OCF2CF2SO2NHSO2CF2CF2OCF2CF2
    −C60−Rf3'(但し、Rf3'はRf3と同じである。)で
    ある。また、yは自然数である。)
  59. 【請求項59】 前記第3工程で、HClと共に前記第
    2反応生成物を加熱する、請求項58に記載したプロト
    ン伝導性高分子の製造方法。
  60. 【請求項60】 フラーレン分子と、少なくとも一部分
    がフッ素化されたスペーサー分子前駆体と、連結分子前
    駆体とを組み合わせて複数の架橋型第1反応生成物を形
    成する第1工程と;前記架橋型第1反応生成物をプロト
    ン化して、複数のプロトン伝導体と、複数のプロトン伝
    導体の間を連結した少なくとも1個の連結分子とからな
    り、前記プロトン伝導体が、前記フラーレン分子と、前
    記フラーレン分子に付加し、少なくとも一部分がフッ素
    化されてなるスペーサー分子と、前記スペーサー分子に
    付加したプロトン伝導性官能基とからなる、網状構造の
    プロトン伝導性高分子を形成する第2工程と;を有す
    る、プロトン伝導性高分子の製造方法。
  61. 【請求項61】 前記架橋型第1反応生成物をプロトン
    化する前記第2工程で、前記架橋型第1反応生成物を加
    水分解して架橋型第2反応生成物を形成した後、前記架
    橋型第2反応生成物をプロトン化する、請求項60に記
    載したプロトン伝導性高分子の製造方法。
  62. 【請求項62】 前記フラーレン分子としてC60を用
    い、前記スペーサー分子前駆体としてI−CF2−CF2
    −O−CF2−CF2−SO2Fを用い、また前記連結分
    子前駆体としてI−(CF28−Iを用い、 前記第1工程で、C66/CS2の1:1溶液中、1当
    量の前記C60、24当量の前記I−CF2−CF2−O−
    CF2−CF2−SO2F及び24当量の前記I−(C
    28−Iを、約200℃の温度で約96時間混合する
    ことにより、下記一般式(5)で表される前記架橋型第
    1反応生成物を形成する、請求項60に記載したプロト
    ン伝導性高分子の製造方法。 【化5】一般式(5): (但し、前記一般式(5)において、yは少なくとも2
    の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
  63. 【請求項63】 前記架橋型第1反応生成物をプロトン
    化する前記第2工程で、前記架橋型第1反応生成物をN
    aOHで加水分解することにより、下記一般式(6)で
    表される前記架橋型第2反応生成物を形成する、請求項
    62に記載したプロトン伝導性高分子の製造方法。 【化6】一般式(6): (但し、前記一般式(6)において、yは少なくとも2
    の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
  64. 【請求項64】 前記第2工程で、前記架橋型第2反応
    生成物をプロトン化して下記一般式(7)で表される高
    分子を生成する、請求項63に記載したプロトン伝導性
    高分子の製造方法。 【化7】一般式(7): (但し、前記一般式(7)において、yは少なくとも2
    の自然数であり、nは最大約8の自然数である。)
  65. 【請求項65】 前記連結分子前駆体が少なくとも一部
    分がフッ素化された分子を有し、また、前記連結分子が
    少なくとも一部分がフッ素化された分子を有している、
    請求項60に記載したプロトン伝導性高分子の製造方
    法。
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