JP2007022996A - イオン解離性機能分子の製造方法、及びその前駆体の製造方法 - Google Patents

イオン解離性機能分子の製造方法、及びその前駆体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱的及び化学的に安定なプロトン伝導体材料をより穏和な条件下で合成を行うことにより、最低限度の使用量の付加反応試薬で、効率良く付加反応を進行させることのできる方法を提供すること。
【解決手段】 フラーレンC60等の球状炭素分子と、ICF2CF2OCF2CF2SO2F等の付加反応分子とを2,2’−アゾイソブチロニトリル等のラジカル開始剤の存在下で70〜100℃、120時間で付加反応させることによって、C60−CF2CF2OCF2CF2SO2F等の前駆体を得、更に、この前駆体をアルカリ存在下で加水分解した後に水素イオンと交換することによって、C60−CF2CF2OCF2CF2SO3H等のプロトン伝導性フラーレン誘導体を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池のプロトン伝導体等の材料として好適なイオン解離性機能分子の製造方法、及びその前駆体の製造方法に関するものである。
最も広く使用されているプロトン伝導体の1つはNafion(パーフルオロスルホン酸樹脂、DoPont社製)であり、これはパーフルオロ化されたスルホン酸官能性高分子である。Nafionは、本質的に2つのサブ構造体、即ち、i)パーフルオロ化された線状主鎖、及びii)スルホン酸官能基を含むパーフルオロ化された側鎖(プロトン供与サイト)に分割できる。しかし、この構造は、プロトン伝導性が、化学的影響ばかりでなく熱的影響に対して不活性ではあるが、水の存在なしには発現できないものである。
これに対し、図3に示すような、固体構造内でプロトンを伝導できる硫酸エステル(−OSO3H)又はスルホン酸基(−SO3H)のような酸性官能基を含むフラーレン化合物((A)〜(F))が、本出願人によって既に提案され、公知となっている。このようなプロトン供与サイトは、直接でも、或いは種々のスペーサー分子を経由してもフラーレン核に付加することができる。結晶内に含まれる水の量により、これらの化合物は、10-2S/cm超のプロトン伝導率を発現するが、水の存在なしでもプロトン伝導性を発現する。
しかしながら、これらのフラーレン系材料は幾つかの欠点を抱えおり、熱的及び/又は化学的分解に対する耐性が十分ではない。1つの例として、図3(F)に示すようなブチル連結型フラーレロスルホン酸(butyl-linked fullererosulfonic acid)は、約100〜110℃で早くも分解し始める。しかし、熱的及び化学的安定性は、燃料電池の用途に使用されるいずれの化合物にも必須である。
そこで、本出願人は、上記した欠点を解決するために、高度のプロトン伝導性を有し、電気化学装置で求められる条件のもとで、熱的ばかりでなく化学的にも非常に安定なフラーレン系プロトン伝導体(以下、これを第1の先願発明と称する。)を既に提起した(後記の特許文献1参照)。
即ち、この第1の先願発明は、フラーレン分子と;前記フラーレン分子に付加し、少なくとも一部分がフッ素化されてなるスペーサー分子と;前記スペーサー分子に付加したプロトン(H+)伝導性官能基と;からなる、プロトン伝導体に係るものである。
この場合、前記スペーサー分子としては、アルキル又はアリールでもよく、少なくとも一部分がフッ素化されていて、プロトン伝導体の全体にわたって付与されていることによって、熱的及び化学的安定性の向上を図ることができる。
このスペーサー分子は、完全に又は一部分がフッ素化された炭化水素鎖であることが好ましく、例えば、一部分がフッ素化された炭化水素鎖、パーフルオロ化された炭化水素鎖、−Cn2n−(但し、nは自然数である。)、完全に又は一部分がフッ素化された芳香族構造体(即ち、前記スペーサー分子のフッ素化部分はCF2アルキルタイプに限定されない。)、及び図4(A)に示すような−CF2−CF2−O−CF2−CF2−等を挙げることができる。
一般的に、前記スペーサー分子中のフッ素原子が多くなればなる程、前記スペーサー分子はそれだけ安定するが、部分フッ素化の場合には、安定性はF原子及びH原子の位置によっても左右される。現状では、−CF2−CF2−O−CF2−CF2−は、極めて安定であり、容易に購入できる材料から導びけるので好ましい。しかしながら、一部分がフッ素化された前記スペーサー分子は、パーフルオロ化スペーサー分子より、コスト的に安価にすることができ、しかも燃料電池で使用するのに充分な安定性を発現することができるので、この一部分がフッ素化された前記スペーサー分子が有利となる場合もある。
例えば、図4(B)に示すように、各末端部にCF2基を有する非フッ素化スペーサーが挙げられる。これ以外に、一方の末端部のみにCF2基を有するもの、即ち、フラーレン分子とCF2基との間に結合された非フッ素化スペーサー、一方の末端部ではCF2基によって前記フラーレン分子に結合され、もう一方の末端部では前記プロトン伝導性官能基に直接結合されている非フッ素化スペーサーであってもよい。
さらに、前記スペーサー分子は、例えば、エーテル、エステル又はケトンのような他の官能基を有していてもよく、これらを必要に応じて付加することができる。
なお、前記プロトン伝導性官能基としては、周知のいずれのプロトン伝導性官能基であってもよい。例えば、前記プロトン伝導性官能基としては、酸性官能基、又は硫酸エステル、スルホン酸基、リン酸エステル及びカルボン酸基からなる群より選ばれる基、或いはスルホンアミド(−SO2NH2)などが使用可能である。しかしながら、一般的に、酸は強ければ強いほど、好ましい。従って、スルホン酸基が特に好ましい。
上記した第1の先願発明によれば、少なくとも一部分がフッ素化された前記スペーサー分子を介して、前記プロトン伝導性官能基を前記フラーレン分子と結合することにより、単位原子量当たり多数の前記プロトン伝導性官能基を有するので、高度のプロトン伝導性を実現できる。即ち、Nafionは原子量約1100単位当たり1個のプロトン供与サイトを含むのが普通であるのに対して、平均8〜10個のプロトン伝導基を有するC60等のフラーレン分子は、この割合が数倍に増大し(即ち、例えば原子量約370単位当たり平均1個のプロトン供与サイトを有する。)、重量に対する前記プロトン伝導性官能基の比率が著しく高くなる
さらに、このフラーレン系プロトン伝導性材料は、前記プロトン伝導性官能基を少なくとも一部分がフッ素化された前記スペーサー分子を介して前記フラーレン分子に結合することにより、従来のフラーレン系プロトン伝導体の熱的及び化学的安定性よりも高度の熱的及び化学的安定性を実現できる。
前記スペーサーは、図4(C)に示すように、CF2基のみからなっているのがよい。これについても、本出願人が第2の先願発明として既に提起した(後述の特許文献2参照)。
即ち、この第2の先願発明のフラーレン系プロトン伝導性材料では、イオン解離性の基が、不飽和結合を有するフラーレン核等の球状炭素分子に直結しておらず、ジフルオロメチレン基を介して間接的に球状炭素分子に結合している。このジフルオロメチレン基は、飽和炭化水素の基本骨格であるメチレン基の水素原子をフッ素原子で置換して、化学的に不活性化し、耐熱性を強化した基である。この結果、不飽和結合の影響が前記イオン解離性の基に及ぶことがなく、しかもジフルオロメチレン基が化学的に不活性で耐熱性が高いため、前記イオン解離性の基を有する球状炭素分子の誘導体の中で、熱的にも化学的にも最も安定な構造を有している。
しかも、前記ジフルオロメチレン基がスペーサー基としての最小限の大きさを有すると共に、1個の球状炭素分子に対して多数の前記イオン解離性の基を導入することができるので、前記イオン解離性の基の密度を高めることができ、比較的低い湿度条件下でも高いイオン伝導性を実現することができる。
特開2002−175284(特許請求の範囲の[請求項1]〜[請求項13]、発明の詳細な説明の段落番号[0010]、[0016]〜[0018]、[0029]〜[0034]、[0044]〜[0059]) 特開2005−68124(特許請求の範囲の[請求項1]〜[請求項4]、明細書の段落番号[0011]、[0014]〜[0015]、[0048]〜[0086]、[0107]〜[0120])
上記した各先願発明によるフラーレン系プロトン伝導性材料は、熱的及び化学的に非常に安定である優れた化合物であり、図5に示す方法によって合成することができる(但し、Rは上記したスペーサーに相当し、−CF2CF2OCF2CF2−又は−CF2−等である。)。ここで、R=−CF2CF2−O−CF2CF2−を例とした合成方法を説明する。
まず、第1工程において、1当量のフラーレン分子C60を、24当量又はそれ以上のI−CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F(スペーサー分子前駆体)及びC66/CS2の1:1の溶液混合物を調製する。CS2の量は約7.9ml/C60mgであり、C66の量はこれと同じとする。次に、溶液温度を約200℃に上げ、約94時間で70%超の反応物を付加反応させて、第1反応生成物を生成する。C66/CS2溶媒混合物は約50℃で沸騰するので、例えばオートクレーブの中のように大気圧より高い圧力のもとでこの工程を行う。
前記スペーサー分子前駆体の内部では、I側は、このIが外れると前記フラーレン分子に付加することになる結合側である。一方、前記スペーサー分子前駆体のSO2F側は、後の段階で更に反応を行なうことにより前記プロトン伝導性官能基に変換される。溶媒がC66だけを含むと、前記フラーレン分子が沈殿して、高いパーセンテージのC60が未反応のまま残されることになる。従って、この溶媒は、前記フラーレン分子が溶解するCS2のような成分も含む。また、第1反応生成物はC66に可溶であるので、C66も使用して未反応のC60から前記第1反応生成物を分離し易くすることが好ましい。
温度も反応時間も上記の例に限られるものではなく、環境によって適宜変更することができる。従って、反応が行なわれる限り、高温側では短時間を使い、同様に、低温側では長時間を使うことができる。大抵の場合、高温側では前記フラーレン分子当たりの前記スペーサー分子の数が多くなる。しかし、いかなる場合も、反応温度は前記スペーサー分子前駆体が分解し始める温度を超えてはならないし、反応温度が余り高いと、望ましくない副反応が起こる。更に、付加されるスペーサー分子が多ければ多いほど、プロトン伝導性基は多く存在し、これによってプロトン伝導性が高まる。
従って、温度は、プロトン伝導性、及び分子を連結するのに利用できるサイトの最適なバランスが得られ、同時に副反応を最小限に抑えるように選ばれる。なお、加熱の代わりに、又は加熱に加えて、例えば、可視光又は紫外光のような光エネルギーのような別の適当な活性化エネルギーを使用することができる。従って、温度範囲としては、約94時間の反応時間で200℃(第1の先願発明)又は190℃〜240℃(第2の先願発明)が適用される。
この第1工程によって、
一般式(1):
60−(CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F)n
(但し、前記一般式(1)において、nは約8の自然数である。)
で表される第1反応生成物が得られ、未反応のC60は約5%〜7%である。なお、未反応C60及び溶媒に不溶の他の望ましくない副生物は、その時点で濾過して取り除けばよい。
次に、第2工程で、前記一般式(1)で表される前記第1反応生成物をNaOH(又はKOH)と反応させることにより加水分解する。この工程で使用される溶液は、前記第1反応生成物を加水分解するために、C66、THF(テトラヒドロフラン)及びNaOHで構成される。乾燥した前記第1反応生成物はTHFに容易に溶解しないので、この第1反応生成物を溶液にするためにC66を使用することが好ましい。また、前記第1反応生成物を使って充分に溶液が形成される限り、比率は特に限定されるべきものではなく、C66の量は適宜変更できる。水はC66には完全に不溶であるので、NaOHも前記第1反応生成物も溶液にするには、THFはC66、前記第1反応生成物及びNaOHと組み合わせて使用するのがよい。
この第2工程で使用する溶液は、前記第1反応生成物を溶液にするのに丁度充分なC66、そのC66の中で前記第1反応生成物の量の約10〜20倍に等しい量のTHF、及び1当量の前記フラーレン分子(ここではC60)当たりNaOH1リットル当たり1モルの(C60+THF)量の約1/10〜1/20容量を含んでいてよい。
ここで、考えられる(100%の反応を想定して)NaOHの最小量は1個の−SO2F基当たり1個のNaOHであり、即ちC60当たり付加した8個の−Rf−SO2F付加物で見積ると少なくとも8当量である。しかしながら、比較的容易なので、100%の加水分解を確実に行なうのに充分な過剰のNaOHを使い、一方、過剰のNaOHでも簡単に取り除くには充分に少なくするのが常である。この反応を行なうには厳密な比率は必要ではないので、この方法は簡単にスケールアップすることができることから、大量にプロトン伝導体の生産を容易に行なうことができる。
この第2工程(加水分解)により、下記一般式(2)で表される第2反応生成物、水及び過剰のNaOHが生成する。
一般式(2):
60−(CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO3Na)n
(但し、前記一般式(2)において、nは約8の自然数である。)
前記第2反応生成物及び副生物(過剰のNaOHを含む。)を、水だけを使ってシリカゲルカラムに通すと、得られる溶液は塩基性であるので、これは望ましくない。従って、この溶液を1:1の割合のTHFと水との混合液としてシリカゲルカラムに通すと、過剰のNaOHが取り除かれ、そして水溶性の所望の第2反応生成物を含む中性の溶液を生成することができる。この時点で、この溶媒(THFと水)を取り除くことが好ましい。
更に、第3工程で、前記第2反応生成物をプロトン化して第3反応生成物、即ち、プロトン伝導体を生成することができる。溶媒を前記第2工程後に取り除いたのち、前記第2反応生成物と水を用いて溶液を作り、この溶液をイオン交換カラムに注入すると、このカラム内ではHは第2反応生成物のNaと置換することにより、下記一般式(3)で表される第3反応生成物(フラーレン系プロトン伝導性材料)を生成することができる。
一般式(3):
60−(CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO3H)n
(但し、前記一般式(3)において、nは約8の自然数である。)
なお、プロトン化は、カチオン交換装置を用いて、HCl、H2SO4、HClO4若しくはHNO3のような強い無機酸を使用することによって行うことができ、或いはその他の任意の好適な方法を用いてもよい。
前記第3反応生成物であるプロトン伝導体は、熱的及び化学的安定性がより優れた優秀なプロトン伝導体である。なお、前記した各一般式においては、前記フラーレン分子がC60の場合、nの平均値は約6〜8であって、これによって優れたプロトン伝導性が発現される。
この第3反応生成物は図4(A)に示したものに相当し、例えば、図3(F)の化合物のプロトン伝導率(全てS/cm単位であり、20℃で2.1×10-6、85℃で4.8×10-4、95℃で3.8×10-4及び105℃で3.4×10-4)より高いプロトン伝導率(全てS/cm単位であり、20℃で2.4×10-5、85℃で2.0×10-3、95℃で1.1×10-3及び105℃で7.9×10-4)を示す。この場合、伝導率は油回転ポンプによる真空(約0.001ミリバールを発生する。)で50℃で12時間、試料を乾燥した後に測定する。
また、この第3反応生成物は約170℃〜180℃の分解温度(TPDによる測定)を示す。この温度は、例えば図3(F)に示した化合物(分解温度:100〜110℃)の分解温度より高い。
しかしながら、上記した各先願発明によるフラーレン系プロトン伝導性材料(第3反応生成物)の合成方法は非常に過酷な条件下で行われ、第1の先願発明においてはフラーレンへの付加反応の反応温度は200℃であり、第2の先願発明においてはその反応温度は190℃〜240℃(反応時間はともに4日間)とかなり高温である。この場合、付加反応試薬であるICF2CF2OCF2CF2SO2Fの沸点は127℃、ICF2SO2Fの沸点は約40℃程度であるため、付加反応中の付加反応試薬の揮発性は抑えきれない。このため、充分に付加反応させるには、かなり過剰量の付加反応試薬を用いなければならない。例えば、8付加体(n=8)を合成するには、フラーレン分子1当量に対して24当量又はそれ以上の付加反応試薬を用いる必要があり、効率良く付加反応を行うことができない。
本発明の目的は、こうした問題点を解消し、より穏和な条件下で合成を行うことにより、最低限度の使用量の付加反応分子(試薬)で、効率良く付加反応を進行させることのできる方法を提供することにある。
即ち、本発明は、
一般式I:
m
(但し、mは球状炭素分子を形成し得る自然数である。)
で表されるC60フラーレン等の球状炭素分子と、
一般式II:
1−R-SO22
(但し、X1、X2は互いに異なるハロゲン原子であって、X1は前記球状炭素分子へ の付加反応時に脱離し得るハロゲン原子(特にヨウ素原子I)、X2は加水分解反応 時に脱離し得るハロゲン原子(特にフッ素原子F)であり、Rは連結基としてのスペ ーサー(特に少なくとも一部分がフッ素化されたもの)である。)
で表される付加反応分子(付加反応試薬)とを、2,2’−アゾイソブチロニトリル等のラジカル開始剤の存在下で付加反応させることによって、
一般式III:
m−(RSO22)n
(但し、R、X2及びmはそれぞれ前記したものと同じであり、nは自然数である。 )
で表される付加反応生成物を得ることを特徴とする、フラーレン系プロトン伝導体等のイオン解離性機能分子前駆体の製造方法に係り、また、この前駆体(付加反応生成物)を得る工程を有するイオン解離性機能分子の製造方法にも係るものである。
本発明によれば、前記球状炭素分子と前記付加反応分子との付加反応時に、ラジカル開始剤を用いることにより、非常に穏和な条件下で付加反応が進行し、特に反応温度を100℃以下に抑えることができるため、付加反応分子の揮発を抑えることができる。この結果、例えば8付加体(n=8)を合成する場合、これまで24当量又はそれ以上(n’≧24)の付加反応分子を加える必要があったが、これを16当量程度(n’=16)まで低減させることが可能になる。こうして、最低限度にまで付加反応分子の使用量を減らしても、前記球状炭素分子に対して少ない当量で十分な官能基を付加することができるため、効率良く付加反応を進行させ、イオン解離性(特にプロトン伝導性)が十分であって熱的及び化学的に非常に安定な目的とするイオン解離性機能分子又はその前駆体を得ることができる。
本発明において、前記付加反応を100℃以下(ラジカル開始剤の反応温度を考慮すると、70℃以上とするのがよい。)で行う上で、前記ラジカル開始剤として、2,2’−アゾイソブチロニトリル又は/及び過酸化ベンゾイルを用いるのがよい。
また、前記Cmとしてフラーレン分子(C60、C70等)を用い、前記X1をヨウ素原子、前記X2をフッ素原子とするのが、付加反応の実現性や効率の面から望ましく、更に前記Rを含フッ素及び含酸素鎖状スペーサー又は含フッ素鎖状スペーサーとするのがよい。
この場合、前記Rを−(CF2)p−O−(CF2)q−(但し、p、qは1以上の自然数である。)又は−CF2−とすることが、目的物の熱的及び化学的安定性からみて望ましい。
また、イオン解離性機能分子を得る方法としては、前記付加反応生成物をNaOH、KOH等の水酸化アルカリの存在下で加水分解して、
一般式A:
m−(RSO3M)n
(但し、MはNa、K等のアルカリ金属原子であり、R、m及びnはそれぞれ前記し たものと同じである。)
で表されるイオン解離性機能分子を得ること、更には、前記一般式Aで表されるイオン解離性機能分子の前記アルカリ金属原子の陽イオンM+を水素イオンで置換して、
一般式B:
m−(R−SO3H)n
(但し、R、m及びnはそれぞれ前記したものと同じである。)
で表されるプロトン解離性機能分子を得ることができる。この加水分解及びイオン交換は、図5について既述したものと同様であってよい。
以下、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。
図1に示すように、まず、第1工程において、1当量のフラーレン分子C60を、16当量程度のI−CF2−CF2−O−CF2−CF2−SO2F又はI−CF2−SO2F(スペーサー分子前駆体)及び1,2,4−トリクロロベンゼンの溶液混合物に、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤を添加する。次に、溶液温度を約120時間、70〜100℃で撹拌すると、相当量の反応物が付加反応して、前記一般式(1)で表される第1反応生成物を生成する。
この付加反応に用いる溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンに限らず、C66とCS2や、フラーレンを溶解しやすいベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエンなどの他のベンゼン系溶媒や、ラジカルに対し活性が低く、一般的にラジカル反応に用いられる四塩化炭素、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒を用いることができる。
また、加熱に加えて、或いは加熱の代わりに、例えば、可視光又は紫外光を照射して、光エネルギーによって活性化のエネルギーを与えるなど、熱とは異なる別の適当なエネルギー源によって活性化のためのエネルギーを賦与することもできる。
次に、図5において述べたと同様に、第2工程において、前記第1反応生成物をNaOHと反応させることにより加水分解して、前記一般式(2)で表される第2反応生成物、水及び過剰のNaOHを生成させ、更に、第3工程で、前記第2反応生成物をプロトン化して前記一般式(3)で表される第3反応生成物、即ち、プロトン伝導体を生成することができる。なお、第2工程及び第3工程での反応条件(反応物質の量、溶媒の種類等)は、図5について述べたと同様であるので、ここでは繰り返して述べないことにする。
前記第3反応生成物として得られるプロトン伝導体は、熱的及び化学的安定性がより優れた優秀なプロトン伝導体である。なお、前記した各一般式においては、前記フラーレン分子がC60の場合、nの平均値は約6〜8であって、これによって優れたプロトン伝導性が発現される。
この第3反応生成物は図4(A)又は(C)に示したものに相当し、例えば、図3(F)の化合物のプロトン伝導率(全てS/cm単位であり、20℃で2.1×10-6、85℃で4.8×10-4、95℃で3.8×10-4及び105℃で3.4×10-4)より高いプロトン伝導率(全てS/cm単位であり、20℃で2.4×10-5、85℃で2.0×10-3、95℃で1.1×10-3及び105℃で7.9×10-4)を示す。
また、この第3反応生成物は例えば約170℃〜180℃の分解温度(TPDによる測定)を示す。この温度は、例えば図3(F)に示した化合物(分解温度:100〜110℃)の分解温度より高い。
このように、本実施の形態によれば、前記球状炭素分子であるフラーレンC60と、前記付加反応分子であるI−R−SO2Fとの付加反応時に、ラジカル開始剤を用いることにより、非常に穏和な条件下で付加反応が進行し、特に反応温度を100℃以下に抑えることができるため、付加反応分子の揮発を抑えることができる。この結果、例えば8付加体(n=8)を合成する場合、これまで24当量又はそれ以上(n’≧24)の付加反応分子を加える必要があったが、これを16当量程度(n’=16)まで低減させることが可能になる。こうして、最低限度にまで付加反応分子の使用量を減らしても、前記球状炭素分子に対して少ない当量で十分官能基を付加することができるため、効率良く付加反応を進行させ、イオン解離性(特にプロトン伝導性)が十分であって熱的及び化学的に非常に安定な目的とするイオン解離性機能分子(第2反応生成物又は第3反応生成物)又はその前駆体(第1反応生成物)を得ることができる。
本実施の形態において、特に、プロトン伝導性官能基を有するスペーサーをフラーレン分子に付加させる反応に用いるラジカル開始剤としては、2,2’−アゾイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル又はこれらの混合物を用いるのが好ましいが、これら以外にも、過酸化ラウロイル、過酸化カリウム、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクロミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等も使用可能である。
このラジカル開始剤の使用量は、フラーレン分子1当量に対して0当量より多く0.1当量以下とするのがよく、この範囲を外れて多くなりすぎると却って付加反応の効率が低下し易い。
また、付加反応分子は、一般式:X1−R−SO22で表されるが、これは上記した分子をはじめ、種々のものから選択してよい。即ち、X1、X2は、それぞれハロゲン原子であるが、X1はヨウ素原子、X2はフッ素原子とするのがよい。Rは、図4(A)に示した−CF2−CF2−O−CF2−CF2−をはじめ、一部分がフッ素化された炭化水素鎖、パーフルオロ化された炭化水素鎖、−CF2−等の−Cn2n−(但し、nは自然数である。)、完全に又は一部分がフッ素化された芳香族構造体(即ち、スペーサー分子のフッ素化部分はCF2アルキルタイプに限定されない。)を挙げることができる。
本実施の形態による付加反応は、ラジカル開始剤の存在によって、反応温度100℃以下と穏和な条件で進行させることができる。これは、ラジカル開始剤の反応温度を考慮すると、70℃以上とするのが望ましい。こうした穏和な条件で付加反応を行えるため、上記の付加反応分子の揮発を抑えることができるので、その使用量を減らしても効率良く反応を行え、その使用量をフラーレン分子1当量当り12〜20当量、例えば目的物が8付加体(n=8)の場合には12〜16当量程度まで減少させることができる。また、反応時間も120時間程度ですむ。
本発明によるイオン解離性機能分子としてのプロトン伝導体は、プロトン伝導性官能基である−SO3H(又は−SO3Na)が前記スペーサーRを介して例えばフラーレン分子C60に導入されたものであるが、複数の同一又は異なる前記スペーサーRを介してn≦8個導入されることが可能である。
前記球状炭素分子としてのフラーレン分子は炭素原子からなり、ほぼ球形を有する分子であるが、いずれの公知のフラーレン分子も使用できる。例えば、このフラーレン分子には、C36、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C96、C266等が例として挙げられる。現在は、フラーレン分子は妥当な価格で容易に購入できること、そして一般的に、フラーレン分子の寸法が増すにつれて、その反応性は低下するのでC60及びC70又はそれらの混合物が特に好適に使用可能である。前記フラーレン分子は、プロトンキャリアが移動する方向とは無関係に一様な形状を有するので、前記フラーレン分子を使用するとプロトンの向上した移動度が発現され、それによって本発明では高度のプロトン伝導性能が得られる。さらに、例えば前記フラーレン分子は単位原子量当たり極めて多数のプロトン伝導基を有することができるので、高度のプロトン伝導性を達成する。
図2は、本発明を適用した燃料電池の構成を示す概略断面図である。この装置において、本発明に基づくイオン伝導体であるプロトン伝導体2は、薄膜状に成膜され、その両面に燃料電極3と酸素電極1とが、図示省略した電極触媒等と共に接合されて、膜−電極接合体(MEA)4を構成する。そして、膜−電極接合体(MEA)4は、セル上半部7とセル下半部8との間に挟持されて、燃料電池に組み込まれる。
セル上半部7及びセル下半部8には、それぞれガス供給管9及び10が設けられており、例えば、ガス供給管9からは水素、またガス供給管10からは空気もしくは酸素が送気される。各ガスは図示省略した通気孔を有するガス供給部5及び6を通過して燃料電極3および酸素電極1に供給される。ガス供給部5は燃料電極3とセル上半部7を電気的に接続し、ガス供給部6は酸素電極1とセル下半部8を電気的に接続する。また、セル上半部7には水素ガスの漏洩を防ぐためにOリング11が配置されている。
発電は、上記のガスを供給しながら、セル上半部7及びセル下半部8に接続されている外部回路12を閉じることで行うことができる。この時、燃料電極3の表面上では下記(式1)
2H2 → 4H+ + 4e- (式1)
の反応により水素が酸化され、燃料電極3に電子を与える。生じた水素イオンH+はプロトン伝導体膜2を介して酸素電極1へ移動する。ここで、燃料電極3には、いわゆるダイレクトメタノール方式の場合、燃料としてメタノールを供給することも可能である。
酸素電極1へ移動した水素イオンは、酸素電極1に供給される酸素と下記(式2)
2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (式2)
のように反応し、水を生成する。このとき、酸素は、酸素電極1から電子を取り込み、還元される。
この際、プロトン伝導体膜2の厚さを十分薄く作製しておけば、酸素電極1で発生した水でプロトン伝導体膜2を加湿し、プロトン伝導体膜2に高いプロトン伝導性を発揮させることができる。このようにプロトン伝導体膜2が自己加湿性(self-humidifying)であるようにするには、その膜厚を500μm以下とするのがよい。
次に、本発明を好ましい実施例について具体的に説明する。
実施例1
Figure 2007022996
フラーレンC601.0g(1.4×10-3mol)と、ICF2CF2OCF2CF2SO2F4.6ml(2.2×10-2mol、フラーレンに対して16当量)と、AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)0.02g(1.4×10-3mol、フラーレンに対して0.1当量)とを、1,2,4−トリクロロベンゼンに溶かし、この溶液を不活性ガス(N2)中、100℃で5日間撹拌した。
反応生成物を含む溶液から1,2,4−トリクロロベンゼンをエバポレーターで除去して濃縮した後、ジエチルエーテルを加えて、沈殿を析出させ、吸引濾過によって沈殿物を回収した。未反応のフラーレンを除去するためにトルエンで3回洗った後、未反応のAIBNを除去するためにジエチルエーテルで3回洗浄した。
得られた粉末に1Mの水酸化ナトリウムを加えてナトリウム塩に変換した後、イオン交換カラムを通して、Na型からH型に変換し、目的生成物を得た。
この目的生成物は、フラーレンC60にプロトン解離性の−SO3H基が−CF2CF2OCF2CF2−を介して付加してなるものであり、公知の方法によって測定したプロトン伝導率は、20℃で2.4×10-5S/cm、85℃で2.0×10-3S/cm、95℃で1.1×10-3S/cm及び105℃で7.9×10-4S/cmであった。また、約170℃〜180℃の分解温度(TPDによる測定)を示した。
実施例2
実施例1において、ICF2CF2OCF2CF2SO2Fに代えてICF2SO2Fを用い、AIBNに代えて過酸化ベンゾイルを用いた以外は同様にして、付加反応、加水分解反応及びイオン交換を行った。
この結果、フラーレンC60にプロトン解離性の−SO3H基が−CF2−を介して付加してなる目的生成物が得られた。これは、実施例1のものと同等のプロトン伝導率を示した。
以上、本発明を実施の形態及び実施例について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
燃料電池のプロトン伝導体等の材料として好適なイオン解離性機能分子及びその前駆体
の効率の良い製造方法を提供できる。
本発明に基づくプロトン伝導性フラーレン誘導体の合成フロー図である。 同、燃料電池の概略断面図である。 公知の各種プロトン伝導性フラーレン誘導体の化学構造を示す概略図である。 先願発明に基づく各種プロトン伝導性フラーレン誘導体の化学構造を示す概略図である。 同、プロトン伝導性フラーレン誘導体の合成フロー図である。
符号の説明
1…酸素電極、2…プロトン伝導体膜、3…燃料電極、
4…膜−電極接合体(MEA)、9、10…ガス供給管、12…外部回路

Claims (12)

  1. 一般式I:
    m
    (但し、mは球状炭素分子を形成し得る自然数である。)
    で表される球状炭素分子と、
    一般式II:
    1−R-SO22
    (但し、X1、X2は互いに異なるハロゲン原子であって、X1は前記球状炭素分子へ の付加反応時に脱離し得るハロゲン原子、X2は加水分解反応時に脱離し得るハロゲ ン原子であり、Rは連結基としてのスペーサーである。)
    で表される付加反応分子とを、ラジカル開始剤の存在下で付加反応させることによって、
    一般式III:
    m−(RSO22)n
    (但し、R、X2及びmはそれぞれ前記したものと同じであり、nは自然数である。 )
    で表される付加反応生成物を得る工程を有することを特徴とする、イオン解離性機能分子の製造方法。
  2. 前記付加反応を100℃以下の温度で行う、請求項1に記載したイオン解離性機能分子の製造方法。
  3. 前記ラジカル開始剤として、2,2’−アゾイソブチロニトリル又は/及び過酸化ベンゾイルを用いる、請求項2に記載したイオン解離性機能分子の製造方法。
  4. 前記Cmとしてフラーレン分子を用い、前記X1をヨウ素原子、前記X2をフッ素原子とし、更に前記Rを含フッ素及び含酸素鎖状スペーサー又は含フッ素鎖状スペーサーとする、請求項1に記載したイオン解離性機能分子の製造方法。
  5. 前記Rを−(CF2)p−O−(CF2)q−(但し、p、qは1以上の自然数である。)又は−CF2−とする、請求項4に記載したイオン解離性機能分子の製造方法。
  6. 前記付加反応生成物を水酸化アルカリの存在下で加水分解して、
    一般式A:
    m−(RSO3M)n
    (但し、Mはアルカリ金属原子であり,R、m及びnはそれぞれ前記したものと同じ である。)
    で表されるイオン解離性機能分子を得る、請求項1に記載したイオン解離性機能分子の製造方法。
  7. 前記一般式Aで表されるイオン解離性機能分子の前記アルカリ金属原子の陽イオンM+を水素イオンで置換して、
    一般式B:
    m−(R−SO3H)n
    (但し、R、m及びnはそれぞれ前記したものと同じである。)
    で表されるプロトン解離性機能分子を得る、請求項6に記載したイオン解離性機能分子の製造方法。
  8. 一般式I:
    m
    (但し、mは球状炭素分子を形成し得る自然数である。)
    で表される球状炭素分子と、
    一般式II:
    1−R-SO22
    (但し、X1、X2は互いに異なるハロゲン原子であって、X1は前記球状炭素分子へ の付加反応時に脱離し得るハロゲン原子、X2は加水分解反応時に脱離し得るハロゲ ン原子であり、Rは連結基としてのスペーサーである。)
    で表される付加反応分子とを、ラジカル開始剤の存在下で付加反応させることによって、
    一般式III:
    m−(RSO22)n
    (但し、R、X2及びmはそれぞれ前記したものと同じであり、nは自然数である。 )
    で表される付加反応生成物を得ることを特徴とする、イオン解離性機能分子前駆体の製造方法。
  9. 前記付加反応を100℃以下の温度で行う、請求項8に記載したイオン解離性機能分子前駆体の製造方法。
  10. 前記ラジカル開始剤として、2,2’−アゾイソブチロニトリル又は/及び過酸化ベンゾイルを用いる、請求項9に記載したイオン解離性機能分子前駆体の製造方法。
  11. 前記Cmとしてフラーレン分子を用い、前記X1をヨウ素原子、前記X2をフッ素原子とし、更に前記Rを含フッ素及び含酸素鎖状スペーサー又は含フッ素鎖状スペーサーとする、請求項8に記載したイオン解離性機能分子前駆体の製造方法。
  12. 前記Rを−(CF2)p−O−(CF2)q−(但し、p、qは1以上の自然数である。)又は−CF2−とする、請求項11に記載したイオン解離性機能分子前駆体の製造方法。
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