JP4594487B2 - 定電位電解式ガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスを検知するガス電極として被検知ガスを化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前記作用電極の電位を制御する参照電極を、電解液を収容した電解槽内に臨んで設けるとともに、前記各電極にガス検知出力を得る出力回路を電気接続してある定電位電解式ガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の定電位電解式ガスセンサは、電気化学の分野で行われている定電位電解分析法をガスセンサに応用したものであり、空気中に存在する一酸化炭素等の毒性ガスを被検知ガスとして検知する。また、前記センサの構成は、ガスを検知するガス電極として被検知ガスを化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前記作用電極の電位を制御する参照電極の3電極を設けてあり、また、これらが接触自在な電解液を収容した電解槽と、ポテンシオスタット回路から成る。前記3電極の材料としてはガス透過性の多孔質テフロン膜に白金や金、パラジウム等の貴金属触媒等を塗布したものが、前記電解液には硫酸やリン酸等の酸性水溶液が用いられていた。
このような定電位電解式ガスセンサは、周囲の環境変化に対して前記作用電極の電位を制御して一定に維持することによって、前記作用電極と前記対極との間に周囲の環境変化に相当する電流を生じさせるものである。そして、前記作用電極の電位が変化せず、またガス種によって酸化還元電位が異なることを利用しているため、ポテンシオスタット回路の設定電位によってはガスの選択的な検知が可能になる。また、ガス電極に用いる触媒を変えることで、目的とするガスに対して高い選択性を持たすことができる。
例えば、被検知ガスがジボランであるジボランガスセンサの場合、作用電極にジボラン(B26)ガスが接触すると作用電極上では化1に示す酸化反応が進行することで酸化電流が流れる。
【0003】
【化1】
26 + 6H2O→ 2H3BO3 + 12H+ + 12e-
【0004】
また、対極上では化2に示す酸素の還元反応が起こり、化1で生じた酸化電流と等量の還元電流が流れる。
【0005】
【化2】
3O2 + 12H+ + 12e-→ 6H2
【0006】
上記の反応に伴って作用電極との間に流れる電流量は、(1)式で反応したジボランガス濃度に比例する。すなわち、センサの出力特性は前記ガス濃度に対して直線となり、前記ガス濃度を測定することができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の定電位電解式ガスセンサは、被検知ガスが存在しない通常大気中におけるセンサ出力(以下ゼロ点と称する)が、湿度など周囲環境の変化により大きいために、極めて低濃度の検出精度が要求されるガス種については、検出精度はあまり高くなかった。また、白金や金等の貴金属触媒を作用電極材料に用いた場合には、被検知ガス以外の妨害ガス成分に対しても比較的感度が高いため、妨害ガス成分に対する選択性は低く、やはり、被検知ガスに対する検出精度が低くなりがちであるといった問題点があった。また、検出電位をジボランに設定してあるジボランガスセンサの場合には、周囲環境の湿度変化による電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動が非常に大きいといった問題点があり、精度よく出力を得ることは困難であった。
【0008】
従って、本発明の目的は、周囲環境の湿度変動があったとしても安定した被検知ガス出力が得られる定電位電解式ガスセンサを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る定電位電解式ガスセンサは、ガスを検知するガス電極として被検知ガスであるジボランを化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前記作用電極の電位を制御する参照電極を、電解液を収容した電解槽内に備え、前記各電極にガス検知出力を得る出力回路を電気接続してある定電位電解式ガスセンサであって、前記電解液を臭化リチウム水溶液、臭化カルシウム水溶液、塩化リチウム水溶液、塩化カルシウム水溶液の何れかとし、前記作用電極および前記対極をカーボンブラックとし、前記参照電極を銀としている。
前記作用電極、前記対極および前記参照電極は、ガス透過膜に並列するように配置するのが好ましい。
【0010】
本発明により、ゼロ点が湿度などの周囲環境の変化に左右されず、極めて低濃度の検出精度が要求されるガス種に対して安定した出力を有する、あるいは、湿度変動があったとしても妨害ガス成分に対して高い選択性を持つ等の対湿度安定性を有し、電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動についても安定させることができる。
【0011】
つまり、図3に示すように、電解液として中性塩水溶液であるハロゲン化合物(臭化リチウム)水溶液を用い、作用電極および対極としてカーボンブラックを用いる構成は、相対湿度(relative humidity:RH)を0%から100%へ、または100%から0%へ急変させるような周囲環境の劇的な変化に対してゼロ点出力変動が極めて小さい定電位電解式ガスセンサを構成するのに有効であることが判明した。
【0012】
ここで、ジボランをはじめとするシラン、ホスフィン、アルシン、ゲルマン、セレン化水素、ジシラン等の水素化物ガスは、主に半導体の製造工程で使用されるガスであり、前記水素化物ガスは全部が毒性ガスであるとされているので、警報濃度は許容濃度以下とされている。ジボラン許容濃度は0.1ppmであるので、0.1ppmという極めて低い濃度で確実に警報する性能が必要とされている。従来の定電位電解式ガスセンサのように湿度変化という周囲環境の変化によりゼロ点出力変動が大きいということは、ジボランガスが全く無い場合でも、検知時の湿度によって許容濃度である0.1ppm以上をセンサが示す可能性が考えられ、この時、0.1ppmは警報濃度でもあるので毒性ガスの漏洩検知や、ガス濃度監視用のガス検知警報器等の警報器が誤動作を起こし半導体製造工場等での業務を円滑に行うのに支障を来すことになる。つまり、電解液としてハロゲン化合物(臭化リチウム)水溶液を用い、作用電極および対極としてカーボンブラックを用いる定電位電解式ガスセンサを使用することにより、警報器による誤報等のトラブルの発生を極めて少なくできるという作用効果が期待される。
【0013】
尚、カーボンブラックを用いた作用電極については、中性塩水溶液として臭化リチウム水溶液以外に、臭化カルシウム水溶液、塩化リチウム水溶液、塩化カルシウム水溶液の何れかについても同様の結果を確認している。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
また、図4に示すように、本構成の定電位電解式ガスセンサでは、従来の定電位電解式ガスセンサで電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動が5〜6倍にも達していたという問題点が大幅に改善される。
さらに、図5に示すように、種々の妨害ガスの干渉が大幅に下がり、従来の定電位電解式ガスセンサに比べて格段に選択性が向上する。
【0018】
【0019】
上述したように、本発明のガスセンサは、特にジボランガスの検知の際に大きな効果を発揮していることが判り、半導体製造等の技術分野でジボランガス濃度を定量するような場合に、湿度によらず安定した出力を呈することが判った。
【0020】
尚、図面は単に参酌のみに利用したものであって、本発明は図面に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本発明の定電位電解式ガスセンサは、電解液(ハロゲン化合物水溶液:臭化リチウム水溶液、臭化カルシウム水溶液、塩化リチウム水溶液、塩化カルシウム水溶液)101を収容する電解槽102を形成するケーシングを設け、その電解槽102に収容した電解液101と接触自在になるように、被検知ガス(ジボラン(B26))を化学反応させる作用電極103、作用電極に対する対極104、前記作用電極の電位を制御する参照電極105を設けて構成してある。前記電解槽102は開口部106を形成してある。前記作用電極103及び対極104は、フッ素樹脂製で多孔質のガス透過膜107(孔径3〜4μm、厚さ200μm)の表面に、黒鉛として電導性の高いカーボンブラックをバインダと共に塗布焼結して形成してあり、かつ前記参照電極105は銀ワイヤー(Ag99.9%、線径0.3mm、長さ15mm)で形成してある。前記作用電極103、前記対極104、前記参照電極105が、前記ガス透過膜107上で並列するように配置し、また前記開口部106にガス導入部に連通して前記作用極103上で被検知ガスを反応させる反応部に形成してある。
【0022】
また、前記ガス透過膜107を前記開口部106に装着した状態で、前記各電極と接触自在になるように作用電極リード端子103a、対極リード端子104a、参照電極リード端子105aをそれぞれ前記ケーシングに設けてあり、シリコンゴムシーリング材からなる押え部材109を介して、被検知ガスを導入して反応させる反応部を形成すると共に、前記ガス透過膜107と前記押さえ部材109とを固定する蓋部材110を設けて前記ケーシングと嵌合させて固定してある。
【0023】
このような定電位電解式ガスセンサは、前記反応部に被検知ガスを導入するガス導入部111を設けると共に、前記作用電極103上で生じた電子に基づく電流を検知自在な電流測定部201と前記作用電極103の電位制御自在な電位制御部202とを備えたガス検知回路に接続してガス検知装置として用いられる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の定電位電解式ガスセンサを、作用電極にカーボンブラックあるいは貴金属触媒である金を、電解液に中性塩水溶液あるいは酸性水溶液を組み合わせて得られる4種のガスセンサをそれぞれ用いた場合の実施例を示し、得られた結果を、従来の定電位電解式ガスセンサの問題点に関して検討した。尚、前記4種の定電位電解式ガスセンサにおける作用電極及び電解液の構成を表1に示す。実施例1および2は、共に電解液として中性塩水溶液を用いるが、実施例2のように作用電極に金を用いた場合には、中性塩水溶液として例えば臭化リチウム(LiBr)のようなハロゲン化合物水溶液以外の水溶液(硫酸リチウム)を用いた。尚、参照電極は銀ワイヤーを用いた。
【0025】
【表1】
Figure 0004594487
【0026】
被検知ガスが存在しない通常大気中におけるセンサ出力であるゼロ点出力が、湿度など周囲環境の変化により大きいという問題点に関して、前記4種の各センサで、相対湿度RHを0%から100%へ、または100%から0%へ急激に変化させた場合のゼロ点変動を比較した結果を図3に示す。
【0027】
図3の縦軸はセンサ出力をジボラン濃度に換算した指示値で示している。
ここで、作用電極触媒材料の種類に依らず、電解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2SO4)水溶液を用いた場合には、ゼロ点出力変動は警報濃度である0.1ppm近くに達するほどに変動幅は大きい。一方、電解液に中性塩水溶液を用いた場合で、作用電極にカーボンブラックを、電解液に8mol/L臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いた場合はゼロ点出力変動は極めて小さく、作用電極に貴金属触媒である金を、電解液に1mol/L硫酸リチウム(Li2SO4)水溶液を用いた場合においても、従来の定電位電解式センサに比べてゼロ点出力変動は小さい。つまり、電解液に中性塩水溶液を用いた場合は、作用電極触媒材料の種類に依らず、ゼロ点出力変動は0.02ppm以下の範囲に収まる。
【0028】
尚、カーボンブラックを用いた作用電極については、中性塩水溶液として表1中の臭化リチウム(LiBr)以外に、塩化リチウム(LiCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、臭化カルシウム(CaBr2)、硫酸リチウム(Li2SO4)水溶液の組み合わせについても同様の結果を確認した(図示しない)。
【0029】
また、周囲環境の湿度変化による電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動が非常に大きいといった問題点に関して、表1の実施例1、3および従来センサの3種の各センサで、電解液濃度変化によるジボランガス出力の電解液濃度依存特性を比較した結果を図4に示す。
【0030】
ここで、電解液濃度と周囲環境の相対湿度の間には相関がある。つまり、周囲環境が低湿時には電解液濃度は濃く、高湿時には電解液濃度は薄くなるため、電解液濃度の変動により被検知ガス出力の特性を評価する際、相対湿度でも評価することが出来る。ここでは、図4の横軸はセンサ周囲環境の相対湿度で表している。また、相対湿度60%でのジボランガスの出力値を1とする。
【0031】
本発明の定電位電解式ガスセンサの実使用環境における相対湿度はおおむね30〜80%であり、この範囲内で、従来の定電位電解式ガスセンサである作用電極に貴金属触媒である金を、電解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2SO4)水溶液を用いた場合では、相対湿度(電解液濃度)の変化に伴うジボランガス出力の最大値と最小値の出力比の差は、5〜6倍にも達する。
【0032】
作用電極にカーボンブラックを、電解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2
4)水溶液を用いた場合では、相対湿度が30〜60%の低湿側では前記従来の定電位
電解式ガスセンサの結果と比較してもさほど変わらない評価であるが、相対湿度が60〜80%の高湿側では出力が抑えられた。つまり、相対湿度(電解液濃度)変化に伴うジボランガス出力の最大値と最小値の出力比の差は、3〜4倍程度になる。
【0033】
一方、本発明の定電位電解式ガスセンサのように、作用電極にカーボンブラックを、電解液に中性塩水溶液である8mol/L臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いた場合では、前記低湿側および前記高湿側での出力の変動はゆるやかになり、相対湿度(電解液濃度)変化に伴うジボランガス出力の最大値と最小値の出力比の差は、2倍程度に抑えられる。
【0034】
また、従来の定電位電解式ガスセンサは、被検知ガス以外のガスである妨害ガス成分に対しても比較的感度が高い。つまり、従来の定電位電解式ガスセンサの妨害ガス成分に対する選択性は低いという問題点があり、これに関して、表1の4種の各センサで、各種妨害ガス(水素、エタノール、イソプロパノール)に対する定電位電解式ガスセンサの選択性を比較した結果を図5に示す。
【0035】
ここで、図5の縦軸は、前記3種の妨害ガスの干渉濃度として、ジボランガスの警報濃度である0.1ppmに相当する各種妨害ガス濃度を表している。つまり、各種妨害ガスがこの図に示した濃度で、ジボランガス0.1ppmに相当することになる。この濃度の値が低いほどその妨害ガスの干渉が大きく、その妨害ガスに対する選択性は低い。逆に、干渉濃度の値が高いほど妨害ガスの干渉は小さく、その妨害ガスに対する選択性は高い。
【0036】
従来の定電位電解式ガスセンサである、作用電極に貴金属触媒である金を、電解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2SO4)水溶液を用いた場合は、前記3種の妨害ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度がいずれも低い。つまり、妨害ガスの干渉が大きく、前記3種の妨害ガスに対する選択性は極めて低い。
【0037】
一方、作用電極にカーボンブラックを、電解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2SO4)水溶液を用いた場合には、水素ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度が従来の定電位電解式ガスセンサの水素ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度と比べて高くなり、干渉は小さくなる。つまり、水素ガスに対する選択性は従来の定電位電解式ガスセンサと比べて向上するが、エタノール、イソプロパノールといった有機溶剤に対する選択性は従来の定電位電解式ガスセンサの場合とほとんど変わらない。
【0038】
作用電極に貴金属触媒である金を、電解液に中性塩水溶液である1mol/L硫酸リチウム(Li2SO4)水溶液を用いた場合は、水素ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度が従来の定電位電解式ガスセンサの水素ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度と比べてかなり高くなり、干渉はかなり小さくなる。つまり、水素に対する選択性はかなり向上するが、エタノール、イソプロパノールといった有機溶剤に対する選択性は従来の定電位電解式ガスセンサの場合とほとんど変わらない。
【0039】
一方、本発明の定電位電解式ガスセンサのように、作用電極にカーボンブラックを、電解液に中性塩水溶液である8mol/L臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いた場合は、水素ガス、エタノール、イソプロパノールのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度が従来の定電位電解式ガスセンサの前記3種妨害ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当する濃度と比べて大幅に高くなり、前記3種の妨害ガスの選択性は従来の定電位電解式ガスセンサの場合と比べて格段に向上する。ここで前記3種の妨害ガスの内、水素に関しては100%で警報濃度に相当する域に達しており、ほとんど干渉されないことが判明した。
【0040】
ここで、カーボンブラックは本来、金などの貴金属に比べて水素ガスや有機溶剤に対する感度が低いとされているが、前述のように、本発明の定電位電解式ガスセンサのように構成することにより、ほとんど水素ガスが検出されない結果となることは、ガス検知作業の効率の面を考慮すると、非常に好ましい構成である。これらのことより、作用電極にカーボンブラックを、電解液に中性塩水溶液である8mol/L臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いることは、前記3種の妨害ガスに対する選択性が従来の定電位電解式ガスセンサに比べて大幅に向上し、妨害ガス成分に対する選択性は低いという問題点を改善するのに適した構成であることが判明した。
尚、本発明のガスセンサは、制御電位を変化させることでジボランの他に、塩素(Cl2 )、オゾン(O3 )や、ジボランと同様の反応性を有するガスの検知に有効であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定電位電解式ガスセンサの概略図
【図2】 定電位電解式ガスセンサの斜視図
【図3】 相対湿度急変によるゼロ点変動の比較グラフ
【図4】 ジボランガス出力の電解液濃度(相対湿度)依存特性の比較グラフ
【図5】 妨害ガス成分に対する選択性の比較グラフ
【符号の説明】
101 電解液
102 電解槽
103 作用電極
103a 作用電極リード端子
104 対極
104a 対極リード端子
105 参照電極
105a 参照電極リード端子
106 開口部
107 ガス透過膜
109 押え部材
110 蓋部材
111 ガス導入部
201 電流測定部
202 電位制御部

Claims (2)

  1. ガスを検知するガス電極として被検知ガスであるジボラン(B26)を化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前記作用電極の電位を制御する参照電極を、電解液を収容した電解槽内に臨んで設けるとともに、前記各電極にガス検知出力を得る出力回路を電気接続してある定電位電解式ガスセンサであって、
    前記電解液が臭化リチウム水溶液、臭化カルシウム水溶液、塩化リチウム水溶液、塩化カルシウム水溶液の何れかであり、
    前記作用電極および前記対極がカーボンブラックであり、
    前記参照電極が銀である定電位電解式ガスセンサ。
  2. 前記作用電極、前記対極および前記参照電極を並列するように配置したガス透過膜を設けた請求項1に記載の定電位電解式ガスセンサ
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