JP2001289816A - 定電位電解式ガスセンサ - Google Patents

定電位電解式ガスセンサ

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JP2001289816A
JP2001289816A JP2000104887A JP2000104887A JP2001289816A JP 2001289816 A JP2001289816 A JP 2001289816A JP 2000104887 A JP2000104887 A JP 2000104887A JP 2000104887 A JP2000104887 A JP 2000104887A JP 2001289816 A JP2001289816 A JP 2001289816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲環境の湿度変動があったとしても安定し
た被検知ガス出力が得られる定電位電解式ガスセンサを
提供するものである。 【解決手段】 ガスを検知するガス電極として被検知ガ
スを化学反応させる作用電極103、作用電極103に
対する対極104、作用電極103の電位を制御する参
照電極105を、電解液101を収容した電解槽102
内に臨んで設けるとともに、前記各電極にガス検知出力
を得る出力回路を電気接続してある定電位電解式ガスセ
ンサであって、前記電解液101が中性塩水溶液、ある
いは前記作用電極103が黒鉛を主材とするものを組み
合わせた定電位電解式ガスセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスを検知するガ
ス電極として被検知ガスを化学反応させる作用電極、作
用電極に対する対極、前記作用電極の電位を制御する参
照電極を、電解液を収容した電解槽内に臨んで設けると
ともに、前記各電極にガス検知出力を得る出力回路を電
気接続してある定電位電解式ガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の定電位電解式ガスセンサは、電気
化学の分野で行われている定電位電解分析法をガスセン
サに応用したものであり、空気中に存在する一酸化炭素
等の毒性ガスを被検知ガスとして検知する。また、前記
センサの構成は、ガスを検知するガス電極として被検知
ガスを化学反応させる作用電極、作用電極に対する対
極、前記作用電極の電位を制御する参照電極の3電極を
設けてあり、また、これらが接触自在な電解液を収容し
た電解槽と、ポテンシオスタット回路から成る。前記3
電極の材料としてはガス透過性の多孔質テフロン膜に白
金や金、パラジウム等の貴金属触媒等を塗布したもの
が、前記電解液には硫酸やリン酸等の酸性水溶液が用い
られていた。このような定電位電解式ガスセンサは、周
囲の環境変化に対して前記作用電極の電位を制御して一
定に維持することによって、前記作用電極と前記対極と
の間に周囲の環境変化に相当する電流を生じさせるもの
である。そして、前記作用電極の電位が変化せず、また
ガス種によって酸化還元電位が異なることを利用してい
るため、ポテンシオスタット回路の設定電位によっては
ガスの選択的な検知が可能になる。また、ガス電極に用
いる触媒を変えることで、目的とするガスに対して高い
選択性を持たすことができる。例えば、被検知ガスがジ
ボランであるジボランガスセンサの場合、作用電極にジ
ボラン(B2 6 )ガスが接触すると作用電極上では化
1に示す酸化反応が進行することで酸化電流が流れる。
【0003】
【化1】 B2 6 + 6H2 O→ 2H3 BO3 + 12H+ + 12e-
【0004】また、対極上では化2に示す酸素の還元反
応が起こり、化1で生じた酸化電流と等量の還元電流が
流れる。
【0005】
【化2】 3O2 + 12H+ + 12e- → 6H2
【0006】上記の反応に伴って作用電極との間に流れ
る電流量は、(1)式で反応したジボランガス濃度に比
例する。すなわち、センサの出力特性は前記ガス濃度に
対して直線となり、前記ガス濃度を測定することができ
るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の定電位電解式ガスセンサは、被検知ガスが存在しない
通常大気中におけるセンサ出力(以下ゼロ点と称する)
が、湿度など周囲環境の変化により大きいために、極め
て低濃度の検出精度が要求されるガス種については、検
出精度はあまり高くなかった。また、白金や金等の貴金
属触媒を作用電極材料に用いた場合には、被検知ガス以
外の妨害ガス成分に対しても比較的感度が高いため、妨
害ガス成分に対する選択性は低く、やはり、被検知ガス
に対する検出精度が低くなりがちであるといった問題点
があった。また、検出電位をジボランに設定してあるジ
ボランガスセンサの場合には、周囲環境の湿度変化によ
る電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動が非常
に大きいといった問題点があり、精度よく出力を得るこ
とは困難であった。
【0008】従って、本発明の目的は、周囲環境の湿度
変動があったとしても安定した被検知ガス出力が得られ
る定電位電解式ガスセンサを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ガスを検
知するガス電極として被検知ガスを化学反応させる作用
電極、作用電極に対する対極、前記作用電極の電位を制
御する参照電極を、電解液を収容した電解槽内に備え、
前記各電極にガス検知出力を得る出力回路を電気接続し
てある定電位電解式ガスセンサにおいて、前記電解液と
前記作用電極との組み合わせを種々変更して検討したと
ころ、前記電解液に中性塩水溶液を用いる、もしくは前
記作用電極に黒鉛を主材とするものを用いることによ
り、ゼロ点が湿度などの周囲環境の変化に左右されず、
極めて低濃度の検出精度が要求されるガス種に対して安
定した出力を有する、あるいは、湿度変動があったとし
ても妨害ガス成分に対して高い選択性を持つ等の対湿度
安定性を有し、特に、被検知ガスがジボランである場合
には、電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動に
ついても安定させられるという新知見を得た。本発明
は、この新知見に基づきなされたものである。
【0010】〔構成1〕この目的を達成するための本発
明の定電位電解式ガスセンサを図面を参酌して説明する
と、図1の電解液101に中性塩水溶液を用いたことを
特徴構成とするものであり、その作用効果は以下の通り
である。
【0011】〔作用効果1〕つまり、図3に示すよう
に、電解液に中性塩水溶液を用いる構成は、作用電極触
媒材料の種類に関わり無く、相対湿度(relativ
e humidity:RH)を0%から100%へ、
または100%から0%へ急変させるような周囲環境の
劇的な変化に対してゼロ点出力変動が極めて小さい定電
位電解式ガスセンサを構成するのに有効であることが判
明した。
【0012】ここで、ジボランをはじめとするシラン、
ホスフィン、アルシン、ゲルマン、セレン化水素、ジシ
ラン等の水素化物ガスは、主に半導体の製造工程で使用
されるガスであり、前記水素化物ガスは全部が毒性ガス
であるとされているので、警報濃度は許容濃度以下とさ
れている。ジボラン許容濃度は0.1ppmであるの
で、0.1ppmという極めて低い濃度で確実に警報す
る性能が必要とされている。従来の定電位電解式ガスセ
ンサのように湿度変化という周囲環境の変化によりゼロ
点出力変動が大きいということは、ジボランガスが全く
無い場合でも、検知時の湿度によって許容濃度である
0.1ppm以上をセンサが示す可能性が考えられ、こ
の時、0.1ppmは警報濃度でもあるので毒性ガスの
漏洩検知や、ガス濃度監視用のガス検知警報器等の警報
器が誤動作を起こし半導体製造工場等での業務を円滑に
行うのに支障を来すことになる。つまり、電解液が中性
塩水溶液である定電位電解式ガスセンサを使用すること
により、警報器による誤報等のトラブルの発生を極めて
少なくできるという作用効果が期待される。
【0013】また、図5に示すように、電解液に中性塩
水溶液を用いる構成は、作用電極触媒材料の種類に関わ
り無く、妨害ガスである水素ガスの干渉が小さくなり、
従来の定電位電解式ガスセンサに比べて水素ガスに対す
る選択性が向上するという作用効果が生じる。
【0014】〔構成2〕この目的を達成するための本発
明の定電位電解式ガスセンサを図面を参酌して説明する
と、図1の作用電極103に黒鉛を主材とする電極を用
いたことを特徴とするものであり、その作用効果は以下
の通りである。
【0015】〔作用効果2〕つまり、図4に示すよう
に、作用電極に黒鉛を主材とする電極を用いる構成は、
従来の定電位電解式ガスセンサで電解液濃度変化に伴う
ジボランガス出力の変動が5〜6倍にも達していたとい
う問題点が良好に改善される、また、図5に示すよう
に、妨害ガスである水素ガスの干渉が小さくなり、従来
の定電位電解式ガスセンサに比べて水素ガスに対する選
択性が向上するという作用効果を生じる。
【0016】〔構成3〕この目的を達成するための本発
明の定電位電解式ガスセンサを図面を参酌して説明する
と、図1の電解液101に中性塩水溶液を、作用電極1
03に黒鉛を主材とする電極を用いたことを特徴とする
ものであり、その作用効果は以下の通りである。
【0017】〔作用効果3〕つまり、図4に示すよう
に、電解液に中性塩水溶液を、作用電極に黒鉛を主材と
する電極を用いた構成は、従来の定電位電解式ガスセン
サで電解液濃度変化に伴うジボランガス出力の変動が5
〜6倍にも達していたという問題点が大幅に改善され、
また、図5に示すように、種々の妨害ガスの干渉が大幅
に下がり、従来の定電位電解式ガスセンサに比べて格段
に選択性が向上するという作用効果を生じる。
【0018】〔構成4〕この目的を達成するための本発
明の定電位電解式ガスセンサは、上記構成1〜3で被検
知ガスがジボランであることを特徴とするものであり、
その作用効果は以下の通りである。
【0019】〔作用効果4〕つまり、上記作用効果1〜
3に例示のように、特にジボランガスの検知の際に大き
な効果を発揮していることが判り、半導体製造等の技術
分野でジボランガス濃度を定量するような場合に、湿度
によらず安定した出力を呈することが判った。また、こ
のようなガスセンサは、制御電位を変化させることでジ
ボランの他に、塩素(Cl2 )、オゾン(O3 )や、ジ
ボランと同様の反応性を有するガスの検知に有効である
と考えられる。
【0020】尚、図面は単に参酌のみに利用したもので
あって、本発明は図面に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1および図2に示すように、本発
明の定電位電解式ガスセンサは、電解液101を収容す
る電解槽102を形成するケーシングを設け、その電解
槽102に収容した電解液101と接触自在になるよう
に、被検知ガスを化学反応させる作用電極103、作用
電極に対する対極104、前記作用電極の電位を制御す
る参照電極105を設けて構成してある。前記電解槽1
02は開口部106を形成してある。前記作用電極10
3及び対極104は、フッ素樹脂製で多孔質のガス透過
膜107(孔径3〜4μm、厚さ200μm)の表面
に、貴金属触媒となる金あるいは黒鉛として電導性の高
いカーボンブラックをバインダと共に塗布焼結して形成
してあり、かつ前記参照電極105は銀ワイヤー(Ag
99.9%、線径0.3mm、長さ15mm)で形成し
てある。前記作用電極103、前記対極104、前記参
照電極105が、前記ガス透過膜107上で並列するよ
うに配置し、また前記開口部106にガス導入部に連通
して前記作用極103上で被検知ガスを反応させる反応
部に形成してある。
【0022】また、前記ガス透過膜107を前記開口部
106に装着した状態で、前記各電極と接触自在になる
ように作用電極リード端子103a、対極リード端子1
04a、参照電極リード端子105aをそれぞれ前記ケ
ーシングに設けてあり、シリコンゴムシーリング材から
なる押え部材109を介して、被検知ガスを導入して反
応させる反応部を形成すると共に、前記ガス透過膜10
7と前記押さえ部材109とを固定する蓋部材110を
設けて前記ケーシングと嵌合させて固定してある。
【0023】このような定電位電解式ガスセンサは、前
記反応部に被検知ガスを導入するガス導入部111を設
けると共に、前記作用電極103上で生じた電子に基づ
く電流を検知自在な電流測定部201と前記作用電極1
03の電位制御自在な電位制御部202とを備えたガス
検知回路に接続してガス検知装置として用いられる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の定電位電解式ガスセンサを、
作用電極にカーボンブラックあるいは貴金属触媒である
金を、電解液に中性塩水溶液あるいは酸性水溶液を組み
合わせて得られる4種のガスセンサをそれぞれ用いた場
合の実施例を示し、得られた結果を、従来の定電位電解
式ガスセンサの問題点に関して検討した。尚、前記4種
の定電位電解式ガスセンサにおける作用電極及び電解液
の構成を表1に示す。実施例1および2は、共に電解液
として中性塩水溶液を用いるが、実施例2のように作用
電極に金を用いた場合には、中性塩水溶液として例えば
臭化リチウム(LiBr)のようなハロゲン化合物水溶
液以外の水溶液を用いる。
【0025】
【表1】
【0026】被検知ガスが存在しない通常大気中におけ
るセンサ出力であるゼロ点出力が、湿度など周囲環境の
変化により大きいという問題点に関して、前記4種の各
センサで、相対湿度RHを0%から100%へ、または
100%から0%へ急激に変化させた場合のゼロ点変動
を比較した結果を図3に示す。
【0027】図3の縦軸はセンサ出力をジボラン濃度に
換算した指示値で示している。ここで、作用電極触媒材
料の種類に依らず、電解液に酸性水溶液である42w
t.%硫酸(H2 SO4 )水溶液を用いた場合には、ゼ
ロ点出力変動は警報濃度である0.1ppm近くに達す
るほどに変動幅は大きい。一方、電解液に中性塩水溶液
を用いた場合で、作用電極にカーボンブラックを、電解
液に8mol/L臭化リチウム(LiBr)水溶液を用
いた場合はゼロ点出力変動は極めて小さく、作用電極に
貴金属触媒である金を、電解液に1mol/L硫酸リチ
ウム(Li 2 SO4 )水溶液を用いた場合においても、
従来の定電位電解式センサに比べてゼロ点出力変動は小
さい。つまり、電解液に中性塩水溶液を用いた場合は、
作用電極触媒材料の種類に依らず、ゼロ点出力変動は
0.02ppm以下の範囲に収まる。
【0028】尚、カーボンブラックを用いた作用電極に
ついては、中性塩水溶液として表1中の臭化リチウム
(LiBr)以外に、塩化リチウム(LiCl)、塩化
カルシウム(CaCl2 )、臭化カルシウム(CaBr
2 )、硫酸リチウム(Li2 SO4 )水溶液の組み合わ
せについても同様の結果を確認した(図示しない)。
【0029】また、周囲環境の湿度変化による電解液濃
度変化に伴うジボランガス出力の変動が非常に大きいと
いった問題点に関して、表1の実施例1、3および従来
センサの3種の各センサで、電解液濃度変化によるジボ
ランガス出力の電解液濃度依存特性を比較した結果を図
4に示す。
【0030】ここで、電解液濃度と周囲環境の相対湿度
の間には相関がある。つまり、周囲環境が低湿時には電
解液濃度は濃く、高湿時には電解液濃度は薄くなるた
め、電解液濃度の変動により被検知ガス出力の特性を評
価する際、相対湿度でも評価することが出来る。ここで
は、図4の横軸はセンサ周囲環境の相対湿度で表してい
る。また、相対湿度60%でのジボランガスの出力値を
1とする。
【0031】本発明の定電位電解式ガスセンサの実使用
環境における相対湿度はおおむね30〜80%であり、
この範囲内で、従来の定電位電解式ガスセンサである作
用電極に貴金属触媒である金を、電解液に酸性水溶液で
ある42wt.%硫酸(H2SO4 )水溶液を用いた場
合では、相対湿度(電解液濃度)の変化に伴うジボラン
ガス出力の最大値と最小値の出力比の差は、5〜6倍に
も達する。
【0032】一方、作用電極にカーボンブラックを、電
解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2
4 )水溶液を用いた場合では、相対湿度が30〜60
%の低湿側では前記従来の定電位電解式ガスセンサの結
果と比較してもさほど変わらない評価であるが、相対湿
度が60〜80%の高湿側では出力が抑えられた。つま
り、相対湿度(電解液濃度)変化に伴うジボランガス出
力の最大値と最小値の出力比の差は、3〜4倍程度にな
る。
【0033】一方、作用電極にカーボンブラックを、電
解液に中性塩水溶液である8mol/L臭化リチウム
(LiBr)水溶液を用いた場合では、前記低湿側およ
び前記高湿側での出力の変動はゆるやかになり、相対湿
度(電解液濃度)変化に伴うジボランガス出力の最大値
と最小値の出力比の差は、2倍程度に抑えられる。
【0034】また、従来の定電位電解式ガスセンサは、
被検知ガス以外のガスである妨害ガス成分に対しても比
較的感度が高い。つまり、従来の定電位電解式ガスセン
サの妨害ガス成分に対する選択性は低いという問題点が
あり、これに関して、表1の4種の各センサで、各種妨
害ガス(水素、エタノール、イソプロパノール)に対す
る定電位電解式ガスセンサの選択性を比較した結果を図
5に示す。
【0035】ここで、図5の縦軸は、前記3種の妨害ガ
スの干渉濃度として、ジボランガスの警報濃度である
0.1ppmに相当する各種妨害ガス濃度を表してい
る。つまり、各種妨害ガスがこの図に示した濃度で、ジ
ボランガス0.1ppmに相当することになる。この濃
度の値が低いほどその妨害ガスの干渉が大きく、その妨
害ガスに対する選択性は低い。逆に、干渉濃度の値が高
いほど妨害ガスの干渉は小さく、その妨害ガスに対する
選択性は高い。
【0036】従来の定電位電解式ガスセンサである、作
用電極に貴金属触媒である金を、電解液に酸性水溶液で
ある42wt.%硫酸(H2 SO4 )水溶液を用いた場
合は、前記3種の妨害ガスのジボランガス0.1ppm
出力に相当する濃度がいずれも低い。つまり、妨害ガス
の干渉が大きく、前記3種の妨害ガスに対する選択性は
極めて低い。
【0037】一方、作用電極にカーボンブラックを、電
解液に酸性水溶液である42wt.%硫酸(H2
4 )水溶液を用いた場合には、水素ガスのジボランガ
ス0.1ppm出力に相当する濃度が従来の定電位電解
式ガスセンサの水素ガスのジボランガス0.1ppm出
力に相当する濃度と比べて高くなり、干渉は小さくな
る。つまり、水素ガスに対する選択性は従来の定電位電
解式ガスセンサと比べて向上するが、エタノール、イソ
プロパノールといった有機溶剤に対する選択性は従来の
定電位電解式ガスセンサの場合とほとんど変わらない。
【0038】一方、作用電極に貴金属触媒である金を、
電解液に中性塩水溶液である1mol/L硫酸リチウム
(Li2 SO4 )水溶液を用いた場合は、水素ガスのジ
ボランガス0.1ppm出力に相当する濃度が従来の定
電位電解式ガスセンサの水素ガスのジボランガス0.1
ppm出力に相当する濃度と比べてかなり高くなり、干
渉はかなり小さくなる。つまり、水素に対する選択性は
かなり向上するが、エタノール、イソプロパノールとい
った有機溶剤に対する選択性は従来の定電位電解式ガス
センサの場合とほとんど変わらない。
【0039】一方、作用電極にカーボンブラックを、電
解液に中性塩水溶液である8mol/L臭化リチウム
(LiBr)水溶液を用いた場合は、水素ガス、エタノ
ール、イソプロパノールのジボランガス0.1ppm出
力に相当する濃度が従来の定電位電解式ガスセンサの前
記3種妨害ガスのジボランガス0.1ppm出力に相当
する濃度と比べて大幅に高くなり、前記3種の妨害ガス
の選択性は従来の定電位電解式ガスセンサの場合と比べ
て格段に向上する。ここで前記3種の妨害ガスの内、水
素に関しては100%で警報濃度に相当する域に達して
おり、ほとんど干渉されないことが判明した。
【0040】ここで、カーボンブラックは本来、金など
の貴金属に比べて水素ガスや有機溶剤に対する感度が低
いとされているが、前述のように、本発明の定電位電解
式ガスセンサのように構成することにより、ほとんど水
素ガスが検出されない結果となることは、ガス検知作業
の効率の面を考慮すると、非常に好ましい構成である。
これらのことより、作用電極にカーボンブラックを、電
解液に中性塩水溶液である8mol/L臭化リチウム
(LiBr)水溶液を用いることは、前記3種の妨害ガ
スに対する選択性が従来の定電位電解式ガスセンサに比
べて大幅に向上し、妨害ガス成分に対する選択性は低い
という問題点を改善するのに適した構成であることが判
明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】定電位電解式ガスセンサの概略図
【図2】定電位電解式ガスセンサの斜視図
【図3】相対湿度急変によるゼロ点変動の比較グラフ
【図4】ジボランガス出力の電解液濃度(相対湿度)依
存特性の比較グラフ
【図5】妨害ガス成分に対する選択性の比較グラフ
【符号の説明】
101 電解液 102 電解槽 103 作用電極 103a 作用電極リード端子 104 対極 104a 対極リード端子 105 参照電極 105a 参照電極リード端子 106 開口部 107 ガス透過膜 109 押え部材 110 蓋部材 111 ガス導入部 201 電流測定部 202 電位制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスを検知するガス電極として被検知ガス
    を化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前
    記作用電極の電位を制御する参照電極を、電解液を収容
    した電解槽内に臨んで設けるとともに、前記各電極にガ
    ス検知出力を得る出力回路を電気接続してある定電位電
    解式ガスセンサであって、 前記電解液が中性塩水溶液である定電位電解式ガスセン
    サ。
  2. 【請求項2】ガスを検知するガス電極として被検知ガス
    を化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前
    記作用電極の電位を制御する参照電極を、電解液を収容
    した電解槽内に臨んで設けるとともに、前記各電極にガ
    ス検知出力を得る出力回路を電気接続してある定電位電
    解式ガスセンサであって、 前記作用電極が黒鉛を主材とするものである定電位電解
    式ガスセンサ。
  3. 【請求項3】ガスを検知するガス電極として被検知ガス
    を化学反応させる作用電極、作用電極に対する対極、前
    記作用電極の電位を制御する参照電極を、電解液を収容
    した電解槽内に臨んで設けるとともに、前記各電極にガ
    ス検知出力を得る出力回路を電気接続してある定電位電
    解式ガスセンサであって、 前記電解液が中性塩水溶液、前記作用電極が黒鉛を主材
    とするものである定電位電解式ガスセンサ。
  4. 【請求項4】前記被検知ガスがジボラン(B2 6 )で
    ある請求項1〜3のいずれか一項に記載の定電位電解式
    ガスセンサ。
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