JP2004317395A - 電気化学式塩素センサ - Google Patents

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祥一 打越
Shinji Uesugi
慎二 上杉
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Abstract

【課題】硫化水素ガスの影響を防止した電気化学式の塩素センサを提供すること。
【解決手段】容器の側壁に穿設された通孔に、少なくとも表面に貴金属の層を有する作用極を設け、これの外側に被検ガス透過が可能で、かつ撥水性を備えた隔膜を液密となるように張設してセルを構成するとともに、前記セルに対極を収容してヨウ化カリウム(KI)を10mモル乃至720mモル含み、かつpH7未満に維持する緩衝剤を含む溶液を電解液として収容した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素ガスを検出する電気化学式ガスセンサ、より詳細には硫化水素の影響を排除することができる塩素検出用の電気化学式ガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
塩素ガスを検出する電気化学式ガスセンサは、通気性と撥水性を備えた隔膜に作用極を形成し、またヨウ化カリウムの水溶液を電解液として対極との間の電解電流を発生させ、塩素が隔膜を通過して電解液に溶解したときに作用極で、
Cl+2I→2Cl+I
+2e→2I
なる反応による電解電流を検出するように構成されている。
【0003】
このような塩素センサは、環境中の有毒ガスをモニタリングする装置に組み込まれるため、硫化水素を検出するセンサともに同一筐体に組み込まれて使用されて、硫化水素に晒されたり、また硫化水素用の校正ガス(硫化水素ガス)に晒されると、電解液中で硫化水素が
S→2H+S2−
なる反応により電解液のpHを規定の値よりも大幅に増加させて電解液を酸性化させるとともに、硫黄イオンも電解液に溶解させることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような電気化学式塩素センサの電解液のpHが規定の値から大きく変化したり、硫黄イオンが増加することにより、塩素ガスの反応を妨害して検出感度の低下を引き起こすばかりでなく、硫化水素と接触中に塩素に感度とは逆方向にセンサ出力を与える。そして塩素を所定の感度で検出できるまで回復するのに数時間以上を必要とするというという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、硫化水素の存在下においても可及的に塩素を可及的に正確に検出することができる電気化学式塩素センサを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解消するために本発明においては、容器の側壁に穿設された通孔に、少なくとも表面に貴金属の層を有する作用極を設け、これの外側に被検ガス透過が可能で、かつ撥水性を備えた隔膜を液密となるように張設してセルを構成するとともに、前記セルに対極を収容してヨウ化カリウム(KI)を10mモル乃至720mモル含み、かつpH7未満に維持する緩衝剤を含む溶液を電解液として収容するようにした。
【0006】
【作用】
硫化水素によるpHの変化を緩衝剤によりpH7未満に維持して、硫化水素による塩素の感度変化を防止する。
【0007】
【発明の実施の態様】
そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すものであって、後述する電解液Fを収容するセル1は、その1つの面には通孔2が穿設されていてここに後述する作用極3が配置され、外側となる面には通気性と撥水性を備えた多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムなどの隔膜4を張設し、その外側をOリング等のパッキング5を介してガス導入口6を有する押さえ蓋7により固定されている。
【0008】
作用極3は、基板となる金属、例えば不錆鋼の薄板をエッチング等により一定ピッチで微細な、例えば0.5mm程度の通孔を密度80個/平方cmで穿設し、これの表面に検出すべきガスと反応して遊離する物質に対して活性を有する金属、この実施例ではAu(金)の層を形成して構成されている。また押え蓋7には作用極3の中央部に当接する凸部7aが形成されていて、作用極3の表面に沿って張設された隔膜4が、その中央部で凸部7aにより作用極3に密着状態を維持するように押圧されている。
【0009】
また、セル1内には作用極3から一定の距離を隔てて貴金属からなる対極8と、参照極9が設けられている。これら作用極3、対極8、及び参照極9は、セル1と液密状態を維持するようにして外部に引き出され、測定回路に接続できるように図示しないリード線に接続されている。なお、図中符号10は、電解液注入口、及び大気連通口を兼ねる通孔を示す。
【0010】
次に、本発明が特徴とする電解液について説明する。
精製水にヨウ化カリウム(KI)を10mモル以上の濃度で溶解させ、燐酸緩衝液、クエン酸緩衝液によりpHをpH7未満に調整して電解液が調製されている。
【0011】
この実施例において、被検出ガスである塩素が隔膜を通過して電解液Fに溶解すると、
Cl+2I→2Cl+I
なる反応が生じ、作用極3で
+2e→2I
なる反応が生じる。
これにより、塩素の濃度を電流値として検出することができる。
【0012】
一方、妨害ガスである硫化水素が隔膜4を通過して電解液Fに溶け込むと、
S→2H+S2−
なる反応により電解液FのpHを増加させようとするが、電解液Fに含まれている緩衝剤、例えば燐酸緩衝液、クエン酸緩衝液のいずれか、またはこれらの混合物により一定のpHを一定、(この実施例ではpH6.9程度に)維持する。
したがって、硫化水素の有無に可変わりなく電解液FのpHが一定に保持されて、塩素に対する酸化、還元電流を、塩素の濃度に対応して変化させることになる。
【0013】
(具体例)
基準空気に塩素を濃度0.8ppmで含む標準ガスと、硫化水素を濃度30ppmで含む2種類の標準ガスを用意し、また電解液Fとしてヨウ化カリウムを125mモル、燐酸緩衝液を含有してpH6に調整された電解液を充填したセンサを用いて、硫化水素を含む標準ガスをセンサに注入する前、及び硫化水素を除外してから5分後の塩素に対する感度を調査したところ表1、及び図2に示す測定結果を得た(なお、出力値は、電解電流値を示す)。
【0014】
(表1)
硫化水素に晒される前 硫化水素に晒された後
1.0μA 0.9μA
【0015】
図2からも明らかなように、ヨウ化カリウム(KI)と緩衝剤とを含みpH7未満に維持されていると、硫化水素の流入に関わりなく、5分程度の短時間で塩素に対する感度が回復することが判明した。
【0016】
また、pH7未満に維持すると、図3に示したように塩素に対する感度には変化がないものの、硫化水素に対する感度を抑制できる。つまり、pH7以上になると、硫化水素の電解電流がpHの上昇とともに急激に大きくなる。
【0017】
上述の実施例においては電解液としてヨウ化カリウムを使用しているが、KBrを使用できることを確認した。
【0018】
(具体例)
基準空気にそれぞれ塩素、硫化水素を単独で、それぞれ0.8ppm、及び30ppm含む2種類の標準ガスを用意し、基準空気に塩素を濃度0.8ppmで含む標準ガスと、硫化水素を濃度30ppmで含む2種類の標準ガスを用意し、また電解液Fとして臭化カリウムを125mモル含む電解液Fを充填したセンサを用いて、硫化水素を含む標準ガスをセンサに注入する前、及び硫化水素を除外した時点から5分が経過した後の塩素に対する感度を調査したところ表2、及び図4に示す測定結果を得た(なお、出力値は、電解電流値を示す)。
【0019】
(表2)
硫化水素に晒される前 硫化水素に晒された後
0.6μA 0.6μA
【0020】
この実施例の場合には、ヨウ化カリウムを使用した前述の実施例に比較して塩素に対する検出感度そのものは、若干低下するものの、図4に示したように硫化水素に晒された後の塩素に対する感度低下の割合は、ヨウ化カリウム(KI)だけを用いた従来の塩素ガス検出用のセンサよりも小さく、初期の感度(硫化水素に晒される以前の感度)に回復に要する時間が短縮される。
【0021】
また、pHをpH7未満に維持すると、図5に示したように塩素に対する感度の変化を抑えつつ、硫化水素に対する感度を抑制できる。つまり、pHがpH7以上になると、硫化水素の電解電流がpHの上昇とともに急激に大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学式塩素センサの一実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の電気化学式塩素センサの第1の実施例における硫化水素による塩素検出感度の影響を示す線図である。
【図3】同上電気化学式塩素センサのpHに対する塩素、及び硫化水素の感度の変化を示す線図である。
【図4】本発明の電気化学式塩素センサの第2の実施例における硫化水素による塩素検出感度の影響を示す線図である。
【図5】同上電気化学式塩素センサのpHに対する塩素、及び硫化水素の感度の変化を示す線図である。
【符号の説明】
1 セル
3 作用極
4 隔膜
8 対極
F 電解液

Claims (3)

  1. 容器の側壁に穿設された通孔に、少なくとも表面に貴金属の層を有する作用極を設け、これの外側に被検ガス透過が可能で、かつ撥水性を備えた隔膜を液密となるように張設してセルを構成するとともに、前記セルに対極を収容してヨウ化カリウム(KI)を10mモル乃至720mモル含み、かつpH7未満に維持する緩衝剤を含む溶液を電解液として収容した電気化学式塩素センサ。
  2. 容器の側壁に穿設された通孔に、少なくとも表面に貴金属の層を有する作用極を設け、これの外側に被検ガス透過が可能で、かつ撥水性を備えた隔膜を液密となるように張設してセルを構成するとともに、前記セルに対極を収容して臭化カリウム(KBr)を10mモル乃至680mモル含み、かつpH7未満に維持する緩衝剤を含む溶液を電解液として収容した電気化学式塩素センサ。
  3. 前記緩衝剤が、リン酸、またはクエン酸である請求項1または請求項2のいずれかに記載の電気化学式塩素センサ。
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