JP4583807B2 - リン酸基及び共役ジエン系液状オリゴマー部を有する固体高分子電解質膜並びにその用途 - Google Patents

リン酸基及び共役ジエン系液状オリゴマー部を有する固体高分子電解質膜並びにその用途 Download PDF

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Description

本発明は、一次電池、二次電池、燃料電池等の電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜等に好適な固体高分子電解質膜及びその用途に関し、特に耐溶剤性及び耐水性に優れており、広い温度範囲及び湿度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示す固体高分子電解質膜及びその用途に関する。
固体高分子電解質材料として、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、パーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー[Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 7, pp. 2490〜2492 (1993), Polymer Preprints, Japan Vol. 43, No. 3, pp. 735〜736 (1994), Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 3, p. 730 (1993)]等が報告されている。
特に側鎖にスルホン酸基を有する固体高分子材料は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過したりする性質を有しているので、粒子状、繊維状又は膜状に成形され、電気透析膜、拡散透析膜、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。中でもNafion(デュポン(株)製)の商標で知られるパーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜は耐熱性及び耐薬品性に優れ、苛酷な条件下での使用に耐える電解質膜として実用化されている。しかし上記のようなフッ素系電解質膜は非常に高価であるという問題を抱えている。
これに対し、特開2003-86021号は分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体からなる固体高分子電解質膜を提案している。特開2003-86021号の固体高分子電解質膜は比較的安価に製造することができるだけでなく、導電性が著しく高く、導電性の温度依存性が低く、耐熱性及び耐溶剤性に優れている点で従来の固体高分子材料と一線を画すものであった。
しかし固体高分子電解質膜を燃料電池、特に直接型メタノール固体高分子型燃料電池に用いる場合は、固体高分子電解質膜の一面に設けられた燃料極に、メタノール及び水からなる燃料を直接供給するので、導電性だけでなく、耐久性を付与するために耐溶剤性及び耐水性が求められる。このような状況下、特開2003-138088号(特許文献1)はリン酸基含有不飽和単量体の重合体及びポリアミド樹脂を加熱処理してなる固体高分子電解質を開示している。特許文献1の固体高分子電解質は比較的安価に製造することができるだけでなく、導電性及び耐溶剤性に加えて、耐水性にも優れている。
特開2003-138088号
しかし燃料電池用の固体高分子電解質膜には、導電性、耐溶剤性及び耐水性の全てに対して一層の向上が求められている。
従って、本発明の目的は、比較的低コストで製造でき、幅広い温度領域及び湿度領域で高いプロトン伝導性を有し、かつ優れた耐溶剤性及び耐水性を有する固体高分子電解質膜及び用途を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、(1)(a) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体と、(b) 各々分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する共役ジエン系液状オリゴマーとを共重合するか、(2)(c) 前記リン酸基含有不飽和単量体の重合体と、(d) 前記共役ジエン系液状オリゴマーとを混合することにより、幅広い温度領域及び湿度領域で高いプロトン伝導性を有し、かつ優れた耐溶剤性及び耐水性を有する固体高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の第一の固体高分子電解質膜は、(a) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体と、(b) 各々分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する共役ジエン系液状オリゴマーとを共重合してなる固体高分子電解質膜であって、前記リン酸基含有不飽和単量体が、下記一般式(1):
(ただしR 1 は水素基又はアルキル基であり、R 2 は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び下記一般式(2):
(ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、k及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(II)のいずれか又はこれらの混合物を含み、
前記共役ジエン系液状オリゴマーが、下記一般式(3)
(但しR 7 及びR 8 はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基であり、R 9 及びR 10 はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR 9 及びR 10 の少なくとも一方は水素基であり、mは重合度を表す。)により表される化合物であることを特徴とする。
前記(a) リン酸基含有不飽和単量体と前記(b) 共役ジエン系液状オリゴマーの配合割合は、式[(前記(a) リン酸基含有不飽和単量体)/(前記(b) 共役ジエン系液状オリゴマー)]により表される質量比が99/1〜40/60の範囲であるのが好ましい。
本発明の第二の固体高分子電解質膜は、(c) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体の重合体と、(d) 各々分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する共役ジエン系液状オリゴマーとを混合してなる固体高分子電解質膜であって、前記リン酸基含有不飽和単量体が、下記一般式(1):
(ただしR 1 は水素基又はアルキル基であり、R 2 は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び下記一般式(2):
(ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、k及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(II)のいずれか又はこれらの混合物を含み、
前記共役ジエン系液状オリゴマーが、下記一般式(3)
(但しR 7 及びR 8 はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基であり、R 9 及びR 10 はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR 9 及びR 10 の少なくとも一方は水素基であり、mは重合度を表す。)により表される化合物であることを特徴とする。
前記(c) リン酸基含有重合体と前記(d) 共役ジエン系液状オリゴマーの配合割合は、式[(前記(c) リン酸基含有重合体)/(前記(d) 共役ジエン系液状オリゴマー)]により表される質量比が99/1〜40/60の範囲であるのが好ましい。
前記リン酸基含有不飽和単量体(I)のR1はH又はCH3であるのが好ましく、R2はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。前記リン酸基含有不飽和単量体(II)のR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であるのが好ましく、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立にH、CH 3 又はCH 2 Clであるのが好ましい。
前記リン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(4):
(ただしR 11 及びR 14 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 12 及びR 13 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、r及びsはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体、及び下記一般式(5):
(ただしR 15 、R 18 及びR 20 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 16 、R 17 及びR 19 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、x、y及びzはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(III)のいずれか又はこれらの両方をさらに含んでもよい。
本発明の第一の固体高分子電解質膜は、前記リン酸基含有不飽和単量体及び前記共役ジエン系液状オリゴマーと共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなるものであってもよい。本発明の第二の固体高分子電解質膜が含む前記リン酸基含有重合体は、前記リン酸基含有不飽和単量体と共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなるものであってもよい。前記他の不飽和単量体は、(e) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合と1個以上の官能基とを有する不飽和単量体及び/又は(f) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが官能基を有しない不飽和単量体であり、前記(e) 官能基を有する不飽和単量体はスルホン酸基、カルボン酸基、アルコール性水酸基及びアミノ基からなる群から選ばれた少なくとも一種の官能基を有し、前記(f) 官能基を有しない不飽和単量体は(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類、置換又は無置換のスチレン類、ビニル類、及び分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は燃料電池用途に好適である。
本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は、幅広い温度領域及び湿度領域で高いプロトン伝導性を有し、かつ優れた耐溶剤性及び耐水性を有する。本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は、(1) 共役ジエン系液状オリゴマー単位、及びリン酸基含有不飽和単量体のエチレン性不飽和結合に由来する炭化水素骨格からなる疎水部と、(2) リン酸基含有不飽和単量体に由来するリン酸基、エステル結合及びアルキレンオキシド基の連鎖からなる親水部とを有する構造をとるので、リン酸基等からなる親水部が効率的なプロトン伝導経路となるものと推測される。また本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は、上記疎水部の存在により、優れた耐溶剤性及び耐水性を発現するものと推測される。
このような特性を有する本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は、一次電池用電解質膜、二次電池用電解質膜、燃料電池用電解質膜、表示素子膜、各種センサー膜、信号伝達媒体膜、固体コンデンサー膜、イオン交換膜などに好適に利用できる。特に直接型メタノール固体高分子型燃料電池の電解質膜として用いた場合に、優れたメタノールクロスオーバー防止性(メタノールが固体高分子電解質膜を透過してしまうのを防止できる性能)を発現するものと推測される。
[1] リン酸基含有不飽和単量体
リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(1):
(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物が好ましい。R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
一般式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(リン酸基含有不飽和単量体(I))のうち代表的なものの構造式及び物性をそれぞれ表1及び表2に示す。これらの単量体はユニケミカル(株)から商品名Phosmer(登録商標)として販売されている。ただし本発明に使用できるリン酸基含有不飽和単量体はこれらに限定されるものではない。リン酸基含有不飽和単量体(I)は単独で用いてもよいし、その2種以上を併用しても良い。
リン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、電荷を中和させるため、例えば第1級、第2級、第3級又は第4級のアルキル基、アリル基、アラルキル基等を含有するアンモニウムイオンやモノ、ジ又はトリアルカノールアミン残基と錯塩を形成するのが好ましく、特にN+ R 4−f(OH)f(但しRは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基及び炭素数6〜12の脂環族基からなる群から選ばれた少なくとも一種を表し、fは1〜3の正の整数を表す。)が好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(2):
(ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、k及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体(リン酸基含有不飽和単量体(II))も使用可能である。
リン酸基含有不飽和単量体(II)としては、ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート及びジ(アクリロイルオキシエチル)ホスフェートが好ましい。リン酸基含有不飽和単量体(II)も単独で用いてもよいし、その2種以上を併用しても良い。
リン酸基含有不飽和単量体(I)はプロトン伝導性に優れており、リン酸基含有不飽和単量体(II)は架橋作用を有し製膜性に優れているので、リン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)を併用してもよい。リン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)を併用することによりプロトン伝導性と耐溶剤性と膜強度のバランスが向上する。リン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)を併用する場合、式[リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[リン酸基含有不飽和単量体(II)]により表される配合モル比は1/0.1〜1/2であるのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質は、リン酸基含有不飽和単量体として下記一般式(4):
(ただしR 11 及びR 14 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 12 及びR 13 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、r及びsはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合成分として含んでもよい。上記式(4)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体は架橋作用を有し、製膜性に優れているので、これを共重合成分として含むことによっても膜強度及び耐溶剤性が向上する。上記式(4)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体としては、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェート及びジ(アクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートが好ましい。
固体高分子電解質は、リン酸基含有不飽和単量体として、下記一般式(5):
(ただしR 15 R 18 及びR 20 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 16 R 17 及びR 19 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、x、y及びzはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合成分として含んでもよい。
第一及び第二の固体高分子電解質が上述のようなリン酸基含有不飽和単量体成分を含むことにより、その水保持能力が向上し、高い導電率を発現する。
[2] 共役ジエン系液状オリゴマー
分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する共役ジエン系液状オリゴマーとして、ブタジエンオリゴマー、イソプレンオリゴマー及びこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用する。共役ジエン系液状オリゴマーは、下記一般式(3):
(但しR 7 及びR 8 はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基であり、R 9 及びR 10 はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR 9 及びR 10 の少なくとも一方は水素基であり、mは重合度を表す。)により表されるものが好ましい。ただし共役ジエン系液状オリゴマーとして、式(3)に示すような重合体鎖中の共役ジエン単位が1, 2−結合であるものに限定する趣旨ではなく、共役ジエン単位が1, 4−結合であるものであってもよい。
R 7 及びR 8 はエチレン性不飽和結合を1個以上有し、他の原子団を有してもよい炭化水素基である限り特に制限はない。R 7 及びR 8 が有してもよい他の原子団としては、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシ基からなる群から選ばれた少なくとも一種が挙げられる。R 7 及びR 8 の具体例として(メタ)アクリル基が挙げられる。
共役ジエン系液状オリゴマーの分子量に特に制限はないが、数平均分子量が500〜50,000のものが好ましい。式(3)により表される共役ジエン系液状オリゴマーのうちR 9 及びR 10 がともに水素基であるものの市販品として、例えば「NISSO-PB TEA-1000」、「NISSO-PB TE-2000」(以上日本曹達(株)製)等がある。
共役ジエン系液状オリゴマーは、必要に応じて他の共役ジエンを重合成分として含有してもよい。共役ジエン系液状オリゴマーがブタジエンオリゴマー又はその誘導体である場合、イソプレンを共重合成分として含んでもよい。共役ジエン系液状オリゴマーがイソプレンオリゴマー又はその誘導体である場合、ブタジエンを共重合成分として含んでもよい。他の共役ジエンとしては、その他に2, 3−ジメチル−1, 3−ブタジエン、1, 3−ペンタジエン、2−メチル−1, 3−ペンタジエン、1, 3−ヘキサジエン、4, 5−ジエチル−1, 3−オクタジエン、3−ブチル−1, 3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
共役ジエン系液状オリゴマーはオレフィンとの共重合体であってもよい。共役ジエン系液状オリゴマーが共役ジエンとオレフィンとの共重合体である場合、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーのいずれでもよい。
第一及び第二の固体高分子電解質膜が共役ジエン系液状オリゴマー成分を含むことにより、耐溶剤性、特にメタノールクロスオーバー防止性(直接型メタノール固体高分子型燃料電池の電解質膜として用いた場合に、メタノールが固体高分子電解質膜を透過してしまうのを防止できる性能)が向上する。
[3] 配合割合
第一の固体高分子電解質膜中の(a) リン酸基含有不飽和単量体及び(b) 共役ジエン系液状オリゴマーの配合割合は、式[((a) リン酸基含有不飽和単量体)/((b) 共役ジエン系液状オリゴマー)]により表される質量比が99/1〜40/60の範囲であるのが好ましく、95/5〜50/50の範囲であるのがより好ましい。この比が40/60未満だと、導電性が不十分であり、一方99/1超だと耐溶剤性や耐水性が不十分である。
第二の固体高分子電解質膜中の(c) リン酸基含有重合体と(d) 共役ジエン系液状オリゴマーの配合割合は、上記と同じ理由により、式[((c) リン酸基含有重合体)/((d) 共役ジエン系液状オリゴマー)]により表される質量比が99/1〜40/60の範囲であるのが好ましく、95/5〜50/50の範囲であるのがより好ましい。
[4] 共重合し得る他の不飽和単量体
第一の固体高分子電解質膜は、リン酸基含有不飽和単量体及び共役ジエン系液状オリゴマーと共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなるものであってもよい。第二の固体高分子電解質膜が含むリン酸基含有重合体は、リン酸基含有不飽和単量体と共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなるものであってもよい。共重合し得る他の不飽和単量体は次の2群(1) 官能基を含有するもの及び(2) 官能基を含有しないものに大別できる。
(1) 官能基を含有する不飽和単量体
官能基を含有する不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つの官能基と、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。官能基としては、酸性基、アミノ基(アミド基も有するものも含む)等を挙げることができる。酸性基としてスルホン酸基、カルボン酸基及びアルコール性水酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格等を挙げることができる。
(i) スルホン酸基含有不飽和単量体
スルホン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、下記一般式(6):

(ただしR22は水素基又はメチル基である。)により表される化合物、下記一般式(7):

(ただしR23は水素基又はメチル基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(8):

(ただしR24は水素基又はメチル基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
上記一般式(6)〜(8)のいずれかにより表されるスルホン酸基含有不飽和単量体としては、アリルスルホン酸(allyl sulfonic acid)、メタアリルスルホン酸(methallyl sulfonic acid)、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸)等が挙げられる。好ましくはビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸である。ただしアリルスルホン酸(allyl sulfonic acid)、メタアリルスルホン酸(methallyl sulfonic acid)は、そのアリル(allyl)基が、退化的連鎖移動(degradative chain transfer)を起こすので、使用量を僅少にするのが好ましい。具体的には、リン酸基含有不飽和単量体及び他の不飽和単量体の合計を100質量%として、多くても10質量%程度の使用量にする。
スルホン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、リン系酸残基含有不飽和単量体について上述したようなアンモニウムイオンもしくはアミン残基又はアルカリ金属と錯塩を形成するのが好ましい。
(ii) カルボン酸基を含有する不飽和単量体
カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を併用しても良い。
(iii) アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体
アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体としては、グリセロールジメタクリレート[例えば商品名「ブレンマーGMR」、「ブレンマーGMR-R」(以上日本油脂(株)製)等]、グリセロールメタクリレートアクリレート[例えば商品名「ブレンマーGAM」、「ブレンマーGAM-R」(以上日本油脂(株)製)等]、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5521」(新中村化学工業(株)製)等]、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5520」(新中村化学工業(株)製)等]、ビスフェノールA型エポキシアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-1020」(新中村化学工業(株)製)等]、及び2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート類(例えば2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)が挙げられる。中でもグリセロールジメタクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート及びビスフェノールA型エポキシアクリレートは、エチレン性不飽和基を分子内に2個有する観点から好ましい。
(iv) アミノ基含有不飽和単量体
アミノ基含有不飽和単量体としては、分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するものである限り特に制限はない。アミノ基含有不飽和単量体として、例えば(a) 下記一般式(9):

(ただしR25は水素基又はメチル基であり、R26及びR27はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X2は−O−基又は−NH−基であり、Y3は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である。)により表される化合物、(b) 下記一般式(10):

(ただしR28は水素基又はメチル基であり、R29及びR30はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。)により表される化合物、(c) 下記一般式(11):

(ただしR31は水素基又はメチル基であり、R32及びR33はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y4は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である。)により表される化合物、(d) 下記一般式(12):

(ただしR34は水素基又はメチル基であり、R35及びR36はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。)により表される化合物、(e) 下記一般式(13):

(ただしR37及びR38はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R39は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y5及びY6はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である。)により表される化合物、及び(f) 1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が挙げられる。
上記式(9)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばN, N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記式(10)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばビニルアミン、N−ビニルジメチルアミン、N−ビニルジエチルアミン、N−ビニルジフェニルアミン等が挙げられる。
上記式(11)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばアリルアミン、N, N−ジメチル−p−アミノスチレン 、N, N−ジエチル−p−アミノスチレン 、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン等が挙げられる。
上記式(12)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N, N−ジメチルアクリルアミド、N, N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
上記式(13)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばジアリルメチルアミン等が挙げられる。
1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミン化合物として、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール、5−ビニルイミダゾール、1−ビニルピラゾール、3−ビニルピラゾール、4−ビニルピラゾール、1−ビニルトリアゾール、2−ビニルピリミジン、4−ビニルピリミジン、5−ビニルピリミジン、2−ビニルピラジン、3−ビニルピリダジン、4−ビニルピリダジン、2−ビニルトリアジン、N−ビニルピロール、N−ビニルインドール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルグルタルイミド、N−ビニルフタルイミド等が挙げられる。
中でもアミノ基含有不飽和単量体としては、固体高分子電解質膜の耐溶剤性を良好にする観点から、上記式(9)、(11)及び(13)により表されるものが好ましく、上記式(9)により表されるものがより好ましい。
(2) 官能基を含有しない不飽和単量体
官能基を含有しない不飽和単量体としては、(1)に記載した以外の、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和単量体はすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;置換又は無置換のスチレン類;塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル類が好適に使用される。1分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有するエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなども共重合体の耐溶剤性を改良する目的をもって使用される。
またフッ素基含有不飽和単量体を共重合成分を含むことにより、固体高分子電解質膜の耐熱性及び耐水性が向上する。フッ素基含有不飽和単量体は、(イ)少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類、(ロ)少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸類、(ハ)少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有アルキル基及び/又は少なくとも1個のフッ素基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、並びに(ニ)少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、下記一般式(14):

(ただしX3は水素基、フッ素基、少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はメチル基であり、R40は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基又はアルキル基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(14)において、R40の炭素数は1〜10であるのが好ましく、1〜5であるのがより好ましい。R40がフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基であり、かつその炭素数が2以上である場合、末端メチル基の水素基が全てフッ素基で置換されているのが好ましい。R40は直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。R40はフッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。R40はヘテロ原子を有していてもよい。ヘテロ原子としては、R40中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。
上記一般式(14)により表されるフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリート、ターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート、トリフルオロエチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でもフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリート及びターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレートが好ましい。
フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては、下記一般式(15):

(ただしX4は少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基である。)により表されるものが好ましい。上記一般式(15)においてX4はパーフルオロメチル基又はフッ素基であるのがより好ましい。フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸が特に好ましい。
フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては下記一般式(16):

(ただしRf1は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基であり、X5、X6及びX7はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)又は下記一般式(17):

(ただしX8、X9及びX10はそれぞれ独立に少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基であり、X11はフッ素基、その他のハロゲン、少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基、アルコキシ基、フッ素基含有アルコキシ基、アルキル基又は水素基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(16)中のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基Rf1はパーフルオロアルキル基であるのが好ましい。Rf1の炭素数は1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。Rf1は直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造であるのが好ましい。Rf1はフッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。Rf1はヘテロ原子を有していてもよい。ヘテロ原子としては、Rf1中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。
上記一般式(16)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、下記一般式(18):

(但しRf1は上記式(16)と同じである。)により表されるものがより好ましい。
上記一般式(18)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、(パーフルオロオクチル)エチレン、(パーフルオロデシル)エチレン等が挙げられる。中でもフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン及び(パーフルオロオクチル)エチレンが好ましい。
上記一般式(17)中のX8、X9及びX10としては、パーフルオロメチル基又はフッ素基が好ましい。上記一般式(17)中のX11がアルキル基、アルコキシ基又はフッ素基含有アルコキシ基である場合、それらの炭素数は1〜10であるのが好ましい。上記一般式(17)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、1-メトキシ−(パーフルオロ-2-メチル-1-プロペン)等が挙げられる。
フッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては、下記一般式(19):

(ただしRf2は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基であり、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(19)中の少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基Rf2はパーフルオロアルキレン基であるのが好ましい。Rf2の炭素数は1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。Rf2は直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造であるのが好ましい。Rf2はフッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。Rf2はヘテロ原子及び/又はヘテロ原子団を有していてもよい。ヘテロ原子としては、Rf2中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子団としてはエステル結合等が挙げられる。
上記一般式(19)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、下記一般式(20):

(但しRf2は上記式(19)と同じである。)により表されるものが、より好ましい。
上記一般式(20)により表されるフッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては、1,4-ジビニル(パーフルオロブチレン)(別名:1,4-ジビニルオクタフルオロブタン)、1,6-ジビニル(パーフルオロヘキシレン)(別名:1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサン)及び1,8-ジビニル(パーフルオロオクチレン)(別名:1,8-ジビニルヘキサデカフルオロオクタン)が好ましい。
上記4種の各フッ素基含有不飽和単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合、例えばフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体及び/又はフッ素基含有ジエン系不飽和単量体と、フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類及び/又はフッ素基含有(メタ)アクリル酸類とを混合した組成等を挙げることができる。
[5] 各不飽和単量体の使用割合
第一又は第二の固体高分子電解質膜のいずれにおいても、リン酸基含有不飽和単量体[1]と、他の不飽和単量体[4]との質量比[1]/[4]は、100/0〜20/80の範囲であるのが好ましく、[1]/[4] = 80/20〜40/60であるのがより好ましい。また他の不飽和単量体[4]の中で、官能基を含有する不飽和単量体(1) とそれ以外の不飽和単量体(2) の質量比は、プロトン伝導性にプラス効果をもたらす不飽和単量体(1)が支配的になるように、不飽和単量体(1)/不飽和単量体(2)=100/0〜50/50の範囲とするのが好ましい。従って、特に酸基を含有する不飽和単量体(1)としてスルホン酸基含有不飽和単量体を使用する場合、リン酸基含有不飽和単量体/スルホン酸基含有不飽和単量体の質量比は100/0〜20/80、好ましくは80/20〜40/60であり、スルホン酸基含有不飽和単量体/他の酸基含有不飽和単量体の質量比は100/0〜50/50である。
[6] 混合し得る他の重合体
第一又は第二の固体高分子電解質膜を製造する際の製膜性や、固体高分子電解質膜の強度、耐久性、耐溶剤性、耐水性等を一層向上させるために、固体高分子電解質膜を構成する(共)重合体と相溶し得るその他の重合体を混合することができる。その他の重合体としてはポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、セルロース及びその変性物等を挙げることができる。ポリアミド樹脂としては特許文献1に記載のN-アルコキシアルキル化ポリアミドが好ましい。
[7] 固体高分子電解質膜の製造方法
本発明の第一の固体高分子電解質膜は、溶液重合により上記リン酸基含有不飽和単量体及び上記共役ジエン系液状オリゴマーを共重合させた固体高分子電解質を調製し、次いでキャスト法により膜化するか、上記リン酸基含有不飽和単量体、上記共役ジエン系液状オリゴマー、光増感剤及び溶媒を含有する組成物を流延し、光重合させることにより製造できる。本発明の第二の固体高分子電解質膜は、上記リン酸基含有不飽和単量体を重合させたリン酸基含有重合体を調製し、得られた重合体と上記共役ジエン系液状オリゴマーとを混合した固体高分子電解質を調製し、次いでキャスト法により膜化することにより製造できる。
(1) 第一の固体高分子電解質膜の製造方法
第一の固体高分子電解質膜を溶液重合により製造する方法について詳述する。
(i) 固体高分子電解質の調製
(イ) 滴下法
まず(共役ジエン系液状オリゴマー+溶媒)からなる溶液(共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液)に、[リン酸基含有不飽和単量体+重合開始剤+溶媒(+他の不飽和単量体)]からなる溶液(リン酸基含有不飽和単量体含有溶液:溶液(A))を滴下し、ラジカル重合する方法について説明する。溶媒としては、リン酸基含有不飽和単量体、共役ジエン系液状オリゴマー及び生成する共重合体が全て溶解する共通溶媒を用いる。そのような溶媒としてはN, N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N, N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。
重合開始剤としては、2, 2'−アゾビスイソブチロニトリル、2, 2'−アゾビス(2, 4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2, 2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2, 2'−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、あるいはラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシ・ピバレート等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。
重合手順について述べる。まず攪拌器、添加器及び還流冷却器付き反応器に共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液を入れるとともに、添加器にリン酸基含有不飽和単量体含有溶液(溶液(A))を入れる。溶液(A)の不飽和単量体成分の濃度は5〜70質量%とするのが好ましい。反応器内の気相部に窒素を流通させながら、反応器内を40℃〜100℃、好ましくは50℃〜90℃の温度に昇温する。所定温度到達直後に、添加器内の溶液(A)を所定の時間をかけて滴下する。滴下にかける時間は15〜120分が好ましい。
共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液に、溶液(A)を全量添加した後、1〜10時間熟成する。溶液(A)を共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液に全量添加した後に、必要に応じて再び重合開始剤を添加してもよい。熟成温度は最初から最後まで一定である必要はなく、熟成末期に温度を上げて未反応単量体を極力少なくする方法をとってもよい。
重合溶液は(不飽和単量体成分+共役ジエン系液状オリゴマー成分)の初期濃度が3〜60質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましい。重合溶液中の(不飽和単量体成分+共役ジエン系液状オリゴマー成分)の初期濃度が上記の好ましい範囲にないと、共重合体がゲル化して様々な溶媒に不溶となるので好ましくない。重合開始剤のトータル使用量は、不飽和単量体成分[リン酸基含有不飽和単量体(+他の不飽和単量体)]を100質量%として0.005〜0.5質量%であるのが好ましく、0.01〜0.3質量%であるのがより好ましい。
(ロ) 一括添加法
一括添加法は、(共役ジエン系液状オリゴマー+溶媒)からなる溶液に、上記溶液(A)を一括添加すること以外は、上記滴下法と本質的に同じでよい。ただしリン酸基含有不飽和単量体(+他の不飽和単量体)を一括添加する際に、必ずしも溶媒を用いなくてもよい。
滴下法又は一括添加法のいずれの方法により得られる固体高分子電解質も、その共重合構造に特に制限はなく、例えばブロック共重合体又はグラフト共重合体のいずれでもよい。
(ii) キャストによる製膜法
溶液重合により調製した固体高分子電解質はキャスト法により膜化する。キャスト法は、固体高分子電解質の溶液を水平なガラス板やトレイ上にキャストし、重合反応に用いた溶媒を蒸発させるものである。溶媒は、キャストした混合溶液を加熱したり、減圧したりすることにより蒸発させる。具体的には90〜150℃の温度で1〜30分程度加熱乾燥処理するのが好ましい。加熱乾燥処理時の圧力は常圧〜10 mmHg(絶対圧)とするのが好ましい。
加熱及び/又は減圧により溶媒を蒸発させて得られた膜は、残留溶媒、単量体等の未反応成分等の不純物も含んでいるので、不純物を抽出するのが好ましい。抽出は膜を貧溶媒に浸漬した後、取り出すことにより行う。貧溶媒としては水、メタノール等が好ましい。また約1Nの塩酸への浸漬と水への浸漬からなる組合せ操作を複数回繰り返すことにより抽出してもよい。貧溶媒として水やメタノールを使用する場合は、各々を単独で用いてもよいし、両者を組合せて用いてもよい。1回の抽出操作に使用する貧溶媒の量は、膜の10倍容積〜100倍容積とする。浸漬温度は通常室温でよく、必要に応じて膜が劣化しない程度に加熱しても構わない。浸漬時間に関して、例えば貧溶媒として水又はメタノールを用いて室温で抽出する場合、約24時間浸漬すれば、1回の抽出操作でほぼ不純物を抽出できる。必要に応じて、貧溶媒による抽出を繰り返してもよい。例えば室温での約1Nの塩酸への浸漬と水への浸漬からなる組合せ操作を複数回繰り返した後、さらにメタノールに室温で約24時間浸漬する方法が挙げられる。貧溶媒による抽出を繰り返す場合、各抽出操作の間に加熱減圧乾燥操作を入れてもよい。
製膜したフィルム(皮膜)をさらに加熱するのが好ましく、これにより共重合体中に組み込まれたリン酸基間で縮合が起こり、機械的強度及び耐溶剤性が向上する。具体的には90〜150℃で1〜30分程度加熱乾燥処理するのが好ましい。加熱乾燥処理時の圧力は常圧〜10 mmHg(絶対圧)とするのが好ましい。
(2) 第二の固体高分子電解質膜の製造方法
まずリン酸基含有重合体を調製する。上記溶液(A)を40℃〜100℃、好ましくは50℃〜90℃の温度で加熱攪拌し、溶液(A)中のリン酸基含有不飽和単量体(+他の不飽和単量体)を(共)重合させてリン酸基含有重合体を含む溶液(溶液(A'))を調製する。リン酸基含有重合体を調製する際に使用する溶媒、重合開始剤及びその使用量並びに溶液(A)の濃度は、第一の固体高分子電解質膜を構成する共重合体を調製する場合と同じでよい。
得られた溶液(A')と共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液とを混合する。共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液の溶媒は、溶液(A')の溶媒と同じものが好ましい。混合温度は40℃〜100℃であるのが好ましく、50℃〜90℃であるのがより好ましい。混合溶液は(不飽和単量体成分+共役ジエン系液状オリゴマー成分)の濃度が3〜60質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましい。溶液(A')中のリン酸基含有(共)重合体の重合度に特に制限はないが、溶液(A')を共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液に添加した時にゲルを生じない程度にするのが好ましい。溶液(A')と共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液とを混合した後、必要に応じて40℃〜100℃、好ましくは50℃〜90℃の温度で加熱処理してもよい。加熱処理時間は1〜5時間であるのが好ましい。
混合により調製した固体高分子電解質は、第一の固体高分子電解質膜を製造する場合と同様にして、キャスト法により膜化するとともに不純物を抽出すればよい。第一の固体高分子電解質膜を製造する場合と同様に、製膜したフィルム(皮膜)をさらに加熱してもよい。
[8] 固体高分子電解質膜の特性
本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は、90%の相対湿度及び30〜90℃の温度条件下において導電率が10-4〜10-2 S・cm-1の優れたプロトン伝導性を有し、かかるプロトン伝導性の温度依存性が小さい。ここで導電率とは、複素インピーダンス法により測定したデータを平面複素インピーダンス解析し、さらにcole-cole プロット図形処理をして得られた抵抗値から求めたものである。本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜は、(1) 共役ジエン系液状オリゴマー単位、及びリン酸基含有不飽和単量体のエチレン性不飽和結合に由来する炭化水素骨格からなる疎水部と、(2) リン酸基含有不飽和単量体に由来するリン酸基、エステル結合及びアルキレンオキシド基の連鎖からなる親水部とを有する構造をとるので、リン酸基等からなる親水部が効率的なプロトン伝導経路となるものと推測される。
本発明の固体高分子電解質膜は、メタノール抽出率及び水抽出率ともに10質量%以下であり、耐メタノール性及び耐水性に優れていることが分かる。ここでメタノール抽出率は、膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬し、105℃で1時間乾燥した後の質量減少を測定したものであり、水抽出率は、膜を大過剰の水に室温で24時間浸漬し、105℃で1時間乾燥した後の質量減少を測定したものである。このような特性を有する本発明の固体高分子電解質膜は、直接型メタノール固体高分子型燃料電池に用いた場合に、メタノールクロスオーバー防止性に優れていることが期待される。
固体高分子電解質(複合)膜の厚さは通常30〜200μmであり、好ましくは30〜100μmである。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1〜3
表3に示す組成のリン酸基含有不飽和単量体(Phosmer M)含有溶液(ただし実施例3では溶媒使用せずにリン酸基含有不飽和単量体を添加)、及び表4に示す組成の共役ジエン系液状オリゴマー(NISSO-PB TEA-1000)含有溶液を各々調製し、表5に示す配合質量比に従い、共重合体を調製した。還流冷却管、滴下漏斗、温度計及び窒素ガス導入管を接続した反応装置に、表4に示す組成の共役ジエン系液状オリゴマー含有溶液を入れ、気相部に窒素ガスを導入しながら攪拌し、重合温度80℃まで昇温した。内温が80℃に到達したことを確認後、実施例1及び2では滴下漏斗に入れたリン酸基含有不飽和単量体含有溶液を滴下し、実施例3ではPhosmer M及び2, 2 ’ -アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を一括添加した。その後2時間熟成させて、各共重合体を含む溶液を得た。冷却した後、各溶液をそれぞれテフロン(登録商標)シートに流延し、表5に示す条件で乾燥するとともに不純物を抽出することにより固体高分子電解質膜を作製した。
実施例4〜6
表3に示す組成のアクリロニトリルを含むリン酸基含有不飽和単量体含有溶液、及び表4に示す組成の共役ジエン系液状オリゴマー(NISSO-PB TEA-1000)含有溶液を調製し、表6に示す配合質量比に従い、熟成時間を3時間とした以外は実施例1と同様にして、固体高分子電解質膜を作製した。
実施例7
表3に示す組成のアクリロニトリルを含むリン酸基含有不飽和単量体含有溶液を調製し、Phosmer Mとアクリロニトリルを80〜90℃の温度で3時間共重合した後、表6に示す配合質量比に従い、表4に示す組成の共役ジエン系液状オリゴマー(NISSO-PB TEA-1000)含有溶液に80〜90℃で不飽和単量体成分を一括添加することにより固体高分子電解質を調製した。次いで実施例1と同様にして、製膜、乾燥及び抽出を行い、固体高分子電解質膜を作製した。
実施例8〜10
表3に示す組成のPhosmer 2Aを含むリン酸基含有不飽和単量体含有溶液、及び表4に示す組成の共役ジエン系液状オリゴマー(NISSO-PB TEA-1000)含有溶液を調製し、表7に示す配合質量比に従い、熟成時間を3時間とした以外は実施例1と同様にして、固体高分子電解質膜を作製した。
<メタノール抽出試験>
実施例1〜10の固体高分子電解質膜を、大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬し、105℃で1時間乾燥した後の質量減少を測定した。表5〜7から、いずれの膜でも10質量%以下の優れたメタノール抽出率を示した。
<水抽出試験>
実施例1〜3の固体高分子電解質膜を、大過剰の水に室温で24時間浸漬し、105℃で1時間乾燥した後の質量減少を測定した。表5から、いずれの膜でも10質量%以下の優れた水抽出率を示した。
<プロトン伝導性の評価>
プロトン伝導性は複素インピーダンス法を用いて測定した。上述の方法により作製した実施例1〜7、9、10の膜から切り出した3cm×1cmの矩形状サンプルを、開放系インピーダンスセルに設置した。このセルを恒温恒湿器内に設置し、相対湿度:90%、測定温度範囲:20〜90℃でのインピーダンス測定、及び相対湿度範囲:50〜90%、測定温度:80℃でのインピーダンス測定(実施例1及び4)を行った。得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から導電率を求めた。結果を図1〜4に示す。
図1〜3に示す結果から、本発明の固体高分子電解質複合膜の導電率は、90%の相対湿度及び20〜90℃の温度範囲において、10-4〜10-2 S・cm-1のオーダーにあり、リン酸基を官能基とする高分子電解質としては良好な水準であり、かつ導電率の温度依存性が小さいことが分かる。また図4に示す結果から、本発明の固体高分子電解質膜の導電率は、80℃の温度及び50〜90%の相対湿度範囲において、10-5〜10-3 S・cm-1のオーダーにあり、リン酸基を官能基とする高分子電解質としては良好な水準であった。
実施例1〜3の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例4〜7の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例9、10の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例1、4の固体高分子電解質膜について、相対湿度(%)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。

Claims (10)

  1. (a) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体と、(b) 各々分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する共役ジエン系液状オリゴマーとを共重合してなる固体高分子電解質膜であって、
    前記リン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(1):
    (ただしR 1 は水素基又はアルキル基であり、R 2 は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び下記一般式(2):
    (ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、k及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(II)のいずれか又はこれらの混合物を含み、
    前記共役ジエン系液状オリゴマーは、下記一般式(3)
    (但しR 7 及びR 8 はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基であり、R 9 及びR 10 はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR 9 及びR 10 の少なくとも一方は水素基であり、mは重合度を表す。)により表される化合物であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質膜において、前記(a) リン酸基含有不飽和単量体と前記(b) 共役ジエン系液状オリゴマーの配合割合は、式[(前記(a) リン酸基含有不飽和単量体)/(前記(b) 共役ジエン系液状オリゴマー)]により表される質量比が99/1〜40/60の範囲であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  3. (c) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体の重合体と、(d) 各々分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する共役ジエン系液状オリゴマーとを混合してなる固体高分子電解質膜であって、
    前記リン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(1):
    (ただしR 1 は水素基又はアルキル基であり、R 2 は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び下記一般式(2):
    (ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、k及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(II)のいずれか又はこれらの混合物を含み、
    前記共役ジエン系液状オリゴマーは、下記一般式(3)
    (但しR 7 及びR 8 はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基であり、R 9 及びR 10 はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR 9 及びR 10 の少なくとも一方は水素基であり、mは重合度を表す。)により表される化合物であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  4. 請求項3に記載の固体高分子電解質膜において、前記(c) リン酸基含有重合体と前記(d) 共役ジエン系液状オリゴマーの配合割合は、式[(前記(c) リン酸基含有重合体)/(前記(d) 共役ジエン系液状オリゴマー)]により表される質量比が99/1〜40/60の範囲であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)のR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)のR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立にH、CH 3 又はCH 2 Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体が、下記一般式(4):
    (ただしR 11 及びR 14 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 12 及びR 13 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、r及びsはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体、及び下記一般式(5):
    (ただしR 15 、R 18 及びR 20 はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R 16 、R 17 及びR 19 はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、x、y及びzはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(III)のいずれか又はこれらの両方をさらに含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  7. 請求項1、2、5及び6のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体及び前記共役ジエン系液状オリゴマーと共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  8. 請求項3〜のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有重合体は、前記リン酸基含有不飽和単量体と共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  9. 請求項又はに記載の固体高分子電解質膜において、前記他の不飽和単量体は、(e) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合と1個以上の官能基とを有する不飽和単量体及び/又は(f) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが官能基を有しない不飽和単量体であり、前記(e) 官能基を有する不飽和単量体はスルホン酸基、カルボン酸基、アルコール性水酸基及びアミノ基からなる群から選ばれた少なくとも一種の官能基を有し、前記(f) 官能基を有しない不飽和単量体は(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類、置換又は無置換のスチレン類、ビニル類、及び分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とする燃料電池。
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