JP4471605B2 - リン酸基含有固体高分子電解質(複合)膜及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、一次電池、二次電池、燃料電池等の電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜等に好適な固体高分子電解質(複合)膜及びその用途に関し、特に耐溶剤性、耐熱性及び機械的強度に優れ、広い温度範囲及び湿度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示す固体高分子電解質(複合)膜及びその用途に関する。
固体高分子電解質材料として、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、パーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー[Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 7, pp. 2490 〜2492 (1993), Polymer Preprints, Japan Vol. 43, No. 3, pp. 735 〜736 (1994), Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 3, p. 730 (1993)] 等が報告されている。
特に側鎖にスルホン酸基を有する固体高分子材料は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過したりする性質を有しているので、粒子状、繊維状又は膜状に成形して、電気透析膜、拡散透析膜、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。中でもNafion(DuPont社製)の商標で知られるパーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜は耐熱性及び耐溶剤性に優れ、苛酷な条件下での使用に耐える電解質膜として実用化されている。しかし上記のようなフッ素系電解質膜は非常に高価であるという問題を抱えている。
これらの従来技術に対し、本発明者らは、リン酸基を含む(メタ)アクリル酸エステル類を重合、又はこれと共重合し得るエチレン性不飽和単量体と共重合して得られるリン酸基含有重合体を溶液にし、キャスト製膜してプロトン伝導性固体高分子電解質膜を調製することを提案した(特開2001-114834号:特許文献1)。特許文献1の固体高分子電解質は比較的安価に提供することができるだけでなく、得られるキャスト膜は耐熱性に優れており、広い温度範囲及び湿度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示す点で従来の固体高分子材料と一線を画すものであった。
また特開2002-83514号(特許文献2)は、リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を側鎖に有するポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜を提案している。特許文献2のプロトン伝導性膜は、リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を側鎖に有するモノマーを、多孔質膜の空孔内で重合させることにより調製されるので、ポリマーは多孔質膜に対して高度の密着性を有し、高いプロトン伝導性を有するのみならず、高い強度を有する。
特開2001-114834号公報 特開2002-83514号公報
しかし特許文献1の固体高分子電解質及び特許文献2のプロトン伝導性膜は、メタノール燃料電池用の固体高分子電解質膜として使用した場合に、耐溶剤性が十分とはいえなかった。
従って本発明の目的は、燃料電池等に使用するのに十分な高導電率を示すとともに、耐溶剤性、耐熱性及び機械的強度に優れた固体高分子電解質(複合)膜及びその用途を提供することである。
上記目的に鑑み、鋭意研究の結果、本発明者らは(A) 分子内に1個以上のリン酸基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体、及び(B) 分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体を共重合してなり、前記フッ素基含有不飽和単量体が、エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体である固体高分子電解質を有する(複合)膜は、高導電率を示すとともに、耐溶剤性、耐熱性及び機械的強度に優れていることを発見した。本発明者らはまた、(A) 分子内に1個以上のリン酸基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体を重合してなるリン酸基含有重合体、及び(B) 分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体を含む組成物からなり、前記フッ素基含有不飽和単量体が、エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体である固体高分子電解質(複合)膜は、高導電率を示すとともに、耐溶剤性、耐熱性及び機械的強度に優れていることを発見した。本発明はかかる発明に基づき完成したものである。
すなわち、第一の固体高分子電解質膜は、分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する第一のリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有する第二のリン酸基含有不飽和単量体(b)と、エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体(c)とを共重合してなる固体高分子電解質膜であって、
(a)は、下記一般式(1)
Figure 0004471605
(ただしR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、nは1〜6の整数である。)により表され、
(b)は、下記一般式(2):
Figure 0004471605
(ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表され、
(c)は、下記一般式(3):
Figure 0004471605
(ただしRf 1 は1個以上のフッ素基を含有する炭素数1〜10の2価の有機基であって、同炭素数のアルキレン基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換された有機基である。)により表され、
(a)/(b)のモル比は1/0.1〜1/2であり、
[(a)+(b)]/(c)のモル比は1/0.01〜1/0.2であることを特徴とする。
本発明の第二の固体高分子電解質膜は、(A) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する第一のリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有する第二のリン酸基含有不飽和単量体(b)と、任意成分であるアクリロニトリルとを共重合してなるリン酸基含有重合体層、及び
(B) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体層
からなる固体高分子電解質膜であって、前記フッ素基含有重合体層が前記リン酸基含有重合体層の少なくとも一面に形成されており、
(a)は、下記一般式(1)
Figure 0004471605
ただしR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、nは1〜6の整数である。)により表され、
(b)は、下記一般式(2):
Figure 0004471605
(ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表され、
前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体が、下記一般式(4):
Figure 0004471605
(ただしRf 2 は1個以上のフッ素基を含有する炭素数1〜10の1価の有機基であって、同炭素数のアルキル基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換された有機基であり、X 1 、X 2 及びX 3 はそれぞれ独立に水素又はフッ素基である。)により表され、
(a)/(b)のモル比は1/0.1〜1/2であり、
前記フッ素基含有重合体層の含有量が、前記リン酸基含有重合体層1m 2 当たり10 g以下であることを特徴とする。
第二の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有重合体は、(a),(b)及びアクリロニトリルからなる共重合体であり、前記アクリロニトリルの含有量が(a)、(b)及び前記アクリロニトリルの合計の18.3質量部以下であるのが好ましい。
第一及び第二の固体高分子電解質膜において、前記フッ素基含有ジエン系不飽和単量体は1,4-ジビニル(パーフルオロブチレン)、1,6-ジビニル(パーフルオロヘキシレン)及び1,8-ジビニル(パーフルオロオクチレン)からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質複合膜は、(A) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する第一のリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有する第二のリン酸基含有不飽和単量体(b)と、任意成分であるアクリロニトリルと、光重合開始剤と含む組成物を、補強シートに含浸又は塗布した後、少なくとも(a)及び(b)を光重合してなり、もって少なくとも(a)及び(b)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、前記補強シートとからなるリン酸基含有重合体複合膜層、及び
(B) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体層
からなる固体高分子電解質複合膜であって、前記フッ素基含有重合体層が前記リン酸基含有重合体複合膜層の少なくとも一面に形成されており、
(a)は、下記一般式(1)
Figure 0004471605
(ただしR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、nは1〜6の整数である。)により表され、
(b)は、下記一般式(2):
Figure 0004471605
(ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表され、
フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体が、下記一般式(4):
Figure 0004471605
(ただしRf 2 は1個以上のフッ素基を含有する炭素数1〜10の1価の有機基であって、同炭素数のアルキル基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換された有機基であり、X 1 、X 2 及びX 3 はそれぞれ独立に水素又はフッ素基である。)により表され、
前記補強シートは、無機質もしくは有機質の繊維からなる織布、不織布もしくは紙、又は微孔を有する樹脂フィルムからなり、
(a)/(b)のモル比は1/0.1〜1/2であり、
前記フッ素基含有重合体層の含有量が、前記リン酸基含有重合体複合膜層1m 2 当たり10 g以下であることを特徴とする。
上記固体高分子電解質複合膜において、前記組成物はアクリロニトリルを含み、もって前記リン酸基含有樹脂が、(a),(b)及びアクリロニトリルからなる共重合体であり、前記アクリロニトリルの含有量が(a)、(b)及び前記アクリロニトリルの合計の18.2質量部以下であるのが好ましい。前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体は、ヘキサフルオロプロペン、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン及び(パーフルオロオクチル)エチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
本発明の第一及び第二の固体高分子電解質複合膜、及び固体高分子電解質複合膜は、燃料電池用途に有用である。
以上詳述した通り、本発明の第一の固体高分子電解質膜は、(A) 分子内に1個以上のリン酸基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体、及び(B) 分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体を共重合してなしてなり、前記フッ素基含有不飽和単量体が、エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体である固体高分子電解質を有するので、高導電率を示し、かつ耐溶剤性に優れている。
また本発明の第二の固体高分子電解質膜及び固体高分子電解質複合膜は、(A) 分子内に1個以上のリン酸基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体を重合してなるリン酸基含有重合体、及び(B) 分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体を含む組成物からなり、前記フッ素基含有不飽和単量体が、エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体であるので、高導電率を示すとともに、耐溶剤性に優れている。
本発明の第一及び第二の固体高分子電解質膜及び固体高分子電解質複合膜は、導電率が10−2.5〜10−1 S・cm−1の優れたプロトン伝導性を有し、係るプロトン伝導性の温度依存性が小さい上、耐メタノール性に非常に優れている。そのため一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに好適に利用できる。特に大電力用途のDMFC(直接メタノール燃料電池)用の固体高分子電解質としての応用が期待される。
以下、本発明の固体高分子電解質(複合)膜及びその製造方法について詳細に説明する。
[1] 固体高分子電解質(複合)膜
(1) 第一の固体高分子電解質(複合)膜
第一の固体高分子電解質(複合)膜は、(A) 分子内に1個以上のリン酸基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体、及び(B) 分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体を共重合してなる固体高分子電解質膜であって、前記フッ素基含有不飽和単量体が、(B-1) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、及び(B-2) エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む。
(A) リン酸基含有不飽和単量体
リン酸基含有不飽和単量体としては、分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び/又は分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)が好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体(I)としては、下記一般式(1):
Figure 0004471605
(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換又は無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体(II)としては、下記一般式(2):
Figure 0004471605
(ただしR3及びR6はそれぞれ独立に水素又はアルキル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び上記一般式(2)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(II)は、下記一般式(9):
Figure 0004471605
(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表される2-ヒドロキシ(メタ)アクリレートと、五酸化リンとを反応原料としてエステル化反応を行うことにより得られる。
以下一般式(9)により表される2-ヒドロキシ(メタ)アクリレートとして、下式(10):
Figure 0004471605
により表される2-ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、リン酸基含有不飽和単量体(I)としてアシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート(別名:メタクリロイルオキシエチルホスフェート)を調製し、リン酸基含有不飽和単量体(II)としてジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートを調製する例を説明する。
アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートとジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートは、例えば下記式(11):
Figure 0004471605
に示すように2-ヒドロキシエチルメタクリレートと五酸化リンを反応させることにより、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートを調製し、次いで下記式(12):
Figure 0004471605
に示すように、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートに2-ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させることにより得られる。
上記一般式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)、及び上記一般式(2)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(II)を得るためのエステル化反応には、有機ヒドロキシ化合物と五酸化リンとを原料としてエステル化反応によりリン酸エステルを製造するための公知の方法が適用可能である。例えば五酸化リンを2-ヒドロキシ(メタ)アクリレートに段階的に添加したり、五酸化リンの添加速度を適宜調製したりすることができる。
一般式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I) のうち代表的なものの構造式及び物性をそれぞれ表1及び表2に示す。これらの単量体はユニケミカル(株)から商品名Phosmer(登録商標)として販売されている。ただし本発明に使用できるリン酸基含有不飽和単量体はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004471605
Figure 0004471605
注:(1) Brookfield型粘度計により測定(括弧内はロータNo.を示す)。
(2) 単位は質量%。
リン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、電荷を中和させるため、例えば第1級、第2級、第3級又は第4級のアルキル基、アリル基、アラルキル基等を含有するアンモニウムイオンやモノ、ジ又はトリアルカノールアミン残基と錯塩を形成するのが好ましく、特にN+Ra 4-f (OH)f(ここでRaは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基及び炭素数6〜12の脂環族基からなる群から選ばれた少なくとも一種を表し、fは1〜3の正の整数を表す。)が好ましい。一般式(1)のリン酸基含有不飽和単量体(I)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
リン酸基含有不飽和単量体(II)としては、上記ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートが好ましい。リン酸基含有不飽和単量体(II)も単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
リン酸基含有不飽和単量体(I)はプロトン伝導性に優れており、リン酸基含有不飽和単量体(II)は架橋作用を有し造膜性に優れているので、リン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)を両方使用するのが好ましい。これによりプロトン伝導性と耐溶剤性と膜強度のバランスが向上する。リン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)を両方使用する場合、[リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[リン酸基含有不飽和単量体(II)]の配合モル比は1/0.1 〜1/2であるのが好ましい。
第一の固体高分子電解質(複合)膜は、下記一般式(13):
Figure 0004471605
(ただしR10及びR13はそれぞれ独立に水素又はアルキル基であり、R11及びR12はそれぞれ独立に水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、t及びwはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合成分として含んでもよい。上記式(13)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体は架橋作用を有し、造膜性に優れているので、これを共重合成分として含むことによっても膜強度及び耐溶剤性が向上する。上記式(13)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体としては、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートが好ましい。
ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートは、例えば上記式(11)に従って調製することができる。また例えば下記式(14):
Figure 0004471605
に示すように、2-ヒドロキシエチルメタクリレートと五酸化リンを反応させることにより、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートとジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートとジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートとが得られる。
第一の固体高分子電解質(複合)膜は、リン酸基含有不飽和単量体として、下記一般式(15):
Figure 0004471605
(ただしR14、R17及びR19はそれぞれ独立に水素又はアルキル基であり、R15、R16及びR18はそれぞれ独立に水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合成分として含んでもよい。
(B) フッ素基含有不飽和単量体
第一の固体高分子電解質(複合)膜は、 (B-1) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、及び(B-2) エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフッ素基含有不飽和単量体を共重合成分として含むので、疎水性に優れている。
フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては下記一般式(4):
Figure 0004471605
(ただしRf 2 は1個以上のフッ素基を含有する1価の有機基であり、X1、X2及びX3はそれぞれ独立に水素又はフッ素基である。)又は下記一般式(5):
Figure 0004471605
(ただしRf 3 Rf 4 及びRf 5 はそれぞれ独立に少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基又はフッ素基であり、X4はフッ素基、その他のハロゲン、少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基、アルコキシ基、フッ素基含有アルコキシ基、アルキル基又は水素である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(4)中のフッ素基を含有する1価の有機基Rf 2 は、これと同炭素数のアルキル基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換されたものであるのが好ましく、パーフルオロアルキル基であるのがより好ましい。Rf 2 の炭素数は1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。Rf 2 は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造であるのが好ましい。Rf 2 は、フッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。Rf 2 は、ヘテロ原子を有していてもよい。ヘテロ原子としては、Rf 2 中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。
上記一般式(4)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、下記一般式(16):
Figure 0004471605
(但しRf 2 は上記式(4)と同じである。)により表されるものが、より好ましい。
上記一般式(16)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、(パーフルオロオクチル)エチレン、(パーフルオロデシル)エチレン等が挙げられる。中でもフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン及び(パーフルオロオクチル)エチレンが好ましい。
上記一般式(5)中のRf 3 Rf 4 及びRf 5 としては、パーフルオロメチル基又はフッ素基が好ましい。上記一般式(5)中のX4がアルキル基、アルコキシ基又はフッ素基含有アルコキシ基である場合、それらの炭素数は1〜10であるのが好ましい。上記一般式(5)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、1-メトキシ−(パーフルオロ-2-メチル-1-プロペン)等が挙げられる。
フッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては、下記一般式(6):
Figure 0004471605
(ただしRf 1 は1個以上のフッ素基を含有する2価の有機基であり、X5、X6、X7、X8、X9及びX10はそれぞれ独立に水素又はフッ素基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(6)中の1個以上のフッ素基を含有する2価の有機基Rf 1 は、これと同炭素数のアルキレン基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換されたものであるのが好ましく、パーフルオロアルキレン基であるのがより好ましい。Rf 1 の炭素数は1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。Rf 1 は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造であるのが好ましい。Rf 1 は、フッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。Rf 1 は、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子団を有していてもよい。ヘテロ原子としては、Rf 1 中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子団としてはエステル結合等が挙げられる。
上記一般式(6)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、下記一般式(3):
Figure 0004471605
(但しRf 1 は上記式(6)と同じである。)により表されるものが、より好ましい。
上記一般式(3)により表されるフッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては、1,4-ジビニル(パーフルオロブチレン)(別名:1,4-ジビニルオクタフルオロブタン)、1,6-ジビニル(パーフルオロヘキシレン)(別名:1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサン)及び1,8-ジビニル(パーフルオロオクチレン)(別名:1,8-ジビニルヘキサデカフルオロオクタン)が好ましい。
上記2種の各フッ素基含有不飽和単量体の中でもフッ素基含有ジエン系不飽和単量体は架橋性を有し、重合体に分子間架橋を形成できる観点から好ましい。リン酸基含有不飽和単量体との相溶性が比較的良好である観点からは、1,4-ジビニル(パーフルオロブチレン)が好ましい。
上記2種の各フッ素基含有不飽和単量体とリン酸基含有不飽和単量体との配合割合について述べる。フッ素基含有不飽和単量体としてフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体を単独で使用する場合は、モル比で(リン酸基含有不飽和単量体)/(フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体)=1/0.05〜1/1であるのが好ましい。フッ素基含有不飽和単量体としてフッ素基含有ジエン系不飽和単量体を単独で使用する場合は、モル比で(リン酸基含有不飽和単量体)/(フッ素基含有ジエン系不飽和単量体)=1/0.01〜1/0.2であるのが好ましい。
フッ素基含有不飽和単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合、例えばフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体及び/又はフッ素基含有ジエン系不飽和単量体と、少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基又はフッ素基をα位に有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(I)及び/又は少なくとも一個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸類とを混合した組成等を挙げることができる。
少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基又はフッ素基をα位に有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(I)としては、下記一般式(7):
Figure 0004471605
(ただしRf6は少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基又はフッ素基であり、R7は1個以上のフッ素基を含有する1価の有機基又は1価の炭化水素基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(7)において、Rf6はパーフルオロメチル基又はフッ素基であるのが好ましい。上記一般式(7)において、フッ素基を含有する1価の有機基又は1価の炭化水素基であるR7の炭素数は1〜10であるのが好ましく、1〜5であるのがより好ましい。R7がフッ素基を含有する1価の有機基である場合、係るR7と同炭素数のアルキレン基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換されたものであるのが好ましい。R7がフッ素基を含有する1価の有機基であり、かつその炭素数が2以上である場合、末端メチル基の水素が全てフッ素基で置換されているのが好ましい。R7は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。R7は、フッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。R7はヘテロ原子を有していてもよい。ヘテロ原子としては、R7中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。
上記一般式(7)により表されるフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(I)としては、ターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート、トリフルオロエチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート等が挙げられる。中でもフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(I)としてはターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレートが好ましい。
フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては、下記一般式(8):
Figure 0004471605
(ただしRf7は少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基又はフッ素基である。)により表されるものが好ましい。上記一般式(8)においてRf7はパーフルオロメチル基又はフッ素基であるのがより好ましい。フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸が特に好ましい。
(C) 共重合し得る他の不飽和単量体
第一の固体高分子電解質(複合)膜は、リン酸基含有不飽和単量体及び/又はフッ素基含有不飽和単量体と共重合し得る他の不飽和単量体を共重合成分として含んでもよい。係る他の不飽和単量体は次の2群(C-1)、(C-2)に大別できる。
(C-1) 酸性基を含有する不飽和単量体
酸性基を含有する不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つの酸性基と、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。酸性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基等が挙げられる。
本発明に用いるスルホン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(18):
Figure 0004471605
(ただしR20は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
下記一般式(19):
Figure 0004471605
(ただしR21は水素又はメチル基であり、Yは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(20):
Figure 0004471605
(ただしR22は水素又はメチル基であり、Zは−O−基又は−NH−基であり、Yは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
スルホン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。好ましくはp-スチレンスルホン酸である。ただしアリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸は、そのアリル基が、退化(的)連鎖移動(degradative chain transfer)を起こすので、使用量を僅少にするのが好ましい。具体的には、多くても10質量%程度の使用量にする。カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を併用しても良い。好ましくはスルホン酸基含有不飽和単量体を用いる。これにより固体高分子電解質(複合)膜の導電率が一層向上するとともに、かかる導電率の温度依存性が顕著に低くなる。
スルホン酸基及びカルボン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、リン酸基含有不飽和単量体について上記(A)で述べたようなアンモニウムイオンもしくはアミン残基又はアルカリ金属と錯塩を形成するのが好ましい。
不飽和単量体組成物(リン酸基含有不飽和単量体 + フッ素基含有不飽和単量体 + 他の不飽和単量体)中の酸性基含有不飽和単量体の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸性基含有不飽和単量体として使用する化合物に応じて適宜設定すればよい。
(C-2) 酸性基を含有しない不飽和単量体
(C-1)に記載した以外の、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和単量体はすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド類;置換又は無置換のスチレン類;塩化ビニル、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン等のビニル類が好適に使用される。耐熱性向上の観点からアクリロニトリルが好ましい。1分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有するエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなども共重合体の耐化学薬品性を改良する目的をもって使用される。
不飽和単量体組成物(リン酸基含有不飽和単量体 + フッ素基含有不飽和単量体 + 他の不飽和単量体)中の酸性基を含有しない不飽和単量体の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸性基を含有しない不飽和単量体として使用する化合物に応じて適宜設定すればよい。例えば酸性基を含有しない不飽和単量体としてアクリロニトリルを使用する場合、不飽和単量体組成物中における配合割合は概ね50モル%以下である。
(2) 第二の固体高分子電解質(複合)膜
第二の固体高分子電解質(複合)膜は、(A) 分子内に1個以上のリン酸基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体を重合してなるリン酸基含有重合体、及び(B) 分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体を含む組成物からなり、前記フッ素基含有不飽和単量体が、(B-1) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、及び(B-2) エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む。以下第二の固体高分子電解質(複合)膜について詳細に説明する。
(A) リン酸基含有重合体
(a) リン酸基含有不飽和単量体
リン酸基含有不飽和単量体としては、上記(1)(A)で述べたリン酸基含有不飽和単量体(I)及び/又はリン酸基含有不飽和単量体(II)が好ましい。リン酸基含有不飽和単量体(I)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。リン酸基含有不飽和単量体(II)についても同様である。
リン酸基含有不飽和単量体(I)はプロトン伝導性に優れ、リン酸基含有不飽和単量体(II)は架橋作用を有し造膜性に優れているので、リン酸基含有重合体は、リン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)の共重合体であるのが好ましい。これによりプロトン伝導性と耐溶剤性と膜強度のバランスが向上する。リン酸基含有重合体がリン酸基含有不飽和単量体(I)及び(II)を含む場合、[リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[リン酸基含有不飽和単量体(II)]のモル比は1/0.1 〜1/2であるのが好ましい。
リン酸基含有重合体は、上記一般式(13)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体及び/又は上記一般式(15)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合成分として含んでもよい。これにより膜強度及び耐溶剤性が一層向上する。
(b) 共重合し得る他の不飽和単量体
リン酸基含有重合体は、リン酸基含有不飽和単量体と共重合し得る他の不飽和単量体と共重合したものであってもよい。他の不飽和単量体としては、上記(1)(C)で第一の固体高分子電解質(複合)膜について述べたのと同じものが挙げられるが、耐熱性向上の観点からアクリロニトリルが好ましい。
(B) フッ素基含有重合体
フッ素基含有重合体相を有することにより特に疎水性が向上する。第二の固体高分子電解質(複合)膜に使用するフッ素基含有不飽和単量体は、(i) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、及び(ii) エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む。
かかるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、及びかかるフッ素基含有ジエン系不飽和単量体に関しては、上記(1)(B)で第一の固体高分子電解質(複合)膜について述べた場合と各々同じものでよいので、説明を省略する。
フッ素基含有不飽和単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合、例えばフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体及び/又はフッ素基含有ジエン系不飽和単量体と、少なくとも一個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(II)及び/又は上記フッ素基含有(メタ)アクリル酸類とを混合した組成等を挙げることができる。
フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(II) としては下記一般式(9):
Figure 0004471605
(ただしR8は水素、フッ素基、少なくとも1個の水素基がフッ素基により置換されたメチル基又はメチル基であり、R9は1個以上のフッ素基を含有する1価の有機基又は1価の炭化水素基であり、R8及び/又はR9がフッ素基を含有する。)により表されるものが好ましい。上記一般式(9)においてR8はパーフルオロメチル基又はフッ素基であるのが好ましい。上記一般式(9)において、フッ素基を含有する1価の有機基又は1価の炭化水素基であるR9に関する好ましい要件は、上記一般式(7)中のR7に関する好ましい要件と同じでよい。
上記一般式(9)により表されるフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(II)としては、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、ターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート、トリフルオロエチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート等が挙げられる。中でもフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類(II)としては、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート及びターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレートが好ましい。
第二の固体高分子電解質(複合)膜は、リン酸基含有重合体を有する層、及びフッ素基含有重合体を有する層を含む積層体からなり、フッ素基含有重合体層がリン酸基含有重合体層の表面の少なくとも一部に形成されているのが好ましい。このような積層体からなる第二の固体高分子電解質(複合)膜は、通常リン酸基含有重合体層の1m2当たり10 g以下のフッ素基含有重合体層を有する。ただしフッ素基含有重合体層がリン酸基含有重合体層の表面のみに形成された構成に限定する趣旨ではなく、フッ素基含有重合体相の一部又は全部がリン酸基含有重合体相に内包された構成であってもよい。
(3) 補強材
第一及び第二の固体高分子電解質複合膜は、補強材を備える。本発明で使用する補強材は下記の3群に大別できる。
(i) 無機質繊維からなる補強材
ガラス繊維、アルミナ繊維、ロックウール繊維、スラグ繊維などからなる織布、不織布、紙等が挙げられる。無機質繊維からなる補強材の坪量は10〜60 mg/cm2、好ましくは10〜40 mg/cm2で、厚さは1μm〜60μm、好ましくは5μm〜40μmの範囲である。
(ii) 有機質繊維からなる補強材
通常、衣料用に用いられるナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等や、産業用に用いられるアラミド繊維からなる織布、不織布、紙等が挙げられる。不織布としてはポリプロピレン不織布が挙げられる。ただし紫外線照射時に複合系の温度が〜100℃まで上昇することがあり得るので、それに耐える耐熱性を有するものであることが必要である。有機質繊維からなる補強材の坪量と厚さは、(i)の場合と同じである。ただし含浸させる不飽和単量体組成物がスルホン酸基などの強酸基を有する不飽和単量体を含む場合は、ナイロン繊維からなる織布、不織布、紙等は耐酸性が弱いため不適である。
(iii) 樹脂フィルム
汎用樹脂であるポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ3-メチルペンテン樹脂、ナイロン-6樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などや、耐熱性樹脂であるポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などから製膜したフィルムが好ましい。樹脂フィルムは、微孔を有するフィルムでもよいし、微孔を有しないフィルムのどちらでもよいが、前者が好ましい。ただし含浸させる不飽和単量体組成物がスルホン酸基などの強酸基を有する不飽和単量体を含む場合は、ナイロンフィルムは、耐酸性が強くないため不適である。
微多孔フィルムの場合は、微孔の孔径が出来るだけ小さい方が好ましく、サブミクロン径であることが好ましい。また全体の開孔率は出来るだけ大きい方が好ましく、40〜50%(対表面積)のものが特に好ましい。樹脂フィルムの厚さは1μm〜40μmであるのが好ましく、5μm〜25μmの範囲であるのがより好ましい。
補強材と不飽和単量体組成物の使用割合は、補強材の不飽和単量体組成物に対する親和性、換言すれば、不飽和単量体組成物の吸収性によって大きく異なるが、一般的に補強材/不飽和単量体組成物=1/20〜1/2(質量比)の範囲である。
(4) 混合し得る他の重合体
固体高分子電解質(複合)膜を製造する際の造膜性や、得られる固体高分子電解質(複合)膜の強度、疎水性、耐溶剤性等を一層向上させるために、本発明の固体高分子電解質(複合)膜が含む(共)重合体と相溶し得るその他の重合体を混合することができる。
本発明の固体高分子電解質と相溶し得るその他の重合体としてはポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、セルロース及びその変性物等を挙げることができる。ポリアミド樹脂は、固体高分子電解質(複合)膜を作製する際の造膜性や、得られる固体高分子電解質(複合)膜の強度、疎水性、耐溶剤性等を向上させる効果を有する。ポリビニルアルコールは、固体高分子電解質(複合)膜の導電率を向上させる効果を有する。ポリビニルアルコールを用いて固体高分子電解質(複合)膜を作製する場合、疎水性を低下させないためにポリアミド樹脂又はメラミン樹脂を添加するのが好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合は、その重合度、融点、鹸化度等を適宜考慮し、必要に応じたものを選択する。
本発明に用いるポリアミド樹脂は、溶剤に対する溶解性を有するものであれば特に限定されない。ポリアミド樹脂の分子量は、1,000 〜1,000,000であるのが好ましく、2,000 〜500,000であるのがより好ましく、5,000 〜150,000であるのがさらに好ましい。
本発明に好ましく用いることのできるポリアミド樹脂としては、下記一般式(21):
Figure 0004471605
(ただし一般式(21)において、R23〜R25は置換または無置換のアルキレン基を表し、R26は置換または無置換のアルキル基を表し、yとzは重合比を表し、10≦y≦50、50≦z≦90であって、yとzとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ナイロンが挙げられる。
一般式(21)において、R23及びR24はそれぞれ独立に炭素数3〜20の置換又は無置換のアルキレン基を表す。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン等が挙げられる。R23及びR24としては炭素数5〜11の無置換のアルキレン基が好ましく、n-ペンチレンがより好ましい。
R25は炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキレン基を表す。置換基としては、R23及びR24と同様のものでよい。好ましいR25はメチレンである。
R26は炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキル基を表す。置換基としてはR23及びR24について述べたものと同様でよい。好ましいR26はメチルである。
yとzは重合比を表し、yとzとの和は100である。10≦y≦50、50≦z≦90であるのが好ましく、20≦y≦30、70≦z≦80であるのがより好ましい。yが10未満だと溶媒への溶解性が低下するので好ましくない。また置換基の立体障害のためyを50超にすることは困難である。
一般式(21)のN-アルコキシアルキル化ナイロンの具体例としては、ナイロン-6、ナイロン-66、ナイロン-12、共重合ナイロン等をアルコキシメチル化したものが挙げられるが、好ましくはナイロン-6又はナイロン-66のN-メトキシメチル化ナイロン類である。また商品としてはナガセケムテックス(株)から製販されているトレジンF30K、トレジンMF-30、トレジンEF-30T等が挙げられる。
本発明の固体高分子電解質(複合)膜中におけるポリアミド樹脂の配合割合は、固体高分子電解質(複合)膜が含む重合体成分におけるポリアミド樹脂の割合が50質量%(固形分質量ベース)以下であるのが好ましい。係る割合が50質量%を超えると導電率が不十分となる。
(5) 特性
第一及び第二の固体高分子電解質(複合)膜は、導電率が10-2.5〜10-1 S・cm-1の優れたプロトン伝導性を有し、係るプロトン伝導性の温度依存性が小さい。ここで導電率とは、複素インピーダンス法を用いて測定して得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から求めたものである。また第一及び第二の固体高分子電解質(複合)膜は、メタノール抽出率が19%以下であり、耐メタノール性に優れている。ここでメタノール抽出率とは固体高分子電解質(複合)膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の質量減少を測定したものである。
リン酸基含有重合体(複合)膜の厚さは通常300μm以下であり、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは10〜30μmである。
[2] 固体高分子電解質(複合)膜の製造方法
(1) 第一の固体高分子電解質(複合)膜の製造方法
第一の固体高分子電解質膜は、上記[1](1)(A)で述べたリン酸基含有不飽和単量体、[1](1)(B)で述べたフッ素基含有不飽和単量体及び光重合開始剤(光増感剤)を含有する組成物を、不飽和単量体が付着しない材料(フッ素系重合体等)により被覆された板に流延し、紫外線透過性板で覆った後、紫外線を照射して不飽和単量体を共重合させることにより、製造することができる。上記[1](1)(C)で述べたその他の不飽和単量体も使用する場合は、これを上記組成物に添加する。上記[1](4)で述べた他の重合体も混合する場合は、これを上記組成物に添加する(以下同様)。
第一の固体高分子電解質膜に補強材を備えた構成である第一の固体高分子電解質複合膜は、第一の固体高分子電解質膜の場合と同じ組成物を、補強材に含浸させるか塗布した後、補強材を紫外線透過性の支持基板に挟み、紫外線を照射して不飽和単量体を光重合させることにより、製造することができる。
不飽和単量体組成物を紫外線照射重合するに当たって使用する紫外線透過性板及び支持基板は紫外線透過率が高いことのみならず、紫外線照射による重合時の昇温に耐える耐熱性を有すること、及び不飽和単量体組成物及びこれを重合して得られる固体高分子電解質と接着せず、剥離性が良好なことが必要である。
支持基板として通常使用するガラス平板は紫外線透過率と耐熱性については非常に良いが、本発明に使用する不飽和単量体の共重合により得られる固体高分子電解質と密着するので、予めガラス平板の表面にシリコーン系又はフッ素系の剥離剤を塗布しておくか、フッ素樹脂系の薄い透明フィルムを貼りつけた上で使用するのが好ましい。
支持基板としては、ガラス平板以外に、ポリパーフルオロビニルエーテル樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)等のフッ素系樹脂の他、ポリ3-メチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の紫外線透過率の良い100℃以上の耐熱性を有する樹脂平板を使用することができる。
不飽和単量体組成物を流延した後で紫外線透過性板で覆って紫外線照射を行うか、不飽和単量体組成物を含浸させるか塗布した補強材を2枚の支持基板の間に挟んで紫外線照射を行うに当たって、空気及び余分な不飽和単量体組成物を系外に絞り出す必要がある。例えば補強材を使用する場合、図1に示すように、2枚の支持基板の間に均等に圧力をかけて、クリップ又はクランプで止めた状態で、水平に保ちながら紫外線照射を行うのが好ましい。照射は、少なくとも片面に対して1〜15分間行う。照射を表裏交互に行う場合は、片面に対して1〜15分間行う。光重合時の紫外線照射強度は5〜100μW/cm2、好ましくは10〜80μW/cm2とする。紫外線照射距離は、上記照射時間の範囲で十分硬化するように適宜設定する。
不飽和単量体組成物中に加える光重合開始剤(光増感剤)としては、
(i) R-(CO)x -R'(R,R'=水素又は炭化水素基、x = 2〜3)で表される隣接ポリケトン化合物類(例えば、ジアセチル、ジベンジル等)、
(ii) R-CO-CHOH-R'(R,R'=水素又は炭化水素基)で表されるα-カルボニルアルコール類(例えば、ベンゾイン等)、
(iii) R-CH(OR")-CO-R'(R,R',R"=炭化水素基)で表されるアシロイン・エーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、
(iv) Ar-CR(OH)-CO-Ar(Ar=アリール基、R=炭化水素基)で表されるα-置換アシロイン類(例えば、α-アルキルベンゾイン等)、及び
(v) 多核キノン類(例えば、9,10-アンスラキノン等)がある。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で、又は併用して使用することができる。
光重合開始剤の使用量は不飽和単量体の合計質量に対して、0.01〜3質量%の範囲、好ましくは0.01〜1.5質量%の範囲である。0.01質量%未満だと、所定の紫外線照射時間内に重合が完結せず、未反応単量体が残留するので好ましくないし、3質量%超だと、得られる重合体の重合度が低くなる上、重合体が着色する傾向にあるので好ましくない。
本発明では、光重合開始剤の不飽和単量体組成物への溶解を支援する目的や、不飽和単量体組成物の粘度を下げ、補強材への含浸を容易にし、補強材への付着量を減少せしめて複合膜の厚さを薄くするなどの目的で、希釈剤としてメタノールなどの低沸点溶剤を加えることもできる。
(2) 第二の固体高分子電解質(複合)膜の製造方法
第二の固体高分子電解質(複合)膜を製造する方法は、リン酸基含有重合体を含む(複合)膜[リン酸基含有重合体(複合)膜]を形成し、次いでフッ素基含有不飽和単量体を塗布した後、これを重合することを基本とする。
(A) リン酸基含有重合体膜の形成
第二の固体高分子電解質膜の場合、上記[1](2)(A)で説明したリン酸基含有不飽和単量体及び光重合開始剤を含有する組成物を、不飽和単量体が付着しない材料(フッ素樹脂等)により被覆された板に流延し、紫外線透過性板で覆った後、紫外線を照射して不飽和単量体を重合させることにより、リン酸基含有重合体膜を形成する。上記[1](1)(C)で述べたその他の不飽和単量体も使用する場合は、これを上記組成物に添加する。
第二の固体高分子電解質膜に補強材を備えた構成である第二の固体高分子電解質複合膜の場合、第二の固体高分子電解質膜の場合と同じ組成物を、補強材に含浸させるか塗布した後、補強材を紫外線透過性の支持基板に挟み、紫外線を照射して不飽和単量体を光重合することにより、リン酸基含有重合体複合膜を形成する。
光重合時の紫外線照射強度及び照射時間は、上記(1)で述べた第一の固体高分子電解質(複合)膜の場合と同じである。使用する光重合開始剤も上記(1)で述べた第一の固体高分子電解質(複合)膜を製造する場合と同じであり、その不飽和単量体に対する使用量は、0.01〜3質量%の範囲、好ましくは0.01〜1.5質量%の範囲である。
リン酸基含有重合体膜の厚さは300μm以下、好ましくは10〜100μm、より好ましくは10〜30μmとする。
(B) フッ素基含有重合体相の形成
上記(A)で得られたリン酸基含有重合体(複合)膜を、上記[1](2)(B)で述べたフッ素基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液に浸漬するか、かかるフッ素基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液をリン酸基含有重合体膜の少なくとも一方の面に塗布した後、紫外線透過性の支持基板に挟み、紫外線を照射してフッ素基含有不飽和単量体を光重合することにより、フッ素基含有重合体相を形成することができる。
フッ素基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液の濃度は、所望の希釈度に応じて適宜設定すればよい。溶媒は、フッ素基含有不飽和単量体が溶解又は分散するものであれば特に制限はないが、フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体及びフッ素基含有ジエン系不飽和単量体に対してはn-ヘキサン、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等を使用するのが好ましく、フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類及びフッ素基含有(メタ)アクリル酸類に対しては例えばn-ヘキサン、エステル系溶剤(酢酸エチル等)、ケトン系溶剤(メチルエチルケトン等)等を使用するのが好ましい。かかる溶媒としては、当然のことながら上記(A)で述べたリン酸基含有重合体を溶解するものは避けるべきである。浸漬は通常室温で行うのが好ましく、浸漬時間は通常1〜60分であるのが好ましい。
光重合時の紫外線照射強度及び照射時間は、リン酸基含有重合体(複合)膜を形成する場合と同じである。使用する光重合開始剤もリン酸基含有重合体(複合)膜を形成する場合と同じであり、そのフッ素基含有不飽和単量体に対する使用量は、0.01〜3質量%の範囲、好ましくは0.01〜1.5質量%の範囲である。光重合開始剤は、フッ素基含有不飽和単量体の溶液又は分散液に予め添加しておくのが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜11及び比較例1で用いたリン酸基含有不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合を表3に示す。
Figure 0004471605
注:(1) Phosmer M: メタクリロイルオキシエチルホスフェート(分子量:210)。
(2) 組成物A:メタクリロイルオキシエチルホスフェートとジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(分子量:322)とを理論モル比1:1で含有する組成物。
以下の表4〜7におけるメタクリロイルオキシエチルホスフェート(MOEP)とジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(DMOEP)の配合割合は、表3に示すPhosmer M(MOEP)と組成物A[MOEP/DMOEP=1/1(理論モル比)]の配合割合から算出したものである。
実施例1、2
(1) リン酸基含有重合体複合膜の作製
用いたリン酸基含有不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合は表3に示す通りである。リン酸基含有重合体複合膜は、表3に記載の単量体組成物に希釈剤としてメタノールを用いて粘度を調整した上で、光重合開始剤として[イルガキュア651(2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン) +イルガキュア500(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン) = 1(質量%) + 0.5(質量%)](対全単量体)を溶解して用い、補強材として各種不織布を採用し、単量体組成物を含浸或いは付着させた後、図1、図2に示すように、フッ素系樹脂フィルムを付着したガラス平板2枚の間に挟んで、高圧水銀灯(セン特殊光源(株)製キュアラブHLR1000F-22)を用いて、紫外線照射強度37μW/cm2で裏表からそれぞれ70秒間ずつ照射して(照射距離:15 cm)光重合せしめることにより作製した。使用した補強材の種類と厚さなどを表4に示す。
(2) フッ素基含有重合体層の形成
(パーフルオロヘキシル)エチレン(販売元:ダイキン化成品販売(株)、品番:F-1620)の76.7質量%n-ヘキサン溶液を調製し、これに上記(1)で作製したリン酸基含有重合体複合膜を室温で1分間浸漬した。次いで、上記(1)で述べたリン酸基含有重合体複合膜の場合と同様にして光重合せしめ、固体高分子電解質複合膜を作製した。作製した固体高分子電解質複合膜のメタノール抽出率等を表4に示す。
Figure 0004471605
注:(1) メタクリロイルオキシエチルホスフェート(分子量:210)。
(2) ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(分子量:322)。
(3) アクリロニトリル(分子量:53)。
(4) 重合体/補強材の質量比。
(5) リン酸基含有重合体(複合)膜にフッ素基含有重合体層を形成した後の質量増加を測定し、固体高分子電解質(複合)膜の単位面積当りに換算した。
(6) 複合膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の質量減少を測定。
(7) GF(ガラスファイバー)不織布。
(8) PP(ポリプロピレン)不織布。
(9) (パーフルオロヘキシル)エチレン(分子量:346.09)
実施例3〜5
(1) リン酸基含有重合体膜の作製
用いたリン酸基含有不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合は表3に示す通りである。リン酸基含有重合体膜は、表5に記載の単量体組成物を用い、補強材を使用せず、紫外線照射強度16μW/cm2で片面のみから6分間照射して(照射距離:25 cm)光重合せしめた以外は実施例1と同様にして作製した。
(2) フッ素基含有重合体層の形成
表5に示す各濃度の(パーフルオロヘキシル)エチレン(販売元:ダイキン化成品販売(株)、品番:F-1620)のn-ヘキサン溶液を調製し、これに上記(1)で作製したリン酸基含有重合体膜を室温で浸漬した。次いで、上記(1)で述べたリン酸基含有重合体膜の場合と同様にして光重合せしめ、固体高分子電解質膜を作製した。作製した固体高分子電解質膜のメタノール抽出率等を表5に示す。
Figure 0004471605
注:(1) メタクリロイルオキシエチルホスフェート(分子量:210)。
(2) ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(分子量:322)。
(3) アクリロニトリル(分子量:53)。
(4) 膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の質量減少を測定。
(5) (パーフルオロヘキシル)エチレン(分子量:346.09)
実施例6〜8
用いたリン酸基含有不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合は表3に示す通りである。表6に記載のリン酸基含有不飽和単量体及びフッ素基含有不飽和単量体(1,4-ジビニルオクタフルオロブタン、販売元:ダイキン化成品販売(株)、品番:F-9445)からなる単量体組成物を用い、補強材を使用せず、紫外線照射強度16μW/cm2で片面のみから5分間照射(照射距離:25 cm)した以外は実施例1と同様にして光重合せしめ、固体高分子電解質膜を作製した。作製した固体高分子電解質膜のメタノール抽出率等を表6に示す。
Figure 0004471605
注:(1) メタクリロイルオキシエチルホスフェート(分子量:210)。
(2) ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(分子量:322)。
(3) 1,4-ジビニルオクタフルオロブタン(分子量:254.12)。
(4) 膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の質量減少を測定。
比較例1
用いたリン酸基含有不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合は表3に示す通りである。フッ素基含有不飽和単量体を塗布しなかった以外は実施例2と同様にしてリン酸基含有重合体複合膜を作製した。作製した固体高分子電解質複合膜のメタノール抽出率等を表7に示す。
Figure 0004471605
注:(1) メタクリロイルオキシエチルホスフェート(分子量:210)。
(2) ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(分子量:322)。
(3) アクリロニトリル(分子量:53)。
(4) 重合体/補強材の質量比。
(5) 複合膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の質量減少を測定。
(6) PP(ポリプロピレン)不織布。
表4〜7に示した結果から、実施例1〜8の(複合)膜は、メタノール抽出率が19%以下であり、耐メタノール性の高い複合膜を作ることができることが分かる。これに対して比較例1の複合膜はフッ素基含有不飽和単量体を共重合体成分として含まず、またフッ素基含有重合体相も含まないので、耐メタノール性が劣っている。なお実施例の固体高分子電解質複合膜の厚さは170〜300μmの範囲であるが、補強材の厚さ、補強材と単量体組成物との親和性、重合体の付着割合、換言すれば単量体組成物の付着量とそれを搾り出す圧力を適宜調製することにより所望の厚さとすることができる。
(プロトン伝導性の評価)
プロトン伝導性は複素インピーダンス法を用いて測定した。上述の方法により作製した実施例1〜8及び比較例1の(複合)膜から切り出した13 mmφの円形サンプルを2枚の白金電極に挟み、(株)日本ヒューレット・パッカード社製のインピーダンス・アナライザー HP4192Aのセルに充填した。測定周波数範囲:0.05〜13 kHz 、印加電圧:12 mV、相対湿度:90%、測定温度範囲:30 〜80℃で、セルのインピーダンスを測定した。得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から導電率を求めた。結果を図3〜6に示す。
図3〜6に示した結果から、本発明の固体高分子電解質複合膜の導電率は10-2.5〜10-1 S・cm-1のオーダーを示し、リン酸基を官能基とする高分子電解質としては良好な水準にあり、かつ導電率の温度依存性が小さいことが分かる。これに対して比較例1の複合膜はフッ素基含有不飽和単量体を共重合体成分として含まず、またフッ素基含有重合体相も含まないので、導電率が劣っている。
ガラス平板2枚の間に固体高分子電解質複合膜を挟んだ状態を示す側面図である。 ガラス平板2枚の間に固体高分子電解質複合膜を挟んだ状態を示す平面図である。 実施例1,2の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例3〜5の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例6〜8の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 比較例1の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。
符号の説明
1・・・固体高分子電解質複合膜
11・・・固体高分子電解質
12・・・補強材
2・・・ガラス平板
3・・・クリップ

Claims (10)

  1. 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する第一のリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有する第二のリン酸基含有不飽和単量体(b)と、エチレン性不飽和結合を2個有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体(c)とを共重合してなる固体高分子電解質膜であって、
    (a)は、下記一般式(1)
    Figure 0004471605
    (ただしR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、nは1〜6の整数である。)により表され、
    (b)は、下記一般式(2):
    Figure 0004471605
    (ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表され、
    (c)は、下記一般式(3):
    Figure 0004471605
    (ただしRf 1 は1個以上のフッ素基を含有する炭素数1〜10の2価の有機基であって、同炭素数のアルキレン基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換された有機基である。)により表され、
    (a)/(b)のモル比は1/0.1〜1/2であり、
    [(a)+(b)]/(c)のモル比は1/0.01〜1/0.2である
    ことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質膜において、前記フッ素基含有ジエン系不飽和単量体は1,4-ジビニル(パーフルオロブチレン)、1,6-ジビニル(パーフルオロヘキシレン)及び1,8-ジビニル(パーフルオロオクチレン)からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  3. (A) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する第一のリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有する第二のリン酸基含有不飽和単量体(b)と、任意成分であるアクリロニトリルとを共重合してなるリン酸基含有重合体層、及び
    (B) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体層
    からなる固体高分子電解質膜であって、前記フッ素基含有重合体層が前記リン酸基含有重合体層の少なくとも一面に形成されており、
    (a)は、下記一般式(1)
    Figure 0004471605
    ただしR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、nは1〜6の整数である。)により表され、
    (b)は、下記一般式(2):
    Figure 0004471605
    (ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表され、
    前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体が、下記一般式(4):
    Figure 0004471605
    (ただしRf 2 は1個以上のフッ素基を含有する炭素数1〜10の1価の有機基であって、同炭素数のアルキル基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換された有機基であり、X 1 、X 2 及びX 3 はそれぞれ独立に水素又はフッ素基である。)により表され、
    (a)/(b)のモル比は1/0.1〜1/2であり、
    前記フッ素基含有重合体層の含有量は、前記リン酸基含有重合体層1m 2 当たり10 g以下であることを特徴とする固体高分子電解質膜
  4. 請求項3に記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有重合体が、(a),(b)及びアクリロニトリルからなる共重合体であり、前記アクリロニトリルの含有量が(a)、(b)及び前記アクリロニトリルの合計の18.3質量部以下であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  5. 請求項3又は4に記載の固体高分子電解質膜において、前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体は、ヘキサフルオロプロペン、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン及び(パーフルオロオクチル)エチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  6. (A) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する第一のリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有する第二のリン酸基含有不飽和単量体(b)と、任意成分であるアクリロニトリルと、光重合開始剤と含む組成物を、補強シートに含浸又は塗布した後、少なくとも(a)及び(b)を光重合してなり、もって少なくとも(a)及び(b)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、前記補強シートとからなるリン酸基含有重合体複合膜層、及び
    (B) エチレン性不飽和結合を1個有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体を重合してなるフッ素基含有重合体層
    からなる固体高分子電解質複合膜であって、前記フッ素基含有重合体層が前記リン酸基含有重合体複合膜層の少なくとも一面に形成されており、
    (a)は、下記一般式(1)
    Figure 0004471605
    (ただしR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、nは1〜6の整数である。)により表され、
    (b)は、下記一般式(2):
    Figure 0004471605
    (ただしR 3 及びR 6 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 4 及びR 5 はH、CH 3 又はCH 2 Clであり、m及びkはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表され、
    フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体が、下記一般式(4):
    Figure 0004471605
    (ただしRf 2 は1個以上のフッ素基を含有する炭素数1〜10の1価の有機基であって、同炭素数のアルキル基が有する水素基のうちの60%以上がフッ素基に置換された有機基であり、X 1 、X 2 及びX 3 はそれぞれ独立に水素又はフッ素基である。)により表され、
    前記補強シートは、無機質もしくは有機質の繊維からなる織布、不織布もしくは紙、又は微孔を有する樹脂フィルムからなり、
    (a)/(b)のモル比は1/0.1〜1/2であり、
    前記フッ素基含有重合体層の含有量は、前記リン酸基含有重合体複合膜層1m 2 当たり10 g以下であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  7. 請求項6に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記組成物はアクリロニトリルを含み、もって前記リン酸基含有樹脂が、(a),(b)及びアクリロニトリルからなる共重合体であり、前記アクリロニトリルの含有量が(a)、(b)及び前記アクリロニトリルの合計の18.2質量部以下であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  8. 請求項6又は7に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体は、ヘキサフルオロプロペン、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン及び(パーフルオロオクチル)エチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を用いた燃料電池。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜を用いた燃料電池。
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