JP4144877B2 - アミン変性リン酸基を含有する固体高分子電解質膜及びその原料単量体組成物、並びにその固体高分子電解質膜の製造方法及び用途 - Google Patents

アミン変性リン酸基を含有する固体高分子電解質膜及びその原料単量体組成物、並びにその固体高分子電解質膜の製造方法及び用途 Download PDF

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Description

本発明は、一次電池、二次電池、燃料電池等の電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜等に好適な固体高分子電解質膜及びその原料単量体組成物、並びにその固体高分子電解質膜の製造方法及び用途に関し、特に広い温度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示し、耐溶剤性に優れた固体高分子電解質膜及びその原料単量体組成物、並びにその固体高分子電解質膜の製造方法及び用途に関する。
固体高分子電解質材料として、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、パーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー[Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 7, pp. 2490〜2492 (1993), Polymer Preprints, Japan Vol. 43, No. 3, pp. 735〜736 (1994), Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 3, p. 730 (1993)]等が報告されている。
特に側鎖にスルホン酸基を有する固体高分子材料は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過したりする性質を有しているので、粒子状、繊維状又は膜状に成形され、電気透析膜、拡散透析膜、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。中でもNafion(デュポン(株)製)の商標で知られるパーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜は耐熱性及び耐薬品性に優れ、苛酷な条件下での使用に耐える電解質膜として実用化されている。しかし上記のようなフッ素系電解質膜は非常に高価であるという問題を抱えている。
これに対し、特開2003-86021号は分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体からなる固体高分子電解質膜を提案している。特開2003-86021号の固体高分子電解質膜は比較的安価に製造することができるだけでなく、導電性が著しく高く、導電性の温度依存性が低く、耐熱性及び耐溶剤性に優れている点で従来の固体高分子材料と一線を画すものであった。
しかし燃料電池用の固体高分子電解質膜には、導電性だけでなく、耐溶剤性や耐久性についても一層の向上が求められている。このような状況下、特開2003-22823号(特許文献1)は、耐久性と機械的強度を有するプロトン伝導性膜として、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基の一部がアミン塩化されたポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜を提案している。また特開平9-110982号(特許文献2)は、広い温度範囲にわたってプロトン伝導性を有し、高温下でもその性能が低下しないプロトン伝導性高分子固体電解質に有用なリン酸基含有重合体として、下記一般式(28):

(但しR31は4価の芳香族基であり、R32は脂肪族基、脂環族基又は芳香族基であり、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数2〜5のアルキルリン酸基であり、かつ繰り返し構造単位中に0.1〜2個のアルキルリン酸基を含み、kは10〜10,000である。)により表されるポリベンズイミダゾールのアルキルリン酸塩からなるリン酸基含有重合体を提案している。
特開2003-22823号公報 特開平9-110982号公報
しかし特許文献1は、リン酸基をアミン塩化するアミンとして、不飽和基を有さないアルカノールアミン等を用いているので、アミノ基とリン酸基が四級アンモニウム塩基を形成しているのみであり、他の架橋性不飽和単量体を添加しない限り、架橋構造を形成できなかった。特許文献2のリン酸基含有重合体は、ポリベンズイミダゾールにアルキルリン酸基を導入することにより製造するものであるので、導入可能なリン酸基量は理論値の70%程度であり、リン酸基密度の向上に限界があった。このため特許文献2のリン酸基含有重合体のプロトン伝導率は、相対湿度100%/温度100℃の条件下でも10−4 S・cm−1のオーダーにあり、必ずしも優れているとは言えなかった。
従って本発明の目的は、比較的低コストで製造でき、幅広い温度領域において高いプロトン伝導性を有し、かつ優れた耐溶剤性を有する固体高分子電解質膜及びその原料単量体組成物、並びにその固体高分子電解質膜の製造方法及び用途を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、(A) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(a)と、分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を有するアミノ基含有不飽和単量体(b)とを反応させてな、(a)が(b)で変性されて(a)のリン酸基が(b)のアミノ基と反応した四級アンモニウム塩を含む単量体組成物と、(B) リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体(c)とを共重合すると、幅広い温度領域において高いプロトン伝導性を有し、かつ優れた耐溶剤性を有する低廉な固体高分子電解質膜が得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の固体高分子電解質膜は、(A) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個有し、一リン酸基当り2個の水酸基を有するリン酸基含有不飽和単量体(a)、並びに分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するアミノ基含有不飽和単量体(b)を、(a)のリン酸基に対する(b)のアミノ基の割合が50〜180モル%となる範囲で反応させてなる単量体組成物であって、(a)が(b)で変性されて(a)のリン酸基が(b)のアミノ基と反応した四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体を含む単量体組成物と、
(B) リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体(c)と
を少なくとも共重合してなる固体高分子電解質膜であって、
(a)は下記一般式(1):
(ただしR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である)により表され、
(b)は下記一般式(2):
(ただしR3は水素基又はメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である)により表される化合物、下記一般式(3):
(ただしR6は水素基又はメチル基であり、R7及びR8はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である)により表される化合物、下記一般式(4):
(ただしR9は水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である)により表される化合物、下記一般式(5):
(ただしR12は水素基又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である)により表される化合物、下記一般式(6):
(ただしR15及びR16はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R17は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y3及びY4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である)により表される化合物、及び1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、
(c)は下記一般式(7):
(ただしR18及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R19及びR20はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である)により表されることを特徴とする。
(a)のR 1 はH又はCH 3 であり、R 2 はH、CH 3 又はCH 2 Clであるのが好ましい。(c)のR 18 及びR 21 はそれぞれ独立にH又はCH 3 であり、R 19 及びR 20 はそれぞれ独立にH、CH 3 又はCH 2 Clであるのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜の好ましい例では、(a)〜(c)以外の不飽和単量体(d)を共重合成分として含み、(d)は分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合と官能基とを有する不飽和単量体(d-1)、及び分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが官能基を有しない不飽和単量体(d-2)の一方又は両方であり、(d-1)はスルホン酸基、カルボン酸基及びアルコール性水酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種の官能基を有し、(d-2)は(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、置換又は無置換のスチレン類、ビニル類、及び分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種である。(前記(A)の単量体組成物)/((c)及び(d)の合計)の重量比は80/20〜40/60であるのが好ましい。((c)及び(d-1)の合計)/(d-2)の重量比は100/0〜50/50であるのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜は、(d-1)として、下記一般式(8):
(ただしR22は水素基又はメチル基である。)により表される化合物、下記一般式(9):
(ただしR23は水素基又はメチル基であり、Y5は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(10):
(ただしR24は水素基又はメチル基であり、X2は−O−基又は−NH−基であり、Y6は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種のスルホン酸基含有不飽和単量体を共重合成分として含むのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜は、(d-2)として、(i) 少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類、(ii) 少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸類、(iii) 少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有アルキル基及び/又は少なくとも1個のフッ素基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、並びに(iv) 少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素基含有不飽和単量体を少なくとも共重合成分として含むのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜において、前記フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては下記一般式(11):
(ただしX3は水素基、フッ素基、少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はメチル基であり、R25は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基又はアルキル基である。)により表される化合物が好ましい。前記フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては下記一般式(12):
(ただしX4は少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基である。)により表される化合物が好ましい。前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては
下記一般式(13):
(ただしRf1は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基であり、X5、X6及びX7はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)又は下記一般式(14):
(ただしX8、X9及びX10はそれぞれ独立に少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基であり、X11はフッ素基、その他のハロゲン、少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基、アルコキシ基、フッ素基含有アルコキシ基、アルキル基又は水素基である。)により表される化合物が好ましい。前記フッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては下記一般式(15):
(ただしRf2は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基であり、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)により表される化合物が好ましい。前記フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては2,2,2−トリフルオロエチルメタクリートが好ましい。

本発明の固体高分子電解質用単量体組成物は、(A) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個有し、一リン酸基当り2個の水酸基を有するリン酸基含有不飽和単量体(a)、並びに分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するアミノ基含有不飽和単量体(b)を、(a)のリン酸基に対する(b)のアミノ基の割合が50〜180モル%となる範囲で反応させてなる単量体組成物であって、(a)が(b)で変性されて(a)のリン酸基が(b)のアミノ基と反応した四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体を含む単量体組成物と、
(B) リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体(c)と
を少なくとも含む固体高分子電解質用単量体組成物であって、
前記(A)の四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体は、下記一般式(16):
(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R3は水素基又はメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(17):
(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R6は水素基又はメチル基であり、R7及びR8はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(18):
(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R9は水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(19):
(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R12は水素基又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(20):
(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R15及びR16はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R17は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y3及びY4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、並びに下記一般式(1):
(ただしR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体を、1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミンで変性した化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、
(c)は下記一般式(7):
(ただしR18及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R19及びR20はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である)により表されることを特徴とする。
本発明の固体高分子電解質用単量体組成物はいずれも、未反応の(a)、未反応の(b)、及び(a)のリン酸基中の水酸基の全てが(b)のアミノ基と反応した不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含んでもよい。
本発明の固体高分子電解質膜の製造方法は、本発明の固体高分子電解質用単量体組成物を調製し、得られた固体高分子電解質用単量体組成物を重合するか、固体高分子電解質用単量体組成物及び共重合可能な他の不飽和単量体を共重合することを特徴とする。(共)重合する際に紫外線を照射するのが好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜は燃料電池用途に好適である。
本発明の固体高分子電解質膜は、(a) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体を、(b) 分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するアミノ基含有不飽和単量体で変性した不飽和単量体を重合してなり、リン酸基中の水酸基の一部乃至大部分がアミノ基と反応した四級アンモニウム塩基を有する。本発明の固体高分子電解質膜を構成する四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体は、一分子中に(a) リン酸基含有不飽和単量体に由来するエチレン性不飽和結合と、(b) アミノ基含有不飽和単量体に由来するエチレン性不飽和結合を有するので、これからなる固体高分子電解質膜は部分的に架橋構造を有し、優れた耐溶剤性を有する。さらに本発明の固体高分子電解質膜は、相対湿度90%/温度20〜80℃において10−3〜10−5 S・cm−1の優れたプロトン伝導性を有し、かかるプロトン伝導性の温度依存性が小さい。そのため本発明の固体高分子電解質膜は、一次電池用電解質膜、二次電池用電解質膜、燃料電池用電解質膜、表示素子膜、各種センサー膜、信号伝達媒体膜、固体コンデンサー膜、イオン交換膜などに好適に利用できる。特に大電力用途のDMFC(直接メタノール燃料電池)用の固体高分子電解質としての応用が期待される。
[1] 固体高分子電解質用単量体組成物
本発明の固体高分子電解質用単量体組成物は、(a) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体を、(b) 分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するアミノ基含有不飽和単量体で変性させることにより得られ、リン酸基中の水酸基の一部乃至大部分がアミノ基と反応した四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体(以下単に「四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体」とよぶ)を含む。
(I) リン酸基含有不飽和単量体
リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(1):

(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表すことができる。R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
一般式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体のうち代表的なものの構造式及び物性をそれぞれ表1及び表2に示す。これらの単量体はユニケミカル(株)から商品名Phosmer(登録商標)として販売されている。ただし本発明に使用できるリン酸基含有不飽和単量体はこれらに限定されるものではない。
注:(1) Brookfield型粘度計により測定(括弧内はロータNo.を示す)。
(2) 単位は質量%。
一般式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体の中でも、得られる固体高分子電解質膜の耐溶剤性を良好にする観点から、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(Phosmer PP)が好ましい。
(II) アミノ基含有不飽和単量体
アミノ基含有不飽和単量体は、分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するものである限り特に制限はない。アミノ基含有不飽和単量体として、例えば(a) 下記一般式(2):

(ただしR3は水素基又はメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である。)により表される化合物、(b) 下記一般式(3):

(ただしR6は水素基又はメチル基であり、R7及びR8はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。)により表される化合物、(c) 下記一般式(4):

(ただしR9は水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である。)により表される化合物、(d) 下記一般式(5):

(ただしR12は水素基又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。)により表される化合物、(e) 下記一般式(6):

(ただしR15及びR16はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R17は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y3及びY4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である。)により表される化合物、及び(f) 1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が挙げられる。
上記式(2)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばN, N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジプロピルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N, N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジプロピルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記式(3)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばビニルアミン、N-ビニルジメチルアミン、N-ビニルジエチルアミン、N-ビニルジフェニルアミン等が挙げられる。
上記式(4)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばアリルアミン、N, N−ジメチル−p−アミノスチレン 、N, N−ジエチル−p−アミノスチレン 、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン等が挙げられる。
上記式(5)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N, N−ジメチルアクリルアミド、N, N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
上記式(6)により表されるアミノ基含有不飽和単量体として、例えばジアリルメチルアミン等が挙げられる。
1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミン化合物として、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール、5−ビニルイミダゾール、1−ビニルピラゾール、3−ビニルピラゾール、4−ビニルピラゾール、1−ビニルトリアゾール、2−ビニルピリミジン、4−ビニルピリミジン、5−ビニルピリミジン、2−ビニルピラジン、3−ビニルピリダジン、4−ビニルピリダジン、2−ビニルトリアジン、N−ビニルピロール、N−ビニルインドール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルグルタルイミド、N−ビニルフタルイミド等が挙げられる。
中でもアミノ基含有不飽和単量体としては、得られる固体高分子電解質膜の耐溶剤性を良好にする観点から、上記式(2)、(4)及び(6)により表されるものが好ましく、上記式(2) により表されるものがより好ましい。
(III) 配合割合
リン酸基含有不飽和単量体とアミノ基含有不飽和単量体の配合割合は、上記リン酸基含有不飽和単量体が一リン酸基当り2個の水酸基を有するため、リン酸基に対するアミノ基の割合が50〜180モル%となる範囲であるのが好ましい。この割合を50モル%未満とすると、架橋性を有する四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体の生成割合が少なくなり、得られる重合体の耐溶剤性が悪化する。一方この割合を180モル%超とすると、リン酸基が中和される割合が高くなり過ぎ、得られる重合体の酸性リン酸基の割合が少なくなるためプロトン伝導性が不十分となる。この比は60〜150モル%の範囲とするのがより好ましい。
(IV) 調製方法
本発明の固体高分子電解質用単量体組成物は、例えば溶媒中において、リン酸基含有不飽和単量体に対して、所定の配合割合のアミノ基含有不飽和単量体、水及び必要に応じて添加する触媒を滴下し、0℃〜溶媒の沸点以下の温度で処理することにより調製できる。水の添加量はリン酸基含有不飽和単量体に対して約1質量%とする。溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールが挙げられる。溶媒の使用量に特に制限はなく、反応混合物の粘度が高くなり過ぎない程度であればよい。必要に応じて反応後の溶液を加熱減圧し、溶媒を留去する。
図1は、メタノールに溶解させたアシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(Phosmer PP)を、N, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)で滴定した場合の中和曲線の例を示す。図1に示すように、モル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)が0〜2の範囲において、モル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)とpHは関連している。図1において、モル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)が0超〜1未満の領域ではハーフ塩と未反応のリン酸基含有不飽和単量体とが共存しており、モル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)が約1、すなわちpHが3.9〜4.5程度の時は、Phosmer PPが有するリン酸基の一方の水酸基のみがDMAEMAにより変性されたハーフ塩が殆どを占める。従って例えばほぼハーフ塩からなる組成物を調製するには、(i) Phosmer PPとDMAEMAをモル比1:1で混合し、pHが3.9〜4.5になるまで上記温度で攪拌処理するか、(ii) pHが3.9〜4.5になるまでPhosmer PPにDMAEMAを除々に滴下すればよい。このように、所望組成の固体高分子電解質用単量体組成物を調製するには、組成物原料として用いるリン酸基含有不飽和単量体及びアミノ基含有不飽和単量体について、予め図1に示すような中和曲線を作成しておくと、リン酸基含有不飽和単量体及びアミノ基含有不飽和単量体を混合した際のpHを測定することにより、所望組成の固体高分子電解質用単量体組成物が調製できたかどうか判定することができる。
(V) 組成物
上述の調製方法により得られる固体高分子電解質用単量体組成物が含む四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体は、リン酸基含有不飽和単量体のリン酸基中の水酸基の一部乃至大部分が、アミノ基含有不飽和単量体のアミノ基と反応したものであるので、一分子中に水酸基と四級アンモニウム塩基とが共存している。具体的には、リン酸基含有不飽和単量体として上記式(1)に示すものを用い、アミノ基含有不飽和単量体として上記式(2)〜(6)に示すもの及び上記ヘテロ環状アミン化合物を用いて、上述のような調製方法により得られる固体高分子電解質用単量体組成物は、(a) 下記一般式(16):

(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R3は水素基又はメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、(b) 下記一般式(17):

(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R6は水素基又はメチル基であり、R7及びR8はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、(c) 下記一般式(18):

(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R9は水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、(d) 下記一般式(19):

(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R12は水素基又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、(e) 下記一般式(20):

(但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R15及びR16はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R17は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y3及びY4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、及び(f) (i) 下記一般式(1):

(ただしR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体を、(ii) 1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミンで変性した化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体を含む。
固体高分子電解質用単量体組成物は、必要に応じて未反応のリン酸基含有不飽和単量体、未反応のアミノ基含有不飽和単量体、及びリン酸基がアミノ基により中和された不飽和単量体(リン酸基中の水酸基の全てがアミノ基と反応した不飽和単量体)からなる群から選ばれた少なくとも一種を含んでもよい。
本発明の固体高分子電解質用単量体組成物は、一ヶ月程度冷蔵してもゲル化しない。これは四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体の一分子中に水酸基と四級アンモニウム塩基とが共存していることによるものと推測される。
[2] 固体高分子電解質膜
本発明の固体高分子電解質膜は、(a) リン酸基含有不飽和単量体を、(b) アミノ基含有不飽和単量体で変性した上記の四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体を重合してなる。固体高分子電解質膜は、四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体と共重合し得る他の不飽和単量体を共重合してなるものであってもよい。
(I) 共重合し得る他の不飽和単量体
共重合し得る他の不飽和単量体は次の2群(1)、(2)に大別できる。
(1) 官能基を含有する不飽和単量体
官能基を含有する不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つの官能基と、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。官能基としては、酸性基、アルコール性水酸基、アルキルアミノ基(アミド基も有するものも含む)等を挙げることができる。酸性基としてリン系酸残基、スルホン酸基及びカルボン酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格等を挙げることができる。
(i) リン系酸残基含有不飽和単量体
リン系酸残基含有不飽和単量体としては、下記式(7):

(ただしR18及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R19及びR20はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体が好ましい。このリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体を用いることにより、得られる固体高分子電解質膜の耐溶剤性が向上する。リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体としては、下記式(21);

により表されるジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートが好ましい。
リン系酸残基含有不飽和単量体としては、下記一般式(22):

(ただしR26及びR29はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R27及びR28はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、s及びtはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体を用いてもよい。式(22)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体としては、下記式(23);


により表されるジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体とリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体及び/又はピロリン酸基含有不飽和単量体とを併用する場合、(リン酸基含有不飽和単量体)/(リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体及び/又はピロリン酸基含有不飽和単量体)の配合モル比は1/0.1〜1/2であるのが好ましい。
リン系酸残基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、上記式(1)により表されるリン酸基含有不飽和単量体が、炭化水素基含有アンモニウムイオン又はアルカノールアミン残基と錯塩を形成したものも挙げられる。そのような錯塩の対イオンとしては、第1級、第2級、第3級又は第4級のアルキル基、アリル基、アラルキル基等を含有するアンモニウムイオンやモノ、ジ又はトリアルカノールアミン残基が好ましく、特にN+R30 4−f(OH)f(但しR30は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基及び炭素数6〜12の脂環族基からなる群から選ばれた少なくとも一種を表し、fは1〜3の正の整数を表す。)が好ましい。錯塩の具体的化合物として、下記一般式(24):


により表されるメタクロイル・オキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩が挙げられる。この錯塩は、ユニケミカル(株)から商品名「Phosmer MH」として販売されている。
(ii) スルホン酸塩基含有不飽和単量体
スルホン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、下記一般式(8):

(ただしR22は水素基又はメチル基である。)により表される化合物、下記一般式(9):

(ただしR23は水素基又はメチル基であり、Y5は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(10):

(ただしR24は水素基又はメチル基であり、X2は−O−基又は−NH−基であり、Y6は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
上記一般式(8)〜(10)のいずれかにより表されるスルホン酸基含有不飽和単量体としては、アリルスルホン酸(allyl sulfonic acid)、メタアリルスルホン酸(methallyl sulfonic acid)、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸)等が挙げられる。好ましくはビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸である。ただしアリルスルホン酸(allyl sulfonic acid)、メタアリルスルホン酸(methallyl sulfonic acid)は、そのアリル(allyl)基が、退化(的)連鎖移動(degradative chain transfer)を起こすので、使用量を僅少にするのが好ましい。具体的には、単量体組成物全体を100質量%として、多くても10質量%程度の使用量にする。
スルホン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、上記(i)でリン系酸残基含有不飽和単量体について述べたようなアンモニウムイオンもしくはアミン残基又はアルカリ金属と錯塩を形成するのが好ましい。
(iii) カルボン酸基を含有する不飽和単量体
カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を併用しても良い。
(iv) アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体
アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体としては、グリセロールジメタクリレート[例えば商品名「ブレンマーGMR」、「ブレンマーGMR-R」(日本油脂(株)製)等]、グリセロールメタクリレートアクリレート[例えば商品名「ブレンマーGAM」、「ブレンマーGAM-R」(日本油脂(株)製)等]、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5521」(新中村化学工業(株)製)等]、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5520」(新中村化学工業(株)製)等]、ビスフェノールA型エポキシアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-1020」(新中村化学工業(株)製)等]、及び2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート類が挙げられる。中でも、グリセロールジメタクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート及びビスフェノールA型エポキシアクリレートは、エチレン性不飽和基を分子中に2個有する観点から好ましい。
(2) 官能基を含有しない不飽和単量体
官能基を含有しない不飽和単量体としては、(1)に記載した以外の、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和単量体はすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド類;置換又は無置換のスチレン類;塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル類が好適に使用される。1分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有するエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなども共重合体の耐化学薬品性を改良する目的をもって使用される。
またフッ素基含有不飽和単量体成分を含むことにより、共重合体の耐熱性改善に好適である。フッ素基含有不飽和単量体は、(イ)少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類、(ロ)少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸類、(ハ)少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有アルキル基及び/又は少なくとも1個のフッ素基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、並びに(ニ)少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、下記一般式(11):
(ただしX3は水素基、フッ素基、少なくとも1個のフッ素基を有する又は有さないメチル基であり、R25は少なくとも1個のフッ素基を有する又は有さないアルキル基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(11)において、R25の炭素数は1〜10であるのが好ましく、1〜5であるのがより好ましい。R25がフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基であり、かつその炭素数が2以上である場合、末端メチル基の水素基が全てフッ素基で置換されているのが好ましい。R25は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。R25は、フッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。R25はヘテロ原子を有していてもよい。ヘテロ原子としては、R25中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。
上記一般式(11)により表されるフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリート、ターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート、トリフルオロエチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でもフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリート及びターシャリーブチル−α−(トリフルオロメチル)アクリレートが好ましい。
フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては、下記一般式(12):

(ただしX4は少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基である。)により表されるものが好ましい。上記一般式(12)においてX4はパーフルオロメチル基又はフッ素基であるのがより好ましい。フッ素基含有(メタ)アクリル酸類としては、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸が特に好ましい。
フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては下記一般式(13):
(ただしRf1は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基であり、X5、X6及びX7はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)又は下記一般式(14):
(ただしX8、X9及びX10はそれぞれ独立に少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基であり、X11水素基、フッ素基、その他のハロゲン、少なくとも1個のフッ素基を有するメチル基、フッ素基を有しないアルキル基、又はフッ素基を有するもしくは有しないアルコキシ基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(13)中のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基Rf1は、パーフルオロアルキル基であるのが好ましい。Rf1の炭素数は1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。Rf1は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造であるのが好ましい。Rf1は、フッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。Rf1は、ヘテロ原子を有していてもよい。ヘテロ原子としては、Rf1中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。
上記一般式(13)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、下記一般式(25):

(但しRf1は上記式(13)と同じである。)により表されるものが、より好ましい。
上記一般式(25)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、(パーフルオロオクチル)エチレン、(パーフルオロデシル)エチレン等が挙げられる。中でもフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン及び(パーフルオロオクチル)エチレンが好ましい。
上記一般式(14)中のX8、X9及びX10としては、パーフルオロメチル基又はフッ素基が好ましい。上記一般式(14)中のX11がアルキル基、アルコキシ基又はフッ素基含有アルコキシ基である場合、それらの炭素数は1〜10であるのが好ましい。上記一般式(14)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、1-メトキシ−(パーフルオロ-2-メチル-1-プロペン)等が挙げられる。
フッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては、下記一般式(15):

(ただしRf2は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基であり、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(15)中の少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基Rf2は、パーフルオロアルキレン基であるのが好ましい。Rf2の炭素数は1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。Rf2は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造であるのが好ましい。Rf2は、フッ素以外の他のハロゲン原子を有していてもよい。Rf2は、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子団を有していてもよい。ヘテロ原子としては、Rf2中の炭素−炭素結合間に含まれるエーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子団としてはエステル結合等が挙げられる。
上記一般式(15)により表されるフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体としては、下記一般式(26):

(但しRf2は上記式(15)と同じである。)により表されるものが、より好ましい。
上記一般式(26)により表されるフッ素基含有ジエン系不飽和単量体としては、1,4-ジビニル(パーフルオロブチレン)(別名:1,4-ジビニルオクタフルオロブタン)、1,6-ジビニル(パーフルオロヘキシレン)(別名:1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサン)及び1,8-ジビニル(パーフルオロオクチレン)(別名:1,8-ジビニルヘキサデカフルオロオクタン)が好ましい。
上記4種の各フッ素基含有不飽和単量体の中でもフッ素基含有ジエン系不飽和単量体は優れた硬化性を有し、さらに共重合体に分子間架橋を形成できる観点から好ましい。フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類及びフッ素基含有(メタ)アクリル酸類は、分子中に少量のフッ素基を有するにも関わらず、フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体と類似の挙動を示す。
上記4種の各フッ素基含有不飽和単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合、例えばフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体及び/又はフッ素基含有ジエン系不飽和単量体と、フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類及び/又はフッ素基含有(メタ)アクリル酸類とを混合した組成等を挙げることができる。
(II) 各不飽和単量体の使用割合
固体高分子電解質用単量体組成物(イ)と、他の不飽和単量体(ロ)との重量比(イ)/(ロ)は、100/0〜20/80の範囲であるが、好ましくは(イ)/(ロ) = 80/20〜40/60である。また他の不飽和単量体(ロ)の中で、官能基を含有する不飽和単量体(1) とそれ以外の不飽和単量体(2) のモル比は、プロトン伝導性にプラス効果をもたらす不飽和単量体(1)が支配的になるように、不飽和単量体(1)/不飽和単量体(2)=100/0〜50/50の範囲とするのが好ましい。従って、特に酸基を含有する不飽和単量体(1)としてスルホン酸基含有不飽和単量体を使用する場合、固体高分子電解質用単量体組成物/スルホン酸基含有不飽和単量体の重量比は100/0〜20/80、好ましくは80/20〜40/60であり、スルホン酸基含有不飽和単量体/他の酸基含有不飽和単量体の重量比は100/0〜50/50である。
(III) 混合し得る他の重合体
固体高分子電解質膜を製造する際の造膜性や、得られる固体高分子電解質膜の強度、疎水性、耐溶剤性等を一層向上させるために、固体高分子電解質膜が含む共重合体と相溶し得るその他の重合体を混合することができる。その他の重合体としてはポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、セルロース及びその変性物等を挙げることができる。ポリアミド樹脂としては特開2003-138088号に記載のN-アルコキシアルキル化ポリアミドが好ましい。
[3] 固体高分子電解質膜の製造方法
本発明の固体高分子電解質膜は、(a) リン酸基含有不飽和単量体を、(b) アミノ基含有不飽和単量体で変性した上記の四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体を含む組成物を調製し、これに光増感剤を添加し、不飽和単量体が付着しない材料(フッ素系重合体等)により被覆された板に流延し、紫外線透過性板で覆った後、紫外線を照射して不飽和単量体を(共)重合させることにより、製造することができる。混合組成物として、上記固体高分子電解質用単量体組成物を調製するのが好ましい。
不飽和単量体組成物中に加える光増感剤としては、
(i) R-(CO)x -R’(R,R’=水素基又は炭化水素基、x = 2〜3)で表される隣接ポリケトン化合物類(例えば、ジアセチル、ジベンジル等)、
(ii) R-CO-CHOH-R’(R,R’=水素基又は炭化水素基)で表されるα-カルボニルアルコール類(例えば、ベンゾイン等)、
(iii) R-CH(OR”)-CO-R’(R,R’,R”=炭化水素基)で表されるアシロイン・エーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、
(iv) Ar-CR(OH)-CO-Ar(Ar=アリール基、R=炭化水素基)で表されるα-置換アシロイン類(例えば、α-アルキルベンゾイン等)、及び
(v) 多核キノン類(例えば、9,10-アンスラキノン等)がある。
これらの光増感剤は、それぞれ単独で使用できるが、複数のものを併用してもよい。
光増感剤の使用量は不飽和単量体の合計質量に対して、0.01〜3質量%の範囲、好ましくは0.01〜1.5質量%の範囲である。0.01質量%未満だと、所定の紫外線照射時間内に重合が完結せず、未反応単量体が残留するので好ましくないし、3質量%超だと、得られる重合体の重合度が低くなる上、重合体が着色する傾向にあるので好ましくない。
不飽和単量体組成物を紫外線照射重合するに当たって使用する紫外線透過性板及び支持基板は紫外線透過率が高いことのみならず、紫外線照射による重合時の昇温に耐える耐熱性を有すること、及び不飽和単量体組成物及びこれを重合して得られる固体高分子電解質と接着せず、剥離性が良好なことが必要である。
支持基板として通常使用するガラス平板は紫外線透過率と耐熱性については非常に良いが、本発明に使用する不飽和単量体の(共)重合により得られる固体高分子電解質と密着するので、予めガラス平板の表面にシリコーン系又はフッ素系の剥離剤を塗布しておくか、フッ素樹脂系の薄い透明フィルムを貼りつけた上で使用するのが好ましい。
支持基板としては、ガラス平板以外に、ポリパーフルオロビニルエーテル樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)等のフッ素系樹脂の他、ポリ3-メチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の紫外線透過率の良い100℃以上の耐熱性を有する樹脂平板を使用することができる。
不飽和単量体組成物を流延した後で紫外線透過性板で覆って紫外線照射を行うか、不飽和単量体組成物を含浸させるか塗布した補強材を2枚の支持基板の間に挟んで紫外線照射を行うに当たって、空気及び余分な不飽和単量体組成物を系外に絞り出す必要がある。例えば図2に示すように、2枚の支持基板2,2の間に組成物1を挟み、均等に圧力をかけて、クリップ又はクランプ3で止めた状態で、水平に保ちながら紫外線照射を行うのが好ましい。照射は、少なくとも片面に対して1〜15分間行う。照射を表裏交互に行う場合は、片面に対して1〜15分間行う。光重合時の紫外線照射強度は5〜100μW/cm2、好ましくは10〜80μW/cm2とする。紫外線照射距離は、上記照射時間の範囲で十分硬化するように適宜設定する。光重合法により得られた膜に対して、機械的強度及び耐溶剤性の向上を目的として、100〜140℃で1〜15分程度加熱処理するのが好ましい。
本発明では、光増感剤の不飽和単量体組成物への溶解を支援する目的で希釈剤としてメタノールなどの低沸点溶剤を加えることもできる。
上記組成物を、補強材に含浸させるか塗布した後、補強材を紫外線透過性の支持基板に挟み、紫外線を照射して不飽和単量体を光重合させることにより、複合膜化してもよい。
使用する補強材は下記の3群に大別できる。
(i) 無機質繊維からなる補強材
ガラス繊維、アルミナ繊維、ロックウール繊維、スラグ繊維などからなる織布、不織布、紙等が挙げられる。無機質繊維からなる補強材の坪量は10〜60 mg/cm2、好ましくは10〜40 mg/cm2で、厚さは1μm〜60μm、好ましくは5μm〜40μmの範囲である。
(ii) 有機質繊維からなる補強材
通常、衣料用に用いられるナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等や、産業用に用いられるアラミド繊維からなる織布、不織布、紙等が挙げられる。不織布としてはポリプロピレン不織布が挙げられる。ただし紫外線照射時に複合系の温度が〜100℃まで上昇することがあり得るので、それに耐える耐熱性を有するものであることが必要である。有機質繊維からなる補強材の坪量と厚さは、(i)の場合と同じである。ただし含浸させる不飽和単量体組成物がスルホン酸基などの強酸基を有する不飽和単量体を含む場合は、ナイロン繊維からなる織布、不織布、紙等は耐酸性が弱いため不適である。
(iii) 樹脂フィルム
汎用樹脂であるポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ3−メチルペンテン樹脂、ナイロン−6樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などや、耐熱性樹脂であるポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などから製膜したフィルムが好ましい。樹脂フィルムは、微孔を有するフィルムでもよいし、微孔を有しないフィルムのどちらでもよいが、前者が好ましい。ただし含浸させる不飽和単量体組成物がスルホン酸基などの強酸基を有する不飽和単量体を含む場合は、ナイロンフィルムは、耐酸性が強くないため不適である。
微多孔フィルムの場合は、微孔の孔径が出来るだけ小さい方が好ましく、サブミクロン径であることが好ましい。また全体の開孔率は出来るだけ大きい方が好ましく、40〜50%(対表面積)のものが特に好ましい。樹脂フィルムの厚さは1μm〜40μmであるのが好ましく、5μm〜25μmの範囲であるのがより好ましい。
補強材と不飽和単量体組成物の使用割合は、補強材の不飽和単量体組成物に対する親和性、換言すれば、不飽和単量体組成物の吸収性によって大きく異なるが、一般的に補強材/不飽和単量体組成物=1/20〜1/2(質量比)の範囲である。
本発明では、不飽和単量体組成物の粘度を下げ、補強材への含浸を容易にし、補強材への付着量を減少せしめて複合膜の厚さを薄くするなどの目的で、希釈剤としてメタノールなどの低沸点溶剤を加えることもできる。
[4] 固体高分子電解質膜の特性
本発明の固体高分子電解質膜は、室温/24時間でのメタノール抽出率が、室温乾燥した膜で12%以下であり、130℃で乾燥した膜で7%以下であり、耐溶剤性に優れている。本発明の固体高分子電解質膜が耐溶剤性に優れているのは、固体高分子電解質膜を構成する四級アンモニウム塩基含有不飽和単量体が、一分子中に(a) リン酸基含有不飽和単量体に由来するエチレン性不飽和結合と、(b) アミノ基含有不飽和単量体に由来するエチレン性不飽和結合とを有するので、これらの不飽和結合により形成された架橋構造を部分的に有することによるものと推測される。本発明の固体高分子電解質膜では、アミノ基がエチレン性不飽和結合由来の炭化水素骨格に直接又はアルキレン基等を介して結合しており、かつリン酸基に結合しているため、リン酸基とアミノ基の結合は強く、解離し難い。このため比較的高温においても耐溶剤性に優れている。
本発明の固体高分子電解質膜は、相対湿度90%/温度20〜80℃において10−3〜10−5 S・cm−1の優れたプロトン伝導率を有し、かかるプロトン伝導率の温度依存性が小さい。中でもスルホン酸基含有不飽和単量体を含む膜は特にプロトン伝導率に優れている。ここでプロトン伝導率とは、複素インピーダンス法を用いて測定して得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から求めたものである。
固体高分子電解質(複合)膜の厚さは通常300μm以下であり、好ましくは10〜200μmである。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
参考例1〜3及び実施例1〜3
(固体高分子電解質用単量体組成物の調製)
77.3 g(0.157モル)のアシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(商品名「Phosmer PP」、ユニケミカル(株)製)、及び0.77 gの水を350 mLのメタノールに室温で溶解させ、得られた溶液に28.3 g(0.180モル)のN, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を滴下し、pHが5.5となるまで撹拌した。得られた反応溶液を40℃で減圧濃縮し、100.3 gの生成物を得た。生成物の二重結合純度(臭素付加法)は86.4%であり、酸価(1NのKOH水溶液を使用)は127.0 mgであった[Phosmer PP及びDMAEMAからなるハーフ塩(下記式(27)参照)の理論酸価:87.4 mg/g。強塩基であるKOHを使用しているため、Phosmer PPと塩を形成したDMAEMAの一部がKOHに置換され、本来の酸価より高い値として測定されると推測される(以下同様)。]。このことから下記式(27):
(但しn=5〜6である。)により表されるハーフ塩を主成分とする組成物が得られたと判断した。
(固体高分子電解質膜の作製)
得られたハーフ塩を含む単量体組成物(以下「PP-DM(I)」とよぶ)を用いて、固体高分子電解質膜を作製した。用いた不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合を表3に示す。まず表3に記載の単量体組成物に、光増感剤として[イルガキュア651(2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン) +イルガキュア500(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン) = 1 wt% + 0.5 wt%](対全単量体)を溶解させた。次いで図2及び図3に示すように、得られた組成物1を、フッ素系樹脂フィルムを付着したガラス平板2にキャストし、その上にフッ素系樹脂フィルムを付着したガラス平板2を被せ、2枚のガラス平板2,2間に組成物1を挟んだ状態とし、高圧水銀灯(セン特殊光源(株)製キュアラブHLR-1000F-22、波長:365 nm)を用いて、紫外線照射強度15〜30μW/cm2で片面から7〜8分間照射して(照射距離:25 cm)光重合させることにより固体高分子電解質膜を作製した。得られた膜に対して130℃で5分間の熱処理を施した。作製した固体高分子電解質複合膜のメタノール抽出率等を表3に示す。
注:(1) アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(Phosmer PP、分子量:485)及びN, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA、分子量:157)をモル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)=1.15で反応させた組成物。
(2) メタクリロイルオキシエチルホスフェート(Phosmer M、分子量:210)及びジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(分子量:322)を理論モル比1:1で含む組成物。
(3) スチレン(分子量:104)。
(4) アクリロニトリル(分子量:53)。
(5) p-スチレンスルホン酸(分子量:184)。
(6) 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリート(分子量:168)。
(7) 膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の質量減少を測定。
実施例4〜9
(固体高分子電解質形成用組成物の調製)
Phosmer PP、DMAEMA及び水を参考例1と同量用いて、pHが5.3となるまで撹拌した以外は参考例1と同様にして反応させた。得られた反応溶液を40℃で減圧濃縮し、100.1 gの生成物を得た。生成物の二重結合純度(臭素付加法)は84.6%であり、酸価(1NのKOH水溶液を使用)は134.1 mgであった(上記式(27)により表されるハーフ塩の理論酸価:87.4 mg/g。)。このことから上記式(27)により表されるハーフ塩を主成分とする組成物が得られたと判断した。
(固体高分子電解質膜の作製)
得られたハーフ塩を含む単量体組成物(以下「PP-DM(II)」とよぶ)を用いて、実施例1〜と同様にして固体高分子電解質膜を作製した。用いた不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合を表4に示す。作製した固体高分子電解質複合膜のメタノール抽出率等を表4に示す。
注:(1) アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(Phosmer PP、分子量:485)及びN, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA、分子量:157)をモル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)=1.15で反応させた組成物。
(2)〜(7):表3と同じ。
比較例1〜4
(固体高分子電解質形成用組成物の調製)
77.3 g(0.157モル)のPhosmer PP、53.2 g(0.34モル)DMAEMA及び0.77 gの水を用いて、pHが7.0となるまで撹拌した以外は参考例1と同様にして反応させた。得られた反応溶液を40℃で減圧濃縮し、124.0 gの生成物を得た。pHが7.0とほぼ中和したことから、リン酸基がアミノ基により中和された不飽和単量体を主成分とする組成物が得られたと判断した。なお生成物の二重結合純度(臭素付加法)は100%であり、酸価(1NのKOH水溶液を使用)は69.6 mgであった。
(固体高分子電解質膜の作製)
得られた単量体組成物(以下「PP-DM(III)」とよぶ)を用いて、実施例1〜と同様にして固体高分子電解質膜を作製した。用いた不飽和単量体の原料、及びそれらの配合割合を表5に示す。作製した固体高分子電解質複合膜のメタノール抽出率等を表5に示す。
比較例5、6
表5に示す不飽和単量体を用い、参考例1と同様にして固体高分子電解質膜を作製した。作製した固体高分子電解質複合膜のメタノール抽出率等を表5に示す。
注:(1) アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(Phosmer PP、分子量:485)及びN, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA、分子量:157)をモル比(DMAEMA)/(Phosmer PP)=2.17で反応させた組成物。
(2)〜(7):表3と同じ。
表3〜5に示した結果から、実施例1〜の膜は、メタノール抽出率が7%以下であり、耐メタノール性に優れていることが分かる。参考例2と実施例の比較から、P-2Mを併用することにより、耐メタノール性が向上することが分かる。実施例と実施例の比較からTFEMAを併用することにより、耐メタノール性が向上することが分かる。参考例1と比較例1の比較、及び参考例3と比較例2の比較から、理由は定かではないが、リン酸基がアミノ基により中和された不飽和単量体を用いた膜は耐メタノール性に劣ることが分かる。但し比較例1と比較例3の比較から、P-2Mを併用することにより、リン酸基がアミノ基により中和された不飽和単量体を用いた場合でも耐メタノール性を著しく改善できることが分かる。比較例5、6は、酸性基を含む単量体として、四級アンモニウム塩基を含まないリン酸基含有不飽和単量体のみを使用しているため、実施例の各膜に対して耐メタノール性が大きく劣っている。なお実施例の固体高分子電解質膜の厚さは70〜170μmの範囲であるが、ガラス平板に挟む単量体組成物の量とそれを搾り出す圧力を適宜調製することにより所望の厚さとすることができる。
(プロトン伝導性の評価)
プロトン伝導率は複素インピーダンス法を用いて測定した。上述の方法により作製した参考例1〜3,実施例1〜及び比較例1〜4の膜から切り出したサンプルを2枚の白金電極に挟み、(株)東陽テクニカ製のエレクトロケミカル・インターフェースポテンショスタットのセルに充填した。測定周波数範囲:1 MHz、相対湿度:90%、測定温度範囲:20〜80℃で、セルのインピーダンスを測定した。得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値からプロトン伝導率を求めた。結果を図4〜8に示す。
〜8に示した結果から、実施例1〜の固体高分子電解質膜のプロトン伝導率はRH90%/20〜80℃の条件下で10−3〜10−5 S・cm−1のオーダーにあり、リン酸基を官能基とする高分子電解質としては良好な水準であり、かつプロトン伝導率の温度依存性が小さいことが分かる。特にPSSAを含む実施例の固体高分子電解質膜のプロトン伝導率は優れていた。中でも実施例の固体高分子電解質膜はRH90%/80℃の条件下で1×10−2 S・cm−1に近い値を示した。これに対して比較例1〜4の膜は上記式(27)に示すハーフ塩を含まないか、含んでも極僅かであるため、プロトン伝導率がRH90%/80℃の条件下でも10−4 S・cm−1のオーダーにあり、劣っていた。
さらに表3〜5及び図4〜8に示した結果から、参考例2と実施例を比較すると、P-2Mを併用することにより、プロトン伝導性を維持しながら耐メタノール性を向上できることが分かる。また実施例と実施例の比較から、組成物中にTFEMAを10%以上含んでも、プロトン伝導性を維持しながら耐メタノール性を向上できることが分かる。
アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレートを、N, N−ジメチルアミノエチルメタクリレートで滴定した中和曲線の例を示すグラフである。 ガラス平板2枚の間に固体高分子電解質用組成物を挟んだ状態を示す側面図である。 ガラス平板2枚の間に固体高分子電解質用組成物を挟んだ状態を示す平面図である。 参考例1〜3の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)とプロトン伝導率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)とプロトン伝導率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)とプロトン伝導率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)とプロトン伝導率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 比較例1〜4の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)とプロトン伝導率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。
符号の説明
1・・・組成物
2・・・ガラス平板
3・・・クリップ

Claims (13)

  1. (A) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個有し、一リン酸基当り2個の水酸基を有するリン酸基含有不飽和単量体(a)、並びに分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するアミノ基含有不飽和単量体(b)を、(a)のリン酸基に対する(b)のアミノ基の割合が50〜180モル%となる範囲で反応させてなる単量体組成物であって、(a)が(b)で変性されて(a)のリン酸基が(b)のアミノ基と反応した四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体を含む単量体組成物と、
    (B) リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体(c)と
    を少なくとも共重合してなる固体高分子電解質膜であって、
    (a)は下記一般式(1):
    (ただしR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である)により表され、
    (b)は下記一般式(2):
    (ただしR3は水素基又はメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である)により表される化合物、下記一般式(3):
    (ただしR6は水素基又はメチル基であり、R7及びR8はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である)により表される化合物、下記一般式(4):
    (ただしR9は水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である)により表される化合物、下記一般式(5):
    (ただしR12は水素基又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である)により表される化合物、下記一般式(6):
    (ただしR15及びR16はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R17は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y3及びY4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基である)により表される化合物、及び1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、
    (c)は下記一般式(7):
    (ただしR18及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R19及びR20はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質膜において、(a)のR1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであり、(c)のR18及びR21はそれぞれ独立にH又はCH3であり、R19及びR20はそれぞれ独立にH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  3. 請求項1又は2に記載の固体高分子電解質膜において、(a)〜(c)以外の不飽和単量体(d)を共重合成分として含み、(d)は分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合と官能基とを有する不飽和単量体(d-1)、及び分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが官能基を有しない不飽和単量体(d-2)の一方又は両方であり、(d-1)はスルホン酸基、カルボン酸基及びアルコール性水酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種の官能基を有し、(d-2)は(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、置換又は無置換のスチレン類、ビニル類、及び分子内に1個以上のフッ素基と1個以上のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  4. 請求項3に記載の固体高分子電解質膜において、(前記(A)の単量体組成物)/((c)及び(d)の合計)の重量比は80/20〜40/60であり、((c)及び(d-1)の合計)/(d-2)の重量比は100/0〜50/50であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  5. 請求項3又は4に記載の固体高分子電解質膜において、(d-1)として、下記一般式(8):
    (ただしR22は水素基又はメチル基である。)により表される化合物、下記一般式(9):
    (ただしR23は水素基又はメチル基であり、Y5は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(10):
    (ただしR24は水素基又はメチル基であり、X2は−O−基又は−NH−基であり、Y6は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種のスルホン酸基含有不飽和単量体を共重合成分として含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、(d-2)として、(i) 少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類、(ii) 少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有(メタ)アクリル酸類、(iii) 少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有アルキル基及び/又は少なくとも1個のフッ素基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有オレフィン系不飽和単量体、並びに(iv) 少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するフッ素基含有ジエン系不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素基含有不飽和単量体を少なくとも共重合成分として含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  7. 請求項6に記載の固体高分子電解質膜において、前記フッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル類は下記一般式(11):
    (ただしX3は水素基、フッ素基、少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はメチル基であり、R25は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基又はアルキル基である。)により表され、前記フッ素基含有(メタ)アクリル酸類は下記一般式(12):
    (ただしX4は少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基である。)により表され、前記フッ素基含有オレフィン系不飽和単量体は
    下記一般式(13):
    (ただしRf1は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキル基であり、X5、X6及びX7はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)又は下記一般式(14):
    (ただしX8、X9及びX10はそれぞれ独立に少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基又はフッ素基であり、X11はフッ素基、その他のハロゲン、少なくとも1個のフッ素基を有するフッ素基含有メチル基、アルコキシ基、フッ素基含有アルコキシ基、アルキル基又は水素基である。)により表され、前記フッ素基含有ジエン系不飽和単量体は下記一般式(15):
    (ただしRf2は少なくとも1個のフッ素基を含有するフッ素基含有アルキレン基であり、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素基又はフッ素基である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  8. 請求項6又は7に記載の固体高分子電解質膜において、前記フッ素基含有不飽和単量体として2,2,2−トリフルオロエチルメタクリートを共重合成分として含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  9. (A) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個有し、一リン酸基当り2個の水酸基を有するリン酸基含有不飽和単量体(a)、並びに分子内に置換又は無置換のアミノ基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するアミノ基含有不飽和単量体(b)を、(a)のリン酸基に対する(b)のアミノ基の割合が50〜180モル%となる範囲で反応させてなる単量体組成物であって、(a)が(b)で変性されて(a)のリン酸基が(b)のアミノ基と反応した四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体を含む単量体組成物と、
    (B) リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体(c)と
    を少なくとも含む固体高分子電解質用単量体組成物であって、
    前記(A)の四級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体は、下記一般式(16):
    (但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R3は水素基又はメチル基であり、R4及びR5はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、X1は−O−基又は−NH−基であり、Y1は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(17):
    (但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R6は水素基又はメチル基であり、R7及びR8はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(18):
    (但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R9は水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y2は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(19):
    (但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R12は水素基又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、下記一般式(20):
    (但しR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、R15及びR16はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R17は水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、Y3及びY4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜16のアリーレン基であり、nは1〜6の整数である。)により表される化合物、並びに下記一般式(1):
    (ただしR1は水素基又はアルキル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有不飽和単量体を、1個以上のビニル基を有するヘテロ環状アミンで変性した化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、
    (c)は下記一般式(7):
    (ただしR18及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R19及びR20はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びpはそれぞれ独立に1〜6の整数である)により表されることを特徴とする固体高分子電解質用単量体組成物。
  10. 請求項に記載の固体高分子電解質用単量体組成物において、未反応の(a)、未反応の(b)、及び(a)のリン酸基中の水酸基の全てが(b)のアミノ基と反応した不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする固体高分子電解質用単量体組成物。
  11. 請求項9又は10に記載の固体高分子電解質用単量体組成物を調製し、得られた固体高分子電解質用単量体組成物を重合するか、前記固体高分子電解質用単量体組成物及び共重合可能な他の不飽和単量体を共重合することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  12. 請求項11に記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、紫外線を照射することにより(共)重合することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とする燃料電池。
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