JP4763591B2 - 固体高分子電解質膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜の製造方法に関し、特にモノ又はジホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド及びビニルスルホン酸の共重合により固体高分子電解質膜を製造する方法に関する。
リン酸基、ホスホン酸基等のリン系酸残基;スルホン酸基等の電解質基を有するアクリルアミド系重合体は、固体高分子電解質等の導電性材料、紙用改質剤、衛生材料、農芸用材料等の広い用途において有用である。中でも電解質基としてリン系酸残基を有するアクリルアミド系高重合体は、耐酸化性及び難燃性に優れているため、特に導電性樹脂及び帯電防止剤として好適である。
例えば特開2004-331810号(特許文献1)は、リン酸誘導体基及びスルホン酸基を有するアクリルアミド重合体として、下記一般式(19):
Figure 0004763591
(ただしR20は水素基又はメチル基であり、R21及びR22は水素基又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R23は炭素数1〜3のアルキレン基であり、M2は水素基、アルカリ金属又はアンモニウムイオンもしくはアミン残基である。)により表される構成単位からなるポリマーに、ホスホン酸基を導入したスルホン酸基含有アクリルアミド重合体を提案している。しかしこの重合体は、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体にリン系酸残基を導入し、得られた誘導体を重合したものではない。そのため特許文献1の重合体は、電解質基密度が満足できる域に達しておらず、固体高分子電解質膜として用いた場合のプロトン伝導性が十分とは言えない。
そこでWO 2005/080454(特許文献2)は、高い電解質基密度を有する固体高分子電解質膜として、下記式(20):
Figure 0004763591
(ただしR24は水素基又はメチル基であり、R25は水素基又は置換もしくは無置換の炭化水素基である。)により表される(メタ)アクリルアミド系単量体にモノ又はジホスホン酸基が導入されたホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドと、スルホン酸基含有不飽和単量体(例えばターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、ビニルスルホン酸等)とを共重合してなる固体高分子電解質膜を提案した。特許文献2は、上記(メタ)アクリルアミド系単量体にモノ又はジホスホン酸基を導入する方法として、N, N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、ジメチルホルムアミド、N, N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中で、(メタ)アクリルアミド系単量体に無水リン酸を反応させる方法を記載している。しかし特許文献2は、この反応を溶媒の非存在下で行うことを記載していない。
プロトン伝導性において、特許文献2の固体高分子電解質膜は、燃料電池用固体高分子電解質膜として代表的なNafion(登録商標、DuPont社製、パーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜)のレベルには達していない。よって、リン系酸残基及びスルホン酸基を有し、高いプロトン伝導性を有するアクリルアミド系重合体からなる固体高分子電解質膜が望まれている。
特開2004-331810号公報 国際公開第05/080454号パンフレット
従って、本発明の目的は、モノ又はジホスホン酸基及びスルホン酸基を有し、高いプロトン伝導性を有するアクリルアミド系重合体からなる固体高分子電解質膜の製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、溶媒の非存在下、N-置換されていてもよい(メタ)アクリルアミド系単量体をビニルスルホン酸に溶解し、無水リン酸を反応させ、加水分解して得られたモノ又はジホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドと、前記ビニルスルホン酸とを共重合させると、高いプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の固体高分子電解質膜の製造方法は、溶媒の非存在下、下記式(1):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換の炭化水素基である。)により表される(メタ)アクリルアミド系単量体をビニルスルホン酸に溶解し、無水リン酸を反応させ、得られた反応生成物を加水分解して前記(メタ)アクリルアミド系単量体のアミド基の窒素原子にモノ又はジホスホン酸基が直接結合したホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドを調製した後、少なくとも得られたホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドと、前記ビニルスルホン酸とを共重合することを特徴とする。
前記(メタ)アクリルアミド系単量体は、アクリルアミド、メタクリルアミド及び下記式(2):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基であり、R3及びR4は水素基又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R5は炭素数1〜3のアルキレン基であり、M1は水素基、金属又は3級アミン残基である。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸塩のいずれかであるのが好ましい。
前記ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドは、下記式(3):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換の炭化水素基である。)により表されるN-モノホスホン酸(メタ)アクリルアミド、及び下記式(4):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基である。)により表されるN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドの一方又は両方であるのが好ましい。
前記ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド及び前記ビニルスルホン酸とともに、(a) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々1個以上有する不飽和化合物であって、前記酸性基としてリン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基及びアルコール性水酸基のいずれかの酸性基を有する不飽和化合物、並びに/又は(b) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物であって、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、アルキルアミノ基含有不飽和単量体、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、置換又は無置換のスチレン、ハロゲンビニル、脂肪酸ビニルエステル、及びフッ素基含有不飽和単量体のいずれかの不飽和化合物を共重合させてもよい。
前記酸性基を有する不飽和化合物は、(メタ)アクリル酸及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸のいずれかであるのが好ましい。前記酸性基を有しない不飽和化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上含む架橋剤及びハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルのいずれかであるのが好ましい。
少なくとも前記ビニルスルホン酸単位及び前記ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド単位を含む共重合体に、不飽和アルコール単位とハロゲンビニル単位及び脂肪酸ビニル単位の一方又は両方とを含む不飽和アルコール系共重合体、部分アセタール化不飽和アルコール系重合体、メラミン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアセタール、ウレタン樹脂、セルロース又はその変性物、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル並びにポリ酢酸ビニルのいずれかを添加してもよい。
本発明によれば、モノ又はジホスホン酸基及びスルホン酸基を有し、高いプロトン伝導性を有するアクリルアミド系重合体からなる固体高分子電解質膜が得られる。固体高分子電解質膜は燃料電池用電解質膜、一次電池用電解質膜、二次電池用電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに好適である。特に架橋化した固体高分子電解質膜は、大電力用途のDMFC(直接メタノール燃料電池)用の固体高分子電解質膜としての応用が期待される。
[1] (メタ)アクリルアミド系単量体
(メタ)アクリルアミド系単量体は、下記式(1):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換の炭化水素基である。)により表される。
式(1)中のR1は、重合性を向上させるために水素基が好ましい。R2は、モノ又はジホスホン酸基を導入し、ビニルスルホン酸との共重合体を調製した場合の電解質基密度を向上させるために水素基が好ましい。R2が炭化水素基である場合、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基等を挙げることができる。これらの炭化水素基は置換されていてもよく、置換基の例としては、錯塩を形成していてもよいスルホン酸基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、tert-ブトキシメチル基等のアルコキシメチル基;N, N-ジメチルアミノ基、N, N-ジエチルアミノ基等のアミノ基等を挙げることができる。中でも置換炭化水素基としては、共重合体を調製した場合の電解質基密度を向上させるために、錯塩を形成していてもよいスルホン酸基を有するものが好ましい。
(メタ)アクリルアミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド及び下記式(2):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基であり、R3及びR4は水素基又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R5は炭素数1〜3のアルキレン基であり、M1は水素基、金属又は3級アミン残基である。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸塩のいずれかが好ましい。
アクリルアミドアルカンスルホン酸塩としては、下記式(5):
Figure 0004763591
により表されるターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸が好ましい。
[2] モノ又はジホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドの調製方法
モノ又はジホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド(以下単に「ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド」とよぶことがある)は、溶媒の非存在下、上記(メタ)アクリルアミド系単量体をビニルスルホン酸に溶解し、無水リン酸(五酸化リン=P2O5)を反応させ、得られた反応生成物を加水分解することにより得られる。
(メタ)アクリルアミド系単量体に無水リン酸を反応させると、下記式(6):
Figure 0004763591
(ただしR1及びR2は式(1)と同じである。)に示すように、中間生成物としてジアクリルアミド系ピロホスホン酸が生成し、これが加水分解され、ホスホン酸基が導入された(メタ)アクリルアミド系単量体が生成するものと推定される。このように(メタ)アクリルアミド系単量体にモノホスホン酸基を導入する場合、(メタ)アクリルアミド系単量体に対する無水リン酸のモル比は、0.5〜0.7の範囲であるのが好ましく、0.5〜0.6の範囲であるのがより好ましく、0.52〜0.58の範囲であるのが特に好ましい。また十分に加水分解させるために、水は(メタ)アクリルアミド系単量体に対して、モル比で0.5〜0.8の範囲で添加するのが好ましく、0.5〜0.6の範囲で添加するのがより好ましい。加水分解は無水リン酸を全量添加した後に行うのが好ましく、これによりアミド基へのホスホン酸基の導入が円滑に進む。水は、無水リン酸を全量添加し、1〜5時間かけてジアクリルアミド系ピロホスホン酸の生成反応を行った後、添加するのが好ましい。
ただし(メタ)アクリルアミド系単量体に対する無水リン酸のモル比を0.5超とした場合、中間生成物として、下記式(7):
Figure 0004763591
(ただしR1及びR2は式(1)と同じであり、xは1又は2である。)により表される化合物も生成すると推定される。ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドは、式(7)により表される化合物の加水分解により生成し、下記式(8):
Figure 0004763591
(ただしR1及びR2は式(1)と同じであり、yは1又は2である。)により表されるポリホスホン酸基を有する単量体を含んでもよい。
(メタ)アクリルアミド系単量体としてアクリルアミド及びメタクリルアミドを用い、無水リン酸を反応させる場合、ホスホン酸基又はポリホスホン酸基が一つだけ導入された単量体のみならず、例えば下記式(9):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基である。)に示す反応により、中間生成物としてピロリン酸が(メタ)アクリルアミドにN, N-結合した化合物及びジピロリン酸のいずれかを介して2つの(メタ)アクリルアミドが結合した化合物を経て、N, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドが生成するものと推定される。
従って、アクリルアミド及びメタクリルアミドのいずれかを用いてN-モノホスホン酸(メタ)アクリルアミドを主に製造する場合、(メタ)アクリルアミドに対する無水リン酸のモル比は0.5〜0.7の範囲とするのが好ましく、0.5〜0.6の範囲とするのがより好ましく、0.52〜0.58の範囲とするのが特に好ましい。アクリルアミド及びメタクリルアミドのいずれかを用いてN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドを主に製造する場合、(メタ)アクリルアミドに対する無水リン酸のモル比は0.8〜1.2の範囲とするのが好ましく、0.8〜1.15の範囲とするのがより好ましく、0.95〜1の範囲とするのが特に好ましい。またN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドを主に製造する場合、加水分解に際し、(メタ)アクリルアミドに対するモル比が1〜3の水を添加するのが好ましい。過剰の水を添加すると、得られるN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドの溶液の粘度が低くなり、取り扱い易くなる。
反応手順について述べる。攪拌器、還流冷却器付き反応器にビニルスルホン酸を入れ、液温を室温以下に保持しながら、(メタ)アクリルアミド系単量体を少量ずつ添加し、溶解させる。この時ハイドロキノンモノメチルエーテル、パラメトキシハイドロキノン等の公知の重合禁止剤を一緒に入れるのが好ましい。(メタ)アクリルアミド系単量体を全量添加した後、無水リン酸を添加する。無水リン酸は、液温を40〜60℃に保持しながら、1〜7時間の間に2〜10回にわたり分割添加するのが好ましく、これによりホスホン酸基含有アクリルアミド単量体の生成反応が促進され、収率が向上する。ただし分割添加することに限定されない。その後50〜110℃に保ち、1〜5時間撹拌する。得られた反応溶液の温度を50〜80℃の範囲に保持しながら、水を滴下し、同温度範囲で15分〜2時間撹拌することにより加水分解する。
本発明では、上記のように、固体高分子電解質膜の一原料であり、室温では液体のビニルスルホン酸中で、上記の(メタ)アクリルアミドのホスホン酸化反応及び加水分解反応を行い、溶媒を使用しない。溶媒を使用すると、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性が低下する。ビニルスルホン酸は室温で液体であるので、上記ホスホン酸化反応及び加水分解反応を支障なく行うことができる。
上記ホスホン酸化反応及び加水分解反応を促進し、かつ副生成物の生成を抑制するため、ビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド系単量体の割合は、両者の合計を100質量%として、(メタ)アクリルアミド系単量体が10〜70質量%であるのが好ましく、15〜60質量%であるのがより好ましい。
(メタ)アクリルアミド系単量体としてアクリルアミド及びメタクリルアミドのいずれかを用いた場合、上記調製方法により、下記式(3):
Figure 0004763591
(ただしR1及びR2は式(1)と同じである。)により表されるN-モノホスホン酸(メタ)アクリルアミド、及び下記式(4):
Figure 0004763591
(ただしR1は水素基又はメチル基である。)により表されるN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドの一方又は両方が生成すると推定される。(メタ)アクリルアミドに対する無水リン酸のモル比を約1以上とすれば、N, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドが主成分となると推定される。
[3] 固体高分子電解質膜の製造方法
固体高分子電解質膜は、上記のようにして溶媒の非存在下で(メタ)アクリルアミド系単量体をビニルスルホン酸に溶解し、無水リン酸を反応させ、加水分解して得られたホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド及びビニルスルホン酸の混合物(以下単に「不飽和組成物」とよぶ)を、(1) 熱重合したのちキャスト法により膜化するか、(2) 紫外線透過性支持基板に挟んだ状態で放射線重合することにより膜化して得られる。
(1) 熱重合により製造する場合
熱重合反応は、水中で、アンモニウムパーサルフェート(APS)、カリウムパーサルフェート(KPS)、アセチルパーオキサイド、イソプロピルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤、2, 2’-アゾビスイソブチロニトリル、2, 2 ’-アゾビス(2, 4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2, 2 ’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジメチル2, 2 ’-アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、あるいはラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert-ブチルパーオキシ・ピバレート等の過酸化物系開始剤、過酸化水素等の重合開始剤を用いて、ラジカル重合により行う。
攪拌器、還流冷却器付き反応器中で不飽和組成物の水溶液を調製し、反応器内を窒素ガス雰囲気とした後、添加する重合開始剤の分解温度である40℃〜70℃に昇温する。好ましい重合温度は50℃〜70℃である。所定温度到達直後に重合開始剤を添加する。このとき若干の発熱があり、重合開始を確認することができる。所定温度に到達してから約1時間間隔で重合開始剤を2〜3回添加した後、1時間程度重合反応を継続する。反応温度は最初から最後まで一定である必要はなく、重合末期に温度を上げて未反応単量体を極力少なくする方法をとってもよい。
重合溶液(不飽和組成物の水溶液)は、不飽和組成物の初期濃度が10〜40質量%であるのが好ましく、10〜30質量%であるのがより好ましい。重合開始剤のトータル使用量は、不飽和組成物を100とした場合に質量比で0.1〜5であるのが好ましく、0.1〜2であるのがより好ましい。
熱重合により調製したホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド及びビニルスルホン酸の共重合体をキャスト法により膜化する。キャスト法は、共重合体の水溶液を水平なガラス板やトレイ上に流延し、水を蒸発させることにより行う。乾燥は、例えば常圧又は減圧下40〜100℃の温度で約24時間処理することにより行う。得られたキャスト膜(皮膜)を、さらに常圧又は減圧下100〜140℃で1〜30分程度加熱してもよく、これにより機械的強度及び耐溶剤性が一層向上する。キャスト膜を延伸することにより機械的強度を増すこともできる。延伸は加熱を伴うのが好ましい。キャスト膜の厚さは通常20〜500μm、好ましくは20〜200μm程度とする。
(2) 放射線重合により製造する場合
放射線としては、光線、X線、電子線等が挙げられるが、光線が好ましい。光線としては、可視光線、紫外線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。以下紫外線重合により固体高分子電解質膜を製造する方法を説明する。紫外線重合による膜の製造方法は、不飽和組成物及び光重合開始剤(光増感剤)を含有する組成物を、これが付着しない材料(フッ素系重合体等)により被覆された板に流延し、紫外線透過性板で覆った後、紫外線を照射することにより重合させるものである。
不飽和組成物に加える光重合開始剤(光増感剤)としては、
(i) R-(CO)x -R’(R,R’=水素基又は炭化水素基、x = 2〜3)で表される隣接ポリケトン化合物(例えば、ジアセチル、ジベンジル等)、
(ii) R-CO-CHOH-R’(R,R’=水素基又は炭化水素基)で表されるα-カルボニルアルコール(例えば、ベンゾイン等)、
(iii) R-CH(OR”)-CO-R’(R,R’,R”=炭化水素基)で表されるアシロイン・エーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、
(iv) Ar-CR(OH)-CO-Ar(Ar=アリール基、R=炭化水素基)で表されるα-置換アシロイン(例えば、α-アルキルベンゾイン等)、及び
(v) 多核キノン(例えば、9, 10-アンスラキノン等)がある。
これらの光重合開始剤は、単独で使用してもよいし、併用してもよい。
光重合開始剤の使用量は不飽和組成物を100質量%として、0.005〜15質量%の範囲が好ましく、0.01〜13質量%の範囲がより好ましい。この使用量を0.005質量%未満とすると、所定の紫外線照射時間内に重合が完結せず、未反応単量体が残留するので好ましくない。一方15質量%超とすると、得られる共重合体の重合度が低くなる上、共重合体が着色するので好ましくない。
不飽和組成物を紫外線照射重合するに当たって使用する紫外線透過性板及び支持基板は紫外線透過率が高いことのみならず、紫外線照射による重合時の昇温に耐える耐熱性を有すること、並びに不飽和組成物及びこれを重合して得られる共重合体と接着せず、剥離性が良好なことが必要である。
支持基板として通常使用するガラス平板は紫外線透過率と耐熱性については非常に良いが、共重合体と密着するので、予めガラス平板の表面にシリコーン系又はフッ素系の剥離剤を塗布しておくか、フッ素樹脂系の薄い透明フィルムを貼りつけた上で使用するのが好ましい。
支持基板としては、ガラス平板以外に、ポリパーフルオロビニルエーテル樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)等のフッ素系樹脂の他、ポリ3-メチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の紫外線透過率の良い100℃以上の耐熱性を有する樹脂平板を使用することができる。
共重合体に剥離性を付与するために、予め不飽和組成物に剥離剤を添加してもよい。剥離剤としては、不飽和組成物との相溶性が良いものが好ましい。剥離剤としてはフッ素系界面活性剤が好ましく、中でもフッ素系アルコールがより好ましい。剥離剤の具体例としてパーフロロオクチルエタノール、パーフロロオクチルスルホアミドエタノール及びこれらのエチレンオキサイド付加物;炭化水素系界面活性剤;高分子ポリオキシエチレングリコール(例えばカーボワックス等)等が挙げられる。剥離剤の添加量は、不飽和組成物の合計質量に対して、0.5〜5質量%の範囲、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲である。この添加量が0.5質量%未満だと剥離性が不十分である。一方この添加量が5質量%を超えても剥離効果が飽和する。
光重合開始剤を含有する不飽和組成物を流延したのち紫外線透過性板で覆い、紫外線照射を行うに当たり、空気及び余分な組成物を系外に絞り出す必要がある。例えば図1及び図2に示すように、2枚の支持基板2,2の間に、光重合開始剤を含有する不飽和組成物1を挟み、均等に圧力をかけて、クリップ又はクランプ3で止めた状態で、水平に保ちながら紫外線照射を行うのが好ましい。照射は、少なくとも片面に対して1〜15分間行う。照射を表裏交互に行う場合にも、片面に対して0.5〜15分間行う。重合時の紫外線照射強度は5〜500 mW/cm2、好ましくは10〜500 mW/cm2とする。紫外線照射距離は、上記照射時間の範囲で十分硬化するように適宜設定する。紫外線重合法により得られた膜に対して、機械的強度及び耐溶剤性の向上を目的として、100〜130℃で1〜15分程度加熱処理してもよい。紫外線重合膜の厚さは通常20〜500μm、好ましくは20〜200μm程度とする。
放射線重合法を用いる場合、光重合開始剤を含有する不飽和組成物を、補強材に含浸させるか塗布した後、補強材を紫外線透過性支持基板に挟み、紫外線を照射して不飽和組成物を光重合させることにより、複合膜化してもよい。使用可能な補強材としては、例えばWO 2002/33709に記載の無機質繊維からなる補強材、有機質繊維からなる補強材及び樹脂フィルムが挙げられる。
補強材と不飽和組成物の使用割合は、補強材の不飽和組成物に対する親和性、換言すれば、不飽和組成物の吸収性によって大きく異なるが、一般的に補強材/不飽和組成物=1/20〜1/2(質量比)の範囲である。
以上紫外線重合による膜の製造方法について説明したが、X線、電子線等他の放射線を使用する場合の手順も基本的に同じである。ただしX線又は電子線を使用する場合、光重合開始剤を使用しなくてもよい。
[4] 共重合できるその他の不飽和化合物
固体高分子電解質膜は、上記不飽和組成物(ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド及びビニルスルホン酸の混合物)と共重合できるその他の不飽和化合物を含んでもよい。その他の不飽和化合物は以下の2群(1) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々1個以上有する不飽和化合物、及び(2) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物に大別できる。
(1) 酸性基を含有する不飽和化合物
固体高分子電解質膜は、導電性、造膜性、耐薬品性等の向上を目的として、酸性基を含有するその他の不飽和化合物を共重合成分として含んでもよい。酸性基としては、リン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基及びアルコール性水酸基が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格等を挙げることができる。
(a) リン酸基を含有する不飽和単量体
リン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、下記一般式(10):
Figure 0004763591
(ただしR6は水素基又はアルキル基であり、R7は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、mは1〜6の整数である。)により表される単量体(以下「単量体(I)」と呼ぶ)が好ましい。R6はH又はCH3であるのが好ましく、R7はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
単量体(I)のうち代表的なものの構造式及び物性をそれぞれ表1及び表2に示す。これらの単量体はユニケミカル株式会社から商品名Phosmer(登録商標)として販売されている。ただし本発明に使用できるリン酸基含有不飽和単量体はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004763591
Figure 0004763591
単量体(I)のリン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、電荷を中和させるため、例えば第1級、第2級、第3級又は第4級のアルキル基、アリル基、アラルキル基等を含有するアンモニウムイオンやモノ、ジ又はトリアルカノールアミン残基と錯塩を形成するのが好ましく、特にN+R8 4−f(OH)f(ただしR8は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基及び炭素数6〜12の脂環族基のいずれかを表し、fは1〜3の正の整数を示す。)が好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体として、下記一般式(11):
Figure 0004763591
(ただしR9及びR12はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R10及びR11はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、p及びp'はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有ジエステル不飽和単量体(以下「単量体(II)」と呼ぶ)を用いてもよい。
単量体(II)としては、下記式(12);
Figure 0004763591
(ただしR9及びR12はそれぞれ独立に水素基又はメチル基である。)により表されるジ[(メタ)クリロイルオキシエチル]ホスフェートが好ましい。単量体(II)は共重合の際に単独で用いてもよいし、単量体(I)と併用してもよい。
(b) スルホン酸基を含有する不飽和単量体
スルホン酸基を含有する不飽和単量体としては、例えば上記ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
(c) カルボン酸基を含有する不飽和単量体
カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
(d) アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体
アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体としては、グリセロールジメタクリレート[例えば商品名「ブレンマーGMR」、「同GMR-R」、「同GMR-H」(以上日本油脂株式会社製)等]、グリセロールメタクリレートアクリレート[例えば商品名「ブレンマーGAM」、「同GAM-R」(以上日本油脂株式会社製)等]等のグリセロールジ(メタ)アクリレート;1, 6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5521」(新中村化学工業株式会社製)等];1, 4-ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5520」(新中村化学工業株式会社製)等];ビスフェノールA型エポキシアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-1020」(新中村化学工業株式会社製)等];ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でもグリセロールジ(メタ)アクリレート、1, 6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、1, 4-ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート及びヘキサメチレンジオールジアクリレートは、ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドとの相溶性が良く、かつエチレン性不飽和基を分子中に2個有することから好ましい。
これらアルコール性水酸基含有不飽和単量体は、その水酸基をリン酸エステル化することにより、ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドとの相溶性が一層向上する。特にエチレン性不飽和基を分子中に2個有するアルコール性水酸基含有不飽和単量体のリン酸エステル化単量体は、放射線重合を行った時、架橋効率が良い。そのようなリン酸エステル化物の中でもグリセロールジ(メタ)アクリレートをリン酸エステル化した化合物、すなわち下記式(13):
Figure 0004763591
(ただしR13及びR14はそれぞれ独立に水素基又はメチル基である。)により表される化合物、及び下記式(14):
Figure 0004763591
(ただしR13及びR14はそれぞれ独立に水素基又はメチル基である。)により表される化合物が好ましい。
アルコール性水酸基含有不飽和単量体をリン酸エステル化する方法は、水酸基に対して0.5〜0.6モル当量の無水リン酸を使用する以外、上記の(メタ)アクリルアミド系単量体をモノホスホン酸化する方法と同じでよい。ただし上記式(14)により表される化合物を調製する場合、無水リン酸を添加した後、加水分解する必要はない。
(e) 酸性基を有し、かつ分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有する単量体
固体高分子電解質膜の耐溶剤性(例えば耐メタノール性等)を向上させるために、酸性基を含有する不飽和化合物として、複数個のエチレン性不飽和結合を含有するものを使用し、固体高分子電解質膜を架橋するのが好ましい。そのような架橋剤として、各々上記の式(11)により表されるリン酸基含有ジエステル不飽和単量体、並びにグリセロールジ(メタ)アクリレート、1, 6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、1, 4-ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ヘキサメチレンジオールジアクリレート及びこれらのリン酸エステル化物が好ましい。
(2) 酸性基を含有しない不飽和化合物
固体高分子電解質膜は、造膜性、耐水性、耐薬品性等の向上を目的として、酸性基を含有しない不飽和化合物(酸性基非含有不飽和化合物)を共重合成分として含んでもよい。酸性基非含有不飽和化合物としては、(1)に記載した以外の、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和化合物がすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、アルキルアミノ基含有不飽和単量体、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、置換又は無置換のスチレン、ハロゲンビニル(例えば塩化ビニル等)、脂肪酸ビニルエステル(例えば酢酸ビニル等)、及びフッ素基含有不飽和単量体が好ましい。
(a) (メタ)アクリル酸エステル
(メタ)アクリル酸エステルとしてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ジイソシアネートとグリセロールジ(メタ)アクリレートとを反応させてなるウレタンアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ U-4HA」(新中村化学工業株式会社製)等];エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b) アルキルアミノ基含有不飽和単量体
アルキルアミノ基を含有する不飽和単量体としてはN, N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
(c) 共役ジエン系液状オリゴマー
共役ジエン系液状オリゴマーとしては、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するブタジエンオリゴマー、イソプレンオリゴマー及びこれらの誘導体が好ましい。共役ジエン系液状オリゴマーとしては、下記一般式(15):
Figure 0004763591
(ただしR15及びR16はそれぞれ独立に(I) エチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基、(II) エチレン性不飽和結合を有さず、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基又は(III) 水素基であり、かつR15及びR16の少なくとも一方は上記(I)のエチレン性不飽和結合を有する炭化水素基であり、R17及びR18はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR17及びR18の少なくとも一方は水素基であり、rは重合度である。)により表されるものがより好ましい。ただし共役ジエン系液状オリゴマーとしては、式(15)に示すような重合体鎖中の共役ジエン単位が1, 2−結合であるものに限定されず、共役ジエン単位が1, 4−結合であるものであってもよい。
R15及びR16はそれぞれ独立に上記(I)〜(III)のいずれかであり、かつR15及びR16の少なくとも一方が上記(I)である限り特に制限されない。R15及びR16の具体例として(メタ)アクリル基が挙げられる。R15及びR16が有してもよい他の原子団としては、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシ基のいずれかが挙げられる。
共役ジエン系液状オリゴマーの分子量に特に制限はないが、数平均分子量が500〜50,000のものが好ましい。式(15)により表される共役ジエン系液状オリゴマーの市販品として、例えば「NISSO-PB TEA-1000」、「NISSO-PB TE-2000」(以上日本曹達株式会社製)等がある。
共役ジエン系液状オリゴマーは、必要に応じて他の共役ジエンを重合成分として含有してもよい。共役ジエン系液状オリゴマーがブタジエンオリゴマー又はその誘導体である場合、イソプレンを共重合成分として含んでもよい。共役ジエン系液状オリゴマーがイソプレンオリゴマー又はその誘導体である場合、ブタジエンを共重合成分として含んでもよい。他の共役ジエンとしては、その他に2, 3-ジメチル-1, 3-ブタジエン、1, 3-ペンタジエン、2-メチル-1, 3-ペンタジエン、1, 3-ヘキサジエン、4, 5-ジエチル-1, 3-オクタジエン、3-ブチル-1, 3-オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。共役ジエン系液状オリゴマーはオレフィンを共重合成分として含んでもよい。この場合、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーのいずれでもよい。
共役ジエン系液状オリゴマーは水素化されたものであってもよい。水素化共役ジエン系液状オリゴマーは、下記一般式(16):
Figure 0004763591
(ただしR15〜R18及びrは式(15)と同じである。)により表されるものが好ましい。式(16)により表される水素化共役ジエン系液状オリゴマーの市販品として、例えば「NISSO-PB TEAI-1000」(日本曹達株式会社製)等がある。
(d) ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー
ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマーは、少なくともビニル芳香族単位及び共役ジエン単位を有し、かつ分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する共重合体からなる。ビニル芳香族成分としてはスチレンが好ましい。共役ジエン成分としてはイソプレン及び1, 3-ブタジエンが好ましい。ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー中のビニル芳香族成分及び共役ジエン成分の割合は特に制限されず、要求される靭性、可撓性、機械的強度等の物性に応じて適宜設定すればよい。
ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマーは官能基や他の原子団の導入、水素添加等の処理により変性された誘導体であってもよい。官能基としては、(メタ)アクリル基、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、スルホン酸基、エポキシ基、炭化水素基等が挙げられる。他の原子団としては、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合等が挙げられる。ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマーの市販品として、例えば「クラプレン LIR-310」(株式会社クラレ製)等がある。
(e) フッ素基含有不飽和単量体
フッ素基含有不飽和単量体を共重合成分として含むことにより、固体高分子電解質膜の耐熱性及び耐水性が一層向上する。フッ素基含有不飽和単量体として、例えばパーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;α-(トリフルオロメチル)アクリル酸等のハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル基含有ビニル;ハイドロフルオロアルキル基含有ビニル等が挙げられる。
(f) 酸性基を有さないが分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有する化合物
固体高分子電解質膜の耐溶剤性を向上させるために、酸性基を有さない不飽和化合物として、複数個のエチレン性不飽和結合を含有するものを使用し、固体高分子電解質膜を架橋するのが好ましい。そのような架橋剤として、各々上記のジイソシアネートとグリセロールジ(メタ)アクリレートとを反応させてなるウレタンアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体及びビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体が挙げられる。その他にジビニルベンゼン等も挙げられる。
(3) 各不飽和化合物の使用割合
不飽和組成物(A)と、その他の不飽和化合物(B)との質量比(A)/(B)は特に制限されず、所望の物性に応じて適宜選択すればよい。質量比(A)/(B)は100/0〜5/95の範囲であるのが好ましい。この比の下限は10/90以上であるのがより好ましく、20/80以上であるのがさらに好ましい。またその他の不飽和化合物(B)の中で、上記(a) 酸性基を含有する不飽和化合物と(b) 酸性基非含有不飽和化合物の質量比(a)/(b)は特に制限されないが、(a)/(b) = 100/0〜5/95の範囲とするのが好ましく、(a)/(b) = 95/5〜20/80の範囲とするのがより好ましい。上記架橋剤の添加量は、不飽和組成物及びその他の不飽和化合物の全体を100質量%として、0.5質量%以上であるのが好ましく、1質量%以上であるのがより好ましい。
(4) その他の不飽和化合物を用いる場合の固体高分子電解質膜の製造方法
その他の不飽和化合物を用いる場合、固体高分子電解質膜は、上記不飽和組成物とその他の不飽和化合物との混合物を調製し、この混合物を、上記と同様にして、(1) 熱重合したのちキャスト法により膜化するか、(2) 紫外線透過性支持基板に挟んだ状態で放射線重合すれば製造できる。
[5] 添加可能なその他の樹脂
固体高分子電解質膜は、上記不飽和組成物の重合体[ビニルスルホン酸及びホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドの共重合体。以下「共重合体(I)」とよぶことがある。]、又は不飽和組成物及び上記その他の不飽和化合物の共重合体(以下「共重合体(II)」とよぶことがある。)とともに、その他の樹脂を含んでもよい。その他の樹脂を混合した固体高分子電解質膜は、その他の樹脂が元来有する造膜性、耐薬品性、可撓性、透明性、各種基材に対する密着性等の優れた物性と、上記不飽和組成物の重合体の優れた導電性とを兼備している。
(1) 添加可能なその他の樹脂
その他の樹脂としては、不飽和アルコール単位とハロゲンビニル単位及び脂肪酸ビニル単位の一方又は両方とを含む不飽和アルコール系共重合体(以下単に「不飽和アルコール系共重合体」と呼ぶ)、部分アセタール化不飽和アルコール系重合体、メラミン樹脂(例えばトリメトキシメチルメラミン樹脂等)、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアセタール、ウレタン樹脂、セルロース又はその変性物、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル並びにポリ酢酸ビニルが好ましい。中でもその他の樹脂としては、不飽和アルコール系共重合体、部分アセタール化不飽和アルコール系重合体、及びメラミン樹脂が好ましい。
(a) 不飽和アルコール系共重合体
不飽和アルコール系共重合体は少なくとも不飽和アルコール単位とハロゲンビニル単位及び脂肪酸ビニル単位のいずれかとを含む。不飽和アルコール単位としては、ビニルアルコール単位、アリルアルコール単位等が挙げられるが、コストの点からビニルアルコール単位が好ましい。ビニルアルコールは、単量体としては存在しないが、ビニル系(共)重合体の構成単位としては存在する。ビニルアルコール単位を得るには、酢酸ビニル単位を含む水酸基含有ビニル系(共)重合体を調製し、鹸化すればよい。
ビニルアルコール単位を有する不飽和アルコール系共重合体は、下記一般式(17):
Figure 0004763591
(ただしXは繰り返し単位毎に異なってもよいハロゲン原子又は−OCOR基であり、Rはアルキル基であり、s及びs'は各々重合度である。)により表すことができる。
脂肪酸ビニル単位としては酢酸ビニル単位、プロピン酸ビニル単位、酪酸ビニル単位等が挙げられるが、酢酸ビニル単位が好ましい。ハロゲンビニル単位としては塩化ビニル単位、フッ化ビニル単位、臭化ビニル単位等が挙げられるが、塩化ビニル単位が好ましい。不飽和アルコール単位、脂肪酸ビニル単位及びハロゲンビニル単位は各々二種以上を含んでもよい。
不飽和アルコール系共重合体がハロゲンビニル単位を含む場合、ハロゲンビニル単位の割合は、不飽和アルコール系共重合体を構成するビニル系単量体単位の合計を100モル%として20〜95モル%が好ましい。この割合が20モル%未満だと、耐水性及び耐溶剤性が低い。ハロゲンビニル単位を含む不飽和アルコール系共重合体中の不飽和アルコール単位の割合は、不飽和アルコール系共重合体を構成するビニル系単量体単位の合計を100モル%として、5〜80モル%であるのが好ましい。ハロゲンビニル単位を含む不飽和アルコール系共重合体中の脂肪酸ビニル単位の割合は特に制限されないが、不飽和アルコール系共重合体を構成するビニル系単量体単位の合計を100モル%として30モル%以下でよい。
不飽和アルコール系共重合体が不飽和アルコール単位及び脂肪酸ビニル単位のみからなる場合、脂肪酸ビニル単位の割合は特に制限されないが、不飽和アルコール系共重合体を構成するビニル系単量体単位の合計を100モル%として、40〜95モル%が好ましく、50〜80モル%がより好ましい。脂肪酸ビニル単位を40モル%以上含む不飽和アルコール系共重合体は、脂肪酸ビニル単位のアルキル基により耐水性及び耐溶剤性に優れている。ただし脂肪酸ビニル単位の割合は40〜95モル%に限定されず、必要に応じて脂肪酸ビニル単位の割合が40モル%未満の共重合体(例えば鹸化度が60超のポリビニルアルコール)を使用してもよい。不飽和アルコール単位及び脂肪酸ビニル単位のみからなる不飽和アルコール系共重合体を使用する場合、導電性樹脂の耐水性を一層向上させるためにメラミン樹脂を添加するのが好ましい。
不飽和アルコール系共重合体は、少なくとも不飽和アルコールと、ハロゲンビニル及び脂肪酸ビニルのいずれかとを、公知の方法で共重合することにより調製することができる。ただし脂肪酸ビニル単位(例えばビニルアルコール単位)を含む不飽和アルコール系共重合体を調製する場合、脂肪酸ビニル(例えば酢酸ビニル)又はこれを含む単量体組成物の重合体を調製し、部分的に鹸化することにより調製するのが好ましい。不飽和アルコール系共重合体の平均重合度に特に制限はないが、100〜3,000が好ましい。
不飽和アルコール系共重合体として市販品を使用してもよく、酢酸ビニル単位を有するポリビニルアルコールとして、例えばクラレLMポリマー、ポバール及びエクセバール(以上登録商標、株式会社クラレ製)、並びにゴーセノール(登録商標、日本合成化学工業株式会社製)が挙げられる。酢酸ビニル単位を有するポリビニルアルコールの鹸化度は、上記のように適宜選択すればよい。酢酸ビニル単位、塩化ビニル単位及びビニルアルコール単位を有する不飽和アルコール系共重合体として、例えばSOLBIN A、同AL、同TA5R、同TAO(以上登録商標、日信化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(b) 部分アセタール化不飽和アルコール系重合体
部分アセタール化不飽和アルコール系重合体は、不飽和アルコール単位を主成分とする不飽和アルコール系重合体とアルデヒドを所定の割合で反応させ、部分的にアセタール化したものである。部分アセタール化する不飽和アルコール系重合体としてはポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールを部分アセタール化した不飽和アルコール系重合体は下記一般式(18):
Figure 0004763591
(ただしR19はアルキル基であり、t及びt'は各々重合度である。)により表すことができる。ただし部分アセタール化不飽和アルコール系重合体は、ハロゲンビニル単位及び脂肪酸ビニル単位のいずれかを含んでもよい。ハロゲンビニル単位及び脂肪酸ビニル単位の各含有量は上記と同じでよい。
部分アセタール化不飽和アルコール系重合体はアセタール基を有することにより、強靭性、可撓性、接着性等に優れている。さらにアセタール基のアルキル基により耐水性及び耐溶剤性に優れている。しかも部分アセタール化不飽和アルコール系重合体はアセタール基により架橋性を有するので、加熱等により一層耐水性が向上する。アセタール化に使用するアルデヒドに特に制限はないが、ブチルアルデヒドが好ましい。すなわち部分アセタール化不飽和アルコール系重合体としては部分ブチラール化ポリビニルアルコールが好ましい。
部分アセタール化不飽和アルコール系重合体のアセタール化度は10〜80モル%(アセタール化前の水酸基量を100モル%として、20〜90モル%の水酸基が残留した状態)が好ましい。部分アセタール化不飽和アルコール系重合体の平均重合度に特に制限はないが、100〜3,000が好ましい。部分アセタール化不飽和アルコール系重合体としては、市販品を使用してもよく、例えばエスレックB及び同K(以上登録商標、積水化学工業株式会社製)が挙げられる。
上記(a)の不飽和アルコール系共重合体及び上記(b)の部分アセタール化不飽和アルコール系重合体は、その他の不飽和単量体単位を含んでもよい。他の不飽和単量体として(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、アルキルアミノ基含有不飽和単量体、置換又は無置換のスチレン、ビニル、オレフィン(例えばエチレン等)、ジエン等が挙げられる。
必要に応じて、不飽和アルコール系共重合体及び部分アセタール化不飽和アルコール系重合体はリン酸エステル化してもよい。これらをリン酸エステル化する方法は、水酸基に対して0.5〜0.55モル当量の無水リン酸を使用する以外、上記の(メタ)アクリルアミド系単量体をモノホスホン酸化する方法と同じでよい。
リン酸エステル化した不飽和アルコール系共重合体及び部分アセタール化不飽和アルコール系重合体は、錯塩にすることにより導電性及び耐熱性が一層向上する。錯塩としては、ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドの場合と同じく、アンモニウム塩、アミン塩又は金属塩が好ましい。
(2) その他の樹脂の配合割合
上記共重合体(I)又は(II)と、その他の樹脂との配合割合[(共重合体(I)又は(II))/(その他の樹脂)]は、固形分質量ベースで0.05以上であるのが好ましく、0.1以上であるのがより好ましい。この比率を0.05未満とすると導電性が不十分となる。この比率の上限は特に制限されず、所望の物性に応じて適宜設定すればよい。
(3) その他の樹脂の添加方法
(a) 混合重合法
その他の樹脂を含む固体高分子電解質膜は、上記不飽和組成物又は上記不飽和組成物及びその他の不飽和化合物の混合物を、その他の樹脂の共存下で、上記と同様にして、(a) 熱重合したのちキャスト法により膜化するか、(b) 紫外線透過性支持基板に挟んだ状態で放射線重合すれば製造できる。
(b) 溶液混合法
その他の樹脂を含む固体高分子電解質膜はまた、共重合体(I)又は(II)の水溶液に、その他の樹脂を添加したポリマー溶液を調製し、これをキャスト法により膜化することにより得られる。特にメラミン樹脂を添加した場合、水を蒸発させた後のフィルムを100〜140℃に加熱すると、ホスホン酸基が触媒となりメラミン樹脂の架橋反応が促進され、固体高分子電解質膜の機械的強度及び耐溶剤性が一層向上する。メラミン樹脂の添加にあたり、メチロールメラミン又はメチル化もしくはブチル化したメチロールメラミンを、共重合体(I)又は(II)とともに加熱することにより重合させてもよい。
[6] 固体高分子電解質膜
本発明の固体高分子電解質膜は、高密度のホスホン酸基及びスルホン酸基を有し、プロトン伝導性に優れている。固体高分子電解質膜は、共重合体(I)又は(II)が架橋化されているのが好ましい。架橋化した固体高分子電解質膜は耐溶剤性、特に耐メタノール性に優れている。
以上のような固体高分子電解質膜は一次電池用電解質膜、二次電池用電解質膜、燃料電池用電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに好適に利用できる。特に本発明の固体高分子電解質膜は優れたプロトン伝導性を有し、その温度依存性が小さいので、燃料電池用電解質膜として好適である。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
(1) ビニルスルホン酸中でのN, N-ジホスホン酸アクリルアミド(N2P)の調製
還流冷却管、粉末投入口及び温度計を接続した自動合成反応装置(内容積500 mL、ユニケミカル株式会社製)に、250 gのビニルスルホン酸、及び0.05 gのハイドロキノンモノメチルエーテルを入れ、液温を室温以下に保持しながら、71 gのアクリルアミドを少量ずつ添加し、溶解させた。得られた室温の溶液に、142 gの無水リン酸を、2時間の間に4回に分けて入れた。無水リン酸を添加する間、1,250 rpmで攪拌しながら内温を40〜60℃の範囲で保持した。無水リン酸を全て投入後、80℃で4時間熟成反応を行った。
得られた中間生成物を含む反応溶液を60℃に保持しながら、20 gの水を30分かけて滴下し、攪拌しながら70℃の温度で1時間20分間加熱することにより加水分解した。加水分解後の反応溶液(N2P濃度:48質量%)を、液体クロマトグラフィーにより分析した結果、N2P及びビニルスルホン酸(VS)が主成分であることが分かった[液体クロマトグラフィーの分析条件は以下の通りである。測定機器:株式会社島津製作所製SPD-10A(UV検出器使用)、カラム温度:室温、溶媒:メタノール/水=7/3(質量比)、濃度:0.01 質量%(インジェクション量:2.5μl)、カラム:HAMILTON社製PRP-1、溶媒流速:0.3 ml/分。]。
(2) 熱重合法による固体高分子電解質膜の作製
(a) 共重合体の調製
得られた反応溶液27 g(N2P濃度:48質量%)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.5 g及びアクリル酸(AA)1.5 gを水250 gに溶解した。N2ガスをバブリングさせ、かつ100 rpmで攪拌しながら、液温を65〜67℃に上げ、アンモニウムパーサルフェート(APS)の3.3質量%水溶液(触媒水溶液)を3g添加した。液温を65〜70℃に保持しながら、攪拌を2時間継続した。その後、液を同温に保持しながら、1時間毎に3gの上記触媒水溶液を計3回添加した(合計12 g)。液を同温に保持しながら1時間同温度で熟成反応後、室温まで冷却した。得られた共重合体の水溶液(固形分濃度:11.8質量%)の粘度(22℃)を測定した結果、2.5 mPa・sであった。また共重合体の水溶液から1gを抜き出し、測定した生成物の酸価(1gの水溶液を100gのジメチルスルホキシドに溶解し、1NのKOH水溶液により測定。滴定終点:pH=10.5。以下同じ)は722.6 mg/gであった。理論酸価は700.57 mg/gであるので、生成物はN, N-ジホスホン酸アクリルアミド、ビニルスルホン酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート及びアクリル酸が、ほぼ理論通りに共重合したもの(N2P-VS-HEMA-AA共重合体)といえる。
(b) キャスト法による膜化
得られたN2P-VS-HEMA-AA共重合体の11.8質量%水溶液と、ポリビニルアルコール(商品名「エクセバールHR-3010」、株式会社クラレ製)の11.8質量%水溶液と、トリメトキシメチルメラミン(商品名「スミテックスレジンM-3」、住友化学工業株式会社製)の11.8質量%水溶液とを、表3に示す固形分の配合割合に従って混合し、ポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を、ポリプロピレン製フィルム製容器(底面;10 cm × 10 cm)に流延し、50℃で24時間乾燥し、厚さ150μmの固体高分子電解質膜を作製した。
(3) 紫外線重合法による固体高分子電解質膜の作製
(1)で得られた反応溶液(N2P濃度:48質量%)、トリフロロエチルメタクリレート、ジ(1,3-ジアクリレートプロピル-2-オキシ)ヘキサメチレンビスウレタン、ブチラール化ポリビニルアルコール(商品名「エスレックB BL-1」、積水化学工業株式会社製)、アクリル酸、及び光重合開始剤[イルガキュア651(2, 2-ジメトキシ-1, 2-ジフェニルエタン-1-オン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)及びイルガキュア500(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)の等質量混合物]を表4に示す固形分の配合割合に従って混合した。得られた組成物を、各々フッ素系樹脂フィルムを付着した2枚のガラス平板間に挟んだ状態とした(図1及び図2参照)。高圧水銀灯(東芝電材株式会社製トスキュア400,HC-0411型)を用いて、400 mW/cm2の強度で裏表からそれぞれ60秒間ずつ紫外線を組成物に照射し(照射距離:10 cm)、光重合させることにより固体高分子電解質膜を作製した。
得られた固体高分子電解質膜について、プロトン伝導性及び表面固有抵抗を測定した。表面固有抵抗及びプロトン伝導性の測定方法は以下の通りである。結果を表3及び4に示す。
(1) プロトン伝導性:複素インピーダンス法を用いて測定した。2cm×0.3 cmの矩形状サンプルを切り出し、開放系インピーダンスセルに設置した。このセルを恒温恒湿器内に設置し、相対湿度:90%、温度:60℃でのインピーダンス測定を行った。得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から導電率を求めた。
(2) 表面固有抵抗:表面固有抵抗測定器(東亜電波工業株式会社製 SME-8310)により、相対湿度:70%、温度:18℃の条件で測定した。
Figure 0004763591
注:(1) 商品名「エクセバールHR-3010」、株式会社クラレ製。
(2) 商品名「スミテックスレジンM-3」、住友化学工業株式会社製。
(3) RH 90%/60℃。
(4) RH 70%/18℃。
(5) 流延及び乾燥時に表側であった面。
(6) 流延及び乾燥時に裏側であった面。
Figure 0004763591
注:(1) 商品名「エスレックB BL-1」、水酸基36モル%、アセチル基3モル%以下、ブチラール化度63±3モル%、積水化学工業株式会社製。
(2) イルガキュア651/イルガキュア500=1/1(質量比、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)。
(3) RH 90%/60℃。
(4) RH 70%/18℃。
表3から明らかなように、溶媒の非存在下で調製したN, N-ジホスホン酸アクリルアミドをビニルスルホン酸と共重合し、得られた共重合体を用いてキャスト法により作製した固体高分子電解質膜は、プロトン導電率(RH 90%/60℃)が4.0×10-1S・cm- 1と非常に優れていた。同条件で測定したNafionのプロトン導電率は1.3×10-2 S・cm- 1であることから、溶媒の非存在下で調製したN, N-ジホスホン酸アクリルアミドを用いてキャスト法により作製した固体高分子電解質膜は、Nafionを凌ぐプロトン伝導性を有するといえる。
また表4から、溶媒の非存在下で調製したN, N-ジホスホン酸アクリルアミドと、ビニルスルホン酸とを紫外線重合法により共重合することにより得られた固体高分子電解質膜は、プロトン導電率(RH 90%/60℃)が1.5×10-3と、Nafionより劣っていた。しかしこの固体高分子電解質膜の表面固有抵抗は8×106Ω・cmであり、同条件で測定したNafionの表面固有抵抗(2×107 Ω・cm)に比べて優れていた。
実施例2
(1) 共重合体の作製
ビニルスルホン酸、アクリルアミド及び無水リン酸を各々1モル用いた以外実施例1と同様にして、N, N-ジホスホン酸アクリルアミド(N2P)及びビニルスルホン酸(VS)を等モル比で含む溶液を調製した。この溶液に、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸(TBAS:三菱レイヨン株式会社製)及び4-ヒドロキシブチルアクリレート(4BHA)を加えて、N2P:VS:TBAS:4BHA=41.0:19.2:36.8:3の質量比の組成物を調製した。得られた組成物を用いた以外実施例1と同様にして、水中で共重合体(N2P-VS-TBAS-4BHA共重合体)を調製した。得られた共重合体の水溶液(固形分濃度:13.3質量%)の粘度(15℃)を測定した結果、85.2 mPa・sであった。
(2) 固体高分子電解質膜の作製
得られた共重合体の水溶液(固形分濃度:13.3質量%)と、ポリビニルアルコールの水溶液と、トリメトキシメチルメラミンの水溶液とを、表5に示す固形分の配合割合に従って混合し、ポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を、上記ポリプロピレン製フィルム製容器に流延し、50℃で24時間乾燥し、厚さ150μmの固体高分子電解質膜を作製した。
比較例1
ビニルスルホン酸のみを用いた以外実施例1と同様にして、水中で重合体を調製した。得られたビニルスルホン酸重合体の水溶液と、ポリビニルアルコールの水溶液と、トリメトキシメチルメラミンの水溶液とを、表5に示す固形分の配合割合に従って混合し、ポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を、上記ポリプロピレン製フィルム製容器に流延し、50℃で24時間乾燥し、厚さ150μmの固体高分子電解質膜を作製した。
実施例1のキャスト法による固体高分子電解質膜、実施例2の固体高分子電解質膜及び比較例1の固体高分子電解質膜を65℃で8時間加熱処理し、得られた膜の色相を比較した。結果を表5に示す。
Figure 0004763591
注:(1) 商品名「エクセバールHR-3010」、株式会社クラレ製。
(2) 商品名「スミテックスレジンM-3」、住友化学工業株式会社製。
表5から明らかなように、比較例1のビニルスルホン酸のホモポリマーを含む膜は黒褐色であるが、実施例1及び2の膜は色相が改善されていた。よってビニルスルホン酸にN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミド、さらにはTBASを共重合することにより、加熱による劣化が抑制されたと推測される。
ガラス平板2枚の間に不飽和組成物を挟んだ状態を示す部分断面側面図である。 ガラス平板2枚の間に不飽和組成物を挟んだ状態を示す平面図である。
符号の説明
1・・・不飽和組成物
2・・・ガラス平板
3・・・クリップ

Claims (6)

  1. 溶媒の非存在下、下記式(1):
    Figure 0004763591
    (ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換の炭化水素基である。)により表される(メタ)アクリルアミド系単量体をビニルスルホン酸に溶解し、無水リン酸を反応させ、得られた反応生成物を加水分解して前記(メタ)アクリルアミド系単量体のアミド基の窒素原子にモノ又はジホスホン酸基が直接結合したホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドを調製した後、少なくとも得られたホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドと、前記ビニルスルホン酸とを共重合することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、前記(メタ)アクリルアミド系単量体は、アクリルアミド、メタクリルアミド及び下記式(2):
    Figure 0004763591
    (ただしR1は水素基又はメチル基であり、R3及びR4は水素基又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R5は炭素数1〜3のアルキレン基であり、M1は水素基、金属又は3級アミン残基である。)により表されるアクリルアミドアルカンスルホン酸塩のいずれかであることを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、前記ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミドは、下記式(3):
    Figure 0004763591
    (ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は水素基又は置換もしくは無置換の炭化水素基である。)により表されるN-モノホスホン酸(メタ)アクリルアミド、及び下記式(4):
    Figure 0004763591
    (ただしR1は水素基又はメチル基である。)により表されるN, N-ジホスホン酸(メタ)アクリルアミドの一方又は両方であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、前記ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド及び前記ビニルスルホン酸とともに、(a) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々1個以上有する不飽和化合物であって、前記酸性基としてリン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基及びアルコール性水酸基のいずれかの酸性基を有する不飽和化合物、並びに/又は(b) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物であって、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、アルキルアミノ基含有不飽和単量体、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、ビニル芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、置換又は無置換のスチレン、ハロゲンビニル、脂肪酸ビニルエステル、及びフッ素基含有不飽和単量体のいずれかの不飽和化合物を共重合させることを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、前記酸性基を有する不飽和化合物は(メタ)アクリル酸及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸のいずれかであり、前記酸性基を有しない不飽和化合物は分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上含む架橋剤及びハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルのいずれかであることを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、少なくとも前記ビニルスルホン酸単位及び前記ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド単位を含む共重合体に、不飽和アルコール単位とハロゲンビニル単位及び脂肪酸ビニル単位の一方又は両方とを含む不飽和アルコール系共重合体、部分アセタール化不飽和アルコール系重合体、メラミン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアセタール、ウレタン樹脂、セルロース又はその変性物、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル並びにポリ酢酸ビニルのいずれかを添加することを特徴とする方法。
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