JP4827331B2 - プロトン伝導性膜又はフィルムとそれらを用いてなる燃料電池 - Google Patents

プロトン伝導性膜又はフィルムとそれらを用いてなる燃料電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プロトン伝導性を有するプロトン伝導性膜、これより得られるプロトン伝導性フィルムとそれらの製造方法、更には、それらプロトン伝導性膜又はフィルムをプロトン交換膜として用いてなる燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロトン伝導性膜は、イオン交換膜や湿度センサー等の用途に用いられているが、近年、固体高分子型燃料電池における固体電解質膜としての用途においても注目を集めている。例えば、デュポン社のナフィオン(登録商標)を代表とするスルホン酸基含有フッ素樹脂膜は、電気自動車や分散型電源用燃料電池における固体電解質としての利用が検討されているが、従来より知られているこれらのフッ素樹脂系プロトン伝導性膜は、価格が非常に高いという欠点がある。プロトン伝導性膜を燃料電池等の新たな用途において実用化を図るには、プロトン伝導性を高く、しかも価格を低くすることが不可欠である。
【0003】
そこで、従来、空孔を有する多孔質膜に電解質ポリマーを含有させて、プロトン伝導性膜を得る方法が種々提案されている。例えば、特開平9−194609号公報には、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の疎水性樹脂からなる多孔質膜の空孔内に同じく疎水性のポリマーの溶液を含浸させ、乾燥させて、上記ポリマーを多孔質膜に担持させた後、このポリマーにスルホン酸基、プロトン化アミノ基、カルボキシル基等のイオン交換基を導入し、かくして、イオン交換膜を製造する方法が提案されている。しかし、このような方法によれば、イオン交換基を多孔質膜中に均一に分布させることは困難であり、延いては、プロトン伝導性も十分ではない。
【0004】
そこで、最近、イオン交換基としてリン酸エステル基を有するポリマー、即ち、側鎖にリン酸エステル基を有するメタクリル酸誘導体から導かれるポリマーを固体高分子型燃料電池用プロトン交換膜として用いることが「高分子学会予稿集」第48巻第3号第414頁(1999年)、「高分子学会予稿集」第48巻第10号第2393頁(1999年)、「高分子学会予稿集」第49巻第4号第751頁(2000年)等に提案されている。
【0005】
これら文献によれば、側鎖にリン酸エステル基を有するメタクリル酸誘導体から導かれるポリマーは、上記リン酸エステル基のプロトン解離度が大きく、強い酸性を示すので、高いプロトン伝導性を有しており、しかも、主鎖が炭化水素でありながら、耐熱性を有すると共に、水に殆ど溶解しないという特性を有する。このように、リン酸エステル基を置換基として側鎖に有するポリマーが水不溶性であるのは、リン酸エステル基がそれぞれの間に形成する水素結合によって、ポリマー鎖間に強いネットワークが形成されるためであるとみられる。
【0006】
しかしながら、側鎖にリン酸エステル基を有するメタクリル酸誘導体から導かれる上記ポリマー自体は、機械的強度が低く、脆いので、燃料電池用プロトン交換膜として用いることは困難である。また、上記ポリマーは、その製造時にしばしばゲル化したり、また、得られたポリマーが溶解性に乏しい等、実用化のためには、製造面や成形性の面で尚、多くの問題がある。
【0007】
一般に、多孔質膜にプロトン伝導性を付与するためには、膜内にプロトン発生源又は輸送サイトを有することが必要であり、先に言及したスルホン酸基はそのようなプロトン発生源又は輸送サイトの代表例である。しかし、スルホン酸基を有するポリマーは、代表的には、ポリスチレンスルホン酸やポリビニルスルホン酸等であり、これらはすべて水溶性である。従って、水素ガスや酸素ガスを水蒸気加湿して用いる燃料電池のプロトン交換膜としては、これらのポリマーは、そのままでは、用いることが困難である。即ち、燃料電池のプロトン交換膜として用いるには、ポリマーに何らかの水不溶性化処理を施すことが必要である。
【0008】
水溶性ポリマーを水不溶化するためには、架橋処理をするか、又はスルホン酸基を有するモノマーと共に水不溶性ポリマーを与えるようなモノマーと共重合を行なって、共重合体とする必要がある。
【0009】
しかし、水溶性ポリマーに架橋処理を施すことによって、水に完全に溶解することは避けることができても、水に接触したとき、ポリマーが膨潤することは避けられない。かくして、水溶性ポリマーの架橋による水不溶化は、それと引換えにポリマーの機械的強度の低下をもたらすので、そのように、水溶性ポリマーを水不溶化したポリマーを燃料電池用プロトン交換膜として用いることも困難である。
【0010】
他方、水不溶性ポリマーを与えるモノマーとの共重合によって、水不溶性ポリマーを得るには、重合に供するモノマー中のスルホン酸基含有モノマーの割合を相対的に低くせざるを得ず、そうすれば、本来、プロトン交換膜として求められるプロトン伝導性が損なわれるので、高いプロトン伝導性を有するポリマーを得ることはできない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プロトン伝導性膜又はフィルムにおける上述した問題を解決するためになされたものであって、耐久性と機械的強度を有するプロトン伝導性膜又はフィルムとそれらの製造方法、更には、それらをプロトン交換膜として用いてなる燃料電池を提供することを目的とする。
【0012】
【問題を解決するための手段】
本発明によれば、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基が一部、アミン塩化されたポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなることを特徴とするプロトン伝導性膜が提供される。
【0013】
更に、本発明によれば、上記プロトン伝導性膜の空孔の残余の空隙の少なくとも一部が閉塞されてなるプロトン伝導性フィルムが提供される。
【0014】
また、本発明によれば、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有する単官能性モノマーと側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基がアミン塩化された単官能性モノマーとを多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基が一部、アミン塩化されたポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させることを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法が提供される。
【0015】
更に、本発明によれば、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有する単官能性モノマーを多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有するポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させ、更に、このポリマーの上記側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を一部、アミン塩化することを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有する単官能性モノマーと側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基がアミン塩化された単官能性モノマーとを含むモノマー混合物を多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基が一部、アミン塩化されたポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させて、プロトン伝導性膜を得、次いで、このプロトン伝導性膜の空孔の残余の空隙の少なくとも一部を閉塞することを特徴とするプロトン伝導性フィルムの製造方法が提供される。
【0017】
更に、本発明によれば、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有する単官能性モノマーを多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有するポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させ、更に、このポリマーの上記側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を一部、アミン塩化して、プロトン伝導性膜を得、次いで、このプロトン伝導性膜の空孔の残余の空隙の少なくとも一部を閉塞することを特徴とするプロトン伝導性フィルムの製造方法が提供される。
【0018】
上記のほか、本発明によれば、上記プロトン伝導性膜又はプロトン伝導性フィルムをプロトン交換膜として用いてなる燃料電池が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明によるプロトン伝導性膜は、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基が一部、アミン塩化されたポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなるものである。
【0020】
以下、本発明において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有するポリマーを「P−ポリマー」といい、上記側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基が一部、アミン塩化されたポリマーを「P−ポリマーの部分アミン塩」という。
【0021】
本発明によれば、このようなプロトン伝導性膜は、好ましくは、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有する単官能性モノマーと側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基がアミン塩化された単官能性モノマーを多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基が一部、アミン塩化されたポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させることによって得ることができる。
【0022】
以下、本発明において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を有する単官能性モノマーを「P−モノマー」といい、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基がアミン塩化された単官能性モノマーを「P−塩モノマー」という。また、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を「P−酸基」という。
【0023】
また、P−塩モノマーとP−モノマーとの混合物を「P−モノマーの部分アミン塩」という。
【0024】
本発明によるプロトン伝導性膜において、基材として用いる多孔質膜は、特に、限定されることなく、種々の樹脂からなるものを用いることができる。そのような樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、6,6−ナイロンほか、種々のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジメチルフェニレンオキサイド、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテル樹脂、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、ノルボルネン等の脂環式不飽和炭化素、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン等の(共)重合体、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂や、また、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ノルボルネンゴム等のエラストマーやそれらの水添物等の脂肪族炭化水素樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、又は2種以上を併用して、上記多孔質膜を形成していてよい。
【0025】
本発明によれば、上記した種々の樹脂からなる多孔質膜のなかでも、ポリオレフィン樹脂、特に、重量平均分子量5.0×105 以上、好ましくは、1.0×106 以上の高分子量ポリエチレン樹脂からなる多孔質膜が強度や耐熱性にすぐれるところから、好ましく用いられる。また、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜も、そのすぐれた耐薬品性と耐熱性から、本発明において、好ましく用いられる。
【0026】
本発明によれば、基材多孔質膜は、従来より知られている適宜の手段によって親水化されていてもよい。このような親水化された多孔質膜は、例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、水酸基等の親水性基を有する重合体やそのブレンドを原料に用いて製膜することによって得ることができる。また、そのような親水性基をもたない重合体を多孔質膜に製膜した後に、その多孔質膜に、例えば、スルホン化処理を施したり、また、界面活性剤を担持させる等の方法によって得ることができる。
【0027】
本発明において、基材多孔質膜は、通常、20〜90%、好ましくは、30〜85%の範囲の空孔率を有する。多孔質膜の空孔率が20%よりも小さいときは、このような多孔質膜の空孔にP−ポリマーの部分アミン塩を担持させても、高いプロトン伝導性を有する膜を得ることができない。しかし、多孔質膜の空孔率が90%よりも大きいときは、そのような多孔質膜の空孔にP−ポリマーの部分アミン塩を担持させて得られるプロトン伝導性膜は、強度が十分でなく、取り扱いや種々の用途での使用に困難が伴う。
【0028】
また、基材多孔質膜は、P−ポリマーの部分アミン塩を多孔質膜中に保持することができれば、特に、限定されるものではないが、その平均孔径は、通常、0.001〜100μmの範囲であり、0.005〜10μmの範囲にあることが好ましい。同様に、多孔質膜の厚みも、特に、限定されるものではないが、通常、1mm以下であり、好ましくは、5〜500μmの範囲である。
【0029】
本発明によるプロトン伝導性膜は、好ましくは、P−モノマーの部分アミン塩を多孔質膜に含浸させ、この多孔質膜の空孔内で重合させて、P−ポリマーの部分アミン塩を生成させると共に、このP−ポリマーの部分アミン塩を上記多孔質膜の空孔内に担持させることによって得ることができる。
【0030】
本発明によれば、上記P−モノマーのうち、リン酸基を有するモノマーの好ましい例として、一般式(I)
【0031】
【化1】
Figure 0004827331
【0032】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Xは基の両末端が炭素原子である2価の有機基を示す。)
で表わされる化合物を挙げることができる。
【0033】
特に、本発明においては、上記基Xは、好ましくは、一般式(A)
【0034】
【化2】
Figure 0004827331
【0035】
(式中、R’はエチレン基又はプロピレン基を示し、R”は炭素原子数1〜10、好ましくは、2〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、pは1〜10の整数であり、qは0、1又は2である。)
で表わされる2価基か、又は一般式(B)
【0036】
【化3】
Figure 0004827331
【0037】
(式中、Ar及びAr’はそれぞれ独立に2価の芳香族炭化水素基、好ましくは、フェニレン基を示し、R'"は炭素原子数1〜10、好ましくは、2〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、rは0又は1であり、rが1のとき、sは0又は1である。)
で表わされる2価基を示す。
【0038】
従って、上記一般式(I)で表わされるP−モノマーの好ましい具体例としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メタクリロイルテトラ(オキシエチレン)ホスフェート、メタクリロイルペンタ(オキシプロピレン)ホスフェート、4−スチリルメトキシブチルホスフェート等を挙げることができる。
【0039】
ホスホン酸基を有するモノマーの好ましい例としては、一般式(II)
【0040】
【化4】
Figure 0004827331
【0041】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Yは基の両末端が炭素原子である2価の有機基を示す。)
で表わされる化合物を挙げることができる。
【0042】
特に、本発明においては、上記基Yは、好ましくは、一般式(B)
【0043】
【化5】
Figure 0004827331
【0044】
(式中、Ar及びAr’はそれぞれ独立に2価の芳香族炭化水素基、好ましくは、フェニレン基を示し、R'"は炭素原子数1〜10、好ましくは、2〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、rは0又は1であり、rが1のとき、sは0又は1である。)
で表わされる2価基を示す。
【0045】
従って、上記一般式(II)で表わされるホスホン酸基を有するモノマーの好ましい具体例としては、例えば、4−(2−スチリルメトキシエチル)フェニルホスホン酸、4−(スチリルメトキシ)ブチルホスホン酸、スチリルメチルホスホン酸等の化合物を挙げることができる。
【0046】
また、ホスフィン酸基を有するモノマーの好ましい例としては、一般式(III)
【0047】
【化6】
Figure 0004827331
【0048】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは基の両末端が炭素原子である2価の有機基を示す。)
で表わされる化合物を挙げることができる。
【0049】
特に、本発明においては、上記基Zは、好ましくは、一般式(B)
【0050】
【化7】
Figure 0004827331
【0051】
(式中、Ar及びAr’はそれぞれ独立に2価の芳香族炭化水素基、好ましくは、フェニレン基を示し、R'"は炭素原子数1〜10、好ましくは、2〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、rは0又は1であり、rが1のとき、sは0又は1である。)
で表わされる2価基を示す。
【0052】
従って、上記一般式(III)で表わされるホスフィン酸基を有するモノマーの具体例としては、例えば、4−(2−スチリルメトキシエチル)フェニルホスフィン酸、4−(スチリルメトキシ)ブチルホスフィン酸、スチリルメチルホスフィン酸等の化合物を挙げることができる。
【0053】
本発明によれば、P−ポリマーの部分アミン塩の製造において、P−モノマーの部分アミン塩と共に、P−酸基を有する多官能性モノマー(以下、多官能性P−モノマーということがある。)を用いることができる。
【0054】
このような多官能性P−モノマーの好ましい例として、例えば、一般式(IV)
【0055】
【化8】
Figure 0004827331
【0056】
(式中、RとXは前記と同じであり、mは2又は3である。)
で表わされるリン酸ジエステル又はトリエステルを挙げることができる。
【0057】
本発明においては、このような多官能性P−モノマーのうち、特に、基Xが前記一般式(A)で表わされる基であるものが好ましい。
【0058】
従って、このような多官能性P−モノマーの具体例として、例えば、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ビス{5−(メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニル)ペンチル}ホスフェート等のリン酸ジエステルを挙げることができる。
【0059】
P−モノマーの部分アミン塩がこのような多官能性P−モノマーを含むとき、この多官能性P−モノマーの割合は50モル%以下であり、好ましくは、45モル%以下である。
【0060】
このように、P−モノマーの部分アミン塩と共に多官能性P−モノマーを用いることによって、得られるP−ポリマーの部分アミン塩は、上記多官能性P−モノマーの架橋反応によって、三次元構造、即ち、架橋構造を有し、かくして、P−ポリマーの部分アミン塩の耐水性や耐溶剤性等の物性を更に改善することができる。
【0061】
また、本発明によれば、P−モノマーの部分アミン塩と共に、P−酸基のいずれをも有しない多官能性モノマー(以下、多官能性非P−モノマーということがある。)を用いることができる。このように、P−モノマー部分アミン塩が多官能性非P−モノマーを含むとき、この多官能性非P−モノマーの割合は50モル%以下であり、好ましくは、45モル%以下である。
【0062】
このように、P−モノマーの部分アミン塩と共に多官能性非P−モノマーを用いることによって、得られるP−ポリマーの部分アミン塩は、種々の物性、例えば、ガラス転移温度、親水性の程度、柔軟性、機械的強度等を調整することもできる。
【0063】
しかし、本発明によるプロトン伝導性膜において、P−ポリマーの部分アミン塩に架橋構造をもたせるための手段は、上記に限定されるものではなく、例えば、官能基間の反応、過酸化物による架橋、電子線等の照射、オゾンの作用等、従来より知られている適宜の手段を利用することができる。
【0064】
更に、本発明によれば、P−モノマーの部分アミン塩と共に、P−酸基のいずれをも有しない単官能性モノマー(以下、単官能性非P−モノマーということがある。)を用いて、P−モノマーの部分アミン塩と共重合体を形成させてもよい。
【0065】
このような単官能性非P−モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム等のビニルモノマー類、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリル酸ブチル、メトキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アクリル酸等のアクリルモノマー類、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミド類を挙げることができる。
【0066】
本発明において、P−モノマーの部分アミン塩(多官能性P−モノマーを含む。)と共に単官能性非P−モノマーを用いる場合、その単官能性非P−モノマーの割合は、用いる基材多孔質膜の空孔率にもよるが、通常、P−モノマーの部分アミン塩(多官能性P−モノマーを含む。)に対して、90モル%以下の範囲であり、好ましくは、80モル%以下の範囲である。単官能性非P−モノマーの割合がP−モノマーの部分アミン塩(多官能性P−モノマーを含む。)に対して90モル%よりも多いときは、高プロトン伝導性膜を得ることができない。
【0067】
本発明において、P−モノマーのP−酸基をアミン塩化するには、即ち、P−酸基がアミン塩化されたP−モノマーを得るには、P−モノマーにアミンを作用させる。
【0068】
ここに、上記アミンは、特に、限定されるものではないが、例えば、ピリジン、キノリン、アクリジン、イミダゾール、ピラゾール、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミンやその誘導体、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミンやその誘導体、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族アミンやその誘導体、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸、ベタイン等の両性物質等を挙げることができる。
【0069】
本発明によれば、前記P−モノマーの部分アミン塩は、好ましくは、アミンのアミノ基/P−モノマーの有するP−酸基の比率Rが0<R<1となるように、P−モノマーにアミンを作用させて、アミン塩化していないP−モノマーとアミン塩化したP−モノマーとの混合物として得ることができる。特に、本発明によれば、P−モノマーの部分アミン塩において、アミンのアミノ基/P−モノマーの有するP−酸基の比率Rは、0.1≦R≦0.9の範囲であることが好ましい。
【0070】
しかし、本発明によれば、P−モノマーをすべて、アミン塩化し、このアミン塩化P−モノマーと、アミン塩化していないP−モノマーとを混合し、これをP−モノマーの部分アミン塩とすることもできる。従って、この場合には、アミン塩化したP−モノマーとアミン塩化していないP−モノマーにおいて、それぞれのP−モノマーは同じでもよく、異なっていてもよい。
【0071】
本発明によれば、かくして、プロトン伝導性膜は、好ましくは、P−モノマーの部分アミン塩と、必要に応じて、上述した多官能性P−モノマーや多官能性非P−モノマー、単官能性非P−モノマー等、P−モノマーやP−塩モノマーと共重合性を有するモノマーを基材多孔質膜に担持させ、熱重合や光重合等、従来より知られている適宜の方法によって、上記モノマーを重合させればよい。しかし、重合法としては、なかでも、光重合法が簡便で安全あり、しかも、短時間でP−ポリマーの部分アミン塩を得ることができる。また、光重合を行なった後、必要に応じて、残余のモノマーを重合させるために、より高温で更に光重合や熱重合を行なってもよい。
【0072】
上記光重合開始剤は、従来より知られているものを適宜に用いればよい。例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(チバガイギー社製イルガキュア369)、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパノン−1(チバガイギー社製イルガキュア907)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製イルガキュア184)、ベンジルジメチルケタール(チバガイギー社製イルガキュア651)等を用いることができる。300nm以上の波長の光を用いても重合が可能であるものが特に好ましい。このような光重合開始剤は、通常、P−モノマーの部分アミン塩を含むモノマー全体に対して0.01〜5重量%程度加えられる。
【0073】
P−モノマーの部分アミン塩や、必要に応じて、前記その他の共重合性モノマーや、光重合開始剤等を含む混合物を多孔質膜の空孔内に担持させるためには、例えば、この混合物に多孔質膜を浸漬したり、また、この混合物を基材多孔質膜に塗布すればよい。
【0074】
このように、P−モノマーの部分アミン塩やそれを含む混合物を多孔質膜に担持させるに際して、このP−モノマー部分アミン塩やそれを含む混合物の粘度を適宜に調整してもよい。即ち、粘度を高めるためにP−モノマーの部分アミン塩の一部を予備重合させたり、また、適宜のポリマーを少量、添加し、溶解させてもよい。反対に、粘度を下げるために、適当な溶剤を加えて、希釈してもよい。
【0075】
このようにして、多孔質膜にP−モノマーの部分アミン塩やこれを含む混合物を担持させた後、例えば、ポリエステル樹脂製離型フィルムで多孔質膜を挟み、この交換膜を酸素(従って、例えば、空気)から遮断して、高圧水銀ランプ等を用いてP−モノマーの部分アミン塩やその他の共重合性モノマーに光照射し、光重合させることによって、P−ポリマーの部分アミン塩を多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜を得ることができる。
【0076】
上記光重合に必要な光照射量は、系により異なるが、通常は、0.1〜5J/cm2 程度で十分である。光重合は、得られるP−ポリマーの部分アミン塩の分子量を高くするために、通常、室温付近で行なうが、しかし、重合率を高めるために、より高い温度で光重合を行なってもよい。また、最初は低温で、次いで、高温で光重合してもよい。
【0077】
また、別の方法として、本発明によるプロトン伝導性膜は、P−モノマーを多孔質膜の空孔内で前述したと同様にして重合させて、P−ポリマーを生成させ、次いで、このP−ポリマーにアミンを作用させて、そのP−酸基の一部をアミン化することによっても得ることができる。本発明によれば、この場合、アミンのアミノ基/P−ポリマーの有するP−酸基の比率Rが0<R<1となるように、アミンをP−ポリマーに作用させ、好ましくは、アミンのアミノ基/P−ポリマーの有するP−酸基の比率Rが0.1≦R≦0.9となるように、アミンをP−ポリマーに作用させる。
【0078】
このように、P−モノマーを多孔質膜の空孔内で重合させて、P−ポリマーを生成させる場合にも、P−モノマーの部分アミン塩を重合させる場合と同様に、多官能性P−モノマーや多官能性非P−モノマーを必要に応じて用いて、架橋構造を有するP−ポリマーを架橋させ、また、単官能性P−モノマーを用いて、それとの共重合体を生成させることができる。
【0079】
本発明によれば、P−モノマーの部分アミン塩又はP−モノマー、必要に応じて、これらに共重合性を有する前記その他のモノマーとのモノマー混合物を多孔質膜に含浸させる際、多孔質膜の空孔を上記モノマー混合物が充填する比率(充填率)が低いときは、上記モノマーの重合後も、基材多孔質膜は、通気性を有する多孔質構造を有しており、かくして、(必要な場合には、生成したP−ポリマーのP−酸基をアミン塩化して、)通気性を有するプロトン伝導性多孔質膜を得ることができる。他方、上記充填率が高いときは、上記モノマーの重合後、基材多孔質膜は、その空孔が実質的に閉塞されて、(必要な場合には、生成したP−ポリマーのP−酸基をアミン塩化して、)通気性のないプロトン伝導性無孔膜を得ることができる。一応の目安として、モノマーの充填率が80%以上であれば、基材多孔質膜の空孔が実質的に閉塞されてなる通気性のないプロトン伝導性無孔膜を得ることができる。
【0080】
本発明においては、P−モノマーの部分アミン塩やP−モノマー、これらに共重合性を有する上記その他のモノマーとのモノマー混合物は、基材多孔質膜の空孔を充填するのみならず、基材多孔質膜の少なくとも一方の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。この場合、上記モノマー混合物の充填率は100%を越える。このように、基材多孔質膜にモノマー混合物を100%を越える充填率で担持させ、これに光照射すれば、多孔質膜は、その空孔が生成するポリマーで充填されているのみならず、(必要な場合には、生成したP−ポリマーのP−酸基をアミン塩化して、)少なくとも一方の表面の少なくとも一部がそのポリマーで被覆されたプロトン伝導性膜を得ることができる。
【0081】
更に、本発明によれば、このようにして得られたプロトン伝導性膜の有する空孔の残余の空隙、即ち、このようにして得られたプロトン伝導性膜に残存する空隙を加熱、収縮させ、又は加熱、溶融させる等の適宜手段によって、プロトン伝導性膜に残存する上記空隙の少なくとも一部を閉塞して、プロトン伝導性フィルムとすることができ、特に、好ましくは、プロトン伝導性膜に残存する空隙をすべて閉塞して、通気性のないプロトン伝導性無孔フィルムを得ることができる。また、必要に応じて、プロトン伝導性膜に残存する空隙を一部閉塞して、通気性のあるプロトン伝導性有孔フィルムを得ることができる。
【0082】
このように、P−ポリマーの部分アミン塩を基材多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜やプロトン伝導性フィルムは、高いプロトン伝導性を有する。本発明によれば、多孔質膜へのP−モノマーの部分アミン塩やこれを含むモノマー混合物の充填率を高くして、多孔質膜の有する空孔へのP−ポリマーの部分アミン塩の充填率を高くするほど、高いプロトン伝導性を有する膜やフィルムを得ることができる。
【0083】
本発明によれば、このように、多孔質構造を有し、通気性を有するプロトン伝導性膜や、反対に、無孔構造のプロトン伝導性膜を得ることができ、また、多孔質構造を有し、通気性を有するプロトン伝導性フィルムや、反対に、無孔構造のプロトン伝導性フィルムを得ることができる。多孔質構造を有し、通気性を有するプロトン伝導性膜やフィルムは、例えば、選択透過性荷電膜等、その空隙を活かした用途に好ましく用いることができる。
【0084】
しかし、多孔質構造を有し、通気性を有するプロトン伝導性膜やフィルムは、燃料電池用セパレーターとして用いれば、ガスのクロスリークが起こりやすい等の問題がある。従って、このような用途には、上述したように、多孔質膜の空孔を実質的にすべてP−ポリマーの部分アミン塩で充填したプロトン伝導性無孔膜を用いたり、また、プロトン伝導性多孔質膜を前述したように加熱、溶融させる等の適宜の手段によって、プロトン伝導性膜に残存する空隙をすべて閉塞してなるプロトン伝導性無孔フィルムを用いることが好ましい。
【0085】
本発明によるプロトン伝導性膜やプロトン伝導性フィルムは、P−ポリマーの部分アミン塩からなるプロトン伝導性ポリマーを多孔質膜に複合化したものであり、好ましくは、P−モノマーの部分アミン塩を多孔質膜に含浸させ、この多孔質膜の空孔内で重合させて、P−ポリマーの部分アミン塩を生成させると共に、このP−ポリマーの部分アミン塩を上記多孔質膜の空孔内に担持させて、多孔質膜とP−ポリマーの部分アミン塩とを一体化したものである。
【0086】
従って、本発明によれば、基材多孔質膜とプロトン伝導性ポリマーとの複合化に由来して、種々の点ですぐれたプロトン伝導性膜又はフィルムを得ることができる。例えば、超高分子量ポリエチレン等からなる強靱な多孔質膜を基材として用いることによって、P−ポリマーの部分アミン塩に由来する高いプロトン伝導性に加えて、高い機械的強度とすぐれたハンドリング性を有するプロトン伝導性膜又はフィルムを得ることができる。
【0087】
特に、本発明に従って、P−モノマーの部分アミン塩を多孔質膜の空孔内に担持させ、重合させて、P−ポリマーの部分アミン塩を基材多孔質膜と一体化することによって、P−ポリマーの部分アミン塩のポリマー鎖を多孔質膜の網目に高度に絡みつかせることができ、更には、P−モノマーの部分アミン塩と共に多官能性P−モノマーや多官能性非P−モノマーを共重合させれば、架橋したP−ポリマーの部分アミン塩と多孔質膜を構成するポリマー鎖とが相互貫通したポリマーネットワークによって物理的な結合が生じ、かくして、プロトン伝導性ポリマーと多孔質膜との密着性を一層強めたプロトン伝導性膜やフィルムを得ることができる。
【0088】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。また、以下において、用いた多孔質膜の特性や、得られたプロトン伝導性膜又はフィルムの特性は、次のようにして評価した。
【0089】
(膜又はフィルムの厚み)
1/10000シックネスゲージで測定した。
(多孔質膜の空孔率)
多孔質膜の単位面積S(cm2 )あたりの重量W(g)、平均厚みt(μm)及び密度d(g/cm3 )から下式にて算出した。
【0090】
空孔率(%)=(1−(104 ・W/(S・t・d))×100
【0091】
(プロトン伝導度)
プロトン伝導性膜又はフィルムを温度25℃、相対湿度50%に調整した環境下に4時間放置した後、ヒューレットパッカード社LCRメーターHP4284Aを用いて、白金電極間に所定厚みの1cm角の試料を挟み、温度25℃、相対湿度50%の条件下で複素インピーダンス法にて測定し、虚数部の抵抗値ゼロに外挿したときの実数部の抵抗値を用いてプロトン伝導度を算出した。
【0092】
(基材多孔質膜の空孔へのP−ポリマーの部分アミン塩の体積充填率)
基材多孔質膜の体積V(cm3 )、基材多孔質膜の空孔率Φ(%)、P−ポリマーの部分アミン塩の重量M(g)及びP−ポリマーの部分アミン塩の密度d(g/cm3 )から下式にて算出した。
【0093】
充填率(%) =104 ・M/(V・Φ・d)
【0094】
(引張強度)
ダンベル型に打ち抜いた試験片(JIS K 7113、プラスチックの引張試験方法における1号形試験片に準拠)について、引張試験機((株)島津製作所製オートグラフAGS−50D)を用いて測定した。
【0095】
実施例1
(P−モノマーの部分アミン塩の調製)
2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート/ビス(メタクリロイルオキシエチル)ジホスフェート(65/35モル比)からなるP−モノマー(共栄社化学(株)製ライトエステルP−1M)70重量%とメトキシエチルアクリレート30重量%とからなるモノマー混合物100重量部に攪拌しながら、予め、計算した所要量のジエタノールアミンを徐々に加えて、ジエタノールアミンのアミノ基/P−モノマーのリン酸基の比率R=1/2のP−モノマーの部分アミン塩とメトキシエチルアクリレートとからなるモノマー混合物を得た。
【0096】
(プロトン伝導性膜の製造)
上記モノマー混合物100重量部にベンジルジメチルケタール(チバガイギー社製イルガキュア651)0.25重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製イルガキュア184)0.25重量部を溶解させた。
【0097】
これを希釈することなく、そのまま、重量平均分子量1.0×106 の超高分子量ポリエチレン樹脂からなる多孔質膜T1(膜厚25μm、空孔率40%、平均孔径0.10μm)の両面に塗布して、多孔質膜の空孔に含浸させた。
【0098】
このように処理した多孔質膜をポリエステル樹脂製離型フィルムで挟んで、多孔質膜を空気から遮断した後、高圧水銀ランプを備えた光照射装置(アイグラフィック(株)製UB021−1B−13)を用いて、上記多孔質膜にエネルギー1.5J/cm2 にて光照射して、その空孔内で上記モノマー混合物を光重合させ、P−ポリマーの部分アミン塩とメトキシエチルアクリレートとの共重合体を生成させると共に、これを上記多孔質膜の空孔内に担持させて、厚み40μmのプロトン伝導性膜F1を得た。このプロトン伝導性膜においては、多孔質膜の空孔は上記P−ポリマーの部分アミン塩とメトキシエチルアクリレートとの共重合体にて完全に充填されており、また、多孔質膜の両表面も、上記共重合体の層で被覆されていた。
【0099】
上記プロトン伝導性膜F1のプロトン伝導度は2.3×10-3S/cmであり、引張強度は75MPaであった。
【0100】
(燃料電池)
白金触媒を0.6mg/cm2 の割合で表面に担持させたカーボンペーパー2枚の間に上記プロトン伝導性膜F1を挟み、ホットプレスを用いて接合して、膜−電極接合体(MEA)を製作した。
【0101】
(株)東陽テクニカ製燃料電池評価装置を用いて、上記MEAの燃料電池特性を評価した。背圧弁は絞らず、圧力は常圧にて行なった。加湿器温度は水素側80℃、酸素側70℃とし、燃料電池セル温度は70℃とした。Tafel法にて電流−電圧(I−V)曲線を得たところ、結果を図1に示すように、プロトン交換膜として、ナフィオン(登録商標)117膜を用いた場合とほぼ同等の電流−電圧(I−V)曲線を得た。即ち、本発明によるプロトン伝導性膜は、ナフィオン117膜と同等の燃料電池特性を有する。
【0102】
実施例2
(P−モノマーの部分アミン塩の調製)
実施例1と同じ2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートとビス(メタクリロイルオキシエチル)ジホスフェートとからなるP−モノマー100重量部に攪拌しながら、予め、計算した所要量のイミダゾールの粉末を徐々に加えて、イミダゾールのアミノ基/P−モノマーのリン酸基の比率R=1/3のP−モノマーの部分アミン塩とした。
【0103】
(プロトン伝導性膜の製造)
上記P−モノマーの部分アミン塩100重量部にベンジルジメチルケタール(前記と同じ)0.25重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(前記と同じ)0.25重量部を溶解させた。
【0104】
実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン樹脂からなる多孔質膜T1をポリエステル樹脂製離型フィルム上に載せ、多孔質膜の露出表面に、上記P−モノマーの部分アミン塩を希釈することなく、そのまま、塗布し、バーでしごいて余剰のモノマーを多孔質膜の表面から除去して、多孔質膜の空孔中にのみ、上記P−モノマーの部分アミン塩を含浸させた。
【0105】
このように処理した多孔質膜の露出表面にもポリエステル樹脂製離型フィルムを被せて、多孔質膜を空気から遮断し、実施例1と同じ光照射装置を用いて、エネルギー1.5J/cm2 にて多孔質膜に光照射して、その空孔内で上記P−モノマーの部分アミン塩を光重合させ、P−ポリマーの部分アミン塩を生成させると共に、このP−ポリマーの部分アミン塩を上記空孔内に担持させて、厚み25μmのプロトン伝導性膜F2を得た。このプロトン伝導性膜においては、多孔質膜の空孔はポリマーにて完全に充填されていた。このプロトン伝導性膜F2のプロトン伝導度は1.2×10-3S/cmであった。
【0106】
実施例3
(P−モノマーの部分アミン塩の調製)
実施例1と同じ2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートとビス(メタクリロイルオキシエチル)ジホスフェートとからなるP−モノマー100重量部に攪拌しながら、予め、計算した所要量のアニリンを徐々に加えて、アニリンのアミノ基/P−モノマーのリン酸基の比率R=1/5のP−モノマーの部分アミン塩とした。
【0107】
(プロトン伝導性膜の製造)
上記P−モノマーの部分アミン塩100重量部にベンジルジメチルケタール(前記と同じ)0.25重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(前記と同じ)0.5重量部を溶解させ、これをP−モノマーの部分アミン塩濃度が30重量%となるようにメタノールにて希釈した。
希釈した。
【0108】
重量平均分子量2.4×106 の超高分子量ポリエチレン樹脂からなる多孔質膜T2(膜厚40μm、空孔率44%、平均孔径0.15μm)をポリエステル樹脂製離型フィルム上に載せ、この多孔質膜の露出表面に、上記P−モノマーの部分アミン塩混合物の希釈溶液を塗布し、バーでしごいて余剰のモノマーを多孔質膜の表面から除去して、風乾して、多孔質膜の空孔中にのみ、上記P−モノマーの部分アミン塩を含浸させた。
【0109】
このように処理した多孔質膜の露出表面にもポリエステル樹脂製離型フィルムを被せて、多孔質膜を空気から遮断し、実施例1と同じ光照射装置を用いて、エネルギー1.5J/cm2 にて多孔質膜に光照射して、その空孔内で上記モノマー混合物を光重合させ、P−ポリマーの部分アミン塩を生成させると共に、このP−ポリマーの部分アミン塩を上記空孔内に担持させて、厚み40μmのプロトン伝導性膜F3を得た。このプロトン伝導性膜においては、多孔質膜の空孔はP−ポリマーの部分アミン塩にて部分的に充填されていた。このプロトン伝導性膜F3のプロトン伝導度は8.5×10-5S/cmであった。
【0110】
比較例1
実施例1において、基材多孔質膜を用いることなく、ポリエステル樹脂製離型フィルム上に実施例1と同じP−モノマーの部分アミン塩を含むモノマー混合物を厚み40μmの層に塗布した。
【0111】
この塗布層の上にもポリエステル樹脂製離型フィルムを載せて、上記モノマー混合物の部分アミン塩の塗布層を空気から遮断し、実施例1と同じ光照射装置を用いて、エネルギー1.5J/cm2 にて光照射して、P−ポリマーの部分アミン塩とメトキシエチルアクリレートとの共重合体を生成させて、この共重合体のみからなる厚み40μmのプロトン伝導性膜R1を得た。このプロトン伝導性膜のプロトン電導度は2.6×10-3S/cmであり、また、引張強度は、9MPaであった。
【0112】
比較例2
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液(東ソー(株)製ポリナスPS−5)を強酸性カチオン交換樹脂を用いてイオン交換し、ナトリウム塩を遊離酸に変換し、これを濃縮した後、メタノールに溶解させて、20%濃度のポリスチレンスルホン酸のメタノール溶液を調製した。
【0113】
実施例3と同じ超高分子量ポリエチレン樹脂からなる多孔質膜T2をポリエステル樹脂製離型フィルムに載せ、その露出表面に上記ポリスチレンスルホン酸のメタノール溶液を塗布し、乾燥させて、厚み58μmのプロトン伝導性膜R2を得た。
【0114】
このプロトン伝導性膜においては、多孔質膜の空孔は上記ポリスチレンスルホン酸にて完全に充填されており、また、多孔質膜の上記ポリスチレンスルホン酸の塗布側の表面も、ポリスチレンスルホン酸の層で被覆されていた。このプロトン伝導性膜R2のプロトン伝導度は2.0×10-5S/cmであった。
【0115】
このプロトン伝導性膜を24時間水に浸漬したところ、ポリスチレンスルホン酸が一部、水中に溶出した結果、この水への浸漬後に再び温度25℃、相対湿度50%に調湿してプロトン伝導度を測定したところ、3.7×10-6S/cmであった。
【0116】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるプロトン伝導性膜は、側鎖のリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基の一部がアミン塩化されたP−ポリマーの部分アミン塩を多孔質膜の空孔内に担持させてなるものであり、高いプロトン伝導性を有するのみならず、高い強度を有し、更に、上記P−ポリマーの部分アミン塩は水不溶性である。
【0117】
特に、本発明に従って、P−モノマーの部分アミン塩を多孔質膜の空孔内で重合させて、P−ポリマーの部分アミン塩を生成させると共に、このP−ポリマーの部分アミン塩を上記多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜によれば、P−ポリマーの部分アミン塩と多孔質膜が一体化され、P−ポリマーの部分アミン塩は多孔質膜に対して高度の密着性を有する。しかも、本発明によるプロトン伝導性膜は、従来のスルホン酸基含有フッ素樹脂膜からなるプロトン伝導性膜に比べて格段に低廉に得ることができる。
【0118】
かくして、本発明によるプロトン伝導性膜は、燃料電池におけるイオン交換膜として好適に用いることができ、ここに、低廉であることから、燃料電池システムのコストを大幅に低減せしめて、その実用化を速めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明によるプロトン伝導性膜を用いて調製した膜−電極接合体(MEA)の燃料電池特性を示すTafel法による電流−電圧(I−V)曲線である。

Claims (20)

  1. 側鎖リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基が一部、アミン塩化されたポリマーを樹脂からなる20〜90%の範囲の空孔率を有する多孔質膜の空孔内に担持させてなることを特徴とするプロトン伝導性膜。
  2. 多孔質膜が超高分子量ポリオレフィン樹脂又はフッ素樹脂からなるものである請求項1に記載のプロトン伝導性膜。
  3. ポリマーが架橋構造を有する請求項1に記載のプロトン伝導性膜。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のプロトン伝導性膜の空孔の残余の空隙の少なくとも一部が加熱によって閉塞されてなるプロトン伝導性フィルム。
  5. 側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基がアミン塩化された単官能性モノマーとを樹脂からなる20〜90%の範囲の空孔率を有する多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖の上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基が一部、アミン塩化されたポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させることを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基がアミン塩化された単官能性モノマーと共に、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない単官能性モノマーを用いるプロトン伝導性膜の製造方法。
  7. 請求項5に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基がアミン塩化された単官能性モノマーと共に、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する多官能性モノマー及び/又はリン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない多官能性モノマーを用いて、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基が一部、アミン塩化されたポリマーに架橋構造を有せしめるプロトン伝導性膜の製造方法。
  8. 側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーを樹脂からなる20〜90%の範囲の空孔率を有する多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有するポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させ、更に、このポリマーの側鎖の上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を一部、アミン塩化することを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと共に、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない単官能性モノマーを用いるプロトン伝導性膜の製造方法。
  10. 請求項8に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと共に、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する多官能性モノマー及び/又はリン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない多官能性モノマーを用いて、ポリマーに架橋構造を有せしめるプロトン伝導性膜の製造方法。
  11. 多孔質膜が超高分子量ポリオレフィン樹脂又はフッ素樹脂からなるものである請求項5から10のいずれか記載のプロトン伝導性膜の製造方法。
  12. 側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基がアミン塩化された単官能性モノマーとを含むモノマー混合物を樹脂からなる20〜90%の範囲の空孔率を有する多孔質膜の空孔内で重合させて、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基が一部、アミン塩化されたポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させて、プロトン伝導性膜を得、次いで、このプロトン伝導性膜の空孔の残余の空隙の少なくとも一部を加熱によって閉塞することを特徴とするプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基がアミン塩化された単官能性モノマーと共に、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない単官能性モノマーを用いるプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  14. 請求項12に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有し、そのいずれかの基がアミン塩化された単官能性モノマーと共に、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する多官能性モノマー及び/又はリン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない多官能性モノマーを用いて、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基が一部、アミン塩化されたポリマーに架橋構造を有せしめるプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  15. 側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーを樹脂からなる20〜90%の範囲の空孔率を有する多孔質膜の空孔内で重合させて、側鎖に上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有するポリマーを生成させると共に、このポリマーを上記多孔質膜の空孔内に担持させ、更に、このポリマーの側鎖の上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を一部、アミン塩化して、プロトン伝導性膜を得、次いで、このプロトン伝導性膜の空孔の残余の空隙の少なくとも一部を加熱によって閉塞することを特徴とするプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと共に、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない単官能性モノマーを用いるプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  17. 請求項15に記載の方法において、側鎖にリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する単官能性モノマーと共に、上記リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基のいずれかの基を有する多官能性モノマー及び/又はリン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基のいずれをも有しない多官能性モノマーを用いて、ポリマーに架橋構造を有せしめるプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  18. 多孔質膜が超高分子量ポリオレフィン樹脂又はフッ素樹脂からなるものである請求項12から17のいずれかに記載のプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  19. 請求項1から3のいずれかに記載のプロトン伝導性膜をプロトン交換膜として用いてなる燃料電池。
  20. 請求項4に記載のプロトン伝導性フィルムをプロトン交換膜として用いてなる燃料電池。
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