JP4618707B2 - 電解質膜および固体高分子型燃料電池 - Google Patents

電解質膜および固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系の多孔性基材の細孔内に、プロトン伝導性ポリマーを充填してなる電解質膜に関し、特に固体高分子型燃料電池や、直接型メタノール固体高分子型燃料電池に有用である。
地球規模の環境に対する懸念が叫ばれるにつれて、いわゆる温暖化ガスやNOxの排出防止が強く望まれている。これらのガスの総排出量を削減するために、自動車用の燃料電池システムの実用化が非常に有効と考えられている。また、地球規模の情報ネットワークが非常に重要になってきている昨今、モバイル環境やユビキタス社会の実現に重要なエネルギーの確保のためにも燃料電池システムが待望されている。
特に、昨今、携帯電話、PDA、ゲーム機器など携帯機器やノート型パーソナルコンピュータなど、高い電池性能がますます要求されており、機器の能力に対応した燃料電池、電解質膜のコントロールが必要になってくるため、従来以上に制御された電解質膜の提供が望まれる。
固体高分子型燃料電池(PEFC、Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、低温動作、高出力密度、発電反応で水しか生成されないという優れた特徴を有している。なかでも、メタノール燃料のPEFCは、ガソリンと同様に液体燃料として供給が可能なため、電気自動車動力として、またポータブル機器用電力供給源として有望であると考えられている。
固体高分子型燃料電池は、改質器を用いてメタノールを水素主成分のガスに変換する改質型と、改質器を用いずにメタノールを直接使用する直接型(DMFC、Direct Methanol Polymer Fuel Cell)の二つのタイプに区分される。直接型燃料電池は、改質器が不要であるため、1)軽量化が可能である。また、2)頻繁な起動・停止に耐えうる、3)負荷変動応答性も大幅に改善できる、4)触媒被毒も問題にならないなどの大きな利点があり、その実用化が期待されている。
このような、DMFCの電解質膜(隔膜)には、通常、陽イオン交換膜が使用され、パーフルオロカーボンスルホン酸膜が主に使用されていた。しかし、この膜は、化学的安定性に優れているが、保水力が不十分であるため陽イオン交換膜の乾燥が生じてプロトンの伝導性が低下し易く、さらに物理的な強度も不十分であるために薄膜化による電気抵抗の低減が困難であった。更にパーフルオロカーボンスルホン酸膜は高価であった。
このため、固体高分子型燃料電池用隔膜として、重量平均分子量が50万以上の高分子量のポリオレフィン系多孔質膜の空孔中に陽イオン交換樹脂を充填してなる陽イオン交換膜が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、その製造方法として、上記多孔質膜に、陽イオン交換樹脂を溶剤に溶解させて含浸させ、その後、溶剤を除去させる方法や、陽イオン交換樹脂の単量体等を上記多孔質膜に含浸させ、その後、上記原料単量体の重合を行う方法などが開示されている。
しかしながら、この陽イオン交換膜は、母材が高分子量のポリオレフィンであるため、陽イオン交換樹脂が溶解する溶液やその原料単量体を上記多孔質膜に含浸させる際に、該多孔質膜が十分に膨潤せず、これらが膜の空孔内の細部まで充分に入り込まない問題があった。特に、陽イオン交換膜の溶液を含浸させる方法では、含浸後に溶剤が除去されるため、充填物の体積変化が生じてしまい、上記多孔質膜の空孔部細部への充填性はさらに低下していた。また、原料単量体を含浸させる方法でも、これらの単量体は多くの場合高粘度であるため、その空孔部細部まで密に充填させることは困難であった。
また、1)メタノール透過阻止性(メタノールが電解質を透過しないこと)、3)起動・終了によって膜への液湿潤・乾燥に伴う面積変化がないか又は少ないこと、及び4)プロトン伝導性の改善を目的として、ポリオレフィン類に二重結合を有するポリマーを添加して、延伸後に架橋させた多孔性基材を使用した電解質膜も知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、延伸を行った多孔性基材は、残留応力によって収縮応力が生じやすく、特に機械方向(MD)と交差方向(TD)の収縮応力比の値によっては、プロトン伝導性が低下する場合があることが判明した。
特開平1−22932号公報 国際公開WO03/075386A1号公報
そこで、本発明の目的は、収縮応力比を調製することによって、プロトン伝導性を改善することができる電解質膜、並びにそれを用いた固体高分子型燃料電池、および直接型メタノール固体高分子型燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、プロトン伝導性を改善する方法につついて鋭意検討した結果、多孔質基材として面方向の機械方向(MD)とクロス方向(TD)の比MD/TDが0.4〜2.5のものを使用することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電解質膜は、ポリオレフィン類から選ばれる少なくとも1種の第1ポリマー(ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーを除く)と、反応性基を有する第2ポリマーと、熱可塑性エラストマーとを含有する樹脂組成物が延伸後に架橋されてなり、機械方向(MD)と交差方向(TD)の収縮応力比MD/TDが0.4〜2.5である多孔性基材の細孔内に、プロトン伝導性を有する第3ポリマーを充填してあることを特徴とする。
本発明の電解質膜によると、多孔性基材の収縮応力比MD/TDが0.4〜2.5であるため、実施例の結果が示すように、プロトン伝導性を改善することができる。その理由の詳細は不明であるが、多孔膜構造内は微細多孔化されたフィブリル状の繊維構造であり、配向差による微細構造は必ずしも明確ではないが、配向応力の比率が大きい場合にはフィブリル状繊維方向が一方向側に偏りやすいため、イオンの流れ抵抗が大きくなりプロトン伝導性に影響するものと考えられる。
上記において、前記第2ポリマーが二重結合を有するものであることが好ましい。この場合、加熱による架橋反応を好適に行えるようになる。
また、前記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、およびポリエステル系の群からなる熱可塑性エラストマーの1種以上であることが好ましい。一般に熱可塑性エラストマーは、第1ポリマーのごとく高い結晶性を有さず柔軟性を有するため、空孔内部に電解質成分を重合充填する際の膨張、収縮などに対応して、膜構造を応力緩和させるため、より均一な電解質膜作製を行いやすくなる。
また、前記第1ポリマーが、重量平均分子量50万以上の超高分子量ポリエチレンを含むことが好ましい。この場合、得られる電解質膜の強度が向上でき、更に、架橋反応も好適に行うことができる。
前記第3ポリマーが、前記多孔性基材の細孔内表面に化学結合したものであることが好ましい。これによって、第3ポリマーの充填量を高めることができ、プロトン伝導性を更に改善することができる。
前記多孔性基材の細孔内に、プロトン伝導性を有する第4のポリマーをさらに充填してなることが好ましい。この場合、プロトン伝導性ポリマーの充填量を更に高めることができ、電解質膜のプロトン伝導性を更に改善することができる。
一方、本発明の固体高分子型燃料電池は、上記いずれかに記載の電解質膜を用いてなるものであり、本発明の直接型メタノール固体高分子型燃料電池は、上記いずれかに記載の電解質膜を用いてなるものである。このため、本発明の固体高分子型燃料電池や直接型メタノール固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性を改善することができ、出力密度を従来より高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明における多孔性基材は、ポリオレフィン類から選ばれる少なくとも1種の第1ポリマーと、反応性基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物が架橋されてなる。
第1のポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及び4−メチルペンテンなどのポリオレフィン類などを挙げることができる。またカルボニル基や酸無水物基などがグラフト重合されたポリオレフィン類などを用いてもよい。
これらのうち、第1のポリマーとして、ポリエチレン類が耐汚染性、耐腐食性、安価などの理由により好ましい。特に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどが好ましい。高密度ポリエチレン又は超高分子量ポリエチレンは、得られる多孔性基材の強度の点からより好ましい。
これらのなかでも、特に多孔質フィルムの強度を高くできる観点から、重量平均分子量50万以上の超高分子量ポリエチレンを用いることが好ましい。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
反応性官能基を有する第2ポリマーとしては、例えば、二重結合を有するポリマーや酸無水物基などがグラフトされたポリマー、エポキシ基を有するポリマーなどが挙げられる。
ポリマー内に二重結合を有する第2ポリマーとしては、例えば、ポリノルボルネンやエチレン−プロピしン−ターポリマー、ポリブタジエンのうち少なくとも1種の第2ポリマーとを有してなるのがよい。この第2ポリマーとして、ビシクロ[3.2.0]へプト−6−エン、ビシクロ[4.2.0]オクト−7−エン及びこれらの誘導体の開環重合物;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン(本明細書において、「ノルボルネン」ともいう)、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシメチルエステル等のノルボルネン誘導体;ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン及びこの誘導体の開環重合物;並びにジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン及びこれらの誘導体の開環重合物、エチレン−プロピレン−ターポリマー、ポリブタジエン、などを挙げることができる。前記エチレン−プロピレン−ターポリマーはエチレンとプロピレンおよびジエンモノマーとの三元共重合体からなり、その主鎖にそのジエンモノマー単位に由来する脂肪族環と二重結合とを有する。また該重合体は、その二重結合の一部を水素添加してもよい。前記エチレンとプロピレンおよびジエンモノマーとの三元共重合体中、ジエンモノマーとしてはジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ヘキサジエンなどがあげられる。
これらの中では脂肪族環骨格が好ましく、なかでも架橋反応性の点からエチリデンノルボルネンがより好ましい。これらのジエンモノマ−を用いてなる三元共重合体は単独でまたは2種以上を混合して用いた重合体であってもよい。前記エチレン−プロピレン−ターポリマーはポリオレフィン樹脂組成物として、複雑な分子鎖のからみあい構造をもつことが三次元架橋構造に望ましく、分子量が一定以上の高分子量となるエチレン−プロピレン−ターポリマーが好ましい。
この高分子量の目安としては、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50以上であるエチレン−プロピレン−ターポリマーが好ましい。50以上であれば、ポリオレフィン系樹脂との分散性の観点から好適に用いられる。
また、ポリブタジエンを用いる場合、該ポリブタジエンには、シス型1,4−ポリブタジエン、トランス型1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエンなどを挙げることができる。シス型1,4−ポリブタジエン骨格を多くするポリブタジエンが、屈曲性構造を取りやすい点、二重結合の反応が進行しやすい点で、好ましい。特に、シス型1,4−ポリブタジエン骨格の割合が30%以上有するポリブタジエンが好ましい。
グラフト化ポリマーとしては、例えば、グラフト重合されたポリオレフィン類−高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA等があげられるが、相溶性などの点から無水マレイン酸グラフトポリエチレンはより好ましく用いることができる。これらポリオレフィン系グラフトポリマーは、第1ポリマーとして併用してもよい。
第2ポリマーを用いる場合、該第2ポリマーの量は、第1ポリマーと第2ポリマーとの双方を合わせたものを100重量部とすると、1〜50重量部が好ましく、1〜40重量部がより好ましく、1〜35重量部が更に好ましい。
本発明における樹脂組成物には、熱可塑性エラストマーを更に含有するのが好ましい。一般に熱可塑性エラストマーは、第1ポリマーのごとく高い結晶性を有さず柔軟性を有するため、空孔内部に電解質成分を重合充填する際の膨張、収縮などに対応して膜構造を応力緩和させるため、より均一な電解質膜作製を行いやすい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、およびポリエステル系の群からなる熱可塑性エラストマーの1種以上が挙げられる。なかでも、熱可塑性エラストマーとしては、結晶層を含み、応力緩和温度が調製しやすいポリオレフィン系が特に好ましい。これらは、ポリオレフィンベースの変性した構造を含んでもよい。
前記熱可塑性ポリマーは示差走査熱量測定装置において明瞭なピークを示す結晶性を含むものであり、明瞭なピークを示さない非晶性のポリマーでは電解質膜作製時の処理温度によって熱変形する可能性があり、孔内で重合される前に収縮して空孔を生かせない可能性がある。このような熱可塑性エラストマーの軟化温度としては、示差走査熱量計などにより計測でき、そのピーク温度としては80〜150℃が好ましい。より好ましくは90〜140℃である。軟化温度が80℃未満であると、孔を形成している繊維構造が早い段階で変形しやすくなるため応力調整が難しくなる傾向があり、150℃を越えると、超高分子量ポリエチレンなどマトリックスを形成する樹脂成分の軟化温度と変わらなくなる。
このような熱可塑性エラストマーの含有量としては、多孔質基材の特性を損なわない範囲で自由に配合可能であるが、多孔質基材を形成する全ポリマー中、1〜35重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。熱可塑性エラストマーの含有量が、1重量%未満であると膜構造全体に作用しにくくなり、35重量%を越えると、軟化温度が低いために全体の耐熱性が低下する傾向がある。
なお、前記多孔性基材の樹脂組成物中には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、耐電防止剤、造核剤等の添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
次に、本発明における多孔性基材の製造方法について説明する。本発明における多孔性基材の製造には、熱誘起又は非溶媒誘起タイプの湿式成膜法、乾式製膜法など公知の方法を利用することができる。たとえば、湿式成膜法では前記樹脂組成物を溶媒と混合し、混練し押し出し後に冷却してシート状成形物とした後、圧延し、一軸方向以上に延伸し、溶媒を抽出除去することにより製造することができる。その後、架橋処理を行うことにより所望の架橋構造を有する多孔性基材を得ることができる。
溶媒としては、ポリオレフィン樹脂の溶解が可能なものであれば、特に限定されないが、凝固点が−10℃以下のものが好ましく用いられる。このような溶媒の好ましい具体例として、例えば、デカン、デカリン、流動パラフィン等の脂肪族または脂環式炭化水素、沸点がこれらに対応する鉱油留分などが上げられる。ポリオレフィンおよび溶媒の混合割合は、一概に決定できないが、樹脂濃度が5〜30重量%が好ましい。樹脂濃度がこれ以上の場合には混練不足になりポリマー鎖の十分な絡み合いを得にくくなる。
上記の架橋反応は、多孔性基材のみで行っても良いし、内部に第3ポリマーまたはモノマーを充填したのち、架橋反応せしめることにより基材膜と内部充填ポリマーの架橋一体化を行ってもよい。
本発明における多孔性基材は、機械方向(MD)と交差方向(TD)の収縮応力比MD/TDが0.4〜2.5であり、好ましくは0.5〜2.0である。MD/TDの収縮応力比が0.4未満または2.5を超えると、一方向への配向が強くなり、上述したようにプロトン伝導性への影響が大きくなる。
本発明におけるMDとTD方向の収縮応力比の制御方法については、圧延方式、二軸延伸方式などの方法で延伸を行う際に、配向比を制御する方法が挙げられる。圧延方式では、プレスやロール処理による方法などが挙げられる。また、二軸延伸方式では同時にMD、TD方向に延伸する同時二軸延伸法やMD、TD延伸を逐次で行う逐次延伸法などが挙げられる。
上記の延伸方法で得られた多孔性基材では、MD・TD方向に、通常、配向応力が残存する。これらは後処理として熱処理等を施すことにより減少するが、残留応力として、その多孔膜構造内にとどまる。このため、MD・TD方向の延伸倍率を調整したり、延伸後の熱処理等の方法によって、収縮応力比MD/TDを制御することができる。
多孔膜構造内は微細多孔化されたフィブリル状の繊維構造であり、配向差による微細構造は必ずしも明確ではないが、配向応力の比率が大きい場合にはフィブリル状繊維方向が一方向側に偏りやすいため、イオンの流れ抵抗が大きくなりプロトン伝導性に影響するものと考えられる。上記残留応力は加熱昇温時の収縮応力挙動で観察でき、その収縮応力比でMD/TDの配向比を見積もることができる。
以上のようにして得られる多孔性基材の厚みは1〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましい。その空孔率は、20〜80%が好ましく、25〜75%がより好ましい。その透過性としては、例えば、JIS P8117に準拠した通気度が、50〜1000秒/100ccが好ましく、100〜900秒/100ccがより好ましい。
本発明では、第3ポリマーを多孔性基材の細孔内に充填するが、その方法としては、例えば第3ポリマーまたは重合により第3ポリマーになるようなモノマーの溶液を細孔内に含浸して溶媒を除去する方法が一般的である。第4ポリマーについても同様である。これらのポリマーの充填量は、多孔性基材の空孔率にもよるが、多孔性基材の10〜200重量%が好ましく、20〜180重量%がより好ましい。
第3ポリマー又はそのモノマーは、イオン交換基を有するのがよい。なお、本明細書において、「イオン交換基」とは、例えば−SO3H基由来の−SO3 -など、プロトンを保持し且つ遊離、しやすい基のことをいう。これらが第3ポリマーにペンダント状に存在し、かつ該ポリマーが細孔内を満たすことにより、プロトン伝導性が生じる。したがって、第3ポリマーは、イオン交換基を有する第3のモノマー由来であるのがよい。
また、第3ポリマーの結合を強固にするために以下の処理を併用してもよい。例えば、プラズマ、紫外線、電子線、ガンマ線等で基材を励起させて、該基材の少なくとも細孔内表面に反応開始点を生成させて、該反応開始点に第3のモノマーを接触させることにより、第3ポリマーを得る方法である。また、シランカプラー等の化学的方法により、第3ポリマーを細孔内表面に結合させることもできる。
さらに、細孔中に第3モノマーを充填し、その内部で重合反応を行わせて第3ポリマーを得る一般的な重合法を用いた後に、得られた第3ポリマーを基材と、例えば上記シランカプラーなどを含むカップリング剤を用いて、化学結合させることもできる。
本発明の第3モノマーとして使用可能なモノマーは、好適にはアクリルスルホン酸ナトリウム(SAS)、メタリルスルホン酸ナトリウム(SMS)、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)、アクリル酸(AA)などが挙げられる。しかしながら、本発明に使用可能なモノマーは、上記に限定されるものではなく、アリルアミン、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルホスホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸、アクリルアミドのスルホン酸(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)またはホスホン酸誘導体、エチレンイミン、メタクリル酸など、構造中にビニル基およびスルホン酸、ホスホン酸などの強酸基、カルボキシル基などの弱酸基、1級、2級、3級、4級アミンのような強塩基、弱塩基を有するモノマーおよびそのエステルなどの誘導体であってもよい。なお、モノマーとしてナトリウム塩などの塩のタイプを用いた場合、ポリマーとした後に、それらの塩をプロトン型などにするのがよい。
また、これらのモノマーを1種のみ用いてホモポリマーを形成してもよく、2種以上用いてコポリマーを形成してもよい。即ち、第3ポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。電解質膜のプロトン伝導性は、使用する第3のモノマー及び/又は後述する第4のモノマーの種類に依存しても変化する。よって、高いプロトン伝導性を持つモノマー材料を用いることが望ましい。また、電解質のプロトン伝導性は、細孔内を満たすポリマーの重合度にも依存する。
第4ポリマーを用いる場合、第4ポリマーは、第3ポリマーと同じであっても異っていてもよい。即ち、第4ポリマーとなる第4のモノマーとして、上記で例示した第3ポリ、マーと後になる第3のモノマーから1種又は2種以上を選択したものを用いることができる。好適な第4モノマーとしては、第4モノマーとして上述したものが挙げられ、且つこれに加えてビニルスルホン酸を挙げることができる。なお、第4モノマーとして1種選択した場合、第4ポリマーはホモポリマーであり、第4モノマーとして2種以上を選択した場合、第4ポリマーはコポリマーとすることができる。
第4ポリマーを用いる場合、第4ポリマーは、第2または3ポリマーと化学結合及び/又は物理結合しているのが好ましい。例えば、第4ポリマーが全て第2または第3ポリマーと化学結合していてもよく、又は第4ポリマーが全て第2または第3ポリマーと物理結合していてもよい。また、第4ポリマーの一部が第2または第3ポリマーと化学結合しており、その他の第4ポリマーが第2または第3ポリマーと物理結合していてもよい。なお、化学結合として、第2または第3ポリマーと第4ポリマーとの結合が挙げられる。この結合は、例えば第2または第3ポリマーに反応性基を保持させておき、該反応性基と第4ポリマー及び/又は第4モノマーとが反応することなどにより、形成することができる。また、物理結合の状態として、例えば、第2または第3及び第4ポリマー同士が絡み合う状態が挙げられる。
なお、第4ポリマーを用いることにより、メタノールの透過(クロスオーバー)を抑制しつつ、かつ細孔内に充填したポリマー全体が細孔内から溶出又は流出することなく、かつプロトン伝導性を高めることができる。特に、第2または第3ポリマーと第4ポリマーとが化学結合及び/又は物理結合することにより、細孔内に充填したポリマー全体が細孔内から溶出又は流出することがない。また、第3ポリマーの重合度が低い場合であっても、第4ポリマー、特に重合度が高い第4ポリマーが存在することにより、得られる電解質膜のプロトン伝導性を高めることができる。
なお、加熱処理を用いて架橋反応(細孔表面への化学結合を含む)を行うには、一回で熱処理する一段式熱処理法、最初に低温で行いその後にさらに高温で行う多段熱処理法、又は昇温しながら行う昇温式熱処理法など、種々の方法を用いることができる。但し、基材に存在する充填ポリマーまたはモノマーの反応性など考慮して、本発明の基材膜および内部充填膜の諸特性を損なうことなく処理するのが望ましい。熱処理温度は、40〜140℃、好ましくは90〜140℃であるのがよい。処理時間は、0.5〜14時間程度であるのがよい。これらは充填される第3ポリマーまたはモノマーの性質によって適宜反応温度・時間を変えることにより、より最適化できる。
紫外線を用いて細孔表面への化学結合を行う場合、例えば微多孔フィルム、即ち本発明の基材中に第3ポリマーまたはモノマーなどを充填し、そのまま、又は重合開始剤を含むメタノール溶液などに含浸させ、溶媒乾燥後に、この基材を水銀ランプ等によって照射することにより、架橋あるいは重合処理を行うことができる。特に、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等の水素引き抜き型光重合開始剤を用いた場合には、光グラフト重合が優先して起こる。これらの光重合開始剤は、紫外光により励起され、カルボニル基がバイラジカル状態になり、酸素ラジカルサイトが周囲の疎水性プラスチックの炭化水素基から水素を引き抜き、水素を引き抜かれて生成した炭素ラジカルが、系中のビニルモノマーの二重結合に付加してグラフト重合が開始されるものと考えられている。このとき、基材膜中に多くの二重結合が残存していると、生長ラジカル端がこの二重結合に付加し、そこからまたモノマーへのラジカルの付加が起こり、こうしてプロトン交換基を有するポリマーが基材膜としっかり化学結合したグラフト膜が得られる。
電子線を用いて架橋処理(細孔表面への化学結合を含む)を行う場合、例えば微多孔フィルム、即ち本発明の基材中に第3ポリマーまたはモノマーなどを充填し、即ち本発明の基材を放射線線量0.1〜10Mrad照射することにより、架橋処理を行うことができる。照射時の雰囲気は、熱処理法と同様に空気雰囲気下であっても、架橋状態をコントロールする意味で、窒素ガス又はアルゴンガスなどの不活性ガスの雰囲気下であってもよい。
本発明の電解質膜は、燃料電池、特に直接型メタノール固体高分子燃料電池又は改質型メタノール固体高分子燃料電池を含むメタノール燃料電池に用いるのが好ましい。本発明の電解質膜は、直接型メタノール固体高分子燃料電池に用いるのが特に好ましい。
ここで、メタノール燃料電池の構成を、簡単に説明する。メタノール燃料電池は、カソード極、アノード極、及び該両極に挟まれた電解質を有してなる。メタノール燃料電池は、改質器をアノード電極側に有し、改質型メタノール燃料電池としてもよい。
カソード極は、従来より公知の構成とすることができ、例えば電解質側から順に触媒層及び該触媒層を支持する支持体層を有してなることができる。また、アノード電極も、従来より公知の構成とすることができ、例えば電解質側から順に触媒層及び該触媒層を支持する支持体層を有してなることができる。
以下に実施例および比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は次の通りである。
(軟化点)
熱可塑性エラストマーの住友化学製TPEをサンプルとして、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製EXSTAR6000)を用いて、昇温速度5℃/分で測定し、そのピーク温度を軟化温度とした。
(フィルム厚)
1/10000直読ダイヤル式膜厚測定器により測定した。
(空孔率)
1/10000 直読ダイヤル式膜厚測定器により測定した厚みを用い、フィルムの単位面積Sあたりの重さW、平均厚みt、密度dから下式により算出した値を使用した。
空孔率(%)=(1−(10W/S/t/d))×100
(収縮応力)
セイコー電子製EXSTAR6000を用いて、幅3mm×長さ20mmのMD方向に沿った短冊状多孔質膜サンプル片の両端をチャック間距離10mmでチャックに挟み込み、引張式プローブに装着した。チャック間の距離を10mmに固定保持しながら、昇温2℃/minで、昇温に伴うMD方向の収縮応力を計測した。次いで、同様にTD方向についても測定を行い、MD、TD方向における応力の極大値を求めて、MD/TDの比を算出した。
(プロトン伝導率測定)
膜を水(温度:25℃)中で膨潤させ、その後2枚の白金箔電極で膜のMD側両端を挟んでプロトン伝導性測定用試料を作製し、ヒューレット・パッカード社製HP4192Aによりインピーダンス測定を行った。TD方向についても同様にプロトン伝導性測定用試料を作製し、同装置にてインピーダンス測定を行った。MD、TD各方向のプロトン伝導率の相乗平均値を平均プロトン伝導率とした。
[調製例1]
ノルボルネンの開環重合体の粉末(日本ゼオン(株)社製、商品名:ノーソレックスNB、重量平均分子量(以下Mw):200万以上)3wt%及び、熱可塑性エラストマー(住友化学製TPE821、軟化点109℃)16重量%、超高分子量ポリエチレン(Mw:200万)81wt%からなる重合体組成物15重量部と、流動パラフィン85重量部とをスラリ−状に均一混合し、温度160℃で小型ニーダーを用いて約60分間溶解、混練した。得られた混練物を0℃に冷却したロール又は金属板に挟み込み、シート状に急冷しシート状樹脂を得た。
このシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、4mm/秒の速度で縦横4×4倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を85℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−2を得た。
[調製例2]
調製例1と同様にして得られたシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、4mm/秒の速度で縦4.21倍、横3.8倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を850℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−2を得た。
[調製例3]
調製例1と同様にして得られたシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、4mm/秒の速度で縦4.36倍、横3.67倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を85℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−3を得た。
[調製例4]
調製例1と同様にして得られたシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、4mm/秒の速度で縦4.63倍、5mm/秒の速度で横3.46倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を85℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−4を得た。
[調製例5]
調製例1と同様にして得られたシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、3mm/秒の速度で縦5.0倍、5mm/秒の速度で横3.2倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を85℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−5を得た。
[調製例6]
重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン81重量%、ポリノルボルネンゴム(日本ゼオン(株)製NORSOREX NB、重量平均分子量300万)3重量%、熱可塑性エラストマー(住友化学製TPE821、軟化点109℃)16重量%からなる重合体組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは金属板に挟み込み、10mmシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、115℃の温度でシート厚0.6mmになるまでヒートプレスし、さらに圧力を維持したまま室温まで冷却した。得られたプレスシートを120℃の温度で同時に縦横4×4倍に二軸延伸した。この延伸した同一のフィルム4枚を、塵芥や空気が入らないように重ね合わせて、ヘプタンを使用して脱溶脱溶媒処理を行った。その後、得られる積層多孔質基材を空気中にて85℃で2時間熱処理し、ついで114℃で2時間熱処理して、多孔質基材A−6を得た。
[調製例7]
調製例1と同様にして得られたシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、3mm/秒の速度で縦6.0倍、6mm/秒の速度で横2.67倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を85℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−7を得た。
[調製例8]
調製例1と同様にして得られたシート状樹脂を、温度115℃でシート厚が0.9〜0.8mmになるまでヒートプレスし且つ温度120℃で、3mm/秒の速度で縦5.86倍、6mm/秒の速度で横2.73倍に二軸延伸し、ヘプタンを用いて脱溶媒処理を行い、微多孔フィルム状基材を得た。得られた多孔膜基材を85℃2時間、ついで116℃2時間熱処理して架橋処理を行い、架橋多孔膜基材A−8を得た。
[実施例1]
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「ATBS」と略記する)99mol−%と架橋剤:メチレンビスアクリルアミド1mol%との混合モノマ−を水で50wt%まで希釈した水溶液を調製し、ATBS及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤V−50を1mol%添加した液を用意した。この液に膜基材A−1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱した。その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、大過剰の1N塩酸を用いてイオン交換した後、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜B−1を得た。この膜のMD、TD方向のプロトン伝導率を測定し、平均プロトン伝導率を得た。
[実施例2]
膜基材A−2を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−2を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
[実施例3]
膜基材A−3を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−3を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
[実施例4]
膜基材A−4を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−4を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
[実施例5]
膜基材A−5を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−5を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
[実施例6]
膜基材A−6を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−6を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
[比較例1]
膜基材A−7を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−7を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
[比較例2]
膜基材A−8を用いた以外は実施例1と同様にして膜B−8を得た。また実施例1と同様、平均プロトン伝導率を得た。
得られた、多孔膜基材A−1〜8の厚み、空孔率、MD/TD収縮応力比、MD・TD平均プロトン伝導率を表1に示す。表1に示されるように、収縮応力に基づく配向比が3倍以上では、実用的なプロトン伝導性0.04S/cm以上と比して、大きく低下することがわかる。また膜厚を厚くしても配向を1:1にすることにより良好なプロトン伝導性を示すことがわかる。
Figure 0004618707

Claims (8)

  1. ポリオレフィン類から選ばれる少なくとも1種の第1ポリマー(ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーを除く)と、反応性基を有する第2ポリマーと、熱可塑性エラストマーとを含有する樹脂組成物が延伸後に架橋されてなり、機械方向(MD)と交差方向(TD)の収縮応力比MD/TDが0.4〜2.5である多孔性基材の細孔内に、プロトン伝導性を有する第3ポリマーを充填してある電解質膜。
  2. 前記第2ポリマーが二重結合を有するものである請求項1記載の電解質膜。
  3. 前記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、およびポリエステル系の群からなる熱可塑性エラストマーの1種以上である請求項1又は2に記載の電解質膜。
  4. 前記第1ポリマーが、重量平均分子量50万以上の超高分子量ポリエチレンを含むものである請求項1〜3いずれかに記載の電解質膜。
  5. 前記第3ポリマーが、前記多孔性基材の細孔内表面に化学結合したものである請求項1〜4いずれかに記載の電解質膜。
  6. 前記多孔性基材の細孔内に、プロトン伝導性を有する第4のポリマーをさらに充填してなる請求項1〜5いずれかに記載の電解質膜。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の電解質膜を用いてなる固体高分子型燃料電池。
  8. 請求項1〜6いずれかに記載の電解質膜を用いてなる直接型メタノール固体高分子型燃料電池。
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