JP2006216531A - 電解質膜及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に、プロトン伝導性と水素ガス透過阻止性が高いため、燃料電池に使用すると高い最大出力が得られる電解質膜及びその製造方法、並びにそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供する。
【解決手段】スルホン酸基含有ビニルモノマーを含む溶液を多孔性基材に含浸させた後、これを重合する工程を含む電解質膜の製造方法において、前記スルホン酸基含有ビニルモノマーとして、純度90%以上のビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するとともに、前記溶液中のビニルスルホン酸及び/又はその塩の濃度を35重量%以上とすることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、多孔性基材の細孔内に、プロトン伝導性ポリマーを充填してなる電解質膜およびその製造方法、並びにそれを用いた固体高分子型燃料電池に関し、特に燃料としてメタノールや水素を用いる固体高分子型燃料電池に有用である。
地球規模の環境に対する懸念が叫ばれるにつれて、いわゆる温暖化ガスやNOxの排出防止が強く望まれている。これらのガスの総排出量を削減するために、自動車用の燃料電池システムの実用化が非常に有効と考えられている。また、地球規模の情報ネットワークが非常に重要になってきている昨今、モバイル環境やユビキタス社会の実現に重要なエネルギーの確保のためにも燃料電池システムが待望されている。
固体高分子型燃料電池(PEFC、Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、低温動作、高出力密度、発電反応で水しか生成されないという優れた特徴を有している。純水素によるPEFCは高い出力が得られるため、特に自動車用途に期待されており、水素ステーションなど水素エネルギー環境整備もすすめられつつある。また、メタノール燃料のPEFCは、ガソリンと同様に液体燃料として供給が可能なため、電気自動車用やポータブル機器用電力供給源として有望であると考えられている。
上記固体高分子型燃料電池は、純水素ガスを用いるタイプ以外に、改質器を用いてメタノールを水素主成分のガスに変換する改質型と、改質器を用いずにメタノールを直接使用する直接型(DMFC、Direct Methanol Polymer Fuel Cell)の二つのタイプが存在する。改質型では、改質器が必要となるが、出力が大きく適用機器の範囲が広い。一方、直接型は、改質器が不要であるため、軽量化が可能であり、触媒被毒も問題にならないなどの利点がある。
上記DMFCの電解質膜には、通常、陽イオン交換膜が使用され、Nafion(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜が主に使用されていた。しかし、この膜は化学的安定性に優れているが、メタノールが透過しやすく膨潤性が高いため、強度が弱く、電池耐久性に問題があった。また非常に高価であるため、実用的な側面から疑問視されていた。
このため、固体高分子型電解質として、重量平均分子量50万以上の高分子量のポリオレフィン系多孔質膜の空孔中に、陽イオン交換樹脂を充填してなる陽イオン交換膜が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、パーフルオロカーボンスルホン酸膜を補強するために、フッ素系多孔膜を芯材として用いる例が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、これら電解質のメタノール透過抑制能を改善し、出力特性を両立させた膜として、スルホン酸基含有ビニルモノマーと架橋剤との混合物を、架橋ポリオレフィン系の多孔性基材に含浸させた後、これを重合して得られた電解質膜が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この文献では、実施例において、スルホン酸基含有ビニルモノマーとして、主に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が使用されているが、プロトン伝導性が不十分であることが判明した。また、他の実施例における共重合モノマーとして、ビニルスルホン酸が少量(約20重量%)使用された例も開示されている。
しかし、一般的に市販されているビニルスルホン酸ナトリウムやビニルスルホン酸は、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムやヒドロキシエタンビニルスルホン酸などの不純物を含んでおり、ビニルスルホン酸の純度が75%以下となっていた。このため、ビニルスルホン酸を多孔性基材に含浸させた後、そのホモポリマー又は架橋体を重合しようとしても、重合が十分進行せず、プロトン伝導性ポリマーとして機能するものが得られなかった。
一方、パーフルオロカーボンスルホン酸を用いて、水素ガスの透過を抑制させた電解質膜が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この電解質膜では、Nafion(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜と水素ガス透過係数が同程度の値であるため、透過が十分抑制されているとはいえない。さらに電解質膜を用いて得られる燃料電池出力が600mW/cm程度であり、十分な電池特性が得られているとはいえない。
また、これら電解質膜における水素ガス透過抑制能を改善し、プロトン伝導性を両立させた膜として、多孔性基材に芳香族系ポリマーを充填した後、スルホン化を行った電解質膜の例が開示されている(例えば、特許文献5〜6参照)。しかし、水素ガス透過係数がパーフルオロカーボンスルホン酸膜に比べてせいぜい2/3〜1/2までしか低減されておらず、十分に水素ガスの透過を抑制できているとはいえない。
以上のように、PEFCの電解質として、1)水素およびメタノールなどの透過阻止性(水素やメタノールが電解質を透過しないこと)、2)耐久性や耐熱性、3)起動・終了によって膜への液湿潤・乾燥に伴う面積変化がないか又は少ないこと、4)プロトン伝導性、5)化学的耐性などを有することが求められているが、これらの要件を十分に満たす電解質膜を製造するには至っていない。
特開平1−22932号公報 米国特許公開005635041A号公報 特開2004−146279号公報 特開平06−342665号公報 特開2001−135328号公報 特開平11−310649号公報
そこで、本発明の目的は、特に、プロトン伝導性と水素ガス透過阻止性が高いため、燃料電池に使用すると高い最大出力が得られる電解質膜及びその製造方法、並びにそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、塩上記目的を達成すべく、多孔質基材の細孔内でビニルスルホン酸及び/又はその塩を効率良く重合する方法について鋭意研究したところ、高純度に精製した高濃度のビニルスルホン酸溶液を使用することで、高いプロトン伝導性と、良好な水素ガス透過阻止性とを有するポリマーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電解質膜の製造方法は、スルホン酸基含有ビニルモノマーを含む溶液を多孔性基材に含浸させた後、これを重合する工程を含む電解質膜の製造方法において、前記スルホン酸基含有ビニルモノマーとして、純度90%以上のビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するとともに、前記溶液中のビニルスルホン酸及び/又はその塩の濃度を35重量%以上とすることを特徴とする。本発明において、「スルホン酸基」とは、−S0H基(スルホ基)と−SO とを含む意味である。
本発明の電解質膜の製造方法によると、実施例の結果が示すように、ビニルスルホン酸が重合した主鎖を含むポリマーが得られ、プロトン伝導性が高く、燃料としてメタノールや水素を用いる燃料電池において高い出力が得られる電解質膜が得られる。その理由の詳細は明らかではないが、次のように推測される。ビニルスルホン酸が重合した主鎖を含むポリマーでは、スルホン酸基が直鎖状に高密度に配列しやいため、プロトン伝導性を高められること、主鎖のパッキングが起こりやすく、より固い重合体となるため、分子鎖間の膨潤変化が起きにくいことなどがあげられる。これによって、水素ガス透過阻止性も良好になると考えられる。
上記において、前記溶液は、前記スルホン酸基含有ビニルモノマー100モルに対して、1〜30モルの比率で架橋剤を含有することが好ましい。この比率で架橋剤を含むことにより、プロトン伝導性ポリマーの膨潤性や溶解性を抑制し、耐熱性を向上させることができる。
また、前記重合に先立って、前記溶液が含浸した多孔性基材から減圧操作により脱気を行う工程を含むことが好ましい。これによって、プロトン伝導性ポリマーの充填率や充填量を高めることができるので、プロトン伝導性と水素ガス透過阻止性をより高めることができる。
その際、前記多孔性基材は、重量平均分子量50万以上のポリオレフィンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋してなることが好ましい。このような多孔性基材を用いることで、水素ガス透過阻止性をより確実に高めることができる。
一方、本発明の電解質膜は、構成成分であるスルホン酸基含有ビニルモノマー中にビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するプロトン伝導性ポリマーが、多孔性基材の細孔内に充填されていることを特徴とする。本発明の電解質膜によると、上記の如き理由から、特にプロトン伝導性が高く、水素ガス透過阻止性も良好なため、燃料としてメタノールや水素を用いる燃料電池において高い出力が得られる電解質膜となる。
上記において、前記プロトン伝導性ポリマーが、ビニルスルホン酸及び/又はその塩と架橋剤とを構成成分とすると共に、ビニルスルホン酸及び/又はその塩100モルに対して、1〜30モルの比率で架橋剤を含有することが好ましい。この場合、主鎖がビニルスルホン酸及び/又はその塩のみが重合したものとなるため、プロトン伝導性をより高めることができる。また、この比率で架橋剤を含むことにより、プロトン伝導性ポリマーの膨潤性や溶解性を抑制し、耐熱性を向上させることができる。
また、前記多孔性基材は、重量平均分子量50万以上のポリオレフィンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋してなると共に、30℃での水素ガスの透過係数が3.0×10−9[cm(STP)・cm/(s・cm・cmHg)]以下であることが好ましい。本発明における各種物性値は、具体的には実施例に記載の測定方法で測定される値である。
その際、前記多孔性基材100重量部に対して、前記プロトン伝導性ポリマーが80重量部以上充填されていることが好ましい。これによって、充填密度が高まるため、プロトン伝導性と水素ガス透過阻止性とをより向上させることができる。
一方、本発明の固体高分子型燃料電池は、上記いずれかに記載の電解質膜を用いてなるものである。本発明の固体高分子型燃料電池によると、電解質膜のプロトン伝導性が高いため、メタノールや水素を燃料として用いる際に、高い出力が得られるようになる。本発明の固体高分子型燃料電池は、水素ガス透過阻止性も高いため、携帯機器用途に期待されるメタノール燃料型固体高分子型燃料電池の用途以外に、水素を燃料として用いる固体高分子型燃料電池にも有用である。
本発明の電解質膜の製造方法は、スルホン酸基含有ビニルモノマーを含む溶液を多孔性基材に含浸させた後、これを重合する工程を含むものである。
多孔性基材としては、例えばポリオレフィン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PSF(ポリスルホン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PPES(ポリフェニルスルホン)、PTFE、セルロース系樹脂、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリイミドなどの多孔質フィルムが挙げられる。
多孔性基材の製膜方法は、非溶媒誘起型湿式相分離法、熱誘起型湿式相分離法、乾式相分離法、開孔延伸法、溶剤抽出法など何れでもよい。なかでも、ポリオレフィン系樹脂及びその溶媒を含む樹脂組成物を溶融混練し、得られた溶融混練物を冷却してシート状物を得た後、これを一軸方向以上に延伸する工程とを含む製造方法によって得られた、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムを使用するのが好ましい。以下、この多孔質フィルムを例にとって説明する。
この多孔質フィルムは、1)ポリオレフィン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1ポリマーと、2)そのポリマー内に反応性の官能基を有する第2ポリマーを有してなるのがよい。特に、前記多孔性基材は、重量平均分子量50万以上のポリオレフィンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋してなることが好ましい。
第1ポリマーとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及び4‐メチルペンテンなどのポリオレフィン類などを挙げることができる。またカルボニル基や酸無水物基などがグラフト重合されたポリオレフィン類などを用いてもよい。また、第1ポリマーとして、結晶相を含み、応力緩和温度が調整しやすいポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。これらは、ポリオレフィンベースの変性した構造を含んでもよい。
これらのうち、第1のポリマーとして、ポリエチレン類が耐汚染性、耐腐食性、安価などの理由により好ましい。特に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどが好ましい。高密度ポリエチレン又は超高分子量ポリエチレンは、得られる多孔性基材の強度の点からより好ましい。
これらのなかでも、特に多孔質フィルムの強度を高くできる観点から、重量平均分子量50万以上の超高分子量ポリエチレンを用いることが好ましい。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、本発明の多孔性基材は、そのポリマー内に反応性の官能基を有する第2ポリマーを有してなるのがよい。反応性官能基を有する第2ポリマーとしては、例えば、二重結合を有するポリマーや酸無水物基などがグラフトされたポリマー、エポキシ基を有するポリマーなどが挙げられる。
ポリマー内に二重結合を有する第2ポリマーとしては、例えば、ポリノルボルネンやエチレン−プロピレン−ターポリマー、ポリブタジエンのうち少なくとも1種の第2ポリマーとを有してなるのがよい。この第2ポリマーとして、ビシクロ[3.2.0]へプト−6−エン、ビシクロ[4.2.0]オクト−7−エン及びこれらの誘導体の開環重合物;ビシクロ[2.2.1]へプト‐5‐エン(本明細書において、「ノルボルネン」ともいう)、ビシクロ[2.2.1]へプト‐5‐エン‐2,3‐ジカルボキシメチルエステル等のノルボルネン誘導体;ビシクロ[2.2.2]オクト‐2‐エン及びこの誘導体の開環重合物;並びにジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン及びこれらの誘導体の開環重合物、エチレン−プロピレン−ターポリマー、ポリブタジエン、などを挙げることができる。前記エチレン−プロピレン−ターポリマーはエチレンとプロピレンおよびジエンモノマーとの三元共重合体からなり、その主鎖にそのジエンモノマー単位に由来する脂肪族環と二重結合とを有する。また該重合体は、その二重結合の一部を水素添加してもよい。前記エチレンとプロピレンおよびジエンモノマーとの三元共重合体中、ジエンモノマーとしてはジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ヘキサジエンなどがあげられる。
これらの中では脂肪族環骨格が好ましく、なかでも架橋反応性の点からエチリデンノルボルネンがより好ましい。これらのジエンモノマーを用いてなる三元共重合体は単独でまたは2種以上を混合して用いた重合体であってもよい。
前記エチレン−プロピレン−ターポリマーはポリオレフィン樹脂組成物として、複雑な分子鎖のからみあい構造をもつことが三次元架橋構造に望ましく、分子量が一定以上の高分子量となるエチレン−プロピレンレン−ターポリマーが好ましい。
この高分子量の目安としては、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50以上であるエチレン−プロピレン−ターポリマーが好ましい。50以上であれば、ポリオレフィン系樹脂との分散性の観点から好適に用いられる。
また、ポリブタジエンを用いる場合、該ポリブタジエンには、シス型1,4‐ポリブタジエン、トランス型1,4‐ポリブタジエン、1,2‐ポリブタジエンなどを挙げることができる。シス型1,4‐ポリブタジエン骨格を多くするポリブタジエンが、屈曲性構造を取りやすい点、二重結合の反応が進行しやすい点で、好ましい。特に、シス型1,4‐ポリブタジエン骨格の割合が30%以上有するポリブタジエンが好ましい。
グラフト化ポリマーとしては、例えば、グラフト重合されたポリオレフィン類、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA等があげられるが、相溶性などの点から無水マレイン酸グラフトポリエチレンがより好ましく用いることができる。これらポリオレフィン系グラフトポリマーは、第1ポリマーとして併用してもよい。第2ポリマーを用いる場合、該第2ポリマーの量は、第1ポリマーと第2ポリマーとの双方を合わせたものを100重量部とすると、1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは1〜35重量部であるのがよい。
なお、前記多孔性基材の樹脂組成物中には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、耐電防止剤、造核剤等の添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
上記の多孔質フィルムの製造に用いる溶媒としては、ポリオレフィン樹脂の溶解が可能なものであれば、特に限定されないが、凝固点が−10℃以下のものが好ましく用いられる。このような溶媒の好ましい具体例として、例えば、デカン、デカリン、流動パラフィン等の脂肪族または脂環式炭化水素、沸点がこれらに対応する鉱油留分などが挙げられる。ポリオレフィンおよび溶媒の混合割合は、一概に決定できないが、樹脂濃度5〜30重量%が好ましい。樹脂濃度がこれ以上の場合には混練不足になりポリマー鎖の十分な絡み合いを得にくくなる。
本発明に用いられる多孔性基材の空孔率は、10〜70%が好ましく、15〜65%がより好ましく、15%〜60%が特に好ましい。また、多孔性基材の厚さは100μm以下が好ましく、1〜80μmがより好ましく、5〜70μmが特に好ましい。
本発明の製造方法は、以上のような多孔性基材に、スルホン酸基含有ビニルモノマーを含む溶液を含浸させた後、これを重合する工程を含むものである。その際、重合に先立って、前記溶液が含浸した多孔性基材から減圧操作により脱気を行う工程を含むことが好ましい。
このような多孔性基材に、スルホン酸基含有ビニルモノマーを含む溶液を含浸させる方法としては、浸漬法、スプレーコート、ブレードコートなどの各種塗布方法で行うことができる。前記モノマーの水溶液を用いる場合、これに先立って、多孔性基材を親水化処理することが好ましい。多孔性基材の親水化処理は、アニオン系などの界面活性剤の水溶液を用いて行うことができる。
減圧操作は、例えば多孔性基材を溶液中に浸漬した状態で容器ごと減圧する方法や、溶液が含浸した多孔性基材を取り出して減圧する方法などで行うことができる。減圧を常温で行う場合、沸点が90℃以上の溶液を使用するのが好ましい。
更に、以下の方法によって、スルホン酸基含有ビニルモノマー等の重合が行われる。本発明では、前記の含浸、脱気、及び重合の工程を2回以上繰り返し実施してもよく、その場合、これらの工程を、多孔性基材100重量部に対して、プロトン伝導性ポリマーが80重量部以上充填されるまで繰り返すことが好ましい。
モノマーを重合させる際、前記多孔性基材の脱溶媒処理後の反応性基を残した状態で重合を行ってもよく、または第2ポリマーの架橋反応を完全に行った後、架橋及び重合反応を行うことも可能である。反応性基を残した状態でモノマーを架橋あるいは重合反応せしめる場合には、多孔性基材と内部充填されるプロトン伝導性ポリマー(以下、「第3ポリマー」という)が化学結合した電解質膜が製造できる。
第1、第2、および第3ポリマーは、その一部又はその全てが架橋されている方が、耐熱性、膜強度の面で好ましい。なお、架橋は、第3ポリマーまたはそのモノマーにも依存するが、熱、紫外線及び電子線よりなる群から選ばれる1種以上を用いることができる。
なお、熱を用いて架橋処理を行う場合、一回で熱処理する一段式熱処理法、最初に低温で行いその後にさらに高温で行う多段熱処理法、又は昇温しながら行う昇温式熱処理法など、種々の方法を用いることができる。但し、基材に存在する第3ポリマーまたはモノマーの反応性など考慮して、本発明の基材膜および内部充填膜の諸特性を損なうことなく処理するのが望ましい。熱処理温度は、40〜140℃、好ましくは90〜140℃であるのがよい。処理時間は、0.5〜14時間程度であるのがよい。これらは充頃される第3ポリマーまたはモノマーの性質によって適宜反応温度・時間を変えることにより、より最適化できる。
紫外線を用いて架橋処理を行う場合、例えば多孔質フィルム、即ち本発明の基材中にスルホン酸基含有ビニルモノマーなどを充填し、そのまま、又は重合開始剤を含むメタノール溶液などに含浸させ、溶媒乾燥後に、この基材を水銀ランプ等によって照射することにより、架橋あるいは重合処理を行うことができる。
電子線を用いて架橋処理を行う場合、例えば多孔性基材中に第3ポリマーまたはモノマーなどを充填し、即ち本発明の基材を放射線線量0.1〜10Mrad照射することにより、架橋処理を行うことができる。照射時の雰囲気は、熱処理法と同様に空気雰囲気下であっても、架橋状態をコントロールする意味で、窒素ガス又はアルゴンガスなどの不活性ガスの雰囲気下であってもよい。
本発明では、前記溶液に含まれるスルホン酸基含有ビニルモノマーとして、純度90%以上のビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するとともに、前記溶液中のビニルスルホン酸及び/又はその塩の濃度を35重量%以上とすることを特徴とする。
従って、第3ポリマーは、構成成分として、ビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するものとなる。このため−S0H基由来の−SO−など、プロトンを保持し且つ遊離しやすい基が、第3ポリマーにペンダント状に存在し、かつ該ポリマーが細孔内を満たすことにより、プロトン伝導性が生じる。
ビニルスルホン酸の塩としては、ビニルスルホン酸ナトリウムが好ましい。モノマーとしてナトリウム塩などの塩のタイプを用いた場合、ポリマーとした後に、それらの塩をプロトン型などにするのがよい。
本発明では、その他のモノマー成分を20モル%未満で含んでいてもよく、このようなモノマー成分としては、アリルスルホン酸ナトリウム(SAS)、メタリルスルホン酸ナトリウム(SMS)、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)、アクリル酸(AA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが好ましい。
本発明では、高純度のビニルスルホン酸及び/又はその塩を高濃度の溶液で含浸させることにより、これまで重合困難であった単独重合または架橋剤を加えての架橋重合が促進され、緻密な重合体が得られる。このビニルスルホン酸を含有する電解質濃度中、ビニルスルホン酸の溶液中濃度は35重量%以上であり、50〜90重量%が好ましく、70〜90重量%がより好ましい。溶液濃度が低すぎると、重合が不十分になると共に、多孔性基材への充填が不十分となり電解質膜の均一性に劣る。
また、用いるビニルスルホン酸は高純度であることが好ましく、単独重合または架橋剤を加えての架橋・重合が促進され、緻密な重合体が得られやすい。このビニルスルホン酸の純度は90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上である。
ビニルスルホン酸を主鎖とする重合体が好ましい理由は必ずしも明らかではないが、スルホン酸基が直鎖状に高密度に配列しやすく、プロトン伝導性を高められること、主鎖のパッキングが起こりやすく、より固い重合体となるため、分子鎖間の膨潤変化が起きにくいことなどがあげられる。
本発明では、スルホン酸基含有ビニルモノマー、好ましくは、ビニルスルホン酸及び/又はその塩のみ用いてホモポリマーを形成してもよいが、架橋構造を有することにより、燃料電池に用いられる際に浸透される水、メタノールなどに対して不溶性の架橋ポリマーとすることが望ましい。
第3ポリマーに架橋構造を導入する方法としては特に限定されないで、公知の方法を用いることができる。例えば2個以上の二重結合を有する重合性の架橋剤を用いて重合反応を行う方法、また重合時に水素の引き抜きによる自己架橋を行う方法などあるが、2個以上の二重結合を有する重合性の架橋剤を用いて重合反応を行う方がより容易で好ましい。
前記モノマーを架橋反応せしめる架橋剤としては、例えばN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、オリゴエチレンオキシドジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、トリアリルアミンなどがあげられる。これらの架橋剤は単独使用することも、必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
上記架橋剤の使用量は、前記スルホン酸基含有ビニルモノマー100モルに対して、1〜30モルの比率が好ましく、2〜25モルの比率がより好ましく、3〜20モルの比率が特に好ましい。架橋剤の使用量は少なすぎると、未架橋のポリマーが溶出し易く、多すぎると架橋剤成分が相溶しにくく均一な架橋重合体が得られない傾向がある。
一方、本発明の電解質膜は、以上のような本発明の製造方法によって、好適に得られるものであり、構成成分であるスルホン酸基含有ビニルモノマー中にビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するプロトン伝導性ポリマー(第3ポリマー)が、多孔性基材の細孔内に充填されているものである。
本発明の電解質膜は、前記プロトン伝導性ポリマーが、ビニルスルホン酸及び/又はその塩と架橋剤とを構成成分とすると共に、ビニルスルホン酸及び/又はその塩100モルに対して、1〜30モルの比率で架橋剤を含有することが好ましい。また、前記プロトン伝導性ポリマーは、前記多孔性基材の細孔内表面に化学結合されていることが好ましい。
上記架橋剤の使用量は、充填用モノマー溶液中の架橋剤濃度が5〜40重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましい。架橋剤量は少なすぎると未架橋のポリマーが溶出し易く、多すぎると架橋剤成分が相溶しにくく均一な架橋重合体が得られ難い傾向がある。
本発明の電解質膜は、前記多孔性基材が、重量平均分子量50万以上のポリオレフィンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋してなると共に、30℃での水素ガスの透過係数が3.0×10−9[cm(STP)・cm/(s・cm・cmHg)]以下であることが好ましい。水素ガスの透過係数は2.0×10−9[cm(STP)・cm/(s・cm・cmHg)]以下であることがより好ましい。
また、本発明では、多孔性基材に電解質を充填して重合した際に、元の多孔性基材100重量部に対して、第3ポリマーが80重量部以上充填されていることが好ましく、100重量部以上充填されていることがより好ましい。この重量増加率は多孔性基材の細孔内への電解質の充填の度合いを示すものであり、これが低すぎると、電解質に含まれるイオン交換基の密度が低くなってしまい、十分なプロトン伝導性が得られない。また、多孔性基材の細孔内に空隙が残されてしまい、水素ガスの透過が容易になってしまうため、水素ガスの透過を十分に抑制できなくなってしまう。また、空隙を十分に埋める量よりも多くの電解質を充填した場合、多孔性基材は電解質の膨潤しようとする力により厚み方向に引き伸ばされ、多孔性基材を構成する樹脂が配向して高弾性率となるため、電解質の膨潤を多孔性基材の樹脂により抑制する効果が得られる。そのため、高い重量増加率であるほど水素ガスの透過阻止性が高くなる。
本発明の電解質膜は、固体高分子燃料電池、すなわち、直接型メタノール固体高分子燃料電池又は改質型メタノール固体高分子燃料電池を含むメタノール燃料電池や水素ガスを用いた、純水素ガス型燃料電池に用いるのが好ましい。
ここで、固体高分子燃料電池の構成を、簡単に説明する。固体高分子燃料電池は、カソード極、アノード極、及び該両極に挟まれた電解質を有してなる。燃料電池は、改質器をアノード電極側に有し、改質型メタノール燃料電池としてもよい。
カソード極は、従来より公知の構成とすることができ、例えば電解質側から順に触媒層及び該触媒層を支持する支持体層を有してなることができる。また、アノード電極も、従来より公知の構成とすることができ、例えば電解質側から順に触媒層及び該触媒層を支持する支持体層を有してなることができる。
以下に実施例および比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は次の通りである。
(重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)装置を用いて、カラム温度140℃、溶離液o−ジクロロベンゼンの条件で分子量分布を測定した。
(フィルム厚)
1/10000 直読ダイヤル式膜厚測定器により測定した。
(空孔率)
1/10000 直読ダイヤル式膜厚測定器により測定した厚みを用い、フィルムの単位面積Sあたりの重さW、平均厚みt、密度dから下式Aにより算出した値を使用した。
[空孔率(%)]=(1−(10×W/S/t/d))×100 式A
(プロトン伝導率測定)
膜を水(温度:25℃)中で膨潤させ、その後2枚の白金箔電極で膜を挟んでプロトン伝導性測定用試料を作製し、ヒューレット・パッカード社製HP4192Aによりインピーダンス測定を行った。測定周波数範囲は10kHz〜1MHzとした。得られたインピーダンスの実数部分を横軸に、虚数部分を縦軸にしてプロットし、極小値の実数部分の値を膜抵抗R(Ω)とした。膨潤させたときの膜の厚みをd(μm)とすると、プロトン伝導率σ(S/cm)は式Bから求めることができる。
σ=10−4×d/R 式B
(MEA作製)
酸素極用に白金担持カーボン(田中貴金属工業(株)製:TEC10E50E)、および燃料極用に白金ルテニウム合金担持カーボン(田中貴金属工業(株)製:TEC61E54)をそれぞれ用い、これらの触媒粉末に高分子電解質溶液(デュポン社製:ナフィオン5%溶液)とポリテトラフルオロエチレンディスパージョンを配合し、水を適宜加えて撹拌して反応層用塗料を得た。これをスクリーン印刷法でカーボンペーパー(東レ(株)製:TGP−H−060)の片面に印刷し乾燥して電極とした。その際、酸素極側は白金量が1mg/cm、燃料極側は白金とルテニウムの総量が3mg/cmとした。これらを電解質膜の中央部に塗料面を内側にして重ね合せ、130℃で加熱プレスし燃料電池用膜電極接合体(MEA)を作製した。これを燃料電池単セルに組み込んで各種条件で運転し、性能を確認した。
(純水素ガスを用いた燃料電池試験)
実施例および比較例で得られた電解質膜を用いて作製したMEAを、純水素形燃料電池単セルに組み込んだ際の運転条件は次のとおりである。燃料を水素ガス、酸化剤を純酸素とした。セル温度は50℃とした。電子負荷器により0.1A/cmの電量密度で運転を行い、電圧および出力特性を測定した。
(メタノールを用いた燃料電池試験)
実施例および比較例で得られた電解質膜を用いて作製したMEAを、直接メタノール形燃料電池単セルに組み込んだ際の運転条件は次のとおりである。燃料を2mol%メタノール水溶液、酸化剤を純酸素とした。セル温度は70℃とした。電子負荷器により0.1A/cmの電量密度で運転を行い電圧および出力特性を測定した。
(重量増加率)
充填時の重量増加率αは、電解質を充填する前の多孔性基材の乾燥重量をma充填後の乾燥重量をmbとしたとき、次式Cにより算出した。
α=(mb−ma)/ma×100 式C
(水素ガス透過性試験)
水素ガスの透過速度については、電解質膜を30℃、湿度50%の雰囲気下に置いておいた状態でガス透過試験機に装着した。一方の膜両側を真空状態に保ち、もう一方の膜面側に30℃で水素ガスを充填し、真空側の減圧度の経時変化を測定し、真空側の容積容量から透過した水素ガスの体積を算出した。水素ガス透過量をp、測定時間をt、電解質膜厚みをL、透過面積をA、高圧側ガス圧力をPa、低圧側ガス圧力をPbとして、ガス透過係数P[cm(STP)・cm/(s・cm・cmHg)]は次式Dにより求めた。
P=(p/t)×(L/A)×{1/(Pa−Pb)} 式D
(純水素ガスを用いた燃料電池による最大電力)
実施例、参考例および比較例で得られた電解質膜を用いて作成したMEAを純水素形燃料電池単セルに組み込んだ際の運転条件は次のとおりである。燃料を水素ガス、酸化剤を純酸素とした。水素ガス流量:350mL/min、酸素ガス流量:500ml/min(両極側とも加湿器:28℃、配管:35℃、入り口:28℃)、セル温度:50℃の条件で、電流密度を変えていったときの電圧を測定し、最大電力密度を得た。
[調製例1]
ノルボルネンの開環重合体の粉末(仏国アトフィナ社製、ノーソレックスNB、重量平均分子量200万以上)3重量%、熱可塑性エラストマー(住友化学製TPE824)16重量%、重量平均分子量150万の超高分子量ポリエチレン81重量%からなる重合体組成物16重量部と流動パラフィン84重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で小型ニーダーを用い約60分溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却されたロールまたは金属板に挟み込みシート状に急冷した。これらの急冷シート状樹脂を、115℃の温度でシート厚が0.5mmになるまでヒートプレスし、115℃の温度で同時に縦横4.5×4.5倍に二軸延伸し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後,得られた微多孔フィルムを空気中で85℃で6時間熱処理し、ついで116℃で2時間熱処理して、本発明による多孔質基材A−1を得た。この多孔質基材は厚み17μm、空孔率39%であった。
[実施例1]
ビニルスルホン酸(以下、「VSA」と略記する、旭化成ファインケム製:純度98%)90mol%と架橋剤:メチレンビスアクリルアミド10mol%との混合モノマーを水で80wt%まで希釈した水溶液を調製し、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)を1mol%添加した液を用意した。この液に膜基材A−1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱した。
その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜B−1を得た。この膜のプロトン伝導率、燃料電池性能を測定により得た。なお、図1には、この実施例で用いたビニルスルホン酸のNMRチャートを示しており(FT‐NMR:日本電子製LA400による)、不純物が微量であることが確認できた。
[実施例2]
VSA95mol%と架橋剤:メチレンビスアクリルアミド5mol%との混合モノマーを水で80wt%まで希釈した水溶液を調製し、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)1mol%を添加した液を用意した。この液に膜基材A−1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱した。その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜B−2を得た。この膜のプロトン伝導率、燃料電池性能を測定により得た。
[比較例1]
ビニルスルホン酸ナトリウム(東京化成製:純度71%)90mol%と架橋剤メチレンビスアクリルアミド10mol%との混合モノマーを水で50wt%まで希釈した水溶液を調製し、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)0を1mol%添加した液を用意した。この液に膜基材A−1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱したが、重合が進まず膜B−3は得られなかった。
[比較例2]
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「ATBS」と略記する)47.5mol%とVSA47.5mol%および架橋剤:メチレンビスアクリルアミド5mol%との混合モノマーを水で50wt%まで希釈した水溶液を調製し、ATBS及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)1mol%を添加した液を用意した。この液に膜基材A−1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱した。その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜B−4を得た。この膜のプロトン伝導率、燃料電池性能を測定により得た。
[比較例3]
Nafion115(デュポン製)を膜B−5として用いた。この膜のプロトン伝導率、燃料電池性能を測定により得た。
[比較例4]
Nafion211(デュポン製)を膜B−6として用いた。この膜のプロトン伝導率、燃料電池性能を測定により得た。
以上の実施例等で得られた膜特性を表1に示す。また、図2には、実施例1、2および比較例4の純水素ガスを用いた燃料電池試験における出力電圧結果を示す。図3には、実施例1および比較例2、4のメタノールを用いた燃料電池試験における出力電圧結果を示す。
Figure 2006216531
表1に示されるように、本発明により得られる電解質膜は、フッ素系電解質膜としてよく用いられるNafion膜やビニルスルホン酸成分を少量含む共重合体と比較して、優位なプロトン伝導性を有しており、燃料としてメタノールや水素を用いる燃料電池において高い出力が得られることがわかる。また、比較例1の結果から、一般的に市販されている純度の低いビニルスルホン酸を含浸させた後に重合しようとしても、重合が十分進行しないことが分かる。
[実施例3]
多孔性基材膜A−1の重量を秤量後、0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬し、浸漬状態で超音波処理及び減圧脱気処理を行い、引き上げ後、水滴を除去して基材膜の親水化を行った。
濃度0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液20重量%を、20℃以下に保ちながら、ビニルスルホン酸(以下、「VSA」と略記する,旭化成ファインケム製:純度98%)70重量%と、架橋剤:N,N’−チレン−ビスアクリルアミド10重量%とを混合した後、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)が1mol%になるよう添加して、充填用電解質モノマー溶液を調製した。このモノマー溶液を20℃以下に保ちながら減圧操作を行い、脱気処理をした。この液に上記の膜基材A‐1を浸漬し、さらに減圧操作により脱気処理を行って、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱して、電解質モノマーの重合処理を行った。この膜基材のモノマー溶液への浸漬、減圧操作による脱気、加熱による重合処理を更に1回(合計2回)繰り返し行った。
その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜C−1を得た。この膜の重量増加率を算出し、またプロトン伝導率、水素ガス透過係数、最大電池出力を測定により得た。
[実施例4]
多孔性基材膜A−1の重量を秤量後、0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬し、浸漬状態で超音波処理及び減圧脱気処理を行い、引き上げ後、水滴を除去して基材膜の親水化を行った。
濃度0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液12重量%を、20℃以下に保ちながら、VSA83重量%と架橋剤:N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド5重量%とを混合した後、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)が1mol%になるよう添加して、充填用電解質モノマー溶液を調製した。このモノマー溶液を20℃以下に保ちながら減圧操作を行い、脱気処理をした。この液に上記の膜基材A−1を浸漬し、さらに減圧操作により脱気処理を行って、6分間可視光を照射した後,50℃のオーブン中で18時間加熱して、電解質モノマーの重合処理を行った。
その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜C−2を得た。この膜の重量増加率を算出し、またプロトン伝導率、水素ガス透過係数、最大電池出力を測定により得た。
[参考例1]
多孔性基材膜A−1の重量を秤量後、0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬し、浸漬状態で超音波処理及び減圧脱気処理を行い、引き上げ後、水滴を除去して基材膜の親水化を行った。
濃度0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液20重量%を20℃以下に保ちながら、VSA70重量%と架橋剤;N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド10重量%とを混合した後、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)が1mol%になるよう添加して、充填用電解質モノマー溶液を調製した。この液に上記の膜基材A‐1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱して、電解質モノマーの重合処理を行った。
その後、膜の表面の余分なポリマーを除去し、蒸留水で十分に洗浄し、さらに50℃のオーブン中で乾燥させて膜C−3を得た。この膜の重量増加率を算出し、またプロトン伝導率、水素ガス透過係数、最大電池出力を測定により得た。
[参考例2]
多孔性基材膜A−1の重量を秤量後、0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬し、浸漬状態で超音波処理及び減圧脱気処理を行い、引き上げ後、水滴を除去して基材膜の親水化を行った。
濃度0.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液50重量%を、20℃以下に保ちながら、VSA44重量%と架橋剤:N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド6重量%になるようにそれぞれを混合した後、VSA及びメチレンビスアクリルアミドの合計量100mol%に対して、水溶性アゾ系開始剤(和光純薬製、V−50)が1mol%になるよう添加して、充填用電解質モノマー溶液を調製した。この液に膜基材A−1を浸漬し、6分間可視光を照射した後、50℃のオーブン中で18時間加熱して、電解質モノマーの重合処理を行ったが、重合できなかった。
[比較例5]
ナフィオン115(デュポン製)を膜C−5として用いた。この膜のプロトン伝導率、水素ガス透過係数、最大電池出力を測定により得た。
[比較例6]
ナフィオン211(デュポン製)を膜C−6として用いた。この膜のプロトン伝導率、水素ガス透過係数、最大電池出力を測定により得た。
実施例で得られた膜特性を表2に示す。
Figure 2006216531
表2に示されるように、本発明により得られる電解質膜は、フッ素系電解質膜としてよく用いられるNafion膜(比較例5〜6)と比較して、プロトン伝導性に優れ、かつ高い水素ガス透過阻止性能を有しているため、固体高分子型燃料電池を作製した際、高い出力特性を有する優れた燃料電池を提供することができる。
これに対して、減圧脱気処理を行わなかった参考例1では、プロトン伝導性と水素ガス透過阻止性が劣っており、また、充填する溶液のモノマー濃度が低い参考例2では、重合が困難であった。
実施例で用いたビニルスルホン酸のNMRチャートを示すグラフ 実施例1、2および比較例4の純水素ガスを用いた燃料電池試験における出力電圧結果を示すグラフ 実施例1および比較例2、4のメタノールを用いた燃料電池試験における出力電圧結果を示すグラフ

Claims (9)

  1. スルホン酸基含有ビニルモノマーを含む溶液を多孔性基材に含浸させた後、これを重合する工程を含む電解質膜の製造方法において、
    前記スルホン酸基含有ビニルモノマーとして、純度90%以上のビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するとともに、前記溶液中のビニルスルホン酸及び/又はその塩の濃度を35重量%以上とすることを特徴とする電解質膜の製造方法。
  2. 前記溶液は、前記スルホン酸基含有ビニルモノマー100モルに対して、1〜30モルの比率で架橋剤を含有する請求項1記載の電解質膜の製造方法。
  3. 前記重合に先立って、前記溶液が含浸した多孔性基材から減圧操作により脱気を行う工程を含む請求項1又は2に記載の電解質膜の製造方法。
  4. 前記多孔性基材は、重量平均分子量50万以上のポリオレフィンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋してなるものである請求項1〜3いずれかに記載の電解質膜の製造方法。
  5. 構成成分であるスルホン酸基含有ビニルモノマー中にビニルスルホン酸及び/又はその塩を80モル%以上含有するプロトン伝導性ポリマーが、多孔性基材の細孔内に充填されている電解質膜。
  6. 前記プロトン伝導性ポリマーが、ビニルスルホン酸及び/又はその塩と架橋剤とを構成成分とすると共に、ビニルスルホン酸及び/又はその塩100モルに対して、1〜30モルの比率で架橋剤を含有するものである請求項5記載の電解質膜。
  7. 前記多孔性基材は、重量平均分子量50万以上のポリオレフィンを含む第1ポリマーと、反応性の官能基を有する第2ポリマーとを含有する樹脂組成物を架橋してなると共に、30℃での水素ガスの透過係数が3.0×10−9[cm(STP)・cm/(s・cm・cmHg)]以下である請求項5又は6に記載の電解質膜。
  8. 前記多孔性基材100重量部に対して、前記プロトン伝導性ポリマーが80重量部以上充填されている請求項5〜7いずれかに記載の電解質膜。
  9. 請求項5〜8いずれかに記載の電解質膜を用いてなる固体高分子型燃料電池。
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