JP2004179154A - リン酸基含有固体高分子電解質(複合)膜 - Google Patents

リン酸基含有固体高分子電解質(複合)膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池等に使用するのに十分な高いプロトン伝導性を有するとともに、耐熱性、耐薬品性及び機械的強度に優れた固体高分子電解質(複合)膜を提供する。
【解決手段】 (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物を含む固体高分子電解質(複合)膜は、プロトン伝導性が著しく高く、プロトン伝導性の温度依存性が低く、耐熱性、耐薬品性及び機械的強度に優れる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一次電池、二次電池、燃料電池等の電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜等に好適な固体高分子電解質(複合)膜に関し、特に耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れ、広い温度範囲及び湿度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示す固体高分子電解質(複合)膜に関する。
固体高分子電解質材料として、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、パーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー[Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 7, pp. 2490 〜2492 (1993), Polymer Preprints, Japan Vol. 43, No. 3, pp. 735 〜736 (1994), Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 3, p. 730 (1993)] 等が報告されている。
特に側鎖にスルホン酸基を有する固体高分子材料は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過したりする性質を有しているので、粒子状、繊維状又は膜状に成形され、電気透析膜、拡散透析膜、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。中でもNafion(DuPont社製)の商標で知られるパーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜は耐熱性及び耐薬品性に優れ、苛酷な条件下での使用に耐える電解質膜として実用化されている。しかし上記のようなフッ素系電解質膜は非常に高価であるという問題を抱えている。
これに対し、特開2001-114834号(特許文献1)は、リン酸基を含む(メタ)アクリル酸エステル類を重合、又はこれと共重合しうるエチレン性不飽和単量体と共重合して得られるリン酸基含有重合体を溶液にし、キャスト製膜することにより得られるプロトン伝導性固体高分子電解質膜を提案している。特許文献1の固体高分子電解質は比較的安価に製造することができるだけでなく、耐熱性に優れており、広い温度範囲及び湿度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示す点で従来の固体高分子材料と一線を画すものであった。
また特開2002-83514号(特許文献2)は、リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を側鎖に有するポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させてなるプロトン伝導性膜を提案している。かかるポリマーは多孔質膜に対して強く密着するので、特許文献2のプロトン伝導性膜は高いプロトン伝導性を有するのみならず、高い強度を有する。
特開2001-114834号公報 特開2002-83514号公報
しかしメタノール燃料電池用の固体高分子電解質膜には、耐薬品性について一層の向上が求められている。よって固体高分子電解質膜には、導電性、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度のバランスに優れることが要求される。
従って本発明の目的は、燃料電池等に使用するのに十分な高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れた固体高分子電解質(複合)膜を提供することである。
上記目的に鑑み、鋭意研究の結果、本発明者らは、以下のことを発見した。
(A)(a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物を含む固体高分子電解質(複合)膜は、高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れる。
(B)(a) リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂を含む固体高分子電解質(複合)膜は、高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れる。
(C)(a) リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物を含む固体高分子電解質(複合)膜は、高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れる。
本発明はかかる発明に基づき完成したものである。
すなわち、本発明の第1の固体高分子電解質膜は、(a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物からなることを特徴とする。
第1の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)は、下記一般式(1):
Figure 2004179154
(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。前記リン酸基含有不飽和単量体(I)のリン酸基はアミン塩又はアンモニウム塩を形成しているのが好ましい。
第1の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)は、下記一般式(2):
Figure 2004179154
(ただしR3及びR6は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R4及びR5は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。R3及びR6はH又はCH3であり、R4及びR5はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
第1の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(III)は、下記一般式(3):
Figure 2004179154
(ただしR7、R10及びR12は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R8、R9及びR11は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。R7、R10及びR12はH又はCH3であり、R8、R9及びR11はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
第1の固体高分子電解質膜において、[前記リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)]のモル比は1/0.1 〜1/10であるのが好ましい。
第1の固体高分子電解質膜において、前記ポリアミド樹脂は、下記一般式(4):
Figure 2004179154
(ただし一般式(4)において、R17 〜R19は置換または無置換のアルキレン基を表し、R20は置換または無置換のアルキル基を表し、xとyは重合比を表し、10≦x≦50、50≦y≦90であって、xとyとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ポリアミドであるのが好ましい。N-アルコキシアルキル化ポリアミドとしてはN-メトキシメチル化ナイロンが好ましい。
第1の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有樹脂を、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は前記リン酸基含有不飽和単量体(III)と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体とすることができる。前記スルホン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(5):
Figure 2004179154
(ただしR21は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
下記一般式(6):
Figure 2004179154
(ただしR22は水素又はメチル基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(7):
Figure 2004179154
(ただしR23は水素又はメチル基であり、Yは−O−基又は−NH−基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
第1の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有樹脂は、酸性基を有さない他の不飽和単量体も共重合成分として含んでもよい。
本発明の第2の固体高分子電解質膜は、(a) 前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 前記リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) 前記ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂からなることを特徴とする。
本発明の第3の固体高分子電解質膜は、(a) 前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 前記リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) 前記ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物からなることを特徴とする。
本発明の第2及び第3の固体高分子電解質膜において、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(8):
Figure 2004179154
(ただしR13及びR16は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R14及びR15は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、t及びwは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。R13及びR16はH又はCH3であり、R14及びR15はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
本発明の第2及び第3の固体高分子電解質膜において、[前記リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)と前記ピロリン酸基含有不飽和単量体との合計]のモル比は1/0.1 〜1/10であるのが好ましい。
本発明の第2及び第3の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂は、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は前記リン酸基含有不飽和単量体(III)と、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体と、前記スルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体とすることができる。
本発明の第2及び第3の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂は、酸性基を有さない他の不飽和単量体も共重合成分として含んでもよい。
本発明の第1の固体高分子電解質複合膜は、(a) 前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 前記リン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、前記ポリアミド樹脂とを含む均一組成物と、補強シートとからなることを特徴とする。
本発明の第2の固体高分子電解質複合膜は、(a) 前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 前記リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) 前記ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、補強シートとからなることを特徴とする。
本発明の第3の固体高分子電解質複合膜は、(a) 前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 前記リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) 前記ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物と、補強シートとからなることを特徴とする。
本発明の第1〜3の固体高分子電解質複合膜において、補強シートとして無機質又は有機質の繊維からなるシートを用いることができ、中でも織布、不織布又は紙を用いるのが好ましい。また補強シートとして樹脂フィルムを用いてもよく、係る樹脂フィルムは微多孔性であるのが好ましい。
本発明の第1〜3の固体高分子電解質(複合)膜はいずれも、含水状態(RH90%)において30〜80℃の温度範囲で10-6 〜10-2 Scm-1の範囲の高い導電性(複素インピーダンス法により測定したデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして求めたサンプルの抵抗値から算出した導電率)を示すとともに、重量減少開始温度が200℃以上という優れた耐熱性を有し、30〜100℃の温度範囲において伸縮、反り、層間剥離等の外形の変化を起こさないという優れた寸法安定性を示す。
本発明の第1の固体高分子電解質(複合)膜は、(a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物を含むので、高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れる。
また本発明の第2の固体高分子電解質(複合)膜は、(a) リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂を含むので、高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れる。
また本発明の第3の固体高分子電解質(複合)膜は、(a) リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) ピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物を含むので、高導電性を有するとともに、耐薬品性、耐熱性及び機械的強度に優れる。
本発明の第1〜3の固体高分子電解質(複合)膜は、優れたプロトン伝導性(導電率:10-6 〜10-2 S・cm-1)を有し、係るプロトン伝導性の温度依存性が小さい上、耐メタノール性に非常に優れる。そのため一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに好適に利用できる。特に大電力用途のDMFC(直接メタノール燃料電池)用の固体高分子電解質としての応用が期待される。
以下、本発明のプロトン伝導性固体高分子電解質(複合)膜及びその製造方法について詳細に説明する。
[1] リン酸基含有樹脂及びリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂
(A) リン酸基含有不飽和単量体及びピロリン酸基含有不飽和単量体
本発明の第1の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基含有樹脂は、(a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、(b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)を共重合してなる。
リン酸基含有不飽和単量体(I)としては、下記一般式(1):
Figure 2004179154
(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換又は無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体(II)としては、下記一般式(2):
Figure 2004179154
(ただしR3及びR6は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R4及びR5は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体(III)としては、下記一般式(3):
Figure 2004179154
(ただしR7、R10及びR12は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R8、R9及びR11は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。
本発明の第2及び第3の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂は、(a)リン酸基含有不飽和単量体(I)、(b)リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は(c)リン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに(d) 分子内に1個の酸性ピロリン酸基と2個のエチレン性不飽和結合を有するピロリン酸基含有不飽和単量体を共重合してなる。ピロリン酸基含有不飽和単量体は架橋作用を有し、造膜性に優れるので、これを共重合成分として含むことにより膜強度及び耐薬品性が向上する。
リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂においても、リン酸基含有不飽和単量体(I)〜(III)は、それぞれ上記一般式(1)〜(3)により表されるものが好ましい。ピロリン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(8):
Figure 2004179154
(ただしR13及びR16は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R14及びR15は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、t及びwは1〜6の整数である。)により表されるものが好ましい。
上記一般式(1)〜(3)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)〜(III)及び上記一般式(8)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体は、全て下記一般式(9):
Figure 2004179154
(ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表される2-ヒドロキシ(メタ)アクリレートと、五酸化リンとを反応原料としてエステル化反応を行うことにより得られる。
以下一般式(9)により表される2-ヒドロキシ(メタ)アクリレートの一例として、下式(10):
Figure 2004179154
により表される2-ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、リン酸基含有不飽和単量体(I)としてアシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート(別名:メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、リン酸基含有不飽和単量体(II)としてジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、及びピロリン酸基含有不飽和単量体としてジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートをそれぞれ調製する例を説明する。
例えば、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートは、下記式(11):
Figure 2004179154
に示すように2-ヒドロキシエチルメタクリレートと五酸化リンを反応させることにより得られる。
アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートとジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートは、例えば下記式(12):
Figure 2004179154
に示すように、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートに2-ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させることにより得られる。
また下記式(13):
Figure 2004179154
に示すように、2-ヒドロキシエチルメタクリレートと五酸化リンを反応させることにより、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートとジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートとジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートとが得られる。
上記一般式(1)〜(3)により表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)〜(III)及び上記一般式(8)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体を得るためのエステル化反応には、有機ヒドロキシ化合物と五酸化リンとを原料としてエステル化反応によりリン酸エステルを製造するための公知の方法を適用できる。例えば五酸化リンを2-ヒドロキシ(メタ)アクリレートに段階的に添加したり、五酸化リンの添加速度を適宜調製したりすることができる。
一般式(1)で表されるリン酸基含有不飽和単量体(I)のうち、本発明に好適に使用できる化合物の構造式を表1に示す。またこれらの化合物の物性を表2に示す。これらの化合物はユニケミカル(株)から商品名「Phosmer(登録商標)」として販売されているものであり、適宜購入することができる。ただし本発明に使用できる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2004179154
Figure 2004179154
リン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、電荷を中和させるため、例えば第1級、第2級、第3級又は第4級のアルキル基、アリル基、アラルキル基等を含有するアンモニウムイオンやモノ、ジ又はトリアルカノールアミン残基と錯塩を形成するのが好ましく、特にN+R24 4-f(OH)f(ここでR24は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基及び炭素数6〜12の脂環族基からなる群から選ばれた少なくとも一種を表し、fは1〜3の正の整数を表す。)が好ましい。
一般式(1)のリン酸基含有不飽和単量体(I)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。一般式(2)及び(3)によりそれぞれ表されるリン酸基含有不飽和単量体(II),(III)並びに一般式(8)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体についても同様である。
第1の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基含有樹脂において、[リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)]のモル比は1/0.1 〜1/10であるのが好ましく、1/0.1 〜1/5であるのがより好ましい。係るモル比が1/0.1を超えると耐溶剤性が不十分となり、一方係るモル比が1/10未満となると膜強度が低下する。
第2及び第3の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂において、[リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)とピロリン酸基含有不飽和単量体との合計]のモル比は1/0.1 〜1/10であるのが好ましく、1/0.1 〜1/5であるのがより好ましい。係るモル比が1/0.1を超えると耐溶剤性が不十分となり、一方係るモル比が1/10未満となると膜強度が低下する。また係るリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂において、[リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)]/[ピロリン酸基含有不飽和単量体]のモル比については、任意の割合に設定することができる。
(B) 共重合し得る他の不飽和単量体
本発明の第1の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基含有樹脂は、リン酸基含有不飽和単量体(I)〜(III)と共重合しうる他の不飽和単量体と共重合したものであってもよい。本発明の第2及び第3の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂は、リン酸基含有不飽和単量体(I)〜(III)及びピロリン酸基含有不飽和単量体と共重合しうる他の不飽和単量体と共重合したものであってもよい。係る他の不飽和単量体は次の2群(B-1)、(B-2)に大別できる。
(B-1) 酸性基を含有する不飽和単量体
酸性基を含有する不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つの酸性基と、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。酸性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基等が挙げられる。
本発明に用いるスルホン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(5):
Figure 2004179154
(ただしR21は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
下記一般式(6):
Figure 2004179154
(ただしR22は水素又はメチル基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び下記一般式(7):
Figure 2004179154
(ただしR23は水素又はメチル基であり、Yは−O−基又は−NH−基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
スルホン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。ただしアリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸は、そのアリル基が、退化(的)連鎖移動(degradative chain transfer)を起こすので、使用量を僅少にするのが好ましい。具体的には、多くても10重量%程度の使用量にする。カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を併用しても良い。好ましくはスルホン酸基含有不飽和単量体を用いる。これにより固体高分子電解質(複合)膜の導電性が一層優れるとともに、かかる導電性の温度依存性が顕著に低くなる。より好ましくは、p-スチレンスルホン酸を用いる。
スルホン酸基及びカルボン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、リン酸基含有不飽和単量体について上記(A)で述べたようなアンモニウムイオンもしくはアミン残基又はアルカリ金属と錯塩を形成するのが好ましい。
(B-2) 酸性基を含有しない不飽和単量体
(B-1)に記載した以外の、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和単量体はすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類や置換又は無置換のスチレン類が好適に使用される。1分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有するエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなども(複合)膜の耐化学薬品性を改良する目的をもって使用される。
(C) 各不飽和単量体の使用割合
本発明の第1の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基含有不飽和単量体(I)、リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又はリン酸基含有不飽和単量体(III)からなる組成物(A-1)と、他の不飽和単量体(B) との重量比(A-1)/(B) は100/0〜50/50の範囲である。また本発明の第2及び3の固体高分子電解質(複合)膜に用いるリン酸基含有不飽和単量体(I)、リン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又はリン酸基含有不飽和単量体(III)、並びにピロリン酸基含有不飽和単量体からなる組成物(A-2)と、他の不飽和単量体(B) との重量比(A-2)/(B) も100/0〜50/50の範囲である。また他の不飽和単量体(B) の中で、酸性基を含有する不飽和単量体(B-1) とそれ以外の不飽和単量体(B-2) の重量比は、プロトン伝導性にプラス効果をもたらす(B-1) が支配的になるように、(B-1)/(B-2) = 100/0〜50/50の範囲とするのが好ましい。
[2] ポリアミド樹脂
本発明の第1の固体高分子電解質膜は、上記[1](A)で述べたリン酸基含有樹脂とポリアミド樹脂とを含む均一組成物からなる。また本発明の第3の固体高分子電解質膜は、上記[1](A)で述べたリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂とポリアミド樹脂とを含む均一組成物からなる。また本発明の第1及び第3の固体高分子電解質複合膜は、第1及び第3の固体高分子電解質膜に補強シートを備えたものである。
本発明に用いるポリアミド樹脂は、溶剤に対する溶解性を有するものであれば特に限定されない。ポリアミド樹脂の分子量は、1,000 〜1,000,000であるのが好ましく、2,000 〜500,000であるのがより好ましく、5,000 〜150,000であるのがさらに好ましい。
本発明に好ましく用いることのできるポリアミド樹脂としては、下記一般式(4):
Figure 2004179154
(ただし一般式(4)において、R17 〜R19は置換または無置換のアルキレン基を表し、R20は置換または無置換のアルキル基を表し、xとyは重合比を表し、10≦x≦50、50≦y≦90であって、xとyとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ナイロンが挙げられる。
一般式(4)において、R17及びR18はそれぞれ独立に炭素数3〜20の置換又は無置換のアルキレン基を表す。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン等が挙げられる。R17及びR18としては炭素数5〜11の無置換のアルキレン基が好ましく、n-ペンチレンがより好ましい。
R19は炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキレン基を表す。置換基としては、R17及びR18と同様のものでよい。好ましいR19はメチレンである。
R20は炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキル基を表す。置換基としてはR17及びR18について述べたものと同様でよい。好ましいR20はメチルである。
xとyは重合比を表し、xとyとの和は100である。10≦x≦50、50≦y≦90であるのが好ましく、20≦x≦30、70≦y≦80であるのがより好ましい。xが10未満だと溶媒への溶解性が低下するので好ましくない。また置換基の立体障害のためxを50超にすることは困難である。
一般式(4)のN-アルコキシアルキル化ナイロンの具体例としては、ナイロン-6、ナイロン-66、ナイロン-12、共重合ナイロン等をアルコキシメチル化したものが挙げられるが、好ましくはナイロン-6又はナイロン-66のN-メトキシメチル化ナイロン類である。また商品としてはナガセケムテックス(株)から製販されているトレジンF30K、トレジンMF-30、トレジンEF-30T等が挙げられる。
上述のリン酸基含有樹脂とポリアミド樹脂との比率[(リン酸基含有樹脂)/(ポリアミド樹脂)]、及び上述のリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂とポリアミド樹脂との比率[(リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂)/(ポリアミド樹脂)]は、固形分重量ベースで1/1 〜20/1の範囲であるのが好ましく、1/1 〜5/1であるのがより好ましい。係る比率が1/1未満だと導電性が不十分となる。第1の固体高分子電解質(複合)膜の場合、係る比率が20/1を超えるとフィルムの成型が困難になる。
ポリアミド樹脂を含む固体高分子電解質(複合)膜が、耐薬品性、膜強度及び均一性に優れる理由は必ずしも定かではないが、(イ) ポリアミド樹脂が造膜性に優れること、(ロ) ポリアミド樹脂のアミド基と、(ピロ)リン酸基含有樹脂のリン酸基及び/又はピロリン酸基とが縮合反応することにより、ポリアミド樹脂と(ピロ)リン酸基含有樹脂とが架橋すること、(ハ) (ピロ)リン酸基間の会合により見かけの架橋が生成すること等が寄与しているものと考えられる。特にポリアミド樹脂としてN-アルコキシアルキル化ナイロンを用いた場合は、(ニ) N-アルコキシアルキル化ナイロンのアルコキシ基と、(ピロ)リン酸基含有樹脂のリン酸基及び/又はピロリン酸基との縮合反応による架橋に主に起因するものと考えられ、その他(ホ) (ピロ)リン酸基含有樹脂のリン酸基及び/又はピロリン酸基が、N-アルコキシアルキル化ナイロンの架橋触媒として作用し、N-アルコキシアルキル化ナイロン同士が架橋することも寄与しているものと考えられる。N-アルコキシアルキル化ナイロンを用いた場合は、特に上記(ニ)に起因する架橋密度が高いことが効果を奏しているものと考えられる。
[3] 光重合開始剤
本発明で、不飽和単量体組成物[第1及び3の固体高分子電解質(複合)膜の場合にはポリアミド樹脂も含む]中に加える光重合開始剤としては、
(1) R-(CO)x -R'(R,R'=水素又は炭化水素基、x = 2〜3)で表される隣接ポリケトン化合物類(例えば、ジアセチル、ジベンジル等)、
(2) R-CO-CHOH-R'(R,R'=水素又は炭化水素基)で表されるα-カルボニルアルコール類(例えば、ベンゾイン等)、
(3) R-CH(OR")-CO-R'(R,R',R"=炭化水素基)で表されるアシロイン・エーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、
(4) Ar-CR(OH)-CO-Ar(Ar=アリール基、R=炭化水素基)で表されるα-置換アシロイン類(例えば、α-アルキルベンゾイン等)、及び
(5) 多核キノン類(例えば、9,10-アンスラキノン等)がある。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で、又は併用して使用することができる。
光重合開始剤の使用量は不飽和単量体の合計重量に対して、0.5〜5重量%の範囲、好ましくは1〜3重量%の範囲である。0.5重量%未満だと、所定の紫外線照射時間内に重合が完結せず、未反応単量体が残留するので好ましくないし、5重量%超だと、得られる樹脂の重合度が低重合度になる上、樹脂が着色する傾向にあるので好ましくない。
本発明では、光重合開始剤の不飽和単量体組成物への溶解を支援する目的や、不飽和単量体組成物の粘度を下げ、補強材シートへの含浸を容易にし、補強材シートへの付着量を減少せしめて複合膜の膜厚を薄くするなどの目的で、希釈剤としてメタノール、アセトンなどの低沸点溶剤を加えることもできる。
[4] 補強材シート
本発明で使用する補強材シートは下記の3群に大別できる。
(A) 無機質繊維からなるシート
ガラス繊維、アルミナ繊維、ロックウール繊維、スラグ繊維などからなる織布、不織布、紙等が挙げられる。無機質繊維からなるシートの坪量は10〜60mg/cm2、好ましくは10〜40mg/cm2で、厚さは1μm〜60μm、好ましくは5μm〜40μmの範囲である。
(B) 有機質繊維からなるシート
通常、衣料用に用いられるナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等や、産業用に用いられるアラミド繊維からなる織布、不織布、紙等が挙げられる。ただし紫外線照射時に複合系の温度が〜100℃まで上昇することがあり得るので、それに耐える耐熱性を有するものであることが必要である。有機質繊維からなるシートの坪量と厚さは、(A)の場合と同じである。ただし含浸させる不飽和単量体組成物がスルホン酸基などの強酸基を有する不飽和単量体を含む場合は、ナイロン繊維からなる織布、不織布、紙等は耐酸性が弱いため不適である。
(C) 樹脂フィルム
汎用樹脂であるポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ3-メチルペンテン樹脂、ナイロン-6樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などや、耐熱性樹脂であるポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などから製膜したフィルムが好ましい。樹脂フィルムは、微孔を有するフィルムでもよいし、微孔を有しないフィルムのどちらでもよいが、前者が好ましい。ただし含浸させる不飽和単量体組成物がスルホン酸基などの強酸基を有する不飽和単量体を含む場合、ナイロンフィルムは耐酸性が強くないため不適である。
微多孔フィルムの場合は、微孔の孔径が出来るだけ小さい方が好ましく、サブミクロン径であるのが好ましい。また全体の開孔率は出来るだけ大きい方が好ましく、40〜50%(対表面積)のものが特に好ましい。樹脂フィルムの厚さは1μm〜40μmであるのが好ましく、5μm〜25μmの範囲であるのがより好ましい。
補強材シートと不飽和単量体組成物[第1及び3の固体高分子電解質(複合)膜の場合にはポリアミド樹脂も含む。以下同様。]の使用割合は、補強材シートの不飽和単量体組成物に対する親和性、換言すれば、不飽和単量体組成物の吸収性によって大きく異なるが、一般的に補強材シート/不飽和単量体組成物=1/20〜1/2(重量比)の範囲である。
[5] 固体高分子電解質(複合)膜の製造方法
第1〜3の固体高分子電解質膜の場合、上記[1]で説明した第1〜3の各固体高分子電解質膜を構成する各種不飽和単量体及びポリアミド樹脂(第1及び第3の固体高分子電解質膜の場合のみ)、並びに光重合開始剤(光増感剤)を含有する組成物を、不飽和単量体が付着しない材料(フッ素樹脂等)により被覆された板にキャスティングし、紫外線透過性板で覆った後、紫外線を照射して不飽和単量体を共重合させることにより、製造することができる。上記組成物は、キャスティングする前に減圧窒素置換するのが好ましく、減圧窒素置換の前に超音波洗浄するのがより好ましい。
第1〜3の固体高分子電解質膜にそれぞれ補強材シートを備えた構成である第1〜3の固体高分子電解質複合膜の場合、各固体高分子電解質複合膜を構成する各種不飽和単量体やポリアミド樹脂、並びに光重合開始剤(光増感剤)を含有する組成物を補強シートに含浸させるか塗布した後、補強シートを2枚の紫外線透過性板(支持基板)に挟み、紫外線を照射して不飽和単量体を光重合することにより、製造することができる。上記組成物は、補強シートに含浸又は塗布する前に減圧窒素置換するのが好ましく、減圧窒素置換の前に超音波洗浄するのがより好ましい。
紫外線照射重合するに当たって、キャスティングした不飽和単量体組成物を覆ったり、不飽和単量体組成物を含浸した補強シートを挟んだりする紫外線透過性板は紫外線透過率が高いことのみならず、紫外線照射による重合時の昇温に耐える耐熱性を有すること、及び不飽和単量体組成物及びこれを重合して得られる固体高分子電解質と接着せず、剥離性が良好なことが必要である。
紫外線透過性板として通常使用するガラス平板は紫外線透過率と耐熱性については非常に良いが、本発明に使用する不飽和単量体の共重合により得られる固体高分子電解質と密着するので、予めガラス平板の表面にシリコーン系又はフッ素系の剥離剤を塗布しておくか、フッ素樹脂系の薄い透明フィルムを貼りつけた上で使用するのが好ましい。
紫外線透過性板としては、ガラス平板以外に、ポリパーフルオロビニルエーテル樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)等のフッ素系樹脂の他、ポリ3-メチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の紫外線透過率の良い100℃以上の耐熱性を有する樹脂平板を使用することができる。
不飽和単量体組成物をキャスティングした後紫外線透過性板で覆って紫外線照射を行うか、不飽和単量体組成物を含浸させるか塗布した補強シートを2枚の紫外線透過性板(支持基板)の間に挟んで紫外線照射を行うに当たって、空気及び余分な不飽和単量体組成物を系外に絞り出す必要がある。例えば補強シートを使用する場合、図1に示すように、2枚の支持基板の間に均等に圧力をかけて、クリップ又はクランプで止めた状態で、水平に保ちながら紫外線照射を行うのが好ましい。光重合時の紫外線照射強度は5〜100 μW/cm2とし、好ましくは10〜80 μW/cm2とする。照射は、表裏両面に行い、片面に対して1〜15分間行う。紫外線照射距離は、上記照射時間の範囲で十分硬化するように適宜設定する。
紫外線照射重合の後、さらに100 〜150 ℃で1〜10分間加熱するのが好ましい。これにより耐溶剤性が向上する。加熱には空気循環式のオーブン等を用いる。
固体高分子電解質(複合)膜の厚さは300 μm以下、好ましくは10〜100 μm、より好ましくは10〜30 μmとする。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
用いた(ピロ)リン酸基含有不飽和単量体組成物の原料、それらの配合割合、及び各(ピロ)リン酸基含有不飽和単量体のモル組成を表3に示す。固体高分子電解質複合膜は、表4に記載の単量体組成物に希釈剤としてメタノールを用いて粘度を調整した上で、光重合開始剤として[イルガキュア651(2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン) +イルガキュア500(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン) = 2 wt% + 1wt%](対全単量体)を溶解して用い、補強材シートとして各種不織布を採用し、単量体組成物を含浸或いは付着させた後、図1、図2に示すように、フッ素系樹脂フィルムを付着したガラス平板2枚の間に挟んで、高圧水銀灯(東芝電材(株)製トスキュア400, HC-0411型)を用いて、紫外線照射強度80μW/cm2で所定時間照射して光重合せしめた後(照射距離:10cm)、高温空気流通式乾燥器で130℃で所定時間熱処理することにより作製した。単量体組成、使用した補強材シートの種類と坪量、作製した複合膜の厚さなどを表4に示す。
Figure 2004179154
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Figure 2004179154
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注:(1) Phosmer M: メタクリロイルオキシエチルホスフェート。
(2) 組成物A:メタクリロイルオキシエチルホスフェートとジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートとを理論モル比1:1で含有する組成物。
(3) 組成物B: メタクリロイルオキシエチルホスフェートと、ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートと、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートとを理論モル比1:1:1で含有する組成物。
(4) MOEP:メタクリロイルオキシエチルホスフェート
(5) DMOEP:ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート
(6) DMOEPP:ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェート
Figure 2004179154
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Figure 2004179154
Figure 2004179154
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Figure 2004179154
Figure 2004179154
注:(1) MOEP: メタクリロイルオキシエチルホスフェート
(2) DMOEP:ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート
(3) DMOEPP:ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェート
(4) AN:アクリロニトリル
(5) PSSA:パラスチレン・スルホン酸(ユニケミカル(株)製)
(6) ナガセケムテックス(株)製トレジンEF-30T
(7) GF(カ゛ラスファイハ゛ー)不織布
(8) PP(ホ゜リフ゜ロヒ゜レン)不織布
(9) 樹脂/補強材シートの重量比。
(10) 補強材シートを大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬した後の重量減少を測定。
表4に示した結果から、実施例1〜36の複合膜は、メタノール抽出率が16%以下であり、耐メタノール性の高い複合膜を作ることができることが分かる。一方比較例1〜6の複合膜はピロリン酸基含有不飽和単量体及び/又はポリアミドを含まないため、実施例1〜36に比べて耐メタノール性が劣っていた。なお実施例の複合膜の厚さは50μm〜200μmの範囲であるが、補強材シートの膜厚、補強材シートと単量体組成物との親和性、樹脂の付着割合、換言すれば単量体組成物の付着量とそれを搾り出す圧力を適宜調製することにより所望の厚さとすることができる。
(プロトン伝導性の評価)
プロトン伝導性は複素インピーダンス法を用いて測定した。上述の方法により作製した実施例1〜26,28〜32の複合膜から切り出した13mmφの円形サンプルを2枚の白金電極に挟み、(株)日本ヒューレット・パッカード社製のインピーダンス・アナライザー HP4192Aのセルに充填した。測定周波数範囲:0.05〜13kHz 、印加電圧:12mV、相対湿度90%、測定温度範囲:30 〜80 ℃で、セルのインピーダンスを測定した。得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から導電率を求めた。結果を図3〜17に示す。
図3〜17に示した結果から、本発明の固体高分子電解質複合膜の導電率は10-6 〜10-2 S・cm-1のオーダーにあり、リン酸基を官能基とする高分子電解質としては良好な水準にあることが分かる。
(耐熱性の評価)
実施例13〜20の複合膜の粉末約10 mgをアルミニウム製のパンの上に秤取し、セイコーインスツルメンツ(株)製の熱重量分析計 SEIKO TG/DTA 200 を用いて、測定温度範囲:室温〜500 ℃、昇温速度:5℃/min、窒素還流雰囲気下流量:200mL/min の条件で、熱重量減少を測定した。レファレンスには同型の空のアルミニウム製パンを用いた。結果を図18〜21に示す。
図18〜21から、実施例13〜20の複合膜は200 ℃付近で重量減少を開始しており、優れた耐熱性を有するといえる。250 ℃以上の温度での重量減少は分子自体の分解に由来すると考えられる。
(引張強度及び破断伸びの評価)
JIS K 7127に従って、実施例13〜20の複合膜について引張強度及び破断伸びを測定した。結果を表5に示す。補強材シートを有する実施例13〜20の複合膜は、概ね7MPa以上の引張強度と250%以上の破断伸びを示し、実用に耐えうる優れた機械的物性を有するといえる。
Figure 2004179154
ガラス平板2枚の間に固体高分子電解質複合膜を挟んだ状態を示す側面図である。 ガラス平板2枚の間に固体高分子電解質複合膜を挟んだ状態を示す平面図である。 実施例1,2の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例3,4の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例5,6の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例7,8の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例9,10の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例11,12の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例13,14の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例15,16の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例17,18の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例19,20の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例21,22の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例23,24の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例25,26の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例28〜30の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例31,32の固体高分子電解質複合膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm-1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例13, 14の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と固体高分子電解質膜の熱重量減少TG(%)との関係を示すグラフである。 実施例15, 16の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と固体高分子電解質膜の熱重量減少TG(%)との関係を示すグラフである。 実施例17, 18の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と固体高分子電解質膜の熱重量減少TG(%)との関係を示すグラフである。 実施例19, 20の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と固体高分子電解質膜の熱重量減少TG(%)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1・・・固体高分子電解質複合膜
11・・・固体高分子電解質
12・・・補強材シート
2・・・ガラス平板
3・・・クリップ

Claims (66)

  1. (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、
    (b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は
    (c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)
    を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物からなることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸性基含有不飽和単量体(I)は、下記一般式(1):
    Figure 2004179154
    (ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  3. 請求項2に記載の固体高分子電解質膜において、R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  4. 請求項2又は3に記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)のリン酸基はアミン塩又はアンモニウム塩を形成していることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)は、下記一般式(2):
    Figure 2004179154
    (ただしR3及びR6は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R4及びR5は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  6. 請求項5に記載の固体高分子電解質膜において、R3及びR6はH又はCH3であり、R4及びR5はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(III)は、下記一般式(3):
    Figure 2004179154
    (ただしR7、R10及びR12は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R8、R9及びR11は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  8. 請求項7に記載の固体高分子電解質膜において、R7、R10及びR12はH又はCH3であり、R8、R9及びR11はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、[前記リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)]のモル比は1/0.1 〜1/10であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記ポリアミド樹脂は、下記一般式(4):
    Figure 2004179154
    (ただし一般式(4)において、R17 〜R19は置換または無置換のアルキレン基を表し、R20は置換または無置換のアルキル基を表し、xとyは重合比を表し、10≦x≦50、50≦y≦90であって、xとyとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ポリアミドであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  11. 請求項10に記載の固体高分子電解質膜において、前記N-アルコキシアルキル化ポリアミドがN-メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有樹脂は、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は前記リン酸基含有不飽和単量体(III)と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  13. 請求項12に記載の固体高分子電解質膜において、前記スルホン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(5):
    Figure 2004179154
    (ただしR21は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
    下記一般式(6):
    Figure 2004179154
    (ただしR22は水素又はメチル基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び
    下記一般式(7):
    Figure 2004179154
    (ただしR23は水素又はメチル基であり、Yは−O−基又は−NH−基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有樹脂は、酸性基を有さない他の不飽和単量体も共重合成分とすることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  15. (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、
    (b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は
    (c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに
    (d) 分子内に1個の酸性ピロリン酸基と2個のエチレン性不飽和結合を有するピロリン酸基含有不飽和単量体
    を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂からなることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  16. (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、
    (b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は
    (c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに
    (d) 分子内に1個の酸性ピロリン酸基と2個のエチレン性不飽和結合を有するピロリン酸基含有不飽和単量体
    を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物からなることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  17. 請求項16に記載の固体高分子電解質膜において、前記ポリアミド樹脂は、下記一般式(4):
    Figure 2004179154
    (ただし一般式(4)において、R17 〜R19は置換または無置換のアルキレン基を表し、R20は置換または無置換のアルキル基を表し、xとyは重合比を表し、10≦x≦50、50≦y≦90であって、xとyとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ポリアミドであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  18. 請求項17に記載の固体高分子電解質膜において、前記N-アルコキシアルキル化ポリアミドがN-メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  19. 請求項15〜18のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(8):
    Figure 2004179154
    (ただしR13及びR16は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R14及びR15は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、t及びwは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  20. 請求項19に記載の固体高分子電解質膜において、R13及びR16はH又はCH3であり、R14及びR15はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  21. 請求項15〜20のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)は、下記一般式(1):
    Figure 2004179154
    (ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  22. 請求項21に記載の固体高分子電解質膜において、R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  23. 請求項21又は22に記載の固体高分子電解質膜において、リン酸基がアミン塩又はアンモニウム塩を形成していることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  24. 請求項15〜23のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)は、下記一般式(2):
    Figure 2004179154
    (ただしR3及びR6は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R4及びR5は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  25. 請求項24に記載の固体高分子電解質膜において、R3及びR6はH又はCH3であり、R4及びR5はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  26. 請求項15〜25のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(III)は、下記一般式(3):
    Figure 2004179154
    (ただしR7、R10及びR12は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R8、R9及びR11は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  27. 請求項26に記載の固体高分子電解質膜において、R7、R10及びR12はH又はCH3であり、R8、R9及びR11はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  28. 請求項15〜27のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、[前記リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)と前記ピロリン酸基含有不飽和単量体との合計]のモル比は1/0.1 〜1/10であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  29. 請求項15〜28のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂が、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は前記リン酸基含有不飽和単量体(III)と、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  30. 請求項29のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記スルホン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(5):
    Figure 2004179154
    (ただしR21は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
    下記一般式(6):
    Figure 2004179154
    (ただしR22は水素又はメチル基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び
    下記一般式(7):
    Figure 2004179154
    (ただしR23は水素又はメチル基であり、Yは−O−基又は−NH−基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  31. 請求項15〜30のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂は、酸性基を有さない他の不飽和単量体も共重合成分とすることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  32. (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、
    (b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は
    (c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)
    を共重合してなるリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物と、補強シートとからなることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  33. 請求項32に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)は、下記一般式(1):
    Figure 2004179154
    (ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  34. 請求項33に記載の固体高分子電解質複合膜において、R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  35. 請求項33又は34に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)のリン酸基はアミン塩又はアンモニウム塩を形成していることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  36. 請求項32〜35のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)は、下記一般式(2):
    Figure 2004179154
    (ただしR3及びR6は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R4及びR5は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  37. 請求項36に記載の固体高分子電解質複合膜において、R3及びR6はH又はCH3であり、R4及びR5はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  38. 請求項32〜37のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(III)は、下記一般式(3):
    Figure 2004179154
    (ただしR7、R10及びR12は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R8、R9及びR11は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  39. 請求項38に記載の固体高分子電解質複合膜において、R7、R10及びR12はH又はCH3であり、R8、R9及びR11はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  40. 請求項32〜39のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、[前記リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)]のモル比は1/0.1 〜1/10であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  41. 請求項32〜40のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記ポリアミド樹脂は、下記一般式(4):
    Figure 2004179154
    (ただし一般式(4)において、R17 〜R19は置換または無置換のアルキレン基を表し、R20は置換または無置換のアルキル基を表し、xとyは重合比を表し、10≦x≦50、50≦y≦90であって、xとyとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ポリアミドであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  42. 請求項41に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記N-アルコキシアルキル化ポリアミドがN-メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  43. 請求項32〜42のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有樹脂は、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は前記リン酸基含有不飽和単量体(III)と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  44. 請求項43に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記スルホン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(5):
    Figure 2004179154
    (ただしR21は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
    下記一般式(6):
    Figure 2004179154
    (ただしR22は水素又はメチル基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び
    下記一般式(7):
    Figure 2004179154
    (ただしR23は水素又はメチル基であり、Yは−O−基又は−NH−基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  45. 請求項32〜44のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有樹脂は、酸性基を有さない他の不飽和単量体も共重合成分とすることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  46. (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、
    (b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は
    (c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに
    (d) 分子内に1個の酸性ピロリン酸基と2個のエチレン性不飽和結合を有するピロリン酸基含有不飽和単量体
    を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、補強シートとからなることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  47. (a) 分子内に1個の酸性リン酸基と1個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(I)、
    (b) 分子内に1個の酸性リン酸基と2個のエチレン性不飽和結合とを有するリン酸基含有不飽和単量体(II)、及び/又は
    (c) 分子内に1個のリン酸基と3個のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体(III)、並びに
    (d) 分子内に1個の酸性ピロリン酸基と2個のエチレン性不飽和結合を有するピロリン酸基含有不飽和単量体
    を共重合してなるリン酸基/ピロリン酸基含有樹脂と、ポリアミド樹脂とを含む均一組成物と、補強シートとからなることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  48. 請求項47に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記ポリアミド樹脂は、下記一般式(4):
    Figure 2004179154
    (ただし一般式(4)において、R17 〜R19は置換または無置換のアルキレン基を表し、R20は置換または無置換のアルキル基を表し、xとyは重合比を表し、10≦x≦50、50≦y≦90であって、xとyとの和は100である。)により表されるN-アルコキシアルキル化ポリアミドであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  49. 請求項48に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記N-アルコキシアルキル化ポリアミドがN-メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  50. 請求項46〜49のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(8):
    Figure 2004179154
    (ただしR13及びR16は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R14及びR15は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、t及びwは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  51. 請求項50に記載の固体高分子電解質複合膜において、R13及びR16はH又はCH3であり、R14及びR15はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  52. 請求項46〜51のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)は、下記一般式(1):
    Figure 2004179154
    (ただしR1は水素又はアルキル基であり、R2は水素又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  53. 請求項52に記載の固体高分子電解質複合膜において、R1はH又はCH3であり、R2はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  54. 請求項52又は53に記載の固体高分子電解質複合膜において、リン酸基がアミン塩又はアンモニウム塩を形成していることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  55. 請求項46〜54のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)は、下記一般式(2):
    Figure 2004179154
    (ただしR3及びR6は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R4及びR5は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、m及びkは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  56. 請求項55に記載の固体高分子電解質複合膜において、R3及びR6はH又はCH3であり、R4及びR5はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  57. 請求項46〜56のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体(III)は、下記一般式(3):
    Figure 2004179154
    (ただしR7、R10及びR12は水素又は同一もしくは別異のアルキル基であり、R8、R9及びR11は水素あるいは同一又は別異の置換もしくは無置換のアルキル基であり、p、r及びsは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  58. 請求項57に記載の固体高分子電解質複合膜において、R7、R10及びR12はH又はCH3であり、R8、R9及びR11はH、CH3又はCH2Clであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  59. 請求項46〜58のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、[前記リン酸基含有不飽和単量体(I)]/[前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は(III)と前記ピロリン酸基含有不飽和単量体との合計]のモル比は1/0.1 〜1/10であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  60. 請求項46〜59のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂が、前記リン酸基含有不飽和単量体(I)、前記リン酸基含有不飽和単量体(II)及び/又は前記リン酸基含有不飽和単量体(III)と、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  61. 請求項60のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記スルホン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(5):
    Figure 2004179154
    (ただしR21は水素又はメチル基である。)により表される化合物、
    下記一般式(6):
    Figure 2004179154
    (ただしR22は水素又はメチル基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物、及び
    下記一般式(7):
    Figure 2004179154
    (ただしR23は水素又はメチル基であり、Yは−O−基又は−NH−基であり、Xは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基である。)により表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  62. 請求項46〜61のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記リン酸基/ピロリン酸基含有樹脂は、酸性基を有さない他の不飽和単量体も共重合成分とすることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  63. 請求項32〜62のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記補強材シートとして、無機質繊維或いは有機質繊維からなるシートを用いたことを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  64. 請求項63に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記シートが、織布、不織布又は紙であることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  65. 請求項32〜62のいずれかに記載の固体高分子電解質複合膜において、前記補強材シートとして、樹脂フィルムを用いたことを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
  66. 請求項65に記載の固体高分子電解質複合膜において、前記樹脂フィルムは、微多孔フィルムであることを特徴とする固体高分子電解質複合膜。
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