JP4581186B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents

渦電流減速装置

Info

Publication number
JP4581186B2
JP4581186B2 JP2000175383A JP2000175383A JP4581186B2 JP 4581186 B2 JP4581186 B2 JP 4581186B2 JP 2000175383 A JP2000175383 A JP 2000175383A JP 2000175383 A JP2000175383 A JP 2000175383A JP 4581186 B2 JP4581186 B2 JP 4581186B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support ring
eddy current
row
permanent magnet
reduction device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000175383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001359271A (ja
Inventor
晃 斉藤
健詞 荒木
泰隆 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2000175383A priority Critical patent/JP4581186B2/ja
Priority to EP01102942A priority patent/EP1124311B1/en
Priority to US09/778,882 priority patent/US6725982B2/en
Priority to DE60140227T priority patent/DE60140227D1/de
Priority to KR10-2001-0006299A priority patent/KR100394053B1/ko
Publication of JP2001359271A publication Critical patent/JP2001359271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4581186B2 publication Critical patent/JP4581186B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Description

【0001】
本発明は、制動補助装置としてバスやトラック等の大型自動車に取付けられる渦電流減速装置に係り、特に制動オン又は制動オフを行うエアシリンダの小型化を図りつつも十分な力を発生させることができる渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、バスやトラック等の大型自動車には、下り勾配路でのフットブレーキの使用回数を減少させて、ライニングの異常摩耗やフェード現象を防止すると共に、制動停止距離を短縮することを目的として、主ブレーキであるフットブレーキや補助ブレーキである排気ブレーキの他に渦電流減速装置が取付けられるようになってきた。そして、この渦電流減速装置も、最近では、磁極として永久磁石を使用し、制動時に通電を必要としないものが多くなってきている。
【0003】
この永久磁石式の渦電流減速装置には、代表的な2つの方式があり、その1つは、特願昭63−127696号に代表されるように、1列の磁石支持リングを有した1列方式である。以下、この1列方式の渦電流減速装置について、後述する実施例で用いる図1及び図2を参照して説明する。1列方式の渦電流減速装置10は、ヨーク用の1列の磁石支持リング11を有する。
【0004】
磁石支持リング11の外周面には、永久磁石12が周方向に沿って所定の間隔でN極、S極を交互にして配置されている。磁石支持リング11の外周面に設けた永久磁石12の配置位置からさらに径方向に所定間隔を存した外周には非磁性体の支持体13aが固定配置され、この支持体13a間に周方向で所定間隔を存してスイッチ板13が設けられている。スイッチ板13の配置位置から径方向に所定間隔を存した外周には、制動ドラム14が設けられている。
【0005】
1列方式の渦電流減速装置10は、スイッチ板13に対向した磁石支持リング11の永久磁石12がスイッチ板13と重なり合う位置に、磁石支持リング11を回動させると、円周方向に隣接する永久磁石12間には、スイッチ板13及び制動ドラム14の円筒部の内周面を含めて、図1に破線矢印で示すように、磁気回路が構成されて制動オン状態となり、制動ドラム14の円筒部の内周面に生じる渦電流によって制動トルクが発生する。
【0006】
また、上記した制動オンの位置から磁石支持リング11を回転させて、隣接するスイッチ板13間に永久磁石12が半分ずつ跨るようにすると、スイッチ板13を介した隣接する永久磁石12の間で、磁気回路が構成され、制動ドラム14には永久磁石12から発生する磁束が作用しないので、渦電流は流れず制動トルクは発生しなくなる。
【0007】
もう1つは、特許第2077439号に代表されるように、2列の磁石支持リングを有した2列方式である。以下、この2列方式の渦電流減速装置について、後述する実施例で用いる図3及び図4を参照して説明する。2列方式の渦電流減速装置20は、ヨーク用の固定支持リング21aと回動支持リング21bの2列の磁石支持リング21を有する。
【0008】
固定支持リング21aと回動支持リング21bの外周面には、各々永久磁石22a,22bが各々周方向に沿って所定の間隔でN極、S極を交互にして配置されている。固定支持リング21aと回動支持リング21bの外周面に各々設けた永久磁石22a,22bの配置位置から径方向に所定間隔を存した外周には非磁性体の支持体23aが固定配置され、この支持体23a間に周方向で所定間隔を存してスイッチ板23が設けられている。スイッチ板23の配置位置から径方向外周に所定間隔を存した位置には、制動ドラム24が設けられている。
【0009】
2列方式の渦電流減速装置20は、スイッチ板23に対向した固定支持リング21a側の永久磁石22aと回動支持リング21b側の永久磁石22bとの極性が同一となる位置に、回動支持リング21bを回動させると、周方向に隣接する永久磁石22a,22b間には、スイッチ板23及び制動ドラム24の円筒部の内周面を含めて、図3に破線矢印で示すように、磁気回路が構成されて制動オン状態となり、円筒部の内周面に生じる渦電流によって制動トルクが発生する。
【0010】
また、上記した制動オンの位置から回動支持リング21bを回転させて、スイッチ板23に対向する固定支持リング21aの永久磁石22aと回動支持リング21bの永久磁石22bの極性が互いに逆となる位置にすると、スイッチ板23とこれに対向する二つの永久磁石22a,22b間で、磁気回路が構成されて制動オフ状態となり、制動ドラム24の円筒部の内周面には永久磁石22a,22bから発生する磁束が作用しないので、渦電流は流れず制動トルクは発生しなくなる。
【0011】
以上説明した1列方式の渦電流減速装置と2列方式の渦電流減速装置の構成の相違から生じるそれぞれの長所は、次の通りである。すなわち、2列方式の渦電流減速装置と比較したときの1列方式の渦電流減速装置の長所は、永久磁石及び磁石支持リングの数、永久磁石を磁石支持リングに支持させる締結部材の数などといった部品点数が2列方式の渦電流減速装置より少なくてよく、低コストで製作が可能である。
【0012】
また、2列方式の渦電流減速装置と比較したときの1列方式の渦電流減速装置の長所は、制動オン又は制動オフの切り替え時に、隣接するスイッチ板に永久磁石が半分ずつ跨るように磁石支持リングを回転させることから、磁石支持リングの駆動アクチュエータとしての例えばエアシリンダのシリンダストロークが2列方式の渦電流減速装置に較べて半分でよく、シリンダストローク方向の長さが短縮され、小型化が可能となる。
【0013】
一方、1列方式の渦電流減速装置と比較したときの2列方式の渦電流減速装置の長所は、永久磁石の磁力、及び永久磁石と対向配置されたスイッチ板との吸引力が、1列方式の渦電流減速装置と較べて小さいことから、制動オン又は制動オフの切り替え時に、回動支持リングの駆動アクチュエータとしての例えばエアシリンダのピストン径を1列方式の渦電流減速装置に較べて小さくすることができ、エアシリンダの径方向の寸法を縮小化することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した1列方式及び2列方式の渦電流減速装置では、磁石支持リング及び回動支持リングを回動させる駆動アクチュエータとしては、上記したようにエアシリンダを採用することが多い。トラック車両に、1列方式又は2列方式の渦電流減速装置を採用した場合、エアシリンダに供給される圧縮エアの圧力は、通常、7〜9kgf/cm2 である。
【0015】
エアシリンダにて磁石支持リング及び回動支持リングを回動させるのに必要な力は、磁石(磁力)の大きさや制動ドラムの回転速度(一般的な使用回転速度の範囲は0〜4000rpm)に依存する。従って、エアシリンダは、この制動ドラムの回転速度の範囲内で要する最大の力に見合うものを採用する必要がある。
【0016】
従って、上記した回転速度の範囲内で要する最大の力に見合うエアシリンダをそのまま採用すれば何ら問題はないが、装置全体の小型化や低コスト化を考えると、できる限り小さい力でかつ消費エア量の少ない、つまり小さくて効率のよいエアシリンダを採用することが望ましい。
【0017】
しかしながら、そのようなエアシリンダを採用すると、上記した制動ドラムの回転速度の範囲内で要する最大の力を発生させることができない可能性がある。
【0018】
よって、従来の(1列方式及び2列方式の)渦電流減速装置は、エアシリンダによる装置全体の低コスト化と小型化を図ろうとするとエアシリンダの力不足が生じ、一方、所定の押引力を満たすエアシリンダを採用すると低コスト化と小型化が図れない、といったように双方が満たされなかった。
【0019】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、小型で消費エア量の少ないエアシリンダを採用しつつも、制動ドラムの回転速度の範囲内で要する最大の力に見合うだけの力を十分に発生させることができ、装置全体の低コスト化と小型化を図ることができる渦電流減速装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、制動オフから制動オンに切り替える際の1列方式の支持リング又は2列方式の回動側の支持リングの回転を、ピストン受圧面積の大きい側へのエアの供給により、制動ドラムの回転方向へピストンロッドが突出することで行うように構成したものである。このようにすることで、小型で消費エア量の少ないエアシリンダを採用しつつも、制動ドラムの回転速度の範囲内で所定の力を十分に発生させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、発明者らの研究によって、1列方式及び2列方式のいずれの渦電流減速装置においても以下の(1)〜(3)の特性を有することを見出し、この特性に基づいて構成した。
【0022】
(1)エアシリンダにおいて、同圧にてエアを供給する場合、ピストンを押す力は、ピストン受圧面積の小さい側(ピストンロッドを設けた側)より、ピストン受圧面積の大きい側(ピストンロッドを設けていない側)にエアを供給した方が大きい。
【0023】
(2)図8には、渦電流減速装置における制動オフ→制動オン→制動オフにするときに、1列方式の磁石支持リング又は2列方式の回動支持リングを回動させるために要する力を示している。この図8において、渦電流減速装置では制動オフから制動オン状態にするときに、制動オンから制動オフにするときより大きな力を要し、従ってエアシリンダは、この制動オフから制動オンにするときの力によって決定する必要がある。これは1列方式の渦電流減速装置であっても2列方式の渦電流減速装置でも同様のことが言える。
【0024】
(3)制動ドラムの回転方向に、制動オフから制動オンにするために、1列方式の磁石支持リング又は2列方式の回動支持リングを回転させると、次の作用によってエアシリンダの力は小さくてよくなる。
【0025】
すなわち、制動ドラムの内部を通過している磁束は、制動ドラムの回転方向に引きずられる。その結果、スイッチ板内部を通過している磁束の流れは、制動ドラムの回転方向に傾斜した状態を余儀なくされる。そして、スイッチ板内部を通過している磁束は常に安定状態、つまりスイッチ板を最短距離で通過しようとしているので、その作用による反力が(1列方式の磁石支持リングに配置された又は2列方式の回動支持リングに配置された)永久磁石におよぶことになる。
【0026】
図9(a)に示すように、永久磁石を制動ドラムと同じ方向に回転させて、制動オフから制動オンにする時、永久磁石の移動方向と磁束の傾斜を解消しようとする磁気作用の方向とが同一となり、移行途中の永久磁石の動きを後押しするような反力が永久磁石に作用する。
【0027】
ちなみに、図9(b)に示すように、永久磁石を制動ドラムと反対方向に回転させて、制動オフから制動オンにする時、永久磁石の移動方向と、磁束の傾斜を解消しようとする磁気作用の方向とが反対となり、その反力の分だけ永久磁石の移動に余分な力が必要となる。
【0028】
これら(1)〜(3)から、本発明は、制動オフから制動オンに切り替える際の1列方式の支持リング又は2列方式の回動側の支持リングの回転を、ピストン受圧面積の大きい側へのエアの供給により、制動ドラムの回転方向へピストンロッドが突出することで行うように構成したのである。
【0029】
すなわち、制動オフから制動オンにする際に、1列方式の磁石支持リング又は2列方式の回動支持リングを回転させるには、大きな力を要するが、上記したように大きな力をエアシリンダのみに依存させて発生させるのではなく、渦電流減速装置の特性を利用してできる限りエアシリンダの負荷を軽減させることで、小さい力で同様の動作を実現させるようにしたのである。
【0030】
つまり、制動オフから制動オンにするときには、1列方式の磁石支持リング又は2列方式の回動支持リングの回転を、制動ドラムの回転方向とし、そして、このときのピストンの移動をピストン受圧面積の大きい側にエアを供給して行うようにすれば、小さい力で従来と同じ動作を実現させることが可能となり、小型で消費エア量の少ないエアシリンダを採用しつつも、制動ドラムの回転速度の範囲内で要する最大の力を十分に発生させることができ、装置全体の低コスト化と小型化を図ることができるのである。
【0031】
例えば本発明を2列方式の渦電流減速装置とした場合、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、1列方式の渦電流減速装置に較べて2列方式の渦電流減速装置は、制動オン又は制動オフに切り替えるために回動支持リングを回動させる力が小さくてよく、よって、エアシリンダのピストン径を小さくできる特性に加え、一層の省力化と小型化を図ることができる。
【0032】
例えば本発明を1列方式の渦電流減速装置とした場合、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、2列方式の渦電流減速装置に較べて1列方式の渦電流減速装置は、部品点数が少なくてよく、また、シリンダストロークが短くてよいため、エアシリンダの短縮化と低コスト化が実現できる特性に加え、一層の省力化と小型化を図ることができ、特に2列方式の渦電流減速装置に較べて、低コスト化と小型化が顕著となる。
【0033】
【実施例】
以下に本発明の渦電流減速装置の実施例について図1〜図7を参照して説明する。図1〜図4は、本発明の渦電流減速装置の概略構成を示す図である。図5は、本発明の渦電流減速装置におけるエアシリンダ周辺を示す図である。図6及び図7は、本発明の効果を説明するための図である。
【0034】
図1及び図2には、1列方式の渦電流減速装置10を示している。図1及び図2において、11は、回動可能とされたヨーク用の1列の磁石支持リングである。12は、磁石支持リング11の外周面に、その周方向に沿って所定の間隔でN極、S極を交互に配置した永久磁石である。13は、永久磁石12の配置位置から径方向に所定間隔を存した外周に固定的に設けられた非磁性体でなる支持体13aの周方向所定間隔に配置されたスイッチ板である。14は、スイッチ板13の配置位置から径方向外周に所定間隔を存して配置された制動ドラムである。
【0035】
15は、磁石支持リング11を回動させるためのエアシリンダであり、本実施例では、互いに径方向で対向するように2つ設けている。このエアシリンダ15は、ピストンロッド15aを設けていない側のピストン15bの面、つまり受圧面積の大きい側からエアを供給して、後述する制動オフから制動オンにするときにおける磁石支持リング11の回転方向(図1に示す実線矢印)と、制動ドラム14の回転方向(図1に示す二点鎖線矢印)とが一致する方向にピストンロッド15aを突出させるようにしている。また、エアシリンダ15は、ピストンロッド15aの先端部に形成された係合部15cが磁石支持リング11の側周部に形成された係合突部11aに係合している。
【0036】
この1列方式の渦電流減速装置10は、次のように動作する。
制動オフから制動オンにする場合は、エアシリンダ15のピストン15bにおける受圧面積の広い側にエアを供給して、永久磁石12がスイッチ板13と重なり合うように、ピストンロッド15aを図1に示す実線矢印及び二点鎖線矢印の方向に突出させて磁石支持リング11を回転させる。このとき、周方向に隣接する永久磁石12間には、スイッチ板13及び制動ドラム14の円筒部の内周面を含めて、図1に破線矢印で示すように、磁気回路が構成されて制動オン状態となり、円筒部の内周面に生じる渦電流によって制動トルクが発生する。
【0037】
また、上記した制動オンから制動オフにする場合は、制動オンの位置から、隣接するスイッチ板13間に永久磁石12が半分ずつ跨るように磁石支持リング11を逆に回転させると、スイッチ板13を介した隣接する永久磁石12の間で磁気回路が構成され、制動ドラム14には永久磁石12から発生する磁束が作用しないので、渦電流は流れず制動トルクは発生しなくなる。
【0038】
図3及び図4には、2列方式の渦電流減速装置20を示している。図3及び図4において、21は、ヨーク用の固定支持リング21aと回動支持リング21bとからなる磁石支持リングである。22a,22bは、固定支持リング21aと回動支持リング21bの各々の外周面に沿って所定の間隔でN極、S極を交互に配置した永久磁石である。23は、永久磁石22a,22bの配置位置から径方向に所定間隔を存した外周に固定的に設けられた非磁性体でなる支持体23aの周方向所定間隔に配置されたスイッチ板である。24は、スイッチ板23の配置位置から径方向外周に所定間隔を存して設けられた制動ドラムである。
【0039】
25は、回動支持リング21bを回動させるためのエアシリンダであり、本実施例では、互いに対向するように2つ設けている。このエアシリンダ25は、ピストンロッド25aを設けていない側のピストン25bの面、つまり受圧面積の大きい側からエアを供給して、後述する制動オフから制動オンにするときにおける回動支持リング21bの回転方向(図3に示す実線矢印)と、制動ドラム24の回転方向(図3に示す二点鎖線矢印)とが一致する方向にピストンロッド25aを突出させるようにしている。また、エアシリンダ25は、ピストンロッド25の先端部に形成された係合部25cが磁石支持リング21の側周部に形成された係合突部21cに係合している。
【0040】
この2列方式の渦電流減速装置20は、次のように動作する。
制動オフから制動オンにする場合は、エアシリンダ25のピストン25bにおける受圧面積の広い側にエアを供給して、スイッチ板23に対向した固定支持リング21a側の永久磁石22aと回動支持リング21b側の永久磁石22bとの極性が同一となるように、ピストンロッド25aを図3に示す実線矢印及び二点鎖線矢印の方向に突出させて回動支持リング21bを回転させると、周方向に隣接する永久磁石22a,22b間には、スイッチ板23及び制動ドラム24の円筒部の内周面を含めて、図3に破線矢印で示すように、磁気回路が構成されて円筒部の内周面に生じる渦電流によって制動トルクが発生する。
【0041】
また、上記した制動オンから制動オフにする場合は、制動オンの位置から、回動支持リング21bを逆に回転させて、スイッチ板23に対向する固定支持リング21aの永久磁石22aと回動支持リング21bの永久磁石22bの極性が互いに逆となる位置に回動支持リング21bを回動させると、スイッチ板23とこれに対向する二つの永久磁石22a,22b間で、磁気回路が構成されて制動オフ状態となり、制動ドラム24の円筒部の内周面には永久磁石22a,22bから発生する磁束が作用しないので、渦電流は流れず制動トルクは発生しない。
【0042】
次に、本発明の効果について説明する。本実施例で説明した渦電流減速装置10,20は、図5に示すように、エアシリンダ15,25において、ピストン15b,25bにおける受圧面積の大きい側にエアを供給して、制動ドラム14,24の回転方向でかつ制動オフから制動オンにする際の磁石支持リング11、回動支持リング21bの回転方向へピストンロッド15a,25aを突出させることによって、以下に示すように顕著な作用効果を得ることができる。
【0043】
図6には、制動オフ→制動オン→制動オフと動作させたときにおけるエアシリンダの力について、1列方式の渦電流減速装置10(図示実線)と、従来の1列方式の渦電流減速装置(図示一点鎖線)及び2列方式の渦電流減速装置(図示破線)とを比較して示している。
【0044】
図6で示すように、1列方式の渦電流減速装置10は、従来の1列方式の渦電流減速装置に較べて、力の最大値を約15%小さくすることができ、かつ動作全般において省力化を図ることができた。また、1列方式の渦電流減速装置10は、従来の2列方式の渦電流減速装置と較べても、力の最大値を約5%小さくすることができた。
【0045】
図7には、制動オフ→制動オン→制動オフと動作させたときにおけるエアシリンダの力について、2列方式の渦電流減速装置20(図示実線)と、従来の2列方式の渦電流減速装置(図示破線)及び1列方式の渦電流減速装置(図示一点鎖線)とを比較して示している。
【0046】
図7で示すように、2列方式の渦電流減速装置20は、従来の2列方式の渦電流減速装置に較べて、力の最大値を約10%小さくすることができ、かつ動作全般において省力化を図ることができた。また、2列方式の渦電流減速装置20は、従来の1列方式の渦電流減速装置に較べた場合、力の最大値を約20%小さくすることができた。
【0047】
以上の結果から、1列方式の渦電流減速装置10と、2列方式の渦電流減速装置20とを較べると、図示しないが、エアシリンダの力のみを単純に比較すると、2列方式の渦電流減速装置20の方が1列方式の渦電流減速装置10より力を約5%小さくできる。
【0048】
しかしながら、1列方式の渦電流減速装置10と従来の1列方式の渦電流減速装置と比較したときの差は約15%で、2列方式の渦電流減速装置20と従来の渦電流減速装置とを比較したときの差は約10%であることを考えると、本発明による効果は、1列方式でより顕著に現れることが分かる。
【0049】
さらに、本発明の目的である装置全体の低コスト化と小型化は、従来と比較してあくまでもエアシリンダの小さいものを採用することができる点に起因して達成されるのであるが、1列方式の渦電流減速装置10と2列方式の渦電流減速装置20とを較べると、1列方式の渦電流減速装置10の方が、2列方式の渦電流減速装置20に較べて、部品点数が少ないこと、及びシリンダストロークが約半分でよいことなどから、本発明の目的である装置全体の低コスト化と小型化をより有利に達成することができる。
【0050】
このように、本発明の渦電流減速装置10,20は、確実にエアシリンダが要する力を従来よりも小さくすることができ、従来より小型で省力のエアシリンダを採用することができるから、装置全体の小型化と低コスト化が達成できるのである。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の渦電流減速装置は、制動オフから制動オンに切り替える際の1列方式の支持リング又は2列方式の回動側の支持リングの回転を、ピストン受圧面積の大きい側へのエアの供給により、制動ドラムの回転方向へピストンロッドが突出することで行うようにしたので、小型で消費エア量の少ないエアシリンダを採用しつつも、制動ドラムの回転速度の範囲内で要する最大の力を十分に発生させることができると共に、装置全体の低コスト化と小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の渦電流減速装置(1列方式)の概略構成を示す回転軸方向から見た図である。
【図2】本発明の渦電流減速装置(1列方式)の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の渦電流減速装置(2列方式)の概略構成を示す回転軸方向から見た図である。
【図4】本発明の渦電流減速装置(2列方式)の概略構成を示す断面図である。
【図5】本発明の渦電流減速装置の原理を説明するための図である。
【図6】エアシリンダの力について本発明の渦電流減速装置(1列方式)と、従来の1列方式の渦電流減速装置及び2列方式の渦電流減速装置とを比較した図である。
【図7】エアシリンダの力について本発明の渦電流減速装置(2列方式)と、従来の2列方式の渦電流減速装置及び1列方式の渦電流減速装置とを比較した図である。
【図8】エアシリンダの力について従来の1列方式の渦電流減速装置と2列方式の渦電流減速装置とを比較した図である。
【図9】永久磁石の磁気作用と制動ドラムの回転方向との示し、(a)は制動ドラムと同方向に永久磁石を回転させた状態を、(b)は制動ドラムと反対方向に方向に永久磁石を回転させた状態を、各々示す図である。
【符号の説明】
10 渦電流減速装置(1列方式)
11 磁石支持リング
12 永久磁石
13 スイッチ板
14 制動ドラム
15 エアシリンダ
15a ピストンロッド
15b ピストン
20 渦電流減速装置(2列方式)
21 磁石支持リング
21a 固定支持リング
21b 回動支持リング
22a 永久磁石
22b 永久磁石
23 スイッチ板
24 制動ドラム
25 エアシリンダ
25a ピストンロッド
25b ピストン

Claims (1)

  1. 回転軸に設けられた制動ドラムの内周面側に、非磁性体の支持体間に所定間隔で配置した強磁性体のスイッチ板群を介して、制動ドラムに対向してその周方向に沿って所定の間隔でN極、S極を交互に配置した永久磁石群を有する強磁性体の支持リングを、
    前記スイッチ板と永久磁石とが重なり合うと位置と、永久磁石が隣接するスイッチ板を跨いで半分ずつ重なり合う位置とを選択できるように、エアシリンダによって回動可能に構成した、
    又は支持リングを、一方を固定し、他方を所定角度で回動するように2列配置し、他方の支持リングをエアシリンダによって回動移動させて、他方の支持リングの永久磁石と隣合う一方の支持リングの永久磁石が同極になる位置と、隣合う他方の支持リングの永久磁石と一方の支持リングの永久磁石が異極になる位置とを選択できるように構成した、渦電流減速装置において、
    制動オフから制動オンに切り替える際の前記支持リング又は他方の支持リングの回転を、ピストン受圧面積の大きい側へのエアの供給により、前記制動ドラムの回転方向へピストンロッドが突出することで行うように構成したことを特徴とする渦電流減速装置。
JP2000175383A 2000-02-10 2000-06-12 渦電流減速装置 Expired - Fee Related JP4581186B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000175383A JP4581186B2 (ja) 2000-06-12 2000-06-12 渦電流減速装置
EP01102942A EP1124311B1 (en) 2000-02-10 2001-02-08 Eddy current braking apparatus
US09/778,882 US6725982B2 (en) 2000-02-10 2001-02-08 Eddy current braking apparatus
DE60140227T DE60140227D1 (de) 2000-02-10 2001-02-08 Wirbelstrombremse
KR10-2001-0006299A KR100394053B1 (ko) 2000-02-10 2001-02-09 와전류 제동 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000175383A JP4581186B2 (ja) 2000-06-12 2000-06-12 渦電流減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001359271A JP2001359271A (ja) 2001-12-26
JP4581186B2 true JP4581186B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=18677272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000175383A Expired - Fee Related JP4581186B2 (ja) 2000-02-10 2000-06-12 渦電流減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4581186B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140141612A (ko) 2012-03-29 2014-12-10 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 와전류식 감속장치

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015144537A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 アイシン精機株式会社 抵抗発生装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11150936A (ja) * 1997-11-19 1999-06-02 Sumitomo Metal Ind Ltd 渦電流減速装置及びそのon−off切替え装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08275501A (ja) * 1995-03-30 1996-10-18 Sumitomo Metal Ind Ltd 渦電流式減速装置のon・off切換え装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11150936A (ja) * 1997-11-19 1999-06-02 Sumitomo Metal Ind Ltd 渦電流減速装置及びそのon−off切替え装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140141612A (ko) 2012-03-29 2014-12-10 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 와전류식 감속장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001359271A (ja) 2001-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107636943B (zh) 涡流式减速装置
JP2007162923A (ja) 摩耗粉吸着装置
JP3651255B2 (ja) 渦電流減速装置
CN109969149B (zh) 盘式制动器及其控制系统、车辆
JP4581186B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3444167B2 (ja) 渦電流減速装置及びそのon−off切替え装置
JPH09275672A (ja) うず電流式リターダ
KR101653897B1 (ko) 와전류식 감속장치
JP3953718B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3721991B2 (ja) 渦電流式減速装置の制動力制御方法
JP3858839B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3711854B2 (ja) 渦電流式減速装置のアクチュエータ
JP4042357B2 (ja) 渦電流式減速装置
JPH07245933A (ja) 渦電流式減速装置
JP3791447B2 (ja) 小型、軽量型の渦電流減速装置
JP3700567B2 (ja) 渦電流式減速装置のon−off切換装置
JP3758486B2 (ja) 渦電流式減速装置のon−off切換装置
JP4604857B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2001119924A (ja) 渦電流式減速装置
JP3633291B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3882390B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4016537B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2573695Y2 (ja) 渦電流式減速装置
JPH07194091A (ja) 渦電流式リターダ
JP2577810Y2 (ja) 渦電流式減速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4581186

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees