JP3953718B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動補助装置としてバスやトラック等の大型自動車に取付けられる渦電流式減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、バスやトラック等の大型自動車には、長い降坂時等において、安定した減速を行い、フットブレーキの使用回数を減少させて、ライニングの異常摩耗やフェード現象を防止すると共に、制動停止距離を短縮することを目的として、主ブレーキであるフットブレーキや補助ブレーキである排気ブレーキの他に渦電流式減速装置が取付けられるようになってきた。この渦電流式減速装置には、磁石として、電磁石を使用するものと、永久磁石を使用するものがあるが、最近では、制動時に通電を必要としない永久磁石を使用したものが多くなってきている。
【0003】
この永久磁石を使用した渦電流式減速装置の一例である特開平1−298948号で提案されたものは、図6に示すように、回転軸1に軸受2を介して軸支された非磁性体の支持体3に、ヨーク用の支持リング4を、軸受5を介して回動自在に軸支し、この支持リング4に複数の永久磁石6を互いに極性を逆向きにして周設すると共に、これら永久磁石6群の外周面に対向するように、上記支持体3に互いに磁気的に絶縁した強磁性体の複数のスイッチ板7を周設し、回転軸1に固着したロータ8の円筒部8aの内周面を、所定の間隙を存して前記スイッチ板7に対向せしめ、上記支持リング4を支持体3に対して所定角度回動可能に構成したものである。なお、図6中の3aは支持体3の取付け部、8bは冷却フィンを示す。
【0004】
この特開平1−298948号で提案された単列旋回方式の渦電流式減速装置は、例えば特公平7−118901号で提案されたような、図7に示す、回転軸1に設けられたロータ8と、このロータ8に対向して固定側から支持され、その周方向に沿って所定間隔でN極、S極が交互に配置された永久磁石11群を有する固定支持リング12と、この固定支持リング12と同様の永久磁石13群を有し、かつ、固定支持リング12に対して回動自在な可動支持リング14と、上記ロータ8と永久磁石11,13群との間に介設され、固定支持リング12の各永久磁石11の上方から可動支持リング14の上方へ延出された強磁性体の複数のスイッチ板7と、これらスイッチ板7間に介設された非磁性体の支持体3を備えた二列旋回方式の渦電流式減速装置に比べて、制動OFF時における引きずりトルクが高いという欠点を有するものの、反面、部品点数を大幅に減らすことができるので、耐久信頼性が向上すると共に、低コスト化が図れ、また、永久磁石13の旋回角度が半分になるので、シリンダーの小型化や消費エアーの節減が図れるという長所がある。
【0005】
この特開平1−298948号で提案された渦電流式減速装置では、図8(a)に示すように、永久磁石6がスイッチ板7と重なり合うように支持リング4を回動させると、支持リング4と、隣接する永久磁石6及び隣接するスイッチ板7と、ロータ8の円筒部8aで、矢印で示すように磁気回路が形成されて、いわゆる制動ONの状態となり、前記した円筒部8aには永久磁石6からの磁束が作用して渦電流が発生し、制動トルクが発生する。
【0006】
上記した制動ONの位置から支持リング4を回し、図8(b)に示すように、一つの永久磁石6が隣接するスイッチ板7を跨いで半分ずつ重なり合った状態となすと、支持リング4と、隣接する永久磁石6と、一つのスイッチ板7で、矢印で示すように短絡的磁気回路が形成されて、いわゆる制動OFFの状態となる。
【0007】
この状態では、前記した円筒部8aに渦電流が流れず、制動トルクが発生しないのが理想であるが、現実には、図8(b)に破線で示す、永久磁石6上でスイッチ板7に覆われない部分からの漏れ磁束がロータ8の円筒部8aに作用するため、円筒部8aに引きずりトルクが発生するという問題が生じる。
【0008】
そこで、この引きずりトルクの発生を防止するために、例えば特開平5−211761号、特開平6−165477号、特開平6−189522号、特開平6−86534号が提案されている。
【0009】
例えば特開平5−211761号では、図9に示すように、制動OFF時にスイッチ板(7)に覆われない部分となる永久磁石6の周方向中央部分に開口部6aを設けたり(図9(a))、また、周方向中央両側に切欠き6bを設ける(図9(b))ことで、スイッチ板(7)に覆われない部分の永久磁石面積を縮小し、制動OFF時、スイッチ板(7)に覆われない部分からの漏れ磁束を低減しようとしている。
【0010】
また、特開平6−165477号では、図10に示すように、制動OFF時にスイッチ板7に覆われない部分となる永久磁石6の周方向中央部分に、極性が逆の磁石9を設け、制動OFF時、永久磁石6と磁石9とで短絡的磁気回路を形成させるようにしている。
【0011】
また、特開平6−189522号では、図11に示すように、制動OFF時にスイッチ板に覆われない部分となる永久磁石6の周方向中央部分に凹部6cを設けて、スイッチ板に覆われない部分の永久磁石体積を縮小し、制動OFF時、スイッチ板に覆われない部分からの漏れ磁束を低減しようとしている。
【0012】
また、特開平6−86534号では、図12に示すように、各永久磁石6の外周面の周方向両端側に、スイッチ板7の方向に突出する強磁性体からなる磁極材10を設けることで、制動OFF時、スイッチ板7に覆われない部分からの漏れ磁束を低減しようとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平5−211761号、特開平6−165477号、特開平6−189522号で提案されたものは、いずれも、制動OFF時にスイッチ板に覆われない部分となる、永久磁石における周方向中央部分の磁力を弱めるものであるから、制動OFF時の漏れ磁束は低減できるものの、同時に制動ON時の制動トルクも低下するという問題がある。また、難加工材である永久磁石の形状を複雑にすることにより、コスト高を招く。
【0014】
また、特開平6−86534号で提案されたものでは、スイッチ板と永久磁石間の間隔が大きくなるので、必然的に永久磁石とロータの円筒部との距離も大きくなって、制動ON時にロータの円筒部に到達して作用する磁束密度が低減する。特に、永久磁石の周方向中央部で、スイッチ板との間に空隙が形成されるので、永久磁石の周方向中央部から生じる磁束の減衰が大きくなる結果、制動ON時の制動トルクが低下するという問題がある。
【0015】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、スイッチ板の厚さを制動トルクの増大にあわせて厚くする必要がなく、制動ON時の制動力を可及的に損なわないで、制動OFF時に、周方向に隣接するスイッチ板間からロータの円筒部に漏れる磁束を抑え、引きずりトルクを抑制することができる渦電流式減速装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の渦電流式減速装置は、単列旋回方式の磁極数が16極(極間の回転中心からの角度θは22.5°)の渦電流式減速装置において、スイッチ板の厚みTは13.00〜15.00 mm、幅Wは58〜65 mm、周方向に隣合うスイッチ板における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθは4.693〜6.326°の範囲内で、かつ前記幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tが1.043〜1.218となるようにすることとしている。そして、このようにスイッチ板の厚み及び幅と、周方向に隣合うスイッチ板における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθと極間の回転中心からの角度θの関係を規定することで、制動ON時の制動力を可及的に損なわないで、制動OFF時、車両に応じてロータの円筒部への磁気漏れを効果的に低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らの研究、実験によれば、渦電流式減速装置においては、スイッチ板の厚みTと周方向に隣合うスイッチ板の内周面側間隔δの関係δ/Tのみならず、磁気回路の構成要件よりスイッチ板の幅Wも制動トルクや引きずりトルクに影響を与えることが判明した。また、最近では、低中速走行用の車両や駆動系がダイレクトドライブ系の車両にも渦電流式減速装置が装着されるようになってきている。
【0018】
本発明の渦電流式減速装置は、車両用の渦電流式減速装置について、スイッチ板の厚みTと周方向に隣合うスイッチ板の内周面側間隔δの関係δ/T、及び、スイッチ板の幅Wの影響について種々研究、実験した結果に基づいてなされたものであり、回転軸に一体的に取り付けられたロータと、このロータに対向して支持され、ロータの周方向に沿って磁極の向きを互いに逆向きとなるよう、所要角度旋回可能な強磁性体の支持リングに一定の間隔を存して配置された永久磁石群と、この永久磁石群と前記ロータとの間に、前記永久磁石群の各永久磁石と基本的には同じ角度位置に介設された強磁性体のスイッチ板群と、このスイッチ板群の各スイッチ板の間に介設された非磁性体の支持体部分を備えた単列旋回方式の磁極数が16極(極間の回転中心からの角度θは22.5°)の渦電流式減速装置において、スイッチ板の厚みTは13.00〜15.00 mm、幅Wは58〜65 mm、周方向に隣合うスイッチ板における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθは4.693〜6.326°の範囲内で、かつ前記幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tが1.043〜1.218であることを要旨とするものである。
【0019】
本発明の渦電流式減速装置において、周方向に隣合うスイッチ板の内周面側の間隔を、周方向に隣合うスイッチ板における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθと、極間の回転中心からの角度θの比δθ/θで表したのは、径の大小に関わらず最適な値を得られるようにするためである。
【0020】
また、本発明の渦電流式減速装置において、スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tを1.043以上としたのは、本発明者らの実験によれば、高速車両用と低中速車両用の渦電流式減速装置ともに、制動ONの状態のとき、(δθ/θ)×W/Tが1.043未満であれば十分な制動トルクを得ることができなかったからである。
【0021】
また、同様に本発明者らの実験によれば、スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tを1.218以下としたのは、これらの値を超えると、制動OFF時における磁気漏れ量が多くなって、高速車両や低中速車の燃費に悪影響を与えるからである。
【0022】
本発明の渦電流式減速装置において、高速車両用とは、例えば大型トラックの場合には、終減速比が3.3を超えるものを、また、低中速車両用とは、例えば大型トラックの場合には、終減速比が3.3以下のものをいう。
【0023】
本発明の渦電流式減速装置では、スイッチ板と永久磁石が重なり合うと、支持リングと、隣接する永久磁石及び隣接するスイッチ板と、ロータの円筒部で磁気回路が形成されて、いわゆる制動ONの状態となり、回転するロータの円筒部が永久磁石からの磁界を横切る時にロータの円筒部に生じる渦電流と磁界の作用により、ロータの円筒部に制動トルクが発生する。この制動ONの状態の時、本発明の渦電流式減速装置では、スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tを1.043以上としたので、十分な制動トルクを得ることができる。
【0024】
また、上記した制動ONの位置から、一つの永久磁石が、隣接するスイッチ板を跨いで半分ずつ重なり合った制動OFFの状態となすと、支持リングと、隣接する永久磁石と、これら永久磁石を跨いだスイッチ板で短絡的磁気回路が形成されるため、ロータの円筒部には磁界がほとんど作用しないので、制動力は極めて小さくなる。
【0025】
この制動OFFの状態の時、本発明の渦電流式減速装置では、スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tを1.043〜1.218としたので、ロータの円筒部への磁気漏れ量は高速車両用、低中速車両用の渦電流式減速装置ともに減少して、ロータの円筒部に発生する制動トルクが大幅に減少し、引きずりトルクが低減する。
【0026】
上記した本発明の渦電流式減速装置においては、さらに永久磁石の幅wに対するスイッチ板の幅Wをも適正に設定することで、制動OFF時における引きずりトルクを抑制できるのと共に、制動ON時における制動トルクの低下を最小限に抑えた高効率な設計が可能になる。本発明者らの実験によれば、スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tが1.150で、かつスイッチ板の幅Wと、永久磁石の幅wの比W/wが0.7〜1.5の場合に、引きずりトルクと制動トルクの低下を最小限に抑えることができた。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の渦電流式減速装置を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。なお、図1〜図3中、図6〜図12と同一符号は同一部分或いは相当部分を示し、詳細な説明を省略する。
図1及び図2は磁極数が16極である本発明の渦電流式減速装置の説明図で、図1は制動ONの状態の磁気回路構成を示す部分斜視図、図2は制動OFFの状態の短絡的磁気回路構成を示す部分斜視図、図3は本発明の渦電流式減速装置の回転軸方向の断面図である。
【0028】
図1〜図3は本発明の渦電流式減速装置を示したもので、図6を用いて説明した特開平1−298948号で提案されたものと同様の、回転軸(1)に一体的に取り付けられたロータ8と、このロータ8に対向して支持され、ロータ8の周方向に沿って磁極の向きを互いに逆向きとなるよう、所要角度旋回可能な強磁性体の支持リング4に一定の間隔を存して配置された永久磁石6群と、この永久磁石6群と前記ロータ8との間に、前記永久磁石6群の各永久磁石6と基本的には同じ角度位置に介設された強磁性体のスイッチ板7群と、このスイッチ板7群の各スイッチ板7の間に介設された非磁性体の支持体3部分を備えた構造である。
【0029】
本発明の渦電流式減速装置は、上記した構造において、スイッチ板7の厚みTは13.00〜15.00 mm、幅Wは58〜65 mm、周方向に隣合うスイッチ板7における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθは4.693〜6.326°の範囲内で、かつ前記幅Wと、厚みTと、角度δθ、極間の回転中心からの角度θ(22.5°)の関係(δθ/θ)×W/T(以下、「磁気漏れ係数G」という。)を1.043〜1.218となるようにしているのである。加えて、本実施例では、スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tが1.150で、かつスイッチ板7の幅Wと、永久磁石6の幅wの比W/wを0.7〜1.5の範囲となしている。
【0030】
このような図1〜図3に示した渦電流式減速装置では、支持リング4を回動させて、図1に示すように、永久磁石6がスイッチ板7と重なり合うと、支持リング4と、隣接する永久磁石6及び隣接するスイッチ板7と、ロータ(8)の円筒部8aで磁気回路が形成されて、いわゆる制動ONの状態となり、回転する前記円筒部8aが永久磁石6からの磁界を横切る時に、円筒部8aに生じる渦電流と磁界の作用により、円筒部8aに制動トルクが発生する。
【0031】
また、上記した制動ONの位置から、支持リング4を回動させて永久磁石6列を磁石の半配列ピッチ分だけ旋回させた状態では、図2に示すように、一つの永久磁石6が、隣接するスイッチ板7を跨いで半分ずつ重なった状態となって、支持リング4と、隣接する永久磁石6及びスイッチ板7で短絡的磁気回路が形成されて、いわゆる制動OFFの状態となる。
【0032】
ちなみに、本発明の効果を確認するために、磁極数が16極の本発明と比較の渦電流式減速装置の試験体(以下、「本発明試験体」「比較試験体」という)を作製して性能試験を行った。その結果を図4に示す。
【0033】
図4に示したように、磁気漏れ係数Gを0.50〜2.312の間で変化させた本発明試験体と比較試験体(スイッチ板7の幅Wと、永久磁石6の幅wの比W/w=1.0)では、磁気漏れ係数Gが1.043〜1.218の範囲の本発明試験体では制動ON時における制動トルク比(図4中の○印)は制動トルクが588N・mの場合を100%とした場合、93.29〜96.62%に、また、制動OFF時における引きずりトルク比(図4中の●印)は引きずりトルクが9.8N・mの場合を100%とした場合、6.21〜13.80%と、共に極めて良好な結果が得られた。この図4に示したグラフの各数値を下記表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
また、磁気漏れ係数Gを1.150とした磁極数が16極の本発明試験体におけるスイッチ板7の幅Wと、永久磁石6の幅wの比W/wを0.5〜2.0の間で変化させた場合には、図5に示すように、W/wが0.7〜1.5の範囲内の場合には、さらに制動OFF時における引きずりトルク(図5中の●印)を抑制しつつ、制動ON時における制動トルク(図5中の○印)の低下を最小限に抑えることができた。この図5に示したグラフの各数値を下記表2に示す。
【0036】
なお、図5の縦軸のうち、制動トルク比は制動トルクが588N・mの場合を100%と、引きずりトルク比は引きずりトルクが9.8N・mの場合を100%とした時の比率で示している。
【0037】
【表2】
【0038】
図1〜図3に示した実施例では、ポールピースを省略したものを示しているが、永久磁石6(,11,13)の外周にポールピースを取付けたものであっても良い。
【0039】
なお、図1〜図3に示す実施例では、単列旋回方式のものについて説明したが、例えば特開平1−298947号で提案されているような、ディスクタイプの渦電流式減速装置にも適用できることは言うまでもない。そして、ディスクタイプも、永久磁石群の両側をディスクで挟むものに限らず、一枚のディスクの両側を永久磁石群で挟むものでも良い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の渦電流式減速装置によれば、スイッチ板の幅W及び厚みTと、周方向に隣合うスイッチ板における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθ、極間の回転中心からの角度θとの関係(δθ/θ)×W/Tを適正範囲に規定することで、制動ON時の制動力を損なわないで、制動OFF時の引きずりトルクを大幅に減少させることができ、その結果、非制動時の動力損失を抑制することができる。また、本発明の渦電流式減速装置では、特公平7−118901号で提案された方式のように、スイッチ板の厚さを、制動トルクの増大にあわせて厚くする必要がなく、コンパクト、軽量化が図れる利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁極数が16極である本発明の渦電流式減速装置の説明図で、制動ONの状態の磁気回路構成を示す斜視図である。
【図2】磁極数が16極である本発明の渦電流式減速装置の説明図で、制動OFFの状態の短絡的磁気回路構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の渦電流式減速装置の回転軸方向の断面図である。
【図4】スイッチ板の幅W、厚みT、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tと、制動トルク比及び引きずりトルク比の関係の一例を示した図である。
【図5】スイッチ板の幅Wと永久磁石の幅wの関係W/wと、制動トルク比及び引きずりトルク比の関係の一例を示した図である。
【図6】特開平1−298948号で提案された渦電流式減速装置の側面図で、上半分を断面して示した図である。
【図7】特開平4−12659号で提案された渦電流式減速装置の側面図で、上半分を断面して示した図である。
【図8】図6の渦電流式減速装置における磁気回路構成を示す説明図で、(a)は制動ONの状態、(b)は制動OFFの状態を示す図である。
【図9】(a)(b)は共に特開平5−211761号で提案された永久磁石の形状を説明する斜視図である。
【図10】特開平6−165477号で提案された渦電流式減速装置における制動OFF時の短絡磁気回路構成を示す説明図である。
【図11】特開平6−189522号で提案された永久磁石の形状を説明する断面図である。
【図12】特開平6−86534号で提案された渦電流式減速装置における制動OFF時の短絡磁気回路構成を示す説明図である。
【符号の説明】
3 支持体
4 支持リング
6 永久磁石
7 スイッチ板
8 ロータ
11 永久磁石
12 固定支持リング
13 永久磁石
14 可動支持リング
Claims (2)
- 回転軸に一体的に取り付けられたロータと、このロータに対向して支持され、ロータの周方向に沿って磁極の向きを互いに逆向きとなるよう、所要角度旋回可能な強磁性体の支持リングに一定の間隔を存して配置された永久磁石群と、この永久磁石群と前記ロータとの間に、前記永久磁石群の各永久磁石と基本的には同じ角度位置に介設された強磁性体のスイッチ板群と、このスイッチ板群の各スイッチ板の間に介設された非磁性体の支持体部分を備えた単列旋回方式の磁極数が16極(極間の回転中心からの角度θは22.5°)の渦電流式減速装置において、
スイッチ板の厚みTは13.00〜15.00 mm、幅Wは58〜65 mm、周方向に隣合うスイッチ板における近接する内周面側端部間の回転軸中心からの角度δθは4.693〜6.326°の範囲内で、かつ前記幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tが1.043〜1.218であることを特徴とする車両用の渦電流式減速装置。 - 請求項1に記載の渦電流式減速装置において、
スイッチ板の幅Wと、厚みTと、角度δθ、θの関係(δθ/θ)×W/Tが1.150で、かつスイッチ板の幅Wと、永久磁石の幅wの比W/wが0.7〜1.5であることを特徴とする車両用の渦電流式減速装置。
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