JP3809771B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大型車両の摩擦ブレーキを補助する渦電流減速装置、特に多数の強磁性部材を有する案内筒の内部で、磁石支持筒を正逆回動することにより非制動と制動との切換えを行う形式の渦電流減速装置において、非制動時に磁石支持筒の磁石から洩れ磁界が、案内筒を経て制動ドラムまたは制動円板へ及ばないようにした渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平6-38504号公報に開示される制動ドラム型の渦電流減速装置や、特開2001-16841 号公報に提案される制動円板型の渦電流減速装置は、案内筒に収容した磁石支持筒の正逆回動により制動位置と非制動位置との切換えを行つているので、全体的な寸法が小型であり、非常に効率的な制動トルクが得られる。しかし、現実には磁石支持筒が案内筒の内部で正逆回動するだけであり、非制動位置で磁石からの磁界は強磁性部材により短絡的磁気回路を形成するようになつているが、磁石からの磁界の一部が強磁性部材の間から制動ドラムへ洩れるので、非制動時にも制動ドラムまたは制動円板に僅かな引ずりトルクが発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、非制動時に磁石からの磁界が制動ドラムまたは制動円板へ洩れるのを効率的に抑えるようにした磁渦電流減速装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合した制動ドラムと、前記制動ドラムの内部に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の外筒部に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の外筒部に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の前記回転軸に垂直な断面をほぼ平行4辺形に形成し、該強磁性部材の一方の端部に該強磁性部材の外面に沿つて周方向へ突出する第1の突条を備える一方、該強磁性部材の他方の端部に該強磁性部材の内面に沿つて周方向へ突出する第2の突条を備え、第1の突条と第2の突条とが径方向に間隔を存して重なるように構成したことを特徴とする。
また、本発明の構成は回転軸に結合した左右1対の制動円板と、1対の制動円板の間に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の側壁に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の側壁に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の前記回転軸に垂直な断面をほぼ平行4辺形に形成し、該強磁性部材の一方の端部に該強磁性部材の外面に沿つて周方向へ突出する第1の突条を備える一方、該強磁性部材の他方の端部に該強磁性部材の内面に沿つて周方向へ突出する第2の突条を備え、第1の突条と第2の突条とが径方向に間隔を存して重なるように構成したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では非制動時の制動ドラムへの磁気洩れを抑えるために、案内筒に支持されかつ磁石と制動ドラムまたは制動円板との間に介在する強磁性部材の形状を、強磁性部材の両端部で径方向または軸方向に互いに重なり合うようにし、磁石から制動ドラムまたは制動円板への洩れ磁界を抑え、強磁性部材と磁石支持筒との間に短絡的磁気回路を形成するようにする。
【0006】
【実施例】
図1は本発明による渦電流式減速装置の側面断面図、図2は同正面断面図である。本発明による渦電流式減速装置は、例えば車両用変速機の出力回転軸1に結合される導体からなる制動ドラム7と、制動ドラム7の内部に配設される非磁性体からなる不動の案内筒10と、案内筒10の断面長方形の内空部に回動可能に支持した磁性体からなる磁石支持筒14とを備えている。制動ドラム7はボス5のフランジ部5aを、駐車ブレーキの制動ドラム3の端壁部と一緒に、回転軸1にスプライン嵌合固定した取付フランジ2に重ね合され、かつ複数のボルト4とナツトにより締結される。ボス5から放射状に延びる多数のスポーク6に、冷却フイン8を備えた制動ドラム7の一端が結合される。
【0007】
断面長方形の案内筒10は例えば断面C字形をなす筒体に、環状の側壁板11を結合して構成される。案内筒10は適当な手段により例えば変速機の歯車箱に固定される。案内筒10の外筒部10aに多数の強磁性部材15が周方向等間隔に結合される。好ましくは、強磁性部材15は案内筒10をアルミニウムから成形する時に鋳ぐるまれる。強磁性部材15は長方形の板状のものであつて、板面は円弧状に湾曲される。強磁性部材15の周壁には溝25が形成され、案内筒10の外筒部10aと強磁性部材15との鋳造による結合度が高められる。もちろん、外筒部10aに溝を設けてもよい。磁石支持筒14は案内筒10の内空部、詳しくは内筒部10bに軸受12により回動可能に支持される。
【0008】
案内筒10の左端壁に、1個でもよいが好ましくは複数の流体圧アクチユエータ20が周方向ほぼ等間隔に結合される。流体圧アクチユエータ20はシリンダ18にピストン17を嵌装してなり、ピストン17から外部へ突出するロツド34は、磁石支持筒14から案内筒10の左端壁の円弧状のスリツト18aを経て突出する腕16に連結される。図2に示すように、磁石支持筒14は各強磁性部材15に1つずつ対向しかつ各強磁性部材15に対向する極性が周方向に交互に異なるように磁石24を結合される。
【0009】
図2,3に示すように、本発明によれば強磁性部材15は側面断面を平行4辺形に形成され、強磁性部材15の外面を周方向に延長し、強磁性部材15の内面を外面と反対方向に延長して、外面の延長部と内面の延長部とが間隔を存して径方向に重なるように構成される。詳しくは、図3に示すように、強磁性部材15の制動ドラム7の中心軸線と垂直な側面断面は、矢印xで示す制動ドラム7の回転方向前方へ傾斜したほぼ平行4辺形に形成され、前端壁面35の外面側から前方へ突条35aが突出され、逆に強磁性部材15の後端壁面36の内面側から後方へ突条36aが突出される。突条35aと突条36aとは互いに間隔を存して径方向に重なるように構成される。好ましくは、強磁性部材15の外面側の後端壁面36と前端壁面の突条35aとの周方向の間隔aは、強磁性部材15の内面側の後端壁面36の突条36aと前端壁面35との周方向の間隔bよりも広くされる。しかし、強磁性部材15の外面側の後端壁面36と前端壁面の突条35aとの周方向の間隔aは、強磁性部材15の内面側の後端壁面36の突条36aと前端壁面35との周方向の間隔bよりも狭くしても相当の効果が得られる。
【0010】
図4に示す実施例では、強磁性部材15の側面断面は矢印xで示す制動ドラム7の回転方向後方へ傾斜したほぼ平行4辺形に形成され、後端壁面36の外面側から後方へ突条36aが突出され、逆に強磁性部材15の前端壁面35の内面側から前方へ突条35aが突出される。突条35aと突条36aとは互いに間隔を存して径方向に重なるように構成される。要するに、強磁性部材15は側面断面をほぼ平行4辺形に形成され、平行4辺形の鋭角部から周方向へ突出する1対の突条35a,36aを、強磁性部材15の外面と内面に備えたものである。図5に示すように、強磁性部材15の突条35aと突条36aとの厚さは互いに等しくする必要はない。
【0011】
図6に示す実施例では、強磁性部材15の側面断面は、制動ドラム7の回転方向前方へ傾斜したほぼ平行4辺形に形成され、強磁性部材15の後端壁面36の内面側から後方へ突条36aが突出されるのは、図2,3に示す実施例と同様であるが、前端壁面35の外面側に、前端壁面35から前方へ突出する強磁性体または鋼,鉄,軟鉄,純鉄などの軟磁性体からなる長方形の板片35bが結合される。突条35bと突条36aとは互いに間隔を存して径方向に重なるように構成される。好ましくは、板片35bと強磁性部材15はアルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅合金などの非磁性体から案内筒10を鋳造する際に鋳込まれる。強磁性部材15の側面断面は、制動ドラム7の回転方向後方へ傾斜したほぼ平行4辺形に形成してもよい。
【0012】
図7に示す実施例では、強磁性部材15の側面断面は、制動ドラム7の回転方向前方へ傾斜したほぼ平行4辺形に形成され、強磁性部材15の前端壁面35の外面側から前方へ突条35aが突出されるのは、図2,3に示す実施例と同様であるが、後端壁面36の内面側に、後端壁面36から後方へ突出する強磁性体または鋼,鉄,軟鉄,純鉄などの軟磁性体からなる長方形の板片36bが結合される。好ましくは、板片35bと強磁性部材15はアルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅合金などの非磁性体から案内筒10を鋳造する際に鋳込まれる。突条35aと突条36bとは互いに間隔を存して径方向に重なるように構成される。強磁性部材15の側面断面は、制動ドラム7の回転方向後方へ傾斜したほぼ平行4辺形に形成しもよい。また、強磁性部材15の前端壁面35の外面に、前端壁面35から前方へ突出する長方形の板片35b(図6を参照)を結合し、強磁性部材15の後端壁面36の内面に、後端壁面36から後方へ突出する長方形の板片36bを結合してもよい。要するに、強磁性部材15は側面断面をほぼ平行4辺形に形成され、平行4辺形の一方または両方の鋭角部から周方向へ突出する突片35b,36bが、強磁性部材15の外面と内面にそれぞれ備えられる。
【0013】
図8に示す実施例では、強磁性部材15の側面断面は長方形に形成され、後端壁面36の外面側から後方へ突条36aが突出され、強磁性部材15の前端壁面35の内面側から前方へ突条35aが突出される。逆に、強磁性部材15の前端壁面35の外面側から前方へ突条35aが突出され、強磁性部材15の後端壁面35の内面側から後方へ突条35aが突出されてもよい。突条35aと突条36aとは互いに間隔を存して径方向に重なるように構成される。
【0014】
図9に示す実施例では、強磁性部材15の側面断面はほぼ長方形に形成され、後端壁面に断面円弧状をなす軸方向の突条38が、前端壁面に断面円弧状をなす軸方向の溝37がそれぞれ形成され、突条38は溝37の内部へ僅かに突出される。突条38の側面断面は円弧状でなくとも、四角形,三角形などの凸状のものでもよい。溝37の側面断面は円弧状でなくとも、四角形,三角形などの凹状のものでもよい。
【0015】
次に、本発明による渦電流式減速装置の作動について説明する。制動時、各磁石24は強磁性部材15に全面的に対向し、磁石支持筒14と制動ドラム7との間に磁気回路を形成する。回転する制動ドラム7が磁界を横切る時、制動ドラム7に渦電流が流れ、制動ドラム7は制動トルクを受ける。制動時、磁石24の外面と強磁性部材15の内面の周方向長さがほぼ等しいから、磁石24は制動ドラム7へ及ぶ磁気回路を形成し、相隣接する強磁性部材15の後端部と前端部との間で、制動ドラム7へ及ばない短絡的磁気回路を形成することはなく、したがつて、制動能力が低下することはない。非制動時、流体圧アクチユエータ20により磁石支持筒14を強磁性部材15の半配列ピツチだけ回動すると、図2に示すように、極性が異なる2つの磁石24が部分的に各強磁性部材15に対向する。各強磁性部材15と磁石支持筒14との間に、短絡的磁気回路27が生じ、磁石24は磁界を制動ドラム7に及ぼさない。
【0016】
以上の各実施例では、強磁性部材15の外面を周方向に延長し、強磁性部材15の内面を外面と反対方向に延長し、強磁性部材15の外面の延長部35aと内面の延長部35bとが径方向に間隔を存して重なるように構成したので、非制動時、磁石24の周方向中央部から強磁性部材15の相互の隙間を経て制動ドラム7へ向う磁界が、強磁性部材15の外面の延長部35aと内面の延長部35bとの重なり部分で遮られる。
【0017】
図11〜14に示す実施例では、回転軸42に結合した左右1対の制動円板43の間に、不動の断面長方形の内空部を有する案内筒45を配設し、案内筒45の両側壁45cに周方向等間隔に多数の強磁性部材46を結合し、内空部に磁石支持筒48を正逆回動可能に支持したものである。各制動円板43はボス部43aを回転軸42にスプライン結合され、ボス部43aから径外方へ延びる多数のスポーク43bに導風路43cを有する制動円板43が一体に形成される。好ましくは、制動円板43の内周縁と外周縁に、それぞれ電気良導体からなる環状部材61,61aが備えられる。良導体61,61aは強磁性部材46よりも、径方向の外周側と内周側に配設され、これにより渦電流の径方向の広がりを促し、制動トルクを高める。非磁性体からなる案内筒45は軸受44により回転軸42に支持したボス部45aから径外方へ突出する多数のスポーク45bに支持され、かつ車体の非回転部分に固定される。一方、磁性体からなる磁石支持筒48には周方向等間隔に強磁性部材46と同数の磁石52が支持され、磁石支持筒48は軸受47により案内筒45の内筒部に支持される。磁石支持筒48の両側面には薄い滑り板54が結合され、強磁性部材46と摺接可能に構成される。
【0018】
図12に示すように、案内筒48の外筒部には部分歯車58が形成され、案内筒45の外周部に支持した電動機66の主軸の歯車65が、案内筒45の内空部へ突出しかつ部分歯車58へ噛み合される。案内筒45の側壁の強磁性部材46の面積は各磁石52の2倍の面積のものであり、磁石支持筒48を磁石52の半配列ピツチp/2だけ正逆回動することにより、強磁性部材46に対向する極性が互いに異なる2つの磁石52が強磁性部材46に対向する図示の非制動位置(図14)と、各磁石52が強磁性部材46に全面的に対向する制動位置(図13)とに切り換えられる。非制動位置では、磁石52と両側の強磁性部材46との間に短絡的磁気回路wが生じる。
【0019】
図13に示すように、本実施例では強磁性部材46の外面を周方向に延長してなる延長部55aと、強磁性部材46の内面を延長部55aと反対方向に延長してなる延長部56aとが、軸方向に間隔を存して互いに重なるように構成される。換言すれば、図示の実施例では、強磁性部材46の平面断面はほぼ平行4辺形に形成され、延長部55a,56aは平行4辺形の鋭角部から周方向へかつ互いに反対方向へ突出される。延長部55a,56aは強磁性部材46とは別体の強磁性体からなる板片を強磁性部材46の外面と内面にそれぞれ重合せ結合してもよい。
【0020】
図11〜14に示す実施例で、強磁性部材46の平面断面は平行4辺形に限らず長方形でもよく、延長部55aと延長部56aの延長方向は互いに反対方向であつて、矢印xで示す制動円板43の回転方向と同方向でも反対方向でもよい。また、図15に示すように案内筒45の両側壁45cの強磁性部材46は左右対称であつても、図13に示すように非対称であつてもよい。さらに、図16に示すように、強磁性部材46の平面断面をほぼ長方形にし、強磁性部材15の周方向の端壁面の一方に径方向に延びる断面円弧状の溝67を、端壁面の他方に径方向に延びる断面円弧状の突条68をそれぞれ形成し、突条68を溝67の内部へ僅かに突出して、突条68と溝67が軸方向に重なるように構成してもよい。
【0021】
図11〜16に示す各実施例でも、強磁性部材15の外面の周方向の延長部55aと、強磁性部材15の内面の周方向の延長部56aとが、軸方向に間隔を存して重なるように構成し、または強磁性部材15の周方向の端壁面の一方に設けた径方向に延びる断面円弧状の溝67の内部へ、端壁面の他方に設けた径方向に延びる断面円弧状の突条68を突出して、突条68と溝67が軸方向に重なるように構成したので、非制動時、磁石24の周方向中央部から強磁性部材15の相互の隙間を経て制動ドラム7へ向う磁界が、強磁性部材15の外面の延長部と内面の延長部との重なり部分で遮られる。
【0022】
なお、以上の各実施例において、磁石24として特願平11−225187号に開示されるような、磁石の内面から外面の周方向両端側へ湾曲する磁路を形成したものを用いると、磁石の周方向中央部から径外方へ真直ぐに制動ドラムへ向かう磁界がなくなるので、非制動時、制動ドラムへ向かう洩れ磁界を一層低減することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上述のように、回転軸に結合した制動ドラムと、前記制動ドラムの内部に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の外筒部に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の外筒部に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の前記回転軸に垂直な断面をほぼ平行4辺形に形成し、該強磁性部材の一方の端部に該強磁性部材の外面に沿つて周方向へ突出する第1の突条を備える一方、該強磁性部材の他方の端部に該強磁性部材の内面に沿つて周方向へ突出する第2の突条を備え、第1の突条と第2の突条とが径方向に間隔を存して重なるように構成したので、非制動時、磁石の周方向中央部から強磁性部材の相互の隙間を経て制動ドラムへ向う磁界が、強磁性部材の外面の延長部と内面の延長部との重なり部分で遮られる。したがつて、制動ドラムへ及ぶ洩れ磁界が減じられ、洩れ磁界が制動ドラムに及ぼす引ずりトルクが大幅に低減される。
【0024】
また、本発明の構成は回転軸に結合した左右1対の制動円板と、1対の制動円板の間に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の側壁に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の側壁に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の前記回転軸に垂直な断面をほぼ平行4辺形に形成し、該強磁性部材の一方の端部に該強磁性部材の外面に沿つて周方向へ突出する第1の突条を備える一方、該強磁性部材の他方の端部に該強磁性部材の内面に沿つて周方向へ突出する第2の突条を備え、第1の突条と第2の突条とが径方向に間隔を存して重なるようにしも、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る渦電流減速装置の正面断面図である。
【図2】図1の線2A−2Aによる側面断面図である。
【図3】同渦電流減速装置の要部を拡大して示す側面断面図である。
【図4】同渦電流減速装置の他の部分的変更実施例を示す側面断面図である。
【図5】同渦電流減速装置の他の部分的変更実施例を示す側面断面図である。
【図6】同渦電流減速装置の他の部分的変更実施例を示す側面断面図である。
【図7】同渦電流減速装置の他の部分的変更実施例を示す側面断面図である。
【図8】同渦電流減速装置の他の部分的変更実施例を示す側面断面図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る渦電流減速装置の要部を示す側面断面図である。
【図10】同渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す側面断面図である。
【図11】本発明の第3実施例に係る制動円板型渦電流減速装置の正面断面図である。
【図12】同渦電流減速装置の側面断面図である。
【図13】同渦電流減速装置の制動状態を周方向に展開して示す平面断面図である。
【図14】同渦電流減速装置の非制動状態を周方向に展開して示す平面断面図である。
【図15】同渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す平面断面図である。
【図16】同渦電流減速装置の部分的変更実施例を示す平面断面図である。
【符号の説明】
1:回転軸 3:制動ドラム 5:ボス 6:スポーク 7:制動ドラム 8:冷却フイン 10:案内筒 10a:外筒部 11:側壁板 10b:内筒部 14:磁石支持筒 15:強磁性部材 16:腕 17:ピストン 18:シリンダ 20:アクチユエータ 24:磁石 25:突条 35:前端壁面 35a:突条(延長部) 35b:板片 36:後端壁面 36a:突条(延長部)36b:板片 37:溝 38:突条 42:回転軸 43:制動円板 43a:ボス 43c:導風路 45:案内筒 45c:側壁 46:強磁性部材 48:磁石支持筒 52:磁石 54:滑り板 55:前端壁面 55a:突条(延長部) 56:後端壁面 56a:突条(延長部) 66:電動機

Claims (4)

  1. 回転軸に結合した制動ドラムと、前記制動ドラムの内部に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の外筒部に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の外筒部に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の前記回転軸に垂直な断面をほぼ平行4辺形に形成し、該強磁性部材の一方の端部に該強磁性部材の外面に沿つて周方向へ突出する第1の突条を備える一方、該強磁性部材の他方の端部に該強磁性部材の内面に沿つて周方向へ突出する第2の突条を備え、第1の突条と第2の突条とが径方向に間隔を存して重なるように構成したことを特徴とする渦電流減速装置。
  2. 回転軸に結合した制動ドラムと、前記制動ドラムの内部に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の外筒部に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の外筒部に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の一方の端壁面に周方向に延びる断面凹状の溝を、前記強磁性部材の他方の端壁面に周方向に延びる断面凸状の突条をそれぞれ形成し、前記突条を前記溝の内部へ間隙を存して突出させたことを特徴とする渦電流減速装置。
  3. 回転軸に結合した左右1対の制動円板と、1対の制動円板の間に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の側壁に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の側壁に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の前記回転軸に垂直な断面をほぼ平行4辺形に形成し、該強磁性部材の一方の端部に該強磁性部材の外面に沿つて周方向へ突出する第1の突条を備える一方、該強磁性部材の他方の端部に該強磁性部材の内面に沿つて周方向へ突出する第2の突条を備え、第1の突条と第2の突条とが径方向に間隔を存して重なるように構成したことを特徴とする渦電流減速装置。
  4. 回転軸に結合した左右1対の制動円板と、1対の制動円板の間に配置した断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に回動可能に収容した磁石支持筒と、該磁石支持筒に周方向等間隔にかつ前記案内筒の側壁に対する極性が周方向交互に異なるように結合した多数の磁石と、前記案内筒の側壁に前記磁石に対応して結合した強磁性部材と、前記磁石支持筒の相隣接する2つの磁石が前記強磁性部材に部分的に対向する非制動位置と、前記各磁石が前記強磁性部材に全面的に対向する制動位置とに正逆回動するアクチユエータとを備えた渦電流減速装置において、前記強磁性部材の一方の端壁面に周方向に延びる断面凹状の溝を、前記強磁性部材の他方の端壁面に周方向に延びる断面凸状の突条をそれぞれ形成し、前記突条を前記溝の内部へ間隙を存して突出させたことを特徴とする渦電流減速装置。
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