JP3755717B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば車両の摩擦ブレーキを補助する渦電流減速装置、特に構成が簡単で製造が容易な磁性板と一体の案内筒を備えた渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公平6−101922号公報に開示されるような回転軸に結合した1対の制動円板の間に、永久磁石(以下これを単に磁石という)を有する磁石支持輪を備えた渦電流減速装置では、非制動時に磁石からの磁界が外部へ洩れないように、磁石を覆う強磁性板(ポールピース)をかなり厚く(一般的には10〜16mm)しなければならない。このため、アルミニウム鋳物からなる案内筒に強磁性板を鋳込んだり、非磁性のステンレスを円板状に金型プレスにより成形したうえ周方向等間隔に多数の開口を設け、該開口に強磁性板を嵌合したうえ溶接していた。前者の方法はアルミニウム鋳物への強磁性板の鋳込み不良率が高く、後者の方法は強磁性板の溶接に手数が掛るので加工経費の削減が難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、軟磁性体または強磁性体からなる案内筒に従来の強磁性板に相当する厚肉部分を一体に形成し、厚肉部分の間の薄肉部分に非磁性材を埋め込んだ、製造が簡単で安価な渦電流減速装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合した1対の制動円板と、該制動円板の間の非回転部分に取り付けられかつ回転軸方向の断面が長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に正逆回動可能に支持した少くとも1つの磁石支持輪と、該磁石支持輪に周方向等間隔に結合した多数の磁石と、前記案内筒の両側壁の前記磁石と対向する部分に備えた磁性板とを有し、前記制動円板に前記磁石からの磁界に基づく渦電流により制動力を発生させる渦電流減速装置において、軟磁性材からなる前記案内筒の両側壁に、前記磁性板としての厚肉部分と、前記磁石と対向しない薄肉部分とを形成し、該薄肉部分に設けた通孔に非磁性材を埋め込んだことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では磁石の側面を覆う案内筒の両側壁を、軟磁性体である厚肉の環状の鋼板から構成し、磁性板(ポールピース)に相当する肉厚部分をそのままとし、薄肉部分を削り出して形成するか、鋳造または鍛造により肉厚部分と薄肉部分とを成形する。厚肉部分は案内筒の側壁の内面と外面の一方または両方へ突出するように構成する。薄板部分に設けた楕円形または円形の通孔に、アルミニウムなどの非磁性材をろう付けするか、溶融した非磁性材を埋め込むか、薄板部分と同じ厚さの楕円形または円形の非磁性板を嵌合する。
【0006】
【実施例】
図1は本発明による渦電流減速装置の正面断面図、図2は同側面図、図3は同平面展開断面図である。本発明による渦電流減速装置は例えば車両用変速機の出力回転軸2に結合される1対の導体からなる制動円板3と、制動円板3の間に配設される軟磁性体からなる案内筒5と、案内筒5の内空部に相対回動可能に支持した非磁性体からなる内外1対の磁石支持輪8,10とを備えている。制動円板3はボス3aと、ボス3aから放射状に延びる複数のスポーク3bと、放射状に延びる複数の通風路3cとを、例えば鋳造により一体に形成される。制動円板3はボス3aを回転軸2にスプライン嵌合して固定される。制動円板3の外周縁部と内周縁部の厚肉部分6つまり磁性板(ポールピース)と対向しない部分に、銅などの良伝導体からなる環状体ないし環状板23,24が結合される。各環状板23,24は制動円板3の内部を流れる渦電流に径方向の広がりをもたせ、制動トルクを増大させる。
【0007】
案内筒5は軸方向の断面が長方形の内空部を備えている。具体的には、左右1対の環状の側壁に外筒21と内筒22とを結合して構成される。内筒22はボス5aから放射方向に延びる複数のスポーク5bと一体に形成され、ボス5aが軸受4により回転軸2に支持される。案内筒5は適当な手段により例えば車両変速機の歯車箱に固定される。案内筒5の両側壁に多数の厚肉部分6つまり磁性板が周方向等間隔に形成される。多数の磁石12を支持する内側の磁石支持輪8は、案内筒5の内部に軸受7により正逆回動可能に支持される。多数の磁石13を支持する外側の磁石支持輪10は、内側の磁石支持輪8の外周壁に軸受9により正逆回動可能に支持される。磁石支持輪8,10の両側面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板14が支持され、かつ厚肉部分6の内面に摺接可能とされる。
【0008】
図2に示すように、内側の磁石支持輪8はアルミニウムなどの非磁性体からなり、多数の扇形をなす磁石12が、厚肉部分6と対向しかつ厚肉部分6に対する極性が周方向に交互に異なるように配設される。好ましくは、磁石12は磁石支持輪8に鋳込まれる。外側の磁石支持輪10も同様に多数の磁石13が各厚肉部分6と対向して配設される。磁石支持輪10の外周壁に形成した部分歯車18に、案内筒5に固定した電動機16のピニオン15が噛み合され、磁石支持輪10は磁石13の配列ピツチpだけ正逆回動可能とされる。しかし、磁石支持輪8を磁石12の配列ピツチpだけ正逆回動可能に支持してもよい。
【0009】
図3に示すように、厚肉部分6は内外1対の磁石12,13の側面を覆う面積の扇形のものであり、案内筒5の両側壁を軟磁性体から構成し、両側壁の内面の磁石12,13と対向する部分に厚肉部分6を形成し、磁石12,13と対向しない部分には薄肉部分6aを形成する。具体的には、案内筒5の側壁を軟磁性体である厚肉の環状の鋼板から削り出して薄肉部分6aを形成する。案内筒5の側壁を軟磁性体からなる環状の鋼板に鍛造加工を施して、磁性板に相当する厚肉部分6と、厚肉部分6と厚肉部分6の間に薄肉部分6aを形成してもよい。さらに、鋳造により厚肉部分6と薄肉部分6aを形成してもよい。図3の右半部に示すように、薄板部分6aに設けた楕円形の通孔35に、アルミニウムなどの非磁性材36をろう付けするか、溶融した非磁性材を埋め込むか、薄板部分6aと同じ厚さの楕円形の非磁性板を嵌合する。図5に示すように、薄板部分6aに設けた複数の通孔35に、非磁性材からなるリベツト36aを嵌合してもよい。
【0010】
次に、本発明による渦電流減速装置の作動について説明する。1対の制動円板3が回転軸2と一緒に回転されるのに対し、図1に示すように、非制動時、内外の磁石12,13の厚肉部分6に対する極性が異なる配列では、左右2対の厚肉部分6の間で短絡的磁気回路zが生じ、制動円板3に磁界を及ぼさない。1対の厚肉部分6は磁石12,13を両側から全面的に挟む状態にあるから、制動円板3への洩れ磁束は殆ど生じず、制動円板3は引きずりトルクを受けない。
【0011】
制動時、電動機16により外側の磁石支持輪10を磁石13の配列ピツチpだけ回動すると、図2に示すように、内外の磁石12と磁石13の厚肉部分6に対する極性が同じになる。したがつて、図4に示すように、内外の磁石12(磁石12は図2を参照)と磁石13が等しく厚肉部分6を経て制動円板3に磁界を及ぼす。回転する制動円板3が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が発生し、制動円板3が制動トルクを受ける。この時、各磁石13から厚肉部分6、制動円板3、隣りの厚肉部分6、隣りの磁石13、反対側の厚肉部分6、反対側の制動円板3、隣りの厚肉部分6へと磁気回路wが生じる。磁石12も左右1対の制動円板3の間に同様の磁気回路を発生する。
【0012】
上述のように、案内筒5の両側壁の厚肉部分6は、内外の磁石支持輪8,10の磁石の配列ピツチの回転差動により、回転軸2を含む面で左右1対の厚肉部分6の間に短絡的磁気回路zを形成する非制動状態と、周方向に拡がる面で左右1対の制動円板3の間に磁気回路wを形成する制動状態とに切り換える。
【0013】
図6〜9に示すように、短絡的磁気回路zを形成する時、厚肉部分6の径方向中央部の肉厚を、内外周縁部よりも厚くすれば、径方向中央部の磁束密度が他に比べて密になるので、より効率的な短絡的磁気回路zが形成され、制動円板3へ及ぶ洩れ磁束を一層効率的に減じることができる。図6に示す変更実施例では、厚肉部分6の径方向中央部の肉厚を厚くし、その分だけ磁石12,13の互いに接する部分(軸受9に隣接する部分)で薄くなるようテーパ状にしたものである。図7に示す変更実施例では、厚肉部分6を中央部の肉厚が厚く、内外周縁部の肉厚が薄くなるように階段状にしたものであり、厚肉部分6の内面に対応して磁石12,13は断面T字形とされる。図8に示す変更実施例では、厚肉部分6の内面が円弧状に突出される。図9に示す変更実施例では、逆に厚肉部分6の外面が山形に突出され、厚肉部分6の外面に対応して、制動円板3にはV形の環状溝19が形成される。
【0014】
図10〜12に示すように、鋼材などの軟磁性体からなる案内筒5の側壁は、厚肉部分6が内外両面に突出し、非磁性材からなるリベツト36aを結合した薄肉部分6aが中間位置に存するように構成してもよい。また、制動時磁石12,13と1対の制動円板3との間に生じる磁気回路w(図4参照)は、制動円板3の回転数が高くなるほど、制動円板3の矢印xで示す回転方向へ引きずられた格好に歪むので、厚肉部分6の平面断面の形状は図10に示す長方形にするよりも、図11,12に示すような形状が好ましい。図11に示す実施例では、前端面(制動円板3の回転方向前方の端面)の外面側を切除して傾斜面26aを形成し、同様に後端面の外面側を切除して傾斜面26bを形成することにより、磁石12,13からの磁束を絞つて(磁束密度を高めて)制動円板3へ導き、制動トルクを高めることができる。図12に示す実施例では、後端面を制動円板3の矢印xで示す回転方向へ一層傾けて傾斜面26bを形成することにより、制動円板3の高速回転での磁石12,13からの磁束を厚肉部分6の前端部(制動円板3の回転方向)へ絞り込むことができる。
【0015】
図13,14に示す実施例では、案内筒5の軟磁性体からなる両側壁に多数の厚肉部分6と、リベツト36aなどの非磁性材を埋め込んだ薄肉部分6aとが周方向に交互にかつ周方向等間隔に形成される。厚肉部分6と同数の磁石12,12aを支持する左右1対の磁石支持輪8,8aは、案内筒5の内空部に軸受7,7aにより回動可能に支持される。磁石支持輪8,8aの外側面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板14が結合され、厚肉部分6に摺接可能とされる。右側の磁石支持輪8aはアルミニウムなどの非磁性体からなり、厚肉部分6と同数の扇形をなす磁石12aが、厚肉部分6と対向しかつ厚肉部分6に対する極性が周方向に交互に異なるように配設される。好ましくは、磁石12aは磁石支持輪8aに鋳込まれる。左側の磁石支持輪8も同様に、厚肉部分6と同数の磁石12が厚肉部分6に対向して配設される。磁石支持輪8aは図2に示したものと同様の手段により、磁石12aの配列ピツチだけ正逆回動可能とされる。図示してないが、各厚肉部分6は磁石12,12aとほぼ同形のものである。他の構成は図1の実施例と同様である。
【0016】
非制動時、図13に示すように、相対向する磁石12,12aの極性が同じ状態にあり、磁気回路が相殺されるので、制動円板3に磁界を及ぼさない。制動時、左側の磁石支持輪8を固定し、右側の磁石支持輪8aを磁石12aの配列ピツチだけ回動すると、左右1対の磁石支持輪8,8aの相対向する磁石12,12aの極性が逆の状態になる。したがつて、左右の磁石12,12aが一体的に厚肉部分6を経て制動円板3に垂直な磁界を及ぼす。回転する制動円板3が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が発生し、制動円板3が制動トルクを受ける。この時、図14に示すように、例えば、磁石12,12aから厚肉部分6、制動円板3、隣りの厚肉部分6、隣りの磁石12a,12、反対側の厚肉部分6、反対側の制動円板3、隣りの厚肉部分6へと磁気回路wが生じる。
【0017】
上述の実施例において、右側の磁石支持輪8aを固定し、左側の磁石支持輪8を電動機16または流体圧アクチユエータにより磁石12の配列ピツチだけ正逆回動するようにしてもよい。
【0018】
図15〜17に示す実施例では、案内筒5の軟磁性体からなる両側壁に多数の厚肉部分6と、リベツト36aなどの非磁性材を埋め込んだ薄肉部分6aとが周方向交互にかつ周方向等間隔に形成される。磁石支持輪8は案内筒5の内空部に軸受7により回動可能に支持される。磁石支持輪8に多数の磁石12が周方向等間隔に結合される。磁石12は各厚肉部分6に2つずつ対向され、かつ厚肉部分6に対する極性が周方向に2つずつ異なるように配設される。磁石支持輪8の両側面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板14が挟まれ、厚肉部分6に摺接可能とされる。図2に示したものと同様に、磁石支持輪8の外周壁に形成した部分歯車に、案内筒5に固定した電動機のピニオン15が噛み合され、磁石支持輪8は磁石12の配列ピツチpだけ正逆回動可能とされる。他の構成は図1の実施例と同様である。
【0019】
非制動時、周方向に隣接する2つの磁石12の共通の厚肉部分6に対する極性が互いに異なる配列では、図16に示すように、1対の厚肉部分6の間で短絡的磁気回路zが生じ、制動円板3に磁界を及ぼさない。制動時、磁石支持輪8を磁石12の配列ピツチpだけ回動すると、共通の厚肉部分6に対向する2つの磁石12の極性が同じになる。したがつて、図17に示すように、2つの磁石12が等しく厚肉部分6を経て制動円板3に磁界を及ぼす。回転する制動円板3が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が発生し、制動円板3が制動トルクを受ける。この時、磁石12から厚肉部分6、制動円板3、隣りの厚肉部分6、隣りの磁石12、反対側の厚肉部分6、反対側の制動円板3、隣りの厚肉部分6へと磁気回路wが生じる。
【0020】
図18に示す実施例は、図15〜17に示す実施例において周方向に並ぶ2つの同極性の磁石12を1つにしたものである。案内筒5の軟磁性体からなる両側壁に多数の厚肉部分6と、リベツト36aなどの非磁性材を埋め込んだ薄肉部分6aとが、周方向交互にかつ周方向等間隔に形成される。各厚肉部分6に対向して1つの磁石12が、厚肉部分6に対する極性が周方向に交互に異なるように磁石支持輪8に結合される。磁石支持輪8を磁石12の配列ピツチだけ正逆回動することにより、案内筒5の厚肉部分6に周方向に並ぶ2つの磁石12が部分的に対向し左右1対の厚肉部分6の間に短絡的磁気回路zを形成する非制動位置と、案内筒5の厚肉部分6に1つの磁石12が全面的に対向し左右1対の制動円板3の間に磁気回路を形成する制動位置とに切り換わる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は上述のように、回転軸に結合した1対の制動円板と、該制動円板の間の非回転部分に取り付けられかつ回転軸方向の断面が長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に正逆回動可能に支持した少くとも1つの磁石支持輪と、該磁石支持輪に周方向等間隔に結合した多数の磁石と、前記案内筒の両側壁の前記磁石と対向する部分に備えた磁性板とを有し、前記制動円板に前記磁石からの磁界に基づく渦電流により制動力を発生させる渦電流減速装置において、軟磁性材からなる前記案内筒の両側壁に、前記磁性板としての厚肉部分と、前記磁石と対向しない薄肉部分とを形成し、該薄肉部分に設けた通孔に非磁性材を埋め込んだものであるから、従来構造のものとほぼ同様の制動性能が得られ、案内筒の製造が容易であり、製造経費の節減に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される渦電流減速装置の上半部を示す正面断面図である。
【図2】同渦電流減速装置の側面断面図である。
【図3】同渦電流減速装置おける案内筒の左側壁の側面図である。
【図4】同渦電流減速装置を展開して示す平面断面図である。
【図5】同渦電流減速装置の案内筒の右側壁を展開して示す平面断面図である。
【図6】本発明の変更実施例に係る渦電流減速装置の要部を示す正面断面図である。
【図7】本発明の変更実施例に係る渦電流減速装置の要部を示す正面断面図である。
【図8】本発明の変更実施例に係る渦電流減速装置の要部を示す正面断面図である。
【図9】本発明の変更実施例に係る渦電流減速装置の要部を示す正面断面図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る渦電流減速装置における案内筒の左側壁を展開して示す平面断面図である。
【図11】本発明の第3実施例に係る渦電流減速装置における案内筒の左側壁を展開して示す平面断面図である。
【図12】本発明の第4実施例に係る渦電流減速装置における案内筒の左側壁を展開して示す平面断面図である。
【図13】本発明が適用される他の渦電流減速装置の上半部を示す正面断面図である。
【図14】同渦電流減速装置を展開して示す平面断面図である。
【図15】本発明が適用される他の渦電流減速装置の上半部を示す正面断面図である。
【図16】同渦電流減速装置の非制動状態を展開して示す平面断面図である。
【図17】同渦電流減速装置の制動状態を展開して示す平面断面図である。
【図18】本発明が適用される他の渦電流減速装置を展開して示す平面断面図である。
【符号の説明】
2:出力回転軸 3:制動円板 4:軸受 5:案内筒 6:厚肉部分 6a:薄肉部分 8:磁石支持輪 8a:磁石支持輪 9:軸受 10:磁石支持輪 12:磁石 13:磁石 14:滑り板 15:ピニオン 16:電動機 18:部分歯車 19:環状溝 21:外筒 22:内筒 23:良伝導体の環状体24:良伝導体の環状体 35:通孔 36:非磁性材 36a:リベツト

Claims (2)

  1. 回転軸に結合した1対の制動円板と、該制動円板の間の非回転部分に取り付けられかつ回転軸方向の断面が長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒と、該案内筒の内空部に正逆回動可能に支持した少くとも1つの磁石支持輪と、該磁石支持輪に周方向等間隔に結合した多数の磁石と、前記案内筒の両側壁の前記磁石と対向する部分に備えた磁性板とを有し、前記制動円板に前記磁石からの磁界に基づく渦電流により制動力を発生させる渦電流減速装置において、軟磁性材からなる前記案内筒の両側壁に、前記磁性板としての厚肉部分と、前記磁石と対向しない薄肉部分とを形成し、該薄肉部分に設けた通孔に非磁性材を埋め込んだことを特徴とする渦電流減速装置。
  2. 前記制動円板の前記磁性板に対向しない内外周縁部の少くとも一方に、銅などの良伝導体からなる環状体を備えた、請求項1に記載の渦電流減速装置。
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