JP3651256B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多数の永久磁石(本明細書ではこれを単に磁石という)が磁極を制動ドラムの軸方向に向けて配され、強磁性部材(ポールピース)の基端面が制動ドラムの内周面に、先端面が磁石の磁極面にそれぞれ対向し、制動時磁石と制動ドラムとの間に効率的な磁気回路が形成されるようにした渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公平3-86,060号公報などに開示される渦電流減速装置は、磁石支持筒を軸方向へ往復動させることにより、制動と非制動の切換えを行うものであるので、磁石支持筒の移動空間分だけ軸方向寸法が長くなるという難点がある。
【0003】
特公平7-118901号公報などに開示される渦電流減速装置では、制動時可動の磁石支持筒を回動して、可動の磁石支持筒の磁石の極性と不動の磁石支持筒の磁石の極性とが同じになるようにすると、磁石から強磁性板(ポールピース)、制動ドラム、強磁性板、磁石、磁石支持筒、磁石へと磁気回路が形成され、回転する制動ドラムが磁石支持筒の磁石からの磁束を横切る時、制動ドラムに渦電流に基づく制動力が発生する。
【0004】
しかし、上述の各渦電流減速装置では、磁石の磁極は制動ドラムの径方向へ向いており、磁石から強磁性板を経て制動ドラムへ有効に磁束が入るように、磁石の外面と内面を円筒面に加工する必要があり、非常に加工経費が嵩む。また、磁石からの磁束を洩らさず制動ドラムへ導き入れるためには、強磁性板は磁石の外面を覆う大きなものになる。制動時の磁気回路に強磁性板だけでなく磁石支持筒も含まれるので、磁束密度を有効に高めることができず、制動力を十分に発生させることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、ブロツク状の磁石と強磁性部材の組合せ体により、制動ドラムとの間に効率的な磁気回路が形成されるようにした渦電流減速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合された制動ドラムの内部に、断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒を配設し、該案内筒の外筒壁の内周面の軸方向中央部に非磁性体からなる磁石支持筒を回動可能に支持し、磁石支持筒の内周面に多数の磁石を周方向等間隔に結合し、前記磁石の軸方向の両端の磁極面に、強磁性部材の先端面を対向可能に配し、該強磁性部材の基端面を前記案内筒の外筒壁を貫通して制動ドラムの内周面に対向させ、前記案内筒の内筒壁の内周面に各磁石の内面に対向可能の突壁面を有する継鉄筒を固定し、前記磁石が前記強磁性部材の先端面に対向する制動位置と前記磁石が前記突壁面に対向する非制動位置とに、前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータを備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では非磁性体からなる磁石支持筒に対しブロツク(直方体など)状の磁石を両端の磁極が軸方向(制動ドラムの回転軸の方向)に向くように支持し、左右1対の強磁性部材(ポールピース)の基端面を制動ドラムの内周面に、先端面を磁石の両端の磁極面にそれぞれ対向させた構造にする。多数の磁石を結合する磁石支持筒は、これを非磁性体からなる案内筒の内部に正逆回動可能に支持する。
【0008】
制動時、磁石支持筒の各磁石がそれぞれ左右1対の強磁性部材の先端面の間へ臨むと、各磁石から磁束が強磁性部材を経て制動ドラムへ入る。回転する制動ドラムが各磁石からの磁束を横切る時、制動ドラムに渦電流に基づく制動力が発生する。非制動時、磁石支持筒を磁石の半配列ピツチ分だけ周方向へ回動すると、磁石支持筒の磁石が継鉄筒の突壁面に対向し、継鉄筒との間に短絡的磁気回路が形成され、磁石からの磁束は制動ドラムへ及ばず、制動力は発生しない。
【0009】
【実施例】
図1,3は本発明が適用される渦電流減速装置の正面断面図、図2は同側面断面図である。渦電流減速装置は制動ドラム13を回転軸4に結合される。このため、変速機の歯車箱2の端壁に軸受3により支持されかつ端壁から突出する出力回転軸4に、スプライン孔5aを有する取付フランジ5が嵌合され、かつ抜け出ないようにナツト6により締結される。取付フランジ5に駐車ブレーキの制動ドラム7の端壁と、渦電流減速装置の制動ドラム13を支持するホイール9と一体のフランジ部9aとが重ね合され、複数のボルト10とナツト10aにより締結される。
【0010】
制動ドラム13は鉄などの透磁率の大なる材料からなり、外周壁に多数の冷却フイン13aが周方向等間隔に備えられる。制動ドラム13の基端部は、ホイール9に嵌合されかつホイール9から放射方向へ延びる多数の支持腕(スポーク)12に結合される。制動ドラム13の内部に、断面箱形の内空部23を有する案内筒18が同軸に配設される。アルミニウムなどの非磁性体からなる不動の案内筒18は、歯車箱2の突壁2aに外嵌固定され、かつ補強リブ31aを備えた枠板31に、図示してないボルトにより固定される。案内筒18は外筒部18aと内筒部18bとの両端に環状の端壁板18c,18dを結合して構成される。図示の実施例では、外筒部18aと端壁板18cと内筒部18bとは断面コ字形をなす筒体として一体に構成され、該筒体に端壁板18dがボルトにより結合される。
【0011】
案内筒18の内空部23に、磁石支持筒19と左右対をなす多数の強磁性部材21とが収容され、磁石支持筒19の磁石20と1対の強磁性部材21とは馬蹄形の組合せ体を形成することができる。磁石支持筒19はすべり軸受26により、外筒部18aの内周面に正逆回動可能に支持される。多数(強磁性部材21と同数)のブロツク状の磁石20は磁石支持筒19の内周面に周方向等間隔に結合される。
【0012】
図4に示すように、磁石支持筒19の磁石20は、左右の磁極の向きが周方向に交互に異なるように配列するのが好ましい。各磁石20の軸方向の両端の磁極面に、左右1対の強磁性部材(ポールピース)21の先端面21bが対向される。強磁性部材21は軸方向から径外方へ円弧状に湾曲され、基端部を外筒部18aを貫通支持され、基端面21aを制動ドラム13の内周面13cへ対向される。図2,3に示すように、案内筒18の内筒部18bの外周面に磁性体からなる継鉄筒24が固定される。継鉄筒24の外周面には各磁石20の内面に対向する多数の突壁面24aが周方向等間隔に形成される。
【0013】
図2に示すように、継鉄筒24と磁石支持筒19との間に正逆回動機構45が連結される。正逆回動機構45は継鉄筒24の溝部分に支持した回動軸44と、該回動軸44に基端を結合された支持筒43と、該支持筒43に伸縮可能に嵌挿されかつ先端をピン41により磁石支持筒19に連結されたロツド42とから構成される。正逆回動機構45の回動軸44は、支持筒43の外壁に備えた例えば電動機からなるアクチユエータにより正逆回動される。しかし、正逆回動機構45はこれに限定されるものではなく、例えば流体圧アクチユエータにより磁石支持筒19を直接回動するようにしてもよい。
【0014】
図2〜4に示すように、制動時、磁石支持筒19の各磁石20は、左右1対の強磁性部材21とそれぞれ軸方向に並ぶ。回転する制動ドラム13が、磁石20から強磁性部材21を経て制動ドラム13の内周面13cへ及ぶ磁束を横切る時、制動ドラム13に渦電流が発生し、制動ドラム13に制動トルクが発生する。この時、図3に示すように、各磁石20と制動ドラム13との間に磁気回路40が形成される。
【0015】
非制動時、アクチユエータにより回動軸44を図2において時計方向(図4の矢印方向)へ回動し、磁石支持筒19を磁石20の半配列ピツチ分だけ回動すると、図5〜7に示す状態になり、磁石20は制動ドラム13へ磁束を及ぼさなくなり、制動ドラム13に制動トルクは発生しない。つまり、各磁石20がそれぞれ1対の強磁性部材21の間から抜け出し、各磁石20の内面が継鉄筒24の突壁面24aに対向し、図6に示すように、磁石20と継鉄筒24との間に短絡的磁気回路40aが形成される。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上述のように、回転軸に結合された制動ドラムの内部に、断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒を配設し、該案内筒の外筒壁の内周面の軸方向中央部に非磁性体からなる磁石支持筒を回動可能に支持し、磁石支持筒の内周面に多数の磁石を周方向等間隔に結合し、前記磁石の軸方向の両端の磁極面に、強磁性部材の先端面を対向可能に配し、該強磁性部材の基端面を前記案内筒の外筒壁を貫通して制動ドラムの内周面に対向させ、前記案内筒の内筒壁の内周面に各磁石の内面に対向可能の突壁面を有する継鉄筒を固定し、前記磁石が前記強磁性部材の先端面に対向する制動位置と前記磁石が前記突壁面に対向する非制動位置とに、前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータを備えたものであり、軸方向に極性が生じるように磁石が配置されるので、従来例では磁石支持筒へ流れていた磁束を制動ドラムへ有効に作用し、大きな制動力が得られる。
【0017】
1対の強磁性部材を利用して磁石の磁束を制動ドラムへ作用させるので、磁石を任意の形状にすることができ、磁石の外面と内面を円筒面に加工する必要がなくなる。
【0018】
周方向に隣接する磁石の磁極を互いに逆向きにし、かつ磁石の両端の磁極面に1対の強磁性部材を配置することにより、磁石の磁束を有効に制動ドラムの内部へ導くことができる。
【0019】
磁石の両端の磁極面に強磁性部材を配置することにより、磁石の形状を単純化でき、加工経費を大幅に節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る渦電流減速装置の正面断面図である。
【図2】同渦電流減速装置の制動状態を示す側面断面図である。
【図3】同渦電流減速装置の制動状態にある要部を示す正面断面図である。
【図4】同渦電流減速装置の制動状態にある案内筒の内部を展開して示す平面断面図である。
【図5】同渦電流減速装置の非制動状態を示す側面断面図である。
【図6】同渦電流減速装置の非制動状態にある要部を示す正面断面図である。
【図7】同渦電流減速装置の非制動状態にある案内筒の内部を展開して示す平面断面図である。
【符号の説明】
2:歯車箱 3:軸受 4:回転軸 7:制動ドラム 9a:フランジ部 9:ホイール 12:支持腕 13:制動ドラム 13a:冷却フイン 13c:内周面 18:案内筒 18a:外筒部 18b:内筒部 18c,18d:端壁板 19:磁石支持筒 20:磁石 21:強磁性部材 21a:基端面 21b:先端面 23:内空部 24:継鉄筒 24a:突壁面 26:軸受 31:枠板 42:ロツド 43:支持筒 44:回動軸 45:回動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は多数の永久磁石(本明細書ではこれを単に磁石という)が磁極を制動ドラムの軸方向に向けて配され、強磁性部材(ポールピース)の基端面が制動ドラムの内周面に、先端面が磁石の磁極面にそれぞれ対向し、制動時磁石と制動ドラムとの間に効率的な磁気回路が形成されるようにした渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公平3-86,060号公報などに開示される渦電流減速装置は、磁石支持筒を軸方向へ往復動させることにより、制動と非制動の切換えを行うものであるので、磁石支持筒の移動空間分だけ軸方向寸法が長くなるという難点がある。
【0003】
特公平7-118901号公報などに開示される渦電流減速装置では、制動時可動の磁石支持筒を回動して、可動の磁石支持筒の磁石の極性と不動の磁石支持筒の磁石の極性とが同じになるようにすると、磁石から強磁性板(ポールピース)、制動ドラム、強磁性板、磁石、磁石支持筒、磁石へと磁気回路が形成され、回転する制動ドラムが磁石支持筒の磁石からの磁束を横切る時、制動ドラムに渦電流に基づく制動力が発生する。
【0004】
しかし、上述の各渦電流減速装置では、磁石の磁極は制動ドラムの径方向へ向いており、磁石から強磁性板を経て制動ドラムへ有効に磁束が入るように、磁石の外面と内面を円筒面に加工する必要があり、非常に加工経費が嵩む。また、磁石からの磁束を洩らさず制動ドラムへ導き入れるためには、強磁性板は磁石の外面を覆う大きなものになる。制動時の磁気回路に強磁性板だけでなく磁石支持筒も含まれるので、磁束密度を有効に高めることができず、制動力を十分に発生させることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、ブロツク状の磁石と強磁性部材の組合せ体により、制動ドラムとの間に効率的な磁気回路が形成されるようにした渦電流減速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合された制動ドラムの内部に、断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒を配設し、該案内筒の外筒壁の内周面の軸方向中央部に非磁性体からなる磁石支持筒を回動可能に支持し、磁石支持筒の内周面に多数の磁石を周方向等間隔に結合し、前記磁石の軸方向の両端の磁極面に、強磁性部材の先端面を対向可能に配し、該強磁性部材の基端面を前記案内筒の外筒壁を貫通して制動ドラムの内周面に対向させ、前記案内筒の内筒壁の内周面に各磁石の内面に対向可能の突壁面を有する継鉄筒を固定し、前記磁石が前記強磁性部材の先端面に対向する制動位置と前記磁石が前記突壁面に対向する非制動位置とに、前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータを備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では非磁性体からなる磁石支持筒に対しブロツク(直方体など)状の磁石を両端の磁極が軸方向(制動ドラムの回転軸の方向)に向くように支持し、左右1対の強磁性部材(ポールピース)の基端面を制動ドラムの内周面に、先端面を磁石の両端の磁極面にそれぞれ対向させた構造にする。多数の磁石を結合する磁石支持筒は、これを非磁性体からなる案内筒の内部に正逆回動可能に支持する。
【0008】
制動時、磁石支持筒の各磁石がそれぞれ左右1対の強磁性部材の先端面の間へ臨むと、各磁石から磁束が強磁性部材を経て制動ドラムへ入る。回転する制動ドラムが各磁石からの磁束を横切る時、制動ドラムに渦電流に基づく制動力が発生する。非制動時、磁石支持筒を磁石の半配列ピツチ分だけ周方向へ回動すると、磁石支持筒の磁石が継鉄筒の突壁面に対向し、継鉄筒との間に短絡的磁気回路が形成され、磁石からの磁束は制動ドラムへ及ばず、制動力は発生しない。
【0009】
【実施例】
図1,3は本発明が適用される渦電流減速装置の正面断面図、図2は同側面断面図である。渦電流減速装置は制動ドラム13を回転軸4に結合される。このため、変速機の歯車箱2の端壁に軸受3により支持されかつ端壁から突出する出力回転軸4に、スプライン孔5aを有する取付フランジ5が嵌合され、かつ抜け出ないようにナツト6により締結される。取付フランジ5に駐車ブレーキの制動ドラム7の端壁と、渦電流減速装置の制動ドラム13を支持するホイール9と一体のフランジ部9aとが重ね合され、複数のボルト10とナツト10aにより締結される。
【0010】
制動ドラム13は鉄などの透磁率の大なる材料からなり、外周壁に多数の冷却フイン13aが周方向等間隔に備えられる。制動ドラム13の基端部は、ホイール9に嵌合されかつホイール9から放射方向へ延びる多数の支持腕(スポーク)12に結合される。制動ドラム13の内部に、断面箱形の内空部23を有する案内筒18が同軸に配設される。アルミニウムなどの非磁性体からなる不動の案内筒18は、歯車箱2の突壁2aに外嵌固定され、かつ補強リブ31aを備えた枠板31に、図示してないボルトにより固定される。案内筒18は外筒部18aと内筒部18bとの両端に環状の端壁板18c,18dを結合して構成される。図示の実施例では、外筒部18aと端壁板18cと内筒部18bとは断面コ字形をなす筒体として一体に構成され、該筒体に端壁板18dがボルトにより結合される。
【0011】
案内筒18の内空部23に、磁石支持筒19と左右対をなす多数の強磁性部材21とが収容され、磁石支持筒19の磁石20と1対の強磁性部材21とは馬蹄形の組合せ体を形成することができる。磁石支持筒19はすべり軸受26により、外筒部18aの内周面に正逆回動可能に支持される。多数(強磁性部材21と同数)のブロツク状の磁石20は磁石支持筒19の内周面に周方向等間隔に結合される。
【0012】
図4に示すように、磁石支持筒19の磁石20は、左右の磁極の向きが周方向に交互に異なるように配列するのが好ましい。各磁石20の軸方向の両端の磁極面に、左右1対の強磁性部材(ポールピース)21の先端面21bが対向される。強磁性部材21は軸方向から径外方へ円弧状に湾曲され、基端部を外筒部18aを貫通支持され、基端面21aを制動ドラム13の内周面13cへ対向される。図2,3に示すように、案内筒18の内筒部18bの外周面に磁性体からなる継鉄筒24が固定される。継鉄筒24の外周面には各磁石20の内面に対向する多数の突壁面24aが周方向等間隔に形成される。
【0013】
図2に示すように、継鉄筒24と磁石支持筒19との間に正逆回動機構45が連結される。正逆回動機構45は継鉄筒24の溝部分に支持した回動軸44と、該回動軸44に基端を結合された支持筒43と、該支持筒43に伸縮可能に嵌挿されかつ先端をピン41により磁石支持筒19に連結されたロツド42とから構成される。正逆回動機構45の回動軸44は、支持筒43の外壁に備えた例えば電動機からなるアクチユエータにより正逆回動される。しかし、正逆回動機構45はこれに限定されるものではなく、例えば流体圧アクチユエータにより磁石支持筒19を直接回動するようにしてもよい。
【0014】
図2〜4に示すように、制動時、磁石支持筒19の各磁石20は、左右1対の強磁性部材21とそれぞれ軸方向に並ぶ。回転する制動ドラム13が、磁石20から強磁性部材21を経て制動ドラム13の内周面13cへ及ぶ磁束を横切る時、制動ドラム13に渦電流が発生し、制動ドラム13に制動トルクが発生する。この時、図3に示すように、各磁石20と制動ドラム13との間に磁気回路40が形成される。
【0015】
非制動時、アクチユエータにより回動軸44を図2において時計方向(図4の矢印方向)へ回動し、磁石支持筒19を磁石20の半配列ピツチ分だけ回動すると、図5〜7に示す状態になり、磁石20は制動ドラム13へ磁束を及ぼさなくなり、制動ドラム13に制動トルクは発生しない。つまり、各磁石20がそれぞれ1対の強磁性部材21の間から抜け出し、各磁石20の内面が継鉄筒24の突壁面24aに対向し、図6に示すように、磁石20と継鉄筒24との間に短絡的磁気回路40aが形成される。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上述のように、回転軸に結合された制動ドラムの内部に、断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒を配設し、該案内筒の外筒壁の内周面の軸方向中央部に非磁性体からなる磁石支持筒を回動可能に支持し、磁石支持筒の内周面に多数の磁石を周方向等間隔に結合し、前記磁石の軸方向の両端の磁極面に、強磁性部材の先端面を対向可能に配し、該強磁性部材の基端面を前記案内筒の外筒壁を貫通して制動ドラムの内周面に対向させ、前記案内筒の内筒壁の内周面に各磁石の内面に対向可能の突壁面を有する継鉄筒を固定し、前記磁石が前記強磁性部材の先端面に対向する制動位置と前記磁石が前記突壁面に対向する非制動位置とに、前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータを備えたものであり、軸方向に極性が生じるように磁石が配置されるので、従来例では磁石支持筒へ流れていた磁束を制動ドラムへ有効に作用し、大きな制動力が得られる。
【0017】
1対の強磁性部材を利用して磁石の磁束を制動ドラムへ作用させるので、磁石を任意の形状にすることができ、磁石の外面と内面を円筒面に加工する必要がなくなる。
【0018】
周方向に隣接する磁石の磁極を互いに逆向きにし、かつ磁石の両端の磁極面に1対の強磁性部材を配置することにより、磁石の磁束を有効に制動ドラムの内部へ導くことができる。
【0019】
磁石の両端の磁極面に強磁性部材を配置することにより、磁石の形状を単純化でき、加工経費を大幅に節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る渦電流減速装置の正面断面図である。
【図2】同渦電流減速装置の制動状態を示す側面断面図である。
【図3】同渦電流減速装置の制動状態にある要部を示す正面断面図である。
【図4】同渦電流減速装置の制動状態にある案内筒の内部を展開して示す平面断面図である。
【図5】同渦電流減速装置の非制動状態を示す側面断面図である。
【図6】同渦電流減速装置の非制動状態にある要部を示す正面断面図である。
【図7】同渦電流減速装置の非制動状態にある案内筒の内部を展開して示す平面断面図である。
【符号の説明】
2:歯車箱 3:軸受 4:回転軸 7:制動ドラム 9a:フランジ部 9:ホイール 12:支持腕 13:制動ドラム 13a:冷却フイン 13c:内周面 18:案内筒 18a:外筒部 18b:内筒部 18c,18d:端壁板 19:磁石支持筒 20:磁石 21:強磁性部材 21a:基端面 21b:先端面 23:内空部 24:継鉄筒 24a:突壁面 26:軸受 31:枠板 42:ロツド 43:支持筒 44:回動軸 45:回動機構
Claims (2)
- 回転軸に結合された制動ドラムの内部に、断面長方形の内空部を有する非磁性体からなる案内筒を配設し、該案内筒の外筒壁の内周面の軸方向中央部に非磁性体からなる磁石支持筒を回動可能に支持し、磁石支持筒の内周面に多数の磁石を周方向等間隔に結合し、前記磁石の軸方向の両端の磁極面に、強磁性部材の先端面を対向可能に配し、該強磁性部材の基端面を前記案内筒の外筒壁を貫通して制動ドラムの内周面に対向させ、前記案内筒の内筒壁の内周面に各磁石の内面に対向可能の突壁面を有する継鉄筒を固定し、前記磁石が前記強磁性部材の先端面に対向する制動位置と前記磁石が前記突壁面に対向する非制動位置とに、前記磁石支持筒を正逆回動するアクチユエータを備えたことを特徴とする渦電流減速装置。
- 周方向に隣接する前記磁石の磁極の向きを互いに逆方向にした、請求項1に記載の渦電流減速装置、
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JP10584798A JP3651256B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 渦電流減速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10584798A JP3651256B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 渦電流減速装置 |
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JPH11289745A JPH11289745A (ja) | 1999-10-19 |
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ID=14418416
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JP10584798A Expired - Fee Related JP3651256B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 渦電流減速装置 |
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1998
- 1998-03-31 JP JP10584798A patent/JP3651256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11289745A (ja) | 1999-10-19 |
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