JP3985625B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に用いられる主ブレーキを補助するディスクタイプの渦電流減速装置に関し、さらに詳しくは、制動時の磁気効率に優れ、簡易な構造で小型、軽量化が可能であるとともに、制動ディスクの温度上昇を防ぎ、長時間にわたる連続制動が可能であり、必要に応じて制動ディスクの回転抵抗、いわゆる風損の低減を図ることができる渦電流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラックやバス等の自動車用の制動装置には、主ブレーキであるフットブレーキ、補助ブレーキである排気ブレーキの他に長い坂道の降坂等において安定した減速を行い、さらにフットブレーキのベーパーロック現象や焼損を防止するために、渦電流減速装置が使用されている。
【0003】
従来からある渦電流減速装置に一つには、永久磁石を用いて回転しながら対向する導体内に渦電流を生じさせ、ローレンツ力により回転に制動をかける方式がある。本方式は一般的なので、図示はしないが、通常、永久磁石を納め、内部でスイッチング位置に動けるように構成される案内筒と、案内筒の外側で車体の回転軸に接続されているローター部分とから構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
永久磁石をローターなどの制動回転体に対向させた渦電流減速装置では、制動時に永久磁石から及ぼされる磁力が該回転体に作用し、該回転体に渦電流が発生する。そして、その電流と永久磁石からの磁力との相互作用によって生ずるローレンツ力によって該回転体に制動トルクが発生するとともにジュール熱が発生する。
【0005】
発熱して制動回転体の温度が上昇してくると、この渦電流減速装置の制動回転体の温度がキューリー点を超えるような高温になることによって、該回転体が非磁性となり、制動トルクを得ることができなってしまう。さらに高温となった制動回転体の表面には、非弾性ひずみ(塑性ひずみ+クレープひずみ)が発生し、制動および非制動を繰り返すことによって、該ひずみが繰り返し負荷されることとなり、熱疲労亀裂を発生しやすくなり装置寿命を低下させる等の問題があった。
【0006】
本発明は、前記の課題に基づいて検討されたものであり、制動時の磁気効率に優れ、簡易な構造で小型、軽量化が可能であるとともに、制動ディスクの温度上昇を防ぎ、長時間にわたる連続制動が可能であり、必要に応じて風損の低減を図ることができる渦電流減速装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の渦電流減速装置を要旨としている。すなわち、回転軸に取り付けられた制動ディスクと、非回転部分に支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの近づく方向と離れる方向とに移動可能な保持リングと、この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設けた渦電流減速装置であって、前記制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に、径方向の外側端部に対して内側端部が制動ディスクの回転方向に先行するように形成させた冷却フィンを複数設けるとともに、隣接する前記冷却フィンの間に、前記冷却フィンの長さより短い予備冷却フィンを径方向の外側寄りに設けたことを特徴とする渦電流減速装置である。望ましくは、上記冷却ファンは周方向に等間隔で設けられるのがよい。最も望ましくは、隣接するフィンの中間部に予備フィンを設ける。こうすると、空気流入量を確保したまま冷却面積を広げられるので、より冷却能力が向上する。
【0008】
また、冷却フィンのすくい角(θ)を25°を超えて70°未満にするのが望ましい
【0009】
さらに、 制動時または/および非制動時の風損低減を図るため、前記冷却フィンの径方向の少なくとも一部を覆い、冷却フィンの径方向の少なくとも内外側端部を解放する、望ましくは円環状のカバーを設けたり、または非制動時に前記冷却フィンの径方向の外側端部を覆い、制動時に冷却フィンの径方向の外側端部を解放する、望ましくはドラム状または円筒状のカバーを設けるようにするのが望ましい。加えて案内筒の材質は、強磁性体でも非磁性体でもよく、永久磁石の磁力をより強く制動ディスク及ぼすために、案内筒の永久磁石と制動ディスクに挟まれる領域に強磁性体(ポールピース)を備えてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
最近では、このような渦電流減速装置への要請として、製造コストの低減を図るとともに、小型車への搭載も可能にするような、車両への搭載性を向上させる要請が強くなっている。この搭載性の向上には、小型で軽量化が図れ、かつ簡易構造で経済性に優れることが要求される。
【0011】
ディスクタイプの渦電流減速装置において、永久磁石の磁極面を制動ディスクに対向させて接近させ、ディスク自体に制動トルクを発生させる方式(以下、「磁石極面対向方式」という場合がある)が検討されてきている。この方式であれば、永久磁石の磁力線を短い磁路長さで制動ディスクに付加できるので、磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、磁気効率が向上し、制動トルクを増大させることができる。
【0012】
図1および図2は、永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の構成例を示す断面図である。図1は制動時における装置構成を示しており、図2は非制動時における装置構成を示している。
【0013】
この渦電流減速装置では、回転軸1に取り付けられた強磁性体からなる制動ディスク2と、この制動ディスク2の側方に配置された非磁性体からなる案内筒3から構成される。案内筒3は車両等の非回転部分に支持されており、その内部には、制動ディスク2の制動面に対し垂直方向に前後進が可能な強磁性体からなる保持リング4が収容され、さらに、案内筒3には保持リング4を前後進させるシリンダー5が設けられている。一方、案内筒3の制動ディスクと対向する端面には、強磁性材(ポールピース)8が配置される。
【0014】
保持リング4の制動ディスク2と対向する側面には、複数の永久磁石7が周方向に配置されている。永久磁石7の磁極の方向は制動ディスク2の制動面に対向しており、隣接する永久磁石の磁極が互いに逆向きに配置されている。各永久磁石7の磁極面に対向する強磁性材8は、周方向に永久磁石7と対をなすように複数配置される。
【0015】
永久磁石7の駆動機構は、案内筒3の外端壁にシリンダー5が配置され、シリンダー5に嵌合するピストンロッド6が案内筒3の外端壁を貫通して保持リング4に結合している。このように構成することによって、シリンダー5の作動により制動ディスク2に対し直交する方向に、保持リング4を近づいたり離れたりする方向に前後進させることができる。
【0016】
制動時には、図1の矢印で示すように、シリンダー5のピストンロッド6が右方へ移動し、保持リングが制動ディスク2に近づく方向に前進し、永久磁石7が制動ディスクに対向して接近する。
【0017】
このとき、各永久磁石7が強磁性材8を経て制動ディスク2の制動面に垂直に及ぼす磁力線を回転する制動ディスク2が横切る時、制動ディスク内の磁束の変化から制動ディスク2に渦電流が流れ、制動トルクが発生する。
【0018】
非制動に切り換える際には、シリンダー5の作動を切り換えて、図2の矢印で示すように、ピストンロッド6に直結された保持リング4を左方へ制動ディスク2から離れる方向へ移動させるので、永久磁石7が強磁性材(ポールピース)8から離れ、永久磁石7が制動ディスク2へ及ぼす磁力は弱いものとなる。
【0019】
前記の図1および図2に示す、永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置では、強磁性材(ポールピース)が設けられている。これは、永久磁石は温度依存性が強く、一定温度以上になると磁力が低下し、制動トルクが低減するので、永久磁石の昇温を抑制するため、永久磁石と発熱源である制動ディスク間に適当な距離を設けていることによる。すなわち、これらの距離が大きくなると、制動トルクが低下するため、強磁性材(ボールピース)を両者の間に介在させて、磁気回路上のギャップが最小になるようにしているためである。
【0020】
ところが、案内筒がドラムに覆われたドラムタイプに比べ、ディスクタイプでは、案内筒を発熱部である制動ディスクの外部に露出した構造にできるので、案内筒そのものの放熱性が優れる。そのため、案内筒への入熱量が同等であるとしても、ディスクタイプの案内筒では、外気と直接接する構造にでき、放冷可能な面積を増加できるので、ドラムタイプに比べ案内筒内の温度上昇を抑制できる。
【0021】
さらに、装置の構造をディスクタイプにすることによって、ドラムタイプに比べ、冷却フィンを取り付けることが容易となり、発熱源である制動ディスクの放熱能力を増大させることができる。したがって、制動時において永久磁石の温度上昇が抑制でき、加えて制動ディスクから伝えられる熱そのものも低減できるので、永久磁石と制動ディスクとの距離を極端に小さくすることが可能になる。
【0022】
その結果として、永久磁石を制動ディスクに充分に近づけることができ、強磁性体(ポールピース)を用いずに磁気回路を構成したとしても、十分な制動トルクを確保することができる。このような知見に基づいて、新たに、強磁性体(ポールピース)を用いない「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置が開発されつつある。
【0023】
図3は、強磁性体(ポールピース)を用いない「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の構成を示す図である。図3に示す渦電流減速装置では、基本的な構成や各部材の作用は前記図1および図2に示す「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置と同じであるが、案内筒3は、その制動ディスクと対向する端面に強磁性体(ポールピース)を配置させることなく、非磁性材で構成されている。
【0024】
また、図3に示す渦電流減速装置では、強磁性材(ポールピース)を設けなくとも、永久磁石からの磁力線を短い磁路長さで、直接、制動ディスクに付加できるので、制動トルクの発生効率を向上させることができる。
【0025】
以下の説明において、図3に示す、強磁性体(ポールピース)を用いない「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置を特定する場合には、「ポールピースレス方式」の渦電流減速装置という。
【0026】
永久磁石を制動ディスクに対向させて配置した「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置、および「ポールピースレス方式」の渦電流減速装置では、制動時に、永久磁石から及ぼされる磁力を制動ディスク表面に作用させると、制動ディスクに渦電流が発生し、制動ディスクが制動トルクを受けるとともに、ジュール熱が発生する。
【0027】
発生した渦電流は表皮効果によって表面近傍に集中して流れるため、制動ディスクの永久磁石に対向する表面は高温になる。このように制動ディスクの温度が上昇してくると、渦電流減速装置の制動効率の低下を招き、さらに機械的強度や装置寿命を低下させることになる。
【0028】
具体的には、制動ディスクの温度がキューリー点を超えるようになると、制動ディスク自体が非磁性体となり制動トルクを得ることができない。さらに、高温となった制動ディスクの表面には、非弾性ひずみ(塑性ひずみ+クリープひずみ)が発生し、制動および非制動を繰返すことによって、制動ディスクには非弾性ひずみが繰り返し負荷されるため、熱疲労亀裂が発生し易くなり、装置寿命を低下させる。
【0029】
このため、制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に多数の冷却フィンを設けて、制動ディスクの表面積を増大させることにより、制動ディスクの冷却能力を高め、制動ディスクの温度上昇を防止することが必要になる。さらに、制動ディスクは常時回転するから、冷却フィンの風損も燃費の向上の観点から無視できない場合があり、冷却フィンの風損を可能な限り低減することが求められるようになってきている。
【0030】
本発明によれば、「磁石極面対向方式」または「ポールピースレス方式」のいずれの渦電流減速装置であっても、制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に、径方向の外側端部に対して内側端部が制動ディスクの回転方向に先行するように形成された冷却フィンを複数設けているので、遠心力を受けて空気の流通が促され、冷却が促進するので、制動ディスクの冷却効果を向上させることができる。しかも、必要に応じて、制動時または/および非制動時の風損を低減することができる。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の渦電流減速装置に用いられる冷却フィンの具体的な構成の例を、実施例1および実施例2に基づいて説明する。
(実施例1)
図4〜図6は、本発明の渦電流減速装置の制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に設けられた冷却フィンの実施例を示す平面図である。それぞれの冷却フィンの作用は次の通りである。
【0032】
図4に示す実施例では、制動ディスク2の回転方向Xを正転時として、それが時計回りである場合に、径方向の外側端部10bに対して内側端部10aが制動ディスク2の回転方向Xに先行するように、直線形状で傾斜した冷却フィン10を制動ディスク2の周方向にほぼ等間隔で複数設けている。
【0033】
この場合に、制動ディスク2の内周側の空気が内側開口10cを経て通風路10eの制動ディスク中心へ導入され、制動ディスク2の表面および冷却フィン10を冷却しながら通風路10eを経て、制動ディスク2外周の外側開口10dで流出する。このとき、通風路10eの空気がフィンによりディスク半径方向外向きの力を受けて、外側開口10dまで平滑に流れるので、冷却効果を向上させることができる。
【0034】
通風路10eへの空気の流入量は、冷却フィン10のすくい角(θ)の影響を受ける。ここでは、通常、冷却フィン10のすくい角(θ)は、制動ディスク正転時の冷却フィンの内周側端部10aにおける接線と制動ディスク2の径方向とのなす角度、若しくは制動ディスク反転時の冷却フィン10の外周側端部10bにおける接線と制動ディスクの径方向とのなす角度と規定する。この場合に、空気の流入量を十分に確保するには、冷却フィン10のすくい角(θ)を25°を超えて70°未満とするのが望ましい。
【0035】
すくい角(θ)が25°以下では、冷却フィンの通風路10eへ冷却に必要な空気の流入量を確保することができず、一方、すくい角(θ)が70°以上であるときには、所定の冷却フィン数を配した場合に、内側開口10cの間隔が小さくなり過ぎて、冷却に必要な空気の流入量を確保することができない。
【0036】
ここでは、冷却フィン10として直線形状で傾斜した冷却フィンを適用した実施例について説明したが、冷却フィン10の両端部のうち、内側開口10cが空気入口、外側開口10dが空気出口をなす形状の冷却フィン10であれば、別の形状の冷却フィンであってもよい。例えば、曲線状の冷却フィンであってもよく、1枚の冷却フィンが傾斜角度の異なる複数の直線状の冷却フィンからなるものでもよく、1枚の冷却フィンが曲線状の冷却フィンと直線状の冷却フィンとからなるものでもよい。
【0037】
図5に示す実施例では、径方向の外側端部10bに対して内側端部10aが制動ディスクの回転方向に先行するように傾斜した冷却フィン10を設ける場合に、図5(a)では冷却フィンの形状を2本の直線の組合せ形状とし、図5(b)では冷却フィンの形状を曲線(湾曲)形状としている。図5(a)、(b)に示す冷却フィンの形状であっても、図4に示す直線形状で傾斜した冷却フィンと同様の作用、効果が発揮される。
【0038】
図6に示す実施例では、冷却フィン10のうち隣接するフィンの中間部に冷却10の長さの短い新たな予備冷却フィン11を径方向の外側寄りに設けた構成になっている。制動ディスク2の冷却面積を確保しようとすると、制動ディスク2の周方向に等間隔で配される冷却フィン10の数を増加するので、内側開口10cの間隔が狭くなる。
【0039】
狭い間隙の内側開口10cに空気を送り込むことは非常に困難であり、大半の空気が内側開口10cを通過しないので、通風路10eの空気の投入量を確保することができない。そのため、図6に示すように、制動ディスク2の周方向に冷却フィン10の内側開口10cの間隔を確保して、径方向の中間部にフィン長さの短い新たな予備冷却フィン11を外側寄りに設けることによって、冷却面積も確保するようにしている。
(実施例2)
図7および図8は、制動時または/および非制動時の風損を防止するために、本発明の渦電流減速装置の制動ディスクに設けられた冷却フィンの他の実施例を示す図である。
【0040】
図7の実施例では、冷却フィン10の径方向の中央部分を覆い、冷却フィン10の内側開口10cおよび外側開口10dを解放する円環状のカバー12を設けるようにしている。そのため、制動時または非制動時に拘わらず、回転する制動ディスク2の冷却フィン10に送られる流量を円環状のカバー12によって制御でき、さらに流入した空気がフィン上部に逃げるのが防止できたり、フィンに効率的に冷たい空気の流入を促進することができる。これにより、空気流れが円環状のカバー12により整流され、制動ディスクの風損が削減し、騒音も低減される。このカバーは、少なくとも径方向の一部にあるだけでも、カバーされる部に応じて効果がある。すなわち、中央部から偏っていてもよい。
【0041】
図8に示す実施例では、非制動時に冷却フィン10の径方向の外側端部10bを覆い、制動時に冷却フィンの径方向の外側端部10bを解放する円筒状のカバー13を設けるようにしている。
【0042】
制動時には、前記図4〜図6に示す実施例と同様の冷却効果が得られるが、非制動時には、冷却フィン10の外側端部10bおよび外側開口10dが遮蔽されるため、冷却フィン10に送られる空気の投入量が抑制されて、制動ディスクの風損が低減される。
【0043】
円筒状のカバー13の作動は、永久磁石の駆動機構であるシリンダーと連動させるようにすればよく、その作動構造は、永久磁石の後退により非制動の状態になるとともに、円筒状のカバー13が冷却フィン10の外側端部10bおよび外側開口10dを覆うように構成すればよい。また、円筒状のカバー13は、図7に示す実施例に設けても同様の効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の渦電流減速装置によれば、永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置であっても、「ポールピースレス方式」の渦電流減速装置であっても、制動時の磁気効率に優れ、簡易な構造で小型、軽量化が可能であるとともに、長時間にわたる連続制動が可能である。しかも、必要に応じて、制動時または/および非制動時の制動ディスクの風損の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の制動時の構成例を説明する図である。
【図2】永久磁石を用いた「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の非制動時の構成例を説明する図である。
【図3】強磁性体(ポールピース)を用いない「磁石極面対向方式」の渦電流減速装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に関する、制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に設けられた冷却フィンの構成例を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例1に関する、制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に設けられた冷却フィンの構成例を示す平面図である。
【図6】本発明の実施例1に関する、隣接する冷却フィンの中間部に新たな冷却フィンを設けた構成を示す図である。
【図7】制動時および非制動時の風損を防止するために、本発明の渦電流減速装置の制動ディスクに設けられた冷却フィンの構成例を示す図である。
【図8】非制動時の風損を防止するために、本発明の渦電流減速装置の制動ディスクに設けられた冷却フィンの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1:回転軸、 2:制動ディスク
2a:外周部分、外周用円板
2b:内周部分、内周用円板
3:案内筒、 4:保持リング
5:シリンダー、 6:ピストンロッド
7:永久磁石、 8:強磁性材、ポールピース
10、11:冷却フィン

Claims (7)

  1. 回転軸に取り付けられた制動ディスクと、非回転部分に支持されて前記制動ディスクの側方に配置された案内筒と、この案内筒の内部に収容され、前記制動ディスクの近づく方向と離れる方向に移動可能な保持リングと、この保持リングの円周方向に前記制動ディスクに対向して、隣接する磁極が互いに逆向きに配した複数の永久磁石とを設けた渦電流減速装置であって、前記制動ディスクが永久磁石と対向する面の反対面に、径方向の外側端部に対して内側端部が制動ディスクの回転方向に先行するように形成された冷却フィンを複数設けるとともに、隣接する前記冷却フィンの間に、前記冷却フィンの長さより短い予備冷却フィンを径方向の外側寄りに設けたことを特徴とする渦電流減速装置。
  2. 前記冷却フィンのすくい角(θ)を25°を超えて70°未満としたことを特徴とする請求項1に記載の渦電流減速装置。
  3. 前記冷却フィン及び前記予備冷却フィンにおける径方向の外側端部が前記制動ディスクの外周端にあることを特徴とする請求項1または2に記載の渦電流減速装置。
  4. 前記冷却フィンの径方向の少なくとも一部を覆い、前記冷却フィンの少なくとも径方向の内外側端部を解放するカバーを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の渦電流減速装置。
  5. 非制動時に前記冷却フィンの径方向の外側端部を覆い、制動時に前記冷却フィンの径方向の外側端部を解放するカバーを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の渦電流減速装置。
  6. 前記案内筒の少なくとも前記永久磁石と前記制動ディスクに挟まれる領域に強磁性体を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の渦電流減速装置。
  7. 前記案内筒の少なくとも一部が非磁性体で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の渦電流減速装置。
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