JP2013258876A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013258876A
JP2013258876A JP2012134780A JP2012134780A JP2013258876A JP 2013258876 A JP2013258876 A JP 2013258876A JP 2012134780 A JP2012134780 A JP 2012134780A JP 2012134780 A JP2012134780 A JP 2012134780A JP 2013258876 A JP2013258876 A JP 2013258876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
magnet
braking
brake
magnet holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012134780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5807617B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Yamaguchi
博行 山口
Yasutaka Noguchi
泰隆 野口
Yutaka Nogami
裕 野上
Yozo Okuda
洋三 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2012134780A priority Critical patent/JP5807617B2/ja
Publication of JP2013258876A publication Critical patent/JP2013258876A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5807617B2 publication Critical patent/JP5807617B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】制動ディスクと永久磁石との隙間に異物が付着するのを防止するとともに、制動効率を向上させることができる同期回転方式の渦電流式減速装置を提供する。
【解決手段】減速装置は、車両の回転軸11に固定された制動ディスク1と、制動ディスク1の主面に対向して円周方向にわたり磁極が交互に異なって配置された複数の永久磁石5を保持し、回転軸11に回転可能に支持された磁石保持ディスク4と、制動時に磁石保持ディスク4を静止させる摩擦ブレーキと、を備え、制動ディスク1および磁石保持ディスク4のうちのいずれか一方に、制動ディスク1と永久磁石5との隙間を外周側から覆う環状カバー30、40が取り付けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、トラックやバスなどの車両に補助ブレーキとして搭載される渦電流式減速装置に関し、特に、制動力を発生させるために永久磁石を用いた渦電流式減速装置に関する。
永久磁石(以下、単に「磁石」ともいう)を用いた渦電流式減速装置(以下、単に「減速装置」ともいう)は、プロペラシャフトなどの回転軸に固定した制動部材を有し、制動時に、磁石からの磁界の作用で、磁石と対向する制動部材の表面に渦電流を発生させ、これにより、回転軸と一体で回転する制動部材に回転方向と逆向きの制動力が生じ、回転軸を減速させるものである。減速装置は、制動力が与えられる制動部材の形状に応じてドラム型とディスク型に大別され、制動と非制動とを切り替える構造も様々ある。
近年、装置の小型化への要請に対応するため、磁石を保持する磁石保持部材を回転軸に回転可能に支持し、制動時にその磁石保持部材を摩擦ブレーキによって静止させる減速装置が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。この減速装置は、以下に示すように、非制動時に磁石保持部材が制動部材と同期して一体的に回転することから、同期回転方式の減速装置と称される。
図1は、従来の同期回転方式の減速装置の構成例を示す縦断面図である。同図に示す減速装置はディスク型であり、制動部材としての制動ディスク1と、磁石保持部材としてその制動ディスク1の主面に対向し永久磁石5を保持する磁石保持ディスク4とを備える。
制動ディスク1は、プロペラシャフトなどの回転軸11と一体で回転するように構成される。図1では、回転軸11と同軸上に連結軸12がボルトなどによって固定され、フランジ付きのスリーブ13がその連結軸12にスプラインで噛み合いながら挿入されてナット14で固定されている。制動ディスク1は、回転軸11と一体化されたスリーブ13のフランジにボルトなどで固定され、これにより回転軸11と一体で回転するようになる。
制動ディスク1には、例えばその外周に放熱フィン2が設けられる。この放熱フィン2は、制動ディスク1と一体成形され、制動ディスク1そのものを冷却する役割を担う。制動ディスク1の材質は、鉄などの強磁性材料や、フェライト系ステンレス鋼などの弱磁性材料である。
磁石保持ディスク4は、回転軸11に対し回転可能に構成される。図1では、磁石保持ディスク4は、連結軸12と同心状の環状部材3と一体成形されたり、個別に成形されてボルトなどで環状部材3に固定されたりしたものである。環状部材3は回転軸11と一体化されたスリーブ13に軸受15a、15bを介して支持され、これにより磁石保持ディスク4は回転軸11に対し自由に回転が可能になる。軸受15a、15bには潤滑グリスが充填され、この潤滑グリスは、環状部材3の前後両端に装着されたリング状のシール部材16a、16bにより漏出を防止される。
磁石保持ディスク4には、制動ディスク1の主面と対向する面に、円周方向にわたり複数の永久磁石5が固着される。永久磁石5は、制動ディスク1の主面に対する磁極(N極、S極)の向きが、隣接するもの同士で交互に異なるように配置される。
図1では、磁石保持ディスク4には、永久磁石5の全体を覆うように、薄板からなる磁石カバー20が取り付けられる。この磁石カバー20は、鉄粉や粉塵から永久磁石5を保護するのみならず、永久磁石5の保有する磁力が熱影響で低下するのを防止するために、制動ディスク1から永久磁石5への輻射熱を遮る役割を担う。磁石カバー20の材質は、永久磁石5からの磁界に影響を及ぼさないように、非磁性材料である。
図1に示す減速装置は、制動時に磁石保持ディスク4を静止させる摩擦ブレーキとしてディスクブレーキを備える。このディスクブレーキは、磁石保持ディスク4の後方で環状部材3と一体のブレーキディスク6と、このブレーキディスク6を間に挟むブレーキパッド8a、8bを有するブレーキキャリパ7と、このブレーキキャリパ7を駆動させる電動式直動アクチュエータ9とから構成される。ブレーキディスク6は、ボルトなどで環状部材3に取り付けられ、環状部材3と一体化される。
ブレーキキャリパ7は、前後で一対のブレーキパッド8a、8bを有しており、ブレーキパッド8a、8bの間にブレーキディスク6を配置し所定の隙間を設けて挟んだ状態で、バネを搭載したボルトなどによりブラケット17に付勢支持される。このブラケット17は、車両のシャーシやクロスメンバーなどの非回転部に取り付けられる。また、ブラケット17は、ブレーキディスク6の後方で環状部材3を包囲し、環状部材3に軸受18を介して回転可能に支持される。この軸受18にも潤滑グリスが充填され、この潤滑グリスは、ブラケット17の前後両端に装着されたリング状のシール部材19a、19bにより漏出を防止される。
ブレーキキャリパ7には、アクチュエータ9がボルトなどで固定される。アクチュエータ9は、電動モータ10によって駆動し、電動モータ10の回転運動を直線運動に変換して後側のブレーキパッド8bをブレーキディスク6に向け直線駆動させる。これにより、後側のブレーキパッド8bがブレーキディスク6を押圧し、これに伴う反力の作用で、前側のブレーキパッド8aがブレーキディスク6に向け移動し、その結果、ブレーキディスク6を前後のブレーキパッド8a、8bで強力に挟み込む。
図1に示す減速装置において、非制動時は、ディスクブレーキ(摩擦ブレーキ)を作動させない状態にある。このとき、回転軸11と一体で制動ディスク1が回転するのに伴い、環状部材3と一体の磁石保持ディスク4が、永久磁石5と制動ディスク1との磁気吸引作用により、制動ディスク1と同期して一体的に回転する。このため、制動ディスク1と永久磁石5との間に相対的な回転速度差が生じないことから、制動力は発生しない。
一方、制動時は、ディスクブレーキ(摩擦ブレーキ)を作動させ、ブレーキディスク6がブレーキパッド8a、8bによって挟み込まれ、これにより環状部材3と一体の磁石保持ディスク4の回転が停止し、磁石保持ディスク4が静止する。制動ディスク1が回転している際に磁石保持ディスク4のみが静止すると、制動ディスク1と永久磁石5との間に相対的な回転速度差が生じるため、永久磁石5からの磁界の作用で、制動ディスク1の主面に渦電流が発生し、制動ディスク1を介して回転軸11に制動力を発生させることができる。
特開平4−331456号公報 実開平5−80178号公報 特開2011−97696号公報 特開2011−139574号公報
前記図1に示す従来の同期回転方式の減速装置では、以下に示す問題がある。
第1に、制動ディスク1と磁石5は常時強い磁力で引き合っているので、両者の隙間に、鉄粉などの強磁性体の異物が侵入して付着し、次々と堆積して成長する事態が起こり得る。このような事態が起こった場合、制動ディスク1と磁石5との間に相対的な回転速度差が生じる制動時に、制動ディスク1や磁石カバー20(磁石カバー20が無ければ磁石5)が異物と擦れ合い、損傷したり、制動ディスク1と磁石5との相対的な回転が妨げられたりする。
第2に、磁石カバー20があると、その厚みの分、制動ディスク1と磁石5との間隔が広くなるため、制動効率が低下する。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、制動ディスクと永久磁石との隙間に異物が付着するのを防止するとともに、制動効率を向上させることができる同期回転方式の渦電流式減速装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、制動部材として制動ディスクを採用した同期回転方式の減速装置において、制動ディスクと永久磁石との隙間への異物の付着を防止しつつ、制動効率の向上を図るには、磁石カバーを無くして制動ディスクと磁石との間隔を狭め、その上で、制動ディスクと磁石との隙間を外周側から覆うように環状カバーを配設するのが有効であることを知見し、本発明を完成させた。
本発明の渦電流式減速装置は、
車両の回転軸に固定された制動ディスクと、
前記制動ディスクの主面に対向して円周方向にわたり磁極が交互に異なって配置された複数の永久磁石を保持し、前記回転軸に回転可能に支持された磁石保持ディスクと、
制動時に前記磁石保持ディスクを静止させる摩擦ブレーキと、を備え、
前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちのいずれか一方に、前記制動ディスクと前記永久磁石との隙間を外周側から覆う環状カバーが取り付けられていることを特徴とする。
上記の減速装置において、前記環状カバーは、弾性変形した状態で、前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちの他方に当接している構成であることが好ましい。
また、上記の減速装置では、前記環状カバーは、前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちのいずれか一方に弾性部材を介して取り付けられ、前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちの他方に当接している構成であることが好ましい。
本発明の渦電流式減速装置によれば、制動ディスクと永久磁石との隙間が外周側から環状カバーで覆われているため、その隙間に外部から異物が侵入するのを防止でき、ひいては、その隙間への異物の付着を防止することが可能となる。しかも、従来の減速装置における磁石カバーを無くし、制動ディスクと永久磁石の間隔を狭めることが可能なため、制動効率を向上させることができる。
従来の同期回転方式の減速装置の構成例を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態である同期回転方式の減速装置の別例の要部を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。 本発明の第5実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図であり、同図(a)は制動ディスクが常温のときの状態を、同図(b)は制動ディスクが発熱したときと状態をそれぞれ示す。 本発明の第6実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図であり、同図(a)は図2に示す第1実施形態の変形例を、同図(b)は図3に示す第2実施形態の変形例をそれぞれ示す。
以下に、本発明の渦電流式減速装置の実施形態について詳述する。
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。同図に示す第1実施形態の減速装置は、前記図1に示す従来の減速装置の構成を基本とし、重複する説明は適宜省略する。後述する第2〜第6実施形態の減速装置も同様である。
図2に示すように、第1実施形態では、前記図1に示す磁石カバー20を無くし、その無くした磁石カバー20の厚み分だけ制動ディスク1と永久磁石5の間隔が狭められている。その上で、制動ディスク1と磁石5との隙間を外周側から覆うように、薄板からなる環状カバー30が配設されている。
第1実施形態の環状カバー30は、その一端部30aが磁石保持ディスク4の外周部に取り付けられ、その他端部30bが制動ディスク1の外周部まで延び出している。そして、環状カバー30の他端部30bは制動ディスク1と僅かに隙間をあけて配置されている。こうして、制動時における制動ディスク1と磁石5との相対回転は許容されている。磁石保持ディスク4への環状カバー30の取り付けは、図2に示すように、ボルト31によって行える。そのほかに、溶接やリベットやかしめなどによって行うこともできる。
ここで、第1実施形態の環状カバー30の材質は、アルミニウムやオーステナイト系ステンレス鋼などの非磁性材料とするのが望ましい。第1実施形態の環状カバー30は磁石保持ディスク4に取り付けられているので、環状カバー30が強磁性材料であると、磁石5からの磁束の一部が環状カバー30へ流れ、制動ディスク1に到達する磁束が目減りし、その結果として制動力が減少するからである。
なお、図2には示していないが、第1実施形態の制動ディスク1は放熱フィンを有する。第1実施形態の制動ディスク1において、放熱フィンは、環状カバー30の配設に支障が無い領域、例えば、環状カバー30から外れた外周の一部や、磁石5と対向する主面とは反対側の背面に設けられる。
このような構成の減速装置によれば、制動ディスク1と磁石5との隙間が外周側から環状カバー30で覆われているため、その隙間に外部から異物が侵入するのを防止でき、ひいては、その隙間への異物の付着を防止することが可能となる。これにより、異物付着に起因した制動ディスク1や磁石5の損傷を防止することができ、制動ディスク1と磁石5との円滑な相対回転を確保することができる。しかも、前記図1に示す従来の減速装置における磁石カバー20を無くし、制動ディスク1と永久磁石5の間隔が狭められているため、制動効率を向上させることができる。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。同図に示す第2実施形態の減速装置は、前記図2に示す第1実施形態の減速装置の構成を基本とするものであるが、前記第1実施形態とは以下の点で相違する。
図3に示すように、第2実施形態では、制動ディスク1と磁石5との隙間を外周側から覆う環状カバー40は、その一端部40aが制動ディスク1の外周部に取り付けられ、その他端部40bが磁石保持ディスク4の外周部まで延び出している。そして、環状カバー40の他端部40bは、磁石保持ディスク4における磁石5が固着された面とは反対側の背面に向けて折れ曲がり、磁石保持ディスク4と僅かに隙間をあけて配置されている。こうして、制動時における制動ディスク1と磁石5との相対回転は許容されている。すなわち、前記第1実施形態の環状カバー30が磁石保持ディスク4に取り付けられているのに対し、第2実施形態の環状カバー40は、制動ディスク1に取り付けられている点で相違している。制動ディスク1への環状カバー40の取り付けは、図3に示すように、ボルト41によって行える。そのほかに、溶接やリベットやかしめなどによって行うこともできる。
ここで、第2実施形態の環状カバー40の材質は、前記第1実施形態の環状カバー30のように非磁性材料であってもよいが、強磁性材料や弱磁性材料であっても構わない。第2実施形態の環状カバー40は、前記第1実施形態とは異なり、制動ディスク1に取り付けられているので、磁石5からの磁束の一部が環状カバー40へ流れたとしても、その環状カバー40は、制動力が与えられ制動ディスク1の一部として機能するからである。
なお、図3にも示していないが、第2実施形態の制動ディスク1は、前記第1実施形態と同様に、環状カバー40の配設に支障が無い領域に放熱フィンを有する。
このような構成の減速装置でも、前記図1に示す磁石カバー20を無くし、その上で、制動ディスク1と磁石5との隙間が外周側から環状カバー40で覆われているため、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。図5は、その別例の要部を示す縦断面図である。図4、図5に示す第3実施形態の減速装置は、前記図2に示す第1実施形態の減速装置の構成を変形したものである。
図4に示す第3実施形態の減速装置では、一端部30aが磁石保持ディスク4に取り付けられた環状カバー30は、制動ディスク1まで延び出す過程で屈曲し、弾性変形した状態で、その他端部30bが制動ディスク1の主面の外周部に当接している。一方、図5に示す第3実施形態の減速装置では、その環状カバー30の他端部30bが制動ディスク1の外周に当接している。これらのようにして、非制動時、制動時を問わず、制動ディスク1と磁石5との隙間が環状カバー30によって隔離されつつ、制動時における制動ディスク1と磁石5との相対回転は許容されている。
実際、制動時には、制動ディスク1は、渦電流が発生する主面の領域が発熱し、これに伴って、僅かではあるが、径方向に熱膨張するとともに、磁石保持ディスク4から離れる方向に反るように熱変形する。この点、第3実施形態の減速装置では、環状カバー30が制動ディスク1に弾性的に接触しているため、制動時に制動ディスク1が熱変形した場合であっても、環状カバー30がその熱変形に追従し、環状カバー30によって制動ディスク1と磁石5との隙間を外部と隔離することができる。これにより、制動ディスク1と磁石5との隙間への異物侵入を防止する確実性を高めることが可能になる。
なお、このような第3実施形態の技術思想は、前記第2実施形態の減速装置に適用することもできる。すなわち、前記図3を参照して説明すれば、一端部40aが制動ディスク1に取り付けられる環状カバー40の場合、環状カバー40は、磁石保持ディスク4まで延び出す過程で屈曲し、弾性変形した状態で、その他端部40bが磁石保持ディスク4の外周部に当接する構成とすることができる。
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図である。同図に示す第4実施形態の減速装置は、前記図2に示す第1実施形態の減速装置の構成を変形したものである。
図6に示すように、第4実施形態の減速装置では、環状カバー30の一端部30aは、磁石保持ディスク4との間にコイルばね35が配置された状態で、ボルト31によって磁石保持ディスク4に取り付けられている。さらに、環状カバー30の一端部30aと磁石保持ディスク4との間には、円周方向の全域にわたるゴム製のシールリング36が配置されている。第4実施形態の環状カバー30は、コイルばね35さらにはシールリング36を介して磁石保持ディスク4に弾性的に支持されている。そして、環状カバー30の他端部30bは、制動ディスク1の外周部に当接している。
第4実施形態の減速装置によれば、環状カバー30が磁石保持ディスク4に弾性的に支持された状態で、制動ディスク1に接触しているため、制動時に制動ディスク1が熱変形した場合であっても、環状カバー30がその熱変形に追従し、環状カバー30さらにはシールリング36によって制動ディスク1と磁石5との隙間を外部と隔離することができる。これにより、制動ディスク1と磁石5との隙間への異物侵入を防止する確実性を高めることが可能になる。
なお、このような第4実施形態の技術思想は、前記第2実施形態の減速装置に適用することもできる。すなわち、前記図3を参照して説明すれば、一端部40aが制動ディスク1に取り付けられる環状カバー40の場合、環状カバー40は、その一端部40aがコイルばねさらにはシールリングを介して制動ディスク1に弾性的に支持され、その他端部40bが磁石保持ディスク4の外周部に当接する構成とすることができる。もっとも、第4実施形態の技術思想は、前記第3実施形態の減速装置に適用しても構わない。
<第5実施形態>
図7は、本発明の第5実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図であり、同図(a)は制動ディスクが常温のときの状態を、同図(b)は制動ディスクが発熱したときと状態をそれぞれ示す。同図に示す第5実施形態の減速装置は、前記図3に示す第2実施形態の減速装置の構成を変形したものである。
上述のとおり、実際の制動時には、制動ディスク1は、主面の領域が発熱するのに伴って、僅かではあるが、径方向に熱膨張するとともに、磁石保持ディスク4から離れる方向に反るように熱変形する。このため、前記図3に示す第2実施形態の減速装置では、制動ディスク1の熱変形に伴って、環状カバー40の他端部40bと磁石保持ディスク4の外周部との隙間が拡大する様相となり、この拡大した隙間を通じて、制動ディスク1と磁石5との隙間に異物が侵入するおそれがある。
このような事態に対し、第5実施形態の減速装置では、図7(a)に示すように、環状カバー40は、線膨張係数の異なる2種類の板を張り合わせてなるクラッド板で構成されている。具体的には、環状カバー40は、内周面側の板40cが線膨張係数の低い材料(例:炭素鋼)で構成され、外周面側の板40dが内周面側の板40cよりも線膨張係数の高い材料(例:アルミニウム)で構成されている。
第5実施形態の減速装置によれば、制動ディスク1が発熱に伴って熱変形した場合、制動ディスク1の熱が環状カバー40に伝導し、環状カバー40が昇温される。すると、図7(b)に示すように、環状カバー40は、線膨張係数の低い内周面側の板40cに比べ、線膨張係数の高い外周面側の板40dの方がより大きく伸長するため、その他端部40bが磁石保持ディスク4の外周部に近づくように湾曲する。これにより、環状カバー40の他端部40bが磁石保持ディスク4の外周部に接近することから、制動ディスク1の熱変形に起因した環状カバー40と磁石保持ディスク4との隙間の拡大を抑制することができ、その結果として、制動ディスク1と磁石5との隙間への異物の侵入を防止することが可能となる。
<第6実施形態>
図8は、本発明の第6実施形態である同期回転方式の減速装置の要部を示す縦断面図であり、同図(a)は図2に示す第1実施形態の変形例を、同図(b)は図3に示す第2実施形態の変形例をそれぞれ示す。
上記した各実施形態の環状カバー30、40は、いずれも、制動ディスク1と磁石5との隙間を外周側から覆うように配設されている。これに対し、第6実施形態では、図8に示すように、そのような外周側の環状カバー30、40に加え、制動ディスク1と磁石5との隙間を内周側から覆うように、外周側の環状カバー30、40と同様に薄板からなる環状カバー50、60が配設されている。
具体的には、図8(a)に示す減速装置では、内周側の環状カバー50は、その一端部50aが磁石5から回転中心寄りの位置で磁石保持ディスク4に取り付けられ、その他端部50bが制動ディスク1まで延び出している。磁石保持ディスク4への環状カバー50の取り付けは、図8(a)に示すようにボルト51によって行え、そのほかに、溶接やリベットなどによって行える。
また、図8(b)に示す減速装置では、内周側の環状カバー60は、その一端部60aが磁石5から回転中心寄りの位置で制動ディスク1に取り付けられ、その他端部60bが磁石保持ディスク4まで延び出している。制動ディスク1への環状カバー60の取り付けは、図8(b)に示すようにボルト61によって行え、そのほかに、溶接やリベットなどによって行える。
実際の制動ディスク1には、熱変形を緩和したり、放熱性能を高めたりするために、図示しない貫通穴が設けられる場合がある。この場合、その貫通穴を通じて、制動ディスク1と磁石5との隙間に内周側から異物が侵入するおそれがある。この点、第6実施形態の減速装置では、制動ディスク1と磁石5との隙間が環状カバー50、60によって内周側からも覆われているため、その隙間に内周側から異物が侵入するのを防止することができる。
なお、このような内周側環状カバー50、60は、前記第1、第2実施形態の減速装置のみならず、前記第3〜第5実施形態の減速装置に適用することも可能である。また、このような内周側環状カバー50、60は、前記第3実施形態の外周側環状カバー30、40のように、弾性変形した状態でその他端部30b、40bを制動ディスク1または磁石保持ディスク4に当接させたり、前記第4実施形態の外周側環状カバー30、40のように、その一端部30a、40aを弾性的に支持する態様に変更することも可能である。
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、制動ディスクに取り付けられる外周側の環状カバーは、放熱性能を高めるために、その外周に板状や棒状の突起が設けられてもよい。
また、制動ディスクまたは磁石保持ディスクに当接する環状カバーの他端部には、当接部分の摩耗を低減させるために、テフロン(R)を含む合金や樹脂からなる滑り摩擦材が設けられても構わない。
また、制動時に磁石保持ディスクを静止させる摩擦ブレーキとしては、磁石保持ディスクと別体のブレーキディスクを一対のブレーキパッドで挟み込むディスクブレーキに限らず、例えば、そのブレーキディスクに一方向のみから摩擦部材を押し付けるものや、直接磁石保持ディスクの背面に摩擦部材を押し付けるものでもよい。
本発明の渦電流式減速装置は、あらゆる車両の補助ブレーキとして有用である。
1:制動ディスク、 2:放熱フィン、 3:環状部材、
4:磁石保持ディスク、 5:永久磁石、 6:ブレーキディスク、
7:ブレーキキャリパ、 8a、8b:ブレーキパッド、
9:電動式直動アクチュエータ、 10:電動モータ、 11:回転軸、
12:連結軸、 13:スリーブ、 14:ナット、
15a、15b:軸受、 16a、16b:シール部材、
17:ブラケット、 18:軸受、 19a、19b:シール部材、
20:磁石カバー、
30:外周側の環状カバー、 30a:一端部、 30b他:端部、
31:ボルト、 35:コイルばね、 36:シールリング、
40:外周側の環状カバー、 40a:一端部、 40b:他端部、
40c:内周面側の板、 40d:外周面側の板、 41:ボルト、
50:内周側の環状カバー、 50a:一端部、 50b:他端部、
51:ボルト、
60:内周側の環状カバー、 60a:一端部、 60b:他端部、
61:ボルト

Claims (3)

  1. 車両の回転軸に固定された制動ディスクと、
    前記制動ディスクの主面に対向して円周方向にわたり磁極が交互に異なって配置された複数の永久磁石を保持し、前記回転軸に回転可能に支持された磁石保持ディスクと、
    制動時に前記磁石保持ディスクを静止させる摩擦ブレーキと、を備え、
    前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちのいずれか一方に、前記制動ディスクと前記永久磁石との隙間を外周側から覆う環状カバーが取り付けられていることを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 前記環状カバーは、弾性変形した状態で、前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちの他方に当接していることを特徴とする請求項1に記載の渦電流式減速装置。
  3. 前記環状カバーは、前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちのいずれか一方に弾性部材を介して取り付けられ、前記制動ディスクおよび前記磁石保持ディスクのうちの他方に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載の渦電流式減速装置。
JP2012134780A 2012-06-14 2012-06-14 渦電流式減速装置 Active JP5807617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012134780A JP5807617B2 (ja) 2012-06-14 2012-06-14 渦電流式減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012134780A JP5807617B2 (ja) 2012-06-14 2012-06-14 渦電流式減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013258876A true JP2013258876A (ja) 2013-12-26
JP5807617B2 JP5807617B2 (ja) 2015-11-10

Family

ID=49954828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012134780A Active JP5807617B2 (ja) 2012-06-14 2012-06-14 渦電流式減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5807617B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108011491A (zh) * 2017-11-01 2018-05-08 山东洁盟节能环保技术有限公司 一种固定磁隙的永磁调速器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6135790Y2 (ja) * 1980-09-08 1986-10-17
JPS6266053U (ja) * 1985-10-17 1987-04-24
JPS6251879B2 (ja) * 1981-01-20 1987-11-02 Hitachi Ltd
JPH02135687U (ja) * 1989-04-13 1990-11-13
JP2005210846A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Isuzu Motors Ltd 渦電流式減速装置
JP3985625B2 (ja) * 2002-07-26 2007-10-03 住友金属工業株式会社 渦電流減速装置
JP2011182574A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 電力回生機能付き渦電流式減速装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6135790Y2 (ja) * 1980-09-08 1986-10-17
JPS6251879B2 (ja) * 1981-01-20 1987-11-02 Hitachi Ltd
JPS6266053U (ja) * 1985-10-17 1987-04-24
JPH02135687U (ja) * 1989-04-13 1990-11-13
JP3985625B2 (ja) * 2002-07-26 2007-10-03 住友金属工業株式会社 渦電流減速装置
JP2005210846A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Isuzu Motors Ltd 渦電流式減速装置
JP2011182574A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 電力回生機能付き渦電流式減速装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108011491A (zh) * 2017-11-01 2018-05-08 山东洁盟节能环保技术有限公司 一种固定磁隙的永磁调速器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5807617B2 (ja) 2015-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101671127B1 (ko) 와전류식 감속 장치
JP5447003B2 (ja) 電力回生機能付き渦電流式減速装置
KR101773750B1 (ko) 유체식 감속 장치
JP6314399B2 (ja) 渦電流式減速装置
WO2016136702A1 (ja) 渦電流式発熱装置
JP6197727B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP5884675B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4905088B2 (ja) 自動車用渦電流減速装置
JP5807617B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP5786825B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP5569407B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP6201793B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2006340428A (ja) 渦電流式減速装置
JP4007223B2 (ja) 渦電流減速装置
JP4905148B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3797270B2 (ja) 渦電流減速装置
JP7372539B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4715546B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2011142786A (ja) モータの冷却装置
KR20070104060A (ko) 차량용 디스크 브레이크 장치
JP2004048978A (ja) 渦電流減速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140811

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20141202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150824

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5807617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350