JP2005210846A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

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JP2005210846A JP2004015753A JP2004015753A JP2005210846A JP 2005210846 A JP2005210846 A JP 2005210846A JP 2004015753 A JP2004015753 A JP 2004015753A JP 2004015753 A JP2004015753 A JP 2004015753A JP 2005210846 A JP2005210846 A JP 2005210846A
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Abstract

【課題】 制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させることで、電磁石の過熱を防止する。
【解決手段】 回転軸1に結合された制動ドラム7と、固定側に結合され且つ制動ドラム7の内側に配置され、外周面に複数配設された電磁石13を有する電磁石支持環11とを備えた渦電流式減速装置において、制動ドラム7に、制動ドラム7の内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路7aを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の摩擦ブレーキを補助する渦電流式減速装置に係り、特に、電磁石を用いた渦電流式減速装置に関する。
例えば、電磁石を用いた渦電流式減速装置は、回転軸に結合された制動ドラムと、固定側に結合され、且つ、制動ドラムの内側に配置され、外周面に複数配設された電磁石を有する電磁石支持環とを備えている(例えば、特許文献1等参照)。このような渦電流式減速装置においては、電磁石は、内外周を電磁石支持環及び制動ドラムで囲まれており、側方をダストカバーや制動ドラムの支持腕で囲まれている。つまり、電磁石の配置された、制動ドラムの内側は、熱がこもり易い構造となっている。従来、電磁石の過熱を防止するために、制動ドラムの支持腕をスポーク状とするか、支持腕に連通孔を設けることで隙間を形成し、この隙間を通して、制動ドラムの内側へ通風を行うことで、制動ドラムの内側の雰囲気及び電磁石の冷却を図っていた。
特開2002−95235号公報 特開平10−146041号公報 特開2001−112237号公報
しかしながら、上述の構成では、制動ドラムの内側の雰囲気の対流が、制動ドラムの支持腕近傍において生じるだけであり、十分な冷却効果を得ることができなかった。
そこで、本発明の目的は、制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させることで、電磁石の過熱を防止することができる渦電流式減速装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸に結合された制動ドラムと、固定側に結合され且つ上記制動ドラムの内側に配置され、外周面に複数配設された電磁石を有する電磁石支持環とを備えた渦電流式減速装置において、上記制動ドラムに、上記制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路を設けたことを特徴とする渦電流式減速装置である。
請求項2の発明は、上記冷却流路が、上記回転軸の回転方向と逆方向に傾斜するように形成された請求項1記載の渦電流式減速装置である。
請求項3の発明は、上記制動ドラムを支持するための支持円盤に、上記制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路を設けた請求項1又は2記載の渦電流式減速装置である。
請求項4の発明は、上記支持円盤の外側面に、上記支持円盤の冷却流路へと空気を導くためのルーバーフィンを設けた請求項3記載の渦電流式減速装置である。
請求項5の発明は、上記回転軸に結合され且つ上記電磁石支持環の内側に配置された放熱ファンを更に備え、上記電磁石支持環に、上記放熱ファンによる送風を上記制動ドラム側へと導くための連絡流路を設けた請求項1から4いずれか記載の渦電流式減速装置である。
本発明によれば、制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させることで、電磁石の過熱を防止することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る渦電流式減速装置の部分側面断面図である。図2は、図1の部分正面断面図である。図3は、図1のIII−III線断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の回転軸1は、変速機のアウトプットシャフトである。回転軸1の端部には、アウトプットフランジ2が回転不能に被嵌され、ナット3によって固定されている。アウトプットフランジ2には、制動ロータ4、放熱ファン5、及び、図示しないプロペラシャフトが連結されるプロペラフランジ6が取り付けられている。
制動ロータ4は、渦電流が生起される制動ドラム7と、制動ドラム7の端部に結合された、制動ドラム7を支持するための支持円盤(支持腕)8とを備えている。制動ドラム7は、導電体且つ磁性体(強磁性体、軟磁性体等、以下同じ)の材料(例えば、低炭素鋼、低炭素合金鋼、鋳鉄等、以下同じ)からなる。制動ドラム7の外周面には、渦電流による過熱を防止するための放熱フィン9が設けられている。本実施の形態の放熱フィン9は、回転軸1の軸方向に平行に形成されている。
制動ドラム7には、制動ドラム7の内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路7aが、周方向及び軸方向に所定間隔を隔てて、複数設けられている。冷却流路7aは、制動ドラム7の外周面と内周面とを連通すると共に、外周面及び内周面に対して垂直に形成されている。詳しくは、冷却流路7aは、周方向に関しては、放熱フィン9間であって(図2参照)、軸方向に関しては、端部付近に設けられている。冷却流路7aは、磁束回路の形成の妨げとならないように、制動ドラム7における、後述する電磁石13のフランジ16が対向する面より軸方向の外側に設けられることが望ましい。また、冷却流路7aの大きさ、数及び位置は、空気の流通や制動ドラム7の強度を考慮して決定することが望ましい。
制動ドラム7の支持円盤8は、非磁性体の材料(例えば、アルミ等の低透磁率材料、以下同じ)からなる。支持円盤8には、制動ドラム7の内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路8aが、周方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。冷却流路8aは、支持円盤8の外側面(図1中の右側)と内側面とを連通すると共に、外側面及び内側面に対して垂直に形成されている。本実施の形態の冷却流路8aは、断面円形に形成されている。冷却流路8aは、後述する電磁石13の側方に設けられることが望ましい。また、冷却流路8aの大きさ、数及び位置は、空気の流通や支持円盤8の強度を考慮して決定することが望ましい。
支持円盤8の外側面には、冷却流路8aへと空気を導くためのルーバーフィン10が、支持円盤8の各冷却流路8aに近接させてそれぞれ取り付けられている。本実施の形態のルーバーフィン10は、断面半円形状に形成されていると共に、回転軸1の回転方向に対して、開口するように形成されている(図3参照)。支持円盤8及びルーバーフィン10は、鋳造等により一体成形しても良く、各々別部品として製造して、溶接等により結合しても良い。
制動ドラム7の内側には、図示しない固定側(例えば、変速機のカバー等)に結合された電磁石支持環11が配置されている。電磁石支持環11は、磁性体の材料からなる。詳しくは、電磁石支持環11は、非磁性体の材料からなる支持腕12を介して、固定側に結合されている。
電磁石支持環11には、放熱ファン5による送風を電磁石13側へと導くための連絡流路11aが、周方向及び軸方向に所定間隔を隔てて、複数設けられている。連絡流路11aは、電磁石支持環11の外周面と内周面とを連通すると共に、外周面及び内周面に垂直に形成されている。詳しくは、連絡流路11aは、周方向に関しては、電磁石13間であって(図2参照)、軸方向に関しては、端部付近に設けられている。連絡流路11aは、磁束回路の形成の妨げとならないように、電磁石支持環11における、電磁石13の鉄心14の取付面より軸方向の外側に設けられることが望ましい。また、連絡流路11aの大きさ、数及び位置は、空気の流通や電磁石支持環11の強度を考慮して決定することが望ましい。
図2に示すように、電磁石支持環11の外周面には、周方向に所定間隔を隔てて複数の電磁石13が配設されている。この電磁石13は、電磁石支持環11に取り付けられた鉄心14と、鉄心14に巻装された電磁コイル15と、鉄心14の端面に取り付けられ、制動ドラム7の内周面に対向するフランジ16とを備えている。本実施の形態においては、電磁コイル15の電線の巻付方向は、周方向に隣接する電磁石13同士で異なるように設定されている。
図1に示すように、電磁石支持環11の支持腕12には、電磁石13側に埃等が侵入することを防止するためのダストカバー17が取り付けられている。ダストカバー17には、電磁石13側に連通する冷却流路17aと、電磁石支持環11の支持腕12に設けられた冷却流路12aと連通し、放熱ファン5側に連通する冷却流路17bとが設けられている。
電磁石支持環11の内側には、回転軸1に結合された放熱ファン5が配置されている。本実施の形態の放熱ファン5は、ドラム18と、ドラム18の外周面に設けられた送風フィン19とを備えている。本実施の形態の送風フィン19は、回転軸1の軸方向に平行に形成されている。
なお、電磁石支持環11の内側に、駐車ドラムを有する駐車ブレーキが配置される場合がある。この場合、駐車ドラムの外周面に送風フィンを設けることで、放熱ファンとしても良い。
放熱ファン5の一側には、放熱ファン5側に埃等が侵入することを防止するためのダストカバー20が配置されている。ダストカバー20の端部は、断面略コ字状に折り曲げられており、その開口側が放熱ファン5に臨んでいる。
ところで、本実施の形態においては、電磁石13は、内外周を電磁石支持環11及び制動ドラム7で囲まれており、側方をダストカバー17及び制動ドラム7の支持円盤8で囲まれている。そのため、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側は、熱がこもることを避けると共に、雰囲気の対流を生じさせるための十分な空間を有することが望ましい。
回転軸1を減速制動する際は、電磁石13の電磁コイル15を通電する。すると、電磁コイル15が巻装された鉄心14が磁化される。本実施の形態においては、電磁コイル15の電線の巻付方向が、周方向に隣接する電磁石13同士で異なるように設定されているので、各電磁石13のフランジ16が、周方向に交互に、N極、S極に磁化される。その結果、一の電磁石13から制動ドラム7及び電磁石支持環11を通って、周方向に隣接する電磁石13へと流れる磁束回路Wが形成される(図2参照)。これにより、電磁石13と制動ドラム7との相対回転によって、制動ドラム7の内周面に渦電流が生起され、回転軸1が減速制動される。また、電磁石13の電磁コイル15の通電を切れば、減速制動が解除される。
車両の走行中など、回転軸1が回転されたときには、制動ロータ4及び放熱ファン5が回転される。制動ロータ4が回転されると、外部の空気が、制動ドラム7の支持円盤8のルーバーフィン10により、支持円盤8の冷却流路8aへと導かれる。冷却流路8aへと導かれた空気は、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側へと導入される。
また、放熱ファン5が回転されると、径方向の外側に向けて空気が送風される。このとき、外部の空気が、ダストカバー17の冷却流路17b(電磁石支持環11の支持腕12の冷却流路12a)から導入される。導入された空気は、ダストカバー20の端部により径方向の外側へと整流されて、放熱ファン5へと導かれる。このようにして放熱ファン5へと導入された空気は、放熱ファン5により径方向の外側へと送風されて、電磁石支持環11の連絡流路11a、又は電磁石支持環11と制動ドラム7の支持円盤8との間を通って、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側へと導入される。つまり、外部の空気は、主に、上記二通りの経路を通って、制動ドラム7の内側へと導入される。
このようにして、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側へと導入された空気は、電磁石13を冷却すると共に、雰囲気の対流を生じさせる。そして、制動ドラム7の内側の空気は、遠心力の作用により負圧となっている制動ドラム7の冷却流路7a、又はダストカバー17の冷却流路17aを通って、外部へと排出される。
以上、本実施の形態の渦電流式減速装置は、外部の空気を、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側へと積極的に導入して、雰囲気の対流を促進させることができる。このようにすることで、電磁石13の電磁コイル15の過熱を防止することができるため、電磁コイル15に流す電流値を上げたり、電磁コイル15の電線の巻数を増加させることが可能となり、渦電流式減速装置の制動性能の向上を図ることが可能となる。
また、本実施の形態においては、制動ドラム7の冷却流路7aは、外周面と内周面とを連通するように形成されている。このように冷却流路7aを形成することにより、制動ドラム7の冷却も行うことができる。このようにすることで、制動ドラム7の過熱を防止することができるため、制動ドラム7の放熱フィン9の小型化を図ることが可能となる。
ところで、上述の実施の形態においては、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側への空気の導入は、放熱ファン5、及び制動ドラム7の支持円盤8のルーバーフィン10により行っている。しかしながら、少なくとも、制動ドラム7に冷却流路7aを設けておけば良く、必ずしも、放熱ファン5、及び制動ドラム7の支持円盤8のルーバーフィン10を設けなくても、制動ドラム7の内側の雰囲気の対流は促進される。つまり、制動ドラム7が回転されると、制動ドラム7の外周面側が遠心力により負圧となる。この遠心力の作用により、制動ドラム7の内側の空気が、冷却流路7aを通って、外周面側に排出される。
なお、上述の実施の形態においては、制動ドラム7の冷却流路7aは、制動ドラム7の外周面及び内周面に対して垂直に形成されているとしたが、図4に示すように、冷却流路7aを回転軸1の回転方向と逆方向に傾斜させて設けても良い。このようにすると、制動ドラム7の内側の空気が、制動ドラム7の外側へと効率よく排出される。
また、上述の実施の形態においては、電磁石支持環11の連絡流路11aは、電磁石支持環11の外周面及び内周面に対して垂直に形成されているとしたが、図5に示すように、連絡流路11aを回転軸1(放熱ファン5)の回転方向と正方向に傾斜させて設けても良い。このようにすると、放熱ファン5による送風を、電磁石13の配置された、制動ドラム7の内側へと効率よく導くことが可能となる。
また、上述の実施の形態においては、放熱ファン5の送風フィン19が、軸方向に平行に形成されているとしたが、図6に示すように、送風フィン19を、傾斜させて形成しても良い。このようにすると、放熱ファン5の風損トルクが少なくなる。
また、上述の実施の形態においては、制動ドラム7の支持円盤8の冷却流路8aが、断面円形であるとしたが、図7及び8に示すように、断面矩形等の他の形状としても良い。さらに、ルーバーフィン10を、薄板をプレス成形したものとしても良く(図7参照)、支持円盤8の側面をコ字状に切断することで切断面を形成し、この切断面を外側面側に折り曲げたものとしても良い(図8参照)。
本発明の一実施の形態に係る渦電流式減速装置の部分側面断面図である。 図1の部分正面断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 冷却流路の変形例を示す部分拡大断面図である。 連絡流路の変形例を示す部分拡大断面図である。 送風フィンの変形例を示す平面展開図である。 ルーバーフィンの変形例を示す斜視図である。 ルーバーフィンの変形例を示す斜視図である。
符号の説明
1 回転軸
5 放熱ファン
7 制動ドラム
7a 冷却流路
8 支持円盤
8a 冷却流路
10 ルーバーフィン
11 電磁石支持環
11a 連絡流路
13 電磁石
W 磁束回路

Claims (5)

  1. 回転軸に結合された制動ドラムと、固定側に結合され且つ上記制動ドラムの内側に配置され、外周面に複数配設された電磁石を有する電磁石支持環とを備えた渦電流式減速装置において、上記制動ドラムに、上記制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路を設けたことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 上記冷却流路が、上記回転軸の回転方向と逆方向に傾斜するように形成された請求項1記載の渦電流式減速装置。
  3. 上記制動ドラムを支持するための支持円盤に、上記制動ドラムの内側の雰囲気の対流を促進させて冷却させるための冷却流路を設けた請求項1又は2記載の渦電流式減速装置。
  4. 上記支持円盤の外側面に、上記支持円盤の冷却流路へと空気を導くためのルーバーフィンを設けた請求項3記載の渦電流式減速装置。
  5. 上記回転軸に結合され且つ上記電磁石支持環の内側に配置された放熱ファンを更に備え、上記電磁石支持環に、上記放熱ファンによる送風を上記制動ドラム側へと導くための連絡流路を設けた請求項1から4いずれか記載の渦電流式減速装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013240182A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Hitachi Koki Co Ltd ディスクモータ及びそれを備えた電動作業機
JP2013258876A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Nippon Steel & Sumitomo Metal 渦電流式減速装置
JP2017050915A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 新日鐵住金株式会社 渦電流式発熱装置
CN107834727A (zh) * 2017-11-23 2018-03-23 扬州安行机电科技有限公司 电磁液冷缓速器的转子
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