JP4581131B2 - 橋梁の架設方法及び装置 - Google Patents
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Description
このうち、図9は、予め組み立てられた橋桁13の先端部に次の連結用橋桁13aを連結する場合、クレーン11を橋桁13の上の移動装置26で先端部まで移送させて固定し、次に、点線で示すようにクレーン11の後側まで搬送した次の連結用橋桁13aをクレーン11で吊り上げ、このクレーン11を旋回して橋桁13の先端まで運び、この連結用橋桁13aを降下して橋桁13の先端部と連結用橋桁13aの基端部との位置合わせをしてボルト、溶接などで接合する方法である。
従来のクレーンを用いた片持ち架設方法に比較し、橋梁を低能力の安価なジャッキでより安全に構築することができる。
架設機を用いた片持ち架設方法に比較して装置の小型化が可能で、かつ、形状、重さ、長さなどの異なる連結用橋桁に利用できる。
ヒンジを支点として連結用橋桁を回転下降するので、既設の橋桁との接合位置が精確で従来のような位置合わせをする必要がない。
このように、本発明によれば、架設設備が軽量・簡単で、既設の橋桁の先端部への位置合わせが精確で、組立作業の効率化と安全性に優れた橋梁の架設方法を提供するができる。
連結用橋桁を移送する台車と、
台車フレーム兼支柱と、橋桁と、連結用橋桁とを連結するヒンジと、
連結用橋桁を押し上げるクレビス主ジャッキと、
連結用橋桁の下降時の惜しみを取るためのトラニオンジャッキと
を具備したので、架設設備が軽量・簡単で、既設の橋桁の先端部への位置合わせが精確で、組立作業の効率化と安全性に優れた橋梁の架設装置を提供することができる。
装置全体がよりコンパクトになり、橋梁を構築する現場への搬送、組み立て、作業後の解体が容易になり、構築コストを低減できる。
図7(a)において、13は、ユニット化した連結用橋桁13aを順次連結した既架設の橋桁である。この橋桁13の上にレール23を敷設し、このレール23に台車15を載せ、この台車15の上にこれから連結しようとする連結用橋桁13aを裏返しにして載せる。この連結用橋桁13aには台車15側に予めレール23を敷設したものでもよいし、橋桁13の先端部に連結してから敷設してもよい。
なお、ヒンジ22は、予め橋桁13の先端部に取り付けておくか、連結用橋桁13aの先端部に取り付けてもよい。また、ヒンジ22は、橋桁13の先端部に連結用橋桁13aを搬送して位置合わせをしてから取り付けてもよい。
まず、図1、図2及び図3に基づき構成を説明する。
連結用橋桁13aは、工字形をした単位長さの2本の鋼材を平行に配置し、それらの間を橋桁連結部材27で連結したもので、橋桁13は、これらの連結用橋桁13aを順次ボルト、溶接などでつないで構成したものである。この橋桁13の上面には、連結しようとする連結用橋桁13aを搬送するための台車30が移動するレール23がそれぞれ敷設される。
前記台車フレーム兼支柱31は、2本の縦枠34と2本の横枠35にて内側に中空部36を有するように細長四角の枠を形成し、この左右の枠の上側を連結フレーム32で前記左右の橋桁13の間隔に合せて連結してなるものである。この台車フレーム兼支柱31の図中右端には、それぞれ支柱連結片37が固定的に取り付けられ、この支柱連結片37の先端部にヒンジ22が軸25をもって回転可能に取り付けられる。このヒンジ22の軸25には、また、第1連結片24aと第2連結片24bが回転可能に取り付けられる。
前記1個の第1固定シーブ43、1個の第2固定シーブ44、2個の移動シーブ45には、ワイヤロープ46が図1(b)に示すように掛け渡され、このワイヤロープ46の一方端は、連結用橋桁13aの図中左端近くに固定具47によって固着され、ワイヤロープ46の他方端は、第2固定軸41又はその近くに固定具48によって固着されている。そして、トラニオンジャッキ38のピストン39の伸縮距離に対して、固定具47側がその4倍の距離だけ伸縮する。
図1に示すように、既設の橋桁13に敷設されたレール23に、台車30の車輪49を移動自在に載せ、さらに、台車フレーム兼支柱31の上に連結用橋桁13aをその連結端が図中右端になるようにして載せる。このとき、台車フレーム兼支柱31の先端の支柱連結片37に、予めヒンジ22を取り付ける。すなわち、ヒンジ22の軸25と連結用橋桁13aの連結端とが垂直線上で一致するように連結用橋桁13aを台車30に載せる。載せた後、作業の安全性、移動中の位置ずれ防止などのために、第2連結片24bの水平部28bを連結用橋桁13aの先端部にボルトにて固定しておくことが望ましい。しかし、この固定は、後述するSTEP−1での移動後であっても良い。
連結用橋桁13aを載せた台車30は、自走式、レール23をクランプ装置でクランプしながらジャッキで押出す方式などの図示しない公知の移送装置にて移送され、ヒンジ22の軸25と橋桁13の連結端とが垂直線上で一致させる。一致したら、第1連結片24aの水平部28aを橋桁13の先端部にボルトにて固定する。第2連結片24bが連結用橋桁13aに固定されていないときは、この位置で固定する。又、クレビス主ジャッキ50の軸受け部53を橋桁13の上面に固定すると共に、補助ジャッキ54の軸受け部57を橋桁13の上面に固定する。
この補助ジャッキ54による押し上げ能力は、次式の通りである。
ここで、補助ジャッキ54のジャッキ能力を20ton×1,000mm、
W、L、a、b、R、Pを図示の通りとすると、
w=W/L=20ton/10m=2.0ton/m
R=w(a+b)2/2a=2.0×(9.65+0.35)2/2×9.65
=10.4ton
P=R/sinθ=10.4/sin43.2°=15.2ton
従って補助ジャッキ54のジャッキ必要能力=(P/2主桁)×S
=(15.2/2)×1.5=12ton以上となる。
なお、連結用橋桁13aが押し上げられると、連結用橋桁13aと台車30は、ヒンジ22により一体に連結されており、共に押し上げられるが、台車フレーム兼支柱31に結合していない車輪フレーム33と車輪49は、分離してレール23の上に残る。
補助ジャッキ54により連結用橋桁13aの補助押し上げをした図6(a)の状態からヒンジ22の軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50により連結用橋桁13aの主押し上げをする。このクレビス主ジャッキ50による主押し上げ能力は、次式の通りである。
ここで、クレビス主ジャッキ50のジャッキ能力を40ton×3,500mm、
W、L、a、b、R、Pを図示の通りとすると、
w=W/L=20ton/10m=2.0ton/m
R=w(a+b)2/2a=2.0×(7.35+2.65)2/2×7.35
=13.6ton
P=R/sinθ=13.6/sin16.0°=49.4ton
従ってクレビス主ジャッキ50のジャッキ必要能力=(P/2主桁)×S
=(49.4/2)×1.5=38ton以上となる。
なお、クレビス主ジャッキ50により連結用橋桁13aが押し上げられると、図1(c)のように軸58が係合切り欠き60に着脱自在に係合しているので、補助ジャッキ54は、無負荷の状態でそのまま橋桁13側に残る。
図6(a)の状態にから軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50のピストン51を伸長して連結用橋桁13aが略垂直状態までの主押し上げをする。このとき、連結用橋桁13aの重心がヒンジ22の軸25と垂直線上で一致した状態となり、クレビス主ジャッキ50による押し上げ力は、略0になる。
図6(b)の状態から軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50のピストン51をさらに伸長してクレビス主ジャッキ50の長さを台車フレーム兼支柱31と略同じ長さで固定することにより、クレビス主ジャッキ50と台車フレーム兼支柱31と橋桁13の先端部との固定した結合点により、3角形の支柱を形成する。このとき、連結用橋桁13aの重心がヒンジ22の軸25を越えているので、固定具47にワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38には、次式の引っ張り力Hが作用する。
H=W×L1/L2=20×1.332/6.983=3.8ton
図6(c)の状態から連結用橋桁13aによるHに抗してトラニオンジャッキ38のピストン39を徐々に引込む。図6(d)のように連結用橋桁13aが垂直状態になったとき、ワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38には、次式の引っ張り力Hがかかり、連結用橋桁13aの傾きにより次第に増大する。
H=W×L1/L2=20×2.190/7.000=6.3ton
図6(d)の状態から連結用橋桁13aによるHに抗してトラニオンジャッキ38のピストン39をさらに徐々に引込む。図6(e)のように連結用橋桁13aが45度の状態になったとき、ワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38には、次式の引っ張り力Hがさらに増大してかかる。
H=W×L1/L2=20×5.084/4.610=22.1ton
図6(e)の状態から連結用橋桁13aによるHに抗してトラニオンジャッキ38のピストン39をさらに徐々に引込む。すると、図6(f)のように連結用橋桁13aが水平状態になって橋桁13の端面と連結用橋桁13aの端面とが接触するが、この直前の力関係は次式の通りとなる。
w=W/L=20ton/10m=2.0ton/m
V=w(a+b)2/2a=2.0×(7.0+3.0)2/2×7.0
=14.2ton
T=V/sinθ=14.2/sin45.1°=21.1ton
H=T×cosθ=20.1×cos45.1°=14.2ton
P=H/cosθ=14.2/cos(180−101.5)=71.3ton
従ってクレビス主ジャッキ50の必要能力(引)=(P/2主桁)×S=(71.3/2)×1.5
=54ton以上
従ってトラニオンジャッキ38の必要能力=(T×4本掛/2主桁)×S
=(20.1×4/2)×1.5=61ton以上
従ってワイヤロープ46の必要耐力={T/(2主桁×2本)}×S’
={20.1/(2×2)}×2.5=13ton以上となる。
その例を図4(a)(b)により説明すると、台車30の連結フレーム32と車輪フレーム33をやや外側に突出して設け、車輪フレーム33に垂直な挿入孔63を設け、この挿入孔63に補助ジャッキ54を揺動自在に差し込んで回転ピン62で支持し、この補助ジャッキ54のピストン55の上端部を連結フレーム32の下面の軸受け部56に軸58にて連結する。この場合、軸58は、図1(c)と同様、係合片59の係合切り欠き60により係脱自在に形成することが必要である。
Claims (7)
- 連結用橋桁を載せた台車を既設の橋桁の上で移送し、前記橋桁と連結用橋桁とをヒンジで連結して連結用橋桁を回転し橋桁に連結するようにした橋梁の架設方法において、
前記台車の台車フレーム兼支柱を前記ヒンジに連結し、前記橋桁の上を移送する工程と、
前記ヒンジで橋桁と連結用橋桁を連結する工程と、
前記ヒンジを支点として連結用橋桁を押し上げる工程と、
前記連結用橋桁を押し上げた後、前記台車フレーム兼支柱で支柱を形成する工程と、
この支柱からワイヤロープで惜しみを取りつつヒンジを支点として連結用橋桁を回転下降して橋桁に連結する工程と
からなることを特徴とする橋梁の架設方法。 - 連結用橋桁を押し上げる工程は、必要に応じて補助ジャッキで連結用橋桁を所定角度まで押し上げた後、クレビス主ジャッキで連結用橋桁が略直立まで押し上げるようにしたことを特徴とする請求項1記載の橋梁の架設方法。
- 支柱を形成する工程は、ヒンジに連結された台車の台車フレーム兼支柱と、台車に搭載され、一端を橋桁に連結し、他端を台車フレーム兼支柱に連結したクレビス主ジャッキと、ヒンジとクレビス主ジャッキの連結された橋桁とで3角形の支柱を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の橋梁の架設方法。
- 連結用橋桁の下降時の惜しみは、台車に搭載したトラニオンジャッキによりワイヤロープを徐々に伸長させて行うようにした請求項1、2又は3記載の橋梁の架設方法。
- 既設の橋桁と連結用橋桁とをヒンジで連結して連結用橋桁を回転して橋桁に連結するようにした橋梁の架設装置において、
前記連結用橋桁を載せて橋桁の上を移送する台車と、
この台車の台車フレーム兼支柱と、橋桁と、連結用橋桁とをそれぞれ連結するヒンジと、
一端を台車フレーム兼支柱の基端部に連結し、他端を橋桁に連結するクレビス主ジャッキと、
台車に搭載され、一端を連結用橋桁の基端部に連結され、連結用橋桁を吊り下げたワイヤロープで惜しみを取るためのトラニオンジャッキと
を具備したことを特徴とする橋梁の架設装置。 - 連結用橋桁を初期押し上げするための補助ジャッキを付加したことを特徴とする請求項5記載の橋梁の架設装置。
- 台車の台車フレーム兼支柱は、縦枠と横枠で細長四角の枠組みをし、この枠の中空部に、トラニオンジャッキの両端部を第1固定軸、第2固定軸によりそれぞれ第1固定シーブ、第2固定シーブと共に取り付け、このトラニオンジャッキのピストンの先端部に移動軸を移動シーブと共に取り付け、前記台車フレーム兼支柱の下面基端部に、クレビス主ジャッキをその一端を結合して搭載し、前記台車フレーム兼支柱を、車輪を取り付けた車輪フレームに載置し、前記トラニオンジャッキにより伸縮するワイヤロープを、前記第1固定シーブ、第2固定シーブ、移動シーブに掛け渡し、その一端を連結用橋桁の基端部に固定し、他端を前記台車フレーム兼支柱に固定してなることを特徴とする請求項5又は6記載の橋梁の架設装置。
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