JP4649562B2 - 橋桁連結時の位置調整方法及び装置 - Google Patents
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Description
この架設方法の原理を説明すると、図14(a)において、13は、ユニット化した連結用橋桁13aを順次連結した既架設の橋桁である。この橋桁13の上にレール23を敷設し、このレール23に台車15を載せ、この台車15の上にこれから連結しようとする連結用橋桁13aを裏返しにして載せる。この連結用橋桁13aには台車15側に予めレール23を敷設したものでもよいし、橋桁13の先端部に連結してから敷設してもよい。
なお、ヒンジ22は、予め橋桁13の先端部に取り付けておくか、連結用橋桁13aの先端部に取り付けてもよい。また、ヒンジ22は、橋桁13の先端部に連結用橋桁13aを搬送して位置合わせをしてから取り付けてもよい。
図12(a)において、既設の橋桁13に敷設されたレール23に、台車30の車輪49を移動自在に載せ、さらに、台車フレーム兼支柱31の上にこれから連結しようとする連結用橋桁13aをその連結端が図中右側になるようにして載せる。このとき、台車フレーム兼支柱31の先端のヒンジ取付け板37に、予めヒンジ22を取り付ける。すなわち、ヒンジ22の軸25と連結用橋桁13aの連結端とが垂直線上で一致するように連結用橋桁13aを台車30に載せる。載せた後、作業の安全性、移動中の位置ずれ防止などのために、第2ピンプレート24bの水平部28bを連結用橋桁13aの先端部にボルトにて固定しておくことが望ましい。しかし、この固定は、後述するSTEP−1での移動後であっても良い。なお、軸受け部53、57は、この時点では、既設の橋桁13に連結されていない。
連結用橋桁13aを載せた台車30は、自走式、押出し方式(レール23をクランプ装置でクランプしながらジャッキで押出す方式)などの図示しない公知の移送装置にて移送され、ヒンジ22の軸25と橋桁13の連結端とが垂直線上で一致させる。一致したら、第1ピンプレート24aの水平部28aを橋桁13の先端部にボルトにて固定する。第2ピンプレート24bが連結用橋桁13aに固定されていないときは、この位置で固定する。又、クレビス主ジャッキ50の軸受け部53を橋桁13の上面に固定すると共に、補助ジャッキ54の軸受け部57を橋桁13の上面に固定する。
この状態で、補助ジャッキ54に圧油を加えてヒンジ22の軸25を支点として連結用橋桁13aの図中左端部の補助押し上げをする。このとき、クレビス主ジャッキ50は、無負荷とする。
連結用橋桁13aが押し上げられると、連結用橋桁13aと台車30は、ヒンジ22により一体に連結されており、共に押し上げられるが、台車フレーム兼支柱31に結合していない下側の車輪フレーム33と車輪49は、分離してレール23の上に残る。
補助ジャッキ54により連結用橋桁13aの補助押し上げをしたSTEP−2の状態からヒンジ22の軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50により連結用橋桁13aの主押し上げをする。連結用橋桁13aの重心がヒンジ22の軸25と垂直線上で一致した状態で、クレビス主ジャッキ50による押し上げ力は、略0になる。
なお、クレビス主ジャッキ50により連結用橋桁13aが押し上げられると、補助ジャッキ54は、無負荷の状態でそのまま橋桁13側に残る。
STEP−3の状態にから軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50のピストンロッド51をさらに伸長してクレビス主ジャッキ50の長さを台車フレーム兼支柱31と略同じ長さで固定することにより、クレビス主ジャッキ50と台車フレーム兼支柱31と橋桁13の先端部との固定した結合点により、3角形の支柱を形成する。このとき、連結用橋桁13aの重心がヒンジ22の軸25を越えているので、固定具47にワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38には、引っ張り力Hが作用する。
STEP−4の状態から連結用橋桁13aによる引っ張り力Hに抗してトラニオンジャッキ38のピストンロッド39を徐々に引込む。STEP−5のように連結用橋桁13aが垂直状態になったとき、ワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38にかかる引っ張り力Hは、連結用橋桁13aの傾きにより次第に増大する。
STEP−5の状態から連結用橋桁13aによる引っ張り力Hに抗してトラニオンジャッキ38のピストンロッド39をさらに徐々に引込む。連結用橋桁13aが45度の状態になったとき、ワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38には、引っ張り力Hがさらに増大してかかる。
STEP−6の状態から連結用橋桁13aによる引っ張り力Hに抗してトラニオンジャッキ38のピストンロッド39をさらに徐々に引込む。すると、STEP−7のように連結用橋桁13aが水平状態になって橋桁13の端面と連結用橋桁13aの端面とがわずかな隙間(10mm程度)を持って対峙する。
しかしながら、このような架設方法以外の要素である部材の総合的な製作誤差による若干の問題、すなわち、橋桁の幅、高さ、連結ボルト孔などの総合的な寸法誤差のために、連結しようとする橋桁の位置調整が必要とされることが判明した。
一般に、橋桁13は、端面がI字形の2本又はそれ以上の鈑桁66を並べて複数本の連結板27で連結してなるものであるが、固定側の橋桁13と、連結用橋桁13aとを突合せて、図13(a)に示すように両側から添接板64を当ててボルト65で連結してなるものである。
図13(b)は、固定側の橋桁13の鈑桁661と、連結用橋桁13aの鈑桁661が高さ方向にz1だけ、橋軸方向にx1だけ位置ずれしている状態を示している。
図13(c)は、固定側の橋桁13の一方の鈑桁661と、連結用橋桁13aの一方の鈑桁661が横方向(橋軸に直交する方向)にy1だけ、橋軸方向にx1だけ位置ずれし、固定側の橋桁13の他方の鈑桁662と、連結用橋桁13aの他方の鈑桁662が横方向(橋軸に直交する方向)にy2だけ、橋軸方向にx2だけ位置ずれしている状態を示している。
これらの位置ずれは、図13(b)と図13(c)のx、y、z方向を組み合わせた状態でも発生する。
ところが、個々の橋桁は、数10トンもの重量があって、容易に位置調整ができないという問題があった。
前記連結用橋桁を載せたセッテングビームを既設の橋桁の上で移送する工程と、
この移送工程の前又は後で前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点として回転して連結用橋桁をセッテングビームとともに押し上げる工程と、
前記セッテングビームを残して連結用橋桁をワイヤロープで惜しみを取りつつ第1ヒンジ部を支点として連結用橋桁を回転下降する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法である。
既設の橋桁に、連結用橋桁を連結するときの位置調整方法において、
前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法としたので、連結用橋桁の高さ調整が、第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えるだけで可能になる。
前記連結用橋桁を載せたセッテングビームを既設の橋桁の上で移送する工程と、
この移送工程の前又は後で前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点として回転して連結用橋桁をセッテングビームとともに押し上げる工程と、
前記セッテングビームを残して連結用橋桁をワイヤロープで惜しみを取りつつ第1ヒンジ部を支点として連結用橋桁を回転下降する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法としたので、連結用橋桁の移送、反転架設、高さ調整まで一連の動作で完了でき、作業効率を大幅に改善できる。
既設の橋桁に取り付けられる第1ヒンジ部と、
この第1ヒンジ部により前記既設の橋桁に対して回転自在に連結されるセッテングビームと、
このセッテングビームにおける前記第1ヒンジ部と異なる位置に設けられ、連結用橋桁を回転自在に支持する第2ヒンジ部と、
前記セッテングビームに第2ヒンジ部を介して連結用橋桁を連結した状態で前記第1ヒンジ部を支点として連結用橋桁の高さを調整するためにセッテングビームに回転を与える手段と
を具備したので、構成が簡単で、しかも正確に位置調整ができる。
前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法である。
既設の橋桁に取り付けられる第1ヒンジ部と、
この第1ヒンジ部により前記既設の橋桁に対して回転自在に連結されるセッテングビームと、
このセッテングビームにおける前記第1ヒンジ部と異なる位置に設けられ、連結用橋桁を回転自在に支持する第2ヒンジ部と、
前記セッテングビームに第2ヒンジ部を介して連結用橋桁を連結した状態で前記第1ヒンジ部を支点として連結用橋桁の高さを調整するためにセッテングビームに回転を与える手段と
を具備したことを特徴とする。
図1において、橋桁13は、図13(c)に示すようにI字形をした単位長さの2本の鈑桁66(661、662)を平行に配置し、それらの間を橋桁連結部材27で連結し、橋脚の上などに固定的に設置したものである。この橋桁13の上面には、連結しようとする連結用橋桁13aを搬送するための台車30が移動するレール23がそれぞれ敷設される。
前記台車フレーム兼支柱31は、2本の縦枠34と2本の横枠35にて内側に中空部36を有するように細長四角の枠を形成し、この左右の枠の上側を連結フレーム32で前記左右の橋桁13の間隔に合せて連結してなるものである。この台車フレーム兼支柱31の図中右端には、それぞれヒンジ取付け板37が固定的に取り付けられ、このヒンジ取付け板37の先端部に、本発明の最も特徴的な第1ヒンジ部67と第2ヒンジ部68が取り付けられる。この第1ヒンジ部67と第2ヒンジ部68は、図13(c)に示す橋桁の両側の鈑桁661、662の端部にそれぞれ取り付けられる。
前記第2ヒンジ部68は、図2に示すように、前記ヒンジ取付け板37の上側を2枚のピンプレート24bで挟みつつ橋軸に直交する方向調整棒70を回動、かつ、揺動自在に軸支し、この2枚のピンプレート24bは、取付け板71で橋桁aの右端に取り付けられる。前記軸25と橋軸に直交する方向調整棒70の取り付け位置は、橋桁の右端からの距離をa、軸25と橋軸に直交する方向調整棒70の距離をc、図8(a)に示す橋桁と橋桁aとの隙間をdとしたとき、c=2a+dに設定される。また、軸25と橋軸に直交する方向調整棒70の橋桁の上面からの距離は等しい距離bに設定される。
前記1個の第1固定シーブ43、1個の第2固定シーブ44、2個の移動シーブ45には、ワイヤロープ46が図1(b)に示すように掛け渡され、このワイヤロープ46の一方端は、連結用橋桁13aの図中左端近くに固定具47によって固着され、ワイヤロープ46の他方端は、第2固定軸41又はその近くに固定具48によって固着されている。そして、トラニオンジャッキ38のピストンロッド39の伸縮距離に対して、固定具47側がその4倍の距離だけ伸縮する。
STEP−1(台車フレーム兼支柱31の上に連結用橋桁13aをセット:図1)
図1において、既設の橋桁13に敷設されたレール23に、台車30の車輪49を移動自在に載せ、さらに、台車フレーム兼支柱31の上に連結用橋桁13aをその連結端が図中右端になるようにして載せる。このとき、台車フレーム兼支柱31の先端のヒンジ取付け板37に、予め第1ヒンジ部67と第2ヒンジ部68を取り付ける。すなわち、第1ヒンジ部67の軸25と連結用橋桁13aの橋軸に直交する方向調整棒70とが垂直線上で一致し、かつ、連結用橋桁13aの端面から距離aを持って連結用橋桁13aを台車30に載せる。載せた後、作業の安全性、移動中の位置ずれ防止などのために、第2ピンプレート24bの取付け板72を連結用橋桁13aの先端部にボルトにて固定しておくことが望ましい。
STEP−1の状態で、補助ジャッキ54に圧油を加えて第1ヒンジ部67の軸25を支点として連結用橋桁13aの端部の補助押し上げをする。このとき、クレビス主ジャッキ50は、無負荷とする。
この補助ジャッキ54による押し上げ能力は、次式の通りである。
ここで、図1において、連結用橋桁13aの重量W=25ton、長さL=11m、補助ジャッキ54の位置a=8.5m、b=2.5mとすると、
w(単位あたりの重量)=W/L=25ton/11m=2.3ton/m
R(補助ジャッキ54の反力)=w(a+b)2/2a=16.4ton
従って補助ジャッキ54のジャッキ必要能力=(R/2主桁)×S(安全率)
=(16.4/2)×1.5=13ton以上となる。
なお、連結用橋桁13aが押し上げられると、連結用橋桁13aと台車30は、第1ヒンジ部67により一体に連結されており、共に押し上げられるが、台車フレーム兼支柱31に結合していない車輪フレーム33と車輪49は、分離してレール23の上に残る。
補助ジャッキ54により連結用橋桁13aの補助押し上げをしたSTEP−2の状態からヒンジ22の軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50により連結用橋桁13aを51.4°まで主押し上げをする。このクレビス主ジャッキ50による主押し上げ能力は、次式の通りである。
w=2.3ton/m
R=w(a+b)2/2a=2.3×(6.3+4.7)2/2×6.3
=22.1ton
P=R/sinθ=22.1/sin19.6°=65.9ton
従ってクレビス主ジャッキ50のジャッキ必要能力=(P/2主桁)×S
=(65.9/2)×1.5=50ton以上となる。
なお、クレビス主ジャッキ50により連結用橋桁13aが押し上げられると、軸58が係合切り欠きに着脱自在に係合しているので、補助ジャッキ54は、無負荷の状態でそのまま橋桁13側に残る。
STEP−3の状態から軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50のピストンロッド51を伸長して連結用橋桁13aを67.7°まで主押し上げをする。このとき、連結用橋桁13aの重心がヒンジ22の軸25と垂直線上で一致した状態となり、クレビス主ジャッキ50による押し上げ力は、略0になる。
STEP−4の状態から連結用橋桁13aは自重で下降するので、軸25を支点としてクレビス主ジャッキ50の引き能力によりピストンロッド51をさらに伸長して台車フレーム兼支柱31を90度に直立させて固定する。このとき、連結用橋桁13aの重心がヒンジ22の軸25を越えているので、固定具47にワイヤロープ46を介して連結されたトラニオンジャッキ38には、引っ張り力Hが作用する。
STEP−5の状態から連結用橋桁13aによる引っ張り力Hに抗してトラニオンジャッキ38のピストンロッド39を徐々に引込む。すると、連結用橋桁13aの傾きは次第に増大する。
STEP−6の状態から連結用橋桁13aによる引っ張り力Hに抗してトラニオンジャッキ38のピストンロッド39をさらに徐々に引込み、連結用橋桁13aが水平状態になって橋桁13の端面と連結用橋桁13aの端面の間に隙間dを持って対峙する。
このときの引き能力は、次式の通りとなる。
w=2.3ton/m
V=w(a+b)2/2a=2.3×(8.0+3.0)2/2×8.0
=軸孔74ton
T=V/sinθ=軸孔74/sin47.3°=23.7ton
H=T×cosθ1=23.7×cos47.3°=16.1ton
P=H/cosθ2=16.1/cos(回転軸80−114.5)=38.9ton
従ってクレビス主ジャッキ50の引き能力=(P/2主桁)×S
=(38.9/2)×1.5=30ton以上
従ってトラニオンジャッキ38の必要能力=(T×4本掛/2主桁)×S
=(23.7×4/2)×1.5=72ton以上
(1)高さ(z)方向の調整
図13(b)に示すように、連結用橋桁13aの端部が橋桁13よりzだけ高い場合には、トラニオンジャッキ38をわずかに伸ばすことによって軸25を支点にして図8(c)のようにセッテングビーム31をわずかに図中右側に倒す。逆に低い場合には、図8(b)のようにセッテングビーム31をわずかに図中左側に倒す。左右の鈑桁661と662の高さz1とz2が異なる場合には、それぞれの調整は、それぞれのセッテングビーム31の傾き角度で行う。一方が高く、他方が低い場合には、一方を右側に、他方を左側に倒して調整する。ちなみに、セッテングビーム31の角度が0.1042度変化すると、連結用橋桁13aの端部は、1mm上下する。なお、軸25を支点にして回転して高さを調整するため、1mmの調整により、隙間dが約0.09mm程度変化するが、ボルトの孔合わせには何ら支障がない。また、連結用橋桁13aの突合せ部分の高さ調整により他端部も上下して水平度が変化した場合には、トラニオンジャッキ38によりワイヤロープ46を延ばすか縮めて調整する。
図13(b)及び(c)に示すように、連結用橋桁13aの端部が橋桁13よりxだけ橋軸方向にずれていた場合(隙間dは考慮しないものとする)には、図9(a)(b)に示すように、橋軸方向調整棒69のナット77によってピンプレート24bを左右いずれかにずらすことによって位置調整をする。具体的には、連結用橋桁13aが図中右側にずれていた場合には、連結用橋桁13aの水平分力が左方向に生じているので、図9における右側のナット77をボルト1本当たり3.85tonの力で緩めると、連結用橋桁13aが図中左側に自重にて移動する。逆に連結用橋桁13aが図中左側にずれていた場合には、図9における右側のナット77を緩めつつ、左側のナット77をボルト1本当たり4.2tonの力で締め付けると、連結用橋桁13aが図中右側に移動する。左右の鈑桁661と662のずれx1とx2が異なる場合には、それぞれの調整は、それぞれの第2ヒンジ部68の橋軸方向調整棒69で行う。一方が広く、他方が狭い場合には、一方を左側に、他方を右側に移動して調整する。このとき、回転軸80は、球面滑り軸受け81で支持されているので、平面内の傾きに対応できる。
ちなみに、橋軸(x)方向の調整時において、第1ヒンジ部67の軸25には、(連結用橋桁13a+セッテングビーム31+トラニオンジャッキ38+クレビス主ジャッキ50+ワイヤロープ46)の鉛直分力が加えられるが、第2ヒンジ部68の回転軸80には、水平分力Rhと垂直分力Rvの合成分力F0として次の力がかかるだけである。
F02=Rh2+Rv2、水平分力Rh=16.1ton、垂直分力Rv=W−V=7.6tonであるから
R0=17.8tonとなる。
また、y方向に移動する力F1は、ラムチェア76の嵌合孔79における回転軸80の頭部83とアダプタ82の滑り摩擦係数μを0.04とすると、
F1=R0×μ=17.8×0.04=0.7ton
ナット77により緩めるときの力Fb=Rh−F1=15.4tonとなり、ナット77は、左右4本あるので、1本あたり3.85tonとなる。
ナット77により締めるときの力Fb=Rh+F1=第2ヒンジ部68tonとなり、ナット77は、左右4本あるので、1本あたり4.2tonとなる。
図13(c)に示すように、連結用橋桁13aの端部が橋桁13よりyだけ橋軸と直交する方向にずれていた場合には、図10(a)(b)に示すように、橋軸に直交する方向調整棒70のナット78によってピンプレート24bを橋軸に直交する(y)方向のいずれかにずらすことによって位置調整をする。具体的には、連結用橋桁13aが図中上側にずれていた場合には、下側のナット77をボルト1本当たり0.35tonの力で緩め、上側のナット77をボルト1本当たり0.35tonの力で締めると、連結用橋桁13aが図中下側に移動する。逆に連結用橋桁13aが図中下側にずれていた場合には、上側のナット77をボルト1本当たり0.35tonの力で緩め、下側のナット77をボルト1本当たり0.35tonの力で締めると、連結用橋桁13aが図中上側に移動する。ちなみに、y方向に移動する力F1は、ラムチェア76の嵌合孔79における回転軸80の頭部83とアダプタ82の滑り摩擦係数μを0.04とすると、
F1=R0×μ=17.8×0.04=0.7tonとなり、
ナット77により緩めるときの力Fb=Rh−F1=15.4tonとなり、ナット78は、左右2本あるので、1本あたり0.35tonとなる。
また、調整は、2以上の組み合わせでもよいし、z方向、x方向、y方向を組み合わせて何回かで行うようにしてもよい。
図11に基づき実施例2を説明すると、左右の橋桁13は、すでに架設されたもので、これらの間に連結用橋桁13aをクレーン架設のワイヤロープ88で吊り下げて搬送し、連結する例を示している。
この図において、搬送された連結用橋桁13aは、両端部に設けられたセッテングビーム85に第2ヒンジ部68で支持される。このセッテングビーム85は、第2ヒンジ部68からやや間隔をおいた中間部で第1ヒンジ部67にて橋桁に揺動自在に取り付けられ、このセッテングビーム85の他端部には、高さ方向調整ジャッキ86が取り付けられ、この高さ方向調整ジャッキ86は、橋桁に設けられた支持軸87との間を吊り材89で連結している。
ここで、第1ヒンジ部67と第2ヒンジ部68は、前記実施例1におけるものと同一構造であり、また、セッテングビーム85は、前記実施例1のセッテングビーム31に、高さ方向調整ジャッキ86はクレビス主ジャッキ50にそれぞれ対応している。
(1)高さ(z)方向の調整は、第1ヒンジ部67を支点として高さ方向調整ジャッキ86でセッテングビーム85をわずかに回転すると、第2ヒンジ部68を介して吊り下げられた連結用橋桁13aの高さを調整することができる。この場合、セッテングビーム85のわずかな回転で連結用橋桁13aのx方向にずれが生じるが、高さの調整値に比較して極めて微小であり、問題になることはない。
(2)橋軸(x)方向の調整と、
(3)橋軸に直交する(y)方向の調整は、前記実施例1の場合と異なるところはない。また、連結用橋桁13aの荷重は、第1ヒンジ部67で支えるので、x方向の調整とy方向の調整は、前記実施例1と同様、軽荷重で行える。
Claims (9)
- 既設の橋桁に、連結用橋桁を連結するときの位置調整方法において、
前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法。 - 既設の橋桁に、連結用橋桁を連結するときの位置調整方法において、
前記連結用橋桁を載せたセッテングビームを既設の橋桁の上で移送する工程と、
この移送工程の前又は後で前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点として回転して連結用橋桁をセッテングビームとともに押し上げる工程と、
前記セッテングビームを残して連結用橋桁をワイヤロープで惜しみを取りつつ第1ヒンジ部を支点として連結用橋桁を回転下降する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法。 - 既設の橋桁に、連結用橋桁を連結するときの位置調整方法において、
前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と、
この高さ調整工程の前又は後で前記第2ヒンジ部にて連結用橋桁を橋軸方向に調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法。 - 既設の橋桁に、連結用橋桁を連結するときの位置調整方法において、
前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と、
この高さ調整工程の前又は後で前記第2ヒンジ部により連結用橋桁を橋軸と直交する方向に調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法。 - 既設の橋桁に、連結用の連結用橋桁を連結するときの位置調整方法において、
前記連結用橋桁とセッテングビームとを第2ヒンジ部を介在して揺動自在に連結する工程と、
前記セッテングビームにおける第2ヒンジ部の取り付け位置と異なる位置に、第1ヒンジ部を介在して前記セッテングビームを前記既設の橋桁に連結する工程と、
前記第1ヒンジ部を支点としてセッテングビームにわずかな回転を与えて連結用橋桁の高さを調整する工程と、
この高さ調整工程の前又は後で前記第2ヒンジ部により連結用橋桁を橋軸方向に調整する工程と、
この高さ調整工程又は橋軸方向の調整工程の前又は後で前記第2ヒンジ部により連結用橋桁を橋軸と直交する方向に調整する工程と
からなることを特徴とする橋桁連結時の位置調整方法。 - 既設の橋桁に取り付けられる第1ヒンジ部と、
この第1ヒンジ部により前記既設の橋桁に対して回転自在に連結されるセッテングビームと、
このセッテングビームにおける前記第1ヒンジ部と異なる位置に設けられ、連結用橋桁を回転自在に支持する第2ヒンジ部と、
前記セッテングビームに第2ヒンジ部を介して連結用橋桁を連結した状態で前記第1ヒンジ部を支点として連結用橋桁の高さを調整するためにセッテングビームに回転を与える手段と
を具備したことを特徴とする橋桁連結時の位置調整装置。
- 第2ヒンジ部は、セッテングビームと連結用橋桁とを回転自在に連結するための回転軸を具備したことを特徴とする請求項6記載の橋桁連結時の位置調整装置。
- 第2ヒンジ部は、セッテングビームと連結用橋桁とを回転自在に連結するための回転軸と、この回転軸に嵌合したラムチェアと、このラムチェアとセッテングビームとの間に、このセッテングビームを橋軸方向に位置調整する橋軸方向調整棒を具備したことを特徴とする請求項6記載の橋桁連結時の位置調整装置。
- 第2ヒンジ部は、セッテングビームと連結用橋桁とを回転自在に連結するための回転軸と、この回転軸に嵌合したラムチェアと、このラムチェアとセッテングビームとの間に、このセッテングビームを橋軸方向に位置調整する橋軸方向調整棒と、前記回転軸とラムチェアとの間に、このラムチェアを橋軸に直交する方向に位置調整する橋軸に直交する方向調整棒とを具備したことを特徴とする請求項6記載の橋桁連結時の位置調整装置。
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