JP4570270B2 - 飲料供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水槽内の冷却水で飲料を冷却して供給する飲料供給装置に関し、特に、飲料が貯留される貯留容器から水槽内の飲料冷却管の一方の端部に飲料を供給する飲料供給管を該冷却水の一部を循環させて冷却する冷却管等に対して抗菌性や防かび性を与えることによって、該冷却管等の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止して、この冷却管内の循環冷却水量を長期間に渡って安定して維持でき、飲料供給管内の雑菌の発生を長期間効果的に抑止して衛生的に保つことができる飲料供給装置に関するものである。また、冷却管等に抗菌性や防かび性を与えることにより、冷却管等の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止することができるため、該冷却管等の洗浄や掃除を容易に行うことができる飲料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ビール等の飲料を冷却して供給する飲料供給装置について種々提案されている。
例えば、実開平6−76194号公報に記載された炭酸飲料用瞬冷式サーバでは、冷却液を収容する冷却槽と、冷却槽内に配設され炭酸飲料を冷却するための冷却管と、炭酸飲料を貯留容器から冷却管の一方の端部に供給するための供給ホースと、冷却管の他方の端部に設けられた注出口とを有する炭酸飲料用瞬冷式サーバにおいて、冷却槽内に吸入口および吐出口を備えた冷却液循環ポンプと、供給ホースを冷却するために、供給ホースに接して配設された冷却ホースへ、吐出口から送出される冷却液の一部を分流して接続する分岐部とを有しており、冷却ホースが、分岐部に着脱可能に接続され、供給ホースの冷却管側端部から供給ホースに沿って延び、供給ホースの他方の端部から折返して冷却槽に着脱可能に接続されるか、または冷却ホースが、分岐部に着脱可能に接続され、供給ホースの冷却管側端部から供給ホースの外面を包囲して延び、該供給ホースの他方の端部において戻りホースに接続されて、戻りホースが冷却槽に着脱可能に接続されるように構成されている。
これにより、冷却槽内の冷却液を循環させる冷却液循環ポンプの吐出口に分岐部を設け、循環する冷却液の一部を分流して炭酸飲料供給ホースの冷却に使用した後冷却槽へ戻し、冷却液の残部を冷却槽内の循環に使用するようにしたため、冷却液の温度を常に一様の温度に保つことができると共に、供給ホース内の雑菌による汚染も防止できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した実開平6−76194号公報に記載された炭酸飲料用瞬冷式サーバにおいては、冷却ホースを長時間使用した場合には、該冷却ホースの内壁にぬめりやかびが発生・付着して、冷却水の循環量が時間の経過と共に低下し、炭酸飲料の供給ホースの冷却も損なわれて、炭酸飲料の品質の低下を招くおそれがあるという問題がある。また、冷却ホースを洗浄しても内壁に付着したぬめりやかびを完全に取り除くことが難しいという問題がある。また、冷却ホース内にぬめりやかびが発生した場合においても、冷却水の循環量を長期間確保するためには、冷却液循環ポンプが大型化するという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、飲料が貯留される貯留容器から水槽内の飲料冷却管の一方の端部に飲料を供給する飲料供給管を該冷却水の一部を循環させて冷却する冷却管等に対して抗菌性や防かび性を与えることによって、該冷却管等の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止して、この冷却管内の循環冷却水量を長期間に渡って安定して維持でき、飲料供給管内の雑菌の発生を長期間効果的に抑止して衛生的に保つことができる飲料供給装置を提供することを目的とする。また、冷却管等に抗菌性や防かび性を与えることにより、冷却管等の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止することができるため、該冷却管等の洗浄や掃除を容易に行うことができる飲料供給装置を提供することを目的とする。更に、冷却管等に抗菌性や防かび性を与えることにより、冷却管等の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止することができるため、冷却管及び該冷却管内に冷却水を送出する送出手段等の小型化を図ることが可能な飲料供給装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る飲料供給装置は、第1冷却手段によって冷却される冷却水を収容する水槽と、前記水槽内に配設されて飲料を冷却する飲料冷却管と、飲料が貯留される貯留容器から前記飲料冷却管の一方の端部に供給するための飲料供給管と、前記水槽内の冷却水の一部を送出する送出手段と、前記送出手段によって送出される冷却水によって前記飲料供給管の外側を冷却する第2冷却手段とを備えた飲料供給装置において、前記第2冷却手段の外側を囲んで配置される断熱部材を備え、前記断熱部材は、かびの発生及び増殖を防止する防かび性を有する防かび部材で形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る飲料供給装置は、請求項1に記載の飲料供給装置において、前第2冷却手段は、前記飲料供給管の外側を囲んで配置される冷却管と、前記冷却管の水槽側端部から該冷却管内の飲料供給管に沿って配置され、一方の端部が前記送出手段に接続されると共に、他方の端部が該冷却管内で開放される冷却水供給管とを有し、前記冷却管と冷却水供給管とのうち少なくとも一方の冷却水と接する面は、かびの発生及び増殖を防止する防かび性を有する防かび部材で形成されていることを特徴とする。
【0007】
更に、請求項3に係る飲料供給装置は、請求項1に記載の飲料供給装置において、前第2冷却手段は、前記飲料供給管の外側を囲んで配置される冷却管と、前記冷却管の水槽側端部から該冷却管内の飲料供給管に沿って配置され、一方の端部が前記送出手段に接続されると共に、他方の端部が該冷却管内で開放される冷却水供給管とを有し、前記冷却管と冷却水供給管とのうち少なくとも一方の冷却水と接する面は、かびの発生及び増殖を防止する防かび性を有する防かび部材で形成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る飲料供給装置について具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係る飲料供給装置の概略構成について図1乃至図4に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る飲料供給装置の概略構成を示す一部断面模式図である。図2は図1に示す冷却管のA−A断面図である。図3は本実施形態に係る飲料供給装置の概略側断面図である。図4は本実施形態に係る飲料供給装置の冷却管の水槽側端部における概略構成を示す正面断面図である。
【0009】
図1に示すように、飲料供給装置1には、ビール等を貯留する飲料タンク2がフィッティング3及び飲料供給管4を介して接続されている。また、炭酸ガスボンベ5から調圧弁6及びガスホース7を介して、フィッティング3に炭酸ガスが供給され、フィッティング3から供給された炭酸ガスに押圧された飲料タンク2内のビール等の飲料がフィッティング3を通って飲料供給管4に供給される。
また、飲料供給管4の外側は、フィッティング3の近傍まで冷却管10によって覆われている。そして、この冷却管10のフィッティング3側の端縁部は、飲料供給管4に固着されて閉塞されており、この飲料供給管4の冷却管10内のほぼ全長に沿って配設される冷却水供給管11を介して後述のように供給される冷却水が漏れないように形成されている(図5参照)。また、この冷却管10の外側は、ほぼ全長に渡り断熱カバー12によって覆われて断熱されている。
【0010】
また、図2に示すように、ビール等の飲料が通る飲料供給管4は所定外径寸法(本実施形態の場合は、外径約10mmである。)の樹脂製パイプである。また、この飲料供給管4の冷却管10内のほぼ全長に沿って配設される冷却水供給管11は、抗菌剤とかびの発生・増殖を防止する防かび剤とを含有して抗菌性及び防かび性を有する樹脂により形成され、奥側(フィッティング3側)端縁部が開放される所定外径寸法(本実施形態の場合は、外径約6mmである。)の樹脂製パイプである。また、飲料供給管4及び冷却水供給管11を覆う冷却管10は、抗菌剤とかびの発生・増殖を防止する防かび剤とを含有して抗菌性及び防かび性を有する樹脂により形成され、飲料供給管4の外径寸法と冷却水供給管11の外径寸法との合計寸法にほぼ等しい所定内径寸法(本実施形態の場合は、内径約16mmである。)の樹脂製パイプである。従って、冷却水供給管11及び飲料供給管4の外壁面と冷却管10の内壁面との間には隙間を形成できると共に、該冷却管10の内径を最小化でき、飲料供給管4を冷却する装置の細径化を図ることができる。また、冷却管10及び冷却水供給管11の冷却水に接する面は、抗菌性と防かび性とを備えているため、該冷却管10及び冷却水供給管11の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止でき、冷却管10内の冷却水をスムーズに流すことができると共に、冷却水を衛生的に保つことができる。また、冷却管10及び冷却水供給管11の表面部に発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止できるため、該冷却管10、冷却水供給管11及び飲料供給管4の洗浄・掃除を容易に行うことができると共に、該冷却管10内を長期間に渡って衛生的に保つことができる。
【0011】
また、冷却管10の外側を覆う断熱カバー12は、防かび剤を含有して防かび性を有する断熱材により形成され、所定外径寸法(本実施形態の場合は、外径約40〜50mmである。)に形成されている。従って、断熱カバー12の表面は防かび性を備えているため、後述のように冷却管10によって冷却される断熱カバー12の表面部等の結露によって発生するぬめりやかびの発生・増殖を防止でき、清潔感を保つことができて飲料供給装置1を衛生的に保つことができる(図5参照)。また、この断熱カバー12の表面の掃除を容易に行うことができる。
【0012】
ここで、冷却管10と冷却水供給管11を形成する樹脂に含有される抗菌剤としては、銀系イオンを担持した合成または天然のゼオライトやシリカゲル等(例えば、株式会社シナネンレオミック製「ゼオミック」等)の抗菌剤が好適に使用される。そして、樹脂に0.2〜数%の割合で抗菌剤を含有させることで冷却管10と冷却水供給管11の表面部に抗菌性を備えることができる。また、冷却管10、冷却水供給管11及び断熱カバー12を形成する樹脂及び断熱材に含有される防かび剤としては、2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダソール+有機S系やドデシルグアニジンハイドロクロライド等(例えば、北興化学株式会社製「ホクスターHP」、「ホクサイド−60」等)が好適に使用される。そして、樹脂や断熱材に所定割合でこれらの防かび剤を練り込むことにより、冷却管10、冷却水供給管11及び断熱カバー12の表面部にかびの発生・増殖を防止する防かび性を備えることができる。
【0013】
また、図3に示すように、飲料供給装置1は装置本体15を有しており、かかる装置本体15には、冷却水16を貯留する水槽17及びコンプレッサ18、凝縮器、冷却ファン(図示せず)等から構成される冷凍ユニットを収納する機械室19が設けられている。水槽17及び機械室19の上面は、蓋部材21を介して閉塞されており、また、水槽17及び機械室19の下面には、その四隅に脚部材22(図3中には2個の脚部材22を示す)が固設されている。飲料供給装置1は、各脚部材22を介してテーブル等の上に載置される。
【0014】
水槽17の内部には、前記コンプレッサ18等と共に冷凍サイクルの一部を構成し、螺旋状に形成された銅製の蒸発管23が取付具24を介して水槽17内にに取り付けられている。この蒸発管23には下側から冷媒が循環され、冷媒が蒸発する際に冷却水との間で熱交換を行って冷却水を冷却して、該蒸発管23の周囲に氷を形成する作用を行う。また、螺旋状に形成された蒸発管23の内側には、同様に螺旋状に形成された飲料冷却管26が取付具27を介して水槽17内に取り付けられている。この飲料冷却管26の一端部には、飲料タンク2からビール等の飲料が圧送される飲料供給管4が接続されている(図4参照)。そして、この圧送された飲料は、飲料冷却管26の下側から上側に送出されるとともに、注出端部26Aに接続されて飲料供給装置1の前面側上部(図3中、左側上部)に配設された注出コック28を介して容器等に注出される。
【0015】
また、支持板25の略中央部の上面には、AC/DCモータより構成される撹拌モータ31がビス止めによって固定されている。そして、この撹拌モータ31の回転軸32は、飲料冷却管26の略中心軸上に配置されると共に、水槽17の深さの約半分の位置まで延出されている。また、この回転軸32の先端部には、プロペラ33が装着されて、水槽17内の冷却水16を下方に向けて流動させるように構成されている。また、撹拌モータ31に対向する支持板25の下面には、冷却水16の一部を冷却水供給管11に送出する冷却ポンプ35が設けられている。この冷却ポンプ35は、後述のように回転軸32に羽根車81(図6参照)が取り付けられ、この羽根車81が回転することによりいわゆる渦巻ポンプが構成されて、下方から冷却水を吸引し、側面部に形成される吐出口から吸引した冷却水を吐出するものである(図6参照)。
【0016】
また、冷却ポンプ35及びプロペラ33と、飲料冷却管26との間には略円筒状に巻回されるステンレス製又は硬質合成樹脂製等の網状の網部材37が、該冷却ポンプ35及びプロペラ33を覆うように取り付けられている。これにより、蒸発管23の回りに形成される氷が剥離しても、回転軸32やプロペラ33に当たるのを防ぐことができる。
【0017】
また、装置本体2の前面にてコック28の下方には、スノコ状の支持板39が上部に配置されたドレンパン40が装置本体2の前面に対して着脱可能に取り付けられている。また、水槽17の底部には、水槽17の底面から装置本体2の前面に至る間を連通する排水パイプ41が埋設されており、かかる排水パイプ41の排水口には、排水部材42が着脱可能に嵌合されている。
【0018】
次に、冷却水供給管11と冷却ポンプ35との接続、及び飲料供給管4と飲料冷却管26との接続の構成について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、断熱カバー12の飲料供給装置1側の端縁部は、飲料供給装置1の装置本体15の側面上部に穿設される貫通孔に外側から嵌挿されて、支持板25の端縁部に開設される開口部25Aに対向している。また、この開口部25Aの撹拌モータ31側の前側角部の下面には、斜め下側に延出される垂直断面略逆くの字形の平板状の管継手保持板45が溶接やネジ止め等によって固着されている。そして、この管継手保持板45には、管継手45Aがナットによりネジ止めされ、冷却ポンプ35の吐出口に一端側が接続される接続パイプ46の他端側が接続されている。一方、この管継手45Aには、冷却水供給管11が接続され、冷却ポンプ35から送出される冷却水が後述のように冷却水供給管11を介して冷却管10内に供給される(図5参照)。
【0019】
また、飲料冷却管26の取付具27の上端部には、垂直断面略くの字形の平板状の管継手保持板47がリベットやネジ止め等によって固着されている。そして、この管継手保持板47には、管継手47Aがナットによりネジ止めされ、該管継手47Aの一端側に飲料冷却管26の注入側端縁部が接続されている。一方、この管継手47Aには、飲料供給管4が接続され、飲料タンク2内のビール等の飲料が該管継手47Aを介して飲料冷却管26に圧送される。
ここで、飲料供給管4と冷却水供給管11との外側覆う冷却管10の装置本体15側の端縁部は、断熱カバー12の端面部から所定長さ外側に突出するように形成されている。これにより、冷却管11の装置本体15側端縁部の開口部から後述のように還流される冷却水16を、断熱カバー12の水槽17側端面部にほぼ触れることなく、水槽17内に流出さすことができる。
【0020】
次に、冷却管10内に冷却水供給管10を介して供給される冷却水の流れを図5に基づいて説明する。図5は本実施形態に係る飲料供給装置1の冷却管10内に冷却水供給管11を介して供給される冷却水の流れを模式的に示す断面図である。
図5に示すように、冷却ポンプ35から吐出されて、接続パイプ46及び管継手45Aを介して冷却水供給管11に送出された冷却水は、該冷却水供給管11内を各実線矢印51、52、53、54の方向に送出される。そして、冷却管10の飲料タンク2側の閉塞端縁部の近傍まで延出される冷却水供給管11の先端開口部から矢印55方向に該冷却管10内に吐出される。続いて、この冷却管10内に吐出された冷却水は、該冷却管10内の冷却水供給管11と飲料供給管4と間に形成される隙間を、破線矢印56→破線矢印57、破線矢印58→破線矢印59→破線矢印60、及び破線矢印61→破線矢印62→破線矢印63の方向に流れる。そして、この冷却管10の水槽17側の開放端縁部まで流れた冷却水は、各破線矢印64、65、66の方向に流出して、水槽17流れ込み、還流される。一方、冷却管10内に配置される飲料供給管4内をビール等の飲料が、各一点鎖線矢印68、69、70、71の方向に送出される。
【0021】
これにより、冷却管10内には、蒸発管23によって冷却される水槽17内の冷却水16の一部が、冷却水供給管11を介して常時、供給されると共に、該冷却管10の外側表面部は断熱カバー12によって覆われているため、該冷却管10内の温度を所定の低温(本実施形態では、約5℃以下である。)に保つことができる。また、冷却管10内配置される飲料供給管4は、冷却水供給管11を介して供給される冷却水によって常時、冷却されるため、該飲料供給管4内の雑菌による汚染を防止できて、ビール等の飲料の品質の低下を防止することができると共に、飲料供給管4の連続使用可能期間の長期化を図ることができる。
【0022】
次に、冷却水供給管11に水槽17内の冷却水16の一部を送出する冷却ポンプ35の概略構成について図6に基づいて説明する。図6は本実施形態に係る飲料供給装置1の冷却水供給管11に水槽17内の冷却水16の一部を送出する冷却ポンプ35の概略構成を示す要部断面図である。
図6に示すように、支持板25の略中央部の上側には、撹拌モータ31が取り付けられている。また、この支持板25の撹拌モータ31に対向する部分には、所定径(本実施形態の場合は、直径約55mmである。)の貫通孔75が穿設されて、撹拌モータ31のモータ軸31Aがこの貫通孔75のほぼ中心軸に沿って上方から挿入されている。また、撹拌モータ31のモータ軸31Aの先端部には、略円柱状でモータ軸31Aとほぼ同じ外径の延長シャフト76がスリーブ継手77を介して接続されて、各ビス78、78、79、79により該スリーブ継手77に固定されている。
【0023】
この延長シャフト76の先端面からは、該延長シャフト76よりも細い径の羽根軸76Aが中心軸に沿って外側方向に所定寸法延出されている。また、この羽根軸76Aの先端部には雄ネジ部76Bが形成されている。そして、この羽根軸76Aには、いわゆる渦巻ポンプを形成するための羽根車81が嵌入されている。
また、この延長シャフト76の羽根軸76Aには、略円柱状で該延長シャフト76とほぼ同じ外径のプロペラシャフト82が取り付けられている。このプロペラシャフト82の一端側には、所定深さの雌ねじ部82Aが形成され、羽根軸76Aに螺合され、羽根車81を延長シャフト76の端縁部に固定している。
【0024】
そして、このプロペラシャフト82の他端側には、プロペラシャフト82よりも細い径のプロペラ取り付け軸82Bが中心軸に沿って外側方向に延出されている。また、該プロペラ取り付け軸82Bの表面部には、雄ネジ部が形成され、プロペラ33が挿入されて、ナット83によって固定されている。これにより、モータ軸31A、スリーブ継手77、延長シャフト76、及びプロペラシャフト82より回転軸32が構成されている。また、モータ軸31Aが回転した場合には、スリーブ継手77、延長シャフト76、羽根車81、プロペラシャフト82、プロペラ33、及びナット83が、一体化してモータ軸31Aと共に回転する。
【0025】
一方、モータ軸31A、スリーブ継手77、及び延長シャフト76の外側は円筒部材85によって覆われている。この円筒部材85の撹拌モータ31側の端縁部には、外側方向に略垂直に延出される延出部85Aが形成されている。そして、この延出部85Aは、支持板25の上面部にビス86で固定されている。また、この円筒部材85の下側端縁部には、羽根車81より少し上側の位置に内側方向に略垂直に延出される底板部85Bが形成されている。この底板部85Bの略中央部には、延長シャフト76の外径よりも大きい径の貫通孔が穿設されている。また、この円筒部材85Bの上下4箇所には、略楕円形の貫通孔87、87、87、87が軸対称の位置に穿設されている(図6中には、2箇所の各貫通孔87、87が図示されている。)。
【0026】
また、この円筒部材86の撹拌モータ31側(図6中、上側)の端縁部には、断面略コの字状の蓋部材89が嵌入されている。この蓋部材89の底面部の略中央位置には、スリーブ継手77の外径よりも少し大きい径の貫通孔が穿設され、該貫通孔の周縁部から撹拌モータ31側に略垂直に所定長さ延出される円筒部が形成されている。これにより、冷却水16の撹拌モータ31のモータ軸31Aの基端部への水跳ねを防止することができる。
【0027】
また、この円筒部材86の下端縁部には、羽根車81を覆うように、下端面にプロペラシャフト82よりも大きい貫通孔91Aが穿設されるカップ状のカバー部材91が下側から嵌め込まれている。このカバー部材91は、円筒部材86側端縁部の内側面に内側方向に突出して周面にそって断面略Vの字形の突起部92が一周形成されている。一方、この円筒部材86の下端近傍位置の外周面には、断面略Vの字形の溝部93が一周形成されている。そして、円筒部材86の下端部に形成される溝部93に、カバー部材91の突起部92が下側から嵌め込まれて、該カバー部材91は円筒部材86の外周面に沿って回転可能に取り付けられる。また、このカバー部材91を下側方向に強く引くことにより、円筒部材86から取り外すことが可能である。
【0028】
また、カバー部材91の側面部には貫通孔が穿設され、該貫通孔にL字状の管継手95が取り付けられて、上側方向に吐出する吐出口が形成されている。これにより、冷却ポンプ35は、円筒部材86の下端部に形成される底板部85B、カバー部材91、及び延長シャフト76に取り付けられる羽根車81等により構成されている。従って、冷却ポンプ35は、カバー部材91の下端部に形成される貫通孔91Aから冷却水16の一部を吸い込み、管継手95の吐出口から上側方向に該冷却水を吐出する、いわゆる渦巻ポンプによって構成されるため、この冷却ポンプ35の小型化が可能である。また、カバー部材91は、モータ軸31A等の中心軸回りに回転可能に取り付けられているため、この管継手95の吐出方向を、中心軸回りに回転移動させることができ、組立作業の容易化を図ることができる。
そして、この管継手95の吐出口は、接続パイプ46及び管継手保持板45に取り付けられる管継手45Aを介して冷却水供給管11に接続されている。これにより、撹拌モータ31の回転によって水槽17内の冷却水16がプロペラ33を介して撹拌されると共に、羽根車81の回転によって冷却水16の一部が冷却水供給管11に送出され、冷却管10内の飲料供給管4が冷却される。
【0029】
以上詳細に説明した通り本実施形態に係る飲料供給装置1は、ビール等の飲料を貯留する飲料タンク2が、フィッティング3及び飲料供給管4を介して水槽17内の飲料冷却管26に接続されている。また、飲料供給管4の外側は、フィッティング3の近傍まで冷却管10によって覆われている。そして、この冷却管10のフィッティング3側の端縁部は、飲料供給管4に固着されて閉塞されており、この飲料供給管4の冷却管10内のほぼ全長に沿って配設される冷却水供給管11を介して供給される冷却水が漏れないように形成されている。また、この冷却管10の外側は、ほぼ全長に渡り断熱カバー12によって覆われて断熱されている。また、冷却管10及び冷却水供給管11は、抗菌剤と防かび剤が含有される樹脂により形成されて、冷却水の接する面に抗菌性と防かび性を備えている。更に、断熱カバー12は、防かび剤が含有される断熱材により形成されて、表面部に防かび性を備えている。
【0030】
従って、水槽内17の冷却水16の一部を循環させて飲料供給管4を冷却する冷却管10と冷却水供給管11の冷却水と接する面は、抗菌性及び防かび性を備えているため、該冷却管10や冷却水供給管11のぬめりやかびの発生・増殖が防止され、冷却管10内の循環冷却水量を長期間に渡って安定して維持できて、飲料供給管4内の雑菌の発生を長期間効果的に抑止して衛生的に保つことができる。また、冷却管10と冷却水供給管11の冷却水と接する面は、抗菌性及び防かび性を備えているため、該冷却管10や冷却水供給管11のぬめりやかびの発生・増殖が防止され、冷却管10や冷却水供給管11の洗浄や掃除を容易に行うことができる。更に、冷却管10と冷却水供給管11の冷却水と接する面は、抗菌性及び防かび性を備えているため、該冷却管10や冷却水供給管11のぬめりやかびの発生・増殖が防止され、冷却管10内の冷却水がスムーズに流れて該冷却管10内に冷却水を送出する冷却ポンプ35の小型化を図ることができると共に、該冷却管10及び冷却水供給管11の細径化を図ることができる。
また、冷却管10の外側が防かび性を有する断熱カバー12で囲まれているため、該冷却管10に供給される冷却水の温度上昇を効果的に防止することができると共に、断熱カバー12の表面の温度低下による結露によって発生するかびの発生及び増殖を防止して該断熱カバー12の洗浄や掃除を容易に行うことができて、飲料供給装置1を長期間に渡って衛生的に保つことができる。また、この断熱カバー12の表面部のかびの発生及び増殖を防止できるため、飲料供給装置1の外観を長期間に渡って清潔に保つことができる。
【0031】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(a)前記実施形態では、冷却管10及び冷却水供給管11を抗菌剤及び防かび剤が含有される樹脂により形成したが、この冷却管10及び冷却水供給管11の樹脂原料と同一の樹脂に抗菌剤及び防かび剤を添加含有させたものを作り、それらに冷却管10及び冷却水供給管11を浸して、表面部に抗菌剤及び防かび剤を含有する樹脂膜を形成するようにしてもよい。これにより、冷却管10及び冷却水供給管11の冷却水と接する面に抗菌性及び防かび性を備えることができる。
(b)前記実施形態では、断熱カバー12を防かび剤が含有される断熱材により形成したが、樹脂原料に防かび剤を添加含有させたものを作り、それに断熱カバー12を浸して、表面部に防かび剤を含有する樹脂膜を形成するようにしてもよい。これにより、断熱カバー12の表面部に防かび性を備えることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る飲料供給装置では、第2冷却手段の外側が防かび性を備えた断熱材で囲まれているため、該第2冷却手段に供給される冷却水の温度上昇を効果的に防止することができると共に、断熱材の表面の温度低下による結露によって発生するかびの発生及び増殖を防止して該断熱材の洗浄や掃除を容易に行うことができて、飲料供給装置を長期間に渡って衛生的に保つことができる飲料供給装置を提供することができる。また、飲料供給装置の外観を長期間に渡って清潔に保つことができる飲料供給装置を提供することができる。
【0033】
また、請求項2に係る飲料供給装置では、水槽内の冷却水の一部を循環させて飲料供給管を冷却する冷却管と冷却水供給管の少なくとも一方の冷却水と接する面に抗菌性を備えているため、冷却管や冷却水供給管のぬめりの発生・増殖を防止することができ、冷却管内の循環冷却水量を長期間に渡って安定して維持できて、飲料供給管内の雑菌の発生を長期間効果的に抑止して衛生的に保つことができる飲料供給装置を提供することができる。また、該冷却管や冷却水供給管の洗浄や掃除を容易に行うことができる飲料供給装置を提供することができる。更に、冷却管内に冷却水供給管を介して冷却水を送出する送出手段等の小型化を図ることが可能となると共に、該冷却管及び冷却水供給管の細径化を図ることができる飲料供給装置を提供することができる。
【0034】
また、請求項3に係る飲料供給装置では、水槽内の冷却水の一部を循環させて飲料供給管を冷却する冷却管と冷却水供給管の少なくとも一方の冷却水と接する面に防かび性を備えているため、冷却管や冷却水供給管のぬめりやかびの発生・増殖を防止することができ、冷却管内の循環冷却水量を長期間に渡って安定して維持できて、飲料供給管内の雑菌の発生を長期間効果的に抑止して衛生的に保つことができる飲料供給装置を提供することができる。また、該冷却管や冷却水供給管の洗浄や掃除を容易に行うことができる飲料供給装置を提供することができる。更に、冷却管内に冷却水供給管を介して冷却水を送出する送出手段等の小型化を図ることが可能となると共に、該冷却管及び冷却水供給管の細径化を図ることができる飲料供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る飲料供給装置の概略構成を示す一部断面模式図である。
【図2】図1に示す冷却管のA−A断面図である。
【図3】本実施形態に係る飲料供給装置の概略側断面図である。
【図4】本実施形態に係る飲料供給装置の冷却管の水槽側端部における概略構成を示す正面断面図である。
【図5】本実施形態に係る飲料供給装置の冷却管内に冷却水供給管を介して供給される冷却水の流れを模式的に示す断面図である。
【図6】本実施形態に係る飲料供給装置の冷却水供給管に水槽内の冷却水の一部を送出する冷却ポンプの概略構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 飲料供給装置
2 飲料タンク
4 飲料供給パイプ
10 冷却管
11 冷却水供給管
12 断熱カバー16 冷却水
17 水槽
31 撹拌モータ
33 プロペラ
35 冷却ポンプ
45A、47A、95 管継手
46 接続パイプ

Claims (3)

  1. 第1冷却手段によって冷却される冷却水を収容する水槽と、前記水槽内に配設されて飲料を冷却する飲料冷却管と、飲料が貯留される貯留容器から前記飲料冷却管の一方の端部に供給するための飲料供給管と、前記水槽内の冷却水の一部を送出する送出手段と、前記送出手段によって送出される冷却水によって前記飲料供給管の外側を冷却する第2冷却手段とを備えた飲料供給装置において、
    前記第2冷却手段の外側を囲んで配置される断熱部材を備え、前記断熱部材は、かびの発生及び増殖を防止する防かび性を有する防かび部材で形成されていることを特徴とする飲料供給装置。
  2. 前記第2冷却手段は、前記飲料供給管の外側を囲んで配置される冷却管と、前記冷却管の水槽側端部から該冷却管内の飲料供給管に沿って配置され、一方の端部が前記送出手段に接続されると共に、他方の端部が該冷却管内で開放される冷却水供給管とを有し、
    前記冷却管と冷却水供給管とのうち少なくとも一方の冷却水と接する面は、抗菌性を有する抗菌部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
  3. 前記第2冷却手段は、前記飲料供給管の外側を囲んで配置される冷却管と、前記冷却管の水槽側端部から該冷却管内の飲料供給管に沿って配置され、一方の端部が前記送出手段に接続されると共に、他方の端部が該冷却管内で開放される冷却水供給管とを有し、
    前記冷却管と冷却水供給管とのうち少なくとも一方の冷却水と接する面は、かびの発生及び増殖を防止する防かび性を有する防かび部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
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