JP4559048B2 - 硬化性シリコーン組成物、及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
(i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン;
(ii)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノヒドロジェンポリシロキサン、又はヒドロシラン化合物;
(iii)ケイ素原子と結合したアルケニル基と水素原子とを有するオルガノポリシロキサン;
(iv)ヒドロシリレーション用触媒成分であって、(1)ヒドロシリレーション用触媒及び抑制剤としてのオニウム塩を含有するもの、又は(2)ヒドロシリレーション用触媒と該オニウム塩との反応生成物から選ばれるもの。
((i)成分:ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン)
本発明の(i)成分のオルガノポリシロキサンは、1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有することが必要である。
本発明の(ii)成分のオルガノヒドロジェンポリシロキサンは、(i)成分の架橋剤であり、(iv)成分の触媒作用により、ケイ素原子に結合した水素原子が(i)成分の低級アルケニル基と付加反応して硬化する。従って、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有することが必要である。水素原子以外にケイ素原子に共有結合する有機基としては、前記(i)成分のオルガノポリシロキサンの項で例示したものと同様である。この有機基は1種類のみでなく、2種類以上が混在してもよい。このオルガノヒドロジェンポリシロキサンの化学構造は直線構造、環状構造、網状構造又は三次元構造を含んでもよく、これらの単一重合体又は共重合体又は2種類以上の重合体の混合物でもよい。又、低分子量のSiH基を有する単一分子、つまりシラン化合物でもよい。
単一分子のシラン化合物としては1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、ビス(p−ジメチルシリルフェニル)エーテル、1、2−ビス(ジメチルジシリル)エタン、1,3,5−トリス(ジメチルシリル)ベンゼンなどが挙げられる。
本発明の(iii)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合した水素原子の両方を有することが必要である。ケイ素原子結合のアルケニル基が他のオルガノポリシロキサン中のケイ素原子結合の水素原子と付加反応して硬化することとなる。このとき(ii)成分の架橋剤の配合が必ずしも必要とならない。
このオルガノポリシロキサンは、直鎖状または分岐状のポリマーであり、性状も液体から固体のものまで各種ある。また、分子量も特に限定されるものでもない。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルシロキサン・メチルハイドロジェン・ジメチルシロキサンの共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェン・ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位とH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるポリシロキサン、CH2=CHSiO3/2単位とH(CH3)2SiO1/2単位からなるポリシロキサン等を例示することができる。さらに、R''SiO3/2単位とR''2SiO2/2単位;R''3SiO1/2単位とR''SiO3/2単位;R''3SiO1/2単位とR''SiO3/2単位とR''2SiO2/2単位;R''3SiO1/2単位とR''SiO3/2単位とR''2SiO2/2単位とSiO4/2単位;R''SiO3/2単位とSiO4/2単位;R''3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなる1分子中にケイ素原子結合アルケニル基およびケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン(R''は、アルケニル基、水素原子以外でアルキル基、アリール基又はフルオロアルキル基を表す)である。
ヒドロシリレーション用触媒成分(iv)とは、(1)ヒドロシリレーション用触媒と、光照射下にこの触媒作用を抑制するオニウム塩からなる組み合せ、又は(2)ヒドロシリレーション用触媒とオニウム塩との反応生成物であり、光照射下にこの触媒作用を復活させるものをさす。
(ヒドロシリレーション用触媒)
(iv)成分で使用するヒドロシリレーション用触媒は、(i)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基と(ii)成分のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応により、架橋させることが出来るすべての触媒である。例えば白金系触媒、パラジウム系触媒又はロジウム系触媒であり、具体的には塩化白金酸、アルコ−ル変性塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ケトン錯体(Pt(II)ビス(2,4-ペンタンジオエート)、Pt(II)ビス(2,4-ヘキサンジオエート)、Pt(II)ビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオエート)、Pt(II)ビス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオエート))、シクロペンタジエン及びその誘導体からなる白金錯体(シクロペンタジエニルトリフェニル白金、シクロペンタジエニルトリメチル白金、シクロペンタジエニルトリエチル白金)あるいは1,5-シクロオクタジエンの白金錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体、アルミナ、シリカ及びカーボンブラックなどで担持された白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが例示される。本成分の添加量は(i)成分と(ii)成分との合計量100万重量部に対して、白金系金属として0.1〜1000重量部、好ましくは1.0〜100重量部であるが、0.1重量部未満の添加量では、得られる白金触媒もしくは白金系化合物含有シリコーン硬化物の物性が悪化し、100重量部以上の添加量では、本発明組成物の保存安定性が低下することもあるためである。
(iv)成分においてヒドロシリレーション用触媒と共に使用されるもう1つの成分は、光照射によりヒドロシリレーションを阻害するオニウム塩である。具体例としては光照射によってホスフィン、スルファイト、アミン、有機酸あるいは無機酸などを発生するヒドロシリレーション用触媒抑制剤がある。
(A)一般式(R1 aR2 bR3 cR4 dM)+Y-で示されるオニウム塩:
ここにMはP、I、S、N、Te、Se、As、Sb、Bi、O、Br及びClから選ばれる。R1、R2、R3及びR4は同一又は異なる基であり、a、b、c及びdはそれぞれ0〜3の整数であり、Y-はアニオンをあらわす。(a+b+c+d)はMの価数より通常は1大きい。典型例としてM=Iの場合2、M=Sの場合3、及びM=PあるいはNの場合4である。
ここにR1、R2、R3及びR4は、好ましくは以下の1)〜4)から選ばれる。
1)炭素数1〜8の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基
2)炭素数6〜12の脂環式炭化水素基
3)炭素数1〜8のアルコキシ基
4)炭素数6〜30の芳香族炭化水素基
1)ハロゲン化物イオン(F-、Cl-、Br-又はI-)
2)遷移金属又はメタロイドを含むアニオン。遷移金属としては、例えばSb、Fe、Sn、Bi、Al、Siが挙げられる。メタロイドとしては、例えばB、P、Asが挙げられる。
3)上記以外のアニオン
これらのオニウム塩はそれぞれ単独で使用したり、それぞれ2種類以上併用することもできる。
a (R1R2R3R4P)+Y-
b (R1R2I)+Y-
c (R1R2R3S)+Y-
d (R1R2R3R4N)+Y-
式中R1、R2、R3及びR4は独立に前記と同様に定義される。Y-は前記アニオンを表す。
(B)一般式[R5R6R7R8P+(CR9R10)n]X-L3で示される化合物:
ここにR5、R6、R7及びR8は独立に炭素数1〜30のアルキル、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数6〜30のアラルキル基から選ばれる。R9及びR10は独立に水素原子、F、Cl、Br又はIから選ばれるハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数2〜6アシル基、炭素数6〜30のアリーロイル基及びシアノ基から選ばれる。Xはホウ素原子又はアルミニウム原子である。Lは独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数6〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアルコキシ基、炭素数の6〜30のアリールオキシ基、炭素数6〜30のアシロキシ基及び炭素数6〜30のアリーロイル基から選ばれる。nは1〜6の整数である。
(C)一般式(R11R12R13S+=O)Y-で示される化合物:
ここにR11、R12及びR13は炭素数6〜12の芳香族炭化水素である。Y-はアニオンを示す。
ラジカル発生剤は、紫外線などの放射線により分解してラジカルを発生させ、このラジカルが、ラジカル重合性基の重合反応を開始させる化合物である。例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4' −ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3' −ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−(p−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(p−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、トリフェニルアミン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンジル)ホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3',4,4' −テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、ジアルキルパーオキシド系化合物、パークミルD、トリメチルシリルパーオキシドなどが挙げられる。このようなラジカル発生剤は、1種類を単独で使用するか、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光増感剤は、光などのエネルギー線を吸収し、光の感度の向上、又は長波長の紫外光あるいは可視光にもヒドロシリレーション用触媒としての活性を持たせるために用いる。光増感剤を露光させると、ヒドロシリレーションにおいて光効果を発揮するように、光エネルギーを白金錯体あるいはヒドロシリレーション用触媒抑制剤に伝達することができる。これらの光増感剤は多環式芳香族化合物、例えばアントラセン及びその誘導体、ピレン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体が挙げられる。又はケトン発色団を有する芳香族化合物、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン及びチオキサントン誘導体;アントラキノン、ブロモアントラキノン及びアントラキノン誘導体;アントラセン、ブロモアントラセン及びアントラセン誘導体;ペリレン及びペリレン誘導体;キサンテン、チオキサンテン及びチオキサンテン誘導体;クマリン及びケトクマリンなどを挙げることができる。より好ましい光増感剤は、ジエチルチオキサントン及びブロモアントラセンである。
硬化性シリコーン組成物には、シリカ粒子を配合することにより、得られる硬化膜の硬化収縮を逓減することができる。シリカ粒子の添加量は特に制限されないが、例えば前記(A)成分100重量部に対して10〜250重量部が好ましく、特に20〜200重量部、さらに30〜150重量部が好ましい。
硬化性シリコーン組成物を半導体基板上に塗布する手段としてはスピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、クラピヤ印刷法、シルクスリーン法又はインクジェット法などを用いることが出来る。これらのうち均一な厚さを有する塗布膜が得られることから、スピンコート法を用いることが好ましい。スピンの速度、時間及び組成量、つまり、用いる組成の成分により無溶媒あるいは有機溶媒を用いて粘度の調整を行い、塗布膜の厚さを0.1〜200μmにすることが出来る。
以下の実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明する。
以下の実施例において、表中の使用成分の構造又は特性は、それぞれ次のとおりである。
1)シロキサンポリマー1:ビニル含量1.2w%
ViMe2Si(Me2SiO)145(ViMeSiO)3SiMe2Vi
2)シロキサンポリマー2:ビニル含量1.8w%
(SiO2)58(Me3SiO1/2)35(HO1/2)3(ViMe2SiO1/2)5
3)シロキサンポリマー3:ビニル含量5.15w%
(ViMe2SiO1/2)25(PhSiO3/2)75
1)架橋剤1:水素含量1.05w%、25℃での粘度30cst
(Me3SiO)(MeHSiO)39(Me2SiO)16.2(SiMe3)
2)架橋剤2:水素含量0.12w%、25℃での粘度135cst
(Me3SiO)(Me2SiO)103(MeHSiO)9.5(SiMe3)
3)架橋剤3:水素含量0.76w%、25℃での粘度5cst
(Me3SiO)(Me2SiO)3(MeHSiO)5(SiMe3)
4)架橋剤4:水素含量0.54w%、25℃での粘度70cst
(Me2HSiO1/2)0.53(PhSiO3/2)0.47
1)シロキサンポリマー4:水素含量0.32w%、ビニル含量26.6w%
(Me2HSiO1/2)25(ViSiO3/2)75
1)反応抑制剤1:ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドのアルコ−ル溶液(固形分20重量%)
[(C6H5CH2)(C6H5)3P]+Cl‐
2)反応抑制剤2:(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミドのアルコ−ル溶液(固形分20重量%)
[(p-BuOC6H4CH2)(C6H5)3P]+Br‐
3)反応抑制剤3:[フェニル−p−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートの溶液(固形分20重量%)
[(C6H5)(p-(C12H25CH(OH)CH2O)C6H4)I]+SbF6 ‐
4)反応抑制剤4:ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートのドデシルアルコ−ル溶液(固形分36.8重量%)
[(p-C12H26C6H4)2I]+SbF6 ‐
5)反応抑制剤5:ナフチルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド:
[(C10H7CH2)(C6H5)3P]+Cl‐アルコ−ル溶液(固形分20重量%)
6)反応抑制剤6:フルオレニルトリフェニルホスホニウムクロリド:
[(C13H9CH2)(C6H5)3P]+Cl‐アルコ−ル溶液(固形分20重量%)
7)反応抑制剤7:アントラセニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド:
[(C14H9CH2)(C6H5)3P]+Cl‐アルコ−ル溶液(固形分20重量%)
8)反応抑制剤8:(p−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート:
[(p-MeOC6H4)(C6H5)2S]+SbF6 ‐アルコ−ル溶液(固形分11重量%)
9)反応抑制剤9:(p−メトキシベンジル)ジメチルフェニルアンモニウムヘキサフルオロアンチモネート:
[(p-MeOC6H4CH2)(C6H5)(CH3)2N]+SbF6 ‐アルコ−ル溶液(固形分5重量%)
溶媒2:メシチレン
光増感剤2:アントラセン
光増感剤3:アセトフェノン
光増感剤4:ベンゾフェノン
光増感剤5:ピレン
ヒドロシリレーション用触媒及び抑制剤としてのオニウム塩を含有するもの。
(配合例1)
(i)成分アルケニル基含有ポリシロキサン、(ii)成分オルガノヒドロジェンポリシロキサン、(iii)成分オルガノポリシロキサン、(iv)成分白金触媒及び下記表1記載の抑制剤としてのオニウム塩、及び所望により光増感剤、溶媒をそれぞれ下記表1記載の割合で配合し、実施例1〜14の硬化性シリコーン組成物を調製した。比較のために、比較例1の組成物も調製した。
前記の配合例1により調製したヒドロシリレーション用触媒成分(1)を用い、保存安定性の試験及びパターン形成の試験を行った。結果を表1及び表2に示す。
また、比較例として、反応抑制剤4を配合しないこと以外実施例4に同じ組成の硬化性シリコーン組成物を調製した。得られた組成物は、室温下2時間以内に硬化が進行した。これに対して実施例4の組成物は、3週間以上保存安定性を示した。実施例2、3、及び5〜11の組成物は、保存安定性を2週間以上示している。このことは、オニウム塩化合物が反応抑制剤として効果的であることを示している。
典型例として、実施例2に示した硬化性シリコーン組成物を用いて、パターン形成工程を説明する。シリコーンウエハー上に500rpmで10秒、2000rpmで30秒スピンコートを行った。次に塗布膜を120℃で2分間加熱し乾燥させ、タックフリーの状態の層を形成した後、そこにフォトマスクを適用して、低圧水銀ランプを用いて400mJ/cm2照射し、さらに150℃で4分間加熱した。その後トルエン溶液でエッチングを行い、ポジ型のパターン化した膜を得た。さらにその膜を200℃で30分間焼成し硬化を完成させた。
実施例1〜13については表1に示した硬化性シリコーン組成物を用いて、以下の表2に示す条件でパターン形成を行った。得られた製品についての評価結果も表2に示す。
Claims (8)
- 次の(i)、(ii)および(iv)の成分を含有するか、または次の(iii)および(iv)の成分を含有する、ポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物:
(i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン;
(ii)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノヒドロジェンポリシロキサン又はヒドロシラン化合物;
(iii)ケイ素原子と結合したアルケニル基と水素原子を有するオルガノポリシロキサン;
(iv)ヒドロシリレーション用触媒成分であって、(1)ヒドロシリレーション用触媒及び抑制剤としての下記aもしくはdのオニウム塩を含有するもの
a (R 1 R 2 R 3 R 4 P) + Y -
d (R 1 R 2 R 3 R 4 N) + Y -
式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は独立に、炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基から選ばれ、Y - は、ハロゲン化物イオン(F - 、Cl - 、Br - 、もしくはI - )、又は、RO - もしくはRCOO - (Rは、水素原子、アリール、もしくはアルキル)であるアニオンである。 - 該触媒成分(1)が光照射下でヒドロシリレーションを抑制する、請求項1記載のポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物。
- (i)オルガノポリシロキサンは、RSiO3/2単位とR3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサン、RSiO3/2単位とR2SiO2/2単位;R3SiO1/2とRSiO3/2単位;R3SiO1/2とR2SiO2/2単位;R3SiO1/2単位とR1SiO3/2単位とR2SiO2/2単位が含まれるオルガノポリシロキサンあるいはR3SiO1/2単位とR1SiO3/2単位とR2SiO2/2とSiO4/2が含まれるオルガノポリシロキサン、RSiO3/2単位とSiO4/2単位;R3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンである(ここに、Rはアルキル、アリール、フルオロアルキル又はアルケニルであり、1分子中に少なくとも2個のケイ素と結合したアルケニル基を有する)請求項1記載のポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物。
- (ii)オルガノヒドロジェンポリシロキサンあるいはオルガノポリシロキサンは、R'SiO3/2単位とR'3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサン、R'SiO3/2単位とR'2SiO2/2単位;R'3SiO1/2とR'SiO3/2単位;R'3SiO1/2とR'2SiO2/2単位;R'3SiO1/2単位とR'1SiO3/2単位とR'2SiO2/2単位が含まれるオルガノポリシロキサンあるいはR'3SiO1/2単位とR'1SiO3/2単位とR'2SiO2/2とSiO4/2が含まれるオルガノポリシロキサン、R'SiO3/2単位とSiO4/2単位;R'3SiO1/2単位とSiO4/2単位が含まれるオルガノポリシロキサンである(ここに、R'は水素原子、アルキル、アリール又はフルオロアルキルであり、1分子中に、少なくとも2個のケイ素と結合した水素原子を有する)請求項1記載のポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物。
- (iii)オルガノポリシロキサンは、R''SiO3/2単位とR''2SiO2/2単位;R''3SiO1/2単位とR''SiO3/2単位;R''3SiO1/2単位とR''SiO3/2単位とR''2SiO2/2単位;R''3SiO1/2単位とR''SiO3/2単位とR''2SiO2/2単位とSiO4/2単位;R''SiO3/2単位とSiO4/2単位;R''3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなる1分子中にケイ素原子結合アルケニル基およびケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンである(R''は、アルケニル基、水素原子以外でアルキル基、アリール基又はフルオロアルキル基を表す)請求項1記載のポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物。
- さらに、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アントラキノン、ブロモアントラキノン、アントラセン、ブロモアントラセン、ペリレン、キサンテン、チオキサンテン、クマリン及びケトクマリンから選択される光増感剤を含有する請求項1記載のポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物。
- 基板上に請求項1〜6のいずれか1項記載のポジ型パターン形成用硬化性シリコーン組成物を塗布して、シリコーン層を形成させ、該層にパターンマスクをして光を照射するか、又はパターン形成部分にのみ直接照射し、次に当該シリコーン層を加熱硬化させた後、未硬化部分を取り除くことからなるポジ型パターン形成方法。
- 請求項7記載のポジ型パターン形成方法において、未硬化シリコーン層を除去後、更に加熱して強度を向上させたポジ型パターン形成方法。
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