JP4556231B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
ここで、一般にスピーカボックスは、ボックス内の容積が大きいほど、より高音質の音が出力可能なことが知られている。しかし、パチンコ機等の遊技機にスピーカボックスを配置する際には、その配置スペースは限られており、大型のスピーカボックスを設置することができない。そこで、スピーカボックスを形成する外壁部を薄く成形することにより内部の容積を増加させる方法が取られていたが、外壁部を薄くすると、外壁部がスピーカの振動に従って振動し、遊技機の外枠や内枠との間の共振により、所謂ビビリ音が発生することとなっていた。また、特に外壁部の接合部分においては気密性が低下し、音漏れ等が発生する原因となっていた。
例えば、特開2003−325896号公報には、合成樹脂製の下枠部材に出力装置を取り付ける際に、下枠部材の開口部に対して取付枠、第2カバー部材、第1カバー部材、出力装置、サブフレームを順に、各部材の接合部分の端面を互いに当接させることにより接合させることとした出力装置の取付構造が記載されている。尚、このような接合方法においては、通常、一方の端面にガスケットをはめ込む事で、気密性を向上させ、また、他方の部材の共振を抑制している。
また、特開2002−52146号公報には、スピーカボックスの前面でコーン紙の周囲を取り囲む位置に筒部を設け、筒部を上皿に嵌合させることによって上皿を補強し、上皿の共振を防止するパチンコ機の音響構造が記載されている。
また、前記特許文献2に記載されたパチンコ機の音響構造においては、共振を防止するために筒状部材を別途遊技機内に形成する必要があった。
従って、スピーカボックスの容積を大きく確保する為に外壁部を薄く成形することによって生じる、共振によるビビリ音の発生、気密性の低下による音漏れ等を、新たな部材を追加して用いることなく防止することは困難であった。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、正面視矩形に形成される木製の外枠2に対して合成樹脂製の内枠3が、内枠取付用ヒンジを構成する上ヒンジ3A及び下ヒンジ3Bを介して外枠2に対して開閉自在に取り付けられている。そして、この内枠3のほぼ上半分の前側には、合成樹脂製の前面カバー部材4が左端縁部の上下を軸支されて開閉自在に取り付けられている。また、この前面カバー部材4のほぼ中央部には略円形の窓部5が開設され、この窓部5の外周縁部に形成されるガラス保持枠に装着された2枚のガラスを通して不図示の遊技盤上の遊技領域を見ることができるように構成されている。また、前面カバー部材4の窓部5の上端縁部には、フルカラーの発光ダイオードが内蔵され、遊技中のエラーを表示するエラー表示電飾ランプ6Aが取り付けられている。また、このエラー表示電飾ランプ6Aの左右外側には、「当たり」等の発生を報知したり遊技中に光演出をする各電飾ランプ6Bが取り付けられている。また、前面カバー部材4の前面部分は、不透明な合成樹脂製の前面部材4Aで覆われており、この各電飾ランプ6A、6Bと窓部5の上端周縁部との間に、不図示のフルカラーダイオードが左右方向に内蔵され、遊技中に光演出が行われる。
また、この前面カバー部材4の下側には、賞球ケース22を介して払い出される賞球を受ける上皿7が合成樹脂製プレート8に配設されている。また、このプレート8は、左端縁部の上下を軸支されて、前面カバー部材4を開放後、内側に設けられた不図示のレバーを下げることにより開放できるように取り付けられている。また、この上皿7の中央前面部には、カード式球貸機の操作ボタン7B、7C及びカード残高表示装置7Dが設けられている。そして、その上皿7の下には、下皿9が配設される。また、上皿7に連通する不図示の球送り機構を介して上皿7のパチンコ球が操作ハンドル10に連結された発射装置10A(図3参照)へ送られるよう構成されている。
また、このスピーカ筐体11の底面前端縁部には、後述のように左右方向全幅に渡って外枠2の下端面に対向する位置まで下方に突設されるリブ部12が設けられている。
また、パチンコ機1の裏側最上段には、上方に開口した賞球タンク21が機構セット盤20に固定されている。賞球タンク21は、傾斜した底面に連通孔が形成され、その連通孔の下方にはパチンコ球を2列に整列流出し、賞球ケース22にパチンコ球を送る通路を形成するタンクレール23が取り付けられている。また、賞球ケース22内には、賞球案内部24内の賞球通路を通過するパチンコ球を確認する球有り検出スイッチやパチンコ球の払い出しを調節する払い出しステッピングモータが内装されている。そして、これら賞球タンク21、タンクレール23、賞球案内部24、賞球ケース22等により賞球及び貸球の払い出しシステムが構成されている。
また、機構セット盤20には、賞球ケース22の下流側に、賞球を上皿7に案内する賞球案内通路部(不図示)や、賞球タンク21やタンクレール23内のパチンコ球を抜くための球抜き通路の排出口37が下向きに開口され、パチンコ球が下方に排出されるように構成されている。また、該賞球ケース22の下流側には、上皿7から溢れて賞球案内通路部を流れた賞球を下部受皿ボックス35まで案内する下皿排出路が形成されている(不図示)。また、この下皿排出路の横側(図3中、左側)には、入賞球を排出する入賞球排出通路の排出口38が下向きに開口され、入賞球が下方に排出されるように構成されている。
図5に示すように、外枠2は上下に対向する一対の横枠板41、42と、左右に対向する一対の縦枠板43、44とにより矩形に形成されている。各横枠板41、42及び縦枠板43、44は強度の高い合板で形成されており、それぞれ合板を切断加工することで個々に図示のような所定の寸法形状に予め形成されている。
また、各横枠板41、42及び縦枠板43、44は、ほぼ同じ幅寸法及び同じ厚さ寸法(本実施形態では、例えば、厚さ寸法は約18〜20mmである。)に形成されている。そして、各縦枠板43、44の長手方向両端縁部の幅方向中央部には、高さ寸法及び厚さ寸法が板厚寸法にほぼ等しくなるように外側に突き出すように形成される断面四角形の各凸部46が形成されている。また、各横枠板41、42の長手方向両端縁部の幅方向中央部の各凸部46に対向する位置には、幅寸法及び深さ寸法が各凸部46の断面形状にほぼ等しくなるように形成された各凹部47が形成されている。そして、各縦枠板43、44の各凸部46は、各横枠板41、42の各凹部47に嵌入されて、各横枠板41、42及び各縦枠板43、44は、それぞれ互いに直角に交差した状態で組み付けられ、4つの各コーナにおいて、それぞれ3本の釘や木ネジ等の固定部材48によって互いに結合されている。これにより、図5に示した結合状態では、各横枠板41、42及び縦枠板43、44の各前面部(図5中、手前側の面)は、同一平面上に位置するように形成されている。
また、図4及び図5に示すように、下側の横枠板42には、各縦枠板43、44より内側の左右方向ほぼ全幅に渡って、前端縁部から幅方向略中央位置まで、位置決め凹部として機能する所定深さ(本実施形態では、例えば、深さ寸法は約5〜9mmで、板厚の約1/3の深さ寸法である。)のスピーカ取付凹部55が予め形成されている。
図4、図6乃至図8に示すように、スピーカ筐体11は、下側の横枠板42及び各縦枠板43、44の前面部から内枠3の前面部まで前側方向に膨出される正面視横長四角形の合成樹脂製の前蓋部材61と、該前蓋部材61の背面部の周縁部を覆う平板部62Aと、該平板部62Aの下側の横枠板42の前面上端縁部より上側の部分から裏側方向に膨出される膨出部62Bとを有する合成樹脂製のスピーカ収容部材62と、から構成された略直方体の箱型形状を有する。また、前蓋部材61の内側左右には、一対のスピーカ11A、11Bが配設され、配設されたスピーカ11A、11Bの正面にはそれぞれスピーカ11Aの表面側より発せられる音を前方へ出力するスピーカ孔58Aと、スピーカ11Bの表面側より発せられる音を前方へ出力するスピーカ孔58Bとが設けられている。更に、前蓋部材61の略中心部には、スピーカ11Aの裏面側より発せられる音を前方へ出力するバスレフ孔59Aと、スピーカ11Bの裏面側より発せられる音を前方へ出力するバスレフ孔59Bとが設けられている。
また、前蓋部材61の左上角部の上面部には、下ヒンジ3Bに取り付けるための段差部69が形成されている。また、前蓋部材61の各側面延出部65、66の上下端部(図10(C)中、上下端縁部)には、後述のように木ネジが挿通される各取付孔70が穿設されている(図14参照)。この各側面延出部65、66の上端部に穿設される各取付孔70は、各縦枠板43、44に対向し、該各側面延出部65、66の下端部に穿設される各取付孔70は、下側の横枠板42に対向する位置に設けられている。
また、図4、図10(A)、(C)、(D)に示すように、前側平板部64の上下方向下端縁部には、該前側平板部64の全幅に渡って下方(図10(C)中、下側方向)に所定高さ(本実施形態では、約0.2mm〜3mmの高さ寸法である。)突設されるリブ部12が設けられている。
また、図9(A)及び図10(A)に示すように、前側平板部64及び各側面延出部65、66の裏面側には、左右方向及び上下方向に所定高さの補強リブ72がマス目状に立設されている。また、前側平板部64の裏面の各スピーカ11A、11Bに対応する部分には略横長楕円形の取付リブ73が立設されている。また、この取付リブ73の内側部分のスピーカ孔58A、58B領域に配設される各凹部71は、図12に示すように、底面部が裏側に連通される貫通孔75に接続されて貫通され、各スピーカ11A、11Bの前面方向への音放出口を構成している。
また、このバスレフ用リブ76の内側部分(バスレフ孔59)に配設される各凹部71は、図12に示すように、底面部が裏側に連通される貫通孔75に接続されて貫通され、各スピーカ11A、11Bの裏側方向に発せられる音を出力する音放出口を構成している(図8参照)。
また、各取付リブ73とバスレフ用リブ76との間の左右方向ほぼ中央位置のそれぞれの上下端部には、各取付用ボス79が所定高さ(本実施形態では、前蓋部材61の裏側端縁部とほぼ等しい高さになる高さ寸法である(図8参照)。)に立設されている。
ここで、この前蓋部材61の外側面、即ち、前側平板部64、各側面延出部65、66、上面延出部67及び下面延出部68の各表側面と、各凹部71及び各貫通孔75の内面とは、各スピーカ11A、11Bの各貫通孔75に対向する部分の色に対してコントラストの小さな色又は同じ色(例えば、黒色や灰色、銀色等である。)の着色、塗装、メッキ等がされている。
更に、スピーカ11A、11Bの駆動に必要な配線板106は、バスレフ孔59A、59Bに対して外側に位置する通過孔78上に設けているので、バスレフ孔59A、59Bへと送られる音波がリブ等によって減衰される量を最小限とし、量感のある低音を再生することが可能となる。
図13に示すように、スピーカ収容部材62は、前蓋部材61の裏側周縁部とほぼ同じ形状で、該前蓋部材61の裏側周縁部が当接される平板部62Aと、該平板部62Aの下側の横枠板42の前面上端縁部より上側の部分(図4参照)から各縦枠板43、44より内側の左右方向全幅に渡って、下側の横枠板42の前後方向幅寸法の約1/2の寸法だけ裏側方向(図13(B)中、上方向)に膨出される膨出部62Bとから構成されている。
また、膨出部62Bの上面部及び底面部の前蓋部材61の各取付用ボス79に対応する部分には、前後方向全幅に渡って断面略半円形状の各溝部81が形成され、該各溝部81の前端縁部の平板部62Aには、各取付用ボス79に対向する位置に取付用ネジが挿通される各貫通孔82が穿設されている。
また、この膨出部62B内の左右方向中央の前蓋部材61の分割リブ77に対応する位置には、この膨出部62B内を左右に二分割するように内側面に立設される二分割リブ88(区画壁)が設けられている。そして、この二分割リブ88の前端縁部は、前蓋部材61にスピーカ収容部材62を取り付けることにより、該前蓋部材61の分割リブ77の後端縁部に当接され、このスピーカ筐体11内の空間を左右にほぼ等分割するように構成されている(図8参照)。そして、分割された空間は、それぞれエンクロージャ110、111を形成する。
また、膨出部62Bの上面部の下ヒンジ3Bに対向する位置には、スピーカ筐体11を下ヒンジ3Bの下面にネジ止めするためのネジ孔95が設けられている。
ここで、スピーカ筐体11の組み立ては、先ず、前蓋部材61の裏側面に立設される各取付リブ73に各スピーカ11Aを押し当ててネジ止めし、各スピーカ11Aを前蓋部材61の裏側面に取り付ける。また、スピーカ収容部材62のコネクタ取付孔90に接続コネクタ89をネジ止めする。そして、各スピーカ11Aの配線用コネクタをこの接続コネクタ89に接続後、前蓋部材61のリブ部12が下側方向になると共に、スピーカ収容部材62の各取付部93が下側方向になるように、この前蓋部材61の裏側周縁部内にスピーカ収容部材62の挿入端部84を嵌入させつつ、該スピーカ収容部材62の平板部62Aを前蓋部材61の裏側端面部に当接させる。続いて、スピーカ収容部材62の各貫通孔82に裏側方向からビスを挿通し、前蓋部材61の各取付用ボス79にネジ止めして取り付け、スピーカ筐体11を構成する(図7、図8参照)。
その際に、図17及び図18に示すように、スピーカ収容部材62の開口部周囲に形成された挿入端部84が、前蓋部材61の内側に挿入された後、前蓋部材61の裏面に当接された状態、即ち前蓋部材61によってスピーカ収容部材62の端部が被覆された状態により接合されている。
また、接合部15においては、前蓋部材61がスピーカ収容部材62の外側に位置するように接合されているので、内枠3の下面部13は、スピーカ11A、11Bが取り付けられたスピーカ筐体11の振動の原因となる前蓋部材61に直接当接し、上下方向の振動をより確実に抑え、ビビリ音の発生を防止することができる。
また、内枠3を外枠2に対して閉鎖した状態においては、内枠3の下面部13が、スピーカ筐体11の前蓋部材61とスピーカ収容部材62と各端部が重ね合わされた重複部分の全体を覆うように構成されている。従って、内枠3からの加重によって接合部15の気密性は向上し、また、前蓋部材61とスピーカ収容部材62の両方の振動を同時に抑制することが可能である。
また、接合部15においては、前蓋部材61がスピーカ収容部材62の外側に位置するように接合されているので、内枠3の下面部13は、スピーカ11A、11Bが取り付けられたスピーカ筐体11の振動の原因となる前蓋部材61に直接当接し、上下方向の振動をより確実に抑え、ビビリ音の発生を防止することができる。
更に、前蓋部材61とスピーカ収容部材62とが接合された際に、前蓋部材61の端部65A、66A、67A、68Aの面が当接される端部保持リブ112が周設されているので、スピーカ11A、11Bの振動により前蓋部材61が前後方向(図17中、左右方向)に振動することを抑制することができる。従って、スピーカ収容部材62の共振を防ぎ、ビビリ音の発生を防止することができる。
例えば、本実施形態においては、前蓋部材61がスピーカ収容部材62の外側に位置するようにして接合されているが、スピーカ収容部材62が前蓋部材61の外側に位置するようにして接合されていても良い。
2 外枠
3 内枠
3A 上ヒンジ
3B 下ヒンジ
11 スピーカ筐体
11A、11B スピーカ
13 内枠下面部
14 スピーカ筐体上面部
15 接合部
37、38 排出口
41、42 横枠板
43、44 縦枠板
61 前蓋部材
62 スピーカ収容部材
65、66 側面延出部
65A、66A 側面延出部端部
67 上面延出部
67A 上面延出部端部
68 下面延出部
68A 下面延出部端部
84 挿入端部
112 端部保持リブ
Claims (1)
- 少なくとも下側の横枠板の前面部と左右に対向する一対の縦枠板の各前面部とが略同一平面上に配置されるように矩形に形成される木製の外枠と、前記外枠に遊技者側の前面側にて開閉可能となるように取り付けられるとともに、複数の部材が取り付けられる所定厚さの内枠と、を備えた遊技機において、
前記外枠の前記内枠より下側部分の前面部を左右方向及び上下方向の各全幅に渡って覆うように設けられるスピーカ筐体を備え、
前記スピーカ筐体は、
前記横枠板及び各縦枠板の前面部から前記内枠の前面部まで前側方向に膨出される正面視横長四角形の合成樹脂製の前蓋部材と、
前記前蓋部材の裏面に配設されるスピーカと、
前記前蓋部材の背面部を覆うと共に前記横枠板の前面上端縁部より上側部分が裏側方向に膨出される合成樹脂製のスピーカ収容部材と、
を有し、
前記前蓋部材の端部と前記スピーカ収容部材の端部の一方が他方を被覆することにより前記前蓋部材と前記スピーカ収容部材とが接合されて接合部が形成されるとともに、前記前蓋部材と前記スピーカ収容部材は前記接合部を介して一の当接面を形成し、
前記スピーカ筐体を前記外枠に取り付けた状態で前記内枠が閉鎖された場合に、前記内枠の下面が前記当接面において前記前蓋部材と前記スピーカ収容部材の両者にそれぞれ当接するとともに、前記内枠が前記当接面と当接する領域は、前記前蓋部材の端部と前記スピーカ収容部材の端部の前記一方が前記他方を被覆する部分を覆うことを特徴とする遊技機。
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