JP4545345B2 - 金属枠を用いた扉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製の枠を用いた扉に関し、特に、表面に木質等の化粧表面板を設けて一体とするとともに、蝶番軸を内蔵することができるようにした金属枠を用いた扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
部屋の出入口、収納庫、タンス等に取り付けられる扉は、通常、木枠を用い、その表面に下地材、例えば、ベニヤ板等を貼り付け、さらに、好みによりその表面にクロス等を貼るか、あるいは化粧合板を貼り付けて構成するようにしている。
この木枠を用いた扉は、その材質上、湿度などにより木枠が歪曲し、扉に歪みが生じて開閉が行いにくくなることがある。
この扉の歪みを解消するために、木枠に代えて、近年、アルミニウム等の金属枠を用い、その表面に化粧表面板を設けて一体とした扉が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アルミニウム等の金属枠を用いた扉は、所定寸法に切断された金属製の竪枠と横枠とをビスを用いて枠組みし、その表裏両面に、木質製あるいは合成樹脂製の化粧表面板を設けて一体とするようにしている。
この金属枠を用いた扉においては、竪枠の内側片に組立用のビスを挿通するための孔を、外側片にはこのビスを回動するドライバーを挿通するための孔とを形成し、この外側の孔からビス挿通用の孔にビスを挿通し、外側片の孔にドライバーの先端を挿入し、ビスを回動するようにし、竪枠と横枠間を、該ビスにて一体に結合した後、外側片のドライバー挿通用の孔を栓にて閉鎖するか、又は該孔を閉鎖するために、竪枠の表面に木目様のシールを粘着し、外観を美しく仕上げている。
ところが、この扉は、扉を開口枠等の固定側に取り付ける場合、従来と同じように、扉外側、特に、竪枠の外側面にビス止め等にて配設する蝶番を介して開閉可能に取り付けているので、扉の開閉方向が内開きか外開きかのいずれかに限定され、扉取付後は開き勝手方向を変更することができず、また、扉外側に蝶番が露出し、扉の外観を損ねるという問題があった。
また、竪枠材、横枠材ともに押出部材にてアルミニウムあるいはアルミニウム合金にて製作されているため、部材の長手方向に沿ってビス取付部を予め形成することができるも、一般に押出成形部材の側面壁の肉厚は、軽量化、廉価化等のため、肉厚は薄いものとなっているため、この薄肉の側壁部に蝶番をビス止めにて取り付ける場合、ビス止め強度が不足し、大形の重量のある扉においては、ビス止めによる取り付けが弱くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、この金属枠を用いた扉の有する問題点に鑑み、蝶番軸を外表面に露出することなく竪枠内に内蔵することにより、扉を確固に取り付けられるとともに、扉外面に突出物をなくして外観をすっきりさせることができる金属枠を用いた扉を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の金属枠を用いた扉は、金属製の竪枠と横枠とを以て枠組みし、その表面に化粧表面板を設けて一体とした金属枠を用いた扉において、前記竪枠のうち少なくとも蝶番取付側の竪枠の内部に、竪枠の長手方向に沿って蝶番軸を嵌挿支持する、竪枠の厚さ方向に対して外開き用と内開き用の2つの溝が隣接してなる軸支持溝を形成したことを特徴とする。
【0006】
この金属枠を用いた扉は、竪枠のうち少なくとも蝶番取付側の竪枠の内部に、竪枠の長手方向に沿って蝶番軸を嵌挿支持する軸支持溝を形成するようにしているので、蝶番が扉の外表面に露出することがなく、外観をすっきり、美しく仕上げることができるとともに、金属製の竪枠の側壁が薄肉の場合でも蝶番軸を竪枠内で確固に支持できる。
【0007】
そして、軸支持溝を、竪枠の厚さ方向に対し、外開き用と内開き用の2つの溝を隣接して形成することにより、蝶番軸を左右いずれかの軸支持溝に選択して取り付けることで、同じ金属製扉フレームを用いて、かつ現場に合わせて扉を、選択的に、簡単に外開式又は内開式とすることができ、また、取付後においても蝶番軸を装着する位置を変えるだけで簡単に開き勝手方向を変更することができる。
【0008】
また、蝶番軸を、出没可能に構成することができる。
【0009】
これにより、蝶番軸を取り付けた状態で、扉の開口枠への取り付け、取り外しが、蝶番軸を出没させるだけで、簡単に行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属枠を用いた扉の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図10に、本発明の一実施例を示す。
図1は、化粧表面板5の一部を破断した扉全体を示す正面図で、この図において1は、扉Dを構成する竪枠で、これは蝶番を取り付ける蝶番側の竪枠1Aと、扉Dのノブやハンドルを取り付ける開放側の竪枠1Bとに分けられる。
この竪枠1は、特に限定されるものではないが、図3〜図4に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属を用いて所要の断面形状に押し出し成形し、これを所定の寸法に切断して竪枠1A,1Bとし、これを所定間隔に対向して配設するとともに、この竪枠1A,1B間の上下に横枠2A,2B、また、必要に応じて、その中間部に中間横枠3を配し、この竪枠1A,1Bと、これに突き合わせる横枠2A,2B及び中間横枠3との間をビスB,Bによりそれぞれ固定し、図1に示すように、扉Dの枠組みを行い、扉フレームとする。
【0012】
また、この扉フレームの竪枠1A,1Bと、横枠2A,2B及び中間横枠3にて囲まれる空間内に、ハニカム状、その他の形状をした断熱、あるいは防音を兼ねた補強材4を配設し、さらに、例えば、この扉Dの表裏両面に外表面が木製に見えるように、竪枠1A,1B、横枠2A,2B,中間横枠3及びハニカム状等の補強材4の表面に、木目様の化粧表面板5を設けて扉Dを構成する。
なお、この場合、化粧表面板5は板材でなくても、木目様のシール、例えば、木目模様を施した合成樹脂製のシールを採用することもできる。
また、図示の実施例では、竪枠1を、蝶番側の竪枠1Aと開放側の竪枠1Bとを異なる断面形状としたが、これに限定されることなく、蝶番側の竪枠1Aを開放側の竪枠1Bとしても用いることができ、この場合は、開放側の竪枠内には、後述する蝶番軸を配設しないものとする。
【0013】
この蝶番側の竪枠1Aは、図2及び図3(A)に示すように、その長手方向に亘って、外側片11,12を扉Dの厚さWより表裏に貼着する2枚の化粧表面板5,5の板厚分を差し引いた幅Woとなる間隔で互いに対向するように配設し、この外側片11,12の両端部において、外側片11,12間を連接するように内端片13、外端片14及び中仕切片15を配設し、この外側片11,12と内端片13、外端片14及び中仕切片15の5片にて断面形状が日字形になるように押し出し成形、あるいは引き抜き成形にて形成するとともに、この中仕切片15及び外端片14に、蝶番軸を嵌挿支持するための円弧形をした軸支持溝16a,16bを互いに対向するように形成し(この軸支持溝16a,16bは、参考例)、さらに、外端片14には軸支持溝16a,16b間に嵌挿した蝶番軸を固定するための固定用ビス孔18と、横枠2A,2B,中間横枠3をビスにて固定するための固定用ビス孔13H,14H,15Hを形成して構成する。
【0014】
この場合、内端片13の幅Woを、外側片11,12間のWoと等しくなるようにするが、外端片14の幅Wを、扉Dの厚さWと等しくなるように設定し、また、外端片14の両端部で、外側片11,12との連接角部を、図3に示すように、円弧形状14a,14aとし、この円弧形状の連接角部を除いて外側片11,12との連設面に段11a,12bを形成する。
この段11a,12aの深さは、扉の外表面に貼着する化粧表面板5の板厚さと等しくなるようにし、これにより外側片11,12の外表面に化粧表面板5,5を貼着したとき、化粧表面板5,5の表面と外端片14の両端面との連接面において段がつかず、面一となるようにする。
【0015】
また、開放側の竪枠1Bは、図3(B)に示すように、その長手方向に亘って、蝶番側の竪枠1Aの外側片11,12間の幅Woと同じ幅Woを有するように、互いに対向して配設した外側片11,12の両端部に、この外側片11,12間を連接するように内端片13と、外端片14とを配設し、この外側片11,12及び内端片13、外端片14の4片にて断面形状を偏平口字形になるように形成し、また、外端片14の外角部を円弧形状14a,14aとし、外側面に化粧シール6を嵌挿、貼着可能とする浅い溝14bを形成し、中間横枠3及び軸支持溝16a,16bを除いて他の構成は蝶番側の竪枠1Aと同様とする。
【0016】
このように形成される竪枠1A,1Bは、これを構成する扉Dの大きさに合わせて所定の寸法に切断され、横枠2A,2B及び中間横枠3を当接する位置に、ビスBを押通するためのビス用の孔14H,15H,13Hが形成される。
また、この孔14H,15H,13Hは、所定寸法に切断された竪枠1A,1Bの両端部位置に形成されるもので、外端片14、中仕切片15及び内端片13に、直線状に配列するように形成される。このうち、外端片14と中仕切15の孔14H,15Hは、ビスBを押通することができるとともに、ビスBを回動操作するドライバーをも挿入できるように、その孔径を定め、内端片13の孔13Hは、ビスBの本体部のみが挿入できるように、その孔径を定めるようにする。
【0017】
横枠2は、図6に示す実施例では、扉Dの上部に配設する上横枠2Aと扉Dの下部に配設する下横枠2Bとは構造が異なるようにしたが、この下横枠2Bに上横枠2Aと同じ構成のものを採用することもでき、扉Dの大きさによっては、図1、図6に示すように、上横枠2Aと下横枠2B間の中間位置に中間横枠3を配設する。
また、この横枠2の上横枠2A及び下横枠2Bは、竪枠1と同様、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属を用いて所要の断面形状、例えば、外側片21,22と、この外側片21,22の両端間に連接した内端片23及び外端片24の4片にて断面形状が偏平口字形となるように形成し、必要に応じて、内端片23、外端片24間の中間位置に1又は2以上の中仕切片25を配設するように押し出し成形、あるいは引き抜き成形にて一体に形成するようにする。
【0018】
また、上横枠2A、下横枠2B及び中横枠3の厚さ、例えば、対向する外側片21,22間の幅Woを、竪枠1の外側片11,12間の幅Woと等しくなるように形成し、これを所定の寸法に切断するようにする。
上横枠2A,下横枠2Bにも、その内端片23、外端片24及び中仕切片25の内側面に、竪枠1A,1B側から挿通するビスBを螺合するためのビス取付用溝部23M,24M,25Mを一体に形成し、このビス取付用溝部23M,24M,25Mに合わせて竪枠1側のビス孔14H,15H,13Hを形成するようにする。
【0019】
また、上横枠2Aには、図5(A)に示すように、外端片24の両側面に外側片21,22を突設し、外端片24の外側に自動閉戸機構取付溝28を形成し、これにより、この溝28内に、必要に応じて、自動閉戸機構(図示省略)を挿入配設することができるようにする。
【0020】
なお、中間横枠3は、上横枠2A又は下横枠2Bと同様の構成とすることもできるが、図6に示すように、対向する2つの外側片31,32と、内端片33、34の4片にて取り囲まれた簡単な断面偏平口字形とすることができ、この内側に配設した中間仕切片35にビス取付用溝部35Mを形成することができる。
【0021】
蝶番側の竪枠1A内に形成した軸支持溝16a,16bに嵌合する蝶番軸6は、図8に示すように、蝶番側の竪枠1Aの上下端部にそれぞれその軸心を同一線上となるようにして取り付ける。
これにより、扉Dは扉上下に取り付ける蝶番軸6,6を、従来のように扉Dの外に露出することなく、扉Dの蝶番側外部をすっきりさせて取り付けられるとともに、竪枠1A内の中央部に嵌挿、配設されるため、扉Dを外開き、内開きのいずれにもできるものとなる。
なお、この蝶番軸6は、特に限定されるものではないが、軸支持溝16a,16b内に埋設するように嵌挿し、固定用のビスにて固定し、スピンドル62を出没可能に配設した蝶番スピンドル部6Aと、蝶番スピンドル部6Aと対峙する位置の開口枠側に埋設固定し、蝶番スピンドル部6A側の突出したスピンドル62を嵌挿し、扉Dをこのスピンドル62を軸として開閉可能に支持する蝶番本体部6Bとからなるものを適用することができる。
【0022】
この蝶番スピンドル部6Aは、内部にスピンドル62を嵌挿するよう筒状に形成したスピンドルケース本体61とスピンドル62を備える。
そして、スピンドルケース本体61の開口端側の外周部に取付フランジ61aを一体に形成し、スピンドルケース本体61を軸支持溝16a,16b内に嵌挿したとき、この取付フランジ61aを軸支持溝16a,16bの端面に当接し、位置決めを行い、ビス孔18よりビスBを螺合し、固定する。これによりスピンドルケース本体61を軸支持溝16a,16bに埋設、固定する。
【0023】
また、スピンドルケース本体61内に出没可能に嵌挿するスピンドル62は、基端部に形成したかしめ軸62aを介して、内側にラック歯63aを形成したラック63と連結し、一体とするとともに、スピンドルケース本体61内に回転可能に支持したピニオン64と噛合し、ピニオン64をスピンドルケース本体61の外側から回転操作することにより、ラック63を介してスピンドル62をスピンドルケース本体61内にばね65の付勢力に抗して没入するようにする。
また、スピンドル62の先端を、スピンドルケース本体61内より突出させるには、スピンドルケース本体61の内底部とスピンドル62の下端間にばね65を配設し、ばね65の付勢力によってスピンドル62を常にスピンドルケース本体61の上端より突出するようにして行う。これにより、スピンドル62を常にスピンドルケース本体61の上端より突出するようにし、突出時、スピンドル62の先端が蝶番本体部6B内に嵌挿され、扉Dを開閉可能に支持できるように構成するものとする。
蝶番本体部6Bは、スピンドル62を嵌合支持するものであれば、特に構造は限定されるものではない。
【0024】
このように、スピンドル62をスピンドルケース本体61内に没するようにすることにより、蝶番本体部6Bとの係合が簡単に解除され、従来のように蝶番取付用のビスBを取り付け、取り外すことなく、扉Dを簡単に開口枠に精度良く取り付けられ、また、反対に簡単に取り外したりすることができる。
【0025】
以下、上記金属枠を用いた扉の組立順序を説明する。
所定寸法に切断した竪枠1A,1Bと横枠2A,2B及び中間横枠3を組み立てるには、まず、竪枠1A,1Bを扉Dの幅となる間隔に互いに対向するように配設し、この内側端面間に、詳しくは竪枠1A,1B間にその上下端部に上横枠2A,下横枠2Bを、また、必要に応じて、上下両横枠2A,2B間の中間位置に中間横枠3を配設し、上下両横枠2A,2B,中間横枠3の端面を竪枠1A,1Bの内側面に当接する。この場合、蝶番側の竪枠1Aには、竪枠1Aの上下端の軸支持溝16a,16b内に、予め蝶番スピンドル部6A,6Aを嵌挿し、それぞれビス止めにて固定しておく。
【0026】
そして、竪枠1に形成したビス用の孔14H,15H,13Hあるいは孔14H,13Hを介して、それぞれビスBを挿入して、上下両横枠2A,2Bのビス取付用溝部23M,24M,25Mに螺合することにより、竪枠1A,1Bと、上下両横枠2A,2B,中間横枠3とを一体に結合するようにする。
このようにして、対向する竪枠1A,1B間に2乃至3本以上の上下両横枠2A,2B,中間横枠3を固定して扉Dの枠組みを行った後、竪枠1A,1Bと上下両横枠2A,2B,中間横枠3にて囲まれる空間内に、必要に応じて、ハニカム状の補強材4,4を配設する。
その後、竪枠1A,1Bの外側片11,12に沿って、枠組みの表裏両面より木製の化粧表面板5,5を配設し、粘着して一体とする。
これにより、扉Dを組み立てたとき、この扉Dの上下端には蝶番スピンドル部6A,6Aが一体に組み立てられているので、この扉を蝶番スピンドル部6A,6Aのスピンドル62,62を、ばね65の付勢力に抗して没入させた状態で所定の開口枠F内に挿入した後、開口枠Fに配設した蝶番本体部6B内にスピンドルを突出させて嵌入することにより、扉Dを開口枠Fに開閉可能に取り付けられる。
【0027】
また、図10は、図1に示す実施例の扉Dに、ガラス板Gを填め込んだ窓枠Wを配設構成したものであるが、扉本体の構成は、図1に示す実施例と同様である。
【0028】
図4に示す竪枠1A,1Bの実施例は、同じ扉Dを用いて、開口枠に対して現場に合わせて、簡単に外開き用、内開き用のいずれにも選択的に変更し、片開き専用として対応できるようにしたものである。
この実施例においては、竪枠1Aは、図4(A)に示すように、対向する外側片11,12の両端部間、及びその中間位置において、互いに連接するように内端片13、外端片14及び中仕切片15を配設し、この外側片11,12と内端片13外端片14及び中仕切片15の5片にて断面形状が日字形になるように、図3に示す実施例と同じようにして押し出し成形、あるいは引き抜き成形にて形成する。
【0029】
そして、この中仕切片15、外端片14間に、蝶番軸を嵌挿支持するための2つの円形溝がその一部を重なるように繭形をした軸支持溝19a,19bを連設して形成し、外端片14には軸支持溝19a,19bのほぼ中間位置に固定用ビス孔18を形成し、これによりいずれか一方の軸支持溝19a、あるいは軸支持溝19bに、嵌挿した蝶番軸の蝶番スピンドル部6Aを固定することができるようにする。
また、横枠2A,2B,中間横枠3をビスにて固定するための固定用ビス孔13H,14H,15Hを形成し、その組立も図3に示す実施例と同じようにする。
【0030】
なお、図4(B)には、開放側の竪枠1Bの異なる実施例を示す。これは、断面形状の一部が異なるだけで、構成を同じくし、両開き用扉の場合にも、あるいは外開き、内開きの片開き用扉の場合にも選択的に使用することができる。
【0031】
以上、本発明の金属枠を用いた扉について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明の金属枠を用いた扉によれば、竪枠のうち少なくとも蝶番取付側の竪枠の内部に、竪枠の長手方向に沿って蝶番軸を嵌挿支持する軸支持溝を形成するようにしているので、蝶番が扉の外表面に露出することがなく、外観をすっきり、美しく仕上げることができるとともに、金属製の竪枠の側壁が薄肉の場合でも蝶番軸を竪枠内で確固に支持できるので、大形で重量のある扉にも適用することができ、また、扉の開閉操作を円滑に行える。
【0033】
そして、軸支持溝を、竪枠の厚さ方向に対し、外開き用と内開き用の2つの溝を隣接して形成することにより、蝶番軸を左右いずれの軸支持溝に選択して取り付けることで、同じ金属製扉フレームを用いて、かつ現場に合わせて扉を、簡単に外開式又は内開式とすることができ、また、取付後においても蝶番軸を装着する位置を変えるだけで簡単に開き勝手を変更することができる。
【0034】
また、蝶番軸を、出没可能に構成するようにすることにより、蝶番軸を取り付けた状態で、扉の開口枠への取り付け、取り外しが、蝶番軸を出没させるだけで、簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属枠を用いた扉の実施の形態を示す一部破断した正面図である。
【図2】 蝶番側の竪枠と上横枠との組立説明図である。
【図3】 蝶番軸を中央に配設し、両開き用とした扉の竪枠を示し、(A)は蝶番側の竪枠の断面図、(B)は開放側の竪枠の断面図である。
【図4】 片開き用扉の竪枠を示し、(A)は蝶番側の竪枠の断面図、(B)は開放側の竪枠の断面図である。
【図5】 横枠を示し、(A)は上横枠の断面図、(B)は下横枠の断面図である。
【図6】 中間横枠を示す断面図である。
【図7】 竪枠と横枠を組み立てた状態を示し、(A)は両開き用とした扉の平面図、(B)は片開き用扉の平面図である。
【図8】 蝶番スピンドル部を示す断面図である。
【図9】 本発明の金属枠を用いた扉を開口枠に取り付けた状態を示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図10】 本発明の金属枠を用いた扉の他の実施の形態を示す正面図である。
【符合の説明】
D 扉
B ビス
1 竪枠
1A 蝶番側の竪枠
1B 開放側の竪枠
11,12 外側片
13 内端片
14 外端縁
15 中仕切片
16a,16b 軸支持溝
13H,14H,15H 取付用孔
19a,19b 軸支持溝
2 横枠
2A 上横枠
2B 下横枠
21,22 外側片
23 内端片
24 外端縁
25 中仕切片
23M,24M,25M ビス取付用溝部
3 中間横枠
31,32 外側片
33 内端片
34 外端縁
4 ハニカム状等の補強材
5 化粧表面板
6 蝶番軸
6A 蝶番スピンドル部
6B 蝶番本体部
61 スピンドルケース本体
62 スピンドル
Claims (2)
- 金属製の竪枠と横枠とを以て枠組みし、その表面に化粧表面板を設けて一体とした金属枠を用いた扉において、前記竪枠のうち少なくとも蝶番取付側の竪枠の内部に、竪枠の長手方向に沿って蝶番軸を嵌挿支持する、竪枠の厚さ方向に対して外開き用と内開き用の2つの溝が隣接してなる軸支持溝を形成したことを特徴とする金属枠を用いた扉。
- 蝶番軸を、出没可能としたことを特徴とする請求項1記載の金属枠を用いた扉。
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