JP3937406B2 - グラビティヒンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアを回動した位置から自重により定位置に自動的に復帰できるよう該ドアを保持するグラビティヒンジに関し、特に厚さ方向の中心線上でドアを吊り込むようにした中心吊りのグラビティヒンジに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビティヒンジは、ドアを開閉する際、該ドアの自重により自動的に開放位置若しくは閉鎖位置の定位置に復帰するので、トイレットブースやカウンター等に好適に使用されている。この種のグラビティヒンジとしては、ドアの上下端の厚さ方向の中心線上に取付孔を形成し、該取付孔に受金具を嵌め込んでドアを吊り込む形式の中心吊りグラビティヒンジや翼板を扉枠とドアの板面や端面等に固定してドアを吊り込む形式の丁番形グラビティヒンジ等が広く用いられており、美感や外観を重視するようなトイレットブース等においては、受金具等があまり目立たない中心吊りグラビティヒンジが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般的に使用されているトイレットブースは、ドアバネルの厚さが約40mmであり、この程度の厚みがあればドアの上下端に取付孔を形成し該取付孔に受金具を挿入しても何等支障はないが、近年厚さ約20mm程度の薄いドアバネルも使用されてきており、そのように薄厚のドアバネルの場合には取付孔を設けて受金具を装着することは強度上問題があった。その上、充分な強度を確保するためには、上記取付孔はドアの吊元側の端縁から少し内方に寄った位置に設けなければならないので、ドアを開閉する際、ドアの回動中心と扉枠間に間隙を生じやすく、手指等を挟み込む原因にもなっていた。そのような事情により、薄厚のドアバネルの場合には、丁番形グラビティヒンジを用いたり、別体のブラケット等を用いなければならず、体裁の良い構造は得にくかった。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−124174号公報(第1図、第6図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、上述のように薄厚のドアバネルを有するドアであっても中心吊りすることができ、体裁も良く、吊元側に手、指等を挟み込むような大きな間隙を生じないようにできる中心吊り形式のグラビティヒンジを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ドアの上部を上部受金具と上部支持金具で保持しかつ下部を下部受金具と下部支持金具で保持して扉枠に回動自在に取り付け、回動した位置から定位置にドアが自重で復帰するよう上記下部支持金具と下部受金具をカム体を介して組み合せたグラビティヒンジにおいて、ドアの上縁、下縁に受溝を形成し、上記上部及び下部受金具にそれぞれ該受溝に嵌着可能な取付板を設け、下部受金具の取付板の中心線上に下方に向けて上記カム体を有する保持筒を形成し、上部受金具の取付板の中心線上に上方に向けて取付軸を設け、上記下部受金具と上部受金具の各取付板を上記受溝に嵌着してドアに固定したことを特徴とするグラビティヒンジが提供され、上記課題が解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は各種の構造物に適用することができるが、図1にはトイレットブースに本発明を適用した一実施例が示されている。図において、ドア(1)は、壁(2),(2)と笠木(3)で形成された開口部(4)に設置され、扉枠(5)に取り付けたグラビティヒンジの上部支持金具(6)及び下部支持金具(7)と、ドア(1)に取り付けた上部受金具(8)及び下部受金具(9)により回動自在に保持され、該ドアの厚さは約20mm程度に形成されている。
【0008】
上記ドア(1)の上縁、下縁には受溝(10),(10) が設けられている。該受溝(10)はドアパネル(11)に直接形成してもよいが、好ましくは側壁(12),(12) により受溝(10)を外方側に形成した縁フレーム(13)を設け、該縁フレーム(13)の側壁(12),(12) の内方側に形成された取付溝(14)をドアパネル(11)の上縁、下縁に嵌着し、取付ねじ(図示略)で固定することにより、上縁、下縁のほぼ全長にわたって形成されている。なお、上記側壁(12),(12) を連結する基板(15)の上記取付溝(14)側には、上記ドアパネル(11)の端面との間に水滴を流下させる程度の溝空間を生じさせるよう微少隆起条(16)が形成されている。
【0009】
上記上部受金具(8)及び下部受金具(9)には、上記受溝(10)に嵌着可能な取付板(17),(18) が形成され、該取付板(17),(18) は適宜の長さに形成されている。なお、該取付板の幅を上記受溝(10)の側壁(12),(12) にほぼ内接する幅に形成し、各取付板を直接受溝(10)に嵌着させることもできるが、図に示す実施例では、下部受金具(9)の取付板(18)を受溝(10)に直接挿入させ、一方上部受金具(8)の取付板(17)は該受溝(10)に嵌着するスペーサー(19)を介して受溝(10)に取り付けられている。この際、取付板(17)は、図2に示すように、受溝(10)よりも広幅であるが縁フレーム(13)から突出しない幅を有している。
【0010】
上記下部受金具(9)は、取付板(18)のほぼ中心線上に中心を有し下方に向けて突出する保持筒(20)を形成してあり、該保持筒(20)内には、下部支持金具(7)に設けたカム体(21)及び取付軸(22)に係合するカム体及び軸孔(図示略)が形成されているが、取付軸(22)を下部受金具(9)側に設け、軸孔を下部支持金具(7)側に形成してもよい。なお、上記保持筒(20)の上面両側にはドアパネル(11)の吊元側エッジに設けられるエッジ部材(23)の下端が当接するよう係止縁(24)を形成してあり、上記取付板(18)には縁フレーム(13)に固定するための取付孔(25)…が形成されている。
【0011】
上記上部受金具(8)は、取付板(17)のほぼ中心線上に中心を有し上方に向けて突出する取付軸(26)を有し、該取付軸(26)は上部支持金具(6)の軸孔(27)に挿入される。上記取付板(17)には上記スペーサー(19)に設けたねじ孔(28)…にねじ(図示略)をねじ着するための取付孔(29)…を設けてあり、取り付けを容易にするためスペーサー(19)に設けた位置決めピン(30)の頭部(31)を挿入できる拡大孔(32)及び該位置決めピン(30)の首部(33)を係合する係止孔(34)が連設されている。なお、図5に示すように頭部を有しないピン(35)を上記スペーサー(19)に突設し、該ピン(35)が係合する係合孔(36)を取付板(17)に設けてもよい。上記スペーサー(19)には、上記縁フレーム(13)に固定するための取付孔(37)…が設けられている。
【0012】
而して、上記グラビティヒンジを取り付けるには、扉枠(5)に上部支持金具(6)と下部支持金具(7)を取り付け、ドアの上縁及び下縁の受溝(10),(10) にそれぞれスペーサー(19)及び下部受金具(9)の取付板(18)を挿入してねじ(図示略)で固定する。そして、下部受金具(9)のカム体(図示略)を上記下部支持金具(7)のカム体(21)に係合させると共に取付軸(22)を下部受金具(9)の軸孔(図示略)に挿入する。また、上部受金具(8)の取付軸(26)を上部支持金具(6)の軸孔(27)に挿入した後、該上部受金具(8)を引き下げ、上記位置決めピン(30)の首部(33)を係止孔(34)に係合させ、取付孔(29)にねじ(図示略)を挿入して上部受金具(8)を上記スペーサー(19)に固定すればよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され、ドアの上縁、下縁に受溝を形成し、該受溝に上部受金具と下部受金具の取付板を直接若しくはスペーサーを介して嵌着してドアに固定し、該上部受金具に突設した取付軸を上部支持金具の軸孔に挿入すると共に下部受金具に下方に向けて突設した保持筒内のカム体を下部支持金具のカム体と係合させるようにしたので、ドアパネルが40mm若しくはそれ以上又は約20mm程度の薄厚であっても、従来のように該ドアパネルにはグラビティヒンジの各部材を嵌入するための取付孔等を設ける必要がないから、しっかりとドアを中心吊りすることができ、また上記上部受金具や下部受金具の取付板等がドアの正面側にほとんど表われないので、体裁がよく、外観をきれいに仕上げることができ、その上、上記取付板をドアの吊元側に寄せて取り付けることができるから、ドアを回動した際に手指等を挟み込みにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したドアの一例を示す斜視図。
【図2】一部を省略した拡大縦断面図。
【図3】一部を省略した部分拡大正面図。
【図4】分解斜視図。
【図5】上部受金具の他の実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ドア
6…上部支持金具
7…下部支持金具
8…上部受金具
9…下部受金具
10…受溝
13…縁フレーム
17, 18…取付板
19…スペーサー
20…保持筒
21…カム体
22, 26…取付軸
Claims (3)
- ドアの上部を上部受金具と上部支持金具で保持しかつ下部を下部受金具と下部支持金具で保持して扉枠に回動自在に取り付け、回動した位置から定位置にドアが自重で復帰するよう上記下部支持金具と下部受金具をカム体を介して組み合せたグラビティヒンジにおいて、ドアの上縁、下縁に受溝を形成し、上記上部及び下部受金具にそれぞれ該受溝に嵌着可能な取付板を設け、下部受金具の取付板の中心線上に下方に向けて上記カム体を有する保持筒を形成し、上部受金具の取付板の中心線上に上方に向けて取付軸を設け、上記下部受金具と上部受金具の各取付板を上記受溝に嵌着してドアに固定したことを特徴とするグラビティヒンジ。
- 上記受溝はドアの上縁、下縁に沿って設けた縁フレームに形成されている請求項1に記載のグラビティヒンジ。
- 上記上部受金具は上記受溝に挿入されるスペーサーを介して該ドアに固定される請求項1または2に記載のグラビティヒンジ。
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2003
- 2003-01-30 JP JP2003022338A patent/JP3937406B2/ja not_active Expired - Lifetime
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