本発明に係る画像記録システム(以下、本システムという)は、それぞれが独立して画像の記録が可能な第1及び第2の画像記録装置を並べて配置してなり、且つ、第1画像記録装置から出力される記録物と第2画像記録装置から出力される記録物とを収容する共通の記録物収容部を、第1画像記録装置の隣(第2画像記録装置がある側とは反対の隣)に並べて配置してなるものとする。すなわち、本システムでは、記録物収容部、第1画像記録装置、第2画像記録装置の順に並べて配置されている。なお、第1画像記録装置と第2画像記録装置との間に2つを接続するための筐体を備えてもよい。また、第1画像記録装置及び第2画像記録装置は、複写機能、プリンタ機能、ネットワークプリンタ機能などを通常の複合機と呼ばれる機器と同様に備え、それらの機能によって画像記録を実行するものとするが、それらの機能の全部を備える必要はない。
本システムでは、電源制御手段を備えるものとする。この電源制御手段は、2つの画像記録装置それぞれの動作状態に基づいて、いずれか一方の画像記録装置を節電状態(省エネモード)に移行させ、他方の画像記録装置を記録可能な状態に待機させるように制御する手段である。この電源制御手段により、2つの画像記録装置のうち、いずれか一方が節電状態、他方が記録可能な状態で待機され、省エネ化と処理の迅速化を両立させることができる。
以下、本システムについて、図1乃至図8を参照しながら、第1画像記録装置がモノクロ画像記録機能を有するカラー画像記録装置であり、且つ第2画像記録装置がモノクロ画像記録装置である場合を例示して説明する。但し、これ以外の場合でも、第1画像記録装置と第2画像記録装置とが、異なる出力速度等の性能をもっているか、或いはカラー/モノクロやハードディスク(HDD)への記録の可能/不可能、ファクシミリ機能の有無などといった異なる機能を有しているかであれば、好適に適用可能である。また、図9及び図10を参照して例示するが、それらを入れ換えたシステム、すなわち第2画像記録装置がモノクロ画像記録機能を有するカラー画像記録装置であり、且つ第1画像記録装置がモノクロ画像記録装置であるシステムであっても、本発明は適用可能であり、この場合、モノクロ画像記録装置におけるFCOT(ファーストコピータイム:最初に印刷され記録物として収容部に出力されてくるまでの時間)が早くなるなど利点が見込める。さらに、第1画像記録装置と第2画像記録装置とが全く同機種であっても当然適用は可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録システムの配置構成を示した外観図で、図2は、図1の画像記録システムにおける画像データのやり取りを説明するための概略図、図3は、図1の画像記録システムの一構成例を示す概略断面図、図4は、図3の画像記録システムにおけるカラー画像形成部の拡大図である。
図1乃至図4で例示した本システムは、中央部に配置されたカラー画像記録装置1と、このカラー画像記録装置1の前方側(図では左側)に配置された最終処理装置3と、カラー画像記録装置1の後方側(図では右側)に配置されたモノクロ画像記録装置2、及び、このモノクロ画像記録装置2の上部に搭載されたカラー画像読取装置(カラースキャナ)4とで構成されている。
本実施の形態で使用されるカラー画像記録装置1の処理速度は、約70枚/分程度であるのに対して、モノクロ画像記録装置2の処理速度は、約110枚/分程度であるものとして例示する。すなわち、前後に配置された2台の画像記録装置であるカラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2は、処理速度が遅いカラー画像記録装置1が前に配置され、処理速度が速いモノクロ画像記録装置2が後に配設されている。
また、カラー画像記録装置1の前部から上部にかけて、このカラー画像記録装置1に覆い被さるように、側面視逆L字形状のバイパス搬送路装置5が配置されており、モノクロ画像記録装置2の前部とカラー画像記録装置1の後部との間には、筐体状の搬送路接続装置6が配置されている。また、バイパス搬送路装置5の上方には、上部収容トレイ77が備えられている。そして、モノクロ画像記録装置2の前部は搬送路接続装置6を介してカラー画像記録装置1の後部と接続され、モノクロ画像記録装置2の前部はバイパス搬送路装置5を介して最終処理装置3の後部と接続されている。
すなわち、ここで例示する本システムは、図3に示すように、前方から後方にかけて、最終処理装置3、バイパス搬送路装置5、カラー画像記録装置1、搬送路接続装置6、及びモノクロ画像記録装置2が直列に接続された構成となっている。そして、カラー画像記録装置1の上部は、上部収容トレイ77を備えたバイパス搬送路装置5で占有され、モノクロ画像記録装置2の上部には、バイパス搬送路装置はなく、カラー画像読取装置4で占有されている。
そして、図2で例示したように、カラースキャナ4で原稿載置トレイ40に載置して自動原稿紙送りによって読み取った画像データや、外部PCから入力された画像データは、カラー画像記録装置1内又はモノクロ画像記録装置2内のデータ格納領域に一時的に格納され、画像記録処理が実行され、場合によって代替画像記録処理が実行される。また、モノクロ画像記録装置2の上部手前側には、モノクロ側操作パネル202が配置されており、カラー画像記録装置1の上部手前側には、カラー側操作パネル201が配置されている。
なお、本実施の形態では、カラー画像読取装置4としては、一般的なカラースキャナが用いられていることを述べるに留め、カラー画像読取装置4の構成に関する説明は省略する。また、カラー画像読取装置4をカラー画像記録装置1に上に設け、モノクロ画像読取装置をモノクロ画像記録装置2の上に設けるなど、他の構成も適用可能である。
また、本システムの構成として、上記のカラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2とが並べて配置され、各画像記録装置に対して記録済記録媒体(記録物)を共通に収容する記録物収容部(共通収容部ともいう)が設けられると共に、上記のモノクロ画像記録装置2に対しては、モノクロ画像記録装置2の記録物を専用に収容する専用収容部(バイパス搬送路装置5の上方に備えられた上部収容トレイ77で例示)が、上記の共通収容部と選択的に使用可能に設けられるようにしてもよい。
このようにすることにより、カラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2とを併用する分散処理時には、カラー画像記録装置1の記録物と、モノクロ画像記録装置2の記録物とを、共に、共通収容部に収容するようにすることができる。また、カラー画像記録装置1を単独で使用するカラー機単独処理時には、カラー画像記録装置1の記録物を、共通収容部に収容できる。また、モノクロ画像記録装置2を単独で使用するモノクロ機単独処理時には、モノクロ画像記録装置2の記録物を、専用収容部に収容できる。これにより、二つの画像記録ジョブの並列処理を、円滑に行うことができる。
以下、これら各装置の構成について簡単に説明する。
カラー画像記録装置1は、図3に示すように、4組の画像形成ユニット10BK、10C、10M、10Y、中間転写ユニット20、転写定着ユニット30、第1記録用紙収納トレイ41、第2記録用紙収納トレイ42、第3記録用紙収納トレイ43、第4記録用紙収納トレイ44、水平供給搬送路51、水平排出搬送路52、第1垂直搬送路53、第2垂直搬送路54、第3垂直搬送路55、水平帰還搬送路56、及び、排出収容トレイ77で構成されている。この排出収容トレイ77は、後部のモノクロ画像記録装置2で画像処理されたモノクロ画像の記録用紙を収容するトレイ(但し、通常は共通収容部に収容される)になる。
ところで、カラー画像記録装置1は、カラー画像を記録媒体である記録用紙Pに記録する方法として、タンデム式を採用している。このタンデム式は、半導電性の無端ベルトを回転自在に設け、互いに異なる色相の可視化像を個別に形成する複数の画像形成部を、無端ベルトの外周面の移動方向に沿って一列に配設し、無端ベルトが少なくとも1回転する間に1枚のカラー画像を形成する方式である。
上記のタンデム式には、従来から、各画像形成部で形成された各色相の可視化像を、無端ベルトの外周面において重ね合わせた後に、記録用紙P上に転写する中間転写方式と、無端ベルトの外周面に吸着して搬送される記録媒体の表面に、各画像形成部で形成された各色相の可視化像を順次転写する転写搬送方式とが存在する。
ところが、上記のタンデム式において、最近、上記の中間転写方式や転写搬送方式とは異なる新たな方式が採用されており、上記のカラー画像記録装置1においても、この新たな方式が採用されている。この新たな方式のタンデム式は、上記したカラー画像記録装置1を構成する構成要素の内、4組の画像形成ユニット10BK、10C、10M、10Y、中間転写ユニット20、及び、転写定着ユニット30により構成されている。図4には、この新たな方式のタンデム式の構成を例示している。
図4において、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10BKは、それぞれ、感光体ドラム11の周囲に帯電ローラ12、レーザー光照射手段13、現像器14、クリーナー16を配設しており、これらの各ユニットの現像器にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色トナーTが収容されている。
中間転写ユニット20は、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルトテンションローラ23、感光体ドラム11と中間転写ベルト21間に電界を与えて感光体ドラム11から中間転写ベルト21上にトナーTを電界転写するための1次転写ローラ24、中間転写ベルト21上の転写残留トナーTをクリーニングするための中間転写ベルトクリーニングユニット25、中間転写ベルト21から転写定着ローラ31へトナーTを転写するための2次転写バックアップローラ26等から構成されている。この内、中間転写ベルト21は、中間転写ベルト駆動ローラ22と中間転写ベルトテンションローラ23に懸架され、図示されていない駆動手段と中間転写ベルト駆動ローラ22により、矢印の方向に回転駆動される。
転写定着ユニット30は、転写定着ローラ31、この転写定着ローラ31を加熱するための内部熱源である加熱ランプ36、加圧ローラ32、及び、温度検知部材34等からなる。更に、これらに追加して、転写定着ローラ31上で加熱溶融されたトナーTを転写定着ローラ31上で圧熱する圧熱ローラ33、この圧熱ローラ33を内部より加熱するための熱源である加熱ランプ37及び、圧熱ローラ33の温度検知を行うための温度検知部材35等が設けられている。また、記録用紙Pが、図示しない用紙搬送部材により、転写定着ローラ31と加圧ローラ(加圧部材)32との接触部分である転写定着ニップまで搬送される。
上記の転写定着ユニット30に使用されている転写定着ローラ31は、転写定着ローラ上でトナーTを加熱溶融するために、その内部に加熱源の加熱ランプ36を有しており、転写定着ローラ31はその表面温度が120℃〜180℃程度の範囲で一定温度に加熱制御される。この温度は、トナー材料やプロセス速度、転写定着ローラ31と加圧ローラ32との接触部分である転写定着ニップのニップ幅やその荷重条件等により最適な値に設定される。
このような構成を有する上記の新たな方式のタンデム式カラー画像記録装置では、まず、1次転写ローラ24を用いて、感光体ドラム11から中間転写ベルト21上に可視化像を転写する。そして、この中間転写ベルト21に転写された可視化像を更に転写定着ローラ31へ転写した後、この転写定着ローラ31に転写された可視化像を記録用紙Pに転写すると共に定着させることを特徴としている。すなわち、上記の新たな方式のタンデム式では、記録用紙Pに可視化像を転写すると同時に定着させているので、従来用いられていた定着部を必要としない。そのため、定着部の設置スペースを削減することができる利点がある。
しかしながら、上記の新たな方式のタンデム式カラー画像記録装置では、転写定着ユニット30の転写定着ローラ31は、上記したように、転写定着ローラ上でトナーTを加熱溶融するために、その表面温度が20℃〜180℃程度の範囲で一定温度に加熱制御されている。そこで、この加熱された中間転写ベルト21が画像形成ユニット10Yの位置へ移動して、この中間転写ベルト21の熱により、画像形成ユニット10Yの感光体ドラム11に付着されているトナーTを溶融する等の悪影響を及ぼす恐れがある。
そこで、中間転写ベルト21の熱が画像形成ユニット10Yに悪影響を及ぼさないようにするために、転写定着ローラ31を通過した中間転写ベルト21が画像形成ユニット10Yの位置へ移動するまでに、中間転写ベルト21を放熱させる必要がある。そのため、上記の新たな方式のタンデム式では、図4に示すように、中間転写ベルト21における、転写定着ユニット30の転写定着ローラ31から、一番手前にある画像形成ユニット10Yまでのベルトの移動距離が可能な限り長くなるような位置に、転写定着ユニット30の転写定着ローラ31を配設している。
すなわち、前方に配設された中間転写ベルトテンションローラ23と後方に配設された中間転写ベルト駆動ローラ22とに張設された中間転写ベルト21の上側に、前方から後方にかけて、画像形成ユニット10Y、画像形成ユニット10M、画像形成ユニット10C、及び、画像形成ユニット10BKが配設されており、これらの画像形成ユニットの配設に対して、中間転写ベルト21の下側の前方寄りに、転写定着ユニット30を配設することにより、転写定着ローラ31から、一番手前の画像形成ユニット10Yまでの中間転写ベルト21の移動距離が、機構上、可能な範囲で最も長くなるようにしている。
上記のカラー画像記録装置1において、記録用紙Pを収納用する記録用紙収納トレイの構成及び配設は、次のようになされている。中間転写ユニット20は、上記したように、前方に配設された中間転写ベルトテンションローラ23と後方に配設された中間転写ベルト駆動ローラ22とに張設されて配設されているが、第1記録用紙収納トレイ41と第2記録用紙収納トレイ42とは、この中間転写ユニット20の下方に、前後に水平に配設されている。
また、第1記録用紙収納トレイ41及び第2記録用紙収納トレイ42と、中間転写ユニット20との間には、前述の画像転写手段に相当する転写定着ユニット30が、前方寄りに、すなわち、第1記録用紙収納トレイ41の上方に配設されている。そして、第1記録用紙収納トレイ41及び第2記録用紙収納トレイ42の下方に、第3記録用紙収納トレイ43が配設され、この第3記録用紙収納トレイ43の下方に、第4記録用紙収納トレイ44が配設されている。
この内、第1記録用紙収納トレイ41と第2記録用紙収納トレイ42とは、構造及び大きさが同じであり、第3記録用紙収納トレイ43と第4記録用紙収納トレイ44とは、構造及び大きさが同じである。また、第3記録用紙収納トレイ43及び第4記録用紙収納トレイ44の前後方向の長さは、第1の記録媒体収納部の前端部から第2の記録媒体収納部の後端部までの長さと略等しくなっている。また、上記の各記録用紙収納トレイ41,42,43,44の幅は、全て同じである。また、上記の各記録用紙収納トレイ41,42,43,44は、カラー画像記録装置1の側面(図4では、手前側の面)から、カラー画像記録装置1の内部に着脱することができる。
上記の第1記録用紙収納トレイ41及び第2記録用紙収納トレイ42は、A4及びA4よりも小さいサイズの記録用紙Pを収納する記録用紙収納トレイであり、第3記録用紙収納トレイ43及び第4記録用紙収納トレイ44は、最大がA3サイズまでの記録用紙Pを収納する記録用紙収納トレイである。また、上記の各記録用紙収納トレイ41,42,43,44には、収納されている記録用紙Pの有無を検知する記録用紙検知センサが、それぞれ備えられている。
また、上記の第1記録用紙収納トレイ41、第2記録用紙収納トレイ42、第3記録用紙収納トレイ43、及び、第4記録用紙収納トレイ44の後部の上端には、記録用紙Pをトレイの内部から外へ搬出するための搬出口路として、それぞれ、第1搬出口路、第2搬出口路、第3搬出口路、及び、第4搬出口路が設けられている。これらの各搬出口路には、記録用紙搬出用のローラが備えられており、各用紙収納トレイから記録用紙Pを搬出する際には、図示されていない駆動手段によりこれらの記録用紙搬出用のローラが駆動されて、記録用紙Pが搬出される。
上記のカラー画像記録装置1において、記録用紙Pを搬送する搬送路は、次のように構成されている。すなわち、記録用紙Pへの文字や図形の記録は、転写定着ユニット30の転写定着ローラ31と加圧ローラ32とが接触して形成される転写定着ニップで行われるので、この転写定着ニップへ記録用紙Pを搬送する必要がある。そのため、この転写定着ニップへ記録用紙Pを搬送して供給する水平供給搬送路51は、転写定着ユニット30の転写定着ニップから後方に向かって水平に延びるように形成されている。また、転写定着ニップから記録用紙Pを搬送して排出する水平排出搬送路52は、転写定着ユニット30の転写定着ニップから前方に向かって水平に延びるように形成されている。この水平排出搬送路52は、後述するバイパス搬送路装置5の前部に接続され、この部分を介して同じく後述する最終処理装置3に接続される。
また、第1垂直搬送路53は、第1記録用紙収納トレイ41と第2記録用紙収納トレイ42との間から上方に向かって形成されており、この第1垂直搬送路53の上端部は、水平排出搬送路52の途中部に接続されている。また、第2垂直搬送路54は、第2記録用紙収納トレイ42の後方から上方に向かって形成されており、この第2垂直搬送路54の上端部は、水平排出搬送路52の後端部に接続されている。これらの各搬送路は、後述するように、各記録用紙収納トレイ41,42,43,44から、記録用紙Pを転写定着ユニット30へ供給したり、供給された記録用紙Pを排出したりするのに用いられる。
そのため、上記の第1垂直搬送路53には、第1記録用紙収納トレイ41の第1搬出口路が接続されており、第2垂直搬送路54には、第2記録用紙収納トレイ42の第2搬出口路、第3記録用紙収納トレイ43の第3搬出口路、及び、第4記録用紙収納トレイ44の第4搬出口路が接続されている。
また、第3垂直搬送路55は、水平供給搬送路51から分岐して下方に向かって第1記録用紙収納トレイ41及び第3記録用紙収納トレイ43の前方に形成されている。この第3垂直搬送路55が水平供給搬送路51から分岐する部分には、搬送路切替レバー58が設けられている。また、水平帰還搬送路56は、第1記録用紙収納トレイ41と転写定着ユニット30との間に、上記の第3垂直搬送路55の上部から分岐して後方に向かって水平に形成されており、この水平帰還搬送路56の後端は、第1垂直搬送路53の途中部に接続されている。この水平帰還搬送路56が第3垂直搬送路55から分岐する部分には、搬送路切替レバー59が設けられている。これらの第3垂直搬送路55及び水平帰還搬送路56は、記録用紙Pの両面に文字や図形等を記録できるようにするために、設けられている。
上記した水平供給搬送路51、水平排出搬送路52、第1垂直搬送路53、第2垂直搬送路54、第3垂直搬送路55、及び、水平帰還搬送路56には、図示されていない駆動手段により駆動されるローラやガイド(図示されていない)が備えられており、これらのローラやガイドにより、記録用紙Pが搬送される。
次に、モノクロ画像記録装置2について説明する。モノクロ画像記録装置2は、モノクロの文字や図形等を記録用紙Pに記録するものである。図3において、モノクロ画像記録装置2は、モノクロ画像形成ユニット60、定着ユニット63、第1記録用紙収納トレイ141、第2記録用紙収納トレイ142、第3記録用紙収納トレイ143、第4記録用紙収納トレイ144、水平供給搬送路151、水平排出搬送路152、第1垂直搬送路153、第2垂直搬送路154、第3垂直搬送路155、水平帰還搬送路156、及び、画像処理されたモノクロ画像の記録用紙を収容する排出収容トレイ157で構成されている。
上記のモノクロ画像記録装置2では、上記したカラー画像記録装置1と異なり、モノクロ画像形成ユニット60には定着機能は含まれず、別に、定着ローラ64と加圧ローラ65とで構成される定着ユニット63が独立して存在している。また、上記のモノクロ画像形成ユニット60には、前述の画像転写手段に相当する感光体ドラム61と加圧ローラ62とで構成される部分が備えられており、感光体ドラム61の表面に形成されたモノクロ画像が、記録用紙Pに転写される。
上記のモノクロ画像記録装置2は、上記したカラー画像記録装置1において、転写定着ユニット30を感光体ドラム61と加圧ローラ62に置き換えることにより構成可能である。すなわち、上記のモノクロ画像記録装置2における記録用紙Pを収納する記録用紙収納トレイ及び記録用紙Pを搬送する搬送路は、上記したカラー画像記録装置1の記録用紙収納トレイ及び搬送路と、その構成や配設が、全く同じである。従って、これらに関する説明を省略する。但し、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152は、カラー画像記録装置1とは異なり、後述するバイパス搬送路装置5の後端部に接続され、このバイパス搬送路装置5を介して後述する最終処理装置3に接続される。なお、図3において、モノクロ画像記録装置2における記録用紙Pを収納する記録用紙収納トレイや記録用紙Pを搬送する搬送路に関する部分は、百番台の番号で表示されており、これらの番号の下2桁の数字が、カラー画像記録装置1における該当部分の番号と同じである。
次に、搬送路接続装置6について説明する。搬送路接続装置6は、モノクロ画像記録装置2の前部に装着されて使用され、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152により搬送された記録用紙Pを、カラー画像記録装置1に装着されているバイパス搬送路装置5の後端部に搬送する機能を備えている。
そのため、この搬送路接続装置6には、バイパス上昇搬送路71が備えられている。このバイパス上昇搬送路71の後端部は、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152の前端部に接続される。また、このバイパス上昇搬送路71は、後端部が水平な搬送路を形成し、この後端部から途中部にかけて上方へ円弧状に曲がり、途中部は垂直な搬送路を形成しており、この途中部から前端部にかけて前方へ円弧状に曲がり、前端部は水平な搬送路を形成している。上記のバイパス上昇搬送路71には、図示されていない駆動手段により駆動されるローラやガイド(図示されていない)が備えられている。
上記の搬送路接続装置6では、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152から渡された記録用紙Pは、バイパス上昇搬送路71の後端部により前方へ水平に短い距離を搬送された後、バイパス上昇搬送路71の途中部により下方から上方へ搬送され、更に、バイパス上昇搬送路71の前端部により前方へ水平に短い距離を搬送される。
次に、バイパス搬送路装置5について説明する。このバイパス搬送路装置5は、カラー画像記録装置1の前部から上部にかけてカラー画像記録装置1に覆い被さるように装着されている。このバイパス搬送路装置5は、搬送路接続装置6のバイパス上昇搬送路71から渡された記録用紙Pを、最終処理装置3に搬送する。また、カラー画像記録装置1の水平排出搬送路52から排出されて渡された記録用紙Pを、最終処理装置3に搬送する。
そのため、このバイパス搬送路装置5には、バイパス水平搬送路72、バイパス下降搬送路73、後主搬送路74、及び、前主搬送路75が備えられている。バイパス水平搬送路72の後端部には、搬送路接続装置6のバイパス上昇搬送路71の前端部が接続され、バイパス水平搬送路72の前端部は、バイパス下降搬送路73の上端部に接続され、バイパス下降搬送路73の下端部は、後主搬送路74と前主搬送路75の接続部分である主搬送路合流途中部76に合流して接続される。また、前主搬送路75の後端部には、カラー画像記録装置1の水平排出搬送路52の前端部が接続される。上記のバイパス水平搬送路72、バイパス下降搬送路73、後主搬送路74、及び、前主搬送路75には、図示されていない駆動手段により駆動されるローラやガイド(図示されていない)が備えられている。
また、バイパス搬送路装置5の筐体の上面部分と、バイパス搬送路装置5のバイパス水平搬送路72の一部及びバイパス下降搬送路73の一部とは、一体で構成されてバイパス搬送路開放部50aを形成している。このバイパス搬送路開放部50aは、このバイパス搬送路開放部50aの前端部下端に設けられた支点50bを中心にして、上方に開閉可能である。そのため、バイパス水平搬送路72やバイパス下降搬送路73で生じた記録用紙Pのジャムに対する処置やメインテナンス等を容易に行うことができる。
上記のバイパス搬送路装置5では、搬送路接続装置6のバイパス上昇搬送路71によりバイパス水平搬送路72へ渡された記録用紙Pは、バイパス水平搬送路72により前方に向かって水平に搬送され、バイパス下降搬送路73により下方に向かって垂直に搬送され、主搬送路合流途中部76で前主搬送路75に渡され、前主搬送路75により水平に前方へ搬送されて最終処理装置3に渡される。他方、カラー画像記録装置1の水平排出搬送路52から後主搬送路74に渡された記録用紙Pは、同じく前主搬送路75により水平に前方へ搬送されて最終処理装置3に渡される。
そうすると、搬送路接続装置6から渡された記録用紙Pとカラー画像記録装置1から渡された記録用紙Pとが、主搬送路合流途中部76で競合して衝突する恐れが生じる。そこで、この衝突を回避するために、バイパス搬送路装置5に対して、バイパス水平搬送路72における記録用紙Pの一時滞留制御が行われるようにしておけばよい。
また、上記のバイパス搬送路装置5の上方には、上部収容搬送路78と上部収容トレイ77とが備えられている。上部収容搬送路78は、バイパス水平搬送路72から分岐するようにして設けられており、バイパス水平搬送路72により搬送されている記録用紙Pを、搬送路切替レバー79の切替えにより受入れて搬送し、上部収容トレイ77に収容するものである。上部収容トレイ77は、モノクロ画像記録装置2で記録された記録用紙Pを、最終処理装置3まで搬送しないで、その途中で収容できるようにするために、モノクロ画像記録装置2専用の記録用紙収容トレイとして設けられている。
次に、最終処理装置3について説明する。最終処理装置3は、カラー画像記録装置1やモノクロ画像記録装置2により画像記録された記録用紙Pを収容する装置である。この収容に際しては、複数の記録用紙Pを搬送されてきた順に収容したり、収容した複数の記録用紙Pを綴じて製本したりする機能を備えている。
そのため、この最終処理装置3には、第1収容水平搬送路81、第2収容水平搬送路82、第3収容搬送路83、搬送路切替レバー84、フィニッシャ部85、第1収容トレイ86、及び、第2収容トレイ87が備えられている。この内、第1収容水平搬送路81、第2収容水平搬送路82、及び、第3収容搬送路83は、バイパス搬送路装置5の前主搬送路75から渡された記録用紙Pをフィニッシャ部85又は第2収容トレイ87に搬送するのに用いられる。
第1収容水平搬送路81の後端部には、バイパス搬送路装置5の前主搬送路75の前端部が接続され、第1収容水平搬送路81の前端部は、第2収容水平搬送路82の後端部及び第3収容搬送路83の上端部に接続される。この接続部分には、搬送路切替レバー84が設けられており、この搬送路切替レバー84により、搬送距離が短い第1収容水平搬送路81により搬送された記録用紙Pを、第2収容水平搬送路82と第3収容搬送路83のいずれに搬送するかが切り替えられる。第3収容搬送路83は、上端部から下方に向かう垂直な搬送路を形成し、途中で略前方に向かって円弧状に曲がった後に水平な搬送路を形成している。上記の第1収容水平搬送路81、第2収容水平搬送路82、及び、第3収容搬送路83には、図示されていない駆動手段により駆動されるローラやガイド(図示されていない)が備えられている。
第2収容水平搬送路82の前端部の下方には、フィニッシャ部85が配設されている。このフィニッシャ部85は、第2収容水平搬送路82により搬送されてきた記録用紙Pを順にストックし、綴じて製本等を行って第1収容トレイ86に送り出す。また、第3収容搬送路83により搬送された記録用紙Pは、搬送されてきた順に第2収容トレイ87に収容される。上記したように、最終処理装置3は前述した共通の記録物収容部に相当することから、前述した記録物収容部としては、製本可能な第1収容トレイ86と、単に搬送されてきた順に収容する第2収容トレイ87とが存在する。
以上、図1乃至図4を参照して、本システムの一構成例について説明したが、次に、図5を参照して、本システムにおける制御について説明する。図5は、図1の画像記録システムにおける画像記録制御を実行する主要部の例を示すブロック図である。なお、図5においては、搬送路接続装置6を図示していないが、図1乃至図4で示したようにモノクロ画像記録装置2とカラー画像記録装置1との間に設けられているものとする。
カラー画像記録装置1、モノクロ画像記録装置2、及び最終処理装置3は、それぞれ、カラー側制御部、モノクロ側制御部、及び最終処理側制御部を備えている。このうち、カラー側制御部には、バイパス搬送路装置5の制御機能が含まれ、モノクロ側制御部には、カラー画像読取装置4及び搬送路接続装置6の制御機能が含まれている。
このほか、カラー側制御部には、主制御部2aに、本システムとして必要な立ち上げ制御機能(後述する)も含まれているものとする。但し、後述するように、本システムとして必要なこれらの制御機能は、モノクロ側制御部に設けてもよいし、モノクロ側制御部及びカラー側制御部の双方に設けてもよいし、それらの中間としてバイパス搬送路装置5や搬送路接続装置6内に制御部を設けてもよい。
カラー側制御部は、カラー側主制御部1aとしてカラー側ICU(イメージコントロールユニット)1b及びカラー側PCU(プリントコントロールユニット)1cが設けられ、そのカラー側主制御部1aと、カラー側操作パネル201(図1及び図2を参照)を有するカラー側OCU(オペレータ制御ユニット)5aと、カラー側HDD1dと、カラー側管理部1eとで構成されている。
カラー側ICU1bは、カラー画像記録装置1で処理されるカラー画像データに関する処理を行う。このカラー側ICU1bは、カラー画像記録装置1が独立した単体で使用される場合で、且つ、カラー画像記録装置1の上部にもカラースキャナ等が搭載されている場合には、これらカラースキャナに関する制御も行う。カラー側HDD1dは、カラー画像読取装置4から読み取られた画像データを一時的に記憶する。カラー側PCU1cは、上記したカラー画像記録装置1の制御を行う。カラー側OCU5aは、カラー画像記録装置1の操作を行うユーザ(オペレータ)によって操作される部分であり、液晶表示器の上にタッチパネルを配置したカラー側操作パネル201(図1及び図2を参照)を備えている。カラー側管理部1eは、カラー画像記録装置1が行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである。カラー側PCU1cは、カラー側管理部1eが記憶している管理情報を参照し、参照した情報に基づいてカラー画像記録装置1の制御を行う。
モノクロ側制御部は、モノクロ側主制御部2aとしてモノクロ側ICU2b及びモノクロ側PCU2cが設けられ、そのモノクロ側主制御部2aと、モノクロ側操作パネル202(図1及び図2を参照)を有するモノクロ側OCU4bと、モノクロ側HDD2dと、モノクロ側管理部2eとで構成されている。
モノクロ側ICU2bは、基本的には、モノクロ画像記録装置2で処理されるモノクロ画像データに関する処理を行うが、本システムのように、モノクロ画像記録装置2の上部にカラー画像読取装置4が搭載されている場合は、このカラー画像読取装置4におけるカラースキャナ4aで読み取られるカラー画像データの処理も含むカラースキャナ4aに関する制御も行う。モノクロ側HDD2dは、上記の画像データを一時的に記憶する。モノクロ側PCU2cは、上記したモノクロ画像記録装置2の制御を行う。モノクロ側OCU4bは、モノクロ画像記録装置2の操作を行うオペレータによって操作される部分であり、液晶表示器の上にタッチパネルを配置したモノクロ側操作パネル202(図1及び図2を参照)を備えている。モノクロ側管理部2eは、モノクロ画像記録装置2が行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである。モノクロ側PCU2cは、モノクロ側管理部2eが記憶している管理情報を参照し、参照した情報に基づいてモノクロ画像記録装置2の制御を行う。
最終処理側制御部3aは、SUB CPU(サブ中央処理ユニット)3aで構成されている。このサブCPU3aは、最終処理装置3の制御を行う。なお、最終処理側制御部には、OCUを設けなくてもよく、最終処理装置3に対する操作指示に関する情報は、カラー側制御部のカラー側OCU5a又はモノクロ側制御部のモノクロ側OCU4bからの情報を使用するとよい。
本システムは、その制御に関する部位として、上記のほか、プリンタボード90及びHDD91を備えている。プリンタボード90は、カラー側ICU1b及びモノクロ側ICU2bに接続されている。プリンタボード90は、本システムの外部に設置されたLANに接続されており、このLANを介して、LAN接続された他の画像記録装置のICU92やPCに接続されている。このプリンタボード90は、PC等からLANを介して本システムに送信された画像データを受信して、カラー側ICU1b又はモノクロ側ICU2bへ送信する。HDD91は、これらの画像データを一時的に記憶する。
また、本システムの制御においては、カラー画像記録装置1の制御を行うカラー側PCU1cと、モノクロ画像記録装置2の制御を行うモノクロ側PCU2cとが相互接続されており、必要な情報を相互に交換できるようになっている。また、カラー画像読取装置4は、モノクロ側ICU2bとカラー側ICU1bの双方に接続されており、カラースキャナ4aで読取られた全画像データが、カラー側HDD1dに記憶されるようになっている。また、本システムでは、カラー側PCU1cに本システム全体を統括する機能を付与している。そのため、カラー側PCU1cは、本システムが最も効率よく処理できるように、モノクロ側PCU2c及び最終処理側制御部3aのサブCPU3aに対して指示を行う。
上記のカラー側OCU5aは、本来は、カラー画像記録装置1に対する指示のみを行い、同じく上記のモノクロ側OCU4bは、本来は、モノクロ画像記録装置2に対する指示のみを行うというように、それぞれ独立した存在である。例えば、カラー画像記録装置1及びモノクロ画像記録装置2に収納される記録用紙Pの種類とその記録用紙Pが収納された該当記録用紙収納トレイ等の情報は、カラー側OCU5a及びモノクロ側OCU4bから、それぞれ別々に入力される。
しかし、本システムの制御においては、システムの効率を上げるために、カラー側OCU5aと、モノクロ側OCU4bとは、相互に役割分担を行っている。すなわち、カラー画像読取装置4を搭載しているモノクロ画像記録装置2のモノクロ側操作パネル202(図1及び図2を参照)は、カラー画像読取装置4、モノクロ画像記録装置2、カラー画像記録装置1、及び最終処理装置3に関する画像データの入力及び処理の指示等を行う。これに対して、モノクロ画像記録装置2及びカラー画像記録装置1の動作状態や入力済みの画像データの確認及び処理の指示等は、カラー画像記録装置1側のカラー側操作パネル201に表示されるようになっている。このような役割分担により、カラー画像記録装置1に設けられたカラー側操作パネル201と、モノクロ画像記録装置2に設けられたモノクロ側操作パネル202とは、その構成が若干異なっている(図1及び図2を参照)。
次に、上記したカラー側制御部の主制御部1aに具備される、本発明における画像記録システムとして必要な電源制御機能について説明する。すなわち、ここでの説明では、カラー画像記録装置1のカラー側主制御部1aが、上記した電源制御手段として、或いは電源制御手段及び動作状態監視手段として、モノクロ画像記録装置2のモノクロ側主制御部2aを制御するものとする。
ここで、動作状態監視手段は、カラー画像記録装置1及びモノクロ画像記録装置2の動作状態を監視するための手段であって、各画像記録装置について、例えば、記録可能に待機した状態、印刷ジョブを受け付けて処理を実行している状態、省エネモードに移行した節電状態、電源オフされた停止状態のいずれの状態にあるかを監視する。電源制御手段は、動作状態監視手段による各画像記録装置の動作状態に基づいて、いずれか一方の画像記録装置を節電状態に移行させ、他方の画像記録装置を記録可能な状態で待機させるように制御する。
ここで、カラー画像記録装置1は、モノクロ画像記録機能を備えているため、カラーとモノクロの両方に対応することができ、また、通常、モノクロ画像記録装置2と比較して多彩な記録モードを備えているため、まず、モノクロ画像記録装置2から節電状態に移行させ、カラー画像記録装置1を記録可能な状態で待機させるのが望ましい。
動作状態監視手段は、タイマ機能を備え、2つの画像記録装置が記録可能に待機した状態で所定時間経過したかどうかを判定する。すなわち、待機状態になってから所定時間に渡って印刷ジョブの入力がない場合、その旨を電源制御手段に通知する。電源制御手段は、動作状態監視手段からの通知を受けると、モノクロ画像記録装置2を節電状態に移行させ、カラー画像記録装置1を記録可能な状態で待機させる。このように、カラー画像記録装置1を待機状態にしておくことで、システムとして節電を行いながら、カラー印刷ジョブ,モノクロ印刷ジョブのいずれの印刷ジョブにも迅速に対応することができる。
また、電源制御手段は、2つの画像記録装置のうち、いずれか一方の画像記録装置の画像の記録に必要な消耗品を使い切ったときに、その画像記録装置を節電状態に移行させ、他方の画像記録装置を記録可能な状態で待機させるようにしてもよい。上記消耗品とは、例えば、記録用紙やトナーなどであって、例えば、カラー側主制御部1aに、モノクロ画像記録装置2を優先的に使用するように設定しておけば、モノクロ側の消耗品が先になくなるため、モノクロ画像記録装置2が先に節電状態に移行し、カラー画像記録装置1が最後まで待機状態となる。
また、カラー側主制御部1aに、各画像記録装置の消耗品の残量をカウントする機能を備えるようにしてもよい。この場合、2つの画像記録装置のうち、カウントした消耗品の残量が所定量よりも少なくなった側を先に使い切るようにする。例えば、モノクロ画像記録装置2の消耗品の残量が、カラー画像記録装置1の消耗品の残量よりも先に所定量よりも少なくなった場合、モノクロ側の消耗品が先になくなるため、モノクロ画像記録装置2が先に節電状態に移行し、カラー画像記録装置1が最後まで待機状態になる。
また、カラー側主制御部1aに、システムが受け付けたプリントジョブの種別(カラー又はモノクロ)に応じて、記録処理を行わせる画像記録装置を選択する機能を備えるようにしてもよい。電源制御手段は、上記選択した画像記録装置が節電状態にある場合、その画像記録装置を記録可能な状態に復帰させるように制御する。
カラー画像記録装置1のカラー側主制御部1aには、主制御部1a内のCPU、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memoly)等でなるコンピュータを、電源制御手段として、或いは電源制御手段及び動作状態監視手段として機能させるためのプログラムを、実行可能に組み込むことによって、各手段を実現することができる。ここで、実行可能に組み込むとは、プログラムをCPUがRAM上に読み出して実行するようにROM(書き換え可能ROMでもよい)に組み込むことなどを指す。
なお、カラー画像記録装置1及びモノクロ画像記録装置2に対して、節電状態に移行させる順序を、カラー側管理部1e及び/又はモノクロ側管理部2eに格納しておき、カラー側PCU1c及び/又はモノクロ側PCU2cから読み出すようにしてもよい。この場合、電源制御手段は、カラー側管理部1e及び/又はモノクロ側管理部2eから読み出した節電状態移行順序に従って、節電状態に移行させる画像記録装置を決定する。
次に、本発明の主たる特徴部分としての各手段における電源制御などの好ましい形態について説明する。
本システムでは、本発明の主たる特徴として、上記したように電源制御手段を備える。図1乃至図4での示した例におけるこの電源制御手段は、2つの画像記録装置の動作状態に基づいて、いずれか一方の画像記録装置を節電状態に移行させ、他方の画像記録装置を記録可能な状態で待機させるように制御する。
図6は、図1乃至図5で説明した画像記録システムにおける電源制御処理の一例を説明するためのフロー図である。上記した電源制御手段における電源制御処理(省エネモード突入・復帰処理)について、図6を参照して説明する。なお、ここでも、本発明に係る画像記録システムとして必要な電源制御機能がカラー側主制御部1aに具備されるものとして説明する。
まず、本システム(カラー側主制御部1a)は、印刷ジョブの入力待機状態になった時点からタイマをスタートさせ(ステップS1)、データ(印刷ジョブ)を受け付けたかどうかを判定し(ステップS2)、予め設定されている時間前にデータを受け付けた場合(YESの場合)、タイマを解除し(ステップS3)、いずれか一方あるいは両方の画像記録装置の印刷処理準備を開始する(ステップS4)。
次に、本システムは、使用する画像記録装置の印刷準備がOKとなったかどうかを判定し(ステップS5)、印刷準備がOKとなった場合(YESの場合)、受け付けたデータの印刷処理を開始する(ステップS6)。また、ステップS5において、印刷準備がOKでない場合(NOの場合)、ステップS5の処理を繰り返す。
一方、本システムは、ステップS2において、データ(印刷ジョブ)を受け付けない場合(NOの場合)、予め設定されている時間に対してタイムオーバーになったかどうかを判定し(ステップS7)、タイムオーバーになった場合(YESの場合)、タイマを解除し(ステップS8)、本例では、記録部2に相当するモノクロ画像記録装置2を節電状態に移行させ、記録部1に相当するカラー画像記録装置1を記録可能な状態で待機させる(ステップS9)。また、ステップS7において、タイムオーバーになっていない場合(NOの場合)、ステップS2に戻り処理を繰り返す。
次に、本システムは、データ(印刷ジョブ)を受け付けたかどうかを判定し(ステップS10)、データを受け付けた場合(YESの場合)、そのデータの種別(モノクロ又はカラー)からモノクロデータであるかどうか、すなわち、使用する記録部が節電側であるかどうかを判定し(ステップS11)、モノクロデータ、すなわち、使用する記録部が節電側のモノクロ画像記録装置2の場合(YESの場合)、記録部(モノクロ画像記録装置2)を復帰させ(ステップS12)、ステップS4に移行して印刷処理準備を行う。
一方、本システムは、ステップS10において、データを受け付けていない場合(NOの場合)、ステップS10の処理を繰り返す。また、ステップS11において、モノクロデータではなくカラーデータ、すなわち、使用する記録部が待機側であるカラー画像記録装置1の場合(NOの場合)、ステップS4に移行して印刷処理準備を行う。
図7は、図1乃至図5で説明した画像記録システムにおける電源制御処理の他の例を説明するためのフロー図である。本例では、画像記録システムにデータが入力されたときの処理について図7を参照して説明する。なお、ここでも、本発明に係る画像記録システムとして必要な電源制御機能がカラー側主制御部1aに具備されるものとして説明する。
まず、本システム(カラー側主制御部1a)は、入力された印刷データ(印刷ジョブ)を分析し(ステップS21)、その種別がカラーかどうかを判定する(ステップS22)。ここで、カラーの場合(YESの場合)、対応する記録部(カラー画像記録装置1)が記録可能かどうかを判定し(ステップS23)、記録可能な場合(YESの場合)、印刷処理を開始し(ステップS24)、印刷完了したかどうかを判定する(ステップS25)。印刷完了した場合(YESの場合)、そのまま終了し、一方、印刷完了しない場合(NOの場合)、ステップS25の処理を繰り返す。
一方、本システムは、ステップS22において、印刷データの種別がカラーでなくモノクロの場合(NOの場合)、記録部選択条件を確認し(ステップS26)、使用する記録部を特定し(ステップS27)、ステップS23に移行する。また、本システムは、ステップS23において、対応する記録部が記録可能でない場合(NOの場合)、印刷準備を行い(ステップS28)、ステップS23に戻り処理を繰り返す。
図8は、図1乃至図7で説明した画像記録システムにおけるエンジン毎の省エネモード突入・復帰処理の一例を説明するための概略図である。
本システムでは、エンジン毎、すなわち画像記録装置毎に省エネモードに入り、またエンジン毎に省エネモードから復帰するようにすることが好ましい。エンジンの使用は偏ることもあるため、省エネモードの制御を独立にすることにより、エネルギー消費効率が向上する。そして、本システムでは、このような省エネモードへの移行や通常モードへの復帰に対して、本発明に係る電源制御手段が有効に機能する。
まず、図8の上段で示したようにモノクロ画像記録装置2のモノクロエンジンのジョブが一定時間ない場合には省エネモード入りするようにする。このとき、カラージョブに対して、カラー画像記録装置1のカラーエンジンで、用紙i〜iiiにカラー印刷が実行され、最終処理装置3に排出がなされている。ここで、図8の中段で示したように、モノクロエンジンにジョブが来た場合、モノクロエンジンが省エネモードから復帰して、モノクロエンジンで用紙iv〜viiにモノクロ印刷が実行され、最終処理装置3に排出される。逆に、カラーエンジンのジョブが一定時間なければ、図8の下段で示したようにカラー画像記録装置1のカラーエンジンを省エネモードに入れるようにしてもよい。モノクロ印字された記録物を搬送するために、バイパス搬送路装置5等は駆動している。
このように、本システムにおいて、モノクロ画像記録装置2(及びカラー画像記録装置1)は、一定の条件下で、モノクロ画像記録装置2(及びカラー画像記録装置1)の一部への電力供給を停止する節電モード状態に移行する。このようにすることにより、本システムにおける節電効果を図っている。また、節電効果と同時に、カラー画像の記録もモノクロ画像の記録も可能なカラー画像記録装置1ではなく、モノクロ画像の記録のみしかできないモノクロ画像記録装置2をまず節電モード状態に移行するようにすることで、カラー画像記録装置1ではカラー/モノクロの双方のジョブに対応可能とし、本システムとしてのパフォーマンスの向上を図っている。
図9は、本発明の他の実施形態に係る画像記録システムの一構成例を示す概略断面図で、図10は、図9の画像記録システムにおける画像記録制御を実行する主要部の例を示すブロック図である。以下、図9及び図10を参照して、図3及び図5の画像記録システムに代わるシステム構成例として、図3及び図5の画像記録システムのカラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2との配置を入れ換えた例を示している。そのため、図3及び図5の説明と重複する箇所については同じ符号を付すと共に、その詳細な説明は基本的に省略する。
図9で例示した本システムは、中央部に配置されたモノクロ画像記録装置2と、このモノクロ画像記録装置2の前方側(図では左側)に配置された最終処理装置3と、モノクロ画像記録装置2の後方側(図では右側)に配置されたカラー画像記録装置1、及び、このカラー画像記録装置1の上部に搭載されたカラー画像読取装置(カラースキャナ)4とで構成されている。
また、モノクロ画像記録装置2の前部から上部にかけて、このモノクロ画像記録装置2に覆い被さるように、側面視逆L字形状のバイパス搬送路装置5が配置されており、カラー画像記録装置1の前部とモノクロ画像記録装置2の後部との間には、筐体状の搬送路接続装置6が配置されている。また、バイパス搬送路装置5の上方には、上部収容トレイ77が備えられている。そして、カラー画像記録装置1の前部は搬送路接続装置6を介してモノクロ画像記録装置2の後部と接続され、カラー画像記録装置1の前部はバイパス搬送路装置5を介して最終処理装置3の後部と接続されている。
すなわち、図9で例示する本システムは、前方から後方にかけて、最終処理装置3、バイパス搬送路装置5、モノクロ画像記録装置2、搬送路接続装置6、及びカラー画像記録装置1が直列に接続された構成となっている。そして、モノクロ画像記録装置2の上部は、上部収容トレイ77を備えたバイパス搬送路装置5で占有され、カラー画像記録装置1の上部には、バイパス搬送路装置はなく、カラー画像読取装置4で占有されている。
また、本システムの構成として、上記のモノクロ画像記録装置2とカラー画像記録装置1とが並べて配置され、各画像記録装置に対して記録済記録媒体(記録物)を共通に収容する記録物収容部(共通収容部ともいう)が設けられると共に、上記のカラー画像記録装置1に対しては、カラー画像記録装置1の記録物を専用に収容する専用収容部(バイパス搬送路装置5の上方に備えられた上部収容トレイ77で例示)が、上記の共通収容部と選択的に使用可能に設けられるようにしてもよい。
以上、このような構成とすることにより、カラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2とを併用する分散処理時には、カラー画像記録装置1の記録物と、モノクロ画像記録装置2の記録物とを、共に、共通収容部に収容するようにすることができる。また、モノクロ画像記録装置2を単独で使用するモノクロ機単独処理時には、モノクロ画像記録装置2の記録物を、共通収容部に収容できる。また、カラー画像記録装置1を単独で使用するカラー機単独処理時には、カラー画像記録装置1の記録物を、専用収容部に収容できる。これにより、二つの画像記録ジョブの並列処理を、円滑に行うことができる。
以下、これら各装置の構成について簡単に説明する。
カラー画像記録装置1は、図9に示すように、4組の画像形成ユニット10BK、10C、10M、10Y、中間転写ユニット20、転写定着ユニット30、第1記録用紙収納トレイ41、第2記録用紙収納トレイ42、第3記録用紙収納トレイ43、第4記録用紙収納トレイ44、水平供給搬送路51、水平排出搬送路52、第1垂直搬送路53、第2垂直搬送路54、第3垂直搬送路55、水平帰還搬送路56、及び、画像処理されたカラー画像の記録用紙を収容する排出収容トレイ157で構成されている。なお、カラー画像記録装置1は、カラー画像を記録媒体である記録用紙Pに記録する方法として、図4等と共に上記したようないずれかのタンデム式を採用すればよい。
上記のカラー画像記録装置1において、記録用紙Pを搬送する搬送路は、次のように構成されている。すなわち、記録用紙Pへの文字や図形の記録は、転写定着ユニット30の転写定着ローラ31と加圧ローラ32とが接触して形成される転写定着ニップで行われるので、この転写定着ニップへ記録用紙Pを搬送する必要がある。そのため、この転写定着ニップへ記録用紙Pを搬送して供給する水平供給搬送路51は、転写定着ユニット30の転写定着ニップから後方に向かって水平に延びるように形成されている。また、転写定着ニップから記録用紙Pを搬送して排出する水平排出搬送路52は、転写定着ユニット30の転写定着ニップから前方に向かって水平に延びるように形成されている。この水平排出搬送路52は、後述するバイパス搬送路装置5の後端部に接続され、このバイパス搬送路装置5を介して後述する最終処理装置3に接続される。
次に、図9におけるモノクロ画像記録装置2について説明する。モノクロ画像記録装置2は、モノクロの文字や図形等を記録用紙Pに記録するものである。図9において、モノクロ画像記録装置2は、モノクロ画像形成ユニット60、定着ユニット63、第1記録用紙収納トレイ141、第2記録用紙収納トレイ142、第3記録用紙収納トレイ143、第4記録用紙収納トレイ144、水平供給搬送路151、水平排出搬送路152、第1垂直搬送路153、第2垂直搬送路154、第3垂直搬送路155、水平帰還搬送路156、及び、排出収容トレイ77で構成されている。この排出収容トレイ77は、後部のカラー画像記録装置1で画像処理されたカラー画像の記録用紙を収容するトレイ(但し、通常は共通収容部に収容される)になる。
上記のモノクロ画像記録装置2は、上記したカラー画像記録装置1において、転写定着ユニット30を感光体ドラム61と加圧ローラ62に置き換えることにより構成可能である。すなわち、上記のモノクロ画像記録装置2における記録用紙Pを収納する記録用紙収納トレイ及び記録用紙Pを搬送する搬送路は、上記したカラー画像記録装置1の記録用紙収納トレイ及び搬送路と、その構成や配設が、全く同じである。従って、これらに関する説明を省略する。但し、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152は、カラー画像記録装置1とは異なり、後述するバイパス搬送路装置5の前部に接続され、この部分を介して同じく後述する最終処理装置3に接続される。なお、図9において、モノクロ画像記録装置2における記録用紙Pを収納する記録用紙収納トレイや記録用紙Pを搬送する搬送路に関する部分は、百番台の番号で表示されており、これらの番号の下2桁の数字が、カラー画像記録装置1における該当部分の番号と同じである。
次に、図9における搬送路接続装置6について説明する。搬送路接続装置6は、カラー画像記録装置1の前部に装着されて使用され、カラー画像記録装置1の水平排出搬送路52により搬送された記録用紙Pを、カラー画像記録装置1に装着されているバイパス搬送路装置5の後端部に搬送する機能を備えている。
そのため、この搬送路接続装置6には、バイパス上昇搬送路71が備えられている。このバイパス上昇搬送路71の後端部は、カラー画像記録装置1の水平排出搬送路52の前端部に接続される。また、このバイパス上昇搬送路71は、後端部が水平な搬送路を形成し、この後端部から途中部にかけて上方へ円弧状に曲がり、途中部は垂直な搬送路を形成しており、この途中部から前端部にかけて前方へ円弧状に曲がり、前端部は水平な搬送路を形成している。上記のバイパス上昇搬送路71には、図示されていない駆動手段により駆動されるローラやガイド(図示されていない)が備えられている。
上記の搬送路接続装置6では、カラー画像記録装置1の水平排出搬送路52から渡された記録用紙Pは、バイパス上昇搬送路71の後端部により前方へ水平に短い距離を搬送された後、バイパス上昇搬送路71の途中部により下方から上方へ搬送され、更に、バイパス上昇搬送路71の前端部により前方へ水平に短い距離を搬送される。
次に、図9におけるバイパス搬送路装置5について説明する。このバイパス搬送路装置5は、モノクロ画像記録装置2の前部から上部にかけてモノクロ画像記録装置2に覆い被さるように装着されている。このバイパス搬送路装置5は、搬送路接続装置6のバイパス上昇搬送路71から渡された記録用紙Pを、最終処理装置3に搬送する。また、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152から排出されて渡された記録用紙Pを、最終処理装置3に搬送する。
そのため、このバイパス搬送路装置5には、バイパス水平搬送路72、バイパス下降搬送路73、後主搬送路74、及び、前主搬送路75が備えられている。バイパス水平搬送路72の後端部には、搬送路接続装置6のバイパス上昇搬送路71の前端部が接続され、バイパス水平搬送路72の前端部は、バイパス下降搬送路73の上端部に接続され、バイパス下降搬送路73の下端部は、後主搬送路74と前主搬送路75の接続部分である主搬送路合流途中部76に合流して接続される。また、前主搬送路75の後端部には、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152の前端部が接続される。上記のバイパス水平搬送路72、バイパス下降搬送路73、後主搬送路74、及び、前主搬送路75には、図示されていない駆動手段により駆動されるローラやガイド(図示されていない)が備えられている。
上記のバイパス搬送路装置5では、搬送路接続装置6のバイパス上昇搬送路71によりバイパス水平搬送路72へ渡された記録用紙Pは、バイパス水平搬送路72により前方に向かって水平に搬送され、バイパス下降搬送路73により下方に向かって垂直に搬送され、主搬送路合流途中部76で前主搬送路75に渡され、前主搬送路75により水平に前方へ搬送されて最終処理装置3に渡される。他方、モノクロ画像記録装置2の水平排出搬送路152から後主搬送路74に渡された記録用紙Pは、同じく前主搬送路75により水平に前方へ搬送されて最終処理装置3に渡される。
また、上記のバイパス搬送路装置5の上方には、上部収容搬送路78と上部収容トレイ77とが備えられている。上部収容搬送路78は、バイパス水平搬送路72から分岐するようにして設けられており、バイパス水平搬送路72により搬送されている記録用紙Pを、搬送路切替レバー79の切替えにより受入れて搬送し、上部収容トレイ77に収容するものである。上部収容トレイ77は、カラー画像記録装置1で記録された記録用紙Pを、最終処理装置3まで搬送しないで、その途中で収容できるようにするために、カラー画像記録装置1専用の記録用紙収容トレイとして設けられている。なお、図9における最終処理装置3については、図3のそれと同じである。
以上、図9を参照して、本システムの他の構成例について説明したが、本システムにおける制御については、図10で図示したように、基本的に図5乃至図8を参照して説明したものと同様であり、詳細な説明は省略する。但し、図3と図9との違いのように、図10の例では、カラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2との配置が逆になっている。
例えば、図10におけるカラー側制御部は、カラー側主制御部1aとしてカラー側ICU1b及びカラー側PCU1cが設けられ、そのカラー側主制御部1aと、カラー側操作パネルを有するカラー側OCU5aと、カラー側HDD1dと、カラー側管理部1eとで構成されている。一方、モノクロ側制御部は、モノクロ側主制御部2aとしてモノクロ側ICU2b及びモノクロ側PCU2cが設けられ、そのモノクロ側主制御部2aと、モノクロ側操作パネルを有するモノクロ側OCU4bと、モノクロ側HDD2dと、モノクロ側管理部2eとで構成されている。
カラー側ICU1bがカラー画像記録装置1で処理されるカラー画像データに関する処理を行う点、並びに、モノクロ側ICU2bがモノクロ画像記録装置2で処理されるモノクロ画像データに関する処理を行う点は同じである。但し、カラー画像読取装置4におけるカラースキャナ4aで読み取られるカラー画像データの処理も含むカラースキャナ4aに関する制御は、モノクロ側ICU2bでは行わず、カラー側ICU1bだけで行うよう構成するとよい。
また、最終処理側制御部におけるサブCPU3aは、最終処理装置3の制御を行う。なお、最終処理側制御部には、OCUを設けなくてもよく、最終処理装置3に対する操作指示に関する情報は、カラー側制御部のカラー側OCU5a又はモノクロ側制御部のモノクロ側OCU4bからの情報を使用するとよい。
次に、上記したカラー側主制御部1a及び/又はモノクロ側主制御部2a、或いは搬送路接続装置6等の他の筐体内の制御部に具備される、本発明における画像記録システムとして必要な電源制御機能については、図5乃至図8で説明した通りであり、その説明を省略する。
以上、カラー側制御部の主制御部1aに、本システムとして必要な電源制御機能も含まれているものとして説明したが、本システムとして必要なこれらの制御機能は、モノクロ側制御部の主制御部2aに設けてもよい。この場合の主制御部2aの処理は、カラー側主制御部1aに対する説明を援用することで説明できるので、その説明を省略する。
また、本システムとして必要な電源制御機能は、モノクロ側制御部(モノクロ側主制御部2a等)及びカラー側制御部(カラー側主制御部1a等)の双方に設けてもよい。
すなわち、カラー画像記録装置1の制御部に、モノクロ画像記録装置2の制御部を介してモノクロ画像記録装置2を監視する監視手段と、電源制御手段、或いは電源制御手段及び動作状態監視手段を具備するとよい。一方で、モノクロ画像記録装置2の制御部に、カラー画像記録装置1の制御部を介してカラー画像記録装置1を監視する監視手段と、電源制御手段、或いは電源制御手段及び動作状態監視手段を具備するとよい。
カラー側主制御部1aには、主制御部1a内のCPU、作業領域としてのRAM、ROM等でなるコンピュータを、監視手段及び電源制御手段として、或いは監視手段及び電源制御手段及び動作状態監視手段として機能させるためのプログラムを実行可能に組み込み、且つ、モノクロ側主制御部2aには、主制御部2a内のCPU、作業領域としてのRAM、ROM等でなるコンピュータを、監視手段及び電源制御手段として、或いは監視手段及び電源制御手段及び動作状態監視手段として機能させるためのプログラムを実行可能に組み込むことによって、各手段による監視・電源制御等の処理を実現することができる。
さらに、本システムとして必要な電源制御機能は、モノクロ側制御部及びカラー側制御部ではなく、バイパス搬送路装置5や搬送路接続装置6内の制御部に設けてもよい。
すなわち、カラー画像記録装置1とモノクロ画像記録装置2との間に配置された筐体等の筐体に組み込まれ、電源制御手段や動作状態監視手段として、カラー画像記録装置1の制御部とモノクロ画像記録装置2の制御部との双方を制御する共通制御部を備えるようにするとよい。
この共通制御部には、共通制御部内のCPU、作業領域としてのRAM、ROM等でなるコンピュータを、電源制御手段や動作状態監視手段として機能させるためのプログラムを実行可能に組み込むことによって、各手段による電源制御等の処理を実現することができる。